説明

パチンコ遊技機

【課題】払出しモータから前後方向に2列で放出された遊技球を上皿内に左右方向に2列で供給すること。
【解決手段】球払出しケース130には右払出し通路151および左払出し通路152が設けられている。右払出し通路151は左払出しケース132の上通路および右払出しケース131の下通路相互間をアース板133の払出し連絡口を介して接続してなるものであり、左払出し通路152は左払出しケース132の通路のみからなるものである。この構成の場合、払出しモータから前後方向に2列で放出された遊技球が右払出し通路151および左払出し通路152のそれぞれに沿って一列で落下することで上皿内に左右方向に2列で供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技者から見て左右方向へ指向するタンクレールを備えたパチンコ遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記パチンコ遊技機にはタンクレール内の遊技球をタンクレールの底板の傾斜に沿って右から左へ前後方向に2列に転がす構成のものがある。このタンクレールの底板には下流側である左端部に位置して球払出し装置が接続されており、球払出し装置にはタンクレールの左端部を通して遊技球が前後方向に2列に供給される。この球払出し装置は運転停止状態で前列の遊技球および後列の遊技球のそれぞれを落下不能に支持するものであり、球払出し装置の運転状態では球払出し装置から遊技球が前後方向に2列に放出される。この球払出し装置は接続位置および接続解除位置相互間でスライド操作可能にされたものである。この球払出し装置は接続位置でタンクレールに接続されるものであり、遊技球の払出し処理は球払出し装置の接続位置で行われる。この球払出し装置は接続解除位置でタンクレールから離間するものである。この球払出し装置の接続解除位置ではタンクレールおよび球払出し装置相互間に球抜き用の開口部が形成され、タンクレール内から遊技球が開口部を通して前後方向に2列に抜取られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−224350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記パチンコ遊技機の場合、球払出し装置から遊技球を前後方向に2列に放出しているので、球払出し装置から第1の球受け皿および第2の球受け皿のそれぞれに遊技球を左右方向に向きを変えて供給することが困難である。第1の球受け皿は遊技盤の遊技領域内に発射する遊技球を貯留するものであり、第2の球受け皿は第1の球受け皿から溢れた遊技球を受けるものであり、第1の球受け皿および第2の球受け皿のそれぞれは球払出し装置に比べて前方に配置されている。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、タンクレールの底板に沿って右から左へ前後方向に2列で転動する遊技球を第1の球受け皿および第2の球受け皿のそれぞれに左右方向に向きを変えて供給することができるパチンコ遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のパチンコ遊技機は[1]遊技盤〜[17]シャッタ部材を備えたところに特徴を有している。
[1]遊技盤は遊技球が転動することが可能なものである。
[2]第1の球受け皿は遊技盤に発射する遊技球を貯留するものであり、図1の上皿8は第1の球受け皿に相当する。
[3]第2の球受け皿は第1の球受け皿内から溢れた遊技球を受けるものであり、図1の下皿11は第2の球受け皿に相当する。
[4]入賞口は遊技盤に設けられたものであり、遊技球が入賞することが可能なものである。
[5]タンクレールは遊技者から見て左右方向へ指向するものであり、遊技球を右から左に向けて前後方向に2列に転がす傾斜状の底板を有するものである。図4の球タンク25はタンクレールに相当するものであり、図4の球タンク29の底板29はタンクレールの底板に相当する。
[6]2つの払出し中継通路はタンクレールから遊技球が供給されるものである。これら2つの払出し中継通路は遊技球を上から下へ一列で放出するものであり、前後方向に並べられたものである。図9の前払出し中継通路80および図9の後払出し中継通路81は払出し中継通路に相当する。
[7]2つの球抜き中継通路はタンクレールから遊技球が供給されるものである。これら2つの球抜き中継通路は遊技球を上から下へ一列で放出するものであり、両払出し中継通路の右側に前後方向に並べて配置されている。図9の前球抜き中継通路82および図9の後球抜き中継通路83は球抜き中継通路に相当する。
[8]球払出しケースは両払出し中継通路および両球抜き中継通路の下方に設けられたものであり、右払出しケースおよび左払出しケース相互間に仕切板を介在してなるものである。図20の符号130は球払出しケースに相当するものであり、図20の符号131は右払出しケースに相当し、図20の符号132は左払出しケースに相当し、図20のアース板133は仕切板に相当する。
[9]左払出し室は左払出しケース内に設けられたものであり、遊技球を第1の球受け皿および第2の球受け皿のそれぞれに払出すためのものである。図23の符号154は左払出し室に相当する。
[10]右払出し室は右払出しケース内に設けられたものであり、遊技球を第1の球受け皿および第2の球受け皿のそれぞれに払出すためのものである。図22の符号153が右払出し室に相当する。
[11]払出し連絡口および球抜き連絡口は仕切板に設けられたものであり、遊技球が通過可能なものである。図24の符号150は払出し連絡口に相当し、図24の符号144は球抜き連絡口に相当する。
[12]左払出し通路は両払出し中継通路のうちの一方を通して左払出し室内に遊技球を一列で供給するものであり、左払出しケース内に左払出し室より高所に位置して設けられたものである。図23の符号152は左払出し通路に相当する。
[13]右払出し通路は両払出し中継通路のうちの他方を通して右払出し室内に遊技球を一列で供給するものであり、右払出しケース内に右払出し室より高所に位置して設けられた下通路および左払出しケース内に下通路より高所に位置して設けられた上通路相互間を仕切板の払出し連絡口を介して接続してなるものである。図20の符号151は右払出し通路に相当するものであり、図22の符号148は下通路に相当し、図23の符号146は上通路146に相当する。
[14]払出しモータは遊技球が入賞口に入賞した場合に遊技球を一方の払出し中継通路から左払出し通路を通して左払出し室内に供給すると共に他方の払出し中継通路から右払出し通路を通して右払出し室内に供給するものであり、図8の符号58は払出しモータに相当する。
[15]右球抜き通路は右払出しケース内に設けられたものであり、遊技球を両球抜き中継通路のうちの一方を通して球払出しケースの外部に一列で抜取るものである。図22の符号139は右球抜き通路に相当する。
[16]左球抜き通路は左払出しケース内に設けられた下通路および右払出しケース内に下通路より高所に位置して設けられた上通路相互間を仕切板の球抜き連絡口を介して接続してなるものであり、遊技球を両球抜き中継通路のうちの他方を通して球払出しケースの外部に一列で抜取るものである。図20の符号145は左球抜き通路に相当するものであり、図23の符号142は下通路142に相当し、図22の符号140は上通路に相当する。
[17]シャッタ部材は両球抜き中継通路を遊技球が通過不能に閉鎖する閉鎖状態および遊技球が通過可能に開放する開放状態相互間で移動操作されるものであり、開放状態で遊技球を一方の球抜き中継通路から右球抜き通路を通して球払出しケースの外部に抜取ると共に他方の球抜き中継通路から左球抜き通路を通して球払出しケースの外部に抜取る。図9のアースプレート45はシャッタ部材に相当する。このアースプレート45は前進位置および後退位置相互間で移動操作されるものであり、アースプレート45の前進位置は閉鎖状態に相当し、アースプレート45の後退位置は開放状態に相当する。
【発明の効果】
【0007】
1.遊技球の払出し機能
遊技球が入賞口に入賞した場合には払出しモータが運転される。この払出しモータの運転状態では遊技球が両払出し中継通路から前後方向に2列の配列で放出され、一方の払出し中継通路から球払出しケースの左払出し通路を通して左払出し室内に供給されると共に他方の払出し中継通路から球払出しケースの右払出し通路を通して右払出し室内に供給されることで前後方向の2列から左右方向の2列に配列が変えられる。これら左払出し室および右払出し室のそれぞれは遊技球を第1の球受け皿および第2の球受け皿に払出すためのものであり、遊技球は前後方向の2列から左右方向の2列に配列を変えて第1の球受け皿および第2の球受け皿に賞品として供給される。
2.遊技球の抜取り機能
シャッタ部材が閉鎖状態から開放状態に移動操作された場合には両球抜き中継通路のそれぞれが開放される。このシャッタ部材の開放状態では遊技球が両球抜き中継通路から前後方向に2列の配列で放出され、一方の球抜き中継通路から球払出しケースの右球抜き通路を通して球払出しケースの外部に取られると共に他方の球抜き中継通路から球払出しケースの左球抜き通路を通して球払出しケースの外部に抜取られることで前後方向の2列から左右方向の2列に配列が変えられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1を示す図(パチンコ遊技機を前方から示す図)
【図2】内枠をタンクユニットの装着状態で斜め前方から示す斜視図
【図3】内枠をタンクユニットの装着状態で示す図(aはXa視図、bはXb視図、cはXc視図)
【図4】タンクユニットをアースプレートおよび払出しモータの取外し状態で示す図(aはXa視図、bはXb視図、cはXc線に沿う断面図)
【図5】タンクユニットをアースプレートおよび払出しモータの取外し状態で斜め上方から示す斜視図
【図6】図4のX6線に沿う図
【図7】タンクユニットをアースプレートおよび払出しモータの装着状態で示す図(aはXa視図、bはXb線に沿う断面図、cはXc線に沿う断面図)
【図8】アースプレートと払出しモータとスクリューベースを斜め上方から示す斜視図
【図9】(a)はタンクユニットをアースプレートおよび払出しモータの装着状態で斜め下方から示す斜視図、(b)はXb線に沿う断面図
【図10】タンクユニットをアースプレートおよび払出しモータの装着状態で斜め上方から示す斜視図
【図11】払出しモータの動作原理を示す図
【図12】タンクユニットをアースプレートおよび払出しモータの装着状態で示す図(aはXa視図、bはXb視図、cはXc線に沿う断面図、dはXd部を拡大して示す図)
【図13】球均しベースを斜め上方から示す斜視図
【図14】メインセットの下枠を球払出しケースの装着状態で後方から示す図
【図15】メインセットの下枠を斜め上方から示す斜視図
【図16】メインセットの下枠を示す図(aはXa視図、bはXb視図、cはXc視図)
【図17】メインセットの下枠を球払出しケースの装着状態で斜め上方から示す斜視図
【図18】メインセットの下枠を球払出しケースの装着状態で示す図(aはXa視図、bはXb視図、cはXc視図)
【図19】図18のX線に沿う断面図
【図20】球払出しケースを斜め右方から示す斜視図
【図21】右払出しケースと左払出しケースとアース板を斜め右方から示す斜視図
【図22】右払出しケースを示す図(aはXa視図、bはXb視図)
【図23】左払出しケースを示す図(aはXa視図、bはXb視図)
【図24】アース板を示す図(aはXa視図、bはXb視図)
【図25】球払出しケースを示す図(aはXa視図、bはXb視図)
【図26】球払出しケースの内部構成を示す断面図(aは図25のA線に沿う断面図、bは図25のB線に沿う断面図、cは図25のC線に沿う断面図、dは図25のD線に沿う断面図)
【図27】球払出しケースの内部構成を示す断面図(aは図25のXa線に沿う断面図、bは図25のXb線に沿う断面図)
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0009】
外枠1は、図1に示すように、複数の木材を前後面が開口する四角筒状に相互に接合することから構成されたものである。この外枠1の左側部には、図2に示すように、内枠2が上下方向へ指向する軸3を中心に回動操作可能に装着されており、内枠2の下端部には垂直な台板4が形成されている。この内枠2は外枠1の前面を覆う閉鎖状態および外枠1の前面を開放する開放状態相互間で軸3を中心に回動操作可能にされたものであり、内枠ロック機構を介して閉鎖状態にロックされている。
