説明

パッケージ内部のガス含有量の制御された変更のための方法および組立体

ナッツ等の製品で充填された真空パッケージ等のパッケージ(2)を真空排気する方法及び組立体である。パッケージは、少なくとも部分的に包装フィルム(6)から作成される。本方法は、包装フィルムの孔(12)を通してパッケージを真空排気する、吸引開口が設けられた吸引装置(4)を採用する。パッケージには、実質的に板状の剛性要素(8)が設けられ、その1つの主面は、実質的に包装フィルムの内側と接触して位置し、包装フィルムの孔は、実質的剛性要素の位置に設けられる。本方法は、吸引開口をパッケージの外側の、実質的剛性要素が包装フィルムの内側と接触して位置する位置に封止当接させることをさらに含み、その際、孔は吸引開口と流体接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージ内部のガス含有量の制御された変更のための方法であって、少なくとも、前記パッケージ(ナッツ等の製品で充填された真空パッケージ等)に収容されるガスの排出ステップを含み、パッケージは少なくとも部分的に包装フィルムから作成され、包装フィルムの孔を通してパッケージを真空排気するために、吸引開口が設けられている吸引装置が利用される、方法に関する。
【0002】
本発明は、さらに、かかる方法を行うパッケージと剛性要素との組立体と、吸引装置および剛性要素を備える部品のキットと、部品のキットの実質的剛性要素と、その使用と、に関する。
【背景技術】
【0003】
パッケージを真空排気する方法は、欧州特許第0626312号明細書から既知である。既知の方法では、気密パッケージは、針を使用して穴が開けられ、それによって形成された孔を通して真空にされる。この目的のために、チャンバのカバーに吸引装置が気密に接続されており、チャンバ内でパッケージは真空排気される前に圧縮される。
【0004】
しかしながら、前記方法には欠点がある。パッケージを真空排気するために、パッケージを収容し圧縮するチャンバが必要である。したがって、容量がたとえば1000リットルである大きいパッケージの場合、大きいチャンバが必要となり、それは実際的でなく高価な機器(チャンバ)が必要となる。
【0005】
米国特許第3026656号明細書は、包装フィルムの内部に、熱可塑性材料でコーティングされかつ孔を備えた、セロハンまたは紙等のラベルまたは補強板を施すことを提案している。前記ラベルまたは補強板の外周部内に含まれている包装フィルムの部分は、ラベルの孔に対してずれている孔を備えている。包装フィルムの外部のラベルの位置に真空チャンバが施され、真空ポンプを作動させることによりパッケージの内部から空気が引き出される。真空排気の後に、包装フィルムおよびラベルに対して加熱器具を押し付けることにより、包装フィルムの排気孔を封止することができる。この解決法の問題は、ラベルまたは補強板が比較的可撓性材料であり、パッケージに比較的粗い粒状製品が収容されている場合に、真空チャンバとの得られるべき気密接触に対し十分平滑な接触面を保証することができない、ということである。
【0006】
米国特許第3216172号明細書は、上記問題を、上述したラベルまたは補強板の代わりに比較的堅いパッチを用いることによって解決することを提案している。パッケージ内の空気は、パッチの穿孔を通して排出され、それにより包装フィルムの孔に達する。パッチの穿孔は、粒状または粉末状の袋の中身の粒子を通さないように十分細かくなければならない。かかるパッチの製造は、細かい粉末での適用の場合に問題となる可能性があり、パッケージの真空排気中に許容できないほど高い圧力損失がもたらされる可能性がある。さらに、このタイプのパッチでは、粒状物質または粉末状物質がすぐに詰まり、一方で、パッチの孔が細かいほど、細かい粉末が詰まる危険性が高くなり、一方で、大きい粒または粒子は孔を容易に塞ぐ可能性が高く、そのため排気効率を低減させ、またはさらにはまったく停止させる。
【0007】
さらに、既存のシステムでは、パッケージを一度しか真空排気することができず、その後は、ホットシール装置によって不可逆的に封止される。しかしながら、多段排気プロセスを可能とする可逆封止パッケージが望ましい場合もあり、場合によっては、前記パッケージ内にガスを注入することが必要な場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本技術分野において、パッケージのサイズに関わりなく、包装される多数の製品に適用可能であり、投資がほとんど不要でありかつ必要な機器が小型サイズである、パッケージ内のガス含有量および組成の迅速な変化を可能とすることが依然として必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、添付の独立請求項において定義されている。好ましい実施形態は、従属請求項において定義されている。特に、本発明は、真空を保持するのに適しておりかつ製品が充填されるパッケージ内部のガス含有量の制御された変更のための方法であって、前記パッケージが少なくとも部分的に包装フィルムから作成され、少なくとも以下のステップを含む真空排気ステップを含む方法であって、
(a)前記包装フィルムに少なくとも1つの孔を提供するステップと、
(b)実質的剛性要素であって、要素の厚さによって分離される第1主面および第2主面を備え、前記第1主面を前記第2主面に流体接続する少なくとも1つの開口を備える、実質的剛性要素を提供するステップと、
(c)パッケージの内部に前記剛性要素を配置するステップであって、それにより、剛性要素の第1主面が実質的に包装フィルムの内面に接触し、かつフィルムの少なくとも1つの孔が剛性要素の外周部内に囲まれるようにする、ステップと、
(d)真空ポンプのような真空を引く手段に接続され、かつ外周部が剛性要素の外周部に嵌合する吸引開口を備える、吸引装置を提供するステップと、
(e)吸引装置を包装フィルムの外面に封止当接させ、それにより、吸引装置の開口の外周部が、包装フィルムの厚さによってそこから分離される剛性要素の上に完全に載る、ステップと、
(f)真空ポンプを作動させることにより、パッケージから前記孔を通って、排出されるべき流体を排出するステップと、
を含む方法であり、
実質的剛性要素が、排出されるべき流体には透過性であり、パッケージに収容される製品には実質的に不透過性であるように設計され、粒状物質による詰まりに対して耐性がある、方法に関する。
【0010】
それはまた、少なくとも部分的に包装フィルムから作成されるパッケージと、包装フィルムの内側に配置される実質的剛性要素と、を備える組立体に関する。上に定義したような吸引装置と実質的剛性要素とを備える部品のキットとともに、上述した方法に特に適している実質的剛性要素も扱っている。パッケージを真空排気する実質的剛性要素の使用について説明する。最後に、パッケージから真空を引き出しかつそこに不活性ガスまたは機能性ガス等のガスを注入するのに適している吸引装置を提案し、前記装置が、開口を有するチャンバを備え、開口の外周部が、上に定義したような剛性要素の外周部に嵌合するのに適しており、前記チャンバが、真空ポンプに接続されており、吸引装置がダクトをさらに備え、ダクトが、ガス源に接続され、かつチャンバのデッキに摺動取付されることにより、(不活性または機能性)ガスがパッケージ内に注入される時、包装フィルムの穴内を押し下げられて剛性要素の第1面の基部(stump)内に嵌合することができ、パッケージが真空排気される時、包装フィルムの孔から取り出されることが可能であることを特徴とする。注入されるガスは、たとえば、限定されないが、脱臭、芳香、滅菌、反応性、不動態化等の特性を有する不活性ガスまたは機能性ガスのようないかなるガスであってもよい。
【0011】
本発明の方法によれば、パッケージに実質的剛性要素が設けられ、それは、それにたとえば溶接または接着によって固定されることが好ましい包装フィルムの内面に実質的に接して位置し、包装フィルムの孔が、実質的剛性要素の外周部内に含まれる位置に設けられ、本方法はさらに、吸引装置の開口を、パッケージの外面の、実質的剛性要素が実質的に包装フィルムの内面に接触して位置する位置に封止当接させ、それによりフィルムの孔が吸引開口と流体連通するようにするステップを含む。このように、吸引開口は、パッケージの外面に封止当接し、チャンバ内にパッケージ全体を配置する必要はない。これにより、実質的剛性要素は、孔の位置を特定するのに役立つことができる。さらに、実質的剛性要素により、吸引開口を、パッケージ内部に収容されている製品の性質に関わらず、パッケージに対し簡単に封止することができる。吸引開口が当接するパッケージの面は実質的には変形せず、一方、真空排気中、たとえばフィルムが製品に押し付けられるために、製品がフィルムに直接当接する位置において、フィルムを大幅に変形させることができる。フィルムの変形を確定することができる要素は、パッケージに収容される製品のサイズ、コンシステンシおよびタイプである。ナッツ等の粒の粗い製品の場合、実質的剛性要素がなければ吸引開口をフィルムに封止当接させることが実質的に不可能である程度まで、フィルムを変形させることができる。
【0012】
実質的剛性要素は、それが包装フィルムの内側に接して位置する位置において、包装フィルムの内側が当接する、たとえば一平面に延在する、第1接触面を形成することができ、その際、包装フィルムの外側は、第1接触面の位置において、フィルムの厚さにより第1接触面から分離される第2接触面を、吸引開口をその上に封止当接させるように形成する。このように、実質的剛性要素により、包装フィルムが孔の周囲に第2接触面を形成することが確実になる。
【0013】
排出される流体は、油、湿気、空気または他のガス等、パッケージに収容されるいかなる流体であってもよい。本発明のもっとも明らかな適用は、パッケージからの空気の排出に関する。以下では空気について言及するが、本教示を、排出される他の任意の流体に共通に適用することができる、ということが理解されるべきである。
【0014】
好ましくは、実質的剛性要素は、少なくとも1つの孔を備える実質的剛性支持部材と、包装フィルムから離れる方向に向いた、前記支持部材の第2主面に積層されるフィルタ(40)と、を備え、前記フィルタは、流体に対して透過性であり、パッケージに収容される製品に対して実質的に不透過性である。このため、それにより、パッケージ内部の製品がパッケージから漏れず、かつ/または真空排気中に孔を詰まらせないことを確実にして、簡単な方法で、パッケージを真空排気することが可能である。このため、たとえばココア粉末等、(非常に細かい)粉末を収容するパッケージを真空排気することも可能であり、その場合、粉末はパッケージから漏れず、かつ/または孔を詰まらせない。この解決法により、パッケージの中身に関わらず空気をパッケージから高速で排出することを可能とし、かつパッケージに収容される製品のサイズおよび特性の関数としてフィルタを選択するために十分な、サイズおよび透過性の少なくとも1つの孔を備える、標準的な基本要素を使用することができる。この非常に汎用性のある解決法は、サイズをパッケージに収容される製品に適合させなければならない微小な孔を備えた従来技術の剛性要素より、経済的でありかつ圧力損失がはるかに低い。
【0015】
好ましくは、包装フィルムから離れる方向に向いている実質的剛性要素の第2面には、要素の少なくとも1つの開口と流体連通する少なくとも1つの溝が設けられる。この溝は、実質的に、実質的剛性要素の第1主面と第2主面との流体接続が、製品によって封止されないようにする。パッケージが粒の粗い製品を収容する場合、その粗い粒は、少なくとも1つの溝の直立壁に当接するが、前記溝を完全には封止することはできず、それにより流体接続が開放されたままになる。パッケージが粒の細かい製品を収容する場合、この製品は実質的に多孔質物を形成し、それは流体接続を封止しない。
【0016】
最も好ましくは、流体に対して透過性でありかつ製品に対して実質的に不透過性であるフィルタが、実質的剛性要素の前記第2面に固定され、実質的剛性要素には、要素の少なくとも1つの開口と流体連通する少なくとも1つの溝が設けられる。この積層形状は、最も細かい粉末粒子が通過しないようにすると同時に剛性要素を通る空気の流れを最適化するため、特に有利である。この効果は、前記第2面の領域全体を覆う溝の網が少なくとも1つの開口と流体連通する場合に強化される。少なくとも1つの開口に接続された流体連通網を形成するいかなる構造化面も想定することができる。
【0017】
実質的剛性要素の包装フィルムに接して位置する側に、表面構造が設けられることが好ましい。このため、フィルムと実質的剛性要素との間に、真空排気中、流体がパッケージから吸引装置まで流れることができる、開放空間を形成することができる。
【0018】
通常、実質的剛性要素は、パッケージの内部に完全に配置されている。これには、孔を除く包装フィルムが実質的剛性要素に沿って実質的にとぎれなく延在することができ、それにより、たとえば漏れの危険が低減し、かつ/または真空排気がうまくいく機会が増大する、という利点がある。しかしながら、剛性要素がパッケージの外側に延在することは排除しない。ただし、この実施形態はそれほど好ましくない。包装フィルムの孔を、パッケージが液密に閉鎖された後に設けることができる。包装フィルムに対し、パッケージの後の真空排気のための孔を提供する実質的剛性要素の位置に、穴をあけることができる。
【0019】
一実施形態によれば、本方法は、パッケージの真空排気後に、たとえば接着剤および/またはグリースを使用して、かつ/またはたとえば封止、溶接および/または接着により包装フィルムを実質的剛性要素に接合することにより、孔を封止することをさらに含む。このように、封止された真空排気済みパッケージが得られる。
【0020】
実質的剛性要素は、空気または油等の流体に対して透過性であり、製品に対しては実質的に不透過性である。このため、孔を通してかつ実質的剛性要素を通してパッケージから流体を吸引することができる。この目的で、実質的剛性要素には、たとえば少なくとも1つの穿孔が設けられ、それは、実質的剛性要素の包装フィルムに当接する側から、実質的剛性要素の包装フィルムと接触しない位置まで延在する。このように、流体をパッケージによって封止される空間から吸い出すことができる流路が形成される。
【0021】
好ましくは、少なくとも1つの穿孔は、包装フィルムの孔に対してずれている。これにより、パッケージに圧力がかけられた時、周囲空気圧が実質的剛性要素に対して閉鎖されている孔を押圧することができ、それによりパッケージを自動的に封止することができる、という利点が提供される。
【0022】
好ましくは、吸引装置の外側に、円周方向に環状の封止エッジが設けられ、それは、使用時、パッケージの外側の、実質的剛性要素が包装フィルムの内側に実質的に当接する位置に当接する。このように、包装フィルムと吸引装置との間の封止を、簡単な方法で達成することができる。
【0023】
実質的剛性要素は、たとえば限定されないがディスク、楕円、角丸があるかまたはない多角形、もしくは特にパッケージの形状に適合される任意のカスタマイズされた形状等、板状体として設計されることが好ましい。円形ディスクが特に好ましい形状である。
【0024】
適合された吸引装置を使用することにより、(不活性または機能性)ガスを、空気等の流体の排出前または後にパッケージに注入することができる。
【0025】
ここで、本発明を、図面および詳細な説明を用いてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1a】非動作モードにおけるパッケージとパッケージの真空排気用の吸引装置との組立体の第1実施形態の概略表現を示す。
【図1b】第1動作モードにおける図1aの組立体の概略表現を示す。
【図1c】第2動作モードにおける図1aの組立体の概略表現を示す。
【図2】パッケージとパッケージの真空排気用の吸引装置との組立体の第2実施形態の概略表現を示す。
【図3a】本発明による組立体の実質的剛性要素の一実施形態の底面図の概略表現を示す。
【図3b】図3aの実質的剛性要素の線A−Aに沿った断面図の概略表現を示す。
【図4】少なくとも部分的に真空排気される前かまたは真空排気された後のパッケージに(不活性または機能性)ガスを注入する一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1a〜図1cは、パッケージ(2)とパッケージ(2)を真空排気する吸引装置(4)との組立体(1)の第1実施形態の概略表現を示す。図1a〜図1cは、製品と排出される必要のある空気等の流体とを収容するパッケージ(2)を示している。パッケージ(2)は、少なくとも部分的に包装フィルム(6)から作成されている。フィルム(6)はたとえば可撓性かつ/または弾性である。フィルム(6)の内側に、実質的剛性要素(8)が当接している。この例では、実質的剛性要素(8)は板、たとえばディスク、楕円、角丸があるかまたはない多角形、もしくは特にパッケージの形状に適合される任意のカスタマイズされた形状として設計されている。この例では、実質的剛性要素(8)には穿孔(10)が設けられている。図1a〜図1cでは、包装フィルム(6)の実質的剛性要素(8)の位置において、孔(12)が設けられている。穿孔(10)および孔(12)は、この例では互いに対してずれている。これは、フィルム(6)に対する投影図で見て、穿孔(10)および孔(12)がオーバラップしないことを意味する。
【0028】
図1a〜図1cにおける吸引装置4は、パッケージ(2)の外側の、実質的剛性要素(8)が実質的に包装フィルム(6)の内側に接して位置する位置において当接している。吸引装置(4)には剛性ハウジング(14)が設けられており、吸引装置(4)は開放側を有し、その開放側はパッケージに液密に当接している。開放側は、この例では、吸引開口を形成している。この例では、吸引装置(4)には、その開放側において、さらにたとえばゴム製の封止エッジ(16)が設けられている。吸引装置(4)の内部空間(18)は、この例では、ハウジング(14)および包装フィルム(6)によって密閉されており、たとえば空気圧の弁(20)および真空ポンプ(22)と流体連通している。さらに、図1a〜図1cでは、吸引装置(4)の吸引開口は、フィルム(6)の孔(12)と流体連通している。
【0029】
上述した組立体を、パッケージ(2)を真空排気する方法を実行するために以下のように使用することができる。
【0030】
吸引装置(4)の吸引開口側を、たとえば押し付けることにより実質的剛性要素(8)に当接させる。このため、フィルム(6)は、少なくとも部分的に吸引装置(4)と実質的剛性要素(8)との間に配置される(図1a参照)。続いて、弁(20)を開放し、真空ポンプ(22)のスイッチを入れる。真空ポンプ(22)は、吸引装置の内部空間(18)の圧力を低下させる。その結果、パッケージ(2)内の空気の少なくとも一部が、穿孔(10)、孔(12)、内部空間(18)、弁(20)および真空ポンプ(22)を通してパッケージ(2)から吸い出される。図1bの例では、フィルム(6)は、吸引装置(4)の方向において実質的剛性要素(8)から離れる方向に隆起している。それは、たとえば、内部空間(18)内の圧力がパッケージ(2)内の圧力より低いためであり、かつ/またはパッケージから吸引装置(4)に空気が流れるためである。フィルム(6)の隆起により、実質的剛性要素(8)とフィルム(6)との間の、真空排気中に空気が流れる領域の垂直断面が増大し、それによりパッケージの真空排気が促進される。パッケージ(2)から十分な空気が吸い出されると、ポンプ(22)のスイッチを切ることができる。開放した後に内部空間(18)と周囲との間に流体接続を形成する通気弁(24)を開放することにより、内部空間(18)内の圧力を大気圧に戻すことができる。これにより、吸引装置(4)をパッケージ(2)から簡単に取り外すことができる。これにより、フィルム(6)が実質的剛性要素(8)の位置において実質的剛性要素(8)に押し付けられることにもなる。この例では、実質的剛性要素(8)の穿孔(10)とフィルム(6)の孔(12)とは互いにずれて配置されているため、フィルム(6)を実質的剛性要素(8)に押し付けることにより、孔(12)が実質的剛性要素(8)の非穿孔部分に押し付けられることとなり、それによりパッケージ(2)が実質的に気密封止される。
【0031】
さらに進んだ実施形態では、パッケージ(2)の真空排気後、孔(12)は、閉鎖手段を用いて、たとえば粘着ステッカおよび/またはグリースにより、さらに封止される。たとえば環状接続継ぎ目に沿って、たとえば封止、溶接または接着によって、包装フィルム(6)を実質的剛性要素(8)に液密に接合することにより、孔を封止することも可能であり、その場合、接続継ぎ目は孔(12)の周りを囲み、穿孔(10)は接続継ぎ目の外側になる。このため、孔(12)と穿孔(10)との間の流体接続は気密封止される。
【0032】
図1a〜図1cは、封止手段(26)を示している。この例では、封止手段(26)は、フィルム(6)を実質的剛性要素(8)に溶接するシールリング(28)として設計されている。この例では、シールリング(28)は移動装置に接続されている。移動装置は、この例では、空気圧シリンダ(32)と空気圧シリンダ(32)のロッド(30)とを備えている。シリンダ(32)を、本質的に既知の方法で、作動弁(34)および/または(36)によって制御することができる。パッケージ(2)が真空排気された後、フィルム(6)は、シリンダ(32)およびシールリング(28)を用いて実質的剛性要素(8)に押し付けられ、その後、シールリング(28)が加熱される(図1cを参照)。フィルム(6)が孔(12)の周囲に液密に溶接されると、シリンダ(32)を使用して、シールリング(28)をフィルム(6)から取り除くことができる。
【0033】
図1a〜図1cの例では、吸引装置(4)には圧力センサ(38)がさらに設けられている。圧力センサ(38)を適用して、内部空間(18)内の圧力を確定することができる。内部空間(18)の圧力は、パッケージ内部の圧力に対する測度であり得る。このため、圧力センサ(38)を適用して、パッケージが十分に真空排気されたか否かを確定することができる。また、圧力センサを使用して、パッケージが漏れているか否かを確定することも可能である。
【0034】
この例では、内部空間(18)の体積はパッケージ(2)の体積よりはるかに小さい。これにより、非常に正確な圧力測定を行うことができる。さらに、これにより、内部空間(18)が、パッケージを所定速度で真空排気するために必要なポンプ容量に対しまったくまたはほとんど影響を与えないことが達成される。
【0035】
図1a〜図1cでは、実質的剛性要素(8)にはフィルタ(40)がさらに設けられている。フィルタは、流体に対しては透過性であり、パッケージ内部の製品に対しては実質的に不透過性である。フィルタは、製品とパッケージの孔(12)との間において流れの方向に配置されている。この例では、フィルタ(40)は、実質的剛性要素のフィルム(6)から離れる方向に向いた側に配置されており、それにより、フィルタ(40)は、実質的剛性要素、より詳細には実質的剛性要素の穿孔(10)とパッケージ(2)によって密閉される空間との間に延在する。フィルタは、真空排気中に、パッケージ内部の製品がパッケージから漏れかつ/または孔(12)に詰まるのを防止する。フィルタはさらに、製品が、実質的剛性要素とフィルムとの間に入るのを防止する。かかる場合、真空排気後に、製品によってパッケージが気密封止されるのが妨げられる可能性がある。このため、たとえばココア粉末等の(非常に細かい)粉末を収容しているパッケージを真空排気することが可能であり、その場合、粉末は、パッケージから漏れず、かつ/または孔を詰まらせず、かつ/またはパッケージが気密封止されるのを妨げない。
【0036】
図示する例では、フィルタ(40)は、実質的に、実質的剛性要素の表面全体にわたって延在している。フィルタはまた、表面の一部にわたり、たとえば穿孔(10)の近くにおいてのみ延在することができることが理解されよう。
【0037】
図2は、パッケージ(2)の第2実施形態とパッケージ(2)の真空排気用の吸引装置(4)との組立体の概略表現を示す。
【0038】
図2の実施形態では、吸引装置(4)がパッケージに当接する前には、パッケージ(2)には孔(12)が設けられていない。この例では、吸引装置(4)は、穴あけ装置を備えている。この例では、穴あけ装置は、針(42)を備えている。この例では、針(42)は、針(42)を移動させる移動装置(30)、(32)に接続されている。
【0039】
図2では、実質的剛性要素(8)には、貫通穿孔(10)と止り穴(44)とが設けられている。止り穴(44)は、実質的剛性要素(8)のフィルム(6)の方に面する側に位置しており、好ましくは針(42)が沿って移動することができる(仮想)線上の位置に配置されている。図2に示す実質的剛性要素に、図1a〜図1cに関して説明したようにフィルタを設けることも可能である、ということが理解されよう。
【0040】
図2に示す組立体(1)を、パッケージ内部のガス含有量の制御された変更のための方法を行うために以下のように使用することができる。
【0041】
パッケージに製品を充填し、後により詳細に説明する実質的剛性要素をパッケージの内側に配置して、その2つの主面のうちの一方が実質的に包装フィルムに接するようにする。実質的剛性要素を、パッケージに製品を充填する前か充填した後のいずれかにおいて包装フィルムに接触するように配置してもよい。コーヒーまたは砂糖用の一般的なパッケージのように、プラスチックパッケージが使用される場合、実質的剛性要素は、吸引装置のアクセスがより容易であるようにパッケージの上面に配置されることが好ましい。吸引装置(4)を実質的剛性要素(8)に当接させ、それにより、フィルム(6)が少なくとも部分的に実質的剛性要素(8)と吸引開口との間に含まれるようにする。ここで、まず、吸引開口がパッケージ(2)に液密に、たとえば気密に当接しているか否かを検査することができる。この目的で、弁(20)を開放し、吸引装置(4)の内部空間(18)に、ポンプ(22)によって圧力がかかるようにする。内部空間(18)内の圧力を、圧力センサ(38)を用いて確定する。そして、弁(22)を閉鎖する。内部空間(18)の圧力が実質的に一定のままである場合、吸引装置が液密に取り付けられていると判断することができる。
【0042】
パッケージ(2)を真空排気するために、その後、孔(12)を形成するために移動装置(30)、(32)を使用して、針(42)を押してフィルム(6)に通す。実質的剛性要素(8)の止り穴(44)により、孔の形成が促進される。その後、針(42)を、フィルム(6)に残らないように再び移動させることができる。
【0043】
針(42)を使用して孔(12)を形成した後、図1a〜図1cに関して説明したように、パッケージを真空排気することができる。
【0044】
図2の例における針(42)はまた、内部空間(18)と流体連通する中空針であってもよい、ということが理解されよう。このため、針(42)がフィルム(6)に穴をあけるとすぐに、流体がパッケージから測定チャンバにまたはその逆に流れることができる。実質的剛性要素(8)は、たとえば実質的剛性ゴム等、針(42)によって穴をあけることができる材料から作成されることも可能である。特別な実施形態では、中空針および/または実質的剛性要素(8)は、中空針が実質的剛性要素(8)に完全に穴をあけ、それにより中空針が、パッケージ(2)によって密閉される空間と吸引装置の内部空間(18)との間の流体接続を形成するように、寸法が決められている。このため、実質的剛性要素(8)に前もって穿孔(10)を設ける必要がない。ここでは、実質的剛性要素(8)の材料を、針(42)によって形成される穿孔が針を実質的剛性要素から取り除いた後に閉鎖するように、選択することが可能である。このため、針(42)を取り除いた後、パッケージ(2)は実質的に液密に閉鎖される。
【0045】
本文脈において要素(8)に対し言及する「実質的剛性」とは、要素が、吸引装置(4)の開口と気密接触を形成するように、包装フィルム(6)に十分平滑な接触面を保証するために十分な構造的特性を有しているべきであることを意味する。実質的剛性要素(8)は、たとえば、プラスチック板を含んでもよい。板厚さは、パッケージに収容される製品のタイプによって異なる平滑面を保証するために必要な剛性によって決まり、たとえば挽いたコーヒーとナッツとは同じ剛性を必要としない。通常、実質的剛性要素の厚さは、0.5mm〜5mmの間、好ましくは1mm〜4mmの間、最も好ましくは1mm〜3mmの間にあり得る。実質的剛性要素(8)は、実質的に、板状体として設計されており、その外周部は、ディスク、楕円、角丸があるかまたはない多角形、もしくは特にパッケージ(2)の形状に適合された任意のカスタマイズされた形状を形成する。実質的剛性要素は円形ディスクであることが好ましい。実質的剛性要素の表面は、吸引開口を封止することができるようなものであることが好ましい。
【0046】
実質的剛性要素は、包装ホイルの内側に接触する位置において、包装フィルムの内側が当接する、これらの例では一平面に延在する、第1接触面を形成することが好ましく、その際、包装フィルムの外側は、第1当接面の位置において、その上の吸引開口に封止当接する第2接触面を形成する。
【0047】
吸引開口は、たとえば円形であってもよい。吸引開口のサイズは、真空排気されるパッケージのサイズによって決まり、たとえば、およそ20mm〜100mmの間、好ましくは25mm〜50mmの間であってもよい。吸引開口のサイズは、真空ポンプの作動時にチャンバが、いかなる締付手段の使用も必要とすることなく、包装フィルムの表面との封止接触を保持することを確実にするために十分であることが好ましい。たとえば、吸引開口の面積が25cm2である場合、大気と吸引チャンバの内部との20mbar(=20g/cm)の圧力差により、500gの締付力が発生し、多くの場合、それは、いかなる外部締付手段に訴える必要なく、吸引装置を自己支持するために十分である。吸引開口が実質的剛性要素の形状に一致することがもっとも好ましく、実質的剛性要素の外周部の周囲に吸引開口を収容するように比較的狭い溝が設けられることが好ましい。
【0048】
実質的剛性要素(8)の包装フィルム(6)に当接する側に、表面構造を設けることができる。実質的剛性要素(8)は、たとえば波形であってもよい。このため、パッケージの真空排気の前に、包装フィルムは、実質的に波形の頂部に当接することになり、それにより、波形の頂部間において、実質的剛性要素とフィルムとの間に、流体が真空排気中にパッケージから吸引装置まで流れることができる自由空間が形成される。
【0049】
また、実質的剛性要素の、パッケージから離れる方向を向いた側に、表面構造が設けられることも可能である。これにより、実質的に製品が実質的剛性要素に沿って滑ることが防止される。また、これにより、パッケージ内の製品が実質的剛性要素の穿孔を詰まらせる危険性も低減するという利点が提供される。
【0050】
これらの例では、実質的剛性要素は、実質的にその表面全体にわたってパッケージに当接している。実質的剛性要素に低くなった領域が設けられることも可能であり、それにより、フィルムと実質的剛性要素の少なくとも一部との間にも、真空排気中に流体がパッケージから吸引装置に流れることができる自由空間が形成される。
【0051】
図1a、図1b、図1cおよび図2の例では、実質的剛性要素(8)に、1つの穿孔(10)が設けられている。しかしながら、実質的剛性要素に、複数の穿孔を設けることも可能である。実質的剛性要素を、たとえば格子として設計することも可能である。実質的剛性要素の、パッケージに当接する側に少なくとも1つの溝を設けることも可能であり、それによりパッケージ内の流体が溝を通ってフィルムと実質的剛性要素との間の空間まで流れることができる。また、たとえば、実質的剛性要素が、包装フィルムに当接している側に延在する溝を有し、その溝が、たとえばディスクの側面等、包装フィルムと接触しない実質的剛性要素の少なくとも1つの位置と流体連通する場合、実質的剛性要素に穿孔がないことも可能である。
【0052】
図3aおよび図3bは、本発明による実質的剛性要素の一実施形態の概略表現を示す。本実施形態では、実質的剛性要素(8)は、一平面において延在しているディスク50として設計されている。ディスク50のフィルムから離れる方向に向いている側に、複数の溝54.i(i=1、2、3、…)が設けられている。この例では、このため、溝54.iは、ディスク50の、フィルムの方に向いている側58とは反対側に位置する側に延在している。この例では、ディスク50は、接線方向に延在する溝(54.1)〜(54.5)と径方向に延在する溝54.6とをともに有している。この例では、ディスク50は、穿孔(56.j)(j=1、2、3、…)をさらに備えている。使用時、穿孔(56.j)は、溝と孔(12)との間の流体接続を形成する。この例では、ディスク(50)のフィルムの方に向いている側(58)は実質的に平坦かつ平滑であり、穿孔(56.j)は、フィルムの方に向いている面において終端している。複数の溝と流体連通する複数の穿孔により、流体に対する比較的低い流れ抵抗が達成され、同時に、フィルムに対して、吸引開口のフィルムに対する封止当接を可能にするために十分な支持が提供され、かつ、パッケージが圧力下にあることおよび/またはパッケージ内部の製品の構造(粒状性等)による変形を防止するために、実質的剛性要素の十分な剛性が提供される、という利点が提供される。
【0053】
溝は、実質的に、孔(12)とパッケージによって密閉される空間との間の流体接続が製品によって閉鎖されるのを防止する。パッケージが、粒子の粗い製品、たとえばナッツを収容している場合、粗い粒は、溝間の直立壁に当接するが、溝を完全に閉鎖することはできず、それにより流体接続が開放されたままとなる。
【0054】
図3bはまた、例示の目的でフィルム(6)を示す。しかしながら、フィルム(6)は、実質的剛性要素の一部ではない。さらに、明確にするために、フィルムを、実質的剛性要素から幾分か間隔を空けて示している。使用時、フィルム(6)は、実質剛性要素のフィルムの方に面している側(58)に当接することが好ましい。
【0055】
図3bの例では、ディスク(50)のフィルム(6)の孔(12)の位置に、平坦部(60)が設けられており、図1cに関して説明したように、フィルムをそれに対して気密封止することができる。この例では、ディスク(50)は、フィルムの方に向いている側(58)において実質的に平坦かつ平滑であり、穿孔(56.j)は、この例では平坦部(60)の外側で、フィルムの方に向いている平面において終端している。
【0056】
望ましい場合は、図3aおよび図3bに示すディスク(50)にフィルタ(40)を設けることができる。明確にするために、図3bのフィルタ(40)を、ディスク(50)から幾分か間隔を空けて示している。実際には、フィルタ(40)はディスク(50)に当接することができる。そして、フィルタ(40)は、たとえば溝(54.i)を覆う。
【0057】
本発明は、決して上述した例に限定されない。たとえば、真空排気に利用可能なサイクル時間がパッケージの適当な真空排気に必要な時間より短い自動化ラインにおいて真空排気が行われる場合、たとえば、パッケージの真空排気を複数の段階で行うことが可能である。このため、本方法の第1段階において、第1吸引装置を使用して、孔を通してパッケージを部分的に真空排気することができる。第1吸引装置を取り除いた後、たとえば孔の周囲のフィルムがパッケージ内側と外側との圧力の差のために実質的剛性要素に押し付けられる結果として、孔を実質的に気密に閉鎖してもよい。その後、方法の第2段階において、第2吸引装置を使用して、孔を介してパッケージをさらに真空排気することができる。
【0058】
さらに、実質的剛性要素(8)は、たとえばいかなる機械的接続もないパッケージ(2)の内側に当接することができる。しかしながら、実質的剛性要素(8)を、たとえば接着または封止によりパッケージ(2)に接合することも可能である。
【0059】
特定の実施形態では、たとえばフィルム(6)が実質的に透明である場合、実質的剛性要素(8)に文字が設けられる。
【0060】
また、実質的剛性要素(8)にマークを設けることも可能であり、その場合、吸引装置、たとえば少なくとも部分的に透明な吸引装置を、実質的剛性要素の正しい位置に、たとえば中心に配置することができる。また、自動化システムにおける測定ロボットによって読み取ることができるマークを設けることも可能である。不透明フィルムを使用する場合、パッケージの外側にマークを設けることにより、実質的剛性要素の位置を特定することが可能である。
【0061】
また、実質的剛性要素の起点を識別することができるように、プラスチックに添加される特定の添加剤等、識別可能な材料特性を有する材料から製作することも可能である。実質的剛性要素に、RFIDトランスポンダ等の装置を設けることも可能であり、それにより実質的剛性要素の起点を識別することができる。
【0062】
図4は、少なくとも部分的に真空排気された後のパッケージに(不活性または機能性)ガスを充填することができるようにする特に好ましい実施形態を示す。本実施形態では、剛性要素(8)は、ダクト(45)を収容する基部または止り穴(44)を備えることが好ましく、ダクト(45)は、ガス源(46)および流量計(47)に接続され、チャンバのデッキに摺動可能に取り付けられており、それにより、CO、N、Ar等のような不活性ガスがパッケージ内に注入される時、包装フィルム(6)の孔(12)を通して押し下げることにより、剛性要素の第1面の基部(44)内に嵌合することができ、パッケージが真空排気される時、包装フィルム(6)の孔(12)から取り出すことが可能である。パッケージが真空排気される時、ダクト(45)は引き上げられ、システムは上述したように機能する。パッケージ内に(不活性または機能性)ガスが注入される時、ダクト(45)は、剛性要素の第1面の基部(44)に達するまで押し下げられる。ダクト(45)と基部(44)との間の接続は気密ではなく、そのためダクト(45)を通って注入される(不活性または機能性)ガスがパッケージ内に浸透するのが可能であることが重要である。
【0063】
この方法は、特に、多くの場合で、必要なのがパッケージ内の酸素および反応種の量を低減することだけである場合、(不活性または機能性)ガスが充填されたパッケージのたとえば800mbarのわずかな真空を保持することが、たとえば100mbarの大きい真空を保持することより容易であるため、有利である。本方法は、真空排気とそれに続く(不活性または機能性)ガスの掃引との比較的短いサイクルが、パッケージ内の酸素のレベルがたとえば0.1%未満に低減するまで数回繰り返される場合に、より効率的である。
【0064】
本発明を、サイズおよび構造(texture)が異なる多数の製品に適用することができる。特に、固形、粉状、糊状または液状であるいかなる製品にも適用することができ、その真空下での包装により、前記製品の保存、体積低減、完全性(たとえば偽造に対する)、湿気、虫、酸化、異物混入、汚損、汚染等に対する保護が可能になる。たとえば、製品は、食料品、消費財、医薬、化粧品、健康管理用品、衛生用品および工業製品のグループのいずれに属してもよい。
【0065】
食料品の非限定的な例には、飲料、飲料用の還元粉、卵系、食肉、果物、野菜、香辛料、染料、固着剤、凝固剤粉のような食品添加物、酵母、幼児の食品、食餌療法および有機製品、調理済み料理、海産物、乳製品、冷凍製品、動物性食品等が含まれる。
【0066】
消費財の例には、織物、布地、リネン、家庭用およびオフィス機器、書類、用紙、銀行券、手工芸品、電子部品等がある。
【0067】
医薬品、化粧品、健康管理用品および衛生用品には、特に、ペースト、クリーム、丸薬、錠剤、粉末、液体、シロップの形態の薬剤および治療品がある。
【0068】
最後に、工業製品には、たとえば、清掃品、輸送、電気、電子工学、製造、化学、重工業、種および肥料のような農業、ワインの瓶用のコルクのような包装等の分野における任意のタイプの機器の部品がある。空間、したがって輸送および貯蔵コストを節約するために、包装された商品を収容するパッケージに真空を与えるために使用することもできる。
【0069】
用途は無限であり、それらを、小さい研究室規模から大きい工業サイズまで、家庭およびオフィス用途から中小企業の必要まですべての中間規模を通して実現することができる。必要なことは、ポンプのサイズおよび出力をパッケージのサイズに適合させることのみである。請求項に記載されている方法は実現が簡単であり、大規模な連続物にも不定期な使用にも適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空を保持するのに適しておりかつ製品が充填されるパッケージ(2)内部のガス含有量の制御された変更のための方法であって、前記パッケージ(2)が少なくとも部分的に包装フィルム(6)から作成され、少なくとも、以下のステップを含む真空排気ステップを含む方法であって、
(a)前記包装フィルム(6)に少なくとも1つの孔(12)を提供するステップと、
(b)実質的剛性要素(8)であって、前記要素の厚さによって分離される第1主面および第2主面を備え、前記第1主面を前記第2主面に流体接続する少なくとも1つの開口(10)を備える、実質的剛性要素(8)を提供するステップと、
(c)前記パッケージ(2)の内部に前記剛性要素(8)を配置するステップであって、それにより、前記剛性要素(8)の前記第1主面が実質的に前記包装フィルム(6)の内面に接触して位置し、かつ前記フィルム(6)の前記少なくとも1つの孔(12)が前記剛性要素の外周部内に囲まれるようにする、ステップと、
(d)真空を引く手段(22)に接続され、かつ外周部が前記剛性要素(8)の前記外周部に嵌合する吸引開口を備える、吸引装置(4)を提供するステップと、
(e)前記吸引装置(4)を前記包装フィルム(6)の外面に封止当接させ、それにより、前記吸引装置の開口の外周部が、前記包装フィルム(6)の厚さによってそこから分離される前記剛性要素(8)の上に完全に載る、ステップと、
(f)前記真空を引く手段(22)を作動させることにより、前記パッケージ(2)から前記孔(12)を通って、排出されるべき前記流体を排出するステップと、
を含む方法であり、
前記実質的剛性要素が、前記排出されるべき前記流体には透過性であり、前記パッケージに収容される前記製品には実質的に不透過性であるように設計され、粒状物質による詰まりに対して耐性があることを特徴とする、方法。
【請求項2】
(g)前記パッケージの真空排気後に、溶接により、もしくは接着剤、グリース、パッチまたはそれらの組合せにより、もしくは前記包装フィルム(6)の前記内面を前記実質的剛性要素(8)の前記第1面に封止接合することにより、前記孔(12)を封止するステップと、
(h)前記吸引装置(4)を取り外すステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記実質的剛性要素(8)が、空気、湿気または油等の流体に対して透過性であり、前記パッケージに収容される前記製品に対して実質的に不透過性である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記実質的剛性要素(8)の前記少なくとも1つの開口(10、56)が、少なくとも1つの穿孔からなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記実質的剛性要素(8)が、少なくとも1つの孔を備える実質的剛性支持部材(60)と、前記包装フィルムから離れる方向に向いた、前記支持部材(60)の第2主面に積層されるフィルタ(40)と、を備え、前記フィルタが、前記排出されるべき流体に対して透過性であり、前記製品に対して不透過性である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記実質的剛性要素(8)のまたは前記実質的剛性支持部材(60)の第1主面および第2主面のうちの少なくとも一方が、構造化されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記包装フィルムと接触していない、前記実質的剛性要素(8)のまたは前記実質的剛性支持部材(60)の前記第2主面に、前記開口(10、56)と流体連通する少なくとも1つの溝(54)が設けられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの開口(10、56)が、前記フィルム(6)の孔(12)に対してずれている、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記フィルム(6)の前記孔(12)が、前記フィルム(6)を前記剛性要素(8)に対して押し付けるように、前記吸引装置(4)の前記内部空間(18)の真空を解放することによって得られ、前記少なくとも1つの開口(10、56)と前記孔(12)との間のずれにより、前記パッケージの緊密性が保証される、請求項2または5に記載の方法。
【請求項10】
前記実質的剛性要素が実質的に板状体として設計されており、その外周部が、ディスク、楕円、角丸があるかまたはない多角形、もしくは特に前記パッケージ(2)の形状に適合される任意のカスタマイズされた形状を形成する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
1回目に、前記孔(12)を通して前記パッケージを少なくとも部分的に真空排気するステップと、その後、前記孔を閉鎖するステップと、その後、2回目に、前記孔を通して前記パッケージを少なくとも部分的に真空排気するステップと、を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記真空排気するステップ(f)の前または後に、かつ前記封止するステップ(g)の前に、前記孔(12)を通して不活性ガス等の流体を前記パッケージ(2)内に注入するステップを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記包装フィルム(6)の前記孔(12)が、前記パッケージが液密に閉鎖された後に提供される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記吸引装置(4)に、前記包装フィルム(6)に孔(12)を形成する穴あけ装置(42)が設けられる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記パッケージに収容される前記製品が、固形、粉状、糊状または液状である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記パッケージに収容される前記製品が、食料品、消費財、医薬、化粧品、健康管理用品、衛生用品および工業製品のグループのうちの1つに属する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法を行うために適しているパッケージ(2)であって、少なくとも部分的に包装フィルム(6)からなり、実質的剛性要素(8)であって、前記要素の厚さによって分離される第1主面および第2主面を備え、かつ前記第1主面を前記第2主面に流体接続する少なくとも1つの開口(10、56)を備える、実質的剛性要素(8)が、前記パッケージ(2)の内部に配置され、それにより、前記剛性要素(8)の前記第1主面が、前記包装フィルム(6)の内面に実質的に接触する、パッケージ(2)であり、前記実質的剛性要素が、排出されるべき流体に対して透過性であり、前記パッケージに収容される製品に対して実質的に不透過性であり、かつ粒状物質による詰まりに対して耐性があることを特徴とする、パッケージ。
【請求項18】
前記包装フィルムが、前記実質的剛性要素(8)の外周部内に包囲される位置に孔(12)を備える、請求項17に記載のパッケージ。
【請求項19】
前記実質的剛性要素(8)が、空気、湿気または油等の流体に対して透過性であり、粒上物質に対して実質的に不透過性である、請求項17または18に記載のパッケージ。
【請求項20】
前記実質的剛性要素(8)の前記少なくとも1つの開口(10、56)が、少なくとも1つの穿孔からなる、請求項17〜19のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項21】
少なくとも1つの開口(10、56)が、前記孔(12)に対してずれている、請求項18または20に記載のパッケージ。
【請求項22】
前記実質的剛性要素(8)が、少なくとも1つの孔を備える実質的剛性支持部材(60)と、前記包装フィルムから離れる方向に向いた、前記支持部材(60)の第2主面に積層されるフィルタ(40)と、を備え、前記フィルタが、流体に対して透過性であり、粒状物質に対して実質的に不透過性である、請求項17〜21のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項23】
前記実質的剛性要素(8)のまたは前記実質的剛性支持部材(60)の第1主面および第2主面のうちの少なくとも一方が、構造化されている、請求項17〜22のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項24】
前記実質的剛性要素(8)のまたは前記実質的剛性支持部材(60)の前記第2主面に、前記開口(10、56)と流体連通する少なくとも1つの溝(54)が前記包装フィルムと接触せずに設けられる、請求項17〜23のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項25】
前記実質的剛性要素(8)が実質的に板状体として設計されており、その外周部が、ディスク、楕円、角丸があるかまたはない多角形、もしくは特に前記パッケージ(2)の形状に適合される任意のカスタマイズされた形状を形成する、請求項17〜24のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項26】
前記剛性要素(8)が、前記包装フィルム(6)の内面に実質的に付着している、請求項17〜25のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項27】
請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法を行うために適している部品のキットであって、
(a)実質的剛性要素(8)であって、前記要素の厚さによって分離される第1主面および第2主面を備え、前記第1主面を前記第2主面に流体接続する少なくとも1つの開口(10、56)を備える実質的剛性要素(8)と、
(b)真空ポンプ(22)に接続され、かつ外周部が前記剛性要素(8)の外周部に嵌合する吸引開口を備える吸引装置(4)であって、前記吸引装置(4)の前記外周部が、前記剛性要素(8)の前記第1主面および前記第2主面の一方の上に位置するフィルム(6)の上に載ることにより、気密内部空間(18)を画定することができる、吸引装置(4)と、
を具備するキットであり、
前記実質的剛性要素が、前記排出されるべき流体には透過性であり、粒状物質には実質的に不透過性でありかつそれによる詰まりに対して耐性があるように設計されることを特徴とする、部品のキット。
【請求項28】
前記吸引装置に、包装フィルムに孔を形成するために適している穴あけ装置が設けられる、請求項27に記載の部品のキット。
【請求項29】
前記吸引装置に、フィルムの孔(12)を封止するために適している封止装置が設けられる、請求項27または28に記載の部品のキット。
【請求項30】
前記吸引装置の開口の外周部に、円周方向環状シールが設けられる、請求項27〜29のいずれか一項に記載の部品のキット。
【請求項31】
前記吸引装置(4)がダクト(45)をさらに備え、前記ダクト(45)が、不活性ガス源(46)に接続され、かつチャンバのデッキに摺動取付されることにより、不活性ガスが前記パッケージ内に注入される時、前記フィルム(6)の孔(12)内を押し下げられて前記剛性要素の20第1面の基部(44)内に嵌合することができ、前記パッケージが真空排気される時、前記包装フィルム(6)の前記孔(12)から取り出されることが可能である、請求項27〜30のいずれか一項に記載の部品のキット。
【請求項32】
前記実質的剛性要素(8)が、少なくとも1つの孔を備える実質的剛性支持部材(60)と、前記支持部材(60)の第1主面および第2主面のうちの一方の上に積層されるフィルタ(40)と、を備え、前記フィルタが、前記排出されるべき流体に対して透過性であり、粒状物質に対して実質的に不透過性である、請求項27〜31のいずれか一項に記載の部品のキット。
【請求項33】
前記実質的剛性要素(8)のまたは前記実質的剛性支持部材(60)の第1主面および第2主面のうちの少なくとも一方が、構造化されている、請求項27〜32のいずれか一項に記載の部品のキット。
【請求項34】
前記実質的剛性要素(8)のまたは前記実質的剛性支持部材(60)の前記第1主面および前記第2主面のうちの一方に、前記開口(10、56)と流体連通する少なくとも1つの溝(54)が設けられる、請求項27〜33のいずれか一項に記載の部品のキット。
【請求項35】
前記吸引開口のサイズが、前記真空ポンプの作動時に、前記吸引装置(4)が、いかなる締付手段の使用も必要とすることなく前記包装フィルムの表面と封止接触を保持することを確実にするために十分である、請求項27〜34のいずれか一項に記載の部品のキット。
【請求項36】
前記吸引開口が、前記実質的剛性要素の形状に一致する、請求項27〜35のいずれか一項に記載の部品のキット。
【請求項37】
請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法を行うために適している実質的剛性要素(8)であって、前記要素の厚さによって分離される第1主面および第2主面を備え、少なくとも1つの孔を備える実質的剛性支持部材(60)と、前記支持部材(60)の第1主面および第2主面のうちの一方の上に積層されるフィルタ(40)と、を備え、前記フィルタが、排出されるべき流体に対して透過性であり、粒状物質に対して実質的に不透過性である、実質的剛性要素。
【請求項38】
実質的剛性要素(8)であって、
前記実質的剛性支持部材(60)の前記フィルタが積層される面に、前記開口(10、56)と流体連通する少なくとも1つの溝(54)が設けられる、請求項37に記載の実質的剛性要素。
【請求項39】
実質的剛性要素(8)であって、
前記フィルタ(40)と接触しない前記主面に基部(44)をさらに具備する、請求項37または38に記載の実質的剛性要素。
【請求項40】
請求項21に記載の方法を行うために適している吸引装置(4)であって、外周部が、請求項21において定義されるような剛性要素(8)の前記外周部に嵌合するように適している開口を備えたチャンバ(16)を具備し、前記チャンバが真空ポンプ(22)に接続される、吸引装置(4)であり、ダクト(45)をさらに具備し、前記ダクト(45)が、不活性ガス源(46)に接続され、かつチャンバのデッキに摺動取付されることにより、不活性ガスが前記パッケージ内に注入される時、前記包装フィルム(6)の孔(12)内を押し下げられて前記剛性要素の第1面の基部(44)内に嵌合することができ、前記パッケージが真空排気される時、前記包装フィルム(6)の前記孔(12)から取り出されることが可能であることを特徴とする、吸引装置。
【請求項41】
少なくとも部分的に包装フィルム(6)からなるパッケージ(2)を真空排気する、請求項1〜40のいずれか一項に記載の実質的剛性要素(8)の使用。
【請求項42】
不活性ガスを少なくとも部分的に真空排気されたパッケージ内に注入する、請求項40に記載の実質的剛性要素(8)の使用。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−502888(P2011−502888A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524966(P2009−524966)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【国際出願番号】PCT/EP2007/053890
【国際公開番号】WO2008/022815
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(509053651)インタープライズ・ブリュッセルズ・ソシエテ・アノニム (1)
【Fターム(参考)】