パネルを作動するアクチュエータを有するパネル音響トランスデューサ並びに音声生成及び/又は記録装置
パネル音響トランスデューサは、板状アクチュエータ4及びパネル5を有する。パネル5は、2つの実質的に垂直な対称軸As、Alを持つ。板状アクチュエータ4は、‐アクチュエータ4がパネル5の両方の対称軸As、Alに対して実質的に対称に前記パネルに結合され、板状アクチュエータ4が、動作において、増大する周波数の順序における少なくとも初めの5つの奇数励起モード(1,1)、(3,1)、(1,3)、(3,3)、(5,1)が交代する符号で作動されるように構成される、ような形で前記パネルに結合される。前記トランスデューサのパワースペクトルにおけるカスプはこれにより防止される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルを作動するアクチュエータを有するパネル音響トランスデューサ(panel-acoustic transducer)に関する。
【0002】
パネル音響トランスデューサは、特に、パネルスピーカ及びパネルマイクロフォンである。
【0003】
パネルスピーカは、スタンドアロン装置として使用されようと、携帯電話、ラジオ及びテレビ等のような他の装置の一部として使用されようと、ラウドスピーカのような音声生成装置に使用される。パネルマイクロフォンは、音声を記録するのに使用される。
【0004】
本発明は、パネル音響トランスデューサを有する音声生成及び/又は音声記録装置にも関する。
【背景技術】
【0005】
例えば可動コイル又は可動磁石等を使用して、音響トランスデューサのパネルを作動するのに使用されることができる多くのアクチュエータが存在する。
【0006】
これら様々なタイプのアクチュエータの中で、圧電アクチュエータは、高い効率性のため、人気がある。エネルギのほとんどが熱として失われる他のタイプのアクチュエータに対し、圧電アクチュエータ又はトランスデューサ(と称されることもある)は、高い効率性を提供する。本発明は、圧電アクチュエータ又は磁歪アクチュエータのような板状トランスデューサを使用する。圧電材料は、水晶のような天然結晶鉱物、及び製造された結晶、並びに膜及び泡を含むプラスチック材料のような他の材料として様々な形式で生じる。これらの材料は、本発明による音響トランスデューサに適切であると見なされる。更に、圧電材料は、単に、トランスデューサを形成するために適切に使用されることができる薄いシート状又は板状材料を例証するものとして使用される。このようなトランスデューサは、磁歪トランスデューサ、電磁トランスデューサ、静電トランスデューサ及びマイクロモータ等であってもよい。高い効率性のため、圧電トランスデューサ及び自歪トランスデューサが、板状アクチュエータの好適な実施例である。
【0007】
圧電作動パネルスピーカ及びマイクロフォンは、加えられる大量の電力消費及び要求される音量に関して従来のボイス−コイルアクチュエータより性能が優れているので、近い将来に更に興味深くなっていると期待される。これは、携帯電話、PDA及びフラットパネルディスプレイ等のような要求の厳しい応用において特に重要である。本発明の概念において、パネル音響トランスデューサが、平面又は曲面パネルを持ちうることに注意すべきである。前記パネルは、いわゆるシンギング(singing)又はスウィンギング(swinging)ディスプレイのような2重の機能を実行することができ、前記パネルは、ディスプレイパネルとして、及び音声生成手段として機能する。
【0008】
このような装置の性能を増大する駆動装置が存在する。
【0009】
米国特許出願第US−A5196755号において、発せられた音声が、素子の数を増大することにより強化される点で、性能が向上される。作動素子の数の増大は、米国特許出願第US−A6278790号にも開示されている。作動素子の数の増大は発せられた音声を向上し、特にこのような素子が別々に駆動される場合に前記発せられた音声に対する制御及び自由度を向上するが、これは、パネルスピーカの設計及び製造を複雑にもする。
【0010】
音声を生成する能力に関して、例えばスピーカのような音響トランスデューサの性能は、しばしば、圧電スピーカ、即ち圧電アクチュエータを有するパネルスピーカが作動される幅広い範囲の周波数に対して前記スピーカからの特定の距離において音声パワー及び圧力レベルを測定することにより定量化される。好適な音圧特性は、幅広い範囲の周波数に対して十分に高いレベルを持つ平坦なスペクトルを示す。同様な性能基準が、音声を記録する場合に適用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、比較的幅広い範囲の周波数に対して比較的高いレベルを持つ比較的平坦なスペクトルを持つ比較的単純な設計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このため、本発明によるパネル音響トランスデューサは、前記パネル音響トランスデューサのパネルが、2つの実質的に垂直な対称軸を持ち、板状アクチュエータ、好ましくは圧電アクチュエータが、
‐前記アクチュエータが、前記パネルの両方の前記対称軸に対して実質的に対称に前記パネルに結合され、
‐前記板状アクチュエータが、動作において、増大する周波数の順序における少なくとも初めの5つの奇数励起モードが交代する符号で作動されるように構成される、
ように前記パネルに結合される。
【0013】
本発明は、以下の認識に基づく。
【0014】
生成された音声品質、即ち関連した周波数範囲(例えば500[Hz]から例えば10[kHz]までの範囲)における音圧レベル(Sound Pressure Level、SPL)は、実際の設計、即ち前記パネルの設計に関して、前記板状アクチュエータ、好ましくは圧電アクチュエータの設計に依存する。
【0015】
音声を作る能力に関して、例えばスピーカのような前記トランスデューサの性能は、しばしば、圧電スピーカが作動される幅広い範囲の周波数に対して前記スピーカからの特定の距離における音圧レベルを測定することにより定量化される。好適な音圧特性は、幅広い範囲の周波数に対して十分に高いレベルを持つおおよそ平坦なスペクトルを示す。前記スペクトルにおける音圧降下、即ち下降は、音声生成又は記録品質を低下させる。この問題を解決する又は少なくとも低減する本発明の対策は、以下の新しい理解に基づく。音圧レベルは、しばしば、圧電素子(piezo)を用いて作動される前記パネルの実体積速度(net volume velocity)に(比例的に)関連することができる。前記実体積速度は、モード体積寄与(modal volume contributions)の和である。(実体積速度に対する)前記モード寄与は、前記パネルの幾何学的構成並びに前記圧電素子の幾何学的構成及び前記圧電素子の特定のパネル上の配置の関数である。数学的計算が証明し、実験が示すのは、1)体積速度に寄与するモードのみが作動される(したがって偶数モードが実質的に作動されない)場合、及び2)前記モード寄与の符号パターンが、増大する周波数に対して正と負との間で交代する場合に、反共振(音圧の降下、下降)が、上記の条件が持続する周波数まで、本発明においては少なくとも5番目の(しばしば(5,1))奇数モードまで防止されることである。前記板状アクチュエータを有する前記パネルがセンサとして使用されることもできるという事実のため、前記設計(規則)は、フラットパネルマイクロフォンにも適用可能である。
