説明

パターン形成方法及びインプリント材料

【課題】残膜を効率的に除去できるパターン形成方法及びインプリント材料を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、以下を実施するパターン形成方法が提供される。被加工膜10の上に、酸及び塩基の少なくともいずれかを発生する反応開始剤21を含む下地膜20を形成する。下地膜の上にインプリント材料30を塗布し、インプリント材料にテンプレート40を接触させて、凹凸の形状を有するインプリント膜33を形成する。反応開始剤から酸及び塩基の少なくともいずれかを発生させ、それをインプリント膜の下地膜の側の部分に導入し、エッチング速度をそれ以外の部分よりも高くする。インプリント膜を凹部を除去する。インプリント膜の凸部をマスクにして被加工膜を加工する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、パターン形成方法及びインプリント材料に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置やMEMS(Micro Electro Mechanical System:微小電気機械システム)装置などの微細構造を有する電子デバイスの製造において、微細パターンを高生産性で形成する技術として、基板に原版の型を転写するナノインプリント法が注目されている。
【0003】
ナノインプリント法においては、転写すべきパターンを有する原版の型(テンプレート)を、基板上の樹脂に接触させ、その樹脂を硬化させることにより、基板上の樹脂にパターンが転写される。
【0004】
ナノインプリント法において、テンプレートの凸部と基板との間に発生する樹脂材料の残膜を除去するための処理を行うと、転写パターンの凸部の高さが低くなり、転写パターンをマスクにした基板の加工性を劣化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−220797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、残膜を効率的に除去できるパターン形成方法及びインプリント材料を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態によれば、パターン形成方法が提供される。前記パターン形成方法においては、被加工膜の上に、酸及び塩基の少なくともいずれかを発生する反応開始剤を含む下地膜を形成する。前記下地膜の上にインプリント材料を塗布し、前記インプリント材料にテンプレートを接触させて、凹凸の形状を有するインプリント膜を形成する。前記反応開始剤から前記酸及び前記塩基の少なくともいずれかを発生させて、前記インプリント膜の前記下地膜の側の部分に導入し、前記インプリント膜のうちの前記少なくともいずれかを導入した前記部分におけるエッチング速度を前記インプリント膜の前記少なくともいずれかを導入した前記部分を除く部分におけるエッチング速度よりも高くする。前記インプリント膜の凹部を除去する。前記インプリント膜の凸部をマスクにして前記被加工膜を加工する。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、パターン形成方法が提供される。前記パターン形成方法においては、被加工膜の上に、酸及び塩基の少なくともいずれかを発生する反応開始剤を含むインプリント材料を塗布する。前記インプリント材料の前記被加工膜の側の下層部分に、前記反応開始剤を局在化させた状態で、前記インプリント材料にテンプレートを接触させて、凹凸の形状を有するインプリント膜を形成する。前記インプリント膜への光照射及び前記インプリント膜の加熱の少なくともいずれかにより、前記反応開始剤から前記酸及び前記塩基の少なくともいずれかを発生させて前記下層部分におけるエッチング速度を前記インプリント膜の前記下層部分を除く部分におけるエッチング速度よりも高くする。前記インプリント膜の凹部を除去する。前記インプリント膜の凸部をマスクにして前記被加工膜を加工する。
【0009】
本発明の別の実施形態によれば、被加工膜の上に塗布されインプリント法によるパターン形成方法に用いられるインプリント材料が提供される。前記インプリント材料は、加熱及び光照射の少なくともいずれかにより酸及び塩基の少なくともいずれかを発生し、界面活性構造を有する反応開始剤を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態に係るパターン形成方法を例示するフローチャート図である。
【図2】図2(a)〜図2(h)は、第1の実施形態に係るパターン形成方法を例示する模式的断面図である。
【図3】図3(a)〜図3(g)は、参考例のパターン形成方法を示す模式的断面図である。
【図4】図4(a)〜図4(h)は、第1の実施形態に係る別のパターン形成方法を例示する模式的断面図である。
【図5】第2の実施形態に係るパターン形成方法を例示するフローチャート図である。
【図6】図6(a)〜図6(h)は、第2の実施形態に係るパターン形成方法を例示する模式的断面図である。
【図7】図7(a)〜図7(h)は、第2の実施形態に係る別のパターン形成方法を例示する模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施形態に係るパターン形成方法を例示するフローチャート図である。 図2(a)〜図2(h)は、第1の実施形態に係るパターン形成方法を例示する模式的断面図である。