【0010】
内枠2には、図1に示すように、内枠2の前方に位置して前枠5が装着されている。この前枠5は内枠2の前面を閉鎖する閉鎖状態および内枠2の前面を開放する開放状態相互間で内枠2と共通の軸3を中心に回動操作可能にされたものであり、前枠ロック機構を介して閉鎖状態にロックされている。この前枠5は円形状の貫通孔6を有するものであり、貫通孔6の内周面には透明な窓7が固定されている。この前枠5には窓7の下方に位置して上皿8が固定されている。この上皿8は上面が開口する容器状をなすものであり、内枠2の台板4には、図2に示すように、上皿8の後方に位置して払出口9が形成されている。この払出口9は遊技球を上皿8内に賞品として払出すものであり、払出口9から上皿8内に払出された遊技球は上皿8内に貯留される。
【0011】
内枠2には、図1に示すように、前枠5の下方に位置して横長な長方形状の下皿板10が固定されており、下皿板10には下皿11が固定されている。この下皿11は上皿8内から溢れた遊技球を貯留するものであり、上面が開口する容器状をなしている。この下皿板10には下皿11の右方に位置してハンドル台12が固定されており、ハンドル台12には発射ハンドル13が装着されている。この発射ハンドル13は前後方向へ指向する軸を中心に回動操作可能にされたものであり、発射ハンドル13が予め決められた初期位置から図1の時計回り方向へ回動操作されたときには発射ソレノイドに駆動電源が与えられる。この発射ソレノイドの出力軸には打球槌が連結されている。これら発射ソレノイドおよび打球槌のそれぞれは内枠2の台板4に装着されたものであり、発射ソレノイドは駆動電源が与えられることに基づいて打球槌を待機位置および打球位置相互間で往復的に移動操作する。この打球槌は上皿8内から遊技球が1個単位で移送されるものであり、上皿8内から打球槌に移送された遊技球は打球槌が待機位置から打球位置へ移動することに基づいて打球槌によって叩かれる。
【0012】
内枠2には、図2に示すように、台板4の上方に位置して遊技盤収納部14が形成されている。この遊技盤収納部14は前面および後面のそれぞれが開口する角筒状をなすものであり、前枠5の後方に配置されている。この遊技盤収納部14の内周面には垂直な板状の遊技盤が装着されている。この遊技盤は複数の障害釘が固定されたものであり、前枠5の閉鎖状態で前方から窓7を通して視覚的に認識可能にされている。この遊技盤は打球槌から遊技球が発射されるものであり、打球槌から遊技盤に発射された遊技球は遊技盤の障害釘に当りながら遊技盤に沿って落下する。
【0013】
内枠2には、図3に示すように、内枠2の後方に位置してメインセット15が装着されている。このメインセット15は左右方向へ指向する上枠と上下方向へ指向する左枠と上下方向へ指向する右枠と左右方向へ指向する下枠16を相互に接合してなる四角枠状をなすものであり、左枠の垂直な軸を中心に内枠2に対して回動可能にされている。このメインセット15は内枠2に後方から対向する閉鎖状態および閉鎖状態に比べて後方へ移動した開放状態相互間で回動操作されるものであり、ストッパを介して閉鎖状態にロックされている。このストッパは内枠2に内枠2の後方に位置して装着された係合片からなるものであり、メインセット15の閉鎖状態でメインセット15を回動不能に後方から押えるようにメインセット15に係合するロック状態およびメインセット15の閉鎖状態でメインセット15から外れることに基づいてメインセット15の回動を許容するロック解除状態相互間で前後方向へ指向する軸を中心に回動操作可能にされている。
【0014】
メインセット15の下枠16は、図3に示すように、メインセット15の閉鎖状態で内枠2の台板4に後方から対向するものであり、メインセット15の下枠16には、図14に示すように、横長な長方形状の基板収納室17が形成されている。この基板収納室17は後面が開口するものであり、左右方向へ指向する水平な上板と左右方向へ指向する水平な下板と上下方向へ指向する垂直な左側板と上下方向へ指向する垂直な右側板と前板を有している。この基板収納室17内には、図3に示すように、横長な長方形状の基板ボックス18が装着されている。この基板ボックス18は基板収納室17内に後面から挿入されたものであり、基板ボックス18内にはプリント配線基板が収納されている。このプリント配線基板は制御基板に相当するものである。
【0015】
遊技盤には複数の入賞口が固定されている。これら複数の入賞口のそれぞれは遊技盤に沿って落下する遊技球が入賞することが可能なものであり、複数の入賞口内のそれぞれには入賞口センサが装着されている。これら複数の入賞口センサのそれぞれは遊技球が入賞口内に入賞したことを検出して入賞信号を出力する近接スイッチからなるものであり、複数の入賞口センサのそれぞれは共通のメイン制御回路に接続されている。このメイン制御回路はマイクロコンピュータを主体に構成されたものであり、入賞信号を検出することに基づいて遊技球が入賞口に入賞したと判断する。このメイン制御回路にはマイクロコンピュータを主体に構成された賞球制御回路が接続されている。この賞球制御回路は基板ボックス18内のプリント配線基板に搭載されたものであり、メイン制御回路は遊技球が入賞口に入賞したと判断することに基づいて賞球制御回路に賞球コマンドを送信する。
【0016】
メインセット15には、図3に示すように、タンクユニット20が固定されている。このタンクユニット20はパチンコホールの球補給装置から供給される遊技球を貯留する貯球機能および遊技球が遊技盤の入賞口に入賞することに基づいて貯留球を上皿8内に賞品として払出す払出し機能の双方を有するものであり、次のように構成されている。
【0017】
メインセット15には、図3に示すように、遊技盤収納部14の上方に位置してユニットベース21が固定されている。このユニットベース21はメインセット15の上枠として機能するものであり、非導電性の合成樹脂を材料に成形されている。このユニットベース21には球受けプレート22が一体形成されている。この球受けプレート22は、図4に示すように、水平な板状をなすものであり、球受けプレート22の左端部には球誘導プレート23が接続されている。この球誘導プレート23はユニットベース21に一体形成されたものであり、左から右に向けて下降する板状をなしている。この球誘導プレート23は球補給装置の球補給口から落下する遊技球を受けるものであり、球補給装置の球補給口の下方に配置されている。この球誘導プレート23は遊技球を左から右に向けて転がすことに基づいて球受けプレート22に供給するものであり、ユニットベース21には球誘導プレート23の左端部に位置して球止め壁24が一体形成されている。この球止め壁24は球誘導プレート23から上方に突出するものであり、遊技球が球誘導プレート23の左端部から逸脱することを防止する。
【0018】
ユニットベース21には、図4に示すように、球タンク25が一体形成されている。この球タンク25は遊技球を転がすタンクレールを兼用するものであり、上面および左側面のそれぞれが開口する容器状をなしている。この球タンク25は前板26と後板27と右側板28と底板29を有している。この球タンク25の前板26には、図5に示すように、球受けプレート22および球誘導プレート23の双方の前方に位置して開口部31が形成されており、球補給装置の球補給口から落下した遊技球は球受けプレート22または球誘導プレート23から開口部31を通して球タンク25内に供給される。この球タンク25の底板29の前後方向の幅寸法Wは、図4に示すように、左右方向の全域で遊技球の直径寸法の2倍程度に設定されており、遊技球は球タンク25の底板29上に前後方向に2列に貯留される。この球タンク25の底板29は右から左に向けて下降する傾斜状をなしており、球タンク25内の遊技球は前後方向に2列に並んだまま底板29の傾斜に沿って右から左に向けて転動可能にされている。
【0019】
球タンク25の底板29には、図4に示すように、複数の前排出孔32と複数の中排出孔33と複数の後排出孔34のそれぞれが形成されている。これら複数の前排出孔32〜複数の後排出孔34のそれぞれは球タンク25内の遊技球から脱落した塵埃を球タンク25の外部に落下させるものであり、複数の前排出孔32〜複数の後排出孔34のそれぞれの前後方向の幅寸法は遊技球の直径寸法に比べて小さく設定されている。これら複数の前排出孔32のそれぞれは球タンク25の前板26に接して配置され、複数の後排出孔34のそれぞれは球タンク25の後板27に接して配置され、複数の中排出孔33のそれぞれは球タンク25の底板29の前後方向の中心線CLに沿って配置されており、球タンク25内の前列の遊技球および後列の遊技球のそれぞれは前排出孔32内〜後排出孔34内のいずれにも嵌ることなく底板29に接触しながら転動する。
【0020】
球タンク25の左端部には、図6に示すように、機構部ケース35が一体形成されている。この機構部ケース35は上面および下面のそれぞれが開口する垂直な四角筒状をなすものであり、球タンク25の内部空間は球タンク25の左側面を介して機構部ケース35の内部空間に接続されている。この球タンク25の底板29には機構部ケース35側に位置して開口部36が形成されており、球タンク25の底板29は開口部36の右端面より左方の全領域が開口している。この球タンク25の底板29には、図4に示すように、球仕切板37が一体形成されている。この球仕切板37は底板29に対して上方へ突出する垂直な板状をなすものであり、底板29の中心線CLに沿って配置されている。この球仕切板37の右端部は底板29のうち前排出孔32〜後排出孔34がいずれも形成されていない非形成部分に設定されており、球仕切板37の左端部は、図6に示すように、開口部36内に設定されている。
【0021】
球仕切板37の左端部には、図6に示すように、前球仕切板38および後球仕切板39のそれぞれが一体形成されている。これら前球仕切板38および後球仕切板39のそれぞれは上方へ指向する垂直な板状をなすものであり、前球仕切板38および後球仕切板39相互間には隙間が形成されている。これら前球仕切板38および後球仕切板39は底板29の中心線CLを挟んで前後方向に相互に対向配置されたものであり、前球仕切板38は球仕切板37より前方に配置され、後球仕切板39は球仕切板37より後方に配置されている。これら前球仕切板38および後球仕切板39は球仕切板37の左端部から二股状に分岐するものであり、前球仕切板38の左端部および後球仕切板39の左端部相互間は前後方向へ指向する連結壁40を介して連結されている。
【0022】
球タンク25の内部には、図4に示すように、前整列路41が形成されている。この前整列路41は球タンク25の前板26および球仕切板37相互間の空間部を称するものであり、前整列路41の左端部には、図6に示すように、前延長整列路41aが接続されている。この前延長整列路41aは球タンク25の前板26および前球仕切板38相互間の空間部を称するものであり、前整列路41より左方に配置されている。これら前整列路41および前延長整列路41aのそれぞれの前後方向の幅寸法は1個の遊技球が転動することが可能な大きさに設定されており、球タンク25内の遊技球は前整列路41内および前延長整列路41a内のそれぞれを前後方向に一列で転動する。
【0023】
球タンク25の内部には、図4に示すように、前整列路41に対して平行な後整列路42が形成されている。この後整列路42は球タンク25の後板27および球仕切板37相互間の空間部を称するものであり、後整列路42の左端部には、図6に示すように、後延長整列路42aが接続されている。この後延長整列路42aは球タンク25の後板27および後球仕切板39相互間の空間部を称するものであり、後整列路42より左方に配置されている。これら後整列路42および後延長整列路42aのそれぞれの前後方向の幅寸法は1個の遊技球が転動することが可能な大きさに設定されており、球タンク25内の遊技球は後整列路42内および後延長整列路42a内のそれぞれを前後方向に一列で転動する。
【0024】
