パネル剥がし治具及びパネル剥がし方法
【課題】機器のパネル剥がしに用いられるパネル剥がし治具及びパネル剥がし方法に関し、作業効率、作業性の安定化、作業の安全性を高めることにある。
【解決手段】治具本体(4)に設置される携帯電話機(6)等の機器のパネル(10)と機器本体(筐体部16)との間の接着部分にスライサ(38、剥離刃76)を食い込ませ、パネル(10)に沿ってガイドレール(32)上を移動させることにより、機器(携帯電話機6)からパネル(10)を剥離させ、機器本体(筐体部16)からパネル(10)を離脱させる。
【解決手段】治具本体(4)に設置される携帯電話機(6)等の機器のパネル(10)と機器本体(筐体部16)との間の接着部分にスライサ(38、剥離刃76)を食い込ませ、パネル(10)に沿ってガイドレール(32)上を移動させることにより、機器(携帯電話機6)からパネル(10)を剥離させ、機器本体(筐体部16)からパネル(10)を離脱させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等の機器からLCD(Liquid Crystal Display)保護パネル等のパネル剥がしに用いられるパネル剥がし治具及びパネル剥がし方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等のLCDが搭載された機器にはLCDの表示面を保護するための保護パネルが両面接着テープ等で固定されている。LCDや保護パネルが損傷した場合には、両面接着テープの接着部分で保護パネルを剥がし、パネル等の交換等の補修が行われる。保護パネル等のパネル剥がしには接着部分でパネルを剥がすための治工具が用いられる。
【0003】
このようなパネル剥がしの治工具に関し、特許文献1には、粘着テープの側縁部分に刃先をスライドさせながら圧入することで粘着テープの1部分を剥離させる粘着テープ用除去工具が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、被着体に接触して回転するベルトの被着体との接触部を先細にし、ベルトを回転させながら先細のベルトの先端部を被着体に押しつけ、被着体との接触位置におけるベルトの回転方向と同方向に剥離工具を移動させ、被着体から粘着部品を丸めながら剥離することが開示されている。
【特許文献1】実用新案登録第3105607号公報(要約、図1等)
【特許文献2】特開2003−171060公報(要約、図1等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、携帯電話機等のLCD保護パネルを備える機器からそのパネルを剥がすには、パネルと機器本体との間の接着部分にヘラを差し込み、そのヘラをパネルに沿って移動させる手作業により行われている。このようなヘラを用いた手作業では、熟練や器用さ等の作業者の技量によって作業能率が大きく異なるのみならず、作業者の力加減やパネルの接着強度等によりパネルの割れ、作業者の怪我、差し込まれたヘラによるLCD側のガラス面の損傷等を生じ、作業性や安全性に欠け、安定した作業を行えないという不都合があった。
【0006】
このような課題について、特許文献1、2にはその開示や示唆はなく、斯かる課題は特許文献1、2に開示された治工具を用いても解決することができない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、機器のパネル剥がしに用いられるパネル剥がし治具に関し、作業効率、作業性の安定化、作業の安全性を高めることである。
【0008】
また、本発明の他の目的は、機器のパネル剥がしに用いられるパネル剥がし方法に関し、作業効率、作業性の安定化、作業の安全性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、機器のパネル剥がしに用いられるパネル剥がし治具又はその治具を用いたパネル剥がし方法であって、治具本体に設置される携帯電話機等の機器のパネルと機器本体との間の接着部分にスライサを食い込ませ、パネルに沿ってガイドレール上を移動させることにより、機器からパネルを剥離させる構成である。斯かる構成により、上記目的が達成される。
【0010】
そこで、上記目的を達成するため、本発明の第1の側面は、機器のパネル剥がしに用いられるパネル剥がし治具であって、パネルを備える機器を設置する治具本体と、前記治具本体に設置される前記機器の前記パネルの周縁の少なくとも一部に沿って前記治具本体に形成されたガイドレールと、前記治具本体に設置された前記機器の前記パネルと機器本体側との間に食い込ませて前記ガイドレール上を移動し、前記機器から前記パネルを剥離させるスライサとを備える構成である。
【0011】
斯かる構成によれば、機器のパネルと機器本体側との間に食い込ませたスライサの移動軌跡がパネルの周縁の少なくとも一部に沿って形成されているガイドレールにより規制され、スライサの移動により、機器からパネルを剥離させることができる。
【0012】
上記目的を達成するためには、上記パネル剥がし治具において、好ましくは、前記スライサは、前記ガイドレールを移動させる軸部に回転可能な剥離刃を備える構成としてもよい。斯かる構成によれば、スライサの移動により、前記パネルと機器本体側との間に食い込ませた剥離刃が回転するので、剥離刃に作用する摩擦が軽減され、機器からパネルを滑らかに剥離させることができる。
【0013】
上記目的を達成するためには、上記パネル剥がし治具において、好ましくは、治具本体に設置された機器に重ねられて前記治具本体に固定され、前記機器を前記治具本体上に拘束させる拘束治具を備える構成としてもよい。斯かる構成によれば、機器が治具本体に固定されているので、スライサの移動の際に機器の移動がなく、機器からパネルを滑らかに剥離させることができる。
【0014】
上記目的を達成するためには、上記パネル剥がし治具において、好ましくは、治具本体に設置された前記機器の前記パネル上に接着して固定され、前記パネル上に線状の支点を備えて前記パネルに剥離力を付与し、前記スライサを食い込ませる部分の前記パネルの一部を前記機器本体から剥離させる補助治具を備える構成としてもよい。斯かる構成によれば、補助治具で機器からパネルの一部を剥離させ、その剥離部分にスライサを挿入させることができ、剥離を速やかに行うことができる。
【0015】
また、上記目的を達成するため、本発明の第2の側面は、機器のパネル剥がしに用いられるパネル剥がし方法であって、上記パネル剥がし治具を用いて前記機器からパネルを剥がす工程を含む構成である。
【0016】
斯かる構成によれば、機器のパネルと機器本体側との間に食い込ませたスライサの移動軌跡がパネルの周縁の少なくとも一部に沿って形成されているガイドレールにより規制されるので、スライサを移動させることにより、機器からパネルを容易かつ効率的に剥離させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0018】
a.LCD保護パネル等のパネルを携帯電話機等の機器から簡単かつ安全に、迅速に剥がすことができ、パネル剥がしの作業効率、作業性の安定化、作業の安全性を高めることができる。
【0019】
b.パネル剥がしの際にパネルの損傷や機器側の部品の不良の発生等を防止できる。
【0020】
c.機器のパネルと機器本体との間にスライサを食い込ませ、スライサをパネルに沿ってガイドレール上を移動させるだけで、機器からパネルを剥離させることができ、剥離作業の簡単化とともに安全性が高められる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の実施の形態について、図1、図2、図3、図4、図5、図6及び図7を参照する。図1は、パネル剥がし治具の一例を示す斜視図、図2は、パネル剥がしの対象である携帯電話機を示す図、図3は、図2のIII −III 線断面図、図4は、拘束治具が取り付けられた治具本体を上側から見て示した図、図5は、治具本体を拘束治具側から見て示した図、図6は、治具本体をスライサの退避部側から見て示した図、図7は、図1中の拘束治具のVII −VII 線断面図である。
