説明

パッキン構造

【課題】成形に際して捨て材等の発生を極力抑制して、しかもパッキン機能を向上させたパッキン構造を提供する。
【解決手段】四角形状を呈するパッキン取付け部1Aに沿うように囲繞して設置する紐状体11を四角形の枠状に形成したパッキン部材10が、紐状体11を構成する4つの隅角部11−1において分割して形成されたそれぞれの分割端部を接合面11a〜11dとして互いに接合することによって構成し、一対の接合面のうち、一方の接合面11a、11bに、他方の接合面11c、11dに対して廻り込んで重合接合される廻り込み接合片部11a−1、11b−1を形成し、廻り込み接合片部11a−1、11b−1が他方の接合面11c、11dに接合することによって両接合面11a〜11d同士のパッキン構造に構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、パワーコンディショナ等の電子機器を収容する筺体におけるベース部材とヒートシンクとの接合面を密閉する場合に適した弾性変形可能なパッキン構造に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のパッキン構造は、四角形状を呈するパッキン取付け部の外周部を囲繞するように設置するために、四角形状に形成された紐状のパッキン部材を有して構成している(特許文献1及び特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−98085号公報
【特許文献2】特開2009−236217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、かかる形状を有するパッキン構造は、予めシート状に成形された素材の中央部をくり抜いて無端状に形成することによって、四囲に何ら分割接合面を有しない一体型にて構成して、パッキン取付け部全体のパッキン機能を隈なく保持するように意図しているが、前記素材の中央部をくり抜いた際に大きな捨て材が発生されることになって、材料コストが嵩むことになると共に、地球環境保護に悖ることになる。
【0005】
かかる点に鑑み、例えば、自動車のドアー周囲をパッキンするウェザーストリップのようなパッキン構造は、樹脂成形等により成形した四角形状を呈する紐状のパッキン部材で構成して、かかるパッキン部材の例えば4つの隅角部のうち一の隅角部を切断して、当該切断部を自動車のドアー等に装着した際接合して、パッキン機能を果たさせるようにしている。
【0006】
しかしながら、かかる構成を有するパッキン構造は、前述したように、パッキン部材を成形する際に両接合面の成形も同時に行うために、かかる接合面形状を高パッキン機能を果たせるような形状に常に正確に成形することが難しく、例えば電子機器を収納する筺体のパッキン構造として適用するような場合には、所定のパッキン機能を果たし得ないことにもなりかねず、外部設置の場合等に雨水等の侵入を防止できない事態も発生しがちである。
【0007】
そこで、本発明は、成形に際して捨て材等の発生を極力抑制して、しかもパッキン機能を向上させたパッキン構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るパッキン構造は、四角形状を呈するパッキン取付け部に沿うように囲繞して設置するために弾性変形可能な紐状体を四角形の枠状に形成したパッキン部材にて構成するパッキン構造であって、前記四角形状の紐状体を構成する4つの隅角部のうち、その対角線上において互いに対向する2つの隅角部又は4つの隅角部において分割して、かかる分割することによって形成された対向する分割端部を接合面として互いに接合することによって構成しており、前記一対の接合面のうち、一方の接合面に、他方の接合面に対して廻り込んで重合接合される廻り込み接合片部を形成し、該廻り込み接合片部が他方の接合面に接合することによって前記両接合面同士のパッキン構造としてことを特徴とするものである。
【0009】