【0013】
図1及び図2(a)に表したように、本実施形態に係るパターン形成方法においては、被加工膜10の上に、酸及び塩基の少なくともいずれかを発生する反応開始剤21を含む下地膜20を形成する(ステップS110)。
【0014】
被加工膜10は、例えば、シリコンなどの半導体や、種々の絶縁体や、種々の導電体(金属を含む)などを含む基板5の上に設けられている。または、被加工膜10は、基板5自身でも良い。以下では、被加工膜10は、基板5の上に設けられる場合として説明する。
【0015】
被加工膜10としては、例えばシリコンなどの半導体膜や、種々の絶縁膜や、種々の導電体膜(金属膜を含む)が用いられる。以下では、被加工膜10として、厚さが40ナノメートル(nm)のシリコン酸化膜を用いる場合として説明する。
【0016】
反応開始剤21には、例えば、加熱により酸を発生する材料、光照射により酸を発生する材料、加熱により塩基を発生する材料、及び、光照射により塩基を発生する材料などを用いることができる。
【0017】
以下では、反応開始剤21として、加熱により酸を発生する芳香族スルホニウム塩を用いる場合について説明する。
【0018】
下地膜20は、上記の反応開始剤21に加えて、他の材料22を含むことができる。他の材料22は、反応開始剤21を含む下地膜20となる材料が溶液として安定化するための溶媒などを含む。また、他の材料22は、被加工膜10の密着性を向上するための材料を含む。すなわち、下地膜20は、反応開始剤21の他に密着性向上剤を含むことができる。
【0019】
下地膜20は、被加工膜10の上に、例えば回転塗布される。下地膜20の厚さは、例えば1nm以上5nm以下であり、例えば3nmである。ただし、実施形態はこれに限らず、下地膜20の形成方法及び下地膜20の厚さは任意である。
【0020】
図1に表したように、下地膜20の上にインプリント材料を塗布し、インプリント材料にテンプレートを接触させて、凹凸の形状を有するインプリント膜を形成する(ステップS120)。このインプリント膜33は、インプリント材料からなり、テンプレートの凹凸の形状を反映した底部と頂部を有する。
【0021】
すなわち、図2(b)に表したように、下地膜20の上に、インプリント材料30を塗布する。インプリント材料30には、下地膜20に含まれる反応開始剤21から発生する酸及び塩基の少なくともいずれかによって、エッチング速度が増大するような材料が用いられる。インプリント材料30には、例えば、光硬化性のアクリル樹脂等が用いられる。
【0022】
インプリント材料30の塗布には、例えばインクジェット法などが用いられる。インクジェット法によって塗布されるインプリント材料30の1滴の量は、例えば10ピコリットル(pl)である。ただし、実施形態はこれに限らず、インプリント材料30の塗布方法及び塗布量は任意である。
【0023】
図2(c)に表したように、インプリント材料30にテンプレート40を接触させる。例えば、インプリント材料30が感光性(例えば光硬化性)である場合には、テンプレート40には、光を透過させる材料が用いられる。テンプレート40には、例えば、石英などが用いられる。ただし、実施形態はこれに限らず、テンプレート40の材料は任意である。
【0024】
テンプレート40の転写面(インプリント材料30に接触させる側の面)には、凹凸が設けられている。すなわち、テンプレート40は、テンプレート凸部41とテンプレート凹部42と、を有する。ここで、テンプレート凸部41の高さh1(テンプレート凹部42の深さ)は、例えば65nmである。テンプレート凸部41の幅は例えば40nmであり、テンプレート凹部42の幅は例えば40nmである。ただし、テンプレート凸部41の高さh1、テンプレート凸部41の幅、及び、テンプレート凹部42の幅は任意である。
【0025】
インプリント材料30にテンプレート40を接触させることで、インプリント材料30は、テンプレート40のテンプレート凹部42に進入し、インプリント材料30は、テンプレート凸部41とテンプレート凹部42との形状に沿った形状に変形する。このとき、テンプレート凸部41と被加工膜10との間の距離は零にはならず、テンプレート凸部41と被加工膜10との間に所定の間隔が設けられる。テンプレート凸部41と被加工膜10との間にインプリント材料30が設けられ、これが残膜となる。残膜の厚さである残膜厚RLT(Residual Layer Thickness)は、例えば、被加工膜10の上に塗布されるインプリント材料30の量(単位面積当たりの量)によって制御される。残膜厚RLTは、例えば30nmである。
【0026】
図2(d)に表したように、テンプレート40を介して、インプリント材料30に例えば光61を照射してインプリント材料30を硬化させる。これにより、インプリント材料30からなり、テンプレート40の凹凸の形状を反映した底部31と頂部32とを有するインプリント膜33が形成される。インプリント膜33は、テンプレート凸部41とテンプレート凹部42とに対応する、底部31と頂部32とを有する。そして、インプリント膜33の底部31の厚さは、残膜厚RLTに実質的に対応する。
【0027】