【0022】
パネル剥がし治具2は、図1に示すように、治具本体4と、治具本体4上にパネル剥がしの対象機器として例えば、携帯電話機6(図2)を拘束する拘束治具8と、治具本体4上の携帯電話機6からパネル10(図2)を予備的に剥離させる補助治具12とを備える。
【0023】
また、パネル剥がしの対象の一例である携帯電話機6は、図2に示すように、機器本体として操作部側の筐体部14と、表示部側の筐体部16とを備え、筐体部14、16をヒンジ部18によって開閉可能に構成されている。筐体部16側には、図3に示すように、LCD素子20が搭載され、パネル10が接着剤として例えば、両面接着シート22で接着、固定されている。
【0024】
そこで、パネル剥がし治具2の治具本体4は、図1及び図4に示すように、前面板24と背面板26とを複数のねじ28によって結合した板状体であって、前面板24及び背面板26はアルミニウム板等の金属板、剛性の高い合成樹脂板等で形成される。この治具本体4には、携帯電話機6(図12)が載置されて位置決めされる載置部30と、載置部30の周囲部に形成されたガイドレール32と、拘束治具8を着脱させるための着脱部34、36とが形成されているとともに、ガイドレール32を移動するスライサ38が設置されている。
【0025】
載置部30は、携帯電話機6の機器本体の一部を収納させる窪みであって、第1及び第2の凹部40、42及び縁部44を備える。凹部40は、携帯電話機6の機器本体として例えば、表示部側の筐体部16(図12)に対応し、凹部42は操作部側の筐体部14に対応し、それぞれの外観形状を包含する相似形であり、縁部44はヒンジ部18に隣接する窪みに対応する。
【0026】
ガイドレール32は、載置部30の凹部40側の周囲部を包囲するように形成され、スライサ38を摺動可能にしかも垂直状態に支持する支持手段であるとともに、スライサ38の移動経路を規制するガイド手段であって、ガイドレール32の始端及び終端には、スライサ38をパネル10の剥離位置から退避させる退避部52がガイドレール32を治具本体4の幅方向に延長させて形成されている。
【0027】
拘束治具8は、載置部30に載置された携帯電話機6を治具本体4に拘束する拘束手段であって、具体的には、載置部30に載置された携帯電話機6を凹部42側で治具本体4に拘束する。拘束治具8はスライサ38の移動を妨げることなく、作業者が例えば、左手で拘束治具8を押え、スライサ38を右手で操作することを可能にする。
【0028】
そこで、この拘束治具8には、カバー部54と、脚部56、58と、押え突部60とを備えている。カバー部54は、治具本体4と平行に設置される面部であって、ほぼ台形状であり、携帯電話機6の幅より広い幅を備えている。脚部56、58は、着脱部34、36に挿入されるとともに、着脱部34、36に係合させる係合爪部62を備えている。着脱部34、36には、脚部56、58及び係合爪部62を通過させるために開口面積の広い挿入部64(図4)が形成され、この挿入部64に連続して形成された係合溝部66を備えている。挿入部64に挿入された脚部56、58及び係合爪部62を係合溝部66側に移動させると、係合爪部62が係合溝部66に係合し、拘束治具8が治具本体4に固定される。また、カバー部54は、治具本体4上の携帯電話機6のヒンジ部18に置かれ(図14、図15)、その携帯電話機6の移動を阻止する。
【0029】
また、拘束治具8が携帯電話機6の上に設置されることから、拘束治具8には、図7に示すように、カバー部54及び押え突部60の内面側には弾性合成樹脂等の弾性部材によって形成された弾性層68が形成されている。この弾性層68により、携帯電話機6の外観の保護が図られる。
【0030】
補助治具12は例えば、三角柱状であって、下面部に接着層70が形成されるとともに、下縁部72が梃子の支点を形成する。接着層70はパネル10に対する接着手段として例えば、両面接着シートで形成されている。パネル10の剥離開始位置側に接着して立設させた補助治具12に下縁部72を支点にして回動力を付与すれば、補助治具12に接着しているパネル10の角部が引き剥がされて浮き上がらせることができる。
【0031】
次に、パネル剥がし治具2のスライサ38について、図8、図9及び図10を参照する。図8は、図4のVIII−VIII線断面図、図9は、スライサを示す分解斜視図、図10は、治具本体のスライサ部分を示す拡大断面図である。図8、図9及び図10において、図1ないし図7と同一部分には同一符号を付してある。
【0032】
スライサ38は、図8に示すように、ガイドレール32に設置されて摺動可能に治具本体4に支持され、その移動によってパネル10を剥がす治具である。
【0033】
そこで、図9に示すように、スライサ38は支持軸74と、剥離刃76と、ハンドル部78とを備えている。支持軸74は同径のフラットな軸部80と、軸部80の下端側に径大かつ偏平な柱状のフランジ部82と、軸部80の上端側に円周方向に形成された溝部84とを備え、例えば、ステンレス等の金属で形成されている。溝部84には固定手段である固定リング85が取り付けられる。固定リング85には例えば、EリングやCリングを用いればよい。
【0034】
剥離刃76は、円盤状の刃部86と、刃部86を軸部80に対して直交方向(即ち、水平方向)に維持するための軸受部88とを備え、例えば、ステンレス等の金属で形成される。刃部86は、図10に示すように、下面側をフラット面90に形成され、上面側を傾斜面92として周縁を先鋭に形成されている。また、軸受部88には軸部80より僅かに径大な軸受孔94が形成され、この軸受孔94に軸部80を貫通させ、剥離刃76が軸受孔94により回転可能に軸部80に支持される。
【0035】
また、ハンドル部78は例えば、同径の円筒体であって、軸部80の外径より僅かに大きい貫通孔96が形成され、軸部80に取り付けられる。このハンドル部78も例えば、ステンレス等の金属で形成される。
【0036】
そして、ガイドレール32は、図10に示すように、前面板24の上面側に支持軸74の軸部80を摺動させるための溝部98が形成されるとともに、前面板24の下面側にフランジ部82を移動させるための溝部100が形成され、溝部100は背面板26によって閉じられている。
【0037】
そこで、ガイドレール32に立設された支持軸74の軸部80には剥離刃76及びハンドル部78が重ねられて取り付けられ、軸部80の溝部84に固定リング85が固定されている。従って、剥離刃76の軸受部88は治具本体4の前面板24に載せられて摺動し、剥離刃76及びハンドル部78が軸部80に支持されて回転可能であり、かつ、支持軸74はガイドレール32上を移動可能である。
【0038】
次に、パネルのパネル剥がしの工程について、図11、図12、図13、図14、図15、図16、図17、図18、図19、図20、図21及び図22を参照する。図11ないし図22は、パネルのパネル剥がし方法の一例である工程を示し、図11は、治具本体、携帯電話機、拘束治具及び補助治具を示す斜視図、図12は、携帯電話機が載置された治具本体を示す断面図、図13は、拘束治具への治具本体の装着を示す図、図14は、拘束治具で治具本体に拘束された携帯電話機を示す図、図15は、図14のXV−XV線断面図、図16は、図14のXVI −XVI 線断面図、図17は、補助治具が設置された治具本体上の携帯電話機を示す斜視図、図18は、補助治具が設置された治具本体上の携帯電話機を示す図、図19は、パネルと補助治具との関係を示す図、図20は、補助治具によるパネル剥がし及びスライサの挿入状態を示す図、図21は、スライサの移動を示す図、図22は、携帯電話機から引き剥がされたパネル及び携帯電話機を示す図である。図11ないし図22において、図1ないし図10と同一部分には同一符号を付してある。
