説明

パチンコ機の入賞装置

【課題】小型化が可能となって狭い設置スペースでも取り付けが容易となるようにしたパチンコ機の入賞装置を提供する。
【解決手段】遊技盤102面に取り付ける取付基板1に球通孔4を開設し、取付基板1の前面に球通孔4を囲うようにして前面カバー5を取着し、前面カバー5の上面に球通孔4に対応する部位を残して球受口6を開設し、球受口6の下方であり球通孔4寄りに該球通孔4と連通する球入口7を開設すると共に球通孔4の反対寄りには球流出口8を開設し、前面カバー5内に球入口7と球流出口8との間に位置して取付基板1に沿って上下に揺動し球入口7を開閉する揺動板9を軸装し、取付基板1の後側に該取付基板1に沿って水平に配置され揺動板9を揺動動作させる電動アクチュエータ26を配置した構成からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤面に装着されるパチンコ機の入賞装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技者にとって有利な「大当り」状態になった場合に一度に沢山の入賞球を発生させ遊技者を興奮させる入賞装置が有る。この入賞装置は、例えば遊技盤面に取り付けられる取付基板に横長の球入口が開設されると共に該球入口には開閉扉が設けられている。該開閉扉は両側下端部が球入口の下縁部に軸着され、該軸着部を支点として前後方向に回動できるようになっている。また、取付基板の後側にはソレノイドといった電動アクチュエータが配置されると共に該ソレノイドが開閉扉に連係されている。そして、ソレノイドが消磁しているときは、開閉扉が起立して球入口を閉塞し該球入口にパチンコ球が入賞し得ないようにしている。一方、ソレノイドが励磁したときは開閉扉が前側へ回動して球入口を開放し、パチンコ球を開閉扉の上面で受け止めて球入口に入賞させるようにしている。入賞したパチンコ球は、その内部に設けられた球検出器により検出された後にパチンコ機の外部に排出される(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−103547号公報(第3−5頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記パチンコ機の入賞装置にあっては、開閉扉が起立したとき該開閉扉は遊技盤面に取着される取付基板とほぼ同一面上に位置して球入口を閉じ、該球入口が開放された状態では球入口に入賞したパチンコ球は転動して球検出器により検出され外部に排出される。このことから、取付基板の後側には、球入口と連通するようにして球検出部が形成され、更にその球検出部の後側に前記開閉扉を開閉作動させる電動アクチュエータとしてのソレノイドが配置される。このように、取付基板の後側に球検出部が形成されると共に特にソレノイドが取付基板に対し直交する向きに配置される関係から、入賞装置の後側が後方へ大きく突出して大型化し、遊技盤面に取り付けたとき、該遊技盤の裏面から後方へ大きく突出していた。よって、設置スペースが狭いと入賞装置の取り付けに苦慮するといった課題が有った。
【0005】
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされたもので、小型化が可能となって狭い設置スペースでも取り付けが容易となるようにしたパチンコ機の入賞装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するため本発明に係るパチンコ機の入賞装置は、遊技盤面に取り付ける取付基板に球通孔を開設し、前記取付基板の前面に前記球通孔を囲うようにして前面カバーを取着し、前記前面カバーの上面に前記球通孔に対応する部位を残して球受口を開設し、前記球受口の下方であり前記球通孔寄りに該球通孔と連通する球入口を開設すると共に前記球通孔の反対寄りには球流出口を開設し、前記前面カバー内に前記球入口と前記球流出口との間に位置して前記取付基板に沿って上下に揺動し前記球入口を開閉する揺動板を軸装し、前記取付基板の後側に該取付基板に沿って水平に配置され前記揺動板を揺動動作させる電動アクチュエータを配置し、前記揺動板が前記球流出口側へ下傾した状態では該揺動板により前記球入口が塞がれ、前記球受口から前記前面カバー内に落下したパチンコ球は前記揺動板の上面を前記球流出口側へ転動し、前記揺動板が前記球入口側へ下傾した状態では前記球入口が開放され、前記球受口から前記前面カバー内に落下したパチンコ球は前記揺動板の上面を前記球入口側へ転動するようにしたことを特徴とする。
【0007】