このように、インプリント膜33の形成工程(ステップS120)は、インプリント材料30にテンプレート40を接触させた状態でインプリント材料30に光61を照射して、インプリント材料30を硬化させる工程を含むことができる。ただし、実施形態はこれに限らず、インプリント材料30の硬化の手法は任意である。例えば、インプリント膜33の形成工程(ステップS120)は、インプリント材料30にテンプレート40を接触させた状態でインプリント材料30を加熱して、インプリント材料30を硬化させる工程を含んでも良い。
【0028】
その後、図2(e)に表したように、硬化したインプリント膜33からテンプレート40を離して、テンプレート40を離型する。
【0029】
テンプレート40を離型した後、図1に表したように、反応開始剤21から酸及び塩基の少なくともいずれかを発生させて、インプリント膜33の下地膜10の側の部分に導入し、インプリント膜33のうちの酸及び塩基の少なくともいずれかが導入された部分におけるエッチング速度をインプリント膜33の上記の部分を除く部分におけるエッチング速度よりも高くする(ステップS130)。
【0030】
すなわち、発生した酸及び塩基の少なくともいずれかをインプリント膜33の底部31に導入し、底部31におけるエッチング速度を頂部32におけるエッチング速度よりも高くする反応を実施させる。
【0031】
具体的には、図2(f)に表したように、下地膜20を加熱して、下地膜20中の反応開始剤21から酸21aを発生させ、その酸21aをインプリント膜33の底部31に拡散させて、酸21aをインプリント膜33の底部31に導入する。例えば、被加工体を、空気中において150℃の温度で1分間の加熱処理を行うことにより、反応開始剤21から酸21aが発生する。この酸21aは、この加熱によって、底部31に拡散する。
【0032】
インプリント膜33の底部31においては、導入された酸21aを触媒として、インプリント膜33は空気中の水と反応する。例えば、インプリント膜33に用いられる樹脂はエステル結合を有しており、このエステル結合が酸21aによって加水分解し、例えばカルボン酸とアルコールとが生成される。これにより、樹脂中のエステル結合が切断される。一方、頂部32には、酸21aは導入されない。これにより、底部31のエッチング速度は頂部32のエッチング速度よりも高くなる。
【0033】
このように、上記の反応工程(ステップS130)は、下地膜20を加熱し、酸及び塩基の少なくともいずれかを発生させ、発生した酸及び塩基の少なくともいずれかをインプリント膜33に移動させる加熱工程を含む。具体的には、インプリント膜22の底部31に移動させる。
【0034】
反応工程の後、図1に表したように、インプリント膜33の凹部を除去する(ステップS140)。すなわち、インプリント膜33をエッチングし、底部31を除去する。
【0035】
すなわち、図2(g)に表したように、例えば酸素プラズマなどの異方性のドライエッチングを施し、インプリント膜33の底部31を除去する。このとき、インプリント膜33の頂部32は、底部31よりもエッチング速度が低いため、頂部32の高さの減少は小さい。
例えば、底部31におけるエッチング速度は120nm/min(ナノメートル/分)であり、頂部32におけるエッチング速度は約90nm/minである。
【0036】
なお、頂部32の先端は、この加工によりインプリント膜33の角部がエッチングされて断面積は小さくなることがあり、断面積が一定である部分の頂部32の高さを頂部高さh2とする。頂部高さh2が、インプリント膜33のマスクとして機能する実効的な厚さに相当する。そのため、実際の加工のマスクとして用いることができるインプリント膜33の膜厚h2は、テンプレート凸部41の高さh1よりも小さくなる。
【0037】
例えば、テンプレート凸部41の高さh1(テンプレート凹部42の深さ)が65nmであり、底部31の厚さであるRLTが30nmであるときに、頂部高さh2は、38nmとなる。
【0038】
図1及び図2(h)に表したように、インプリント膜33の凸部をマスクにして被加工膜10を加工する(ステップS150)。すなわち、インプリント膜33の残った部分をマスクにして、例えば、CF系ガスを用いたRIEにより、下地膜20を加工し、被加工膜10(この例ではシリコン酸化膜)を加工する。所望の厚さの被加工膜10を加工する間に、マスクとして使用されるインプリント膜33の厚さも減少するが、本実施形態においては、頂部高さh2が高いため、被加工膜10の加工の最後まで、インプリント膜33は存在でき、被加工膜10の所望の加工が可能になる。
【0039】
例えば、被加工膜10(この場合はシリコン酸化膜)の加工におけるインプリント膜33と被加工膜10と加工選択比は1.3である。このため、約50nmの厚さ以下の酸化シリコン膜の加工が可能である。
【0040】
被加工膜10の加工の後に、酸素プラズマ処理を施し、インプリント膜33をアッシングして除去する。これにより、シリコン酸化膜のパターンが形成される。
【0041】
図3(a)〜図3(g)は、参考例のパターン形成方法を示す模式的断面図である。
参考例のパターン形成方法においては、下地膜20を形成しない。
【0042】
すなわち、図3(a)及び(b)に表したように、被加工膜10の上にインプリント材料30を塗布する。そして、図3(c)に表したように、インプリント材料30にテンプレート40を接触させる。そして、図3(d)に表したように、インプリント材料30からなり、テンプレート40の凹凸の形状を反映した底部31と頂部32とを有するインプリント膜33を形成する。