球タンク25の底板29には、図6に示すように、開口部36の前方に位置して前ガイド部43が一体形成され、開口部36の後方に位置して後ガイド部44が一体形成されている。これら前ガイド部43および後ガイド部44のそれぞれは左右方向へ指向する直線状をなすものであり、球タンク25の底板29に対して下方へ突出している。これら前ガイド部43および後ガイド部44相互間には、図7に示すように、下方からアースプレート45が挿入されている。このアースプレート45は導電性の金属板からなるものであり、アースプレート45の左右方向の中央部には、図8に示すように、幅広部46が形成されている。この幅広部46はアースプレート45の残りの部分に比べて前後方向の幅寸法が大きく設定された部分を称するものであり、アースプレート45は幅広部46が前ガイド部43および後ガイド部44のそれぞれに接触することに基づいて左右方向へ一定の直線的な軌跡でスライド可能にされている。
【0025】
アースプレート45には、図8に示すように、底板29の中心線CL上に位置して右ガイド孔47が形成されている。この右ガイド孔47は左右方向へ指向する長孔からなるものであり、右ガイド孔47は、図9に示すように、右ボス部48の外周面に嵌合されている。この右ボス部48は球タンク25の底板29に一体形成されたものであり、アースプレート45は右ガイド孔47の内面が右方から右ボス部48に接触した前進位置および右ガイド孔47の内面が左方から右ボス部48に接触した後退位置相互間で左右方向へスライド可能にされている。この右ボス部48は底板29から下方に突出する円筒状をなすものである。この右ボス部48の内周面には下方からネジが螺合されており、ネジの頭部はアースプレート45を下方から支持することに基づいてアースプレート45が前ガイド部43および後ガイド部44相互間から脱落することを防止している。
【0026】
アースプレート45には、図8に示すように、底板29の中心線CL上に位置して左ガイド孔49が形成されている。この左ガイド孔49は左右方向へ指向する長孔からなるものであり、左ガイド孔49は左ボス部50の外周面に嵌合されている。この左ボス部50は、図6に示すように、球タンク25の底板29に対して下方に突出する円筒状をなすものであり、球仕切板37と前球仕切板38と後球仕切板39相互間に配置されている。この左ボス部50は球仕切板37と前球仕切板38と後球仕切板39のそれぞれに一体形成されたものであり、球仕切板37と前球仕切板38と後球仕切板39によって囲まれることに基づいて補強されている。アースプレート45には、図9に示すように、幅広部46に位置してストッパ51が一体形成されている。このストッパ51は配線が接続されたものであり、凹部52を通して球タンク25の後ガイド部44から後方へ突出している。この凹部52は後ガイド部44に形成されたものであり、ストッパ51の配線はパチンコホールの島設備を介してアース接続されている。
【0027】
アースプレート45には、図8に示すように、幅広部46に位置して2個の右排出孔53および2個の左排出孔54のそれぞれが形成されている。これら2個の右排出孔53および2個の左排出孔54のそれぞれは遊技球から脱落した塵埃を球タンク25の外部に落下させるものであり、2個の右排出孔53および2個の左排出孔54のそれぞれはアースプレート45が前進位置および後退位置のいずれに操作されている場合にも開口部36を介して球タンク25の外部に接続される。これら2個の右排出孔53および2個の左排出孔54のそれぞれの前後方向の幅寸法は、図7に示すように、遊技球の直径寸法に比べて小さく設定されている。これら2個の右排出孔53のそれぞれは球仕切板37に接するように球仕切板37を挟んで前後方向に相互に対向配置され、2個の左排出孔54のそれぞれは球仕切板37に接するように球仕切板37を挟んで前後方向に相互に対向配置されており、遊技球は前整列路41内を右排出孔53および左排出孔54のそれぞれに嵌ることなくアースプレート45に接触しながら転動し、後整列路42内を右排出孔53および左排出孔54のそれぞれに嵌ることなくアースプレート45に接触しながら転動する。
【0028】
アースプレート45には、図9に示すように、幅広部46の右方に位置して2個の右切欠部55が形成され、幅広部46の左方に位置して2個の左切欠部56が形成されている。これら2個の右切欠部55および2個の左切欠部56のそれぞれは遊技球から脱落した塵埃を球タンク25の外部に落下させるものであり、2個の左切欠部56のそれぞれはアースプレート45が前進位置および後退位置のいずれに操作されている場合にも開口部36を介して球タンク25の外部に接続される。2個の右切欠部55のそれぞれはアースプレート45が前進位置に操作されている場合に開口部36を介して球タンク25の外部に接続されるものであり、球タンク25の底板29はアースプレート45が後退位置に操作されている場合に2個の右切欠部55のそれぞれを球タンク25の外部から遮断する。これら2個の右切欠部55および2個の左切欠部56のそれぞれの前後方向の幅寸法は遊技球の直径寸法に比べて小さく設定されており、遊技球は前整列路41内を右切欠部55に嵌ることなくアースプレート45に接触しながら転動し、前延長整列路41a内を左切欠部56に嵌ることなくアースプレート45に接触しながら転動し、後整列路42内を右欠部55に嵌ることなくアースプレート45に接触しながら転動し、後延長整列路42a内を左切欠部56に嵌ることなくアースプレート45に接触しながら転動する。
【0029】
アースプレート45のストッパ51には、図9に示すように、非導電性の合成樹脂を材料とする操作子57が固定されている。この操作子57は後ガイド部44の凹部52から後方へ突出するものであり、アースプレート45はパチンコホールの店員が操作子57を操作することに基づいて前進位置および後退位置相互間でスライド操作され、底板29の開口部36を前進位置および後退位置のそれぞれで遊技球が転動可能に閉鎖する。即ち、球タンク25内の遊技球はアースプレート45が前進位置および後退位置のいずれに操作されているときであっても前整列路41内と前延長整列路41a内と後整列路42内と後延長整列路42a内のそれぞれを転動することに基づいてアースプレート45に接触するものであり、遊技球はアースプレート45に接触することに基づいて電荷がアースプレート45の配線を通して放出される。
【0030】
機構部ケース35の内部には、図10に示すように、払出しモータ58が収納されている。この払出しモータ58はステッピングモータからなるものであり、機構部ケース35の上面を通して機構部ケース35内に収納されている。この払出しモータ58は、図11に示すように、上下方向へ指向する回転軸59を有するものであり、払出しモータ58の外周面には2個の取付片60が固定されている。この払出しモータ58の回転軸59の外周面にはスクリュー61が固定されている。このスクリュー61は回転軸59と同心な円柱状をなすものであり、螺旋状の球送り62を有している。この球送り62は始端部および終端部が上下方向に相互に離間するものであり、球送り62の始端部および球送り62の終端部相互間には1個の遊技球を排出することが可能な大きさの排出口63が形成されている。
【0031】
機構部ケース35の内部には、図4に示すように、モータ受け64が固定されている。このモータ受け64は機構部ケース35の内部空間を上下方向に区画する水平な板状をなすものであり、球タンク25の底板29および機構部ケース35相互間の接続部分より高所に配置されている。このモータ受け64は非導電性の合成樹脂を材料とするものであり、モータ受け64には2個の貫通孔65が形成されている。このモータ受け64は払出しモータ58を下方から支持するものであり、モータ受け64には左側面が開口する切欠状のスクリュー挿入口66が形成されている。このスクリュー挿入口66の前後方向の幅寸法はスクリュー61のうち球送り62の直径寸法に比べて大きく設定されており、払出しモータ58のスクリュー61は上方からスクリュー挿入口66を通してモータ受け64の下方に挿入されている。
【0032】
機構部ケース35には、図12に示すように、上方から機構部カバー67が被せられており、機構部ケース35の上面は機構部カバー67によって塞がれている。この機構部カバー67は非導電性の合成樹脂を材料とするものであり、機構部カバー67にはモータカバー68が一体形成されている。このモータカバー68はモータ受け64に接触する円筒状をなすものであり、払出しモータ58はモータカバー68の内部の断熱空間部に収納されている。機構部カバー67にはモータカバー68の天井部に位置して複数の放熱孔69が形成されており、払出しモータ58で発生した熱は複数の放熱孔69のそれぞれを通して機構部ケース35の外部に放出される。この機構部カバー67の天井板には2個の貫通孔70が形成されており、モータカバー68の外周面には両貫通孔70のそれぞれの下方に位置して取付片71が一体形成されている。これら両取付片71のそれぞれには上方から機構部カバー67の貫通孔70を通してネジ72が挿入されており、両ネジ72のそれぞれは払出しモータ58の取付片60を通してモータ受け64の貫通孔65内に挿入されている。
【0033】
機構部ケース35の内部には、図9に示すように、下方からスクリューベース73が挿入されている。このスクリューベース73は非導電性の合成樹脂を材料とするものであり、スクリューベース73には2個のネジ孔が形成されている。これら両ネジ孔のそれぞれの内周面には上方からネジ72が螺合されており、スクリューベース73は両ネジ72によってモータ受け64に固定されている。即ち、払出しモータ58と機構部カバー67とスクリューベース73のそれぞれは共通のネジ72を介してモータ受け64に着脱可能に固定されたものであり、払出しモータ58および機構部カバー67のそれぞれは機構部カバー67の両貫通孔70内のそれぞれに上方から工具を挿入して両ネジ72のそれぞれを取外すことに基づいてモータ受け64から取外される。機構部ケース35の左側板には、図10に示すように、上面が開口する抜取り口74が形成されており、払出しモータ58は2本のネジ72を取外した後に抜取り口74から手指を挿入することに基づいて機構部ケース35の上面を通して機構部ケース35の外部に抜取られる。
【0034】
スクリューベース73には、図9に示すように、水平な板状の取付片75が一体形成されており、取付片75には位置決め部76が一体形成されている。この位置決め部76は底板を有する円筒状をなすものであり、位置決め部76の内周面には上方から球タンク25の左ボス部50の外周面が接触状態で嵌合されている。この位置決め部76の底板には貫通孔が形成されており、球タンク25の左ボス部50の内周面には下方から位置決め部76の貫通孔を通してネジ77が螺合されている。即ち、スクリューベース73はアースプレート45と共に球タンク25の左ボス部50にネジ77を介して着脱可能に取付けられており、モータ受け64の2本のネジ72および左ボス部50の1本のネジ77の全てを取外すことに基づいて球タンク25およびモータ受け64の双方から取外される。
【0035】
モータ受け64には、図6に示すように、前スペーサ78および後スペーサ79のそれぞれが一体形成されている。これら前スペーサ78および後スペーサ79のそれぞれは上下方向へ指向する板状をなすものであり、前後方向に相互に離間して配置されている。これら前スペーサ78および後スペーサ79のそれぞれの下面にはスクリューベース73が両ネジ72の締結力で接触しており、モータ受け64およびスクリューベース73相互間には、図7に示すように、前スペーサ78および後スペーサ79のそれぞれの高さ寸法に相当する空間状の転動室110が形成されている。この転動室110は前延長整列路41aを介して前整列路41の左端部に接続され、後延長整列路42aを介して後整列路42の左端部に接続されたものであり、前整列路41内の遊技球はアースプレート45が前進位置および後退位置のいずれに操作されているときであっても前延長整列路41aに沿って転動室110内に1列で転動し、後整列路42内の遊技球はアースプレート45が前進位置および後退位置のいずれに操作されているときであっても後延長整列路42aに沿って転動室110内に1列で転動する。
【0036】
スクリューベース73には、図9に示すように、前払出し中継通路80および後払出し中継通路81のそれぞれが形成されている。これら前払出し中継通路80および後払出し中継通路81のそれぞれは遊技球が一列に通過することが可能な大きさを有するものであり、前払出し中継通路80の出口および後払出し中継通路81の出口のそれぞれはスクリューベース73の下面を介して外部に開口している。これら前払出し中継通路80の入口および後払出し中継通路81の入口のそれぞれはスクリューベース73の上面を介して転動室110内に開口するものであり、前整列路41内の遊技球は前延長整列路41aに沿って前払出し中継通路80の入口に一列で進入し、後整列路42内の遊技球は後延長整列路42aに沿って後払出し中継通路81の入口に一列で進入する。
