パネル構造体
【課題】摩擦接合によって部材を接合する場合に上下の面を同時に接合して、作業時間を短縮する。
【解決手段】第1のパネル56と第2のパネル57とを突き合わせており、前記パネルのそれぞれは、第1の板と、該第1の板の両端に接続した第2の板と第3の板と、を有しており、前記第2の板と前記第3の板とは実質的に平行であり、前記第1の板は前記第2の板および前記第3の板に実質的に直交しており、前記第1の板同士が突き合わせてあり、前記突き合わせた部分の前記第2の板の側、前記第3の板の側のそれぞれに回転工具50,50aを配置するとともに、一方の前記回転工具50の鉛直方向に他方の前記回転工具50aを配置して、2つの前記回転工具を実質的に同一速度で移動させて摩擦接合を行う。
【解決手段】第1のパネル56と第2のパネル57とを突き合わせており、前記パネルのそれぞれは、第1の板と、該第1の板の両端に接続した第2の板と第3の板と、を有しており、前記第2の板と前記第3の板とは実質的に平行であり、前記第1の板は前記第2の板および前記第3の板に実質的に直交しており、前記第1の板同士が突き合わせてあり、前記突き合わせた部分の前記第2の板の側、前記第3の板の側のそれぞれに回転工具50,50aを配置するとともに、一方の前記回転工具50の鉛直方向に他方の前記回転工具50aを配置して、2つの前記回転工具を実質的に同一速度で移動させて摩擦接合を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル構造体に関し、例えば、アルミニウム合金性の鉄道車両や建築物等に使用されるパネルの接合に好適である。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両の構体の二面構造体(パネル)は、中空状の型材を用いたものは特許文献1に示され、ハニカムパネルのような積層パネルを用いたものは特許文献2に示されている。
【0003】
摩擦接合方法は、接合部に挿入した丸棒を回転させて発熱、軟化させ、接合するものである。この接合は突合せ部、重ね部に適用される。これはWO 93/10935(EP 0615480B1、特表平7−505090号公報に同一)、Welding & Metal Fabrication, January 1995 13頁から16頁に示されている。
【特許文献1】特開平2−246863号公報
【特許文献2】特開平6−106661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
摩擦接合方法は、接合施工中、回転工具(丸棒)の直下の部材が表面へ排出される反作用のため、接合部に下向きの力が働く。このため、本接合法を二面構造体(パネル)の接合に適用する場合、この下向きの力により接合部の継ぎ手部材が下方向に押し流され、変形を生じ、良好な接合を施工することができなかった。
【0005】
二面構造体(パネル)は、例えば、アルミニウム合金の押し出し型材の中空型材や、ハニカムパネルがある。このパネル同士の接合として、従来MIG溶接やTIG溶接が行われている。この継ぎ手形状に摩擦接合を適用すると、摩擦接合の際の押し下げ力によって、継ぎ手が下方に曲がったり、部材が下方に流されたりする。
【0006】
発明者は種々な実験により上記の現象を発見したものである。
【0007】
本発明の目的は、摩擦接合によって部材を接合する場合に部材の変形を抑制するパネル構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、第1のパネル構造体と第2のパネル構造体とを接合したパネル構造体において、前記第1のパネル構造体は、第1の板と、この第1の板に実質的に平行な第2の板と、及び前記第1の板の幅方向の端部と前記第2の板とを接続しており、かつ前記第1の板と前記第2の板に実質的に垂直な第3の板と、からなり、前記第2のパネルは、第1の板と、この第1の板に実質的に平行な第2の板と、及び前記第1の板と前記第2の板とを接続する第3の板と、からなり、前記第2のパネルの前記第1の板と前記第1のパネルの前記第1の板とは前記第1の板と前記第3の板とを接続する接続部に摩擦撹拌接合されており、前記第1パネルの前記第1の板と前記第2のパネルの前記第1の板との摩擦攪拌接合の部分の接合部のビードは、前記第1のパネルの前記第3の板の板厚の範囲にあること、により達成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、2つの板を接続する部分を両面から接合するようにしているので、両面から接合すべき部材の変形を抑えることができ、良好な接合ができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1の実施例は、パネルとしての中空型材31,32の継ぎ手部の形状が突合せタイプの場合である。中空型材31,32の幅方向の端部には垂直の板36,36がある。接合前においては、回転工具50の直下に垂直な板36,36があり、板36,36同士は向い合っており、接触している。離れている場合は両者の隙間は小さい。隙間は1mm程度である。板36,36の間の延長線上に凸部52の中心が位置する。板36,36は前記下向きの力を支えるだけの剛性を有している。板36は2つの板33、34に直交している。中空型材31,32はアルミニウム合金の押出し型材である。中空型材31の上下の面は中空型材32の上下の面に一致している。つまり、中空型材31、32の厚さは同一である。以下の実施例も同様である。摩擦接合時において、回転工具50の大径部51と小径部の凸部52との境53が中空型材31,32の上面に位置している。35は2枚の板36、36を接続するものであって、トラス状に複数配置している。中空型材31、32の端部の形状は左右対称である。中空型材31、32は架台(図示せず)に載せられ、移動しないように固定されている。板36、36の下方にも架台がある。
【0011】
摩擦接合は回転工具50を回転させながら、凸部52を中空型材31、32の接合部に挿入し、接合部に沿って移動させて行う。凸部52の回転中心は2つの板36、36の間にある。
【0012】