【0043】
そして、図3(e)に表したように、テンプレート40を離型し、図3(f)に表したように、インプリント膜33をエッチングし、底部31を除去する。このとき、参考例においては底部31におけるエッチング速度と頂部32におけるエッチング速度とが同じである。例えば、底部31におけるエッチング速度も、頂部32におけるエッチング速度も、約90nm/minである。
【0044】
このため、底部31を除去するときに、頂部32の高さは底部31の厚さに対応する量だけ減少する。この場合も、断面積が一定である部分の頂部32の高さを頂部高さh2とすると、テンプレート凸部41の高さh1(テンプレート凹部42の深さ)が65nmであり、底部31の厚さであるRLTが30nmであるときに、参考例においては、頂部高さh2は、例えば25nmとなる。
【0045】
図3(g)に表したように、インプリント膜33をマスクにして被加工膜10を加工するが、インプリント膜33の高さ(頂部高さh2)が低いため、被加工膜10の加工の途中で、インプリント膜33は消失してしまい、被加工膜10の加工が実施できない。
【0046】
このように、参考例のパターン形成方法においては、被加工膜10の厚さや材料に関する制約が多く、所望の厚さで所望の材料の被加工膜10の加工は困難である。また、参考例のパターン形成方法において、テンプレート凸部41の高さh1(テンプレート凹部42の深さ)を高くし、凹凸のアスペクト比を高くすると、テンプレート40の形成が困難になり、転写工程における離型性が低下し、さらに、転写されたインプリント膜33が破壊され易くなる。
【0047】
これに対し、本実施形態に係るパターン形成方法においては、下地膜20を用いることで、インプリント膜33の底部31を選択的に効率的に除去でき、インプリント膜33の頂部32の頂部高さh2を高く維持できる。これにより、被加工膜10の厚さや材料に関する制約が緩和され、所望の厚さで所望の材料の被加工膜10の加工が可能になる。本実施形態に係るパターン形成方法によれば、残膜を効率的に除去できるパターン形成方法が提供できる。
【0048】
なお、別の参考例として、酸発生材料を含有する解重合性ポリマーを含むインプリント材料を基板表面にコートし、このインプリント材料に加熱したテンプレートの凸部を密着させ、凸部の熱で酸を発生させ凸部に密着する解重合性ポリマーを解重合させる方法が考えられる。しかしながら、加熱したテンプレートの凸部だけをインプリント材料に近接させるためには極めて高精度の高さ制御が必要であり、実用的には問題がある。また、テンプレートの凸部だけを局所的に加熱することは難しく、凸部を加熱する際にテンプレートの凹部を含む全体の温度が上昇してしまい、凸部に密着する部分の解重合性ポリマーだけを解重合させることは実用上困難である。また、テンプレートを部分的に加熱することは、テンプレートに歪みが生じ精度が劣化する。
【0049】
また、さらに別の参考例として、テンプレートの凸部表面に酸性部を有するテンプレートを用いる方法も考えられるが、この場合には、テンプレートの凸部表面に選択的に酸性部を形成することが難しく、またテンプレートの寿命の観点でも実用的には問題がある。
【0050】
これに対し、本実施形態に係るパターン形成方法においては、高精度の高さ制御を必要とせず、またテンプレートの局所的な加熱や局所的な表面処理も必要でなく、残膜の効率的な除去が実用的に可能である。
【0051】
図4(a)〜図4(h)は、第1の実施形態に係る別のパターン形成方法を例示する模式的断面図である。
本実施形態に係る別のパターン形成方法においては、反応開始剤として、光を照射することによって酸及び塩基の少なくともいずれかを発生するものが用いられる。
【0052】
図4(a)に表したように、被加工膜10の上に、光を照射することによって酸及び塩基の少なくともいずれかを発生する反応開始剤25を含む下地膜20を形成する(ステップS110)。
【0053】
反応開始剤25として、例えば、Bis(t-butylsulfonyl)diazomethaneが用いられる。
この場合も、下地膜20は、上記の反応開始剤25に加えて、密着性を向上させるための材料等を含む他の材料22を含むことができる。下地膜20の厚さは、例えば3nmである。この場合も、下地膜20の形成方法及び下地膜20の厚さは任意である。
【0054】
図4(b)に表したように、下地膜20の上に、インプリント材料30を塗布する。インプリント材料30には、例えば、光硬化性のアクリル樹脂等が用いられる。
【0055】
図4(c)に表したように、インプリント材料30にテンプレート40を接触させる。 テンプレート凸部41の高さh1(テンプレート凹部42の深さ)は、例えば65nmである。テンプレート凸部41の幅は例えば40nmであり、テンプレート凹部42の幅は例えば40nmである。この場合も、残膜の厚さである残膜厚RLTは、例えば30nmである。
【0056】
図4(d)に表したように、テンプレート40を介して、インプリント材料30に光61を照射してインプリント材料30を硬化させる。この光61の波長は、例えば365nmである。これにより、インプリント材料30からなり、テンプレート40の凹凸の形状を反映した底部31と頂部32とを有するインプリント膜33が形成される。すなわち、ステップS120を実施する。