【0016】
最も好ましくは、前記板状アクチュエータは単一のアクチュエータである。
【0017】
前記パネルが細長い形状を持ち、中心部分(C)、東部分(E)、西部分(W)、北部分(N)、南部分(S)、北東部分(NE)、北西部分(NW)、南東部分(SE)及び南西部分(SW)を有し、東西軸が前記パネルの対称軸の短い方に対応し、南北軸が前期対称軸の長いほうに対応する、好適な実施例において、前記部分に対する前記圧電アクチュエータの結合は以下の通りである。
‐F(E)≒F(W)=A*F(C)、但し0≦A-1≦1であり、F(E)が前記東部分における結合であり、F(W)が前記西部分における結合であり、F(C)が前記中心部分における結合であり、
‐他の部分における前記結合が、前記東部分における前記結合より実質的に小さい。
【0018】
圧電スピーカ又はマイクロフォン(幾何学的構成及び配置)に課せられた上述の条件、即ち設計規則は、(長方形、楕円形又は長方形形状のパネルのような)細長いパネルが関与する場合に上記の規則を導く。前記圧電アクチュエータは、前記パネルに対して対称的に配置され、前記東部分及び前記西部分における比較的大きな結合、及び(東部分及び西部分の0ないし100%の)前記中心部分における穏やかな結合を持ち、他の部分における結合を実質的に持たないダンベルのような形状の平凡でない形状を持つ。測定は、予測された性能を確認する。
【0019】
A-1の値は、好ましくは0.25と1との間であり、より好ましくは0.25と0.75との間である。
【0020】
本発明の概念において、上で記号≒により表された用語"近似的に等しい"は、値の間の差が10%より小さい、好ましくは5%より小さい、より好ましくは2%より小さいことを示す。"実質的に対称"も、10%より小さい、好ましくは5%より小さい、より好ましくは2%より小さい差を意味する。"実質的に小さい"は、20%より小さい、好ましくは10%より小さい、より好ましくは5%より小さい、最も好ましくは実質的に無視できることを意味する。
【0021】
本発明のこれら及び他の態様は、添付図面を参照して例を用いてより詳細に説明される。
【0022】
図は、正しい縮尺で描かれていない。一般に、同一の構成要素は、図において同じ参照符号により示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は、ブロック図においてパネルスピーカに対する従来技術システムを概略的に示す。オーディオ信号1は、信号"ブースト"又は増幅を提供する増幅器2にフィードされる。増幅器2の出力は、圧電素子(piezoelectric element)4における電圧振幅を増大するように変圧器3にフィードされることができる。
【0024】
図2は、パネル及び圧電アクチュエータを有する圧電スピーカの組み立ての一例を概略的に示す。圧電アクチュエータ4は、励起されるべき表面、この場合にはパネルダイアフラム5上に配置される。信号は、リード6及び7を介して前記圧電アクチュエータにフィードされる。
【0025】
図3は、1つの可能なフラットパネルスピーカ設計を図示する。圧電素子4は、共振器キャビネット12内のパネル5の中心に結合される。
【0026】
音声を生成する能力に関して、前記スピーカの性能は、しばしば、前記圧電スピーカが作動される幅広い範囲の周波数に対して前記スピーカからの特定の距離における音声パワー又は圧力レベルを測定することにより定量化される。優れた及び好適な音圧特性は、幅広い範囲の周波数に対して十分に高いレベルを持つ平坦なスペクトルを示す。前記スペクトルにおける音圧降下、即ち下降は、低下された音声再生を引き起こす。従来技術設計で行われたように、中心領域に圧電アクチュエータを設けることが、突然の音圧レベル、即ち周波数の関数としての前記音圧レベルにおける非常に突然の降下を引き起こすことがわかっている。特定の設計規則に適切に従うことにより、前記音圧レベルのこのような降下が、防止される又は少なくとも部分的に低減されることが更にわかっている。
【0027】
フラットパネルのような可とう性構造は、長方形パネルに対して2つの軸に沿った半波長の数を示す2つの数により特徴付けられることができる共振を持つ。最小周波数は(1,1)である。前記周波数は、前記数が増大すると増大する。
【0028】
図4は、実質的に長方形のパネル(即ち2つの対称軸を持つ)に対する最小のモードを概略的に図示する。本発明の範囲において、実質的な長方形とは、楕円形、正方形であってもよく、又は丸められた角を持ってもよい。最小周波数モードは(1,1)モードであり、前記パネルの縁に沿って又は近くにノード(ゼロ振幅位置)を持つ。振幅は、波の位相に依存して、どこでも正又は負のいずれかである。前記図において、前記振幅は正であるように取られる。(2,1)モードは、短い軸に沿ったノードを持ち、(1,2)モードは長い軸に沿ったノードを持ち、(2,2)モードは、前記短い軸及び前記長い軸に沿ったノードを持ち、以下同様である。(5,1)モードまでの各モードに対し、前記ノード及び前記振幅の符号が与えられ、グレイが正、白が負の変位又は変形を示す。図4は、パネル5の中心に取り付けられた単純な圧電アクチュエータ4を図示する。前記モードにおける前記アクチュエータの効果は、基本的に正(グレイ)及び負(白)の寄与を加算及び減算することにより、計算されることができる。正味の結果(net result)は以下のとおりである。
【表1】
【0029】
(2,1)、(1,2)、(2,2)及びより高次の対称モードに対する正味の結果は、前記対称軸に対する前記アクチュエータの位置及び形状の対称性により実質的にゼロである。前記より高次の対称モードは、上の表では省略されている。
【0030】
図5は、dBで表される駆動効率を周波数(f[Hz])の関数として図示する。ピークは、(モード数(n,m)により示される)共振周波数において見ることができる。しかしながら、鋭い下降Dが、前記ピーク間において明白である。これらの降下は、近隣のモードが同じ振幅を持つが反対の位相を持つ点、即ち(3,1)ピークと(1,3)ピークとの間及び(3,3)ピーク及び(5,1)ピークとの間の点に対応する。前記スペクトルにおけるこのような音圧降下、即ち下降は、音声生成又は記録品質を低下させる。基本的に、このような下降における音声を生成又は記録する能力は、強力に低下される。同じ現象が、音声を記録する場合にも生じる。
【0031】
図6は、より大きな中心アクチュエータを持つ設計を図示する。より大きなアクチュエータは、一般に、より多くのパワーを与えるが、(3,3)モード及び(5,1)モードの符号が正から負に変化される。図7は、強力な下降が(1,3)ピークと(3,3)ピークとの間で明白である場合に、前記駆動効率に対する結果を示す。したがって、中心に配置された前記アクチュエータのサイズの単純な増大又は減少は、前記スペクトルにおける下降に対する解決法に導かない。
【0032】
これは以下のように表されることができる。
【表2】
【0033】
本発明の目的は、この負の効果を低減することである。
【0034】
図8は、図6に示された設計に対して周波数の関数として位相を図示する。前記下降の位置が示される。前記下降は、図4を参照すると、2つの連続したモード(n,m)が、例えば(1,3)モードと(3,1)モードとの間で、同じ符号を持つ条件に対応する。
【0035】