図2は摩擦接合後の状態である。45は接合後の接合ビードの形状を示したものである。板36,36の間の延長線上に接合ビード45の幅の中心が位置する。板36、36の厚さの延長線の範囲にビード45がある。接合ビード45の深さは接合部に挿入した回転工具50の下端の凸部52の高さによって定まる。
【0013】
これによれば、板33、34に垂直な板36,36が摩擦接合時の垂直力を支えるので、接合部が曲がったりせず、図2に示すように良好な接続が得られるものである。板36はできるだけ板33、34に直交させる。
【0014】
なお、軽量化のために、板36に穴をあけていても良い。以下の実施例でも同様である。
【0015】
下面側の接合は中空型材の上下面を反転させて行なう。
【0016】
図3の実施例は、一方の中空型材31の端部には板36があり、他方の中空型材32の端部には板36は無い。中空型材31の板36の垂直方向の角部は中空型材32の端部の突片38,38の先端を載せることができるように、凹んでいる。この凹部は中空型材31の厚さ方向およびこれに直交する方向(中空型材32側)に開放している。凹部に突片38を載せた(重ねた)とき、図では両者は接触しているが、実際は隙間がある。また、両者の先端同士(突片38、38と角部33b、34bとの間)にも隙間がある。2つの中空型材31,32の表面側の突合せ部、すなわち、回転工具50の中心の直下に前記突合せ部および板36がある。板36の厚さの中心の延長線上に凸部52の回転中心が位置する。つまり、板36の厚さの中心の延長線上に板33(34)と板33(34)の接合部が位置する。板33、34から凹部に至る角部33b、34bは板36の厚さの中心の延長線上にある。または、角部33b、34bの位置は突片38との間隔を考慮して、図3において、板36の厚さの中心の延長線上よりもごくわずか左にある。板36は前記垂直力を支える剛性を有している。突片38の先端と中空型材31との水平方向の間隔は図1の場合と同様である。回転工具50の凸部52の高さは突片38の厚さ程度である。一般に、凸部38よりも下方まで塑性流動状態になり、摩擦接合される。同様に、凸部52の径よりも大きく塑性流動状態になる。突片38の下面と板36との接触部の下方まで摩擦接合されるようにするのが望ましい。
【0017】
図4は接合後の状態を示す。板36の厚さの中心の延長線上に接合ビード45の幅の中心が位置する。
【0018】
前記垂直力を支えるために、板36の厚さの中心部の延長線上に回転工具50の回転中心があることが望ましい。左右の中空型材31、32の接合量を同一にするために、前記延長線上に角部33b、34bはあることが望ましい。板36の厚さの延長線の範囲内に回転工具50の凸部52があることが望ましいが、板36の厚さは前記垂直力、凸部52の位置、板36の強度によって定まる。このため、凸部52の径よりも板36の厚さの方が小さい場合が考えられる。また、回転工具50の位置の誤差、角部33b、34bの位置の誤差を考えると、板36の厚さの延長線の範囲に角部33b、34bがあり、前記範囲に回転工具50の凸部52の少なくとも一部が位置することが望ましい。これによれば、板36は前記垂直力を少しなりとも受けることができ、継ぎ手の変形を実質的に防止し、良好な接合を得ることができる。ビード45を基準にすれば、ビード45は凸部52よりも若干大きいが、前記とほぼ同様なことがいえる。他の実施例においても同様である。
【0019】
この継ぎ手形状によれば、実験によれば、図1の場合に比べて、一般的に、突片38と中空型材31との水平方向の間隔が大きくても、接合部の凹みを少なくできるものである。このため、見栄えが良く、塗装する場合にもパテの量を少なくできるものである。これは、両者の隙間が突片38の厚さで終了しているためと考えられる。また、一般に軽量にできるものと考えられる。また、一方の中空型材を他方にはめこんでいるので、両者の高さ方向の位置合わせを容易にできるものである。
【0020】
中空型材31の端部の形状は左右対称であり、中空型材32の端部の形状は左右対称である。または、中空型材31の一端は図3のとおりであり、他端は図3の中空型材32の端部の形状である。
【0021】
図5の実施例は、中空型材31の凹部の角部33b、34bの直下には垂直な板36は実質的に無い。角部33b、34bの延長線上に板36の右端がある。この延長線上に回転工具50の回転中心がある。接合部において下方に位置する突片37の厚さを厚く、また、突片37の先端から板36への接続部の円弧を大きくして、中空型材31の端部を前記垂直力を支える剛性にしている。他方の中空型材32の突片38は図3の実施例と同様に、突片37の凹部に重なっている。他方の中空型材32には突片の近くに2つの板33、34を接続する板36を有する。これによって、凹部の角部の直下に垂直な板36が無くても、接合部に不良は発生しない。ただし、ビード45の範囲の垂直方向にはパネル31の板36がある。図6は接合後の状態を示す。
【0022】
図5の実施例において、中空型材32の板36を除くことも可能である。
【0023】
図7の実施例は、図5の実施例において、2つの中空型材31,32の接合部において、表面側に突出する凸部37a,38aを設けたものである。つまり、接合部の肉厚は厚くなっている。凸部37aと凸部38a高さは同一である。他の形状は図5と同様であるが、板36、および突片37の厚さは若干薄くなっている。
【0024】
これによれば、摩擦接合の前に、凸部37aと凸部38aとの間に隙間があっても、摩擦接合によって凸部37a、38aの体積が前記隙間を埋める。このため、見栄えがよく、パテの量を少なくできる。
【0025】
また、従来においては、下向きの力により下方に流失した部材41の体積分、接合ビードに空孔を生じていた。図7の継ぎ手形状によれば、接合時、回転工具50により凸部37a,38aが塑性流動して下方に押し流され、流失した部材41の体積分を補うことになるので、空孔の発生を防止し、良好な接合を行なうことができるものである。図8は接合後のビード45の形状を示したものである。なお、接合後、不要部があれば図のように切削する。
【0026】
前記凸部37a,38aは図1、図3、図5R>5および後述の実施例においても適用できるものである。
【0027】