本発明によれば、四角形の枠状のパッキン部材において、その4つの隅角部のうち、その対角線上において互いに対向する2つの隅角部又は4つの隅角部において分割し、かかる分割によってて形成された互いに対向する分割端部を接合面として形成し、該接合面のうち、一方の接合面に他方の接合面に対して廻り込んで重合接合される廻り込み接合片部を形成したことから、該廻り込み接合片部が他方の接合面に接合することによって前記両接合面同士のパッキン構造を構成した際に、廻り込み部の存在により、両接合面同士の接合面積を大きくして、外部からの雨水等の侵入を抑制することができて、パッキン機能を著しく高めることができ、しかも、四角形状のパッキン部材を2分割あるいは4分割して成形することになって、従来のようなシート状の素材の中央部をくり抜くことによって発生する大きな捨て材が発生することを防止することができて、材料コストの低減を図り、地球環境保護に貢献することができる。
【0010】
また、上記本発明に係るパッキン構造は、その実施の形態として、前記両接合面における面形状のうち、一方の接面形状が平面視略Z字状面を呈するとともに、他方の接面形状が平面視略逆Z字状面を呈していることを特徴とするものである。
【0011】
かかる本発明の実施の形態によれば、両接合面同士の接合は、正逆両Z字状面を呈する接合面によって行われることになり、接合面積を大きくすることができて、パッキン機能を著しく高めることができる。
【0012】
また、上記本発明に係るパッキン構造は、その実施の形態として、前記両接合面における面形状のうち、一方の接面形状が平面視略L字状面を呈するとともに、他方の接面形状が平面視略逆L字状面を呈していることを特徴とするものである。
【0013】
かかる本発明の実施の形態によれば、両接合面同士の接合は、正逆両L字状面の接合面によって行われることになり、接合面積を大きくすることができて、パッキン機能を著しく高めることができる。
【発明の効果】
【0014】
上記のように構成する本発明は、四角形の枠状のパッキン部材において、その4つの隅角部のうち、その対角線上において互いに対向する2つの隅角部又は4つの隅角部において分割し、かかる分割によってて形成された互いに対向する分割端部を接合面として形成し、該接合面のうち、一方の接合面に他方の接合面に対して廻り込んで重合接合される廻り込み接合片部を形成したことから、該廻り込み接合片部が他方の接合面に接合することによって前記両接合面同士のパッキン構造を構成した際に、廻り込み部の存在により、両接合面同士の接合面積を大きくして、外部からの雨水等の侵入を抑制することができて、パッキン機能を著しく高めることができ、しかも、四角形状のパッキン部材を2分割あるいは4分割して成形することになって、従来のようなシート状の素材の中央部をくり抜くことによって発生する大きな捨て材が発生することを防止することができて、材料コストの低減を図り、地球環境保護に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】電子機器装置としてのパワーコンディショナー装置の外観を正面上方から描画した斜視図である。
【図2】本発明に係る実施例を採用した場合の図1のA−A断面図である。
【図3】本発明に係る実施例を採用した場合の図1における下方部分を分解して描画した概略説明図である。
【図4】図1におけるパワーコンディショナー装置のベース部材の平面図である。
【図5】図4に描画したベース部材の外周部に装着する本発明の一実施例に係るパッキン部材を分解して描画した平面図である。
【図6】図4のB円内部分を描画した拡大図である。
【図7】図4に描画したベース部材の貫通孔を囲繞して装着される本発明の他の実施例に係るパッキン部材の平面図である。
【図8】図1におけるパワーコンディショナー装置のベース部材の外周部に装着する本発明のさらに他の実施例に係るパッキン部材を分解して描画した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、図を用いて、本発明の実施例に係るパッキン部材をパワーコンディショナー装置適用した場合について説明する。
【0017】