【0057】
図4(e)に表したように、硬化したインプリント膜33からテンプレート40を離して、テンプレート40を離型する。
【0058】
図4(f)に表したように、下地膜20に光62を照射して、下地膜20中の反応開始剤25から酸25aを発生させ、その酸25aをインプリント膜33の底部31に拡散させて、酸25aをインプリント膜33の底部31に導入する。この時の光62には、例えば波長が270nm以下の波長の光が用いられる。具体的には、この光62の波長は、248nmとされる。
【0059】
その後、被加工体を、空気中において110℃の温度で1分間の加熱処理を行うことにより、反応開始剤25から発生した酸25aが、底部31に拡散する。
【0060】
底部31においては、インプリント膜33が酸25aによって分解される。一方、頂部32には、酸25aは導入されない。すなわち、底部31においは、底部31におけるエッチング速度が頂部32におけるエッチング速度よりも高くなる反応(例えば加水分解反応)が実施される。すなわち、ステップS130を実施する。
【0061】
図4(g)に表したように、例えば酸素プラズマなどの異方性のドライエッチングを施し、インプリント膜33の底部31を除去する。すなわち、ステップS140を実施する。
インプリント膜33の頂部32は、底部31よりもエッチング速度が低いため、頂部32の高さの減少は小さい。例えば、底部31におけるエッチング速度は120nm/minであり、頂部32におけるエッチング速度は約90nm/minである。
【0062】
例えば、テンプレート凸部41の高さh1(テンプレート凹部42の深さ)が65nmであり、底部31の厚さであるRLTが30nmであるときに、頂部高さh2は、38nmとなる。
【0063】
図4(h)に表したように、インプリント膜33をマスクにして被加工膜10を加工する。すなわち、ステップS150を実施する。所望の厚さの被加工膜10を加工する間に、マスクとして使用されるインプリント膜33の厚さも減少するが、本実施形態においては、頂部高さh2が高いため、被加工膜10の加工の最後まで、インプリント膜33は存在でき、被加工膜10の所望の加工が可能になる。
【0064】
被加工膜10の加工の後に、酸素プラズマ処理を施し、インプリント膜33をアッシングして除去する。これにより、シリコン酸化膜のパターンが形成される。
【0065】
このように、本具体例においては、上記の反応工程(ステップS130)は、下地膜20に光62を照射して、酸及び塩基の少なくともいずれかを発生させる光照射工程と、光照射工程の後に、下地膜20を加熱して、酸及び塩基の少なくともいずれかをインプリント膜33に移動させる加熱工程と、を含む。具体的には、底部31に移動させる。
【0066】
なお、上記の光照射工程における光62の波長は、インプリント膜33の形成(ステップS120)の際にインプリント材料30に照射される光61の波長よりも短い波長とすることができる。これにより、インプリント膜33の形成の工程において、反応開始剤25から酸及び塩基の少なくともいずれかが発生してしまい、未硬化のインプリント材料30に酸及び塩基の少なくともいずれかが進入し、インプリント材料30において硬化が必要な頂部32のエッチング速度が低下することが抑制され、所望の加工がし易くなる。
【0067】
(第2の実施の形態)
図5は、第2の実施形態に係るパターン形成方法を例示するフローチャート図である。 図6(a)〜図6(h)は、第2の実施形態に係るパターン形成方法を例示する模式的断面図である。
【0068】
図5及び図6(a)に表したように、本実施形態に係るパターン形成方法においては、被加工膜10の上に、酸及び塩基の少なくともいずれかを発生する反応開始剤26を含むインプリント材料50を塗布する(ステップS210)。反応開始剤26として、加熱により酸を発生する例えば芳香族スルホニウム塩が用いられる。
【0069】
そして、図5に表したように、インプリント材料50の被加工膜10の側の下層部分に、反応開始剤26を局在化させた状態で、インプリント材料50にテンプレート40を接触させて、凹凸の形状を有するインプリント膜33を形成する(ステップS220)。インプリント膜33は、インプリント材料50を含み、テンプレート40の凹凸の形状を反映した底部31と頂部32とを有する。
【0070】
すなわち、図6(b)に表したように、被加工膜10の上に塗布されたインプリント材料50を下層部分28と上層部分34とに分離させる。下層部分28は、インプリント材料50のうちの被加工膜10の側の部分である。下層部分28における反応開始剤26の濃度は、上層部分34における反応開始剤26の濃度よりも高い。すなわち、下層部分28に反応開始剤26が局在化している。例えばインプリント材料30に含まれる成分の表面張力を調整することにより、上記のような下層部分28と上層部分34とが分離する。下層部分28は、反応開始剤26の他に密着力を向上させるための材料などの他の材料27を含んでも良い。
【0071】
