説明

パチンコ釘角度測定自在ゲージ

【課題】ゲージをフレーム1、縦・横レール3、5のゲージ保持部に載せて角度測定を行うので、パチンコ盤面上の役物、釘等の釘調整・測定上障害となるものから、自在にゲージの先端部を速やかに回避でき、幾つものゲージを使い分ける手間を省けること。
【解決手段】一定高さに保たれた、ゲージを載せるフレーム1、摺動自在な縦・横レール3、5からなるゲージ保持部Aと、長方形状基板27とその片面又は両面端部に直角に突設した支持脚13からのゲージまたは束ゲージ28であるゲージBから構成されるパチンコ釘角度測定自在ゲージ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ盤面上に打ち込まれた釘の角度を測定及び、調整するためのパチンコ釘角度測定自在ゲージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ盤面に打ち込まれた釘は、メーカーから出荷された時点では、バラバラで調整しなければならなかったが、従来は釘師と呼ばれる人間が目と勘を頼りになされていた。
しかし、この勘を養うのには何年もの歳月と努力を要し、それでも正確に釘を修正することは大変難しかった。さらにこの釘が正確に修正されないと、玉が入賞口へ良く入る台と悪い台とのバラつきができ、かつ同じ台でも上手な人には良く入賞させられるが、下手な人では入賞させにくいという、バラつきも出来てしまう。この様なことで、店の出玉管理を大変難しくさせていた。
又、折角高価な台を入れても、その台の性能を十分に発揮させることが出来ずに終わらせてしまうことが多かった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、パチンコ遊技業者及びお客にとって有利なパチンコ台が偏らないように多くのお客様に万遍なく楽しんで頂くように経験の浅い管理者でも短時間で技術を収得することができ、パチンコ機に打ち込まれた釘を誰にでも簡単に測定、修正ができ、パチンコ機の本来の性能を十分発揮されるために開発しようとするものである。
そこで、過去に様々な一般的に角度測定器などと呼ばれるものがあったが、実際の使用に際しては、使いずらいと言わざるを得なかった。なぜなら、パチンコ盤面上に打ち込まれた釘は、一般的には半径17〜18cm位の円周の中に約200本近く打ち込まれ、その釘の角度は釘々によって同一ではなく、多様化して来ている。
【0004】
なお、大小様々な役物、チューリップなどと呼ばれる釘の計測上では障害物となる物が多いからである。その中で、実際にパチンコ盤面上に角度測定器と呼ばれるものを接合して、計測すればその接合面自体、物理的にある程度の面積あるいは大きさが必要になる。
ところが、先のように狭い所へは、その当接面が入り込めないのである。従って、一部の釘は測定可能であっても、大部分の釘の測定は不可能と言わざるを得ない。
上記目的を達成する為に、固定式パチンコ修正ゲージ(本出願人実願登録第3042663号)等を用いて修正を行ってきたが、パチンコ台の機種毎に盤面上のそれぞれの特定部分に於て、さまざまな釘の角度が求められる多様化の中で、従来の技術では2ヶ所しか測定面をもたなかった為、角度の違なるいくつものゲージを作成して、これに当たらなければならなく、又ゲージの突出部がパチンコ盤面上に突設された役物、釘等に当たってしまう為、これを回避するため大小いくつものゲージを使用し、おのずと使いづらいものとなってしまった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、種々検討した結果、本発明は、ゲージBをフレーム1、各横レール5、縦レール3からなるゲージ保持部Aに載せて角度測定を行うこととしたので、パチンコ盤面24上に突設された役物23、釘25等の釘調整・測定上障害となるものから、ゲージの支持脚13を自在に速やかに回避させ、幾つものゲージを使い分ける手間を省き、多様化するパチンコ釘調整に一層効果を高めることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、;
(1)ゲージ1’を載せるフレーム1、横レール5・縦レール3からなるゲージ保持部AとゲージBとからなるパチンコ釘角度測定自在ゲージであって、
(i)ゲージ保持部Aが、パチンコ機20の上下のパチンコ盤金枠21に固定されたフレーム1と、該フレーム1に連結した互いに連結された横レール5、縦レール3とから構成され、且つ横レール5、縦レール3が摺動自在であり、フレーム1、横レール5、縦レール3は、パチンコ盤面24の釘25の高さよりも高い一定高さに保たれている構成であり、