図1乃至図3において、パワーコンディショナー装置Xを構成する電子部品を収納するためのケース1は、前後方向に扁平で、且つ正面視上下方向に長い長方形状の金属よりなる収容箱体であり、10アンペア程度の大電流を扱うべく、左右方向の幅を小電流を扱うためのケース本体(不図示)と交換して既存の設置場所に設置できる寸法を有して構成されており、ケース1は、後述の電子部品等を収容するための収容空間を有すると共に背面側が開口した筺体1aと、筺体1aの開口部を閉塞するベース部材1bとで構成している。
【0018】
筺体1aの前面部の下方側に寄った部位には、筺体1a内に収容されたコネクタ等(不図示)を外部に表出させるために形成した小開口部1eを閉塞するために、カバー体1cを図3に示す平板状のカバー体用パッキン部材2を介在させた状態で筺体1aにビス等により固着されている(図3参照)。
【0019】
カバー体用パッキン部材2は、その外周端部に一体に形成された挟着舌片部(不図示)が小開口部1eの端部を挟着することによってケース1に装着されており、且つ、ケース1の設置状態における上部が凸湾曲状に形成されていると共に、同下部が凹湾曲状に形成されていて、ケース1の上方部側から滴下してきた雨水等を左右方向に振り分けてケース1の下部に即座に導き、雨水等がケース1内に万一侵入するのを防止するように構成している。
【0020】
次に、ケース1の内部構造について、図2を用いて説明する。
【0021】
筺体1a及びベース部材1bによって形成されたケース1の収容部1d内において、ベース部材1b上には、複数の支柱1eを用いて、パワーモジュール基板3が嵩上げされた状態でねじ1e−1によって設置されており、パワーモジュール基板3の一方の面には、DC/DCコンバーター或いはインバータ等のパワーモジュール用電子部品4が実装されている。
【0022】
さらに、パワーモジュール基板3の一方の面には、支柱1fを用いて制御基板5が嵩上げされた状態でねじ1f−1を用いて設置されている。制御基板5には、複数の制御用電子部品6が実装されている。
【0023】
パワーモジュール基板3の他方の面には、パワーモジュール用電子部品4にそれぞれ対向するように、副ヒートシンク7、7が接着設置されている。副ヒートシンク7、7は、ベース部材1bに穿設した貫通孔1b−1、1b−1に嵌合挿通している。この結果、副ヒートシンク7、7は、ベース部材1bに外付にて接合設置された主ヒートシンク8に直付されている。
【0024】
筺体1aとベース部材1bとは、筺体1aの開口部側端部に外向きに張り出すように突出形成した取付けフランジ部1a−1をベース部材1bの外周端部に接合して、複数のねじ1gを用いて、装着されている。
【0025】
筺体1aの取付けフランジ部1a−1とベース部材1bの外周端部とは、本発明の一実施例に係るパッキン部材10を介在させた状態で接合されている。
【0026】
パッキン部材10は、かかる接合の前に、図4に示すように、ベース部材1bの外周部における四角形状のパッキン取付け部1Aに沿うように囲繞して設置されている。
【0027】
このため、パッキン部材10は、ゴムスポンジ等の弾性変形可能な材料で形成した紐状体11を四角形の枠状に形成することによって構成しており、さらに、図5に示すように、紐状体11は、4つの隅角部11−1において分割された分割紐状体11A乃至11Dにより構成され、各分割紐状体11A乃至11Dの各分割端部の互いに対向する接合面11a〜11dは、その一方の接面形状が平面視略Z字状面に形成されていると共に、他方の接面形状が平面視略逆Z字形状面に形成されいる。
【0028】
この結果、図6に明示するように、4つの分割紐状体11A乃至11Dのうち、両横桁分割紐状体11A、11Bの接合面11a、11bには、両縦桁分割紐状体11C、11Dの接合面11c、11dに対して外側に廻り込んで重合接合する廻り込み接合片部11a−1、11b−1が形成されていることになる。
【0029】
そして、接合面11a〜11dをそれぞれ接合することによって、分割紐状体11A乃至11Dがそれぞれ面一に接合されて、図4に示すように、四角形状のパッキン部材10を構成することになる。
【0030】
このとき、両横桁分割紐状体11A、11Cに形成された廻り込み接合片部11a−1、11c−1は、縦桁分割紐状体11C、11Dの接合面11c、11dの外側に廻り込んで重合接合していることから、接合面11a〜11d同士がラビリンス構造を形成して接合面積を拡大することになって、ケース1の設置状態において、雨水等が滴下してきた場合でも、4つの隅角部11−1からケース1内への雨水等の侵入を確実に防止することができる。