この際、前記揺動板の下方であり前記球入口側に第1逆回動防止部材を配置すると共に前記球流出口側に第2逆回動防止部材を配置し、これら第1逆回動防止部材と第2逆回動防止部材は前記電動アクチュエータの動作と連動して前記揺動板の揺動面と同一面内で同時に回動しかつ起立することにより該揺動板を下側から支持し、前記揺動板が前記球流出口側へ下傾した状態では前記第1逆回動防止部材が起立し、前記揺動板が前記球入口側へ下傾した状態では前記第2逆回動防止部材が起立するようにすることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るパチンコ機の入賞装置は、遊技盤面に取り付ける取付基板に球通孔を開設し、取付基板の前面に球通孔を囲うようにして前面カバーを取着し、前面カバーの上面に球通孔に対応する部位を残して球受口を開設し、球受口の下方であり球通孔寄りに該球通孔と連通する球入口を開設すると共に球通孔の反対寄りには球流出口を開設し、前面カバー内に球入口と球流出口との間に位置して取付基板に沿って上下に揺動し球入口を開閉する揺動板を軸装し、取付基板の後側に該取付基板に沿って水平に配置され揺動板を揺動動作させる電動アクチュエータを配置した構成からなる。そして、揺動板が球流出口側へ下傾した状態では該揺動板により球入口が塞がれ、球受口から前面カバー内に落下したパチンコ球は揺動板の上面を球流出口側へ転動し、揺動板が球入口側へ下傾した状態では球入口が開放され、球受口から前面カバー内に落下したパチンコ球は揺動板の上面を球入口側へ転動するようになる。このように、取付基板の前側にパチンコ球を受ける揺動板を配置すると共に該取付基板の後側に電動アクチュエータを該取付基板に沿って水平に配置するようにしたので、取付基板の後側に後方へ突出する部分が少なくなり、全体にコンパクトに形成される。よって、設置スペースの狭い場合でも、入賞装置の取り付けが容易に行なえるという効果を奏する。
【0009】
また、前記揺動板の下方であり球入口側に第1逆回動防止部材を配置すると共に球流出口側に第2逆回動防止部材を配置し、これら第1逆回動防止部材と第2逆回動防止部材は電動アクチュエータの動作と連動して揺動板の揺動面と同一面内で同時に回動しかつ起立することにより該揺動板を下側から支持し、揺動板が球流出口側へ下傾した状態では第1逆回動防止部材が起立し、揺動板が球入口側へ下傾した状態では第2逆回動防止部材が起立するようにすれば、揺動板のいずれの下傾状態も第1逆回動防止部材または第2逆回動防止部材によりしっかりと保持され、例えばパチンコ球が当接してその勢いで誤って回動してしまうといった誤動作を起こすことがないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る入賞装置の斜視図。
【図2】同分解斜視図。
【図3】同平面図。
【図4】図3のX−X線断面図。
【図5】(イ)は作用を説明する入賞装置の正面断面図、(ロ)は同背面断面図。
【図6】(イ)は作用を説明する入賞装置の正面断面図、(ロ)は同背面断面図。
【図7】本発明が適用されるパチンコ機の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係るパチンコ機の入賞装置の最良の実施の形態を図面に基づき詳しく説明する。図7は、本発明が適用されるパチンコ機の正面図である。該パチンコ機100は前面に透明板保持枠101が装着され、その後側に該透明板保持枠101により覆われるようにして遊技盤102が配置されている。また、透明板保持枠101の下方であってパチンコ機100の前面にパチンコ球を貯留して打球発射部(図示せず。)へ供給するための上球皿103が装着され、さらにその下方に該上球皿103から溢れるパチンコ球を貯留する下球皿104が装着されている。105は、パチンコ機100の下部前面に取着され打球発射部から発射されるパチンコ球の打球力を調整するための打球力調整ハンドルである。
【0012】
前記遊技盤102にはその前面に誘導レールである内側のガイドレール106aと外側のガイドレール106bとが略渦巻状に敷設され、該内側・外側ガイドレール106a,106bに囲まれるようにして遊技部107が形成されている。該遊技部107には、その中央に文字、数字等の図柄を変動表示する可変表示器108aを備えた可変表示装置108が配設され、その下方にパチンコ球の入賞により該可変表示器108aに表示する図柄を変動させる始動入賞口109が配置されている。また、その下方に本発明に係る大型の入賞装置110が配置されている。さらに遊技部107の両側に、内側のガイドレール106aの内側に沿って左右一対のランプ飾り111,111が装着される。112は、遊技部107に打ち込まれたパチンコ球であって入賞球になり得なかった遊技球をアウト球として該遊技盤102の外側へ排出するためのアウト球口である。