図9の実施例は一方側のみから上下二面の接合を行えるようにしたものである。中空型材31,32の下面側の端部は下面の板34,34と同一面から突片34aを他方の中空型材側に大きく突出している。突片34a,34aの先端は実質的に接触している。上面の板33,33の先端は下面の板34a,34aの先端よりも後方に位置している。上面の板33,33の先端部と下面の板34,34とは垂直な板36,36によって接続されている。板36、36は板34の途中に接続している。垂直な板36,36の上部に継ぎ手60が重なる凹部39,39がある。継ぎ手60を凹部39,39に載せたとき、継ぎ手60の上面の板33,33の上面と同一面になる。2つの板36,36の間隔は回転工具50を挿入できる程度の大きさであり、できるだけ小さい。板36と凹部39との関係は図3、図5、図7の実施例等で説明したとおりである。
【0028】
接合手順を説明すると、図9の(A)の状態で、回転工具50によって下面の板34a,34aの先端を接合する。この時、中空型材31,32は板34a,34aの接合部を含めてベッドに載っている。接合部のベッド(接合ビードの裏当て)の上面は平である。回転工具50の凸部52の高さは板34a,34aの厚さよりも小さい。これによれば、接合後の下面は平になる。このため、この下面側を鉄道車両の構体の外面や建築物等の構造物の外面(その表面に化粧板を配置しない面を言う。)に容易にすることができる。一般に、摩擦接合部の上面側(境53の部分)に凹凸が生じやすい。
【0029】
次に、(B)のように2つの中空型材31,32の間に継ぎ手60を載せる。
【0030】
継ぎ手60の縦断面はT状である。継ぎ手60の両端を凹部32,32に重ねたとき、垂直片61の下端は下面の板の接合ビードとの間に隙間を有する。垂直辺61はなくてもよい。
【0031】
次に、(C)のように、継ぎ手60と中空型材31との接続部を回転工具50で摩擦接合する。この回転工具50は(A)の接合工具と同一である必要はない。
【0032】
次に、(D)のように、継ぎ手60と中空型材32との接続部を回転工具50で摩擦接合する。
【0033】
これによれば、一方の面側から接合ができ、反転作業を不要にできるものである。反転作業を省略することで、反転および位置決め時間の省略、反転装置の省略、組立精度向上というメリットを得ることができる。
【0034】
図10の実施例は、中空型材51,52の上下の面を同時に摩擦接合するようにしたものである。上部の回転工具50の鉛直方向に下方を接合する回転工具50aがある。回転工具50aの凸部52は上方を向いている。2つの回転工具50,50aを対向させた状態で、同一速度で移動させ、摩擦接合を行なう。70,70はベッド(架台)である。工具50、と50aの回転中心は同一線上にある。この線上に、中空型材31、32の接合部がある。
【0035】
これによれば、一方の回転工具50の回転中心の延長線上に他方の回転工具50aの回転中心があるので、力がつりあい、接合部の変形が少なく、短時間に接合できる。中空型材31、32を反転させる必要が無いので、変形が少なく、作業時間を少なくできる。
【0036】
この実施例は他の実施例にも適用できる。
【0037】
上記各実施例はパネルとして中空型材を使用したものである。以下の実施例はハニカムパネルに適用した場合を示すものである。図11に示すように、ハニカムパネル80a,80bは、2つの面板81,82と、ハニカム状のセルを有する芯材83と、面板81,82の端面に沿って配置した縁材84とからなり、芯材83、縁材84は面板81,82にろう付けされ、一体になっている。面板81,82、芯材83、および縁材84はアルミニウム合金である。縁材84は押出し型材であり、その断面は4角形である。各片の肉厚は板81,82の厚さよりも厚い。接触する縁材84,84の垂直片の厚さは図1の場合と同様である。2つのハニカムパネル80a,80bの厚さは同一である。
【0038】
図11の実施例は図1の実施例に相当するものである。回転工具50の凸部52の高さは面板81,82の厚さよりも大きい。これによって、面板81、82、および縁材84、84が接合される。主として縁材84がパネル80a、80bに作用する荷重を伝達する。パネル80a、80bを製作後、両者を組み合わせ、摩擦接合を行う。
【0039】
図12の実施例は図3に相当するものである。ハニカムパネル80aの縁材84は断面がほぼ4角形であり、角部に凹部を有する。ハニカムパネル80bの縁材84はハニカムパネル80bの端部側が開放したチャンネル状であり、その先端が縁材80aの凹部に載る。
【0040】
図5に相当するハニカムパネルも同様に製作できるものである。
【0041】
図13の実施例は、図7に相当するものである。2つのハニカムパネル80a0,80bを組み合わせた後、面板81,81の上面に板86を載せ、板81,81に溶接で仮止めしたものである。板86は塑性流動によって流出する材料を補うものである。また、図1212において、ハニカムパネル80aの縁材84の端部側の垂直片を除いたものである。前記垂直力は水平片の厚さおよびその周囲の形状で受けもつ。
【0042】
図14の実施例について説明する。図13までの実施例は2つの面(板)を有するパネルであったが、図14の実施例は実質的に1つの面(板94、94)を有するパネル91、92である。但し、パネル91、92の端部において、板94、94のある外側と、板のない内側の2カ所で、摩擦接合を行う。このため、内側の接合部には幅の小さな面(板93、93)がある。板93、93は板96、96で支えられている。このものでも板96は板93、94に実質的に直交しているといえる。板93、94は図7と同様の凸部37a、38aを設けている。板94、94には所定の間隔で複数の強度部材用のリブ(板)95、95を配置している。リブ95の断面はT状である。リブ95の頂面は接合部の板93の頂面と同一面である。両者の頂面には強度部材(例えば、柱)を溶接したり、物品の取り付け座になる。また、板93、93は工具50の高さ位置を管理するための座となる。工具50を備える移動体は板93、93をに載って移動する。板93、94によって、このパネル91、92も2面構造体といえる。パネル91、92は押出し型材である。
【0043】