例えば、反応開始剤26として界面活性構造を有するものを使用する。界面活性構造は、親水部と疎水部とが化学的に結合した構造である。このような反応開始剤26用い、例えば、被加工膜10の表面が親水性(高表面張力)であると、塗布したインプリント材料50の膜中の下側の部分(被加工膜10の表面側の部分)において、反応開始剤26の濃度は高く、膜中の上側の部分で反応開始剤26の濃度は低くなる。これにより、下層部分28に反応開始剤26を局在化させことができる。このようにして層分離が行われる。本具体例においては、被加工膜10がシリコン酸化膜であり、被加工膜10の表面はシラノール化により親水性となっている。被加工膜10がシリコン酸化膜以外の場合においても、用いる被加工膜10に適した処理を行うことで、被加工膜10の表面は親水化(高表面張力化)できる。
【0072】
図6(c)に表したように、インプリント材料50の被加工膜10の側の下層部分28、反応開始剤26を局在化させた状態で、インプリント材料50にテンプレート40を接触させる。
【0073】
テンプレート40の表面は、例えばフッ素化などの低表面張力処理が施されている。このため、インプリント材料50にテンプレート40を接触させたときに、インプリント材料50の膜中の下層部分28に局在化した反応開始剤26は、下層部分28から上側(テンプレート40側)に向けて移動することが抑制される。
【0074】
図6(d)に表したように、例えば、インプリント材料50に光61を照射し、インプリント材料50からなり、テンプレート40の凹凸の形状を反映した底部31と頂部32とを有するインプリント膜33を形成する。
【0075】
このとき、反応開始剤26として、界面活性構造に加え、光架橋性構造を付与することで、インプリント材料50に光61を照射する際に、反応開始剤26の架橋が行われ、反応開始剤26が下層部分28に固着される。これにより、テンプレート40の離型などの応力などによって反応開始剤26が上層部分34に向かって移動することが抑制される。
【0076】
この後、図6(e)に表したように、硬化したインプリント膜33からテンプレート40を離して、テンプレート40を離型する。
【0077】
テンプレート40を離型した後、図5に表したように、インプリント膜33への光照射及びインプリント膜33の加熱の少なくともいずれかにより、反応開始剤26から酸及び塩基の少なくともいずれかを発生させて下層部分28におけるエッチング速度をインプリント膜33の下層部分28を除く部分におけるエッチング速度よりも高くする(ステップS230)。すなわち、底部31におけるエッチング速度を頂部32におけるエッチング速度よりも高くする反応を実施させる。
【0078】
具体的には、図6(f)に表したように、下地膜20を加熱して、下地膜20中の反応開始剤26から酸26aを発生させ、その酸26aをインプリント膜33の底部31に拡散させて、酸26aをインプリント膜33の底部31に導入する。この酸26aは、この加熱によって、底部31に拡散する。
【0079】
底部31においては、インプリント膜33が酸26aによって分解される。一方、頂部32には、酸26aは導入されない。すなわち、底部31においは、底部31におけるエッチング速度が頂部32におけるエッチング速度よりも高くなる反応(例えば加水分解反応)が行われる。
【0080】
図5及び図6(g)に表したように、インプリント膜33の凹部を除去する(ステップS240)。例えば、酸素プラズマなどの異方性のドライエッチングを施し、インプリント膜33の底部31を除去する。このとき、インプリント膜33の頂部32は、底部31よりもエッチング速度が低いため、頂部32の高さの減少は小さい。
【0081】
図5及び図6(h)に表したように、インプリント膜33の凸部(すなわち、インプリント膜33の残った部分)をマスクにして被加工膜10を加工する(ステップS250)。本実施形態においては、頂部高さh2が高いため、被加工膜10の加工の最後まで、インプリント膜33は存在でき、被加工膜10の所望の加工が可能になる。
【0082】
被加工膜10の加工の後に、酸素プラズマ処理を施し、インプリント膜33をアッシングして除去する。これにより、シリコン酸化膜のパターンが形成される。
【0083】
上記において、反応開始剤26として、構造の一部にアクリロイル基を結合させた材料を用いることができる。この場合には、インプリント材料50にテンプレート40を接触させた状態でインプリント材料50を硬化させるための光照射を行う際に、インプリント材料50の膜中の上層部分34(例えばアクリルモノマとラジカル開始剤とを含む)と反応開始剤26とが化学結合される。これにより、インプリント材料50の下層部分28と上層部分34との密着性が向上する。そして、反応開始剤26と被加工膜10とが例えば水素結合することで、インプリント材料50と被加工膜10との高い密着性が確保できる。反応開始剤26にアクリロイル基を導入することがさらに望ましい。
【0084】
このように、反応開始剤26は、酸及び塩基の少なくともいずれかを発生させる反応開始剤の機能に加え、密着性向上剤としての機能を有することができる。これにより、残膜を効率的に除去しつつ、密着性を向上させるための専用の膜を削減できる。
【0085】
なお、反応開始剤26に例えば光架橋性を付与した場合においては、反応開始剤26のエッチング耐性が高まるが、反応開始剤26を局在化させた下層部分28においては、下層部分28に含まれる他の材料22(樹脂など)が、反応開始剤26から発生した酸及び塩基の少なくともいずれかによって分解するため、下層部分28(底部31)におけるエッチング速度は頂部32におけるエッチング速度よりも高くなる。