【0013】
そこで、遊技盤102面の遊技部107に打ち込まれ該遊技盤102面を流下するパチンコ球が始動入賞口109に入賞すると、可変表示装置108の可変表示器108aに表示される図柄が変動を開始し、一定時間経過後に停止する。このとき、停止した図柄が例えば「777」といった特定の図柄に揃うと、所謂「大当り」という遊技者に有利な特別遊技状態になる。この状態になると、大型の入賞装置110が開放して例えばパチンコ球が該入賞装置110に10個入賞するまで、または30秒間の間開く。更に、これを1ラウンドとして一定の条件が継続される限り最大限16ラウンドまで繰り返され、一度に多くの賞球が得られる。この間、可変表示装置108やランプ飾り111,111に内装された発光体が発光して電飾効果を発揮するようになっている。
【0014】
次に、入賞装置110について説明する。図1は本発明に係る入賞装置の斜視図、図2は同分解斜視図、図3は同平面図、図4は図3のX−X線断面図である。入賞装置110は遊技盤102の前面に当接する横長の取付基板1を有し、該取付基板1の4隅部に開設された螺子孔2を介して遊技盤102面に螺子3を螺締することにより、取付基板1が取着される。該取付基板1の正面から見たときの一側に球通孔4が開設されている。そして、該取付基板1の前面に球通孔4を囲うようにして横長かつ有底の前面カバー5が取着されている。該前面カバー5の上面には前記球通孔4に対応する部位を残して球受口6が開設され、該球受口6の下方であり球通孔4寄りに該球通孔4と連通する球入口7が開設されると共に球通孔4の反対寄りには球流出口8が開設されている。
【0015】
前記球受口6に対応位置して前面カバー5内に、入賞装置110を正面から見て左右に長い平面長方形状の揺動板9が配置される。該揺動板9は、球受口6を介して上方から前面カバー5内に落下するパチンコ球を受け止め球流出口8を介して遊技盤102面に放出するか球入口7に入賞させるためのもので、下部中央の軸筒部10に前面カバー5の前壁5aと取付基板1との間に架設される支軸11が挿通される。これにより、揺動板9が中央の支軸11を中心とし取付基板1の前面に沿ってシーソーのようにその左右両端が交互に上下に揺動することになる。また、揺動板9における下部中央の後側に下方へ突出する半円板状の固定板9aが設けられ、該固定板9aの後面に後方へ突出する作動軸17が一体に突設されている。該作動軸17は支軸11とほぼ平行をなし水平に支持される。
【0016】
更に、前記作動軸17について詳しく説明すると、該作動軸17は後記する往復動作部材22の枠体23aに遊挿されソレノイド26の駆動により揺動板9を上下に揺動させるためのものであり、揺動板9の上面がほぼ水平状態のとき支軸11のほぼ真下に位置する。また、揺動板9の長手方向の両端部の裏側には、それぞれ下方へ突出する一枚の歯部12a,12bが設けられている。
【0017】
そこで、揺動板9が球流出口8側へ下傾した状態では、同側の歯部12aが前面カバー5の底壁5bの縁に当接して停止し、揺動板9の上面に載ったパチンコ球は球流出口8側へ転動して該球流出口8から遊技盤102面に落下する。また、この状態では揺動板9により球入口7は塞がれ、パチンコ球が該球入口7に入賞することはない。これに対し、揺動板9が球入口7側へ下傾した状態では、同側の歯部12bが前面カバー5の底壁5bの上面に当接して停止し、その上面に載ったパチンコ球は球入口7側へ転動して該球入口7へ入賞することになる。
【0018】
前記揺動板9の下方には、支軸11を挟み正面から見てその左右両側にそれぞれ第1逆回動防止部材13と第2逆回動防止部材14が配置される。これら第1・第2逆回動防止部材13,14はそれぞれ揺動板9の傾斜した状態をしっかりと保持し誤って逆方向に回動しないようにするためのものであり、ほぼ同じ構成からなる。第1・第2逆回動防止部材13,14は、前面カバー5の前壁5aと取付基板1との間に架設される第1,第2支持軸15,16を筒本体13a,14aに挿通して軸着される。そして、第1・第2逆回動防止部材13,14が、取付基板1の前面に沿って揺動板9の揺動面と同一面内で自在に回動するようになっている。
【0019】
第1逆回動防止部材13は、筒本体13aの外周面に該筒本体13aの中心軸線と平行な第1支持片13bが突設され、後側には前記中心軸線と平行に後方へ伸びる第1ピン13cが設けられている。前記筒本体13aの中心軸線を中心とし、第1支持片13bと、筒本体13aの中心軸線と第1ピン13cの中心軸線を結んだ線と、のなす角は入賞装置110を正面から見てほぼ45度位である。同様に、第2逆回動防止部材14も、筒本体14aの外周面に該筒本体14aの中心軸線と平行な第2支持片14bが突設され、後側には前記中心軸線と平行に後方へ伸びる第2ピン14cが設けられている。前記筒本体14aの中心軸線を中心とし、第2支持片14bと、筒本体14aの中心軸線と第2ピン14cの中心軸線を結んだ線と、のなす角は入賞装置110を正面から見てほぼ45度位である。