【0037】
払出しモータ58のスクリュー61は、図11に示すように、スクリューベース73の内部に上方から挿入されたものであり、スクリュー61の球送り62は前払出し中継通路80内および後払出し中継通路81内のそれぞれに突出している。この球送り62は払出しモータ58の運転停止状態で前払出し中継通路80内の遊技球および後払出し中継通路81内の遊技球のそれぞれを下方から落下不能に支えものであり、払出しモータ58の運転状態では排出口63が前払出し中継通路80内に移動する毎に前払出し中継通路80内の遊技球が前払出し中継通路80の出口から1個単位で放出され、排出口63が後払出し中継通路81内に移動する毎に後払出し中継通路81内の遊技球が後払出し中継通路81の出口から1個単位で放出される。この払出しモータ58は賞球制御回路に接続されたものであり、賞球制御回路はメイン制御回路からの賞球コマンドを受信することに基づいて払出しモータ58を駆動制御して前払出し中継通路80内および後払出し中継通路81内から遊技球を交互に1個ずつ放出する。払出しモータ58とスクリュー61とスクリューベース73は遊技球が遊技盤の入賞口に入賞することに基づいて球タンク25内の遊技球を賞品として払出す球払出し装置121(図8参照)を構成するものである。
【0038】
スクリューベース73には、図9に示すように、前球抜き中継通路82が形成されている。この前球抜き中継通路82は遊技球が一列に通過することが可能な大きさを有するものであり、前球抜き中継通路82の出口は前払出し中継通路80の右方でスクリューベース73の下面を介して外部に開口している。この前球抜き中継通路82の入口は前延長整列路41aの出口および前払出し中継通路80の入口相互間で転動室110内に開口しており、アースプレート45は前進位置に操作されることに基づいて前球抜き中継通路82の入口を遊技球が進入不能に閉鎖する。このアースプレート45は後退位置に操作されることに基づいて前球抜き中継通路82の入口を遊技球が進入可能に開放するものであり、前球抜き中継通路82の開放状態では前整列路41内の遊技球が前延長整列路41aに沿って前球抜き中継通路82の入口に一列で進入し、前球抜き中継通路82の出口からスクリューベース73の外部に一列で排出される。
【0039】
スクリューベース73には、図9に示すように、後球抜き中継通路83が形成されている。この後球抜き中継通路83は遊技球が一列に通過することが可能な大きさを有するものであり、後球抜き中継通路83の出口は後払出し中継通路81の出口の右方でスクリューベース73の下面を介して外部に開口している。この後球抜き中継通路83の入口は後延長整列路42aの出口および後払出し中継通路81の入口相互間で転動室110内に開口しており、アースプレート45は前進位置に操作されることに基づいて後球抜き中継通路83の入口を遊技球が進入不能に閉鎖する。このアースプレート45は後退位置に操作されることに基づいて後球抜き中継通路83の入口を遊技球が進入可能に開放するものであり、後球抜き中継通路83の開放状態では後整列路42内の遊技球が後延長整列路42aに沿って後球抜き中継通路83の入口に一列で進入し、後球抜き中継通路83の出口からスクリューベース73の外部に一列で排出される。
【0040】
前球抜き中継通路82および後球抜き中継通路83のそれぞれは球タンク25内から遊技球を抜取るためのものであり、アースプレート45が前進位置から後退位置に操作されたときには球タンク25内の遊技球が前整列路41から前球抜き中継通路82を通して機構部ケース35の外部に抜取られ、後整列路42から後球抜き中継通路83を通して機構部ケース35の外部に抜取られる。このアースプレート45を用いた球抜きは例えばパチンコホールの営業時間が終了するときに行われるものであり、アースプレート45は球抜きを行う場合以外の通常時には前進位置に操作され、前球抜き中継通路82および後球抜き中継通路83のそれぞれはアースプレート45によって閉鎖されている。
【0041】
スクリューベース73には、図9に示すように、前球検出スイッチ84および後球検出スイッチ85のそれぞれが固定されている。これら前球検出スイッチ84および後球検出スイッチ85のそれぞれは反射形のフォトセンサからなるものであり、発光ダイオードおよびフォトトランジスタを有している。前球検出スイッチ84の発光ダイオードは前払出し中継通路80の出口の下方に向けて赤外線を水平に投射するものであり、前払出し中継通路80の出口から遊技球が落下したときには前球検出スイッチ84の発光ダイオードから遊技球に赤外線が照射される。この赤外線は遊技球によって反射されることに基づいて前球検出スイッチ84のフォトトランジスタに入射し、前球検出スイッチ84は赤外線が自身のフォトトランジスタに入射することに基づいて前球検出信号を出力する。
【0042】
後球検出スイッチ85の発光ダイオードは後払出し中継通路81の出口の下方に向けて赤外線を水平に投射するものであり、後払出し中継通路81の出口から遊技球が落下したときには後球検出スイッチ85の発光ダイオードから遊技球に赤外線が照射される。この赤外線は遊技球によって反射されることに基づいて後球検出スイッチ85のフォトトランジスタに入射し、後球検出スイッチ85は赤外線が自身のフォトトランジスタに入射することに基づいて後球検出信号を出力する。これら前球検出スイッチ84および後球検出スイッチ85のそれぞれは賞球制御回路に接続されており、賞球制御回路は前払出し中継通路80の出口から遊技球が放出されたか否かを前球検出信号の有無に基づいて判断し、後払出し中継通路81の出口から遊技球が放出されたか否かを後球検出信号の有無に基づいて判断する。
【0043】
ユニットベース21には、図4に示すように、球タンク25の前板26の前方に位置して仕切板86が一体形成されており、仕切板86および前板26相互間にはベース収納部87が形成されている。このベース収納部87は上面が開口する空間状をなすものであり、ベース収納部87内には、図10に示すように、上方から球均しベース88が着脱可能に挿入されている。この球均しベース88には、図13に示すように、前後方向へ指向する右軸89が固定されており、右軸89は、図10に示すように、切欠状の右軸受部90を通して球タンク25内に挿入されている。この右軸受部90は球タンク25の前板26に形成されたものであり、右軸89には、図13に示すように、前球均し部材91の上端部および後球均し部材92の上端部のそれぞれが回転可能に装着されている。これら前球均し部材91および後球均し部材92は隙間を挟んで前後方向に相互に対向するものであり、前球均し部材91は前整列路41内に挿入され、後球均し部材92は後整列路42内に挿入され、球仕切板37は前球均し部材91および後球均し部材92相互間の隙間に挿入されている。これら前球均し部材91および後球均し部材92のそれぞれは右軸89と反対側の端部に重心位置が設定されたものである。これら前球均し部材91および後球均し部材92のそれぞれは垂直な自然状態に自重でコントロールされるものであり、前球均し部材91の自然状態では前球均し部材91および球タンク25の底板29相互間に1個の遊技球が通過可能な隙間が形成され、後球均し部材92の自然状態では後球均し部材92および球タンク25の底板29相互間に1個の遊技球が通過可能な隙間が形成される。
【0044】
球均しベース88には、図13に示すように、右軸89の左方に位置して前後方向へ指向する左軸93が固定されており、左軸93は、図10に示すように、切欠状の左軸受部94を通して球タンク25内に挿入されている。この左軸受部94は球タンク25の前板26に形成されたものであり、左軸93には、図13に示すように、前重り部材95の上端部および後重り部材96の上端部のそれぞれが回転可能に装着されている。これら前重り部材95および後重り部材96は隙間を挟んで前後方向に相互に対向するものであり、前重り部材95は前整列路41内に前球均し部材91の左方に位置して挿入され、後重り部材96は後整列路42内に後球均し部材92の左方に位置して挿入され、球仕切板37は前重り部材95および後重り部材96相互間の隙間に挿入されている。これら前重り部材95および後重り部材96のそれぞれは左軸93と反対側の端部に重心位置が設定されたものである。これら前重り部材95および後重り部材96のそれぞれは垂直な自然状態に自重でコントロールされるものであり、前重り部材95の自然状態では前重り部材95および球タンク25の底板29相互間に前球均し部材91および底板29相互間の隙間より高さ寸法が大きな隙間が形成され、後重り部材96の自然状態では後重り部材96および球タンク25の底板29相互間に後球均し部材92および底板29相互間の隙間より高さ寸法が大きな隙間が形成される。
【0045】
前球均し部材91は前整列路41内の遊技球に荷重を加えるものであり、前整列路41内の遊技球が上下方向にN段(例えばN=2)以上に重なって前球均し部材91の下方を通過しようとしたときには前球均し部材91が遊技球によって押圧されることに基づいて図13の矢印方向へ単独で回動し、前球均し部材91から前整列路41内の遊技球に荷重が作用し、前整列路41内の遊技球が前球均し部材91からの荷重で上下方向に1段に均される。後球均し部材92は後整列路42内の遊技球に荷重を加えるものであり、後整列路42内の遊技球が上下方向にN段以上に重なって後球均し部材92の下方を通過しようとしたときには後球均し部材92が遊技球によって押圧されることに基づいて図13の矢印方向へ単独で回動し、後球均し部材92から後整列路42内の遊技球に荷重が作用し、後整列路42内の遊技球が後球均し部材92からの荷重で上下方向に1段に均される。
【0046】
前重り部材95は前球均し部材91に荷重を加えるものであり、前整列路41内の遊技球が上下方向に「N+1」段以上に重なって前球均し部材91の下方を通過しようとしたときには前球均し部材91が遊技球によって押圧されることに基づいて図13の矢印方向へ回動し、前重り部材95が前球均し部材91によって押圧されることに基づいて図13の矢印方向へ回動する。この状態では前球均し部材91が単独で回動している場合に比べて大きな荷重が前球均し部材91および前重り部材95の双方から前整列路41内の遊技球に作用するので、前整列路41内の遊技球が前球均し部材91および前重り部材95の双方からの荷重で上下方向に1段に均される。
【0047】
後重り部材96は後球均し部材92に荷重を加えるものであり、後整列路42内の遊技球が上下方向に「N+1」段以上に重なって後球均し部材92の下方を通過しようとしたときには後球均し部材92が遊技球によって押圧されることに基づいて図13の矢印方向へ回動し、後重り部材96が後球均し部材92によって押圧されることに基づいて図13の矢印方向へ回動する。この状態では後球均し部材92が単独で回動している場合に比べて大きな荷重が後球均し部材92および後重り部材96の双方から後整列路42内の遊技球に作用するので、後整列路42内の遊技球が後球均し部材92および後重り部材96の双方からの荷重で上下方向に1段に均される。
【0048】
モータ受け64には、図4に示すように、タンクカバー97が一体形成されており、タンクカバー97は球タンク25の左側面を通して球タンク25内に挿入されている。このタンクカバー97の前後方向の中央部には溝部98が形成されており、球タンク25の球仕切板37の左端部はタンクカバー97の溝部98内に挿入されている。このタンクカバー97の右端部は、図10に示すように、前重り部材95および後重り部材96のそれぞれの下方まで延びており、球タンク25の前球仕切板38および後球仕切板39のそれぞれはタンクカバー97の下方に配置されている。このタンクカバー97は前整列路41内の遊技球が前重り部材95に接触することを防止し、後整列路42内の遊技球が後重り部材96に接触することを防止するものであり、タンクカバー97および球タンク25の底板29相互間には遊技球が上下方向に一段で通過することが可能な大きさの隙間が形成されている。
【0049】
