パノラマ画像生成装置およびパノラマ画像生成方法
【課題】動画を構成する複数の静止画からパノラマ画像を生成した場合、極端に横長または縦長のパノラマ画像が生成されてしまう。
【解決手段】動画を構成する複数の静止画を合成してパノラマ画像70を生成し、生成したパノラマ画像70から、表示用のパノラマ画像を切り出す大きさを決定するとともに、パノラマ画像70から注目撮影位置を検出する。そして、検出した注目撮影位置と、決定した大きさとに基づいて、パノラマ画像70から表示用のパノラマ画像80を切り出す。
【解決手段】動画を構成する複数の静止画を合成してパノラマ画像70を生成し、生成したパノラマ画像70から、表示用のパノラマ画像を切り出す大きさを決定するとともに、パノラマ画像70から注目撮影位置を検出する。そして、検出した注目撮影位置と、決定した大きさとに基づいて、パノラマ画像70から表示用のパノラマ画像80を切り出す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画からパノラマ画像を生成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動画を構成する複数の静止画からパノラマ画像を生成する技術が知られている(特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−141821号公報
【特許文献1】特開2000−244814号公報
【特許文献1】特開2009−159514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、動画を構成する複数の静止画からパノラマ画像を生成した場合、極端に横長または縦長のパノラマ画像が生成されてしまう。このような極端に横長または縦長のパノラマ画像では、ユーザが注目している被写体を確認しにくくなるという問題が生じる。
【0005】
本発明は、動画を構成する複数の静止画から、ユーザが注目している被写体を視認しやすいパノラマ画像を生成する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様に係るパノラマ画像生成装置は、動画からパノラマ画像を生成可能なパノラマ画像生成装置であって、前記動画を構成する複数の静止画を合成してパノラマ画像を生成するパノラマ画像生成部と、前記パノラマ画像生成部によって生成されたパノラマ画像から、表示用のパノラマ画像を切り出す大きさを決定する切り出しサイズ決定部と、前記パノラマ画像生成部によって生成されたパノラマ画像から注目撮影位置を検出する注目撮影位置判定部と、前記注目撮影位置判定部によって検出された注目撮影位置と、前記切り出しサイズ決定部によって決定された大きさとに基づいて、前記パノラマ画像生成部によって生成されたパノラマ画像から表示用のパノラマ画像を切り出す表示用パノラマ画像切り出し部と、前記表示用パノラマ画像切り出し部によって切り出された表示用のパノラマ画像を表示する表示部と、を備える。
【0007】
本発明の別の態様に係るパノラマ画像生成方法は、動画からパノラマ画像を生成するパノラマ画像生成方法であって、前記動画を構成する複数の静止画を合成してパノラマ画像を生成するステップと、前記生成したパノラマ画像から、表示用のパノラマ画像を切り出す大きさを決定するステップと、前記生成したパノラマ画像から注目撮影位置を検出するステップと、前記検出した注目撮影位置と、前記決定した大きさとに基づいて、前記パノラマ画像から表示用のパノラマ画像を切り出すステップと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、動画を構成する複数の静止画を合成して生成されるパノラマ画像から、ユーザが注目している撮影位置を含む範囲を切り出して、表示用のパノラマ画像を生成するので、ユーザが注目している被写体を容易に視認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施の形態におけるパノラマ画像生成装置を搭載したデジタルカメラの正面斜視図である。
【図2】一実施の形態におけるパノラマ画像生成装置を搭載したデジタルカメラの背面斜視図である。
【図3】デジタルカメラのハードウェア構成例を示す図である。
【図4】画像合成部によって生成されたパノラマ画像から切り出しパノラマ画像を生成して表示部に表示するまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】縦長のパノラマ画像から切り出しパノラマ画像を生成するまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】パノラマ画像を生成するために用いられた動画像を構成する複数の静止画像の一例を示す図である。