本発明は、これらの問題が以下の条件下で低減されるという認識に基づいている。
‐前記圧電アクチュエータが、前記パネルの両方の対称軸に対して実質的に対称に前記パネルに結合される。
‐前記圧電アクチュエータが、初めの5つの奇数励起モードが動作において交代する符号で作動されるように構成される。
【0036】
この対称の構成は、奇数モード(1,1)、(1,3)、(3,1)、(3,3)、(5,1)等のみ、即ちn及びmが両方とも奇数であるモード(n,m)のみが励起されることを意味する。これは、実体積速度を増大する。前記実体積速度は、モード体積寄与の和にほかならない。(実体積速度に対する)前記モード寄与は、前記パネルの幾何学的構成並びに前記圧電素子の幾何学的構成及び特定のパネル上の前記圧電素子の位置の関数である。数学的計算が証明し、実験が示すのは、1)体積速度に寄与するモードのみが作動される場合に、前記実体積速度が高く、及び2)前記モード寄与の符号パターンが、増大する周波数に対して正と負との間で交代する場合に、反共振(音圧における降下、下降)が、上記の条件が持続する周波数、本発明においては少なくとも5番目のモード(この例では(5,1)モード)まで防止されることである。現実には、前記対称軸に対する完全な対称性が得られることができないことに注意する。本発明の範囲において、前記アクチュエータは、前記パネルの前記対称軸の10%以内、好ましくは5%以内、より好ましくは2%以内で対称である場合に実質的に対称である。奇数及び偶数モードのパワーレベルに関して論じられる場合、前記アクチュエータは、関連する周波数範囲(初めのピークから5番目又は6番目の偶数モードまでの範囲)内の偶数モード(即ちn及び/又はmが偶数であるモード)のパワーレベルが、実質的に奇数モードのパワーレベルより好ましくは15dB以上低い、前記奇数モードのパワーレベルより好ましくは30dB以上低い場合に実質的に対称であると見なされる。
【0037】
図9は、これらの規則に従う設計例を図示する。
【0038】
前記偶数モードは、実質的に駆動されず、増大する周波数の順序で少なくとも5番目までの前記奇数モードは、交代する符号で駆動される。
【表3】
前記符号は、初めの5つの奇数モードに対して交代する。長い対称軸Al及び短い対称軸Asが、図9の最後の部分に示されている。
【0039】
図10は、駆動効率を図示する。共振ピークは依然として明確に見ることができるが、前記下降は、それほど明白ではない(15ないし20dBの差)。
【0040】
図11は、図9に示された設計の位相を図示する。前記位相は、周波数の常に減少する関数である。
【0041】
図12は、駆動効率の差を図示する。図10のグラフにおける下降は、図8のグラフよりかなり明白ではない(およそ15ないし20dB)。結果として、より良い音声再生(又は音声記録)が達成される。
【0042】
実質的に長方形のパネルが使用される場合、好適な構成は、以下の特徴的フィーチャにより規定される。
【0043】
前記パネルは、細長い形状を持ち、中心部分(C)、東部分(E)、西部分(W)、北部分(N)、南部分(S)、北東部分(NE)、北西部分(NW)、南東部分(SE)及び南西部分(SW)を有し、東西軸が、前記パネルの対称軸の短い方(As)に対応し、南北軸が、前記対称軸の長い方(Al)に対応し、前記部分に対する前記圧電アクチュエータの結合は、以下の通りである。
‐F(E)≒F(W)=A*F(C)、但し0≦A-1≦1であり、ここでF(E)は前記東部分における結合であり、F(W)は前記西部分における結合であり、F(C)は前記中心部分における結合であり、
‐他の部分における結合は、前記東部分における結合より実質的に小さい。
【0044】
A-1に対する0の値は、前記東部分及び前記西部分にそれぞれ1つずつ、2つの別個のアクチュエータが存在することを意味する。
【0045】
A-1=1の値は、例えば、前記東部分、前記中心部分及び前記西部分を通して等しい長さのバンドである。
【0046】
A-1=0.5の値は、例えば、図9に示されるようなダンベル形状である。
【0047】
好ましくは、0.25≦A-1≦1、より好ましくは0.25≦A-1≦0.75が適用される。
【0048】
図13は、本発明の基本原理を図示する。この図は、グラフ形式で駆動効率対周波数を示す。2つの体積モードA及びB(例えば(3,1)モード及び(1,3)モード)が考慮される場合、ピーク間の領域における前記駆動効率は、サドル型曲線(図では(-,+:+,-)により示される)又はカスプ状曲線((-,-:+,+)により示される)のいずれかに従うことができる。サドル型曲線は、近隣の体積モードの符号が反対の符号で動作される場合に生じる。この場合、前記効率は、前記ピーク間の領域において加算され、したがって前記曲線は、前記曲線が交わる点の約6dB(=2の倍数)上で最小値を持つ。カスプ型曲線は、近隣の体積モードの符号が同じ符号で動作される場合に生じる。この場合、前記効率は、前記ピーク間の領域において互いから減算される。これら2つのモードのみが考慮される場合、前記効率は−∞まで降下する。しかしながら、現実には、前記カスプの最深点は、より高次のモードの効率に等しい。典型的には、これは、交点の約5ないし20dB下であり、即ち一方の条件と他方の条件との間の差は10ないし25dBであり、これは著しい差である。周波数の関数として前記効率性を測定することにより、サドル状領域又はカスプ状領域がピーク間に存在するかどうかが容易に決定されることができる。これを行うため、前記ピークの直ぐ隣の挙動が解析され、この解析からの仮想的な線が、交差するまで中間の領域内に伸ばされ、交点に対する前記効率曲線の形式が決定される。本発明の装置において、初めの5つの奇数モード間にサドル状挙動が存在する。
【0049】
図9に示される構成は、これらの規則に従う。これらの例における全体的な形状は、前記長方形パネルの短軸に沿って配置されたダンベル状形状である。他の部分(NW、N、NW、SW、S、SE)に対する結合を追加することは、一部の低いモードにおける駆動効率を増大するが、より高次のモードにおける駆動効率を低下させる。前記中心部分における結合の増大に対しても同じである。
【0050】
図14は、使用される様々な省略形を図示する。1つの部分内の結合は、この部分内の前記圧電アクチュエータの面積Arと結合係数Ccとの積である。同じタイプの取り付けがしばしば前記圧電素子を通して使用されるので、前記結合係数はしばしば全ての部分に対して同じであり、この場合、前記結合間の比は、単純に関連する部分内の前記圧電素子による面積間の比である。
【0051】
図15は、図9に示された設計の様々な変形例を図示する。前記図の上の部分は、図9に示された構成を示し、真ん中の部分は、わずかに変更された構成を示し、下の部分は、前記圧電アクチュエータが、前記パネルの各側に1つになるように2つのサブアクチュエータ4'及び4"に分割され、4"がアクチュエータ4'のサイズの約半分(25%と75%との間)である構成を示す。
【0052】
図16は、前記設計の異なる変形例を図示する。前記圧電アクチュエータ自体は、前記E、C及びW部分を覆う単純なバンド構造である。しかしながら、前記中心部分において、前記アクチュエータと前記パネルとの間の結合が、中間層により(25%と75%との間だけ)減少される。
【0053】
多くの変形例が本発明の範囲内で可能であることが明らかである。
【0054】