球タンク25には、図4に示すように、タンクカバー97の上方に位置して球止め挿入室99が形成されている。この球止め挿入室99は前板と後板と左側板と右側板のそれぞれで囲まれた空間部を称するものであり、球止め挿入室99内には、図12に示すように、非導電性の合成樹脂を材料とする球止め部材100が挿入されている。この球止め部材100は上下方向へ指向する板状をなすものであり、図6に示すように、前球止め部101および後球止め部102を有している。これら前球止め部101および後球止め部102は前後方向に隙間を介して相互に対向するものであり、レールカバー97には前球止め部101および後球止め部102の双方の下方に位置して開口部が形成されている。
【0050】
球止め部材100は初期位置および球止め位置相互間で上下方向へスライド可能にされたものであり、球止め部材100の上端部には、図12に示すように、球止め部材100を初期位置および球止め位置相互間で操作するための操作部103が一体形成されているこの球止め部材100の初期位置は前球止め部101および後球止め部102のそれぞれがタンクカバー97の上方に退避した位置であり、球止め部材100は球止め挿入室99の壁面に対する接触抵抗で初期位置に保持される。この球止め部材100の初期位置では前整列路41内の遊技球が前延長整列路41aから機構部ケース35の転動室110内に進入することが許容され、後整列路42内の遊技球が後延長整列路42aから機構部ケース35の転動室110内に進入することが許容される。
【0051】
球止め部材100の球止め位置は前球止め部101がレールカバー97の開口部を通して前延長整列路41a内に進入し、後球止め部102がレールカバー97の開口部を通して後延長整列路42a内に進入した位置である。この球止め部材100は操作部103が球止め挿入室99の上端面に接触することに基づいて球止め位置に保持されるものであり、球止め部材100の球止め位置では球タンク25の前球仕切板38および後球仕切板39のそれぞれが前球止め部101および後球止め部102相互間の隙間に挿入される。この球止め部材100の球止め位置では前延長整列路41a内の遊技球が前球止め部101に接触することに基づいて機構部ケース35の転動室110内に進入することが禁止され、後延長整列路42a内の遊技球が後球止め部102に接触することに基づいて機構部ケース35の転動室110内に進入することが禁止される。
【0052】
球止め部材100は払出しモータ58およびスクリューベース73のそれぞれをメンテナンスするときに操作されるものである。即ち、払出しモータ58およびスクリューベース73のそれぞれをメンテナンスするときには球止め部材100の操作部103を下方へ押込み操作することに基づいて球止め部材100を初期位置から球止め位置にスライドさせる。この球止め部材100の球止め位置では前整列路41内の遊技球および後整列路42内の遊技球のそれぞれが機構部ケース35の転動室110内に転がり込むことが禁止されるので、前整列路41内および後整列路42内のそれぞれから遊技球を抜取ることなく払出しモータ58およびスクリューベース73のそれぞれのメンテナンスを行うことができる。タンクユニット20は以上のように構成されている。
【0053】
メインセット15の下枠16には、図15に示すように、基板収納室17の左方に隣接してケース挿入室120が形成されている。このケース挿入室120は機構部ケース35の下方に配置されたものであり、図16に示すように、左側面と上面と前面のそれぞれが開口する空間状をなしている。このケース挿入室120は右側板と後板と底板のそれぞれを有するものであり、ケース挿入室120内には、図17に示すように、縦長な球払出しケース130の下端部が着脱可能に挿入されている。この球払出しケース130はケース挿入室120の右側板と後板と底板のそれぞれを介して支持されたものであり、機構部ケース35の下方に配置されている。この球払出しケース130はメインセット15の開放状態でケース挿入室120の前面を通してケース挿入室120内に対して出し入れされるものであり、メインセット15の閉鎖状態では前方の遊技盤に接触することに基づいてケース挿入室120の前面から外れることが防止される。この球払出しケース130は、図20に示すように、右払出しケース131と左払出しケース132とアース板133相互間を接合することから構成されたものであり、球払出しケース130の詳細構成は次の通りである。
【0054】
右払出しケース131は、図21に示すように、左側面が開口する縦長なものである。この右払出しケース131は非導電性の合成樹脂を材料とするものであり、右払出しケース131には、図22に示すように、円形状をなす複数の開口部134が形成されている。アース板133は導電性の金属を材料に形成されたものであり、アース板133には、図24に示すように、円形状をなす複数の開口部135が形成されている。左払出しケース132は、図23に示すように、右側面が開口する縦長なものである。この左払出しケース132は非導電性の合成樹脂を材料とするものであり、左払出しケース132には複数のボス部136が形成されている。これら複数のボス部136のそれぞれは右側面が開口する円筒状をなすものであり、左払出しケース132の複数のボス部136のそれぞれの内周面には右方から右払出しケース131の開口部134およびアース板133の開口部135のそれぞれを順に通してねじが螺合されている。これら複数のねじのそれぞれは右払出しケース131と左払出しケース132とアース板133相互間を接合するものであり、アース板133は右払出しケース131の左側面および左払出しケース132の右側面のそれぞれを球払出しケース130のアース領域137内で閉鎖している。このアース領域137は、図20に示すように、上下方向へ指向する直線状の部分を称するものであり、右払出しケース131の左側面および左払出しケース132の右側面のそれぞれは非アース領域138内で相互に接続されている。この非アース領域138は球払出しケース130のうちアース領域137の前方に位置する残りの領域を称する。
【0055】
右払出しケース131には、図22に示すように、右球抜き通路139が形成されている。この右球抜き通路139は右払出しケース131のアース領域137および非アース領域138の双方を上下方向に貫通する縦長なものであり、右球抜き通路139の水平方向の断面は、図26に示すように、遊技球が一列に通過することが可能な四角形状に設定されている。この右球抜き通路139は上面と下面と左側面のそれぞれが開口するものであり、アース板133は右球抜き通路139の左側面をアース領域137内で遊技球が逸脱不能に閉鎖している。この右球抜き通路139の下面の出口は、図22に示すように、右払出しケース131の外部に下方に向けて開口し、右球抜き通路139の上面の入口はスクリューベース73の前球抜き中継通路82の出口に接続されており、スクリューベース73の前球抜き中継通路82の出口から放出された遊技球は右球抜き通路139の入口に進入し、右球抜き通路139に沿って落下した後に右球抜き通路139の出口から下方に向けて一列に排出される。即ち、スクリューベース73の前球抜き中継通路82の出口から放出された遊技球は球払出しケース130内の右側部を左右方向に位置を変えることなく落下する。
【0056】
右払出しケース131には、図22に示すように、右球抜き通路139の後方に位置して上通路140が形成されており、上通路140の水平方向の断面は、図26に示すように、遊技球が一列に通過することが可能な四角形状に設定されている。この上通路140は、図22に示すように、右球抜き通路139に比べて上下方向の長さ寸法が小さなものであり、右払出しケース131のアース領域137内のみに配置されている。この上通路140は上面と下面と左側面のそれぞれが開口するものであり、アース板133は上通路140の左側面の全域を遊技球が逸脱不能に閉鎖している。この上通路140の上面の入口はスクリューベース73の後球抜き中継通路83の出口に接続されており、スクリューベース73の後球抜き中継通路83の出口から放出された遊技球は上通路140の入口に進入し、上通路140に沿って落下する。右払出しケース131には右下球止め板141が形成されている。この右下球止め板141は左方に向けて水平に突出するものであり、上通路140の下面をアース領域137内で遊技球が脱落不能に閉鎖している。
【0057】
左払出しケース132内には、図23に示すように、下通路142が形成されており、下通路142の水平方向の断面は、図26に示すように、遊技球が一列に通過することが可能な四角形状に設定されている。この下通路142は、図23に示すように、右球抜き通路139に比べて上下方向の長さ寸法が小さなものであり、左払出しケース132のアース領域137内および非アース領域138内の双方に跨って配置されている。この下通路142は上面と下面と右側面のそれぞれが開口するものであり、アース板133は下通路142の右側面をアース領域137内で閉鎖している。この下通路142の下面の出口は左払出しケース132の外部に下方に向けて開口し、左通路142の上端部は右払出しケース131の上通路140の下端部にアース板133を挟んで左方から対向配置されている。左払出しケース132には左下球止め板143が形成されている。この左下球止め板143は右方に向けて水平に突出するものであり、下通路142の上面を遊技球が逸脱不能に閉鎖している。
【0058】
アース板133には、図24に示すように、右払出しケース131の上通路140の下端部および左払出しケース132の下通路142の上端部相互間に位置して切欠状の球抜き連絡口144が形成されている。この球抜き連絡口144は遊技球が一列に通過することが可能な四角形状をなすものであり、スクリューベース73の後球抜き中継通路83の出口から右払出しケース131の上通路140内に進入した遊技球は球抜き連絡口144を通して左払出しケース132の下通路142内に進入し、下通路142の下面の出口から下方に向けて排出される。これら上通路140と下通路142と球抜き連絡口144は遊技球が一列に通過することが可能な左球抜き通路145を構成するものであり、図20に示すように、左球抜き通路145の入口は右払出しケース131に設定され、右球抜き通路139の入口の後方に前後方向に並べて配置されている。この左球抜き通路145の出口は左払出しケース132に設定され、図26に示すように、右球抜き通路139の出口の左方に左右方向に並べて配置されている。即ち、スクリューベース73の後球抜き中継通路83の出口から放出された遊技球は球払出しケース130内の右側部からアース板133を貫通することで左側部に位置を変えて落下するものであり、アースプレート45が前進位置から後退位置に操作されたときには遊技球が球払出しケース130から左右方向に2列に抜取られる。
【0059】
左払出しケース132には、図23に示すように、上通路146が形成されている。この上通路146は左払出しケース132のアース領域137内に配置されたものであり、上通路146の水平方向の断面は、図26に示すように、遊技球が一列に通過することが可能な四角形状に設定されている。この上通路146は、図23に示すように、上面と下面と右側面のそれぞれが開口するものであり、アース板133は上通路146の右側面の全域を遊技球が逸脱不能に閉鎖している。この上通路146の上面の入口はスクリューベース73の前払出し中継通路80の出口に接続されており、スクリューベース73の前払出し中継通路80の出口から放出された遊技球は上通路146の入口に進入し、上通路146に沿って落下する。左払出しケース132には左上球止め板147が形成されている。この左上球止め板147は右方に向けて水平に突出するものであり、上通路146の下面を遊技球が落下不能に閉鎖している。
【0060】
右払出しケース131には、図22に示すように、上下方向へ指向する下通路148が形成されており、下通路148の上端部は左払出しケース132の上通路146の下端部にアース板133を挟んで右方から対向配置されている。この下通路148は右払出しケース131のアース領域137内に配置されたものであり、下通路148の水平方向の断面は、図26に示すように、遊技球が一列に通過可能な四角形状に設定されている。この下通路148は、図22に示すように、上面と下面と左側面のそれぞれが開口するものであり、アース板133は下通路148の左側面の全域を遊技球が逸脱不能に閉鎖している。右払出しケース131には右上球止め板149が形成されている。この右上球止め板149は左方に向けて水平に突出するものであり、下通路148の上面を遊技球が逸脱不能に閉鎖している。
【0061】