【図7】図6に示す動画像を構成する複数の静止画像に基づいて生成されたパノラマ画像の一例を示す図である。
【図8】パノラマ画像の横方向における切り出し量を算出する方法を説明するための図である。
【図9】画像合成部によって生成されたパノラマ画像において、パノラマ画像を生成するために用いられた複数の静止画の中心位置を示す図である。
【図10】パノラマ画像を構成する複数の静止画の中心位置の時間軸上の座標を示す図である。
【図11】パノラマ画像の横方向において、単位区間あたりの静止画の中心位置の数を示すグラフ、および、パノラマ画像における注目位置を示す図である。
【図12】図6に示す動画から生成され、表示部に表示される切り出しパノラマ画像の一例を示す図である。
【図13】切り出しパノラマ画像に含まれる静止画を用いた動画表示の処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】切り出しパノラマ画像に含まれるフレームの一例を示す図である。
【図15】図14に示す、切り出しパノラマ画像に含まれるフレームを順に動画再生する例を示す図である。
【図16】ダイジェスト動画再生を行う場合に、切り出しパノラマ画像も同時に表示する例を示す図である。
【図17】図16を用いて説明した動画再生方法において、タイムバーを合わせて表示する例を示す図である。
【図18】表示部に表示する切り出しパノラマ画像も移動表示させる例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、一実施の形態におけるパノラマ画像生成装置を搭載したデジタルカメラ1の正面斜視図である。図2は、一実施の形態におけるパノラマ画像生成装置を搭載したデジタルカメラ1の背面斜視図である。
【0011】
図1および図2に示すように、デジタルカメラ1は、略直方体状に形成されたカメラ本体3、光学系としてのレンズ4、操作部としてのシャッターボタン5、パワーボタン6(以上、図1参照)、メニューボタン7、十字ボタン8、OK/FUNCボタン9、ズームボタン10、及び、モードダイヤル11、液晶モニタ等の表示部19(以上、図2参照)を有する。
【0012】
シャッターボタン5は、レンズ4を通して撮像される静止画および動画(連続する静止画)の記録を指示するための操作ボタンである。パワーボタン6は、デジタルカメラ1の電源をオン・オフするための操作ボタンである。メニューボタン7は、デジタルカメラ1の各種設定のためのメニュー画面を表示部19に表示させるための操作ボタンである。
【0013】
十字ボタン8は、表示部19に表示されたメニュー画面上のカーソルの位置を移動させる等により所望のメニュー項目を選択させるための操作ボタンである。OK/FUNCボタン9は、十字ボタン8を用いて選択したメニュー項目を選択項目として確定させるための操作ボタンである。
【0014】
ズームボタン10は、レンズ4をワイド側又はテレ側に移動させることで焦点距離の変更を指示するための操作ボタンである。モードダイヤル11は、例えば動画撮影モードや静止画撮影モード等のデジタルカメラ1の動作モードを設定するための操作ダイヤルである。
【0015】
図3は、デジタルカメラ1のハードウェア構成例を示す図である。図3に示すデジタルカメラ1は、レンズ101(図1のレンズ4に相当)、撮像素子102、撮像処理部103、A/D104(これらのレンズ101からA/D104を「撮像部100」という。)、画像処理部15、圧縮伸張部16、画像バッファメモリ17、表示処理部18、表示部19(図2の表示部19に相当)、記憶部20、内蔵メモリ21、外部メモリ22、有線I/F23、バス24、操作部25、集音部26、CPU27、動きベクトル検出部28、画像合成部29等を有する。
【0016】
撮像部100は、被写体を撮像して画像データ(画像信号)を順次生成する。生成した画像データは、バス24を介して画像バッファメモリ17に出力される。上述したように、撮像部100は、レンズ101、撮像素子102、撮像処理部103、A/D104により構成される。
【0017】
レンズ101は、被写体を撮像したときの被写体像を撮像素子102に結像する。撮像素子102は、レンズ101により結像された被写体像を光電変換して得られる画像を表すアナログ電気信号を撮像処理部103に出力する。撮像素子102は、例えばCCD(Charge Coupled Device)である。