図14のパネル91とパネル92との接合部の形状は図1と同様に板96、96を向き合わせているが、図3、図5、図7、のように、重ねることができる。
【0044】
図15は鉄道車両の構体への適用を示す図である。構体は、側構体101、屋根構体102、床構体103、長手方向の端部の妻構体104から構成される。
【0045】
側構体101、屋根構体102は例えば、パネル31、32、80a、80b、91、92の長手方向を車両の長手方向にしている。側構体101と屋根構体102との接続、側構体101と床構体103との接続等はMIG溶接で行う。屋根構体102や側構体101は円弧状であることが多い。パネル91、92を側構体102に使用する場合、板96、リブ96がある面が車内側であり、前記強度部材は柱となる。
【0046】
なお、図9のパネル31、32を勝手違いに組み合わせることができる。突出した板34a、34aの端部が板32側の凹部39、39に重なっている。継ぎ手60は使用しない。接合部を上下から同時に摩擦接合できる。板33、34aには図7のように凸部を設けることができる。
【0047】
本発明の技術範囲は、特許請求の範囲の各請求項の記載の文言あるいは発明が解決しようとする課題の項の記載の文言に限定されず、当業者がそれから容易に置き換えられる範囲にも及ぶものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施例の縦断面図。
【図2】図1において摩擦接合後の縦断面図。
【図3】本発明の他の実施例の縦断面図。
【図4】図3において摩擦接合後の縦断面図。
【図5】本発明の他の実施例の縦断面図。
【図6】図5において摩擦接合後の縦断面図。
【図7】本発明の他の実施例の縦断面図。
【図8】図7において摩擦接合後の縦断面図。
【図9】本発明の他の実施例の摩擦接合の手順を説明する縦断面図。
【図10】本発明の他の実施例の縦断面図。
【図11】本発明の他の実施例の縦断面図。
【図12】本発明の他の実施例の縦断面図。
【図13】本発明の他の実施例の縦断面図。
【図14】本発明の他の実施例の縦断面図。
【図15】鉄道車両の構体の斜視図。
【符号の説明】
【0049】
31、32 中空型材
33、34、34a 板
35 リブ
36 板
50 接合用の回転体
33b、34b 角部
37a、38a 凸部
39 凹部
91、92 型材
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル構造体に関し、例えば、アルミニウム合金性の鉄道車両や建築物等に使用されるパネルの接合に好適である。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両の構体の二面構造体(パネル)は、中空状の型材を用いたものは特許文献1に示され、ハニカムパネルのような積層パネルを用いたものは特許文献2に示されている。
【0003】
摩擦接合方法は、接合部に挿入した丸棒を回転させて発熱、軟化させ、接合するものである。この接合は突合せ部、重ね部に適用される。これはWO 93/10935(EP 0615480B1、特表平7−505090号公報に同一)、Welding & Metal Fabrication, January 1995 13頁から16頁に示されている。
【特許文献1】特開平2−246863号公報
【特許文献2】特開平6−106661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
摩擦接合方法は、接合施工中、回転工具(丸棒)の直下の部材が表面へ排出される反作用のため、接合部に下向きの力が働く。このため、本接合法を二面構造体(パネル)の接合に適用する場合、この下向きの力により接合部の継ぎ手部材が下方向に押し流され、変形を生じ、良好な接合を施工することができなかった。
【0005】
二面構造体(パネル)は、例えば、アルミニウム合金の押し出し型材の中空型材や、ハニカムパネルがある。このパネル同士の接合として、従来MIG溶接やTIG溶接が行われている。この継ぎ手形状に摩擦接合を適用すると、摩擦接合の際の押し下げ力によって、継ぎ手が下方に曲がったり、部材が下方に流されたりする。
【0006】
発明者は種々な実験により上記の現象を発見したものである。
【0007】
本発明の目的は、摩擦接合によって部材を接合する場合に部材の変形を抑制するパネル構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、第1のパネル構造体と第2のパネル構造体とを接合したパネル構造体において、前記第1のパネル構造体は、第1の板と、この第1の板に実質的に平行な第2の板と、及び前記第1の板の幅方向の端部と前記第2の板とを接続しており、かつ前記第1の板と前記第2の板に実質的に垂直な第3の板と、からなり、前記第2のパネルは、第1の板と、この第1の板に実質的に平行な第2の板と、及び前記第1の板と前記第2の板とを接続する第3の板と、からなり、前記第2のパネルの前記第1の板と前記第1のパネルの前記第1の板とは前記第1の板と前記第3の板とを接続する接続部に摩擦撹拌接合されており、前記第1パネルの前記第1の板と前記第2のパネルの前記第1の板との摩擦攪拌接合の部分の接合部のビードは、前記第1のパネルの前記第3の板の板厚の範囲にあること、により達成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、2つの板を接続する部分を両面から接合するようにしているので、両面から接合すべき部材の変形を抑えることができ、良好な接合ができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1の実施例は、パネルとしての中空型材31,32の継ぎ手部の形状が突合せタイプの場合である。中空型材31,32の幅方向の端部には垂直の板36,36がある。接合前においては、回転工具50の直下に垂直な板36,36があり、板36,36同士は向い合っており、接触している。離れている場合は両者の隙間は小さい。隙間は1mm程度である。板36,36の間の延長線上に凸部52の中心が位置する。板36,36は前記下向きの力を支えるだけの剛性を有している。板36は2つの板33、34に直交している。中空型材31,32はアルミニウム合金の押出し型材である。中空型材31の上下の面は中空型材32の上下の面に一致している。つまり、中空型材31、32の厚さは同一である。以下の実施例も同様である。摩擦接合時において、回転工具50の大径部51と小径部の凸部52との境53が中空型材31,32の上面に位置している。35は2枚の板36、36を接続するものであって、トラス状に複数配置している。中空型材31、32の端部の形状は左右対称である。中空型材31、32は架台(図示せず)に載せられ、移動しないように固定されている。板36、36の下方にも架台がある。