【0031】
このように四角形の枠状を呈して構成するパッキン部材10は、その4つの隅角部において分割して形成されたそれぞれの分割端部を接合面11a〜11dとして形成し、接合面11a〜11dのうち、横桁分割紐状体11A、11Bの接合面11a、11bが縦桁分割紐状体11C、11Dの接合面11c、11dに対してそれぞれ廻り込んで重合接合される廻り込み接合片部11a−1、11b−1を形成されていることから、廻り込み接合片部11a−1、11b−1が縦桁分割紐状体11C、11Dの接合面11c、11dに重合接合することによって前記両接合面同士のパッキン構造を構成しており、廻り込み接合片部11a−1、11b−1の存在により、接合面11aと11c及び接合面11bと11dの接合面積を大きくすることができて、パッキン機能を著しく高めることができ、しかも、四角形状のパッキン部材10を4分割した分割紐状体11A乃至11D毎に成形することになって、従来のようなシート状の素材の中央部をくり抜くことによって発生する大きな捨て材を発生することを防止することができて、材料コストの低減を図り、地球環境保護に貢献することができる。
【0032】
また、かかる実施例において、接合面11a〜11dにおける接合面形状のうち、一方の接面形状が平面視略Z字状面を呈するとともに、他方の接面形状が平面視略逆Z字状面を呈していることから、接合面積を大きくすることができて、パッキン機能を著しく高めることができる。
【0033】
また、副ヒートシンク7と主ヒートシンク8とは、図2に示すように、ベース部材1bの両貫通孔1b−1周りに設置された本発明の他の実施例に係るパッキン部材20を介在させた状態で接合している。
【0034】
パッキン部材20は、かかる接合前に、図4に示すように、ベース部材1bにおける両貫通孔1b−1の外側周りに形成したパッキン取付け部1Bに沿うように囲繞して設置されている。
【0035】
このため、パッキン部材20は、やはりゴムスポンジ等の弾性変形可能な材料で形成した紐状体21を四角形の枠状に形成することによって構成しており、さらに、図7に示すように、紐状体21は、4つの隅角部21−1において分割された分割紐状体21A乃至21Dにより構成され、各分割紐状体21A乃至21Dの各分割端部の互いに対向する接合面21a〜21dは、その一方の接面形状が平面視略L字状面に形成されていると共に、他方の接面形状が平面視略逆字状面に形成されている。
【0036】
この結果、4つの分割紐状体21A乃至21Dのうち、両横桁分割紐状体21A、21Bの接合面21a、21bには、両縦桁分割紐状体21C、21Dの接合面21c、21dに対して外側に廻り込んで重合接合する廻り込み接合片部21a−1、21b−1が形成されていることになる。
【0037】
そして、接合面21a〜21dをそれぞれ接合することによって、分割紐状体21A乃至21Dがそれぞれ面一に接合されて、四角形状のパッキン部材20を構成することになる。
【0038】
このとき、両横桁分割紐状体21A、21Cに形成された廻り込み接合片部21a−1、21c−1は、縦桁分割紐状体21C、21Dの接合面21c、21dの外側に廻り込んで重合接合していることから、接合面21a〜21d同士がラビリンス構造を形成すして接合面積を拡大することになって、ケース1の設置状態において、雨水等が滴下してきた場合でも、4つの隅角部21−1からケース1内への雨水等の侵入を確実に防止することができる。
【0039】
このように四角形の枠状を呈して構成するパッキン部材20は、その4つの隅角部31−1において分割して形成されたそれぞれの分割端部を接合面21a〜21dとして形成し、接合面21a〜21dのうち、横桁分割紐状体21A、21Bの接合面21a、21bに縦桁分割紐状体21C、21Dの接合面21c、21dに対してそれぞれ廻り込んで重合接合される廻り込み接合片部21a−1、21b−1を形成したことから、廻り込み接合片部21a−1、21b−1が縦桁分割紐状体21C、21Dの接合面21c、21dに重合接合することによって前記両接合面同士のパッキン構造を構成しており、廻り込み接合片部21a−1、21b−1の存在により、接合面21aと21c及び接合面21bと21dの接合面積を大きくすることができて、パッキン機能を著しく高めることができ、しかも、四角形状のパッキン部材20を4分割した分割紐状体21A乃至21D毎に成形することになって、従来のようなるシート状の素材の中央部をくり抜くことによって発生する大きな捨て材を発生することを防止することができて、材料コストの低減を図り、地球環境保護に貢献することができる。