【0086】
このように、実施形態に係るインプリント材料50は、例えば、被加工膜の上に塗布されインプリント法によるパターン形成方法に用いられるインプリント材料であって、加熱及び光照射の少なくともいずれかにより酸及び塩基の少なくともいずれかを発生し、界面活性構造を有する反応開始剤を含むインプリント材料とすることができる。さらに、本インプリント材料は、光架橋性を有することができる。本インプリント材料は、さらにアクリロイル基を有することができる。なお、ここで、アクリロイル基はメタアクリロイル基を含むものとする。
【0087】
図7(a)〜図7(h)は、第2の実施形態に係る別のパターン形成方法を例示する模式的断面図である。
本実施形態に係る別のパターン形成方法においては、反応開始剤として、光を照射することによって酸及び塩基の少なくともいずれかを発生するものが用いられる。
【0088】
図7(a)に表したように、被加工膜10の上に、酸及び塩基の少なくともいずれかを発生する反応開始剤29を含むインプリント材料50を塗布する(ステップS210)。反応開始剤29として、例えば、Bis(t-butylsulfonyl)diazomethaneが用いられる。
【0089】
そして、図7(b)に表したように、被加工膜10の上に塗布されたインプリント材料50を下層部分28と上層部分34とに分離させる。すなわち、層分離が行われる。
【0090】
図7(c)に表したように、インプリント材料50の被加工膜10の側の下層部分28、反応開始剤29を局在化させた状態で、インプリント材料50にテンプレート40を接触させる。
【0091】
図7(d)に表したように、例えば、インプリント材料50に光61を照射し、インプリント材料50からなり、テンプレート40の凹凸の形状を反映した底部31と頂部32とを有するインプリント膜33を形成する。すなわち、ステップS220を実施する。
【0092】
図7(e)に表したように、硬化したインプリント膜33からテンプレート40を離して、テンプレート40を離型する。
【0093】
上記のインプリント材料50の層分離からテンプレート40の離型までの工程に関しては、図6(a)〜図6(e)に関して説明したものと同様の構成及び方法を適用することができるので説明を省略する。
【0094】
図7(f)に表したように、下地膜20に光62を照射して、下地膜20中の反応開始剤29から酸29aを発生させる。この時の光62には、例えば波長が270nm以下の波長の光が用いられる。具体的には、この光62の波長は、248nmとされる。
【0095】
その後、被加工体を、空気中において110℃の温度で1分間の加熱処理を行うことにより、反応開始剤29から発生した酸29aが、底部31に拡散する。
【0096】
底部31においては、インプリント膜33が酸29aによって分解される。一方、頂部32には、酸29aは導入されない。すなわち、底部31においは、底部31におけるエッチング速度が頂部32におけるエッチング速度よりも高くなる反応(例えば加水分解反応)が行われる。すなわち、ステップS230を実施する。
【0097】
図7(g)に表したように、例えば酸素プラズマなどの異方性のドライエッチングを施し、インプリント膜33の底部31を除去する。すなわち、ステップS240を実施する。
インプリント膜33の頂部32は、底部31よりもエッチング速度が低いため、頂部32の高さの減少は小さい。
【0098】
図7(h)に表したように、インプリント膜33をマスクにして被加工膜10を加工する。すなわち、ステップS250を実施する。
【0099】
所望の厚さの被加工膜10を加工する間に、マスクとして使用されるインプリント膜33の厚さも減少するが、本実施形態においては、頂部高さh2が高いため、被加工膜10の加工の最後まで、インプリント膜33は存在でき、被加工膜10の所望の加工が可能になる。
【0100】
被加工膜10の加工の後に、酸素プラズマ処理を施し、インプリント膜33をアッシングして除去する。これにより、シリコン酸化膜のパターンが形成される。
【0101】
上記で説明した具体例においては、反応開始剤21、25、26及び29として酸を発生する材料の具体例について説明したが、反応開始剤21、25、26及び29として塩基を発生する材料を用いても良い。塩基を発生する材料としては、例えば、N−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)イミダゾール、N−(3−ニトロベンジルオキシカルボニル)イミダゾール、N−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)イミダゾール、N−(5−メチル−2−ニトロベンジルオキシカルボニル)イミダゾール、及び、N−(4−クロロ−2−ニトロベンジルカルボニル)イミダゾールなどが挙げられる。ただし、実施形態はこれに限らず、反応開始剤として、塩基を発生する任意の材料を用いることができる。
【0102】
本発明の実施形態によれば、残膜を効率的に除去できるパターン形成方法及びインプリント材料が提供できる。
【0103】
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれは良い。