【0020】
取付基板1には、そのほぼ中央部に前記揺動板9の後側から後方へ突出する作動軸17を遊挿する円弧状の通孔18が開設されている。また、該通孔18を挟んでその両側に、それぞれ第1逆回動防止部材13の第1ピン13cと第2逆回動防止部材14の第2ピン14cが遊挿される円弧状の第1ガイド孔19と第2ガイド孔20が開設されており、これら第1・第2ガイド孔19,20を介して第1・第2ピン13c,14cがその後側へ突出することになる。
【0021】
取付基板1の後面に、前記球通孔4や第1・第2ピン13c,14cを囲うようにして横長のガイド枠1aが一体に設けられ、該ガイド枠1aの後面に該ガイド枠1aと同じ幅で合致する後面カバー21が螺子3止めして被せられる。取付基板1の後側であって該後面カバー21の内部には、該取付基板1の裏面に接近するようにしかつ該取付基板1に沿って往復動作部材22が配置される。該往復動作部材22にはその中央に後記するソレノイド26に備えられたプランジャ28の先端の円板29が取着される保持部23が配置され、正面から見てその左右両側面にそれぞれ第1腕片24aと第2腕片24bが水平に突設される。また、保持部23の下部に前後方向に貫通する枠体23aが設けられている。
【0022】
そして、前記揺動板9から後方へ突出する作動軸17が枠体23aに遊挿している。また、第1腕片24aの下縁に下端面が開放される第1切欠部25aが設けられると共に第2腕片24bの下縁に下端面が開放される第2切欠部25bが設けられている。第1切欠部25aに第1逆回動防止部材13の第1ピン13cが遊挿され、第2切欠部25bに第2逆回動防止部材14の第2ピン14cが遊挿される。更に、取付基板1の後側に球流出口8側に位置させ平面的に見て往復動作部材22とほぼ一直線上に並ぶ電動アクチュエータとしてのソレノイド26が配置される。該ソレノイド26の一側にはスプリング27が巻回され球入口7側へ水平に進退動するプランジャ28が備えられ、該プランジャ28の先端に往復動作部材22の保持部23に取着される円板29が一体に設けられている。
【0023】
ソレノイド26が消磁しているときは、図5(ロ)に示すようにプランジャ28がスプリング27の付勢により球入口7側へ伸び、これに伴い往復動作部材22が同方向へ移動する。この際、枠体23aも移動することになるので、同時に揺動板9の作動軸17が支軸11を中心として回動し、揺動板9も回動して球流出口8側へ下傾した状態で停止している。同時に、第1・第2逆回動防止部材13,14も図5(イ)の矢視方向に示すように回動して球入口7側の第1支持片13bが起立しかつ球流出口8側の第2支持片14bが傾倒している。よって、揺動板9が誤って逆に球入口7側へ回動しようとしても、第1支持片13bに支えてその回動動作が止められる。
【0024】
一方、ソレノイド26が励磁すると、図6(ロ)に示すようにプランジャ28がスプリング27の付勢に抗して球流出口8側へ収縮し、これに伴い往復動作部材22が同方向へ移動する。この際、枠体23aも移動することになるので、同時に揺動板9の作動軸17が支軸11を中心として前記とは逆方向へ回動し、揺動板9も回動して球入口7側へ下傾した状態で停止する。同時に、第1・第2逆回動防止部材13,14も図6(イ)に示すように前記とは逆方向へ回動して、球入口7側の第1支持片13bが傾倒しかつ球流出口8側の第2支持片14bが起立する。よって、揺動板9が逆に球流出口8側へ回動しようとしても、第2支持片14bに支えてその回動動作が止められるようになっている。揺動板9が球流出口8側または球入口7側のいずれかに下傾している状態では、その状態はソレノイド26により保持されていることになる。
【0025】
前記前面カバー5における球入口7の内側には球検出器30が配置され、該球入口7に入賞したパチンコ球は球検出器30により電気的に検出されると共に球通孔4を介して後方へ転動する。後面カバー21の後壁21aには、前記球通孔4と対応位置して連通する球排出孔31が開設され、前記球通孔4を後方へ流れるパチンコ球は該球排出孔31から下方へ落下して排出される。
【0026】