【0040】
また、かかる実施例において、接合面21a〜21dにおける接合面形状のうち、一方の接面形状が平面視略L字状面を呈するとともに、他方の接面形状が平面視略逆L字状面を呈していることから、接合面積を大きくすることができて、パッキン機能を著しく高めることができる。
【0041】
なお、主ヒートシンク8の外面側には、副ヒートシンク7、7とともに主ヒートシンク8を強制冷却する一対の冷却ファン装置9が設置されている。
【0042】
次に、図8を用いて、本発明に係るベース部材1bの外周部における四角形状のパッキン取付け部1Aに沿うように囲繞して設置されるさらに他の実施例について説明する。。
【0043】
図8に示すかかる実施例においては、パッキン部材30は、ゴムスポンジ等の弾性変形可能な材料により四角形の枠状に構成されている点、上記実施例と同じであるが、略L字形状に形成された二分割構成の分割紐状体31A、31Bにより構成しており、その上、分割紐状体31A、31Bは、4つの隅角部31−1のうち、その対角線上において互いに対向する2つの隅角部31−1A、31−1Bを二分割して略L字形状に形成して構成している点、特徴を有するものである。
【0044】
そして、分割紐状体31Aの接合面31A-1、31A−2と分割紐状体31Bの接合面31B−1及び31B−2のうち、分割紐状体31Aにおけるケース1の設置位置において下部に存する接合面31A−1及び分割紐状体31Bにおけるケース1の設置位置において上部に存する接合面31B−1は、L字形状に形成されており、また、分割紐状体31Aにおけるケース1の設置位置において上部に存する接合面31A−2及び分割紐状体31Bにおけるケース1の設置位置において下部に存する接合面31B−2は、逆L字形状に形成されている。
【0045】
この結果、両分割紐状体31A、31Bの接合面31A−1及び31B-2には、接合面31A-2及び31B-1に対して外側に廻り込んで重合接合する廻り込み接合片部31A−1a、31B−2aが形成されている。
【0046】
そして、接合面31A−1〜31B−1をそれぞれ接合することによって、分割紐状体31A及び31Bがそれぞれ面一に接合されて、四角形状のパッキン部材30を構成することになる。
【0047】
このとき、各分割紐状体31A、31Bに形成された廻り込み接合片部31A−1a、31B−2aは、他の接合面31B−1、31A−2の外側に廻り込んで重合接合していることから、接合面31A−1と31B−1及び接合面31A-2と31B-2同士がラビリンス構造を形成することにより接合面積を拡大されることになって、ケース1の設置状態において、雨水等が滴下してきた場合でも、分割された2つの隅角部31−1からケース1内への雨水等の侵入を確実に防止することができる。
【0048】
このように四角形の枠状を呈して構成するパッキン部材30は、その2つの隅角部31−1において分割して形成されたそれぞれの分割端部をそれぞれ接合面31A−1、31A-2、31B−1、31B-2として形成し、接合面31A−1及び31B-2の廻り込み接合片部31A−1a、31B−2aが他の接合面31B−1、31A2に対してそれぞれ廻り込んで重合接合される廻り込み接合片部31A−1a、31B−2aを形成したことから、廻り込み接合片部11a−1、11b−1が縦桁分割紐状体11C、11Dの接合面11c、11dに重合接合することによって前記両接合面同士のパッキン構造を構成しており、廻り込み接合片部31A−1a、31B−2aの存在により、接合面31A−1と31B−1及び接合面31B−1と31A−2の接合面積を大きくすることができて、パッキン機能を著しく高めることができ、しかも、四角形状のパッキン部材30を4分割した分割紐状体31A及び31B毎に成形することになって、従来のようなるシート状の素材の中央部をくり抜くことによって発生する大きな捨て材を発生することを防止することができて、材料コストの低減を図り、地球環境保護に貢献することができる。