アース板133には、図24に示すように、左払出しケース132の上通路146の下端部および右払出しケース131の下通路148の上端部相互間に位置して貫通孔状の払出し連絡口150が形成されている。この払出し連絡口150は遊技球が一列に通過することが可能な四角形状をなすものであり、スクリューベース73の前払出し中継通路80から左払出しケース132の上通路146内に進入した遊技球は払出し連絡口150を通して右払出しケース131の下通路148内に進入し、下通路148に沿って落下する。これら上通路146と下通路148と払出し連絡口150は遊技球が一列に転動することが可能な右払出し通路151を構成するものであり、図20に示すように、右払出し通路151の入口は左払出しケース132に設定され、右払出し通路151の出口は右払出しケース131に設定されている。即ち、スクリューベース73の前球抜き通路80の出口から放出された遊技球は球払出しケース130内の左側部からアース板133を貫通することで右側部に位置を変えて落下する。
【0062】
左払出しケース132には、図23に示すように、上通路146の後方に位置して左払出し通路152が形成されている。この左払出し通路152は左払出しケース132のアース領域137内に配置されたものであり、左払出し通路152の水平方向の断面は、図26に示すように、遊技球が一列に通過することが可能な四角形状に設定されている。この左払出し通路152は、図23に示すように、上面と下面と右側面のそれぞれが開口するものであり、アース板133は左払出し通路152の右側面の全域を遊技球が逸脱不能に閉鎖している。この左払出し通路152の上面の入口はスクリューベース73の後払出し中継通路81の出口に接続されており、スクリューベース73の後払出し中継通路81の出口から放出された遊技球は左払出し通路152の入口に進入し、左払出し通路152に沿って落下する。この左払出し通路152は上面の入口および下面の出口のそれぞれが共通の左払出しケース132に設定されたものであり、左払出し通路152の入口は、図20に示すように、右払出し通路151の入口の後方に前後方向に相互に並べて配置され、左払出し通路152の出口は右払出し通路151の出口の左方に左右方向に相互に並べて配置されている。即ち、スクリューベース73の後払出し中継通路81の出口から放出された遊技球は球払出しケース130内の左側部を左右方向へ位置を変えることなく落下するものであり、遊技球が複数の入賞口のそれぞれに入賞したときには遊技球が球払出しケース130内を左右方向に2列に落下する。
【0063】
右払出しケース131には、図22に示すように、下通路148の下方に位置して右振分け室153が形成されており、下通路148の出口は右振分け室153の頂上部に接続されている。この右振分け室153は左側面が開口する空間状をなすものであり、アース板133は右振分け室153の左側面を遊技球が逸脱不能に閉鎖している。この右振分け室153は右払出しケース131のアース領域137内に配置されたものであり、右分け室153の上下方向の高さ寸法および前後方向の幅寸法のそれぞれは複数個の遊技球が同時に並ぶことが可能な値に設定されている。この右振分け室153の左右方向の幅寸法は遊技球が一列に転動することが可能な値に設定されており、スクリューベース73の前払出し中継通路80から放出された遊技球は左払出しケース132の上通路146の入口から右払出しケース131の下通路148の出口を通って右振分け室153内に一列に放出される。
【0064】
左払出しケース132には、図23に示すように、左払出し通路152の下方に位置して左振分け室154が形成されており、左払出し通路152の出口は左振分け室154の頂上部に接続されている。この左振分け室154は右側面が開口する空間状をなすものであり、アース板133は左振分け室154の右側面を遊技球が逸脱不能に閉鎖している。この左振分け室154は右振分け室153にアース板133を挟んで左方から対向するように左払出しケース132のアース領域137内に配置されたものであり、左振分け室154の上下方向の高さ寸法および前後方向の幅寸法のそれぞれは複数個の遊技球が同時に並ぶことが可能な値に設定されている。この左振分け室154の左右方向の幅寸法は遊技球が一列に転動することが可能な値に設定されており、スクリューベース73の後球通路81から放出された遊技球は左払出し通路152入口から出口を通して左振分け室154内に一列に放出される。
【0065】
右払出しケース131には、図22に示すように、右振分け室153の下方に位置して右上皿通路155が形成されている。この右上皿通路155は上面と下面と左側面のそれぞれが開口するものであり、右払出しケース131のアース領域137内および非アース領域138内の双方を跨いで配置されている。この右上皿通路155の水平方向の断面は、図26に示すように、遊技球が一列に転動することが可能な四角形状に設定されており、アース板133は右上皿通路155の左側面をアース領域137内で遊技球が逸脱不能に閉鎖している。この右上皿通路155の下面の出口は、図20に示すように、右払出しケース131の外部に前方へ向けて開口し、右上皿通路155の上面の入口は、図22に示すように、右振分け室153を介して下通路148の出口に下方から対向しており、スクリューベース73の前払出し中継通路80から放出された遊技球は下通路148の出口から右振分け室153内を通過して右上皿通路155の入口に進入し、右上皿通路155に沿って落下した後に右上皿通路155の出口から前方に向けて放出される。
【0066】
左払出しケース132には、図23に示すように、左振分け室154の下方に位置して左上皿通路156が形成されている。この左上皿通路156は上面と下面と右側面のそれぞれが開口するものであり、左払出しケース132のアース領域137および非アース領域138の双方を跨いで配置されている。この左上皿通路156の水平方向の断面は、図26に示すように、遊技球が一列に転動することが可能な四角形状に設定されており、アース板133は左上皿通路156の右側面をアース領域137内で遊技球が逸脱不能に閉鎖している。この左上皿通路156の下面の出口は、図20に示すように、左払出しケース132の外部に前方へ向けて開口し、左上皿通路156の上面の入口は、図23に示すように、左振分け室154を介して左払出し通路152の出口に下方から対向しており、スクリューベース73の後払出し中継通路81から放出された遊技球は左払出し通路152の出口から左振分け室154内を通過して左上皿通路156の入口に進入し、左上皿通路156に沿って落下した後に左上皿通路156の出口から前方に向けて放出される。
【0067】
右上皿通路155および左上皿通路156は、図20に示すように、入口および出口の双方を含む上下方向の全域が左右方向に相互に対向するものである。これら右上皿通路155の出口および左上皿通路156の出口のそれぞれは払出口9を介して上皿8内に接続されており、右上皿通路155の出口および左上皿通路156の出口のそれぞれから放出された遊技球は払出口9を通して上皿8内に供給される。
【0068】
右払出しケース131には、図22に示すように、右上皿通路155の後方に位置して右下皿通路157が形成されている。この右下皿通路157は上面と下面と左側面のそれぞれが開口するものであり、右払出しケース131のアース領域137および非アース領域138の双方を跨いで配置されている。この右下皿通路157の水平方向の断面は、図26に示すように、遊技球が前後方向に複数列(例えば2列)に並んで転動することが可能な四角形状に設定されており、アース板133は右下皿通路157の左側面をアース領域137内で遊技球が逸脱不能に閉鎖している。この右下皿通路157の下面の出口は、図20に示すように、右払出しケース131の外部に右上皿通路155の下方で前方へ向けて開口し、右下皿通路157の上面の入口は、図22に示すように、右上皿通路155の入口の後方で右振分け室153内に接続されている。この右下皿通路157の入口は下通路148の出口に下方から対向しないように下通路148の出口に対して後方にずらして右払出し室153内に接続されたものであり、上皿8内から遊技球が溢れて右上皿通路155の入口まで遊技球が充填された上皿8の右満杯状態では下通路148の出口から放出された遊技球が右下皿通路157の入口に進入し、右下皿通路157に沿って落下した後に右下皿通路157の出口から前方に向けて放出される。
【0069】
左払出しケース132には、図23に示すように、左上皿通路156の後方に位置して左下皿通路158が形成されている。この左下皿通路158は上面と下面と右側面のそれぞれが開口するものであり、左払出しケース132のアース領域137および非アース領域138の双方を跨いで配置されている。この左下皿通路158の水平方向の断面は、図26に示すように、遊技球が前後方向に複数列(例えば2列)に並んで転動することが可能な四角形状に設定されており、アース板133は左下皿通路158の右側面をアース領域137内で遊技球が逸脱不能に閉鎖している。この左下皿通路158の下面の出口は、図20に示すように、左払出しケース132の外部に左上皿通路156の出口の下方で前方へ向けて開口し、左下皿通路158の上面の入口は、図23に示すように、左上皿通路156の入口の後方で左振分け室154内に接続されている。この左下皿通路158の入口は左払出し通路152の出口に下方から対向しないように左払出し通路152の出口に対して後方にずらして左払出し室154内に接続されたものであり、上皿8内から遊技球が溢れて左上皿通路156の入口まで遊技球が充填された上皿8の左満杯状態では左払出し通路152の出口から放出された遊技球が左下皿通路158の入口に進入し、左下皿通路158に沿って落下した後に左下皿通路158の出口から前方に向けて放出される。
【0070】
右下皿通路157および左下皿通路158は、図20に示すように、入口および出口の双方を含む上下方向の全域が左右方向に相互に対向するものであり、上皿8の満杯状態で遊技球が複数の入賞口のそれぞれに入賞したときには遊技球が球払出しケース130から前方に向けて左右方向に2列に放出される。これら右下皿通路157の出口および左下皿通路158の出口のそれぞれは下皿中継通路を介して下皿11内に接続されている。この下皿中継通路は内枠2の台板4およびメインセット15の下枠16相互間に配置されたものであり、右下皿通路157の出口および左下皿通路158の出口のそれぞれから左右方向に一列で放出された遊技球は下皿中継通路を通して下皿11内に払出される。
【0071】
アース板133の上端部には、図24に示すように、接続端子159が形成されている。この接続端子159はアース板133に対して右方へ直角に折れ曲がるものであり、アース板133の後端部に配置されている。この接続端子159は、図20に示すように、球払出しケース130の外部に突出するものであり、球払出しケース130の外部で台座160に後方から接触している。この台座160は右払出しケース131に形成されたものであり、接続端子159に外力が作用することに基づいて接続端子159が前方へ折れ曲がることを防止している。この接続端子159には配線が接続されている。この配線はパチンコホールの島設備を介してアース接続されたものであり、遊技球は右球抜き通路139と左球抜き通路145と右払出し通路151と左払出し通路152のそれぞれを通過するときにアース板133に接触することに基づいて電荷が放出される。
【0072】
右払出しケース131の後面には、図22に示すように、左通路140の後方に位置して複数の右サポート161が一体形成されている。これら複数の右サポート161のそれぞれは上下方向に一列に隙間を介して配列されたものであり、複数の右サポート161のそれぞれの左方には、図26に示すように、左サポート162が隙間を介して対向配置されている。これら複数の左サポート162のそれぞれは、図23に示すように、左払出しケース132の後面に左払出し通路152の後方に位置して一体形成されたものであり、複数の右サポート161および複数の左サポート162相互間には、図26に示すように、後面が開口する隙間状の上チューブ収納部が形成されている。
【0073】
複数の右サポート161および複数の左サポート162相互間の上チューブ収納部内には、図26に示すように、コルゲートチューブ164が収納されている。このコルゲートチューブ164は透明な合成樹脂を材料とするものであり、複数の右サポート161のそれぞれに接触することに基づいて右方へ位置ずれすることが防止され、複数の左サポート162のそれぞれに接触することに基づいて左方へ位置ずれすることが防止されている。このコルゲートチューブ164は上下方向へ指向する縦長なものであり、コルゲートチューブ164には1本のスリットが形成されている。このスリットはコルゲートチューブ164を軸方向に貫通するものであり、コルゲートチューブ164の内部空間にはスリットを通してアースプレート45の配線と払出しモータ58の配線と前球検出スイッチ84の配線と後球検出スイッチ85の配線と接続端子159の配線のそれぞれが挿入され、アースプレート45の配線〜接続端子159の配線のそれぞれはコルゲートチューブ164の内部空間を通して中継基板に接続されている。この中継基板はメインセット15の下枠16に装着されたものであり、アースプレート45の配線〜接続端子159の配線のそれぞれは中継基板を介してパチンコホールの島設備にアース接続されている。
【0074】
右払出しケース131には、図22に示すように、複数の右フック165が一体形成されている。これら複数の右フック165のそれぞれは右サポート161に比べて前後方向の高さ寸法が大きな爪状をなすものであり、上下方向に隣接する右サポート161相互間に配置されている。これら複数の右フック165のそれぞれの左方には、図26に示すように、左フック166が隙間を介して対向配置されている。これら複数の左フック166のそれぞれは左サポート162に比べて前後方向の高さ寸法が大きな爪状をなすものであり、図23に示すように、左払出しケース132の後面に上下方向に隣接する左サポート162相互間に位置して一体形成されている。
【0075】
複数の左フック166のそれぞれの先端部は、図26に示すように、右フック165の先端部に隙間を介して対向するものであり、左右方向に対向する右フック165の先端部および左フック166の先端部相互間には、図14に示すように、隙間状の上チューブ挿入口167が形成されている。これら複数の上チューブ挿入口167のそれぞれの左右方向の幅寸法Wは、図26に示すように、コルゲートチューブ164の外径寸法に比べて小さく設定されており、複数の右フック165の先端部および複数の左フック166の先端部のそれぞれはコルゲートチューブ164の外周面に係合することに基づいてコルゲートチューブ164が上チューブ挿入口167から後方へ外れることを防止している。このコルゲートチューブ164は合成樹脂を蛇腹状に成形することから構成されたものであり、コルゲートチューブ164を右フック165の先端部および左フック166の先端部のそれぞれに後方から押付けたときにはコルゲートチューブ164が径方向に潰れるように弾性変形することに基づいて上チューブ挿入口167から上チューブ収納部内に挿入され、コルゲートチューブ164を上チューブ収納部内から後方へ引張ったときにはコルゲートチューブ164が径方向に潰れるように弾性変形することに基づいて上チューブ挿入口167から抜取られる。
【0076】
左払出しケース132の左側面には、図18に示すように、最下段の左サポート162の下方に位置して後サポート168および前サポート169のそれぞれが一体形成されている。これら後サポート168および前サポート169は前後方向に隙間を介して対向するものであり、後サポート168および前サポート169相互間には、図26に示すように、左側面が開口する隙間状の下チューブ収納部が形成されている。この下チューブ収納部内にはコルゲートチューブ164が収納されており、コルゲートチューブ164は後サポート168に接触することに基づいて後方へ位置ずれすることが防止され、前サポート169に接触することに基づいて前方へ位置ずれすることが防止されている。
【0077】
左払出しケース132の左側面には、図18に示すように、2個の後フック170が一体形成されている。これら2個の後フック170のそれぞれは後サポート168に比べて左右方向の高さ寸法が大きな爪状をなすものであり、後サポート168を挟んで上下方向に対向配置されている。これら2個の後フック170のそれぞれの前方には前フック171が隙間を介して対向配置されている。これら複数の前フック171のそれぞれは前サポート169に比べて左右方向の高さ寸法が大きな爪状をなすものであり、左払出しケース132の左側面に前サポート169を挟んで一体形成されている。
【0078】
複数の前フック171のそれぞれの先端部は、図26に示すように、後フック170の先端部に隙間を介して対向するものであり、前後方向に対向する後フック170の先端部および前フック171の先端部相互間には、図18に示すように、隙間状の下チューブ挿入口172が形成されている。これら複数の下チューブ挿入口172のそれぞれの前後方向の幅寸法Wは、図26に示すように、コルゲートチューブ164の外径寸法に比べて小さく設定されており、複数の後フック170の先端部および複数の前フック171の先端部のそれぞれはコルゲートチューブ164の外周面に係合することに基づいてコルゲートチューブ164が下チューブ挿入口172から左方へ外れることを防止している。このコルゲートチューブ164は後フック170の先端部および前フック171の先端部のそれぞれに左方から押付けられることに基づいて径方向に潰れるように弾性変形して下チューブ挿入口172から下チューブ収納部に挿入されるものであり、コルゲートチューブ164を下チューブ収納部内から左方へ引張ったときにはコルゲートチューブ164が径方向に潰れるように弾性変形することに基づいて下チューブ挿入口172から抜取られる。
【0079】
メインセット15の下枠16には、図19に示すように、スイッチ収納室173が形成されている。このスイッチ収納室173はケース挿入室120の右側壁に形成されたものであり、ケース挿入室120側の左側面が開口する凹状をなしている。このスイッチ収納室173内には下皿スイッチ174が固定されている。この下皿スイッチ174の左側面はケース挿入室120内に突出しないようにケース挿入室120の右側面と同一の平面上に配置されており、下皿スイッチ174は球払出しケース130をメインセット15の開放状態でメインセット15に対して垂直にケース挿入室120内に挿入する場合およびメインセット15に対して垂直にケース挿入室120内から取出す場合のそれぞれで球払出しケース130の移動領域の外部に位置している。
【0080】
下皿スイッチ174は下皿スイッチ174の検出領域内に遊技球が進入することに基づいて静電容量が変化する静電容量形の近接スイッチからなるものであり、図20に示すように、右払出しケース131の右側面にアース板133より下方の非アース領域138内で対向している。この下皿スイッチ174の検出領域は右下皿通路157の内部空間および左下皿通路158の内部空間のそれぞれを左右方向に水平に貫通するものであり、右上皿通路155の出口および左上皿通路156の出口のそれぞれに比べて下方に設定され、右下皿通路157の出口および左下皿通路158の出口のそれぞれに比べて上方に設定されている。
【0081】
下皿スイッチ174は検出領域内に遊技球が存在していない通常状態でLoレベルの検出信号を出力するものであり、下皿11内から遊技球が溢れて右下皿通路157内の検出領域まで充填または左下皿通路158内の検出領域まで充填された下皿満杯状態では検出領域内に遊技球が存在することを球払出しケース130の外部から非接触状態で検出してHiレベルの検出信号を出力する。この下皿スイッチ174の配線は基板ボックス18内のプリント配線基板に電気的および機械的に接続され、プリント配線基板の配線パターンを介して賞球制御回路に電気的に接続されており、賞球制御回路は下皿スイッチ174の検出信号がLoレベルからHiレベルに変化したことを基準に予め決められた一定時間(例えば1.0秒)が経過しても下皿スイッチ174の検出信号がHiレベルに維持されている場合には下皿満杯状態であると判断し、下皿満杯フラグをオン状態にセットする。この下皿満杯フラグは下皿スイッチ174の検出信号がHiレベルからLoレベルに変化することに基づいてオフ状態にリセットされるものであり、賞球制御回路は下皿満杯フラグのオン状態でメイン制御回路からの賞球コマンドを受信したときには払出しモータ58を駆動せず、下皿満杯フラグがオン状態からオフ状態にリセットされることを待って払出しモータ58を駆動する。即ち、下皿満杯状態で遊技球が複数の入賞口のそれぞれに入賞したときにはスクリューベース73の前払出し中継通路80および後払出し中継通路81のそれぞれから球払出しケース130に遊技球が放出されず、下皿満杯状態が解消されることに基づいてスクリューベース73の前払出し中継通路80および後払出し中継通路81のそれぞれから球払出しケース130に遊技球が放出される。
【0082】
上記実施例1によれば次の効果を奏する。
遊技球が入賞口に入賞した場合には払出しモータ58が運転される。この払出しモータ58の運転状態ではスクリューベース73の前払出し中継通路80の出口および後払出し中継通路81の出口のそれぞれから遊技球が下方に向けて一列で放出され、遊技球が前後方向に2列で球払出しケース130内に進入する。この前払出し中継通路80の出口から一列で放出された遊技球は球払出しケース130の右払出し通路151を通して右払出し室153内に一列で供給され、後払出し中継通路81の出口から一列で放出された遊技球は球払出しケース130の左払出し通路152を通して左払出し室154内に一列で供給される。上皿8内から遊技球が溢れていない場合には右払出し室153内の遊技球が右上皿通路155を通して上皿8内に一列で供給され、左払出し室154内の遊技球が左上皿通路156を通して上皿8内に一列で供給される。このため、上皿8内から遊技球が溢れていない非満杯状態で遊技球が入賞口に入賞した場合には球タンク25の底板29に沿って前後方向に2列で転動する遊技球が上皿8内に賞品として左右方向に2列で供給される。上皿8内から遊技球が溢れている場合には右払出し室153内の遊技球が右上皿通路155の入口に進入することができず、左払出し室154内の遊技球が左上皿通路156の入口に進入することができない。この場合には右払出し室153内の遊技球が右下皿通路157を通して下皿11内に供給され、左払出し室154内の遊技球が左下皿通路158を通して下皿11内に供給される。このため、上皿8内から遊技球が溢れた満杯状態で遊技球が入賞口に入賞した場合には球タンク25の底板29に沿って前後方向に2列で転動する遊技球が下皿11内に賞品として左右方向に2列で供給される。
【0083】
アースプレート45が前進位置から後退位置に移動操作されたときにはスクリューベース73の前球抜き中継通路82および後球抜き中継通路83のそれぞれが開放される。このアースプレート45の後退位置ではスクリューベース73の前球抜き中継通路82の出口および後球抜き中継通路83の出口のそれぞれから遊技球が一列で放出され、球払出しケース130内に遊技球が前後方向に2列で進入する。前球抜き中継通路82の出口から放出された遊技球は球払出しケース130の右球抜き通路139に沿って落下することで球払出しケース130の外部に一列で抜取られ、後球抜き中継通路83の出口から放出された遊技球は球払出しケース130の左球抜き通路145に沿って落下することで球払出しケース130の外部に一列で抜取られる。このため、アースプレート45が前進位置から後退位置に移動操作されたときには球タンク25の底板29に沿って前後方向に2列で転動する遊技球が球払出しケース130の外部に左右方向に2列で抜取られる。
【0084】
払出しモータ58およびスクリューベース73のそれぞれを次の手順でメンテナンスすることができるので、払出しモータ58およびスクリューベース73のそれぞれのメンテナンスが簡単になる。
1)メインセット15のストッパをロック状態からロック解除状態に回動操作し、メインセット15をロック解除する。
2)球止め部材100の操作部103を押圧し、球止め部材100を初期位置から球止め位置にスライド操作することに基づいて遊技球が前整列路41内および後整列路42内のそれぞれから機構部ケース35の転動室110内に転動することを禁止する。
3)上方から機構部カバー67の両貫通孔70のそれぞれを通して機構部ケース35内に工具を挿入する。この工具を用いて両ネジ72のそれぞれを取外し、払出しモータ58と機構部カバー67とスクリューベース73のそれぞれをモータ受け64から取外す。
4)コルゲートチューブ164の上半部を上チューブ挿入口167に向けて引張り、コルゲートチューブ164の上半部を複数の右フック165のそれぞれの先端部および複数の左フック166のそれぞれの先端部に球払出しケース130側から押付けることに基づいて径方向に潰れるように弾性変形させ、上チューブ挿入口167を通して上チューブ収納部内から取外す。
5)コルゲートチューブ164の下半部を下チューブ挿入口172に向けて引張り、コルゲートチューブ164の下半部を複数の後フック170のそれぞれの先端部および複数の前フック171のそれぞれの先端部に左払出しケース132側から押付けることに基づいて径方向に潰れるように弾性変形させ、下チューブ挿入口172を通して下チューブ収納部内から取外す。
6)機構カバー67を機構部ケース35から取外し、機構部ケース35の上面を開放する。この機構部ケース35の上面の開放状態で抜取り口74内に手指を挿入し、機構部ケース35内の払出しモータ58を手指で摘まんで機構部ケース35の上面から抜取る。
7)メインセット15の開放状態で球払出しケース130をメインセット15に対して垂直方向に操作し、球払出しケース130の下端部をケース挿入室120の前面を通してケース挿入室120内から抜取り、機構部ケース35の下面を開放する。
8)球タンク25の左ボス部50からネジ77を取外し、スクリューベース73を球タンク25から取外す。このネジ77の取外し状態でスクリューベース73を機構部ケース35の下面から抜取る。
9)払出しモータ58およびスクリューベース73のそれぞれをメンテナンスし、払出しモータ58を機構部ケース35の上面から機構部ケース35の内部に戻し、スクリューベース73を機構部ケース35の下面から機構部ケース35内に戻す。
10)機構部ケース35の上面に機構部カバー67を被せる。この機構部カバー67の両貫通孔70のそれぞれを通して機構部ケース35内に工具を挿入し、機構部カバー67の両取付片71から払出しモータ58の取付片60およびモータ受け64の貫通孔65のそれぞれを通してスクリューベース73にネジ72を螺合し、機構部カバー67と払出しモータ58とスクリューベース73のそれぞれをモータ受け64に固定する。
11)スクリューベース73の取付片75を通して球タンク25の左ボス部50にネジ77を螺合し、スクリューベース73を球タンク25に固定する。
12)メインセット15の開放状態で球払出しケース130をメインセット15に対して垂直方向に操作し、球払出しケース130の下端部をケース挿入室120の前面を通してケース挿入室120内に挿入し、メインセット15を開放状態から閉鎖状態に回動操作する。
13)コルゲートチューブ164の上半部を上チューブ挿入口167に向けて押込み、コルゲートチューブ164の上半部を複数の右フック165のそれぞれの先端部および複数の左フック166のそれぞれの先端部に球払出しケース130とは反対側から押付けることに基づいて径方向に潰れるように弾性変形させ、上チューブ挿入口167を通して上チューブ収納部内に戻す。
14)コルゲートチューブ164の下半部を下チューブ挿入口172に向けて押込み、コルゲートチューブ164の下半部を複数の後フック170のそれぞれの先端部および複数の前フック171のそれぞれの先端部に左払出しケース132とは反対側から押付けることに基づいて径方向に潰れるように弾性変形させ、下チューブ挿入口172を通して下チューブ収納部内に戻す。
15)メインセット15のストッパをロック解除状態からロック位置に回動操作し、メインセット15を閉鎖状態にロックする。
【0085】
下皿スイッチ174を球払出しケース130の外部に配置し、球払出しケース130の右下皿通路157内および左下皿通路158内のそれぞれの予め決められた領域内に遊技球が存在することを球払出しケース130の壁面を介して外部から検出した。このため、払出しモータ58およびスクリューベース73のそれぞれのメンテナンスに際して球払出しケース130を下枠16のケース挿入室120内から抜取る場合に下皿スイッチ174の配線を基板ボックス18内のプリント配線基板から取外す必要がなくなる。しかも、下皿スイッチ174を下枠16のセンサ収納室173内に収納し、下皿スイッチ174がケース挿入室120の内部に出張ることを防止したので、球払出しケース130をケース挿入室120内に対して着脱する場合の球払出しケース130の移動領域の外部に下皿スイッチ174が配置される。このため、球払出しケース130を下皿スイッチ174に邪魔されることなくケース挿入室120内に対して簡単に着脱することができるので、球払出しケース130を下枠16に対して着脱する場合の作業性が高まる。
【0086】
コルゲートチューブ164を右フック165の先端部および左フック166の先端部のそれぞれに球払出しケース130側に向けて押付けることに基づいて径方向に潰れるように弾性変形させ、球払出しケース130とは反対側に向けて押付けることに基づいて径方向に潰れるように弾性変形させた。このため、球払出しモータ58およびスクリューベース73のそれぞれをメンテナンスする場合にコルゲートチューブ164の上半部を上チューブ挿入口167に向けて引張ることで上チューブ収納部内から取外すことができ、コルゲートチューブ164の上半部を上チューブ挿入口167に向けて押込むことで上チューブ収納部内に戻すことができるので、球払出し装置の複数の配線を球払出しケース130に束状に着脱可能に固定する配線止め具が不要になる。しかも、球払出しケース130を右払出しケース131および左払出しケース132に分割し、右フック165を右払出しケース131に一体成形し、左フック166を左払出しケース132に一体成形した。このため、右フック165および左フック166の双方を右払出しケース131に一体成形する場合および左払出しケース132に一体成形する場合のそれぞれに比べて右フック165および左フック166のそれぞれの形状の自由度が高まるので、右フック165および左フック166のそれぞれがコルゲートチューブ164の挿入状態でコルゲートチューブ164の外周面に確実に係合するように上チューブ挿入口167の幅寸法を小さく設定することができる。
【0087】
上記実施例1においては、右払出しケース131内で右球抜き通路139の位置および左球抜き通路145の上通路140の位置を相互に交換し、スクリューベース73の前球抜き中継通路82の出口を左球抜き通路145の上通路140の入口に接続し、スクリューベース73の後球抜き中継通路83の出口を右球抜き通路139の入口に接続しても良い。
【0088】
上記実施例1においては、左払出しケース132内で右払出し通路151の上通路146の位置および左払出し通路152の位置を相互に交換し、スクリューベース73の前払出し中継通路80の出口を左払出し通路152の入口に接続し、スクリューベース73の後払出し中継通路81の出口を右払出し通路151の上通路146の入口に接続しても良い。
【0089】
上記実施例1においては、スクリューベース73をモータ受け64に払出しモータ58用とは異なる複数のネジを介して固定しても良い。この場合、複数のネジのそれぞれを上方からスクリューベース73を通してモータ受け64に螺合または下方からスクリューベース73を通してモータ受け64に螺合すると良い。
【0090】
上記実施例1においては、下枠16のケース挿入室120の後壁面にスイッチ収納室173を形成し、下皿スイッチ174をスイッチ収納室173内に収納することでケース挿入室120内に出張ることを防止しても良い。
【0091】
上記実施例1においては、下皿スイッチ174として反射形または透過形の光電センサを用いても良い。
【符号の説明】
【0092】
8は上皿(第1の球受け皿)、11は下皿(第2の球受け皿)、15はメインセット(支持枠)、25は球タンク(タンクレール)、29は底板、35は機構部ケース、45はアースプレート(シャッタ部材)、58は払出しモータ、59は回転軸、61はスクリュー、64はモータ受け(モータ台)、72はねじ(取付具)、73はスクリューベース(スクリューケース)、78は前スペーサ(スペーサ部材)、79は後スペーサ(スペーサ部材)、80は前払出し中継通路、81は後払出し中継通路、82は前球抜き中継通路、83は後球抜き中継通路、110は転動室、130は球払出しケース、131は右払出しケース、132は左払出しケース、133はアース板(仕切板)、139は右球抜き通路、145は左球抜き通路、150は払出し連絡口、151は右払出し通路、152は左払出し通路、153は右払出し室、154は左払出し室、155は右上皿通路(第1の右球受け皿通路)、156は左上皿通路(第1の左球受け皿通路)、157は右下皿通路(第2の右球受け皿通路)、158は左下皿通路(第2の左球受け皿通路)を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が転動することが可能な遊技盤と、
前記遊技盤に発射する遊技球を貯留する第1の球受け皿と、
前記第1の球受け皿内から溢れた遊技球を受ける第2の球受け皿と、
前記遊技盤に設けられ、遊技球が入賞することが可能な入賞口と、
遊技者から見て左右方向へ指向するものであって、遊技球を右から左に向けて前後方向に2列に転がす傾斜状の底板を有するタンクレールと、
前記タンクレールから遊技球が供給されると共に当該遊技球を上から下へ一列で放出するものであって、前後方向に並べられた2つの払出し中継通路と、
前記タンクレールから遊技球が供給されると共に当該遊技球を上から下へ一列で放出するものであって、前記両払出し中継通路の右側に前後方向に並べて配置された2つの球抜き中継通路と、
前記両払出し中継通路および前記両球抜き中継通路の下方に設けられ、右払出しケースおよび左払出しケース相互間に仕切板を介在してなる球払出しケースと、
前記左払出しケース内に設けられ、遊技球を前記第1の球受け皿および前記第2の球受け皿のそれぞれに払出すための左払出し室と、
前記右払出しケース内に設けられ、遊技球を前記第1の球受け皿および前記第2の球受け皿のそれぞれに払出すための右払出し室と、
前記仕切板に設けられ、遊技球が通過可能な払出し連絡口および球抜き連絡口と、
前記両払出し中継通路のうちの一方を通して前記左払出し室内に遊技球を一列で供給するものであって、前記左払出しケース内に前記左払出し室より高所に位置して設けられた左払出し通路と、
前記両払出し中継通路のうちの他方を通して前記右払出し室内に遊技球を一列で供給するものであって、前記右払出しケース内に前記右払出し室に比べて高所に位置して設けられた下通路および前記左払出しケース内に当該下通路より高所に位置して設けられた上通路相互間を前記仕切板の払出し連絡口を介して接続してなる右払出し通路と、
遊技球が前記入賞口に入賞した場合に遊技球を前記一方の払出し中継通路から前記左払出し通路を通して前記左払出し室内に供給すると共に前記他方の払出し中継通路から前記右払出し通路を通して前記右払出し室内に供給する払出しモータと、
前記右払出しケース内に設けられ、遊技球を前記両球抜き中継通路のうちの一方を通して前記球払出しケースの外部に一列で抜取る右球抜き通路と、
前記左払出しケース内に設けられた下通路および前記右払出しケース内に当該下通路より高所に位置して設けられた上通路相互間を前記仕切板の球抜き連絡口を介して接続してなるものであって、遊技球を前記両球抜き中継通路のうちの他方を通して前記球払出しケースの外部に一列で抜取る左球抜き通路と、
前記両球抜き中継通路を遊技球が通過不能に閉鎖する閉鎖状態および遊技球が通過可能に開放する開放状態相互間で移動操作されるものであって、当該開放状態で遊技球を前記一方の球抜き中継通路から前記右球抜き通路を通して前記球払出しケースの外部に抜取ると共に前記他方の球抜き中継通路から前記左球抜き通路を通して前記球払出しケースの外部に抜取るシャッタ部材を備えたことを特徴とするパチンコ遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2013−31747(P2013−31747A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−252194(P2012−252194)
【出願日】平成24年11月16日(2012.11.16)
【分割の表示】特願2008−118279(P2008−118279)の分割
【原出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(000121693)奥村遊機株式会社 (978)
【Fターム(参考)】