【0039】
このパネル剥がし方法では、治具本体4に対する携帯電話機6の設置及び固定工程、携帯電話機6に対するスライサ38の挿入工程、スライサ38を移動するパネル剥がし工程を含んでいる。
【0040】
A)携帯電話機6の設置及び固定工程
【0041】
図11に示すように、パネル剥がしの対象である携帯電話機6は治具本体4の載置部30に載置され、拘束治具8は携帯電話機6の上から治具本体4に取り付けられ、補助治具12は携帯電話機6のパネル10上に固定される。携帯電話機6は図12に示すように、載置部30の凹部40側に携帯電話機6の筐体部16、凹部42側に筐体部14がそれぞれ位置決めされて設置される。このとき、スライサ38はガイドレール32の退避部52側に退避させておけばよい。
【0042】
治具本体4には、図13に示すように、載置部30に載置された携帯電話機6の上面部側から拘束治具8が重ねられ、拘束治具8の脚部56、58が治具本体4の着脱部34、36の挿入部64に挿入される。図13において、拘束治具8を挿入状態で矢印A方向に移動させると、脚部56、58は、図14に示すように、係合溝部66に移動させることができ、携帯電話機6は図15に示すように、治具本体4の載置部30上に拘束される。
【0043】
この拘束状態について、図16を参照する。図16に示すように、拘束治具8の脚部56、58の各係合爪部62は、係合爪部62を挿入させる係合溝部66の内部に拘束され、携帯電話機6の上方向への移動を阻止する。このため、パネル剥がしが可能な状態に携帯電話機6が治具本体4に維持される。即ち、携帯電話機6は、拘束治具8による治具本体4からの上方移動の阻止と、載置部30の凹部40、42に筐体部14、16が嵌め込まれることによる水平移動の阻止の2面方向からの阻止により、安定した固定状態が維持される。
【0044】
治具本体4に固定された携帯電話機6のパネル10に対し、図17に示すように、補助治具12が取り付けられ、この補助治具12は、図18に示すように、その角部をパネル10の剥がし開始部側の角部に合わせ、即ち、下縁部72をパネル10の中心側の対角線方向に維持させてパネル10の上面に固定させる。
【0045】
B)スライサ38の挿入工程(部分的なパネル剥がしの工程)
【0046】
スライサ38の挿入工程は、補助治具12を以てパネル10を携帯電話機6の機器本体である筐体部16から僅かに引き剥がすとともに、スライサ38を退避部52から移動させ、パネル10の引き剥がし部分に剥離刃76を進入させる工程である。
【0047】
図19に示すように、パネル10に固定された補助治具12の下縁部72は、パネル10のほぼ対角線O、O’上に維持されるので、作業者が補助治具12を例えば、左手で掴み、携帯電話機6側に押し付けながら対角線O、O’に合致している下縁部72を支点として梃子の要領で矢印B方向に傾斜させる力を加えると、補助治具12が固定されているパネル10は、図20に示すように、携帯電話機6の筐体部16から部分的に角部が剥離する。筐体部16とパネル10との角度θは、作業者が補助治具12に加える力に依存する。
【0048】
そこで、作業者は、ガイドレール32の退避部52に退避させていたスライサ38を例えば、右手で操作して携帯電話機6側に移動させ、図20に示すように、その剥離刃76の先端部を携帯電話機6の筐体部16とパネル10との間に挿入させる。剥離刃76を挿入させた後は、補助治具12に加えていた力を解除してもスライサ38の挿入状態が維持され、スライサ38の剥離刃76は楔と同様の機能を呈し、その剥離刃76により、パネル10は部分的に浮き上がった状態となる。
【0049】
ところで、スライサ38の剥離刃76の下面と治具本体4の上面との間隔をh1 、治具本体4から突出する携帯電話機6の筐体部16の突出高さをh2 とすれば、これらの大小関係はh1 >h2 に設定されており、しかも、筐体部16の突出高さh2 はスライサ38の移動範囲で同一に設定されているので、スライサ38が移動しても、剥離刃76が筐体部16に接触することはない。即ち、スライサ38の剥離刃76と筐体部16との間には、間隔Δh(=h1 −h2 )が設定されているので、剥離刃76と筐体部16とが接触することはなく、筐体部16がスライサ38によって損傷することはない。
【0050】
C)スライサ38の移動工程(全面的なパネル剥がしの工程)
【0051】
筐体部16とパネル10との間に剥離刃76を挿入させたスライサ38は、図21に示す矢印C方向に移動させれば、筐体部16からパネル10を剥離させることができる。
【0052】
この場合、パネル10側には両面接着シート22が付着しており、この両面接着シート22が剥離刃76に付着するが、剥離刃76がステンレス等の金属であるため、両面接着シート22との接着性が低く、しかも、剥離刃76はスライサ38の支持軸74上で回転可能であるから、スライサ38の移動に伴って回転するので、スライサ38の移動が妨げられることはない。スライサ38がガイドレール32を移動し、終端部側の退避部52に移動すると、図22に示すように、治具本体4にある携帯電話機6の筐体部16からパネル10が補助治具12とともに分離される。作業者は、補助治具12を掴み、パネル10を筐体部16から離脱させることができる。
【0053】
筐体部16から離脱させたパネル10には補助治具12が一体化されているので、補助治具12によってパネル10を操作することができ、パネル10単体の操作に比較し、その取扱いが容易になるとともに、筐体部16から露出しているLCD素子20のガラス面を間接的に防護することができる。
【0054】
以上述べたパネル剥がし治具2及びパネル剥がし方法について、その特徴事項や利点を列挙すれば、次の通りである。
【0055】
(1) パネル10を携帯電話機6の筐体部16から簡単かつ安全に、迅速に剥がすことができ、パネル剥がしの作業効率、作業性の安定化、作業の安全性が高められる。
【0056】
(2) パネル剥がしに対する作業者の技量や熟練に影響を受けることなく、一定の作業効率が得られる。
【0057】
(3) パネル剥がしの際にパネル10の損傷や携帯電話機6側のLCD素子20の不良の発生等を防止できる。
【0058】
(4) 携帯電話機6のパネル10と機器本体である筐体部16との間にスライサ38の剥離刃76を食い込ませ、スライサ38をパネル10に沿ってガイドレール32上を移動させるだけで、筐体部16からパネル10を剥離させることができ、剥離作業の簡単化とともに安全性が高められる。
【0059】
(5) 拘束治具8には携帯電話機6と接触する部分に弾性層68が備えられているので、拘束治具8によって拘束される携帯電話機6は、弾性層68によって傷等の損傷から防護される。
【0060】
(6) 治具本体4の載置部30には、携帯電話機6等の機器を防護する弾性層を設置してもよい。
【0061】
〔他の実施の形態等〕
【0062】
上記実施の形態に対し、他の実施の形態や変形例を以下に列挙する。
【0063】
(1) 上記実施の形態では、パネル剥がし対象として携帯電話機6を例示したが、引き剥がし可能なパネルを備える機器であればよく、引き剥がし対象には携帯情報端末機(PDA:Personal Digital Assistant)や、パーソナルコンピュータ、ゲーム機器等の各種機器にも本発明を適用することができる。
【0064】
(2) 上記実施の形態では、載置部30が凹部40、42で構成されているが、治具本体4の上面に立壁(突部)を設けて携帯電話機6等の機器を載置する構成としてもよい。