例えば、好適な実施例において、平面状アクチュエータは圧電アクチュエータである。他の好適な実施例において、前記アクチュエータは単一のアクチュエータであり、即ち1つの要素において作成される。これは、非常に単純かつ費用効率が高い実施例である。
【0055】
前記パネルは、実質的に長方形であってもよいが、代わりに1つ又は複数の丸い角を持ってもよい。90°の角度の角は、効率性に関して問題を与えるかもしれない。丸められた角は、より効率的であり得る。
【0056】
図16及び17は、パラメータA-1の関数として効率性の挙動を図示する。
【0057】
図16は、A-1=0.5、即ち例えば図9に示されるダンベル、に対する効率性(実線)及びA-1=0、即ち東部分及び西部分における2つのアクチュエータパッチ、に対する効率性(点線)を示す。これらの曲線を比較する場合、A-1=0に対する曲線が、A-1=0.5に対する曲線より大幅に小さい第1の((1,1)モード)ピークを持つことが明らかになる。この第1のピークは、スペクトルの重要な部分をカバーし、したがってA-1=0.5はA-1=0より好適である。
【0058】
図17は、A-1=0.5、即ち例えば図9に示されるダンベル、に対する効率性(実線)及びA-1=1、例えば東部分、中心部分及び西部分を覆うバンド、に対する効率性(点線)を示す。これらの曲線を比較する場合、最低ピークにおけるいくらかより良い性能を与えるが、A-1=1に対する曲線が、初めの複数のピークと第3及び第4のピークとの間の効率性の大幅に大きな差を示すことが明らかになる。これは、音声信号の歪を生じるかもしれず、A-1=0.5はしたがってA-1=1より好適である。計算は、A-1が好ましくは0.25ないし1、より好ましくは0.4ないし0.6、最も好ましくは0.25ないし0.75の範囲にあることを示す。
【0059】
図19は、本発明の他の例を示す。前記アクチュエータは、初めの6つの奇数モードが交代する符号で駆動されるような形式を持つ。これは、周波数範囲を拡張することを目指す場合に好適である。しかしながら、図9とこの図19を比較する場合、単一のアクチュエータがより小さな面積をもち、これが最大効率性を低下させうることも明らかになる。
【0060】
要約すると、本発明は以下のように記載されることができる。
【0061】
パネル音響トランスデューサは、板状アクチュエータを有する。このパネルスピーカのパネルは、2つの実質的に垂直な対称軸を持ち、板状アクチュエータは、
‐前記アクチュエータが、前記パネルの両方の対称軸に対して実質的に対称に前記パネルに結合され、
‐前記板状アクチュエータが、動作において、増大する周波数の順序における少なくとも初めの5つの奇数励起モードが交代する符号で作動されるように構成される、
ような形で前記スピーカに結合される。
【0062】
前記音響トランスデューサのパワースペクトルにおけるカスプは、これにより防止される。
【0063】
本発明が、上で具体的に示され記載されたものにより限定されないことは、当業者により理解されるべきである。本発明は、各新規の特徴的フィーチャ毎に及び特徴的フィーチャの各組み合わせ毎にある。請求項内の参照符号は、前記請求項の保護範囲を限定しない。動詞"有する"及びその活用形の使用は、請求項に記載されたもの以外の要素の存在を除外しない。要素に先行する冠詞"1つの"の使用は、複数のこのような素子の存在を除外しない。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】圧電アクチュエータを駆動するシステムを概略的に示す。
【図2】圧電アクチュエータを取り付けられたパネルを概略的に示す。
【図3】圧電アクチュエータを有するパネルスピーカを概略的に示す。
【図4】丸い中心アクチュエータ及びパネルの様々な励起モードを図示する。
【図5】中心に配置された丸い圧電アクチュエータを持つ構成に対して周波数の関数として駆動効率をグラフ形式で図示する。
【図6】図4に示されたものより大きな直径を持つ丸いアクチュエータを持つパネルに対する励起モードを図示する。
【図7】図6に示された中心に配置された丸い圧電アクチュエータを持つ構成に対して周波数の関数として駆動効率をグラフ形式で図示する。
【図8】図6に示された構成に対して周波数の関数として位相を図示する。
【図9】本発明による設計例を図示する。
【図10】図9に示された構成に対して駆動効率をグラフ形式で図示する。
【図11】図9の構成に対して周波数の関数として位相を図示する。
【図12】図8と図10との間の駆動効率の差を図示する。
【図13】本発明の基本原理を図示する。
【図14】使用される様々な省略形を図示する。
【図15】図9に示される設計の様々な変形例を図示する。
【図16】設計の異なる変形例を図示する。
【図17】パラメータA-1の関数として駆動効率を図示する。
【図18】パラメータA-1の関数として駆動効率を更に図示する。
【図19】本発明の他の例を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルを作動するアクチュエータを有するパネル音響トランスデューサ(panel-acoustic transducer)に関する。
【0002】
パネル音響トランスデューサは、特に、パネルスピーカ及びパネルマイクロフォンである。
【0003】
パネルスピーカは、スタンドアロン装置として使用されようと、携帯電話、ラジオ及びテレビ等のような他の装置の一部として使用されようと、ラウドスピーカのような音声生成装置に使用される。パネルマイクロフォンは、音声を記録するのに使用される。
【0004】
本発明は、パネル音響トランスデューサを有する音声生成及び/又は音声記録装置にも関する。
【背景技術】
【0005】
例えば可動コイル又は可動磁石等を使用して、音響トランスデューサのパネルを作動するのに使用されることができる多くのアクチュエータが存在する。
【0006】
これら様々なタイプのアクチュエータの中で、圧電アクチュエータは、高い効率性のため、人気がある。エネルギのほとんどが熱として失われる他のタイプのアクチュエータに対し、圧電アクチュエータ又はトランスデューサ(と称されることもある)は、高い効率性を提供する。本発明は、圧電アクチュエータ又は磁歪アクチュエータのような板状トランスデューサを使用する。圧電材料は、水晶のような天然結晶鉱物、及び製造された結晶、並びに膜及び泡を含むプラスチック材料のような他の材料として様々な形式で生じる。これらの材料は、本発明による音響トランスデューサに適切であると見なされる。更に、圧電材料は、単に、トランスデューサを形成するために適切に使用されることができる薄いシート状又は板状材料を例証するものとして使用される。このようなトランスデューサは、磁歪トランスデューサ、電磁トランスデューサ、静電トランスデューサ及びマイクロモータ等であってもよい。高い効率性のため、圧電トランスデューサ及び自歪トランスデューサが、板状アクチュエータの好適な実施例である。
【0007】
圧電作動パネルスピーカ及びマイクロフォンは、加えられる大量の電力消費及び要求される音量に関して従来のボイス−コイルアクチュエータより性能が優れているので、近い将来に更に興味深くなっていると期待される。これは、携帯電話、PDA及びフラットパネルディスプレイ等のような要求の厳しい応用において特に重要である。本発明の概念において、パネル音響トランスデューサが、平面又は曲面パネルを持ちうることに注意すべきである。前記パネルは、いわゆるシンギング(singing)又はスウィンギング(swinging)ディスプレイのような2重の機能を実行することができ、前記パネルは、ディスプレイパネルとして、及び音声生成手段として機能する。