【0011】
摩擦接合は回転工具50を回転させながら、凸部52を中空型材31、32の接合部に挿入し、接合部に沿って移動させて行う。凸部52の回転中心は2つの板36、36の間にある。
【0012】
図2は摩擦接合後の状態である。45は接合後の接合ビードの形状を示したものである。板36,36の間の延長線上に接合ビード45の幅の中心が位置する。板36、36の厚さの延長線の範囲にビード45がある。接合ビード45の深さは接合部に挿入した回転工具50の下端の凸部52の高さによって定まる。
【0013】
これによれば、板33、34に垂直な板36,36が摩擦接合時の垂直力を支えるので、接合部が曲がったりせず、図2に示すように良好な接続が得られるものである。板36はできるだけ板33、34に直交させる。
【0014】
なお、軽量化のために、板36に穴をあけていても良い。以下の実施例でも同様である。
【0015】
下面側の接合は中空型材の上下面を反転させて行なう。
【0016】
図3の実施例は、一方の中空型材31の端部には板36があり、他方の中空型材32の端部には板36は無い。中空型材31の板36の垂直方向の角部は中空型材32の端部の突片38,38の先端を載せることができるように、凹んでいる。この凹部は中空型材31の厚さ方向およびこれに直交する方向(中空型材32側)に開放している。凹部に突片38を載せた(重ねた)とき、図では両者は接触しているが、実際は隙間がある。また、両者の先端同士(突片38、38と角部33b、34bとの間)にも隙間がある。2つの中空型材31,32の表面側の突合せ部、すなわち、回転工具50の中心の直下に前記突合せ部および板36がある。板36の厚さの中心の延長線上に凸部52の回転中心が位置する。つまり、板36の厚さの中心の延長線上に板33(34)と板33(34)の接合部が位置する。板33、34から凹部に至る角部33b、34bは板36の厚さの中心の延長線上にある。または、角部33b、34bの位置は突片38との間隔を考慮して、図3において、板36の厚さの中心の延長線上よりもごくわずか左にある。板36は前記垂直力を支える剛性を有している。突片38の先端と中空型材31との水平方向の間隔は図1の場合と同様である。回転工具50の凸部52の高さは突片38の厚さ程度である。一般に、凸部38よりも下方まで塑性流動状態になり、摩擦接合される。同様に、凸部52の径よりも大きく塑性流動状態になる。突片38の下面と板36との接触部の下方まで摩擦接合されるようにするのが望ましい。
【0017】
図4は接合後の状態を示す。板36の厚さの中心の延長線上に接合ビード45の幅の中心が位置する。
【0018】
前記垂直力を支えるために、板36の厚さの中心部の延長線上に回転工具50の回転中心があることが望ましい。左右の中空型材31、32の接合量を同一にするために、前記延長線上に角部33b、34bはあることが望ましい。板36の厚さの延長線の範囲内に回転工具50の凸部52があることが望ましいが、板36の厚さは前記垂直力、凸部52の位置、板36の強度によって定まる。このため、凸部52の径よりも板36の厚さの方が小さい場合が考えられる。また、回転工具50の位置の誤差、角部33b、34bの位置の誤差を考えると、板36の厚さの延長線の範囲に角部33b、34bがあり、前記範囲に回転工具50の凸部52の少なくとも一部が位置することが望ましい。これによれば、板36は前記垂直力を少しなりとも受けることができ、継ぎ手の変形を実質的に防止し、良好な接合を得ることができる。ビード45を基準にすれば、ビード45は凸部52よりも若干大きいが、前記とほぼ同様なことがいえる。他の実施例においても同様である。
【0019】
この継ぎ手形状によれば、実験によれば、図1の場合に比べて、一般的に、突片38と中空型材31との水平方向の間隔が大きくても、接合部の凹みを少なくできるものである。このため、見栄えが良く、塗装する場合にもパテの量を少なくできるものである。これは、両者の隙間が突片38の厚さで終了しているためと考えられる。また、一般に軽量にできるものと考えられる。また、一方の中空型材を他方にはめこんでいるので、両者の高さ方向の位置合わせを容易にできるものである。
【0020】
中空型材31の端部の形状は左右対称であり、中空型材32の端部の形状は左右対称である。または、中空型材31の一端は図3のとおりであり、他端は図3の中空型材32の端部の形状である。
【0021】
図5の実施例は、中空型材31の凹部の角部33b、34bの直下には垂直な板36は実質的に無い。角部33b、34bの延長線上に板36の右端がある。この延長線上に回転工具50の回転中心がある。接合部において下方に位置する突片37の厚さを厚く、また、突片37の先端から板36への接続部の円弧を大きくして、中空型材31の端部を前記垂直力を支える剛性にしている。他方の中空型材32の突片38は図3の実施例と同様に、突片37の凹部に重なっている。他方の中空型材32には突片の近くに2つの板33、34を接続する板36を有する。これによって、凹部の角部の直下に垂直な板36が無くても、接合部に不良は発生しない。ただし、ビード45の範囲の垂直方向にはパネル31の板36がある。図6は接合後の状態を示す。
【0022】
図5の実施例において、中空型材32の板36を除くことも可能である。
【0023】
図7の実施例は、図5の実施例において、2つの中空型材31,32の接合部において、表面側に突出する凸部37a,38aを設けたものである。つまり、接合部の肉厚は厚くなっている。凸部37aと凸部38a高さは同一である。他の形状は図5と同様であるが、板36、および突片37の厚さは若干薄くなっている。
【0024】