(ii)ゲージBが、長方形の板体である基板27と、その片面又は両面端部に該基板27に直角に突設した支持脚13とからなり、しかもゲージBをゲージ保持部Aのフレーム1、横レール5、縦レール3のいずれかに載せた時に、ゲージBを構成する支持脚13の長さがパチンコ盤面24に当接できる範囲内であるパチンコ釘角度測定ゲージである。
【0006】
(2)ゲージBの支持脚13の端部に角度測定冶具26を一体に設けた点にも特徴を有する(図10参照)。
(3)フレーム1、各横レール5、縦レール3間の連結・摺動がフレーム1、各横レール5、縦レール3内の溝〔フレーム溝2、横レール溝6、縦レール溝4)に連結金具7を嵌め込むことにより、またフレーム1、各横レール5、縦レール3とパチンコ盤面24との間隔が、支持脚13の長さがパチンコ盤面24に当接できる範囲内となるように、支持金具8により保たれる点にも特徴を有する。 (4)フレーム1のパチンコ盤金枠21への固定が磁性固定具9による点にも特徴を有する。
(5)ゲージBが、上記(1)又は(2)記載のゲージの複数枚を蝶番28により纏めたものである点にも特徴を有する。
【発明の効果】
【0007】
(1)パチンコ遊技業者及びお客様が、共に楽しく何処のパチンコ台でもむらや片寄りなく正常にそのパチンコ機本来の性能を十分発揮し、お客様にとって公平に、業者にとってはパチンコ台管理をベストな状態に運営し得るパチンコ釘角度測定自在ゲージを提供する。
(2)パチンコ台の機種毎に盤面上の夫々の特定部分に於て、様々な釘の角度が求められる多様化の中で、希望する様々な角度に釘を手早く、初心者にも簡単に精度の高い測定、調整結果を提供できる。
(3)構造的にもシンプルで、生産コストを控えながら高精度の測定、調整結果が得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1〜2に於て、パチンコ盤面24上の金枠21に磁性固定具9等によって、フレーム1を固定する。この際、フレーム1と金枠21に隙間が出ないよう磁性固定具9に取り付けてあるナット19及びネジ18等にて適度に締めて緩みの出ないようになっている。
図3〜4に於て、上抑え10、連結扞12、下抑え11で構成される連結金具7を、フレーム溝2、縦レール溝4、横レール溝6のいずれかに交叉して嵌込み、下抑え11で固定され、連結金具7によって縦方向、横方向の各スライド方向へ摺動可能となっている。
図5に於て、ゲージとパチンコ盤面24との高さを一定にするため支持金具8を設け、横レール5には上抑え10’、連結扞12’、下抑え11’からなる支持金具8を横レール溝6に嵌込み、支持金具8の下抑え11’によって固定されている。そして、支持扞17によって横レール溝6内を摺動可能となる。
【0009】
図6〜10のゲージを使用するときは、パチンコ盤面24にパチンコ盤面側当接面15を当て、角度測定治具26の釘を当接させる角度測定面14を利用し、釘25の測定又は修正を行う。
等のようにゲージ本体の基板27のパチンコ盤当接面15をパチンコ盤面24に当て、更に横レール当接面16を横レール5に当てる。
ゲージの角度測定面具14によって釘25の角度調整又は測定を行う。この時に、測定する釘25によってゲージ本体の基板27に支障をきたした時は、横レール5又は縦レール3を使い易い位置に移動すれば良く、また横レール5の移動によって支持金具8を構成する支持扞17が役物23、釘25等により支障をきたすようであれば、横レール溝6内を移動させることにより、速やかに釘25の調整、測定が行える。
【0010】
図6のゲージを使用すると、2種類の角度にて調整、測定ができる。
図7のゲージを使用すると、4種類の角度にて調整、測定ができる。
図8のゲージを使用すると、4種類の角度にて調整、測定ができ、また蝶番28によりゲージ枚数を増やすことができる。
図9のゲージを使用すると、8種類の角度にて調整、測定ができ、また蝶番28によりゲージ枚数を増やすことができるので、多種類の角度にて調整、測定できる。
【0011】
図10に於て、ゲージ本体の基板27に間隔を開けて支持脚13を設けた4枚のゲージを、ゲージの基板27の背部に蝶番28によって各ゲージを纏めたことにより、多の計測部を付与することが可能となる。
図10では、纏めたゲージ数は4枚だが、その枚数は何枚でも良く、また組ゲージ29に於ては纏め具は前記蝶番や粘着テープ等でも良い。
それら連結金具7、支持金具8の固定化の仕方として、連結金具7を構成する上抑え10と下抑え11との間、または支持金具8を構成する上抑え10’と下抑え11’との間等に、スプリングワッシャー、ゴムワッシャー等を、または夫々の抑えを蝶ネジ化して抵抗を設けると使い勝手が良くなる。
【産業上の利用可能性】
【0012】
本発明の組物ゲージによれば、熟練を要することなくパチンコ機に打ち込んだ釘の上下及び左右の角度測定及び調整が可能となり、パチンコ業界において店の収益と共に客の満足感を達成することができ、更に、パチンコの遊戯性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】パチンコ機のパチンコ盤面に固定したゲージ保持部AにゲージBを載せて角度測定・調整を行う状態を示す斜視図である。
【図2】図1のパチンコ盤面に固定したゲージ保持部Aの詳細な構成を示す拡大模式図である。
【図3】ゲージ保持部Aの上面図である。
【図4】ゲージ保持部Aを構成する横レール、縦レール、フレーム間を連結する連結金具の構造を示す斜視図である。
【図5】ゲージ保持部Aを構成する各レールをパチンコ盤面から一定高さに保つ支持金具の構造を示す斜視図である。
【図6】2種類の角度にて測定・調整できる本発明のゲージを示す斜視図である。
【図7】4種類の角度にて測定・調整できる本発明のゲージを示す斜視図である。
【図8】4種類の角度にて測定・調整できる、4枚のゲージを束ねた本発明のゲージを示す斜視図である。
【図9】8種類の角度にて測定・調整できる、4枚のゲージを束ねた本発明のゲージを示す斜視図である。
【図10】8種類の角度にて測定・調整できる、4枚のゲージを束ね角度測定冶具を一体に設けた本発明のゲージを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0014】
1 フレーム
1’ ゲージ
2 フレーム溝
3 縦レール
4 縦レール溝
5 横レール
6 横レール溝
7 連結金具
8 支持金具
9 磁性固定金具
10、10’上抑え
11、11’下抑え
12、12’連結扞
13 支持脚
14 角度測定面
15 パチンコ盤当接面
16 横レール当接面
17 支持扞
18 ネジ
19 ナット
20 パチンコ機
21 パチンコ盤金枠
22 パチンコ蓋
23 役物
24 パチンコ盤面
25 釘
26 角度測定冶具
27 基板
28 蝶番
29 束ゲージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲージを載せるフレーム、横・縦レールからなるゲージ保持部AとゲージBとからなるパチンコ釘角度測定自在ゲージであって、
(i)ゲージ保持部Aが、パチンコ機の上下のパチンコ盤金枠に固定されたフレームと、該フレームに連結した互いに連結された横レール、縦レールとから構成され、且つ横レール、縦レールが摺動自在であり、横レール、縦レールは、パチンコ盤面の釘の高さよりも高い一定高さに保たれている構成であり、
(ii)ゲージBが、長方形の板体である基板と、その片面又は両面端部に該基板に直角に突設した支持脚とからなり、しかもゲージBをゲージ保持部Aのフレーム、横レール、縦レールのいずれかに載せた時に、ゲージBを構成する支持脚の長さがパチンコ盤面に当接できる範囲内であることを特徴とする、パチンコ釘角度測定自在ゲージ。
【請求項2】
ゲージBの支持脚の端部に角度測定冶具を一体に設けたことを特徴とする、請求項1記載のパチンコ釘角度測定自在ゲージ。
【請求項3】
フレーム、各レール間の連結・摺動がフレーム、各レール内の溝に連結金具を嵌め込むことにより、またフレーム、各レールとパチンコ盤面との間隔が、支持脚の長さがパチンコ盤面に当接できる範囲内となるように、支持金具により保たれることを特徴とする、請求項1又は2記載のパチンコ釘角度測定自在ゲージ。
【請求項4】
フレームのパチンコ盤金枠への固定が磁性固定具によることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のパチンコ釘角度測定自在ゲージ。
【請求項5】
ゲージBが、請求項1又は2記載のゲージの複数枚を蝶番により纏めたものであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のパチンコ釘角度測定自在ゲージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−51385(P2006−51385A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−303870(P2005−303870)
【出願日】平成17年10月19日(2005.10.19)
【分割の表示】特願2001−121738(P2001−121738)の分割
【原出願日】平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願人】(597072062)
【Fターム(参考)】