【0065】
(3) 拘束治具8について、上記実施の形態では、治具本体4に着脱可能に拘束治具8を設置したが、治具本体4に拘束治具8を固定状態で開閉可能にし、その拘束治具8と治具本体4との間に携帯電話機6等の機器を挿入し、拘束する構成としてもよい。
【0066】
(4) 補助治具12とパネル10との接着に両面接着シートを用いたが、他の接着手段を用いてもよい。
【0067】
次に、以上述べた本発明の実施の形態から抽出される技術的思想を請求項の記載形式に準じて付記として列挙する。本発明に係る技術的思想は上位概念から下位概念まで、様々なレベルやバリエーションにより把握できるものであり、以下の付記に本発明が限定されるものではない。
【0068】
(付記1) 機器のパネル剥がしに用いられるパネル剥がし治具であって、
パネルを備える機器を設置する治具本体と、
前記治具本体に設置される前記機器の前記パネルの周縁の少なくとも一部に沿って前記治具本体に形成されたガイドレールと、
前記治具本体に設置された前記機器の前記パネルと機器本体側との間に食い込ませて前記ガイドレール上を移動し、前記機器から前記パネルを剥離させるスライサと、
を備えることを特徴とするパネル剥がし治具。
【0069】
(付記2) 付記1のパネル剥がし治具において、
前記スライサは、前記ガイドレールを移動させる軸部に回転可能な剥離刃を備えることを特徴とするパネル剥がし治具。
【0070】
(付記3) 付記2のパネル剥がし治具において、
前記軸部は、前記ガイドレールに移動可能に支持されていることを特徴とするパネル剥がし治具。
【0071】
(付記4) 付記1のパネル剥がし治具において、
前記ガイドレールは、前記パネルの位置から前記スライサを移動させて退避させる退避部を備えることを特徴とするパネル剥がし治具。
【0072】
(付記5) 付記1のパネル剥がし治具において、
前記治具本体は、前記機器本体の少なくとも一部を嵌合させて載置する凹部を備えることを特徴とするパネル剥がし治具。
【0073】
(付記6) 付記1のパネル剥がし治具において、
治具本体に設置された機器に重ねられて前記治具本体に固定され、前記機器を前記治具本体上に拘束させる拘束治具を備えることを特徴とするパネル剥がし治具。
【0074】
(付記7) 付記1のパネル剥がし治具において、
治具本体に設置された前記機器の前記パネル上に接着して固定され、前記パネル上に線状の支点を備えて前記パネルに剥離力を付与し、前記スライサを食い込ませる部分の前記パネルの一部を前記機器本体から剥離させる補助治具を備えることを特徴とするパネル剥がし治具。
【0075】
(付記8) 付記1のパネル剥がし治具において、
前記機器本体と前記パネルとが両面接着シートで接着されている機器のパネル剥がしに用いられることを特徴とするパネル剥がし治具。
【0076】
(付記9) 付記1のパネル剥がし治具において、
前記スライサは、前記ガイドレールを移動させるハンドル部を備えることを特徴とするパネル剥がし治具。
【0077】
(付記10) 付記1のパネル剥がし治具において、
前記スライサは、剥離刃を回動可能に支持する軸部と、前記ガイドレールに支持させるフランジ部とを備えることを特徴とするパネル剥がし治具。
【0078】
(付記11) 付記10のパネル剥がし治具において、
前記ガイドレールは、前記軸部を移動させる第1の溝部と、前記フランジ部を移動させる第2の溝部とを備えることを特徴とするパネル剥がし治具。
【0079】
(付記12) 機器のパネル剥がしに用いられるパネル剥がし方法であって、
付記1ないし付記11に記載のパネル剥がし治具を用いて前記機器からパネルを剥がす工程を含むことを特徴とするパネル剥がし方法。
【0080】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、機器のパネル剥がしに用いられるパネル剥がし治具及びパネル剥がし方法に関し、LCD保護パネル等のパネルを携帯電話機等の機器から簡単かつ安全に、迅速に行うことができ、パネル剥がしの作業効率、作業性の安定化、作業の安全性を高めることができ、パネル剥がしの際にパネルの損傷や機器側の部品の不良の発生等を防止できる等、有用である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明のパネル剥がし治具の一例を示す斜視図である。
【図2】携帯電話機を示す図である。
【図3】図2のIII −III 線断面図である。
【図4】拘束治具が取り付けられた治具本体を上から見て示した図である。
【図5】拘束治具が取り付けられた治具本体を拘束治具側から見て示した図である。
【図6】拘束治具が取り付けられた治具本体をスライサの退避部側から見て示した図である。
【図7】図1に示す拘束治具のVII −VII 線断面図である。
【図8】図4のVIII−VIII線断面図である。
【図9】スライサを示す分解斜視図である。
【図10】治具本体のスライサ部分を示す断面図である。
【図11】治具本体、携帯電話機、拘束治具及び補助治具を示す斜視図である。
【図12】携帯電話機が設置された治具本体を示す断面図である。
【図13】携帯電話機上から拘束治具を設置した治具本体を示す図である。
【図14】拘束治具で携帯電話機を拘束した治具本体を示す図である。
【図15】図14のXV−XV線断面図である。
【図16】図14のXVI −XVI 線断面図である。
【図17】治具本体上の携帯電話機に補助治具を設置した状態を示す図である。
【図18】携帯電話機上に補助治具を設置した状態を示す図である。
【図19】パネルに対する補助治具の位置を示す図である。
【図20】補助治具によるパネル剥がし及びスライサの挿入状態を示す図である。
【図21】スライサによるパネル剥がしを示す図である。
【図22】パネルが引き剥がされた携帯電話機及びそのパネルを示す断面図である。
【符号の説明】
【0083】
2 パネル剥がし治具
4 治具本体
6 携帯電話機
8 拘束治具
10 パネル
12 補助治具
14、16 筐体部
18 ヒンジ部
32 ガイドレール
38 スライサ
74 支持軸
76 剥離刃
78 ハンドル部
80 軸部
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等の機器からLCD(Liquid Crystal Display)保護パネル等のパネル剥がしに用いられるパネル剥がし治具及びパネル剥がし方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等のLCDが搭載された機器にはLCDの表示面を保護するための保護パネルが両面接着テープ等で固定されている。LCDや保護パネルが損傷した場合には、両面接着テープの接着部分で保護パネルを剥がし、パネル等の交換等の補修が行われる。保護パネル等のパネル剥がしには接着部分でパネルを剥がすための治工具が用いられる。
【0003】
このようなパネル剥がしの治工具に関し、特許文献1には、粘着テープの側縁部分に刃先をスライドさせながら圧入することで粘着テープの1部分を剥離させる粘着テープ用除去工具が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、被着体に接触して回転するベルトの被着体との接触部を先細にし、ベルトを回転させながら先細のベルトの先端部を被着体に押しつけ、被着体との接触位置におけるベルトの回転方向と同方向に剥離工具を移動させ、被着体から粘着部品を丸めながら剥離することが開示されている。
【特許文献1】実用新案登録第3105607号公報(要約、図1等)