【0104】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、パターン形成方法において用いられる基板、被加工膜、インプリント材料、下地膜、反応開始剤及びテンプレートなどの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0105】
その他、本発明の実施の形態として上述したパターン形成方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全てのパターン形成方法も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0106】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0107】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0108】
5…基板、 10…被加工膜、 20…下地膜、 21…反応開始剤、 21a…酸、 22…他の材料、 25…反応開始剤、 25a…酸、 26…反応開始剤、 26a…酸、 27…他の材料、 28…下層部分、 29…反応開始剤、 29a…酸、 30…インプリント材料、 31…底部、 32…頂部、 33…インプリント膜、 34…上層部分、 40…テンプレート、 41…テンプレート凸部、 42…テンプレート凹部、 50…インプリント材料、 61、62…光、 RLT…残膜厚、 h1…高さ、 h2…頂部高さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工膜の上に、酸及び塩基の少なくともいずれかを発生する反応開始剤を含む下地膜を形成する工程と、
前記下地膜の上にインプリント材料を塗布し、前記インプリント材料にテンプレートを接触させて凹凸の形状を有するインプリント膜を形成する工程と、
前記反応開始剤から前記酸及び前記塩基の少なくともいずれかを発生させて、前記インプリント膜の前記下地膜の側の部分に導入し、前記インプリント膜のうちの前記少なくともいずれかを導入した前記部分におけるエッチング速度を前記インプリント膜の前記少なくともいずれかを導入した前記部分を除く部分におけるエッチング速度よりも高くする工程と、
前記インプリント膜の凹部を除去する工程と、
前記インプリント膜の凸部をマスクにして前記被加工膜を加工する工程と、
を備えたことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項2】
前記インプリント膜のうちの前記少なくともいずれかを導入した前記部分におけるエッチング速度を高くする前記工程は、
前記下地膜を加熱し、前記酸及び前記塩基の前記少なくともいずれかを発生させ、発生した前記酸及び前記塩基の前記少なくともいずれかを前記インプリント膜に移動させる加熱工程を含むことを特徴とする請求項1記載のパターン形成方法。
【請求項3】
前記インプリント膜のうちの前記少なくともいずれかを導入した前記部分におけるエッチング速度を高くする工程は、
前記下地膜に光を照射して、前記酸及び前記塩基の前記少なくともいずれかを発生させる光照射工程と、
前記光照射工程の後に、下地膜を加熱して、前記酸及び前記塩基の前記少なくともいずれかを前記インプリント膜に移動させる加熱工程と、
を含むことを特徴とする請求項1記載のパターン形成方法。
【請求項4】
被加工膜の上に、酸及び塩基の少なくともいずれかを発生する反応開始剤を含むインプリント材料を塗布する工程と、
前記インプリント材料の前記被加工膜の側の下層部分に、前記反応開始剤を局在化させた状態で、前記インプリント材料にテンプレートを接触させて、凹凸の形状を有するインプリント膜を形成する工程と、
前記インプリント膜への光照射及び前記インプリント膜の加熱の少なくともいずれかにより、前記反応開始剤から前記酸及び前記塩基の少なくともいずれかを発生させて前記下層部分におけるエッチング速度を前記インプリント膜の前記下層部分を除く部分におけるエッチング速度よりも高くする工程と、
前記インプリント膜の凹部を除去する工程と、
前記インプリント膜の凸部をマスクにして前記被加工膜を加工する工程と、
を備えたことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項5】
前記インプリント膜の形成工程は、前記インプリント材料に前記テンプレートを接触させた状態で前記インプリント材料に光を照射して、前記インプリント材料を硬化させる工程を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
【請求項6】
被加工膜の上に塗布されインプリント法によるパターン形成方法に用いられるインプリント材料であって、加熱及び光照射の少なくともいずれかにより酸及び塩基の少なくともいずれかを発生し、界面活性構造を有する反応開始剤を含むことを特徴とするインプリント材料。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−9742(P2012−9742A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146187(P2010−146187)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】