【0008】
このような装置の性能を増大する駆動装置が存在する。
【0009】
米国特許出願第US−A5196755号において、発せられた音声が、素子の数を増大することにより強化される点で、性能が向上される。作動素子の数の増大は、米国特許出願第US−A6278790号にも開示されている。作動素子の数の増大は発せられた音声を向上し、特にこのような素子が別々に駆動される場合に前記発せられた音声に対する制御及び自由度を向上するが、これは、パネルスピーカの設計及び製造を複雑にもする。
【0010】
音声を生成する能力に関して、例えばスピーカのような音響トランスデューサの性能は、しばしば、圧電スピーカ、即ち圧電アクチュエータを有するパネルスピーカが作動される幅広い範囲の周波数に対して前記スピーカからの特定の距離において音声パワー及び圧力レベルを測定することにより定量化される。好適な音圧特性は、幅広い範囲の周波数に対して十分に高いレベルを持つ平坦なスペクトルを示す。同様な性能基準が、音声を記録する場合に適用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、比較的幅広い範囲の周波数に対して比較的高いレベルを持つ比較的平坦なスペクトルを持つ比較的単純な設計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このため、本発明によるパネル音響トランスデューサは、前記パネル音響トランスデューサのパネルが、2つの実質的に垂直な対称軸を持ち、板状アクチュエータ、好ましくは圧電アクチュエータが、
‐前記アクチュエータが、前記パネルの両方の前記対称軸に対して実質的に対称に前記パネルに結合され、
‐前記板状アクチュエータが、動作において、増大する周波数の順序における少なくとも初めの5つの奇数励起モードが交代する符号で作動されるように構成される、
ように前記パネルに結合される。
【0013】
本発明は、以下の認識に基づく。
【0014】
生成された音声品質、即ち関連した周波数範囲(例えば500[Hz]から例えば10[kHz]までの範囲)における音圧レベル(Sound Pressure Level、SPL)は、実際の設計、即ち前記パネルの設計に関して、前記板状アクチュエータ、好ましくは圧電アクチュエータの設計に依存する。
【0015】
音声を作る能力に関して、例えばスピーカのような前記トランスデューサの性能は、しばしば、圧電スピーカが作動される幅広い範囲の周波数に対して前記スピーカからの特定の距離における音圧レベルを測定することにより定量化される。好適な音圧特性は、幅広い範囲の周波数に対して十分に高いレベルを持つおおよそ平坦なスペクトルを示す。前記スペクトルにおける音圧降下、即ち下降は、音声生成又は記録品質を低下させる。この問題を解決する又は少なくとも低減する本発明の対策は、以下の新しい理解に基づく。音圧レベルは、しばしば、圧電素子(piezo)を用いて作動される前記パネルの実体積速度(net volume velocity)に(比例的に)関連することができる。前記実体積速度は、モード体積寄与(modal volume contributions)の和である。(実体積速度に対する)前記モード寄与は、前記パネルの幾何学的構成並びに前記圧電素子の幾何学的構成及び前記圧電素子の特定のパネル上の配置の関数である。数学的計算が証明し、実験が示すのは、1)体積速度に寄与するモードのみが作動される(したがって偶数モードが実質的に作動されない)場合、及び2)前記モード寄与の符号パターンが、増大する周波数に対して正と負との間で交代する場合に、反共振(音圧の降下、下降)が、上記の条件が持続する周波数まで、本発明においては少なくとも5番目の(しばしば(5,1))奇数モードまで防止されることである。前記板状アクチュエータを有する前記パネルがセンサとして使用されることもできるという事実のため、前記設計(規則)は、フラットパネルマイクロフォンにも適用可能である。
【0016】
最も好ましくは、前記板状アクチュエータは単一のアクチュエータである。
【0017】
前記パネルが細長い形状を持ち、中心部分(C)、東部分(E)、西部分(W)、北部分(N)、南部分(S)、北東部分(NE)、北西部分(NW)、南東部分(SE)及び南西部分(SW)を有し、東西軸が前記パネルの対称軸の短い方に対応し、南北軸が前期対称軸の長いほうに対応する、好適な実施例において、前記部分に対する前記圧電アクチュエータの結合は以下の通りである。
‐F(E)≒F(W)=A*F(C)、但し0≦A-1≦1であり、F(E)が前記東部分における結合であり、F(W)が前記西部分における結合であり、F(C)が前記中心部分における結合であり、
‐他の部分における前記結合が、前記東部分における前記結合より実質的に小さい。
【0018】
圧電スピーカ又はマイクロフォン(幾何学的構成及び配置)に課せられた上述の条件、即ち設計規則は、(長方形、楕円形又は長方形形状のパネルのような)細長いパネルが関与する場合に上記の規則を導く。前記圧電アクチュエータは、前記パネルに対して対称的に配置され、前記東部分及び前記西部分における比較的大きな結合、及び(東部分及び西部分の0ないし100%の)前記中心部分における穏やかな結合を持ち、他の部分における結合を実質的に持たないダンベルのような形状の平凡でない形状を持つ。測定は、予測された性能を確認する。
【0019】
A-1の値は、好ましくは0.25と1との間であり、より好ましくは0.25と0.75との間である。
【0020】
本発明の概念において、上で記号≒により表された用語"近似的に等しい"は、値の間の差が10%より小さい、好ましくは5%より小さい、より好ましくは2%より小さいことを示す。"実質的に対称"も、10%より小さい、好ましくは5%より小さい、より好ましくは2%より小さい差を意味する。"実質的に小さい"は、20%より小さい、好ましくは10%より小さい、より好ましくは5%より小さい、最も好ましくは実質的に無視できることを意味する。
【0021】
本発明のこれら及び他の態様は、添付図面を参照して例を用いてより詳細に説明される。
【0022】
図は、正しい縮尺で描かれていない。一般に、同一の構成要素は、図において同じ参照符号により示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は、ブロック図においてパネルスピーカに対する従来技術システムを概略的に示す。オーディオ信号1は、信号"ブースト"又は増幅を提供する増幅器2にフィードされる。増幅器2の出力は、圧電素子(piezoelectric element)4における電圧振幅を増大するように変圧器3にフィードされることができる。
【0024】
図2は、パネル及び圧電アクチュエータを有する圧電スピーカの組み立ての一例を概略的に示す。圧電アクチュエータ4は、励起されるべき表面、この場合にはパネルダイアフラム5上に配置される。信号は、リード6及び7を介して前記圧電アクチュエータにフィードされる。
【0025】
図3は、1つの可能なフラットパネルスピーカ設計を図示する。圧電素子4は、共振器キャビネット12内のパネル5の中心に結合される。
【0026】
音声を生成する能力に関して、前記スピーカの性能は、しばしば、前記圧電スピーカが作動される幅広い範囲の周波数に対して前記スピーカからの特定の距離における音声パワー又は圧力レベルを測定することにより定量化される。優れた及び好適な音圧特性は、幅広い範囲の周波数に対して十分に高いレベルを持つ平坦なスペクトルを示す。前記スペクトルにおける音圧降下、即ち下降は、低下された音声再生を引き起こす。従来技術設計で行われたように、中心領域に圧電アクチュエータを設けることが、突然の音圧レベル、即ち周波数の関数としての前記音圧レベルにおける非常に突然の降下を引き起こすことがわかっている。特定の設計規則に適切に従うことにより、前記音圧レベルのこのような降下が、防止される又は少なくとも部分的に低減されることが更にわかっている。
【0027】
フラットパネルのような可とう性構造は、長方形パネルに対して2つの軸に沿った半波長の数を示す2つの数により特徴付けられることができる共振を持つ。最小周波数は(1,1)である。前記周波数は、前記数が増大すると増大する。
【0028】
図4は、実質的に長方形のパネル(即ち2つの対称軸を持つ)に対する最小のモードを概略的に図示する。本発明の範囲において、実質的な長方形とは、楕円形、正方形であってもよく、又は丸められた角を持ってもよい。最小周波数モードは(1,1)モードであり、前記パネルの縁に沿って又は近くにノード(ゼロ振幅位置)を持つ。振幅は、波の位相に依存して、どこでも正又は負のいずれかである。前記図において、前記振幅は正であるように取られる。(2,1)モードは、短い軸に沿ったノードを持ち、(1,2)モードは長い軸に沿ったノードを持ち、(2,2)モードは、前記短い軸及び前記長い軸に沿ったノードを持ち、以下同様である。(5,1)モードまでの各モードに対し、前記ノード及び前記振幅の符号が与えられ、グレイが正、白が負の変位又は変形を示す。図4は、パネル5の中心に取り付けられた単純な圧電アクチュエータ4を図示する。前記モードにおける前記アクチュエータの効果は、基本的に正(グレイ)及び負(白)の寄与を加算及び減算することにより、計算されることができる。正味の結果(net result)は以下のとおりである。
【表1】
【0029】
(2,1)、(1,2)、(2,2)及びより高次の対称モードに対する正味の結果は、前記対称軸に対する前記アクチュエータの位置及び形状の対称性により実質的にゼロである。前記より高次の対称モードは、上の表では省略されている。
【0030】
図5は、dBで表される駆動効率を周波数(f[Hz])の関数として図示する。ピークは、(モード数(n,m)により示される)共振周波数において見ることができる。しかしながら、鋭い下降Dが、前記ピーク間において明白である。これらの降下は、近隣のモードが同じ振幅を持つが反対の位相を持つ点、即ち(3,1)ピークと(1,3)ピークとの間及び(3,3)ピーク及び(5,1)ピークとの間の点に対応する。前記スペクトルにおけるこのような音圧降下、即ち下降は、音声生成又は記録品質を低下させる。基本的に、このような下降における音声を生成又は記録する能力は、強力に低下される。同じ現象が、音声を記録する場合にも生じる。
【0031】
図6は、より大きな中心アクチュエータを持つ設計を図示する。より大きなアクチュエータは、一般に、より多くのパワーを与えるが、(3,3)モード及び(5,1)モードの符号が正から負に変化される。図7は、強力な下降が(1,3)ピークと(3,3)ピークとの間で明白である場合に、前記駆動効率に対する結果を示す。したがって、中心に配置された前記アクチュエータのサイズの単純な増大又は減少は、前記スペクトルにおける下降に対する解決法に導かない。
【0032】
これは以下のように表されることができる。
【表2】
【0033】
本発明の目的は、この負の効果を低減することである。
【0034】
図8は、図6に示された設計に対して周波数の関数として位相を図示する。前記下降の位置が示される。前記下降は、図4を参照すると、2つの連続したモード(n,m)が、例えば(1,3)モードと(3,1)モードとの間で、同じ符号を持つ条件に対応する。
【0035】
本発明は、これらの問題が以下の条件下で低減されるという認識に基づいている。
‐前記圧電アクチュエータが、前記パネルの両方の対称軸に対して実質的に対称に前記パネルに結合される。
‐前記圧電アクチュエータが、初めの5つの奇数励起モードが動作において交代する符号で作動されるように構成される。
【0036】
この対称の構成は、奇数モード(1,1)、(1,3)、(3,1)、(3,3)、(5,1)等のみ、即ちn及びmが両方とも奇数であるモード(n,m)のみが励起されることを意味する。これは、実体積速度を増大する。前記実体積速度は、モード体積寄与の和にほかならない。(実体積速度に対する)前記モード寄与は、前記パネルの幾何学的構成並びに前記圧電素子の幾何学的構成及び特定のパネル上の前記圧電素子の位置の関数である。数学的計算が証明し、実験が示すのは、1)体積速度に寄与するモードのみが作動される場合に、前記実体積速度が高く、及び2)前記モード寄与の符号パターンが、増大する周波数に対して正と負との間で交代する場合に、反共振(音圧における降下、下降)が、上記の条件が持続する周波数、本発明においては少なくとも5番目のモード(この例では(5,1)モード)まで防止されることである。現実には、前記対称軸に対する完全な対称性が得られることができないことに注意する。本発明の範囲において、前記アクチュエータは、前記パネルの前記対称軸の10%以内、好ましくは5%以内、より好ましくは2%以内で対称である場合に実質的に対称である。奇数及び偶数モードのパワーレベルに関して論じられる場合、前記アクチュエータは、関連する周波数範囲(初めのピークから5番目又は6番目の偶数モードまでの範囲)内の偶数モード(即ちn及び/又はmが偶数であるモード)のパワーレベルが、実質的に奇数モードのパワーレベルより好ましくは15dB以上低い、前記奇数モードのパワーレベルより好ましくは30dB以上低い場合に実質的に対称であると見なされる。
【0037】
図9は、これらの規則に従う設計例を図示する。
【0038】
前記偶数モードは、実質的に駆動されず、増大する周波数の順序で少なくとも5番目までの前記奇数モードは、交代する符号で駆動される。
【表3】
前記符号は、初めの5つの奇数モードに対して交代する。長い対称軸Al及び短い対称軸Asが、図9の最後の部分に示されている。
【0039】
図10は、駆動効率を図示する。共振ピークは依然として明確に見ることができるが、前記下降は、それほど明白ではない(15ないし20dBの差)。
【0040】
図11は、図9に示された設計の位相を図示する。前記位相は、周波数の常に減少する関数である。
【0041】
図12は、駆動効率の差を図示する。図10のグラフにおける下降は、図8のグラフよりかなり明白ではない(およそ15ないし20dB)。結果として、より良い音声再生(又は音声記録)が達成される。
【0042】
実質的に長方形のパネルが使用される場合、好適な構成は、以下の特徴的フィーチャにより規定される。
【0043】
前記パネルは、細長い形状を持ち、中心部分(C)、東部分(E)、西部分(W)、北部分(N)、南部分(S)、北東部分(NE)、北西部分(NW)、南東部分(SE)及び南西部分(SW)を有し、東西軸が、前記パネルの対称軸の短い方(As)に対応し、南北軸が、前記対称軸の長い方(Al)に対応し、前記部分に対する前記圧電アクチュエータの結合は、以下の通りである。
‐F(E)≒F(W)=A*F(C)、但し0≦A-1≦1であり、ここでF(E)は前記東部分における結合であり、F(W)は前記西部分における結合であり、F(C)は前記中心部分における結合であり、
‐他の部分における結合は、前記東部分における結合より実質的に小さい。
【0044】
A-1に対する0の値は、前記東部分及び前記西部分にそれぞれ1つずつ、2つの別個のアクチュエータが存在することを意味する。
【0045】
A-1=1の値は、例えば、前記東部分、前記中心部分及び前記西部分を通して等しい長さのバンドである。
【0046】
A-1=0.5の値は、例えば、図9に示されるようなダンベル形状である。
【0047】
好ましくは、0.25≦A-1≦1、より好ましくは0.25≦A-1≦0.75が適用される。
【0048】
図13は、本発明の基本原理を図示する。この図は、グラフ形式で駆動効率対周波数を示す。2つの体積モードA及びB(例えば(3,1)モード及び(1,3)モード)が考慮される場合、ピーク間の領域における前記駆動効率は、サドル型曲線(図では(-,+:+,-)により示される)又はカスプ状曲線((-,-:+,+)により示される)のいずれかに従うことができる。サドル型曲線は、近隣の体積モードの符号が反対の符号で動作される場合に生じる。この場合、前記効率は、前記ピーク間の領域において加算され、したがって前記曲線は、前記曲線が交わる点の約6dB(=2の倍数)上で最小値を持つ。カスプ型曲線は、近隣の体積モードの符号が同じ符号で動作される場合に生じる。この場合、前記効率は、前記ピーク間の領域において互いから減算される。これら2つのモードのみが考慮される場合、前記効率は−∞まで降下する。しかしながら、現実には、前記カスプの最深点は、より高次のモードの効率に等しい。典型的には、これは、交点の約5ないし20dB下であり、即ち一方の条件と他方の条件との間の差は10ないし25dBであり、これは著しい差である。周波数の関数として前記効率性を測定することにより、サドル状領域又はカスプ状領域がピーク間に存在するかどうかが容易に決定されることができる。これを行うため、前記ピークの直ぐ隣の挙動が解析され、この解析からの仮想的な線が、交差するまで中間の領域内に伸ばされ、交点に対する前記効率曲線の形式が決定される。本発明の装置において、初めの5つの奇数モード間にサドル状挙動が存在する。
【0049】
図9に示される構成は、これらの規則に従う。これらの例における全体的な形状は、前記長方形パネルの短軸に沿って配置されたダンベル状形状である。他の部分(NW、N、NW、SW、S、SE)に対する結合を追加することは、一部の低いモードにおける駆動効率を増大するが、より高次のモードにおける駆動効率を低下させる。前記中心部分における結合の増大に対しても同じである。
【0050】
図14は、使用される様々な省略形を図示する。1つの部分内の結合は、この部分内の前記圧電アクチュエータの面積Arと結合係数Ccとの積である。同じタイプの取り付けがしばしば前記圧電素子を通して使用されるので、前記結合係数はしばしば全ての部分に対して同じであり、この場合、前記結合間の比は、単純に関連する部分内の前記圧電素子による面積間の比である。
【0051】
図15は、図9に示された設計の様々な変形例を図示する。前記図の上の部分は、図9に示された構成を示し、真ん中の部分は、わずかに変更された構成を示し、下の部分は、前記圧電アクチュエータが、前記パネルの各側に1つになるように2つのサブアクチュエータ4'及び4"に分割され、4"がアクチュエータ4'のサイズの約半分(25%と75%との間)である構成を示す。
【0052】
図16は、前記設計の異なる変形例を図示する。前記圧電アクチュエータ自体は、前記E、C及びW部分を覆う単純なバンド構造である。しかしながら、前記中心部分において、前記アクチュエータと前記パネルとの間の結合が、中間層により(25%と75%との間だけ)減少される。
【0053】
多くの変形例が本発明の範囲内で可能であることが明らかである。
【0054】
例えば、好適な実施例において、平面状アクチュエータは圧電アクチュエータである。他の好適な実施例において、前記アクチュエータは単一のアクチュエータであり、即ち1つの要素において作成される。これは、非常に単純かつ費用効率が高い実施例である。
【0055】
前記パネルは、実質的に長方形であってもよいが、代わりに1つ又は複数の丸い角を持ってもよい。90°の角度の角は、効率性に関して問題を与えるかもしれない。丸められた角は、より効率的であり得る。
【0056】
図16及び17は、パラメータA-1の関数として効率性の挙動を図示する。
【0057】
図16は、A-1=0.5、即ち例えば図9に示されるダンベル、に対する効率性(実線)及びA-1=0、即ち東部分及び西部分における2つのアクチュエータパッチ、に対する効率性(点線)を示す。これらの曲線を比較する場合、A-1=0に対する曲線が、A-1=0.5に対する曲線より大幅に小さい第1の((1,1)モード)ピークを持つことが明らかになる。この第1のピークは、スペクトルの重要な部分をカバーし、したがってA-1=0.5はA-1=0より好適である。
【0058】
図17は、A-1=0.5、即ち例えば図9に示されるダンベル、に対する効率性(実線)及びA-1=1、例えば東部分、中心部分及び西部分を覆うバンド、に対する効率性(点線)を示す。これらの曲線を比較する場合、最低ピークにおけるいくらかより良い性能を与えるが、A-1=1に対する曲線が、初めの複数のピークと第3及び第4のピークとの間の効率性の大幅に大きな差を示すことが明らかになる。これは、音声信号の歪を生じるかもしれず、A-1=0.5はしたがってA-1=1より好適である。計算は、A-1が好ましくは0.25ないし1、より好ましくは0.4ないし0.6、最も好ましくは0.25ないし0.75の範囲にあることを示す。
【0059】
図19は、本発明の他の例を示す。前記アクチュエータは、初めの6つの奇数モードが交代する符号で駆動されるような形式を持つ。これは、周波数範囲を拡張することを目指す場合に好適である。しかしながら、図9とこの図19を比較する場合、単一のアクチュエータがより小さな面積をもち、これが最大効率性を低下させうることも明らかになる。
【0060】
要約すると、本発明は以下のように記載されることができる。
【0061】
パネル音響トランスデューサは、板状アクチュエータを有する。このパネルスピーカのパネルは、2つの実質的に垂直な対称軸を持ち、板状アクチュエータは、
‐前記アクチュエータが、前記パネルの両方の対称軸に対して実質的に対称に前記パネルに結合され、
‐前記板状アクチュエータが、動作において、増大する周波数の順序における少なくとも初めの5つの奇数励起モードが交代する符号で作動されるように構成される、
ような形で前記スピーカに結合される。
【0062】
前記音響トランスデューサのパワースペクトルにおけるカスプは、これにより防止される。
【0063】
本発明が、上で具体的に示され記載されたものにより限定されないことは、当業者により理解されるべきである。本発明は、各新規の特徴的フィーチャ毎に及び特徴的フィーチャの各組み合わせ毎にある。請求項内の参照符号は、前記請求項の保護範囲を限定しない。動詞"有する"及びその活用形の使用は、請求項に記載されたもの以外の要素の存在を除外しない。要素に先行する冠詞"1つの"の使用は、複数のこのような素子の存在を除外しない。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】圧電アクチュエータを駆動するシステムを概略的に示す。