【特許文献2】特開2003−171060公報(要約、図1等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、携帯電話機等のLCD保護パネルを備える機器からそのパネルを剥がすには、パネルと機器本体との間の接着部分にヘラを差し込み、そのヘラをパネルに沿って移動させる手作業により行われている。このようなヘラを用いた手作業では、熟練や器用さ等の作業者の技量によって作業能率が大きく異なるのみならず、作業者の力加減やパネルの接着強度等によりパネルの割れ、作業者の怪我、差し込まれたヘラによるLCD側のガラス面の損傷等を生じ、作業性や安全性に欠け、安定した作業を行えないという不都合があった。
【0006】
このような課題について、特許文献1、2にはその開示や示唆はなく、斯かる課題は特許文献1、2に開示された治工具を用いても解決することができない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、機器のパネル剥がしに用いられるパネル剥がし治具に関し、作業効率、作業性の安定化、作業の安全性を高めることである。
【0008】
また、本発明の他の目的は、機器のパネル剥がしに用いられるパネル剥がし方法に関し、作業効率、作業性の安定化、作業の安全性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、機器のパネル剥がしに用いられるパネル剥がし治具又はその治具を用いたパネル剥がし方法であって、治具本体に設置される携帯電話機等の機器のパネルと機器本体との間の接着部分にスライサを食い込ませ、パネルに沿ってガイドレール上を移動させることにより、機器からパネルを剥離させる構成である。斯かる構成により、上記目的が達成される。
【0010】
そこで、上記目的を達成するため、本発明の第1の側面は、機器のパネル剥がしに用いられるパネル剥がし治具であって、パネルを備える機器を設置する治具本体と、前記治具本体に設置される前記機器の前記パネルの周縁の少なくとも一部に沿って前記治具本体に形成されたガイドレールと、前記治具本体に設置された前記機器の前記パネルと機器本体側との間に食い込ませて前記ガイドレール上を移動し、前記機器から前記パネルを剥離させるスライサとを備える構成である。
【0011】
斯かる構成によれば、機器のパネルと機器本体側との間に食い込ませたスライサの移動軌跡がパネルの周縁の少なくとも一部に沿って形成されているガイドレールにより規制され、スライサの移動により、機器からパネルを剥離させることができる。
【0012】
上記目的を達成するためには、上記パネル剥がし治具において、好ましくは、前記スライサは、前記ガイドレールを移動させる軸部に回転可能な剥離刃を備える構成としてもよい。斯かる構成によれば、スライサの移動により、前記パネルと機器本体側との間に食い込ませた剥離刃が回転するので、剥離刃に作用する摩擦が軽減され、機器からパネルを滑らかに剥離させることができる。
【0013】
上記目的を達成するためには、上記パネル剥がし治具において、好ましくは、治具本体に設置された機器に重ねられて前記治具本体に固定され、前記機器を前記治具本体上に拘束させる拘束治具を備える構成としてもよい。斯かる構成によれば、機器が治具本体に固定されているので、スライサの移動の際に機器の移動がなく、機器からパネルを滑らかに剥離させることができる。
【0014】
上記目的を達成するためには、上記パネル剥がし治具において、好ましくは、治具本体に設置された前記機器の前記パネル上に接着して固定され、前記パネル上に線状の支点を備えて前記パネルに剥離力を付与し、前記スライサを食い込ませる部分の前記パネルの一部を前記機器本体から剥離させる補助治具を備える構成としてもよい。斯かる構成によれば、補助治具で機器からパネルの一部を剥離させ、その剥離部分にスライサを挿入させることができ、剥離を速やかに行うことができる。
【0015】
また、上記目的を達成するため、本発明の第2の側面は、機器のパネル剥がしに用いられるパネル剥がし方法であって、上記パネル剥がし治具を用いて前記機器からパネルを剥がす工程を含む構成である。
【0016】
斯かる構成によれば、機器のパネルと機器本体側との間に食い込ませたスライサの移動軌跡がパネルの周縁の少なくとも一部に沿って形成されているガイドレールにより規制されるので、スライサを移動させることにより、機器からパネルを容易かつ効率的に剥離させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0018】
a.LCD保護パネル等のパネルを携帯電話機等の機器から簡単かつ安全に、迅速に剥がすことができ、パネル剥がしの作業効率、作業性の安定化、作業の安全性を高めることができる。
【0019】
b.パネル剥がしの際にパネルの損傷や機器側の部品の不良の発生等を防止できる。
【0020】
c.機器のパネルと機器本体との間にスライサを食い込ませ、スライサをパネルに沿ってガイドレール上を移動させるだけで、機器からパネルを剥離させることができ、剥離作業の簡単化とともに安全性が高められる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の実施の形態について、図1、図2、図3、図4、図5、図6及び図7を参照する。図1は、パネル剥がし治具の一例を示す斜視図、図2は、パネル剥がしの対象である携帯電話機を示す図、図3は、図2のIII −III 線断面図、図4は、拘束治具が取り付けられた治具本体を上側から見て示した図、図5は、治具本体を拘束治具側から見て示した図、図6は、治具本体をスライサの退避部側から見て示した図、図7は、図1中の拘束治具のVII −VII 線断面図である。
【0022】
パネル剥がし治具2は、図1に示すように、治具本体4と、治具本体4上にパネル剥がしの対象機器として例えば、携帯電話機6(図2)を拘束する拘束治具8と、治具本体4上の携帯電話機6からパネル10(図2)を予備的に剥離させる補助治具12とを備える。
【0023】
また、パネル剥がしの対象の一例である携帯電話機6は、図2に示すように、機器本体として操作部側の筐体部14と、表示部側の筐体部16とを備え、筐体部14、16をヒンジ部18によって開閉可能に構成されている。筐体部16側には、図3に示すように、LCD素子20が搭載され、パネル10が接着剤として例えば、両面接着シート22で接着、固定されている。
【0024】
そこで、パネル剥がし治具2の治具本体4は、図1及び図4に示すように、前面板24と背面板26とを複数のねじ28によって結合した板状体であって、前面板24及び背面板26はアルミニウム板等の金属板、剛性の高い合成樹脂板等で形成される。この治具本体4には、携帯電話機6(図12)が載置されて位置決めされる載置部30と、載置部30の周囲部に形成されたガイドレール32と、拘束治具8を着脱させるための着脱部34、36とが形成されているとともに、ガイドレール32を移動するスライサ38が設置されている。
【0025】
載置部30は、携帯電話機6の機器本体の一部を収納させる窪みであって、第1及び第2の凹部40、42及び縁部44を備える。凹部40は、携帯電話機6の機器本体として例えば、表示部側の筐体部16(図12)に対応し、凹部42は操作部側の筐体部14に対応し、それぞれの外観形状を包含する相似形であり、縁部44はヒンジ部18に隣接する窪みに対応する。
【0026】
ガイドレール32は、載置部30の凹部40側の周囲部を包囲するように形成され、スライサ38を摺動可能にしかも垂直状態に支持する支持手段であるとともに、スライサ38の移動経路を規制するガイド手段であって、ガイドレール32の始端及び終端には、スライサ38をパネル10の剥離位置から退避させる退避部52がガイドレール32を治具本体4の幅方向に延長させて形成されている。
【0027】