本発明に係るパチンコ機の入賞装置は上記構成からなり、次に作用を説明する。図5(イ)は作用を説明する入賞装置の正面断面図、(ロ)は同背面断面図である。また、図6(イ)は作用を説明する入賞装置の正面断面図、(ロ)は同背面断面図である。ソレノイド26が消磁した状態では、図5(イ)(ロ)に示すようにプランジャ28がそのスプリング27の弾性により突出するように付勢され、往復動作部材22が球入口7側の位置で停止し揺動板9が球流出口8側へ下傾した状態となっている。このとき、第1支持片13bが起立すると共に第2支持片14bが傾倒している。また、反対側の球入口7は揺動板9により塞がれている。よって、遊技盤102面を流下し球受口6を介して前面カバー5内に入ったパチンコ球Bは、揺動板9の上面を球流出口8側へ転動して該球流出口8から落下し遊技盤102面に戻され、球入口7に入賞することはない。
【0027】
一方、例えば「大当り」といった遊技者にとって有利な特別遊技状態になり、ソレノイド26が励磁すると、スプリング27の付勢に抗してプランジャ28が収縮し、往復動作部材22が球流出口8側へ移動する。このとき、図6(イ)(ロ)に示すように第1支持片13bが傾倒すると共に第2支持片14bが起立する。これにより、揺動板9が球入口7側へ下傾することになり、同時に球入口7が開放する。よって、遊技盤102面を流下し球受口6を介して前面カバー5内に入ったパチンコ球Bは、揺動板9の上面を球入口7側へ転動して該球入口7へ入賞する。球入口7へ入賞したパチンコ球Bは、球検出器30により電気的に検出されると共に球通孔4を介して後側の球排出孔31から外部へ排出される。
【0028】
前記揺動板9が球流出口8側または球入口7側のいずれに下傾した状態となっても、その跳ね上げられた側の第1・第2逆回動防止部材13,14における第1,第2支持片13b,14bが起立しているので、たとえパチンコ球Bが当接してその勢いで誤って逆方向へ回動してしまうといった誤動作を起こす心配がない。
【0029】
このように、本発明は取付基板1の前側にパチンコ球を受ける揺動板9を配置すると共に該取付基板1の後側にソレノイド26を該取付基板1に沿って水平に配置するようにしたので、図4に示すように遊技盤102の後面から入賞装置110の後部が後方へ突出することがほとんどなくなり、全体にコンパクトに形成される。よって、設置スペースの狭い場合でも、入賞装置110の取り付けが容易に行なえる。
【0030】
本発明にあっては、前記揺動板9がその中央で軸着されシーソーのように揺動する構成を示したが、この他に例えば球流出口8側の端部を軸着し球入口7側の端部を上下に揺動させる揺動板についても本発明が適用できることは勿論である。
【符号の説明】
【0031】
1 取付基板
4 球通孔
5 前面カバー
6 球受口
7 球入口
8 球流出口
9 揺動板
13 第1逆回動防止部材
14 第2逆回動防止部材
26 電動アクチュエータ(ソレノイド)
102 遊技盤
B パチンコ球

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤面に取り付ける取付基板に球通孔を開設し、
前記取付基板の前面に前記球通孔を囲うようにして前面カバーを取着し、前記前面カバーの上面に前記球通孔に対応する部位を残して球受口を開設し、前記球受口の下方であり前記球通孔寄りに該球通孔と連通する球入口を開設すると共に前記球通孔の反対寄りには球流出口を開設し、
前記前面カバー内に前記球入口と前記球流出口との間に位置して前記取付基板に沿って上下に揺動し前記球入口を開閉する揺動板を軸装し、
前記取付基板の後側に該取付基板に沿って水平に配置され前記揺動板を揺動動作させる電動アクチュエータを配置し、
前記揺動板が前記球流出口側へ下傾した状態では該揺動板により前記球入口が塞がれ、前記球受口から前記前面カバー内に落下したパチンコ球は前記揺動板の上面を前記球流出口側へ転動し、前記揺動板が前記球入口側へ下傾した状態では前記球入口が開放され、前記球受口から前記前面カバー内に落下したパチンコ球は前記揺動板の上面を前記球入口側へ転動するようにしたことを特徴とするパチンコ機の入賞装置。
【請求項2】
前記揺動板の下方であり前記球入口側に第1逆回動防止部材を配置すると共に前記球流出口側に第2逆回動防止部材を配置し、これら第1逆回動防止部材と第2逆回動防止部材は前記電動アクチュエータの動作と連動して前記揺動板の揺動面と同一面内で同時に回動しかつ起立することにより該揺動板を下側から支持し、
前記揺動板が前記球流出口側へ下傾した状態では前記第一逆回動防止部材が起立し、前記揺動板が前記球入口側へ下傾した状態では前記第2逆回動防止部材が起立するようにした請求項1記載のパチンコ機の入賞装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate