説明

パッケージ

【課題】リールを収容した状態をより確実に維持することが可能なパッケージ、を提供する。
【解決手段】リール用パッケージは、支持部21,31,41と、縁部26,36,46とを備える。支持部21,31,41は、周方向に延在する湾曲面21a,31a,41aを有し、湾曲面21a,31a,41aによりリール200を支持する。縁部26,36,46は、湾曲面21a,31a,41aの軸方向における支持部26,36,46の両端からそれぞれ連なり、湾曲面21a,31a,41aの径方向に延在する。縁部26,36,46は、支持部21,31,41よりも湾曲面21a,31a,41aの径方向外側に突出して形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般的には、パッケージに関し、より特定的には、樹脂から成形され、電子部品を搭載したテープが巻かれるリールを収容するためのパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパッケージに関して、たとえば、特開2005−187026号公報には、資源の有効利用による環境負荷の軽減を図り、紙粉が発生するおそれのないリール梱包シートが開示されている(特許文献1)。特許文献1に開示されたリール梱包シートは、合成樹脂により形成される部材からなる。リール梱包シートには、その一端側から他端側に向けて、重ねた状態のリールの一部を覆うカバー部と、ヒンジ部とが交互に設けられている。
【0003】
また、特開平9−309522号公報には、組み立てや開放、折り畳みが容易に行なえ、その繰り返し耐久性に優れ、折り畳まれた状態がコンパクトで、かつ、その状態の維持が比較的簡単な作業で行なうことができる熱可塑性プラスチックシート成形体が開示されている(特許文献2)。特許文献2に記載されたシート成形体は、長方形底面部と、その各辺に折り曲げ線を介して連設された側面部と、幅方向における側面部の両側に折り曲げ線を介して連設された連結片とから構成されている。連結片には、嵌合雌部が形成され、側面部には、嵌合雌部に嵌合される嵌合雄部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−187026号公報
【特許文献2】特開平9−309522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1に開示されるように、電子部品等を収容したキャリアテープが巻かれたリールの梱包に、樹脂製のリール梱包シートを利用することが知られている。このリール梱包シートは、紙粉が発生するおそれがないため、クリーンルーム化が図れた工場内に持ち込むことができるというメリットがある。
【0006】
このようなリール梱包シートは、工場に搬入される際の輸送時や、リールが使用される実装工程の現場などにおいて、リールを収容した状態をより確実に保つため、安定して載置される必要がある。しかしながら、特許文献1に開示されたリール梱包シートは、リールの一部を覆うカバー部がリールの形状に即した湾曲形状を有するため、リールを梱包した状態で円柱形状の外観となる。このため、上記の輸送時や実装工程の現場において、リール梱包シートが転がって、リールの梱包が解かれるおそれがある。
【0007】
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、リールを収容した状態をより確実に維持することが可能なパッケージを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に従ったパッケージは、樹脂から成形され、電子部品を搭載したテープが巻かれたリールを収容するためのパッケージである。パッケージは、支持部と、縁部とを備える。支持部は、周方向に延在する湾曲面を有し、湾曲面によりリールを支持する。縁部は、湾曲面の軸方向における支持部の両端からそれぞれ連なり、湾曲面の径方向に延在する。縁部は、支持部よりも湾曲面の径方向外側に突出して形成される。
【0009】
このように構成されたパッケージによれば、リールを支持する支持部よりも湾曲面の径方向外側に突出して縁部を形成することにより、縁部を、パッケージを支える脚として利用する。これにより、パッケージを安定して載置することが可能となり、リールをパッケージに収容した状態を確実に維持できる。
【0010】
また好ましくは、縁部は、湾曲面の径方向外側に突出する先端に、同一平面上に配置される先端部を有する。このように構成されたパッケージによれば、パッケージをより安定して平面上に載置することができる。
【0011】
また好ましくは、周方向に延在する湾曲面の軸周りにおいて支持部が部分的に切り欠かれることにより、リールを挿入するための開口部が形成される。支持部は、開口部により分断される湾曲面の位相範囲が180°よりも小さい角度となるように形成される。
【0012】
このように構成されたパッケージによれば、湾曲面が分断される角度が180°よりも小さいため、湾曲面により支持されたリールを支持部によって係止し、リールが開口部から脱落することを防止できる。これにより、リールをパッケージに収容した状態を確実に維持できる。
【0013】
また好ましくは、周方向に延在する湾曲面の軸周りにおいて支持部が部分的に切り欠かれることにより、リールを挿入するための開口部が形成される。支持部は、湾曲面の軸周りにおいて開口部と対向する位置に配置される第1部分と、湾曲面の軸周りにおいて開口部の両側の位置にそれぞれ配置され、第1部分に対して折り曲げ可能に連設される第2部分および第3部分とを有する。第1部分に対して第2部分および第3部分を折り曲げた状態で、第2部分および第3部分における湾曲面が、第1部分における湾曲面の延長上に配置される。
【0014】
このように構成されたパッケージによれば、支持部の第1部分に対して支持部の第2部分および第3部分を折り曲げることによって、湾曲面が周方向に延在する形態を得ることができる。
【0015】
また好ましくは、第2部分および第3部分における湾曲面が、第1部分における湾曲面が真円状に延長された仮想線よりも内径側に配置される。このように構成されたパッケージによれば、第2部分および第3部分によってリールが適度に把持されるため、リールが開口部から脱落することを防止できる。
【0016】
また好ましくは、周方向に延在する湾曲面の軸周りにおいて支持部が部分的に切り欠かれることにより、リールを挿入するための開口部が形成される。パッケージは、さらに、開口部の両側に配置される支持部の端部からそれぞれ延出し、把持可能に形成される取っ手部を備える。
【0017】
このように構成されたパッケージによれば、把持可能な取っ手部を開口部の両側に設けることにより、パッケージの持ち運びを容易にするとともに、パッケージの持ち運び時にリールが開口部から脱落することを効果的に抑制できる。
【0018】
また好ましくは、取っ手部は、支持部の端部に対して折り曲げ可能に形成される。このように構成されたパッケージによれば、パッケージの使用の形態に合わせて取っ手部の傾きを変化させることができる。
【0019】
また好ましくは、取っ手部は、把持された状態でリールの外周を湾曲面に向けて押圧可能な押え部を有する。このように構成されたパッケージによれば、パッケージの持ち運び時にリールが開口部から脱落することをより効果的に抑制できる。
【0020】
また好ましくは、支持部には、複数の溝が形成される。複数の溝は、湾曲面から凹んだ形態で湾曲面の周方向に沿って延び、湾曲面の軸方向に間隔を隔てて配列される。このように構成されたパッケージによれば、リールの外縁が複数の溝に係止されることにより、湾曲面に支持されたリールが倒れることを防止できる。
【0021】
また好ましくは、上述のいずれかに記載のパッケージは、成形加工された樹脂成形体から組み立てられる。このように構成されたパッケージによれば、リールを収容した状態を確実に維持することが可能なパッケージを簡易に構成することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上に説明したように、この発明に従えば、リールを収容した状態をより確実に維持することが可能なパッケージを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明の実施の形態におけるリール用パッケージを示す斜視図である。
【図2】図1中のリール用パッケージを示す正面図である。
【図3】リールを収容した状態のリール用パッケージを示す斜視図である。
【図4】図3中のリール用パッケージを示す正面図である。
【図5】図1中のリール用パッケージを示す分解組み立て図である。
【図6】図5中の矢印VIに示す方向から見たリール用パッケージを示す側面図である。
【図7】図5中のVII−VII線上に沿ったリール用パッケージを示す断面図である。
【図8】図7中の2点鎖線VIIIで囲まれた範囲を拡大して示す断面図である。
【図9】図8中に示すリール用パッケージの組み立て図である。
【図10】図8中のX−X線上に沿った樹脂成形体を示す断面図である。
【図11】図3中のXI−XI線上に沿ったリール用パッケージを示す断面図である。
【図12】図3中のリール用パッケージを異なる姿勢で載置した状態を示す斜視図である。
【図13】図1中に示すリール用パッケージの変形例を示す断面図である。
【図14】図11中の2点鎖線XIVで囲まれた範囲を拡大して示す断面図である。
【図15】図1中のXV−XV線上に沿ったリール用パッケージを示す断面図である。
【図16】図1中のリール用パッケージのリサイクル工程を示すフローチャート図である。
【図17】図16中のS30の工程で得られるシートを示す断面図である。
【図18】図16中のS40の工程の様子を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0025】
図1は、この発明の実施の形態におけるリール用パッケージを示す斜視図である。図2は、図1中のリール用パッケージを示す正面図である。図3は、リールを収容した状態のリール用パッケージを示す斜視図である。図4は、図3中のリール用パッケージを示す正面図である。
【0026】
図1から図4を参照して、本実施の形態におけるリール用パッケージ10は、複数枚のリール200を収容するためのケースである。
【0027】
リール200は、円盤形状を有する。リール200には、テープが巻かれており、そのテープには、長手方向に間隔を隔てて複数のコンデンサが収納されている。複数枚のリール200は、各リール200の軸が互いに一致するように重ね合わされた状態で、リール用パッケージ10に収容される。
【0028】
リール用パッケージ10の使用形態の一例を挙げると、リール用パッケージ10は、コンデンサが製造される工場と、リール200の納品先であり、コンデンサが使用される工場との間を行き来する通い箱として用いられる。
【0029】
なお、リール200に搭載される部品は、コンデンサに限られず、たとえば、インダクタや抵抗、センサ類などの電子部品であってもよい。
【0030】
[リール用パッケージ10の全体構造]
まず、リール用パッケージ10の全体構造について説明すると、リール用パッケージ10は、側部20、側部30および側部40を有して構成されている。側部30および側部40は、それぞれ、側部20の両端から立ち上がるように形成されている。本実施の形態では、側部30および側部40は、それぞれ、側部20の両端から略90°の角度で立ち上がるように形成されている。
【0031】
側部30と側部40とは、互いに対向して配置されている。側部20は、側部30の一方端と側部40の一方端との間で延在するように形成されている。側部20と側部30と側部40とに囲まれた位置には、リール200を収容するための収容空間50が形成されている。収容空間50を挟んで側部20と対向する位置には、収容空間50から外部空間に通じる開口部56が形成されている。開口部56は、側部30の他方端と側部40の他方端との間に形成されている。リール200は、開口部56を通じて収容空間50に出し入れされる。
【0032】
側部20、側部30および側部40は、各側部の構成部位として、それぞれ、収容空間50においてリール200を支持するための支持部21、支持部31および支持部41を有する。
【0033】
支持部21は、湾曲面21aを有する。湾曲面21aは、所定の幅を有しながら周方向に延在して形成されている。支持部31および支持部41は、それぞれ、湾曲面31aおよび湾曲面41aを有する。湾曲面31aおよび湾曲面41aは、湾曲面21aと同じ幅を有しながら周方向に延在して形成されている。湾曲面31aおよび湾曲面41aは、湾曲面21aの延長上に配置されている。本実施の形態では、湾曲面31aおよび湾曲面41aが、湾曲面21aの周方向における両端に連続して連なっている。湾曲面31aと湾曲面41aとの間は、開口部56によって分断されている。
【0034】
リール200は、湾曲面31a、湾曲面21aおよび湾曲面41aによって三方から把持されることにより、収容空間50内で支持されている。周方向に延在する湾曲面21a、湾曲面31aおよび湾曲面41aの中心に中心軸101が延びると想定した場合に、中心軸101と、収容空間50内に支持されるリール200の軸とが重なる。
【0035】
なお、湾曲面21aと、湾曲面31aおよび湾曲面41aとの間に、それぞれ隙間が形成されてもよく、この場合であっても、湾曲面21aと、湾曲面31aおよび湾曲面41aによって把持されたリール200を収容空間50内で支持することが可能である。
【0036】
側部20、側部30および側部40は、各側部の構成部位として、それぞれ、縁部26、縁部36および縁部46をさらに有する。
【0037】
縁部26は、湾曲面21aの軸方向(中心軸101の軸方向)における支持部21の両端から連なり、湾曲面21aの半径方向に延在するように形成されている。縁部36は、湾曲面31aの軸方向(中心軸101の軸方向)における支持部31の両端から連なり、湾曲面31aの半径方向に延在するように形成されている。縁部46は、湾曲面41aの軸方向(中心軸101の軸方向)における支持部41の両端から連なり、湾曲面41aの半径方向に延在するように形成されている。
【0038】
リール用パッケージ10は、外部から収容空間50を視認可能な程度の透明な樹脂成形体から形成されている。この場合、収容空間50に収容されたリール200の枚数などを外部から容易に確認することができる。
【0039】
[リール用パッケージ10の組み立て構造]
図1中のリール用パッケージ10は、成形加工された樹脂成形体から組み立てられている。続いて、リール用パッケージ10の組み立て構造について説明する。
【0040】
図5は、図1中のリール用パッケージを示す分解組み立て図である。図6は、図5中の矢印VIに示す方向から見たリール用パッケージを示す側面図である。図7は、図5中のVII−VII線上に沿ったリール用パッケージを示す断面図である。
【0041】
図5から図7を参照して、本実施の形態におけるリール用パッケージ10は、樹脂成形体15から組み立てられている。樹脂成形体15を平面的に見た場合に、側部30、側部20および側部40は、挙げた順に一方向に並ぶように樹脂成形体15に成形加工されている。樹脂成形体15は、側部20,30,40の並び方向と長手方向とが一致し、側部20,30,40の並び方向に直交する方向と短手方向とが一致する、略矩形の平面視を有する。
【0042】
樹脂成形体15には、側部20と側部30との間に位置して折り曲げ部位51が形成されている。樹脂成形体15には、側部20と側部40との間に位置して折り曲げ部位52が形成されている。折り曲げ部位51および折り曲げ部位52は、樹脂成形体15が有する略矩形平面視の短手方向に沿って、互いに平行に延びている。折り曲げ部位51および折り曲げ部位52は、その延びる方向に直交する平面により切断された場合に、円弧状に延びる断面を有する。このような構成により、樹脂成形体15は、折り曲げ部位51および折り曲げ部位52のそれぞれにおいて折り曲げ可能なように形成されている。
【0043】
なお、折り曲げ部位51および折り曲げ部位52の形状は、樹脂成形体15を繰り返して折り曲げ可能とする形状であれば、特に限定されない。
【0044】
側部20、側部30および側部40は、各側部の構成部位として、それぞれ、平面部32、平面部22および平面部42をさらに有する。
【0045】
樹脂成形体15を平面的に見て、平面部32が、支持部31と折り曲げ部位51との間に配置され、平面部22が、支持部21と折り曲げ部位51との間に配置されている。さらに、平面部22が、支持部21と折り曲げ部位52との間に配置され、平面部42が、支持部41と折り曲げ部位52との間に配置されている。
【0046】
図8は、図7中の2点鎖線VIIIで囲まれた範囲を拡大して示す断面図である。図9は、図8中に示すリール用パッケージの組み立て図である。
【0047】
なお、樹脂成形体15は、側部30、側部20および側部40の並び方向における中心に対して左右対称の形状を有する。以下、代表的に、図6から図9中に示す側部20および側部30の折り曲げ位置の構造について説明するが、図5中に示す側部20および側部40の折り曲げ位置も同様の構造を有する。
【0048】
図6から図9を参照して、平面部32は、湾曲面31aの周方向における支持部31の端部から折れ曲がり、折り曲げ部位51に向けて延在して形成されている。平面部32は、支持部31の端部と折り曲げ部位51との間で平面状に延在して形成されている。平面部22は、湾曲面21aの周方向における支持部21の端部から折れ曲がり、折り曲げ部位51に向けて延在して形成されている。平面部22は、支持部21の端部と折り曲げ部位51との間で平面状に延在して形成されている。
【0049】
平面部32と平面部22とは、折り曲げ部位51に隣接して形成されている。平面部32は、周方向に延在する湾曲面31aの略半径方向に延在して形成されている。平面部22は、周方向に延在する湾曲面21aの略半径方向に延在して形成されている。リール用パッケージ10を展開した状態(図8中に示す状態)において、平面部32と平面部22とは、折り曲げ部位51で略90°の角度で交差している。
【0050】
平面部32は、表面32aと、表面32aの反対側に面する表面32bとを有する。平面部22は、表面22aと、表面22aの反対側に面する表面22bとをさらに有する。表面32aおよび表面22aは、リール用パッケージ10を組み立てた状態(図9中に示す状態)において収容空間50側に配置される。表面32bおよび表面22bは、リール用パッケージ10を組み立てた状態において収容空間50の外側の空間に配置される。リール用パッケージ10を展開した状態において、表面32aと表面22aとは、互いに向かい合わせとなるように配置される。
【0051】
樹脂成形体15を折り曲げ部位51で折り曲げることによって、側部20の端部から側部30が立ち上がるリール用パッケージ10の形状が得られる。このとき、平面部32と平面部22とが互いに重ね合わされるとともに、湾曲面31aが湾曲面21aから連続して延在する位置に配置される。平面部32と平面部22とが互いに重ね合わされることによって、側部20と側部30とが交わる角度が決定される。
【0052】
本実施の形態におけるリール用パッケージ10においては、樹脂成形体15に凸部61および凹部66が成形されている。凸部61は、収容空間50側に配置される側部30の表面、より具体的には、平面部32の表面32aから突出するように形成されている。凹部66は、収容空間50側に配置される側部20の表面、より具体的には、平面部22の表面22aから凹むように形成されている。
【0053】
凸部61および凹部66は、それぞれ折り曲げ部位51に隣り合って配置されている。凸部61と凹部66とは、折り曲げ部位51の延伸方向に直交する方向において、一列に並んで形成されている。凸部61と凹部66とは、折り曲げ部位51からの距離がほぼ等しくなる位置に形成されている。本実施の形態では、2組の凸部61および凹部66が、折り曲げ部位51の延伸方向に距離を隔てて形成されている。
【0054】
なお、樹脂成形体15には、1組の凸部61および凹部66が成形されてもよいし、3以上の組の凸部61および凹部66が成形されてもよい。
【0055】
このような構成により、樹脂成形体15を折り曲げ部位51で折り曲げ、平面部32と平面部22とを互いに重ね合わせると、凸部61が凹部66に自動的に嵌合される。同様に、樹脂成形体15を図5中の折り曲げ部位52で折り曲げ、平面部42と平面部22とを互いに重ね合わせると、平面部42に成形された凸部61が、平面部22に成形された凹部66に自動的に嵌合される。これにより、側部20と、側部20の両端から立ち上がる側部30および側部40とが固定され、樹脂成形体15が図1中のリール用パッケージ10に組み立てられる。
【0056】
このように、本実施の形態におけるリール用パッケージ10によれば、樹脂成形体15を折り曲げ部位51および折り曲げ部位52で折り曲げる1アクションで、リール用パッケージ10の組み立てを完了することができる。
【0057】
また、本実施の形態では、側部30および側部40に成形された凸部61は、それぞれ、収容空間50の外側の空間から見て平面部32および平面部42から凹んだ形状を有する。このため、リール用パッケージ10の組み立て時、作業者は、凸部61により形成される凹部63(図8を参照のこと)に指を挿入しつつ、矢印104に示すように、側部20の両端から側部30および側部40を持ち上げるようにして、樹脂成形体15を折り曲げ部位51および折り曲げ部位52で折り曲げればよい。これにより、折り曲げ部位51および折り曲げ部位52を支点にして、凸部61を凹部66に容易に嵌合させることができる。
【0058】
また、本実施の形態では、凸部61および凹部66が、側部20と、側部30および側部40とのコーナー部に設けられている。このコーナー部は、円盤形状のリール200を収容するに際して空きスペースとなるため、スペースを有効利用して、側部20と側部30および側部40とを固定するための構造を設けることができる。
【0059】
図10は、図8中のX−X線上に沿った樹脂成形体を示す断面図である。図10を参照して、樹脂成形体15に成形される凸部61および凹部66の構造についてさらに詳細に説明する。
【0060】
凹部66は、平面部22の表面22aに開口面67を形成する。凸部61は、平面部32の表面32aから突出する先端に突出端62を有する。凹部66は、折り曲げ部位51の延伸方向(図10中の矢印102に示す方向)における開口幅B1が、開口面67からの深さにかかわらずほぼ一定となるように形成されている。凸部61は、平面部32の表面32aと突出端62との間の位置で、凹部66の開口幅B1よりも大きい幅B2を有する。凸部61は、その幅B2を有する位置から突出端62に向けて幅が徐々に減少するように形成されるテーパ部64を有する。凸部61は、突出端62において、開口幅B1よりも小さい幅B3を有する。
【0061】
成形加工された樹脂成形体15から組み立てられるリール用パッケージ10においては、平面部22からさらに凹んだ成形された凹部66は、その肉厚が薄くなって形成されている。一方、平面部32を突出させて成形された凸部61は、同様に肉厚が薄くなって形成されているものの、テーパ部64の傾斜が開始する折れ曲がり部分103が、リブ形状となって凸部61の剛性を高めている。さらに、平面部32には、図5および図8中に示すように、凸部61の剛性を高めることを目的に溝65が成形されている。溝65は、表面32aから凹み、平面部32と凸部61との境界に沿って線状に延びるように形成されている。このような構成により、凸部61は、凹部66よりも高剛性を有するように形成されている。
【0062】
本実施の形態におけるリール用パッケージ10の組み立て工程においては、肉厚の薄い凹部66を高剛性の凸部61によって押し広げつつ、凸部61を凹部66に嵌合する。結果、凹部66に対する凸部61の圧入構造が得られ、側部20と側部30とを強固に固定することができる。一方、先細りのテーパ形状に形成されたテーパ部64は、凸部61を凹部66に嵌合する際の導入部となるため、上記圧入構造にかかわらず、凸部61を凹部66により円滑に嵌合することができる。
【0063】
なお、凸部61を凹部66に強固に嵌合する構造として、凸部61を突出端62に近づくほど大きい幅を有する形状に成形したり、凹部66を開口面67に近づくほど開口幅を小さくして成形したりする方法が考えられる。しかしながら、このような逆テーパ構造を採用すると、樹脂成形体15の保管時や搬送時など、多数枚の樹脂成形体15を積層する場合に、凸部61同士もしくは凹部66同士を積層方向の上下で嵌合させることが難しくなる。これに対して、本実施の形態では、凸部61および凹部66を上記の圧入構造とすることにより、保管時や搬送時における樹脂成形体15のスタッキング性を良好にできる。
【0064】
[縁部の構造]
続いて、本実施の形態におけるリール用パッケージ10に設けられた縁部26,36,46の構造について詳細に説明する。
【0065】
図11は、図3中のXI−XI線上に沿ったリール用パッケージを示す断面図である。図11を参照して、縁部26は、支持部21の両端から折れ曲がり、湾曲面21aの半径方向内側に向けて延在している。さらに、縁部26は、略180°折れ曲がって、湾曲面21aの半径方向外側に向けて延在している。縁部26は、支持部21よりも湾曲面21aの半径方向外側に突出して形成されている。
【0066】
縁部26は、湾曲面21aの半径方向外側に向けて延在する先端に、先端部27を有する。支持部21の両端からそれぞれ延出する先端部27は、図1中の中心軸101に平行な仮想上の平面73a上に配置されるように形成されている。湾曲面21aの軸方向から見た場合に、先端部27は、一直線に延びて形成されている。
【0067】
縁部26は、支持部21よりも湾曲面21aの半径方向内側に配置される鍔部105と、支持部21よりも湾曲面21aの半径方向外側に配置される脚部106とから構成されている。鍔部105は、収容空間50に配置されたリール200の、湾曲面21aの軸方向における位置を規制する。脚部106は、リール用パッケージ10を支持する脚として用いられる。
【0068】
図12は、図3中のリール用パッケージを異なる姿勢で載置した状態を示す斜視図である。図11および図12を参照して、縁部36および縁部46は、縁部26と同様の構造を有し、先端部27に対応する先端部37および先端部47をそれぞれ有する。先端部37は、一直線に延びて形成され、先端部27の一方端に略直角に交差する。先端部47は、一直線に延びて形成され、先端部27の他方端に略直角に交差する。
【0069】
先端部27は、折り曲げ部位51および折り曲げ部位52とともに、平面73a上に配置されるように形成されている。支持部21は、先端部27よりも湾曲面21aの半径方向内側に奥まった位置に形成されている。先端部37は、折り曲げ部位51および後述する折り曲げ部位91とともに、平面73b上に配置されるように形成されている。支持部31は、先端部37よりも湾曲面31aの半径方向内側に奥まった位置に形成されている。先端部47は、折り曲げ部位52および後述する折り曲げ部位91とともに、平面73c上に配置されるように形成されている。支持部41は、先端部47よりも湾曲面41aの半径方向内側に奥まった位置に形成されている。
【0070】
このような構成によれば、図1中に示すように、開口部56が鉛直上方向に開口するようにリール用パッケージ10を載置する場合、縁部26が支持部21よりも半径方向外側に突出して形成されているため、縁部26をパッケージ支持用の脚として利用できる。また、図12中に示すように、開口部56が水平方向に開口するようにリール用パッケージ10を載置する場合、縁部36が支持部31よりも半径方向外側に突出して形成されているため、縁部36をパッケージ支持用の脚として利用できる。さらに、図12中に示す姿勢とは上下反対にリール用パッケージ10を載置する場合、縁部46が支持部41よりも半径方向外側に突出して形成されているため、縁部46をパッケージ支持用の脚として利用できる。
【0071】
このように、本実施の形態におけるリール用パッケージ10においては、パッケージが載置される姿勢に合わせて、縁部26、縁部36もしくは縁部46がパッケージ支持用の脚として機能する。このため、たとえば、搬送時にはリール用パッケージ10を図1中の形態で別箱に収容し、コンデンサを使用する工場ではリール用パッケージ10を図12中に示す形態で棚に設置するなど、リール用パッケージ10を載置する姿勢が変わることがあっても、常に安定した載置が可能となる。
【0072】
また、リール200を支持する支持部21,31,41は、先端部27,37,47よりも内側に奥まった位置に形成されるため、支持部21,31,41と、リール用パッケージ10を載置する載置面とが接触することがない。このため、リール用パッケージ10の輸送時に生じる振動が支持部21に直接伝わることを防止し、リール200に搭載されたコンデンサを適切に保護することができる。
【0073】
[リールの脱落防止構造]
続いて、収容空間50に配置されたリール200の脱落を防止するための構造について説明を行なう。
【0074】
図4を参照して、既に説明したように、リール200は、周方向に連なって延在する湾曲面31a、湾曲面21aおよび湾曲面41aによって三方から把持されることにより、収容空間50内で支持されている。本実施の形態では、湾曲面31a、湾曲面21aおよび湾曲面41aが開口部56によって分断される角度αが180°よりも小さくなるように、支持部21,31,41が形成されている。たとえば、角度αは、160°<α<180°の関係を満たす。支持部31および支持部41は、リール200の取り出し方向に略直交する方向に突出する突出部76をそれぞれ形成している。
【0075】
このような構成によれば、開口部56の開口幅がリール200の直径よりも狭く形成されるため、収容空間50内に支持されたリール200が開口部56を通じて外部に脱落することを防止できる。
【0076】
一方、図9を参照して説明したように、側部20と側部30および側部40とは、凸部61と凹部66との嵌合により互いに固定されているため、リール用パッケージ10は、開口部56の開口幅を広げる方向にある程度、柔軟な弾性を有して形成されている。このため、開口部56の開口幅がリール200の直径よりも狭く形成される構造にもかかわらず、リール用パッケージ10を適度に撓ませることによって、リール200の出し入れを容易に行なうことができる。
【0077】
図13は、図1中に示すリール用パッケージの変形例を示す断面図である。図13を参照して、本変形例では、図1中に示すリール用パッケージ10と比較して、側部20と、側部30および側部40とが交わる角度を決定する平面部22、平面部32および平面部42の傾斜角度が異なる。これにより、側部20と側部30および側部40とが、それぞれ90°よりも小さい角度で交わる。結果、湾曲面31aおよび湾曲面41aが、湾曲面21aが真円状に延長された仮想線111よりも内径側に配置されている。
【0078】
このような構成によれば、リール用パッケージ10が開口部56の開口幅が広がる方向に多少撓むことがあっても、収容空間50に配置されたリール200の外周面と、湾曲面31aおよび湾曲面41aとの間に隙間が生じることを抑制できる。これにより、リール200が開口部56を通じて外部に脱落することをより確実に防止できる。
【0079】
なお、図5中の樹脂成形体15に成形する湾曲面31aおよび湾曲面41aの位置を変更することによって、湾曲面31aおよび湾曲面41aが仮想線111よりも内径側に配置される構造を得てもよい。
【0080】
[リールの倒れ防止構造]
リール用パッケージ10の使用形態の一例として、工場の棚などにリール用パッケージ10を載置し、そのリール用パッケージ10から1枚ずつリール200を取り出してコンデンサを使用する形態が挙げられる。本実施の形態におけるリール用パッケージ10においては、このような使用形態にあっても、リール200が収容空間50内で倒れることを防止するための構造が設けられている。
【0081】
図14は、図11中の2点鎖線XIVで囲まれた範囲を拡大して示す断面図である。図1および図14を参照して、本実施の形態におけるリール用パッケージ10においては、支持部21,31,41に複数の溝81が形成されている。
【0082】
複数の溝81は、湾曲面21a,31a,41aから凹み、湾曲面21a,31a,41aの周方向に沿って延びている。複数の溝81は、湾曲面21a,31a,41aの軸方向に互いに間隔を隔てて配列される。複数の溝81は、湾曲面21a,31a,41aの全幅に渡って形成されている。複数の溝81は、湾曲面21a、湾曲面31aおよび湾曲面41aの間で連続して延びるように形成されている。
【0083】
このような構成によれば、リール用パッケージ10に収容されるリール200の枚数が少なくなっても、リール200の外縁が溝81に嵌まることにより、リール200の倒れを防止できる。
【0084】
[リール用パッケージの取っ手構造]
本実施の形態におけるリール用パッケージ10には、リール用パッケージ10を持ち運ぶ際に作業者が把持するための取っ手が設けられている。以下、その取っ手構造について説明する。
【0085】
図15は、図1中のXV−XV線上に沿ったリール用パッケージを示す断面図である。図1および図15を参照して、リール用パッケージ10は、作業者が把持可能な取っ手部90をさらに有する。取っ手部90は、開口部56を規定する支持部31および支持部41の端部からそれぞれ延出して形成されている。取っ手部90には、作業者の指先を挿入するための凹部93が成形されている。凹部93は、開口部56に向かって凹むように形成されている。
【0086】
取っ手部90と支持部31および支持部41との間には、それぞれ、折り曲げ部位91が設けられている。折り曲げ部位91は、既に説明した折り曲げ部位51および折り曲げ部位52と同様の構造を有し、樹脂成形体15は、折り曲げ部位91において折り曲げ可能なように形成されている。これにより、取っ手部90は、支持部31および支持部41の端部に対して折り曲げ可能に形成されている。
【0087】
さらに、取っ手部90には、押え部94が形成されている。本実施の形態では、押え部94は、凹部93の底部により形成されている。図3および図4中に示すように、押え部94は、作業者が取っ手部90を把持しつつ開口部56に向けて傾けた際に、リール200の外周を湾曲面21a,31a,41aに向けて押圧可能なように形成されている。
【0088】
このような構成によれば、作業者は、取っ手部90を把持しながらリール用パッケージ10を持ち運ぶことができるため、持ち運び時の作業性を向上させることができる。特に、別箱に詰められた複数個のリール用パッケージ10をその別箱から取り出す際には、リール用パッケージ10を掴むことが難しいため、取っ手部90がより有効に利用される。
【0089】
また、取っ手部90は、支持部31および支持部41の端部に対して折り曲げ可能に形成されている。このため、作業者によるリール用パッケージ10の持ち方や、持ち運び時のリール用パッケージ10の姿勢に合わせて、取っ手部90の傾きを無理のない角度に変化させることができる。また、作業者は、取っ手部90を把持しつつ、押え部94によってリール200の外周を押圧することができる。このため、持ち運び時におけるリール200の脱落を防止することができる。
【0090】
[リール用パッケージのリサイクル工程]
本実施の形態におけるリール用パッケージ10の製造には、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの廃材が利用されている。また、リール用パッケージ10は、コンデンサ等の電子部品の製造工場と、電子部品が使用される工場との間を行き来する通い箱として用いられ、繰り返し使用される。以下、リール用パッケージ10に適用されるリサイクル工程について説明する。
【0091】
図16は、図1中のリール用パッケージのリサイクル工程を示すフローチャート図である。図16を参照して、コンデンサ等の電子部品の製造工程においては、PETフィルムが廃材として発生する、まず、このPETフィルムを回収し、ペレット状に裁断する(S10,S20)。
【0092】
図17は、図16中のS30の工程で得られるシートを示す断面図である。図16および図17を参照して、次に、裁断したPETフィルムをシート状に成形し、シート130を形成する(S30)。この際、リール用パッケージ10の帯電を防ぐことを目的に、PETフィルム層131の表面を覆うように帯電防止層132および帯電防止層133を形成する。帯電防止の効果に加えて、この帯電防止層132,133を設けることによって、PETフィルム層131に付着した不純物がシート130の表面に出ることを防止できる。
【0093】
なお、帯電防止層は、図1中の収容空間50側に配置されるシート表面にのみ形成されてもよい。
【0094】
図18は、図16中のS40の工程の様子を示す断面図である。図16および図18を参照して、次に、S30の工程で得られたシート130を金型135に設置し、シート130から図5中の樹脂成形体15を成形加工する(S40)。この際、図18中の矢印137に示すように、金型135の凹部136から空気を吸引する真空成形を用いてもよいし、図18中の矢印138に示すように、凹部136上に配置されたシート130に向けて空気を噴射するブロー成形を用いてもよい。
【0095】
図16を参照して、次に、樹脂成形体15から図1中のリール用パッケージ10を組み立てる(S50)。次に、リール用パッケージ10にリール200を収容する。複数個のリール用パッケージ10を別箱に詰め、コンデンサが使用される工場に向けて出荷する(S60)。
【0096】
次に、コンデンサが使用される工場において、リール用パッケージ10を設置し、リール用パッケージ10からリール200を1枚ずつ取り出して、コンデンサの実装工程で使用する(S70)。その後、使用後のリール用パッケージ10を、分解して再び樹脂成形体15の状態に戻す(S80)。この樹脂成形体15が積み重ねられた状態で回収される。回収された樹脂成形体15がS50のパッケージの組み立て工程に戻されることにより、樹脂成形体15は、複数回繰り返して使用される。
【0097】
以上に説明した、この発明の実施の形態におけるリール用パッケージ10の構造についてまとめて説明すると、本実施の形態におけるパッケージとしてのリール用パッケージ10は、樹脂から成形され、電子部品としてのコンデンサを搭載したテープが巻かれたリール200を収容するためのパッケージである。リール用パッケージ10は、支持部21,31,41と、縁部26,36,46とを備える。支持部21,31,41は、周方向に延在する湾曲面21a,31a,41aを有し、湾曲面21a,31a,41aによりリール200を支持する。縁部26,36,46は、湾曲面21a,31a,41aの軸方向における支持部26,36,46の両端からそれぞれ連なり、湾曲面21a,31a,41aの径方向に延在する。縁部26,36,46は、支持部21,31,41よりも湾曲面21a,31a,41aの径方向外側に突出して形成される。
【0098】
このように構成された、この発明の実施の形態におけるリール用パッケージ10によれば、リール200を支持する支持部21,31,41よりも湾曲面21a,31a,41aの径方向外側に突出して縁部26,36,46を形成することにより、縁部26,36,46を、パッケージを支える脚として利用する。これにより、リール用パッケージ10を安定して載置することが可能となり、リール200をリール用パッケージ10に収容した状態を確実に維持できる。
【0099】
なお、本実施の形態では、成形加工された樹脂成形体15から組み立てられるリール用パッケージ10について説明したが、本発明はこれに限られない。たとえば、本発明におけるパッケージを、溶融した樹脂材料を金型に流し込んで図1中のリール用パッケージ10の形態を得る射出成形により形成してもよい。
【0100】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0101】
この発明は、主に、コンデンサ等の電子部品を工場に納入する際の通い箱として利用される。
【符号の説明】
【0102】
10 リール用パッケージ、15 樹脂成形体、20,30,40 側部、21,31,41 支持部、21a,31a,41a 湾曲面、22,32,42 平面部、22a,22b,32a,32b,42a 表面、26,36,46 縁部、27,37,47 先端部、50 収容空間、51,52,91 折り曲げ部位、56 開口部、61 凸部、62 突出端、63,66,93 凹部、64 テーパ部、65,81 溝、67 開口面、73a,73b,73c 平面、76 突出部、90 取っ手部、94 押え部、103 折れ曲がり部分、105 鍔部、106 脚部、130 シート、131 PETフィルム層、132,133 帯電防止層、135 金型、136 凹部、200 リール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂から成形され、電子部品を搭載したテープが巻かれたリールを収容するためのパッケージであって、
周方向に延在する湾曲面を有し、前記湾曲面によりリールを支持する支持部と、
前記湾曲面の軸方向における前記支持部の両端からそれぞれ連なり、前記湾曲面の径方向に延在する縁部とを備え、
前記縁部は、前記支持部よりも前記湾曲面の径方向外側に突出して形成される、パッケージ。
【請求項2】
前記縁部は、前記湾曲面の径方向外側に突出する先端に、同一平面上に配置される先端部を有する、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
周方向に延在する前記湾曲面の軸周りにおいて前記支持部が部分的に切り欠かれることにより、リールを挿入するための開口部が形成され、
前記支持部は、前記開口部により分断される前記湾曲面の位相範囲が180°よりも小さい角度となるように形成される、請求項1または2に記載のパッケージ。
【請求項4】
周方向に延在する前記湾曲面の軸周りにおいて前記支持部が部分的に切り欠かれることにより、リールを挿入するための開口部が形成され、
前記支持部は、前記湾曲面の軸周りにおいて前記開口部と対向する位置に配置される第1部分と、前記湾曲面の軸周りにおいて前記開口部の両側の位置にそれぞれ配置され、前記第1部分に対して折り曲げ可能に連設される第2部分および第3部分とを有し、
前記第1部分に対して前記第2部分および前記第3部分を折り曲げた状態で、前記第2部分および前記第3部分における前記湾曲面が、前記第1部分における前記湾曲面の延長上に配置される、請求項1から3のいずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記第2部分および前記第3部分における前記湾曲面が、前記第1部分における前記湾曲面が真円状に延長された仮想線よりも内径側に配置される、請求項4に記載のパッケージ。
【請求項6】
周方向に延在する前記湾曲面の軸周りにおいて前記支持部が部分的に切り欠かれることにより、リールを挿入するための開口部が形成され、さらに、
前記開口部の両側に配置される前記支持部の端部からそれぞれ延出し、把持可能に形成される取っ手部を備える、請求項1から5のいずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項7】
前記取っ手部は、前記支持部の端部に対して折り曲げ可能に形成される、請求項6に記載のパッケージ。
【請求項8】
前記取っ手部は、把持された状態でリールの外周を前記湾曲面に向けて押圧可能な押え部を有する、請求項7に記載のパッケージ。
【請求項9】
前記支持部には、前記湾曲面から凹んだ形態で前記湾曲面の周方向に沿って延び、前記湾曲面の軸方向に間隔を隔てて配列される複数の溝が形成される、請求項1から8のいずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項10】
成形加工された樹脂成形体から組み立てられる、請求項1から9のいずれか1項に記載のパッケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−20713(P2011−20713A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168047(P2009−168047)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】