拘束治具8は、載置部30に載置された携帯電話機6を治具本体4に拘束する拘束手段であって、具体的には、載置部30に載置された携帯電話機6を凹部42側で治具本体4に拘束する。拘束治具8はスライサ38の移動を妨げることなく、作業者が例えば、左手で拘束治具8を押え、スライサ38を右手で操作することを可能にする。
【0028】
そこで、この拘束治具8には、カバー部54と、脚部56、58と、押え突部60とを備えている。カバー部54は、治具本体4と平行に設置される面部であって、ほぼ台形状であり、携帯電話機6の幅より広い幅を備えている。脚部56、58は、着脱部34、36に挿入されるとともに、着脱部34、36に係合させる係合爪部62を備えている。着脱部34、36には、脚部56、58及び係合爪部62を通過させるために開口面積の広い挿入部64(図4)が形成され、この挿入部64に連続して形成された係合溝部66を備えている。挿入部64に挿入された脚部56、58及び係合爪部62を係合溝部66側に移動させると、係合爪部62が係合溝部66に係合し、拘束治具8が治具本体4に固定される。また、カバー部54は、治具本体4上の携帯電話機6のヒンジ部18に置かれ(図14、図15)、その携帯電話機6の移動を阻止する。
【0029】
また、拘束治具8が携帯電話機6の上に設置されることから、拘束治具8には、図7に示すように、カバー部54及び押え突部60の内面側には弾性合成樹脂等の弾性部材によって形成された弾性層68が形成されている。この弾性層68により、携帯電話機6の外観の保護が図られる。
【0030】
補助治具12は例えば、三角柱状であって、下面部に接着層70が形成されるとともに、下縁部72が梃子の支点を形成する。接着層70はパネル10に対する接着手段として例えば、両面接着シートで形成されている。パネル10の剥離開始位置側に接着して立設させた補助治具12に下縁部72を支点にして回動力を付与すれば、補助治具12に接着しているパネル10の角部が引き剥がされて浮き上がらせることができる。
【0031】
次に、パネル剥がし治具2のスライサ38について、図8、図9及び図10を参照する。図8は、図4のVIII−VIII線断面図、図9は、スライサを示す分解斜視図、図10は、治具本体のスライサ部分を示す拡大断面図である。図8、図9及び図10において、図1ないし図7と同一部分には同一符号を付してある。
【0032】
スライサ38は、図8に示すように、ガイドレール32に設置されて摺動可能に治具本体4に支持され、その移動によってパネル10を剥がす治具である。
【0033】
そこで、図9に示すように、スライサ38は支持軸74と、剥離刃76と、ハンドル部78とを備えている。支持軸74は同径のフラットな軸部80と、軸部80の下端側に径大かつ偏平な柱状のフランジ部82と、軸部80の上端側に円周方向に形成された溝部84とを備え、例えば、ステンレス等の金属で形成されている。溝部84には固定手段である固定リング85が取り付けられる。固定リング85には例えば、EリングやCリングを用いればよい。
【0034】
剥離刃76は、円盤状の刃部86と、刃部86を軸部80に対して直交方向(即ち、水平方向)に維持するための軸受部88とを備え、例えば、ステンレス等の金属で形成される。刃部86は、図10に示すように、下面側をフラット面90に形成され、上面側を傾斜面92として周縁を先鋭に形成されている。また、軸受部88には軸部80より僅かに径大な軸受孔94が形成され、この軸受孔94に軸部80を貫通させ、剥離刃76が軸受孔94により回転可能に軸部80に支持される。
【0035】
また、ハンドル部78は例えば、同径の円筒体であって、軸部80の外径より僅かに大きい貫通孔96が形成され、軸部80に取り付けられる。このハンドル部78も例えば、ステンレス等の金属で形成される。
【0036】
そして、ガイドレール32は、図10に示すように、前面板24の上面側に支持軸74の軸部80を摺動させるための溝部98が形成されるとともに、前面板24の下面側にフランジ部82を移動させるための溝部100が形成され、溝部100は背面板26によって閉じられている。
【0037】
そこで、ガイドレール32に立設された支持軸74の軸部80には剥離刃76及びハンドル部78が重ねられて取り付けられ、軸部80の溝部84に固定リング85が固定されている。従って、剥離刃76の軸受部88は治具本体4の前面板24に載せられて摺動し、剥離刃76及びハンドル部78が軸部80に支持されて回転可能であり、かつ、支持軸74はガイドレール32上を移動可能である。
【0038】
次に、パネルのパネル剥がしの工程について、図11、図12、図13、図14、図15、図16、図17、図18、図19、図20、図21及び図22を参照する。図11ないし図22は、パネルのパネル剥がし方法の一例である工程を示し、図11は、治具本体、携帯電話機、拘束治具及び補助治具を示す斜視図、図12は、携帯電話機が載置された治具本体を示す断面図、図13は、拘束治具への治具本体の装着を示す図、図14は、拘束治具で治具本体に拘束された携帯電話機を示す図、図15は、図14のXV−XV線断面図、図16は、図14のXVI −XVI 線断面図、図17は、補助治具が設置された治具本体上の携帯電話機を示す斜視図、図18は、補助治具が設置された治具本体上の携帯電話機を示す図、図19は、パネルと補助治具との関係を示す図、図20は、補助治具によるパネル剥がし及びスライサの挿入状態を示す図、図21は、スライサの移動を示す図、図22は、携帯電話機から引き剥がされたパネル及び携帯電話機を示す図である。図11ないし図22において、図1ないし図10と同一部分には同一符号を付してある。
【0039】
このパネル剥がし方法では、治具本体4に対する携帯電話機6の設置及び固定工程、携帯電話機6に対するスライサ38の挿入工程、スライサ38を移動するパネル剥がし工程を含んでいる。
【0040】
A)携帯電話機6の設置及び固定工程
【0041】
図11に示すように、パネル剥がしの対象である携帯電話機6は治具本体4の載置部30に載置され、拘束治具8は携帯電話機6の上から治具本体4に取り付けられ、補助治具12は携帯電話機6のパネル10上に固定される。携帯電話機6は図12に示すように、載置部30の凹部40側に携帯電話機6の筐体部16、凹部42側に筐体部14がそれぞれ位置決めされて設置される。このとき、スライサ38はガイドレール32の退避部52側に退避させておけばよい。
【0042】
治具本体4には、図13に示すように、載置部30に載置された携帯電話機6の上面部側から拘束治具8が重ねられ、拘束治具8の脚部56、58が治具本体4の着脱部34、36の挿入部64に挿入される。図13において、拘束治具8を挿入状態で矢印A方向に移動させると、脚部56、58は、図14に示すように、係合溝部66に移動させることができ、携帯電話機6は図15に示すように、治具本体4の載置部30上に拘束される。
【0043】
この拘束状態について、図16を参照する。図16に示すように、拘束治具8の脚部56、58の各係合爪部62は、係合爪部62を挿入させる係合溝部66の内部に拘束され、携帯電話機6の上方向への移動を阻止する。このため、パネル剥がしが可能な状態に携帯電話機6が治具本体4に維持される。即ち、携帯電話機6は、拘束治具8による治具本体4からの上方移動の阻止と、載置部30の凹部40、42に筐体部14、16が嵌め込まれることによる水平移動の阻止の2面方向からの阻止により、安定した固定状態が維持される。
【0044】
治具本体4に固定された携帯電話機6のパネル10に対し、図17に示すように、補助治具12が取り付けられ、この補助治具12は、図18に示すように、その角部をパネル10の剥がし開始部側の角部に合わせ、即ち、下縁部72をパネル10の中心側の対角線方向に維持させてパネル10の上面に固定させる。
【0045】
B)スライサ38の挿入工程(部分的なパネル剥がしの工程)
【0046】
スライサ38の挿入工程は、補助治具12を以てパネル10を携帯電話機6の機器本体である筐体部16から僅かに引き剥がすとともに、スライサ38を退避部52から移動させ、パネル10の引き剥がし部分に剥離刃76を進入させる工程である。
【0047】
図19に示すように、パネル10に固定された補助治具12の下縁部72は、パネル10のほぼ対角線O、O’上に維持されるので、作業者が補助治具12を例えば、左手で掴み、携帯電話機6側に押し付けながら対角線O、O’に合致している下縁部72を支点として梃子の要領で矢印B方向に傾斜させる力を加えると、補助治具12が固定されているパネル10は、図20に示すように、携帯電話機6の筐体部16から部分的に角部が剥離する。筐体部16とパネル10との角度θは、作業者が補助治具12に加える力に依存する。
【0048】
そこで、作業者は、ガイドレール32の退避部52に退避させていたスライサ38を例えば、右手で操作して携帯電話機6側に移動させ、図20に示すように、その剥離刃76の先端部を携帯電話機6の筐体部16とパネル10との間に挿入させる。剥離刃76を挿入させた後は、補助治具12に加えていた力を解除してもスライサ38の挿入状態が維持され、スライサ38の剥離刃76は楔と同様の機能を呈し、その剥離刃76により、パネル10は部分的に浮き上がった状態となる。
【0049】
ところで、スライサ38の剥離刃76の下面と治具本体4の上面との間隔をh1 、治具本体4から突出する携帯電話機6の筐体部16の突出高さをh2 とすれば、これらの大小関係はh1 >h2 に設定されており、しかも、筐体部16の突出高さh2 はスライサ38の移動範囲で同一に設定されているので、スライサ38が移動しても、剥離刃76が筐体部16に接触することはない。即ち、スライサ38の剥離刃76と筐体部16との間には、間隔Δh(=h1 −h2 )が設定されているので、剥離刃76と筐体部16とが接触することはなく、筐体部16がスライサ38によって損傷することはない。
【0050】
C)スライサ38の移動工程(全面的なパネル剥がしの工程)
【0051】
筐体部16とパネル10との間に剥離刃76を挿入させたスライサ38は、図21に示す矢印C方向に移動させれば、筐体部16からパネル10を剥離させることができる。
【0052】
この場合、パネル10側には両面接着シート22が付着しており、この両面接着シート22が剥離刃76に付着するが、剥離刃76がステンレス等の金属であるため、両面接着シート22との接着性が低く、しかも、剥離刃76はスライサ38の支持軸74上で回転可能であるから、スライサ38の移動に伴って回転するので、スライサ38の移動が妨げられることはない。スライサ38がガイドレール32を移動し、終端部側の退避部52に移動すると、図22に示すように、治具本体4にある携帯電話機6の筐体部16からパネル10が補助治具12とともに分離される。作業者は、補助治具12を掴み、パネル10を筐体部16から離脱させることができる。
【0053】
筐体部16から離脱させたパネル10には補助治具12が一体化されているので、補助治具12によってパネル10を操作することができ、パネル10単体の操作に比較し、その取扱いが容易になるとともに、筐体部16から露出しているLCD素子20のガラス面を間接的に防護することができる。
【0054】
以上述べたパネル剥がし治具2及びパネル剥がし方法について、その特徴事項や利点を列挙すれば、次の通りである。
【0055】
(1) パネル10を携帯電話機6の筐体部16から簡単かつ安全に、迅速に剥がすことができ、パネル剥がしの作業効率、作業性の安定化、作業の安全性が高められる。
【0056】
(2) パネル剥がしに対する作業者の技量や熟練に影響を受けることなく、一定の作業効率が得られる。
【0057】
(3) パネル剥がしの際にパネル10の損傷や携帯電話機6側のLCD素子20の不良の発生等を防止できる。
【0058】
(4) 携帯電話機6のパネル10と機器本体である筐体部16との間にスライサ38の剥離刃76を食い込ませ、スライサ38をパネル10に沿ってガイドレール32上を移動させるだけで、筐体部16からパネル10を剥離させることができ、剥離作業の簡単化とともに安全性が高められる。
【0059】
(5) 拘束治具8には携帯電話機6と接触する部分に弾性層68が備えられているので、拘束治具8によって拘束される携帯電話機6は、弾性層68によって傷等の損傷から防護される。
【0060】
(6) 治具本体4の載置部30には、携帯電話機6等の機器を防護する弾性層を設置してもよい。
【0061】
〔他の実施の形態等〕
【0062】
上記実施の形態に対し、他の実施の形態や変形例を以下に列挙する。
【0063】
(1) 上記実施の形態では、パネル剥がし対象として携帯電話機6を例示したが、引き剥がし可能なパネルを備える機器であればよく、引き剥がし対象には携帯情報端末機(PDA:Personal Digital Assistant)や、パーソナルコンピュータ、ゲーム機器等の各種機器にも本発明を適用することができる。
【0064】
(2) 上記実施の形態では、載置部30が凹部40、42で構成されているが、治具本体4の上面に立壁(突部)を設けて携帯電話機6等の機器を載置する構成としてもよい。
【0065】
(3) 拘束治具8について、上記実施の形態では、治具本体4に着脱可能に拘束治具8を設置したが、治具本体4に拘束治具8を固定状態で開閉可能にし、その拘束治具8と治具本体4との間に携帯電話機6等の機器を挿入し、拘束する構成としてもよい。
【0066】
(4) 補助治具12とパネル10との接着に両面接着シートを用いたが、他の接着手段を用いてもよい。
【0067】
次に、以上述べた本発明の実施の形態から抽出される技術的思想を請求項の記載形式に準じて付記として列挙する。本発明に係る技術的思想は上位概念から下位概念まで、様々なレベルやバリエーションにより把握できるものであり、以下の付記に本発明が限定されるものではない。
【0068】
(付記1) 機器のパネル剥がしに用いられるパネル剥がし治具であって、
パネルを備える機器を設置する治具本体と、
前記治具本体に設置される前記機器の前記パネルの周縁の少なくとも一部に沿って前記治具本体に形成されたガイドレールと、
前記治具本体に設置された前記機器の前記パネルと機器本体側との間に食い込ませて前記ガイドレール上を移動し、前記機器から前記パネルを剥離させるスライサと、
を備えることを特徴とするパネル剥がし治具。
【0069】
(付記2) 付記1のパネル剥がし治具において、
前記スライサは、前記ガイドレールを移動させる軸部に回転可能な剥離刃を備えることを特徴とするパネル剥がし治具。
【0070】
(付記3) 付記2のパネル剥がし治具において、
前記軸部は、前記ガイドレールに移動可能に支持されていることを特徴とするパネル剥がし治具。
【0071】
(付記4) 付記1のパネル剥がし治具において、
前記ガイドレールは、前記パネルの位置から前記スライサを移動させて退避させる退避部を備えることを特徴とするパネル剥がし治具。
【0072】
(付記5) 付記1のパネル剥がし治具において、
前記治具本体は、前記機器本体の少なくとも一部を嵌合させて載置する凹部を備えることを特徴とするパネル剥がし治具。
【0073】
(付記6) 付記1のパネル剥がし治具において、
治具本体に設置された機器に重ねられて前記治具本体に固定され、前記機器を前記治具本体上に拘束させる拘束治具を備えることを特徴とするパネル剥がし治具。
【0074】
(付記7) 付記1のパネル剥がし治具において、
治具本体に設置された前記機器の前記パネル上に接着して固定され、前記パネル上に線状の支点を備えて前記パネルに剥離力を付与し、前記スライサを食い込ませる部分の前記パネルの一部を前記機器本体から剥離させる補助治具を備えることを特徴とするパネル剥がし治具。
【0075】
(付記8) 付記1のパネル剥がし治具において、
前記機器本体と前記パネルとが両面接着シートで接着されている機器のパネル剥がしに用いられることを特徴とするパネル剥がし治具。
【0076】
(付記9) 付記1のパネル剥がし治具において、
前記スライサは、前記ガイドレールを移動させるハンドル部を備えることを特徴とするパネル剥がし治具。
【0077】
(付記10) 付記1のパネル剥がし治具において、
前記スライサは、剥離刃を回動可能に支持する軸部と、前記ガイドレールに支持させるフランジ部とを備えることを特徴とするパネル剥がし治具。
【0078】
(付記11) 付記10のパネル剥がし治具において、
前記ガイドレールは、前記軸部を移動させる第1の溝部と、前記フランジ部を移動させる第2の溝部とを備えることを特徴とするパネル剥がし治具。
【0079】
(付記12) 機器のパネル剥がしに用いられるパネル剥がし方法であって、
付記1ないし付記11に記載のパネル剥がし治具を用いて前記機器からパネルを剥がす工程を含むことを特徴とするパネル剥がし方法。
【0080】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、機器のパネル剥がしに用いられるパネル剥がし治具及びパネル剥がし方法に関し、LCD保護パネル等のパネルを携帯電話機等の機器から簡単かつ安全に、迅速に行うことができ、パネル剥がしの作業効率、作業性の安定化、作業の安全性を高めることができ、パネル剥がしの際にパネルの損傷や機器側の部品の不良の発生等を防止できる等、有用である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明のパネル剥がし治具の一例を示す斜視図である。
【図2】携帯電話機を示す図である。
【図3】図2のIII −III 線断面図である。
【図4】拘束治具が取り付けられた治具本体を上から見て示した図である。
【図5】拘束治具が取り付けられた治具本体を拘束治具側から見て示した図である。
【図6】拘束治具が取り付けられた治具本体をスライサの退避部側から見て示した図である。
【図7】図1に示す拘束治具のVII −VII 線断面図である。
【図8】図4のVIII−VIII線断面図である。
【図9】スライサを示す分解斜視図である。
【図10】治具本体のスライサ部分を示す断面図である。
【図11】治具本体、携帯電話機、拘束治具及び補助治具を示す斜視図である。
【図12】携帯電話機が設置された治具本体を示す断面図である。
【図13】携帯電話機上から拘束治具を設置した治具本体を示す図である。
【図14】拘束治具で携帯電話機を拘束した治具本体を示す図である。
【図15】図14のXV−XV線断面図である。
【図16】図14のXVI −XVI 線断面図である。
【図17】治具本体上の携帯電話機に補助治具を設置した状態を示す図である。
【図18】携帯電話機上に補助治具を設置した状態を示す図である。
【図19】パネルに対する補助治具の位置を示す図である。
【図20】補助治具によるパネル剥がし及びスライサの挿入状態を示す図である。
【図21】スライサによるパネル剥がしを示す図である。
【図22】パネルが引き剥がされた携帯電話機及びそのパネルを示す断面図である。
【符号の説明】
【0083】
2 パネル剥がし治具
4 治具本体
6 携帯電話機
8 拘束治具
10 パネル
12 補助治具
14、16 筐体部
18 ヒンジ部
32 ガイドレール
38 スライサ
74 支持軸
76 剥離刃
78 ハンドル部
80 軸部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器のパネル剥がしに用いられるパネル剥がし治具であって、
パネルを備える機器を設置する治具本体と、
前記治具本体に設置される前記機器の前記パネルの周縁の少なくとも一部に沿って前記治具本体に形成されたガイドレールと、
前記治具本体に設置された前記機器の前記パネルと機器本体側との間に食い込ませて前記ガイドレール上を移動し、前記機器から前記パネルを剥離させるスライサと、
を備えることを特徴とするパネル剥がし治具。
【請求項2】
請求項1のパネル剥がし治具において、
前記スライサは、前記ガイドレールを移動させる軸部に回転可能な剥離刃を備えることを特徴とするパネル剥がし治具。
【請求項3】
請求項1のパネル剥がし治具において、
治具本体に設置された機器に重ねられて前記治具本体に固定され、前記機器を前記治具本体上に拘束させる拘束治具を備えることを特徴とするパネル剥がし治具。
【請求項4】
請求項1のパネル剥がし治具において、
治具本体に設置された前記機器の前記パネル上に接着して固定され、前記パネル上に線状の支点を備えて前記パネルに剥離力を付与し、前記スライサを食い込ませる部分の前記パネルの一部を前記機器本体から剥離させる補助治具を備えることを特徴とするパネル剥がし治具。
【請求項5】
機器のパネル剥がしに用いられるパネル剥がし方法であって、
請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載のパネル剥がし治具を用いて前記機器からパネルを剥がす工程を含むことを特徴とするパネル剥がし方法。
【請求項1】
機器のパネル剥がしに用いられるパネル剥がし治具であって、
パネルを備える機器を設置する治具本体と、
前記治具本体に設置される前記機器の前記パネルの周縁の少なくとも一部に沿って前記治具本体に形成されたガイドレールと、
前記治具本体に設置された前記機器の前記パネルと機器本体側との間に食い込ませて前記ガイドレール上を移動し、前記機器から前記パネルを剥離させるスライサと、
を備えることを特徴とするパネル剥がし治具。
【請求項2】
請求項1のパネル剥がし治具において、
前記スライサは、前記ガイドレールを移動させる軸部に回転可能な剥離刃を備えることを特徴とするパネル剥がし治具。
【請求項3】
請求項1のパネル剥がし治具において、
治具本体に設置された機器に重ねられて前記治具本体に固定され、前記機器を前記治具本体上に拘束させる拘束治具を備えることを特徴とするパネル剥がし治具。
【請求項4】
請求項1のパネル剥がし治具において、
治具本体に設置された前記機器の前記パネル上に接着して固定され、前記パネル上に線状の支点を備えて前記パネルに剥離力を付与し、前記スライサを食い込ませる部分の前記パネルの一部を前記機器本体から剥離させる補助治具を備えることを特徴とするパネル剥がし治具。
【請求項5】
機器のパネル剥がしに用いられるパネル剥がし方法であって、
請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載のパネル剥がし治具を用いて前記機器からパネルを剥がす工程を含むことを特徴とするパネル剥がし方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2008−304844(P2008−304844A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−154082(P2007−154082)
【出願日】平成19年6月11日(2007.6.11)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(592019877)富士通周辺機株式会社 (149)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月11日(2007.6.11)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(592019877)富士通周辺機株式会社 (149)
【Fターム(参考)】
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