【0049】
また、かかる実施例において、接合面31A−1〜31B−2における接合面形状のうち、一方の接面形状が平面視略L字状面を呈するとともに、他方の接面形状が平面視略逆L字状面を呈していることから、接合面積を大きくすることができて、パッキン機能を著しく高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上説明したように、本発明は、四角形の枠状のパッキン部材において、その4つの隅角部のうち、その対角線上において互いに対向する2つの隅角部又は4つの隅角部において分割して形成されたそれぞれの分割端部を接合面として形成し、該接合面のうち、一方の接合面に他方の接合面に対して廻り込んで重合接合される廻り込み接合片部を形成したことから、該廻り込み接合片部が他方の接合面に接合することによって前記両接合面同士のパッキン構造を構成して、廻り込み部の存在により、両接合面の接合面積を大きくすることができて、パッキン機能を著しく高めることができ、しかも、四角形状のパッキン部材体を2分割あるいは4分割して成形することになって、従来のようなるシート状の素材の中央部をくり抜くことによって発生する大きな捨て材を発生することを防止することができて、材料コストの低減を図り、地球環境保護に貢献することができることになる。
このために、本発明は、例えば、パワーコンディショナ等の電子機器を収容する筺体におけるベース部材とヒートシンクとの接合面密閉する場合に適した弾性変形可能なパッキン構造等に好適である。
【符号の説明】
【0051】
X パワーコンディショナー装置
1 ケース
1A 1B パッキン取付け部
1a 筺体
1b ベース部材
10 パッキン部材
11 紐状体
11A、11B 横桁分割紐状体
11C、11D 縦桁分割紐状体
11−1 隅角部
11a〜11d 接合面
20 パッキン部材
21 紐状体
21A、21B 横桁分割紐状体
21C、21D 縦桁分割紐状体
21a〜21d 接合面
30 パッキン部材
31A、31B 分割紐状体
31A−1、31A-2 接合面
31B−1、31B−2 接合面
31−1、31−1A、311−1B 隅角部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角形状を呈するパッキン取付け部に沿うように囲繞して設置するために弾性変形可能な紐状体を四角形の枠状に形成したパッキン部材にて構成するパッキン構造であって、前記四角形状の紐状体を構成する4つの隅角部のうち、その対角線上において互いに対向する2つの隅角部又は4つの隅角部において分割して、かかる分割することによって形成された対向する分割端部を接合面として互いに接合することによって構成しており、前記一対の接合面のうち、一方の接合面に、他方の接合面に対して廻り込んで重合接合される廻り込み接合片部を形成し、該廻り込み接合片部が他方の接合面に接合することによって前記両接合面同士のパッキン構造としてことを特徴とするパッキン構造。
【請求項2】
前記両接合面における面形状のうち、一方の接面形状が平面視略Z字状面を呈するとともに、他方の接面形状が平面視略逆Z字状面を呈していることを特徴とする請求項1に記載のパッキン構造。
【請求項3】
前記両接合面における面形状のうち、一方の接面形状が平面視略L字状面を呈するとともに、他方の接面形状が平面視略逆L字状面を呈していることを特徴とする請求項1に記載のパッキン構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−192782(P2011−192782A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−57320(P2010−57320)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】