【図2】圧電アクチュエータを取り付けられたパネルを概略的に示す。
【図3】圧電アクチュエータを有するパネルスピーカを概略的に示す。
【図4】丸い中心アクチュエータ及びパネルの様々な励起モードを図示する。
【図5】中心に配置された丸い圧電アクチュエータを持つ構成に対して周波数の関数として駆動効率をグラフ形式で図示する。
【図6】図4に示されたものより大きな直径を持つ丸いアクチュエータを持つパネルに対する励起モードを図示する。
【図7】図6に示された中心に配置された丸い圧電アクチュエータを持つ構成に対して周波数の関数として駆動効率をグラフ形式で図示する。
【図8】図6に示された構成に対して周波数の関数として位相を図示する。
【図9】本発明による設計例を図示する。
【図10】図9に示された構成に対して駆動効率をグラフ形式で図示する。
【図11】図9の構成に対して周波数の関数として位相を図示する。
【図12】図8と図10との間の駆動効率の差を図示する。
【図13】本発明の基本原理を図示する。
【図14】使用される様々な省略形を図示する。
【図15】図9に示される設計の様々な変形例を図示する。
【図16】設計の異なる変形例を図示する。
【図17】パラメータA-1の関数として駆動効率を図示する。
【図18】パラメータA-1の関数として駆動効率を更に図示する。
【図19】本発明の他の例を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの実質的に垂直な対称軸を持つパネルを作動する板状アクチュエータを有するパネル音響トランスデューサにおいて、前記アクチュエータが、前記パネルの両方の対称軸に対して実質的に対称に前記パネルに結合され、前記アクチュエータが、増大する周波数の順序における少なくとも初めの5つの奇数励起モードが交代する符号で作動されるように構成される、パネル音響トランスデューサ。
【請求項2】
前記板状アクチュエータが、動作において、増大する順序における少なくとも初めの6つの奇数励起モードが交代する符号で作動されるように構成される、請求項1に記載のパネル音響トランスデューサ。
【請求項3】
前記板状アクチュエータが圧電アクチュエータである、請求項1又は2に記載のパネル音響トランスデューサ。
【請求項4】
前記板状アクチュエータが、単一のアクチュエータである、請求項1又は2に記載のパネル音響トランスデューサ。
【請求項5】
前記パネルが、細長い形状を持ち、中心部分、東部分、西部分、北部分、南部分、北東部分、北西部分、南東部分及び南西部分を有し、東西軸が、前記パネルの前記対称軸の短い軸に対応し、南北軸が、前記対称軸の長い軸に対応し、前記部分に対する前記板状アクチュエータの結合が以下のとおりである、即ち
‐F(E)≒F(W)=A*F(C)、但し0≦A-1≦1であり、ここでF(E)は前記東部分における結合であり、F(W)は前記西部分における結合であり、F(C)は前記中心部分における結合であり、
‐他の部分における結合が、前記東部分における結合より実質的に小さい、
請求項1ないし4のいずれか一項に記載のパネル音響トランスデューサ。
【請求項6】
0.25≦A-1≦1である、請求項5に記載のパネル音響トランスデューサ。
【請求項7】
0.25≦A-1≦0.75である、請求項5に記載のパネル音響トランスデューサ。
【請求項8】
前記アクチュエータがダンベル形状を持つ、請求項5、6又は7に記載のパネル音響トランスデューサ。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか一項に記載のパネル音響トランスデューサを有するパネルスピーカ。
【請求項10】
請求項1ないし8のいずれか一項に記載のパネル音響トランスデューサを有する音声生成及び/又は音声記録装置。
【請求項1】
2つの実質的に垂直な対称軸を持つパネルを作動する板状アクチュエータを有するパネル音響トランスデューサにおいて、前記アクチュエータが、前記パネルの両方の対称軸に対して実質的に対称に前記パネルに結合され、前記アクチュエータが、増大する周波数の順序における少なくとも初めの5つの奇数励起モードが交代する符号で作動されるように構成される、パネル音響トランスデューサ。
【請求項2】
前記板状アクチュエータが、動作において、増大する順序における少なくとも初めの6つの奇数励起モードが交代する符号で作動されるように構成される、請求項1に記載のパネル音響トランスデューサ。
【請求項3】
前記板状アクチュエータが圧電アクチュエータである、請求項1又は2に記載のパネル音響トランスデューサ。
【請求項4】
前記板状アクチュエータが、単一のアクチュエータである、請求項1又は2に記載のパネル音響トランスデューサ。
【請求項5】
前記パネルが、細長い形状を持ち、中心部分、東部分、西部分、北部分、南部分、北東部分、北西部分、南東部分及び南西部分を有し、東西軸が、前記パネルの前記対称軸の短い軸に対応し、南北軸が、前記対称軸の長い軸に対応し、前記部分に対する前記板状アクチュエータの結合が以下のとおりである、即ち
‐F(E)≒F(W)=A*F(C)、但し0≦A-1≦1であり、ここでF(E)は前記東部分における結合であり、F(W)は前記西部分における結合であり、F(C)は前記中心部分における結合であり、
‐他の部分における結合が、前記東部分における結合より実質的に小さい、
請求項1ないし4のいずれか一項に記載のパネル音響トランスデューサ。
【請求項6】
0.25≦A-1≦1である、請求項5に記載のパネル音響トランスデューサ。
【請求項7】
0.25≦A-1≦0.75である、請求項5に記載のパネル音響トランスデューサ。
【請求項8】
前記アクチュエータがダンベル形状を持つ、請求項5、6又は7に記載のパネル音響トランスデューサ。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか一項に記載のパネル音響トランスデューサを有するパネルスピーカ。
【請求項10】
請求項1ないし8のいずれか一項に記載のパネル音響トランスデューサを有する音声生成及び/又は音声記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2008−509587(P2008−509587A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−524440(P2007−524440)
【出願日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【国際出願番号】PCT/IB2005/052462
【国際公開番号】WO2006/016294
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【国際出願番号】PCT/IB2005/052462
【国際公開番号】WO2006/016294
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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