これによれば、摩擦接合の前に、凸部37aと凸部38aとの間に隙間があっても、摩擦接合によって凸部37a、38aの体積が前記隙間を埋める。このため、見栄えがよく、パテの量を少なくできる。
【0025】
また、従来においては、下向きの力により下方に流失した部材41の体積分、接合ビードに空孔を生じていた。図7の継ぎ手形状によれば、接合時、回転工具50により凸部37a,38aが塑性流動して下方に押し流され、流失した部材41の体積分を補うことになるので、空孔の発生を防止し、良好な接合を行なうことができるものである。図8は接合後のビード45の形状を示したものである。なお、接合後、不要部があれば図のように切削する。
【0026】
前記凸部37a,38aは図1、図3、図5R>5および後述の実施例においても適用できるものである。
【0027】
図9の実施例は一方側のみから上下二面の接合を行えるようにしたものである。中空型材31,32の下面側の端部は下面の板34,34と同一面から突片34aを他方の中空型材側に大きく突出している。突片34a,34aの先端は実質的に接触している。上面の板33,33の先端は下面の板34a,34aの先端よりも後方に位置している。上面の板33,33の先端部と下面の板34,34とは垂直な板36,36によって接続されている。板36、36は板34の途中に接続している。垂直な板36,36の上部に継ぎ手60が重なる凹部39,39がある。継ぎ手60を凹部39,39に載せたとき、継ぎ手60の上面の板33,33の上面と同一面になる。2つの板36,36の間隔は回転工具50を挿入できる程度の大きさであり、できるだけ小さい。板36と凹部39との関係は図3、図5、図7の実施例等で説明したとおりである。
【0028】
接合手順を説明すると、図9の(A)の状態で、回転工具50によって下面の板34a,34aの先端を接合する。この時、中空型材31,32は板34a,34aの接合部を含めてベッドに載っている。接合部のベッド(接合ビードの裏当て)の上面は平である。回転工具50の凸部52の高さは板34a,34aの厚さよりも小さい。これによれば、接合後の下面は平になる。このため、この下面側を鉄道車両の構体の外面や建築物等の構造物の外面(その表面に化粧板を配置しない面を言う。)に容易にすることができる。一般に、摩擦接合部の上面側(境53の部分)に凹凸が生じやすい。
【0029】
次に、(B)のように2つの中空型材31,32の間に継ぎ手60を載せる。
【0030】
継ぎ手60の縦断面はT状である。継ぎ手60の両端を凹部32,32に重ねたとき、垂直片61の下端は下面の板の接合ビードとの間に隙間を有する。垂直辺61はなくてもよい。
【0031】
次に、(C)のように、継ぎ手60と中空型材31との接続部を回転工具50で摩擦接合する。この回転工具50は(A)の接合工具と同一である必要はない。
【0032】
次に、(D)のように、継ぎ手60と中空型材32との接続部を回転工具50で摩擦接合する。
【0033】
これによれば、一方の面側から接合ができ、反転作業を不要にできるものである。反転作業を省略することで、反転および位置決め時間の省略、反転装置の省略、組立精度向上というメリットを得ることができる。
【0034】
図10の実施例は、中空型材51,52の上下の面を同時に摩擦接合するようにしたものである。上部の回転工具50の鉛直方向に下方を接合する回転工具50aがある。回転工具50aの凸部52は上方を向いている。2つの回転工具50,50aを対向させた状態で、同一速度で移動させ、摩擦接合を行なう。70,70はベッド(架台)である。工具50、と50aの回転中心は同一線上にある。この線上に、中空型材31、32の接合部がある。
【0035】
これによれば、一方の回転工具50の回転中心の延長線上に他方の回転工具50aの回転中心があるので、力がつりあい、接合部の変形が少なく、短時間に接合できる。中空型材31、32を反転させる必要が無いので、変形が少なく、作業時間を少なくできる。
【0036】
この実施例は他の実施例にも適用できる。
【0037】
上記各実施例はパネルとして中空型材を使用したものである。以下の実施例はハニカムパネルに適用した場合を示すものである。図11に示すように、ハニカムパネル80a,80bは、2つの面板81,82と、ハニカム状のセルを有する芯材83と、面板81,82の端面に沿って配置した縁材84とからなり、芯材83、縁材84は面板81,82にろう付けされ、一体になっている。面板81,82、芯材83、および縁材84はアルミニウム合金である。縁材84は押出し型材であり、その断面は4角形である。各片の肉厚は板81,82の厚さよりも厚い。接触する縁材84,84の垂直片の厚さは図1の場合と同様である。2つのハニカムパネル80a,80bの厚さは同一である。
【0038】
図11の実施例は図1の実施例に相当するものである。回転工具50の凸部52の高さは面板81,82の厚さよりも大きい。これによって、面板81、82、および縁材84、84が接合される。主として縁材84がパネル80a、80bに作用する荷重を伝達する。パネル80a、80bを製作後、両者を組み合わせ、摩擦接合を行う。
【0039】
図12の実施例は図3に相当するものである。ハニカムパネル80aの縁材84は断面がほぼ4角形であり、角部に凹部を有する。ハニカムパネル80bの縁材84はハニカムパネル80bの端部側が開放したチャンネル状であり、その先端が縁材80aの凹部に載る。
【0040】
図5に相当するハニカムパネルも同様に製作できるものである。
【0041】
図13の実施例は、図7に相当するものである。2つのハニカムパネル80a0,80bを組み合わせた後、面板81,81の上面に板86を載せ、板81,81に溶接で仮止めしたものである。板86は塑性流動によって流出する材料を補うものである。また、図1212において、ハニカムパネル80aの縁材84の端部側の垂直片を除いたものである。前記垂直力は水平片の厚さおよびその周囲の形状で受けもつ。
【0042】
図14の実施例について説明する。図13までの実施例は2つの面(板)を有するパネルであったが、図14の実施例は実質的に1つの面(板94、94)を有するパネル91、92である。但し、パネル91、92の端部において、板94、94のある外側と、板のない内側の2カ所で、摩擦接合を行う。このため、内側の接合部には幅の小さな面(板93、93)がある。板93、93は板96、96で支えられている。このものでも板96は板93、94に実質的に直交しているといえる。板93、94は図7と同様の凸部37a、38aを設けている。板94、94には所定の間隔で複数の強度部材用のリブ(板)95、95を配置している。リブ95の断面はT状である。リブ95の頂面は接合部の板93の頂面と同一面である。両者の頂面には強度部材(例えば、柱)を溶接したり、物品の取り付け座になる。また、板93、93は工具50の高さ位置を管理するための座となる。工具50を備える移動体は板93、93をに載って移動する。板93、94によって、このパネル91、92も2面構造体といえる。パネル91、92は押出し型材である。
【0043】
図14のパネル91とパネル92との接合部の形状は図1と同様に板96、96を向き合わせているが、図3、図5、図7、のように、重ねることができる。
【0044】
図15は鉄道車両の構体への適用を示す図である。構体は、側構体101、屋根構体102、床構体103、長手方向の端部の妻構体104から構成される。
【0045】
側構体101、屋根構体102は例えば、パネル31、32、80a、80b、91、92の長手方向を車両の長手方向にしている。側構体101と屋根構体102との接続、側構体101と床構体103との接続等はMIG溶接で行う。屋根構体102や側構体101は円弧状であることが多い。パネル91、92を側構体102に使用する場合、板96、リブ96がある面が車内側であり、前記強度部材は柱となる。
【0046】
なお、図9のパネル31、32を勝手違いに組み合わせることができる。突出した板34a、34aの端部が板32側の凹部39、39に重なっている。継ぎ手60は使用しない。接合部を上下から同時に摩擦接合できる。板33、34aには図7のように凸部を設けることができる。
【0047】
本発明の技術範囲は、特許請求の範囲の各請求項の記載の文言あるいは発明が解決しようとする課題の項の記載の文言に限定されず、当業者がそれから容易に置き換えられる範囲にも及ぶものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施例の縦断面図。
【図2】図1において摩擦接合後の縦断面図。
【図3】本発明の他の実施例の縦断面図。
【図4】図3において摩擦接合後の縦断面図。
【図5】本発明の他の実施例の縦断面図。
【図6】図5において摩擦接合後の縦断面図。
【図7】本発明の他の実施例の縦断面図。
【図8】図7において摩擦接合後の縦断面図。
【図9】本発明の他の実施例の摩擦接合の手順を説明する縦断面図。
【図10】本発明の他の実施例の縦断面図。
【図11】本発明の他の実施例の縦断面図。
【図12】本発明の他の実施例の縦断面図。
【図13】本発明の他の実施例の縦断面図。
【図14】本発明の他の実施例の縦断面図。
【図15】鉄道車両の構体の斜視図。
【符号の説明】
【0049】
31、32 中空型材
33、34、34a 板
35 リブ
36 板
50 接合用の回転体
33b、34b 角部
37a、38a 凸部
39 凹部
91、92 型材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のパネル構造体と第2のパネル構造体とを接合したパネル構造体において、
前記第1のパネル構造体は、第1の板と、この第1の板に実質的に平行な第2の板と、及び前記第1の板の幅方向の端部と前記第2の板とを接続しており、かつ前記第1の板と前記第2の板に実質的に垂直な第3の板と、からなり、
前記第2のパネルは、第1の板と、この第1の板に実質的に平行な第2の板と、及び前記第1の板と前記第2の板とを接続する第3の板と、からなり、
前記第2のパネルの前記第1の板と前記第1のパネルの前記第1の板とは前記第1の板と前記第3の板とを接続する接続部に摩擦撹拌接合されており、
前記第1パネルの前記第1の板と前記第2のパネルの前記第1の板との摩擦攪拌接合の部分の接合部のビードは、前記第1のパネルの前記第3の板の板厚の範囲にあること、
を特徴とするパネル構造体。
【請求項2】
請求項1記載のパネル構造体において、
前記摩擦攪拌接合した接合ビードの幅方向の中心は、前記第1のパネルの前記第3の板の板厚の範囲にあること、
を特徴とするパネル構造体。
【請求項3】
請求項1記載のパネル構造体において、
前記第1のパネル構造体の外面であって、前記第1の板の外面と、前記第2のパネル構造体の外面であって、前記第1の板の外面とが実質的に、同一面にあること、
を特徴とするパネル構造体。
【請求項4】
第1のパネルと第2のパネルを接合したパネル構造体において、
前記第1のパネルは、第1の板と、この第1の板に実質的に平行な第2の板と、及び前記第1のパネルの幅方向の端部の前記第1の板と前記第1のパネルの幅方向の端部の前記第2の板とを接続しており、かつ前記第1の板と前記第2の板に実質的に垂直な第3の板と、からなり、
前記第2のパネルは、第1の板と、この第1の板に実質的に平行な第2の板と、及び前記第1の板と前記第2の板とを接続する第3の板とからなり、
前記第2のパネルの前記第1の板と前記第1のパネルの前記第1の板とは前記第1の板と前記第3の板とを接続する接続部に摩擦撹拌接合されており、
前記第2のパネルの前記第2の板と前記第1のパネルの前記第2の板とは前記第1の板と前記第3の板とを接続する接続部に摩擦撹拌接合されており、
前記第2パネルの前記第1の板と前記第1のパネルの前記第1の板との前記摩擦攪拌接合した部分の部接合部のビードは、前記第1のパネルの前記第3の板の板厚の範囲にあり、
前記第2パネルの前記第2の板と前記第1のパネルの前記第2の板との前記摩擦攪拌接合した部分の部接合部のビードは、前記第1のパネルの前記第3の板の板厚の範囲にあること、
を特徴とするパネル構造体。
【請求項5】
請求項4記載のパネル構造体において、
前記第1のパネル構造体の外面であって、前記第1の板の外面と、前記第2のパネル構造体の外面であって、前記第1の板の外面とを実質的に、同一面にあり、
前記第1のパネル構造体の外面であって、前記第2の板の外面と、前記第2のパネル構造体の外面であって、前記第1の板の外面とが実質的に、同一面にあること、
を特徴とするパネル構造体。
【請求項6】
パネル構造体とパネルとを接合したパネル構造体において、
前記パネル構造体は、第1の板と、この第1の板に実質的に平行な第2の板と、及び前記パネル構造体の幅方向の端部に接続され、かつ前記第1の板に実質的に垂直な第3の板と、からなり、
前記パネルは、第1の板からなり、
前記パネルの前記第1の板は、前記パネル構造体の前記第1の板と前記第3のいたとの接続部に摩擦撹拌接合されており、
前記摩擦撹拌された部分の接合部のビードは、少なくとも前記パネル構造体の前記第3の板の板厚の範囲にあること、
を特徴とするパネル構造体。
【請求項7】
請求項6のパネル構造体において、
前記パネル構造体の前記第1の板の外面と前記パネルの前記第1の板の外面とは実質的に同一面にあること、
を特徴とするパネル構造体。
【請求項8】
請求項6記載のパネル構造体において、
前記摩擦撹拌接合部の接合ビードの幅方向の中心は、前記パネル構造体の前記第3の板の板厚の範囲にあること、
を特徴とするパネル構造体。
【請求項1】
第1のパネル構造体と第2のパネル構造体とを接合したパネル構造体において、
前記第1のパネル構造体は、第1の板と、この第1の板に実質的に平行な第2の板と、及び前記第1の板の幅方向の端部と前記第2の板とを接続しており、かつ前記第1の板と前記第2の板に実質的に垂直な第3の板と、からなり、
前記第2のパネルは、第1の板と、この第1の板に実質的に平行な第2の板と、及び前記第1の板と前記第2の板とを接続する第3の板と、からなり、
前記第2のパネルの前記第1の板と前記第1のパネルの前記第1の板とは前記第1の板と前記第3の板とを接続する接続部に摩擦撹拌接合されており、
前記第1パネルの前記第1の板と前記第2のパネルの前記第1の板との摩擦攪拌接合の部分の接合部のビードは、前記第1のパネルの前記第3の板の板厚の範囲にあること、
を特徴とするパネル構造体。
【請求項2】
請求項1記載のパネル構造体において、
前記摩擦攪拌接合した接合ビードの幅方向の中心は、前記第1のパネルの前記第3の板の板厚の範囲にあること、
を特徴とするパネル構造体。
【請求項3】
請求項1記載のパネル構造体において、
前記第1のパネル構造体の外面であって、前記第1の板の外面と、前記第2のパネル構造体の外面であって、前記第1の板の外面とが実質的に、同一面にあること、
を特徴とするパネル構造体。
【請求項4】
第1のパネルと第2のパネルを接合したパネル構造体において、
前記第1のパネルは、第1の板と、この第1の板に実質的に平行な第2の板と、及び前記第1のパネルの幅方向の端部の前記第1の板と前記第1のパネルの幅方向の端部の前記第2の板とを接続しており、かつ前記第1の板と前記第2の板に実質的に垂直な第3の板と、からなり、
前記第2のパネルは、第1の板と、この第1の板に実質的に平行な第2の板と、及び前記第1の板と前記第2の板とを接続する第3の板とからなり、
前記第2のパネルの前記第1の板と前記第1のパネルの前記第1の板とは前記第1の板と前記第3の板とを接続する接続部に摩擦撹拌接合されており、
前記第2のパネルの前記第2の板と前記第1のパネルの前記第2の板とは前記第1の板と前記第3の板とを接続する接続部に摩擦撹拌接合されており、
前記第2パネルの前記第1の板と前記第1のパネルの前記第1の板との前記摩擦攪拌接合した部分の部接合部のビードは、前記第1のパネルの前記第3の板の板厚の範囲にあり、
前記第2パネルの前記第2の板と前記第1のパネルの前記第2の板との前記摩擦攪拌接合した部分の部接合部のビードは、前記第1のパネルの前記第3の板の板厚の範囲にあること、
を特徴とするパネル構造体。
【請求項5】
請求項4記載のパネル構造体において、
前記第1のパネル構造体の外面であって、前記第1の板の外面と、前記第2のパネル構造体の外面であって、前記第1の板の外面とを実質的に、同一面にあり、
前記第1のパネル構造体の外面であって、前記第2の板の外面と、前記第2のパネル構造体の外面であって、前記第1の板の外面とが実質的に、同一面にあること、
を特徴とするパネル構造体。
【請求項6】
パネル構造体とパネルとを接合したパネル構造体において、
前記パネル構造体は、第1の板と、この第1の板に実質的に平行な第2の板と、及び前記パネル構造体の幅方向の端部に接続され、かつ前記第1の板に実質的に垂直な第3の板と、からなり、
前記パネルは、第1の板からなり、
前記パネルの前記第1の板は、前記パネル構造体の前記第1の板と前記第3のいたとの接続部に摩擦撹拌接合されており、
前記摩擦撹拌された部分の接合部のビードは、少なくとも前記パネル構造体の前記第3の板の板厚の範囲にあること、
を特徴とするパネル構造体。
【請求項7】
請求項6のパネル構造体において、
前記パネル構造体の前記第1の板の外面と前記パネルの前記第1の板の外面とは実質的に同一面にあること、
を特徴とするパネル構造体。
【請求項8】
請求項6記載のパネル構造体において、
前記摩擦撹拌接合部の接合ビードの幅方向の中心は、前記パネル構造体の前記第3の板の板厚の範囲にあること、
を特徴とするパネル構造体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−150456(P2006−150456A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−68005(P2006−68005)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【分割の表示】特願2000−47766(P2000−47766)の分割
【原出願日】平成9年2月20日(1997.2.20)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【分割の表示】特願2000−47766(P2000−47766)の分割
【原出願日】平成9年2月20日(1997.2.20)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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