【0018】
撮像処理部103は、撮像素子102から出力されるアナログ電気信号のノイズ成分を低減させると共に信号レベルを安定化させて、A/D104に出力する。撮像処理部103は、アナログ電気信号のノイズ成分を低減させるCDS(Correlated Double Sampling)や信号レベルを安定化させるAGC(Automatic Gain Control)等の回路を有する。A/D104は、撮像処理部103から出力されるアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換する。変換後のデジタル電気信号は、画像データとして、バス24に出力される。
【0019】
画像バッファメモリ17は、A/D104から出力され、バス24を介して入力される画像データを一時的に記憶する。画像バッファメモリ17は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の記憶装置である。
【0020】
画像処理部15は、画像バッファメモリ17、内蔵メモリ21または外部メモリ22に記憶された画像データに対して、ガンマ補正やホワイトバランス補正等の補正処理や、画素数を増減させる拡大・縮小処理(リサイズ処理)等の各種の画像処理を施す。画像処理部15は、画像バッファメモリ17、内蔵メモリ21または外部メモリ22に記憶された画像データに基づいて表示部19に画像データを表示する際や、画像バッファメモリ17に記憶された画像データを内蔵メモリ21や外部メモリ22に記憶させる際に、その前処理として上記の画像処理を施す。
【0021】
圧縮伸張部16は、画像処理部15により画像処理が施された画像データを内蔵メモリ21や外部メモリ22に記憶させるときに圧縮処理を施したり、内蔵メモリ21や外部メモリ22に記憶された画像データを読み出すときに伸張処理を施したりする。ここでいう圧縮処理や伸張処理とは、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)方式やMPEG(Moving Picture Experts Group)方式等による処理である。
【0022】
表示処理部18は、画像処理部15により画像処理が施された画像データを基に、表示部19に画像データを表示するときに、表示部19が表示可能な映像信号を生成して表示部19に出力する。表示部19は、表示処理部18により出力された映像信号に応じた映像を表示する。表示部19は、例えば液晶モニタ等の表示装置である。
【0023】
記憶部20は、画像データを記憶する。ここでいう画像データとは、画像処理部15により画像処理が施され、かつ、圧縮伸張部16によって圧縮処理が施された画像データである。記憶部20は、内蔵メモリ21や外部メモリ22により構成される。内蔵メモリ21は、デジタルカメラ1に予め内蔵されているメモリである。外部メモリ22は、デジタルカメラ1に着脱自在のメモリカードであり、例えばxD−ピクチャーカード(登録商標)である。
【0024】
有線I/F23は、デジタルカメラ1が外部機器と有線通信規格で接続するためのインターフェースである。有線通信規格とは、例えばUSB(Universal Serial Bus)である。
【0025】
操作部25は、図1のシャッターボタン5、パワーボタン6、メニューボタン7、十字ボタン8、OK/FUNCボタン9、ズームボタン10、モードダイヤル11等である。これら操作部25に係る操作情報は、CPU27に送信される。集音部26は、音声を集音するマイクロフォン等の装置である。この集音部26によって得られた音声信号はCPU27に送信される。
【0026】
CPU27は、フラッシュROM29に格納されている制御プログラムを読み出して実行することで、デジタルカメラ1の全体の動作を制御する。
【0027】
動きベクトル検出部28は、既知の方法を用いて、複数の画像間の動きベクトルを検出する。
【0028】
画像合成部29は、動きベクトル検出部28で検出された動きベクトルに基づいて、複数の画像間の位置ずれを補正し、位置ずれ補正後の複数の画像を合成して、合成画像を生成する。特に、画像合成部29は、動画を構成する複数の静止画像間の位置ずれを補正し、位置ずれ補正後の複数の静止画像を合成することによって、パノラマ画像を生成する。動画を構成する複数の静止画からパノラマ画像を生成する方法は既知のため、ここでは、パノラマ画像を生成する処理の詳しい説明は省略する。
【0029】
一実施の形態におけるパノラマ画像生成装置を搭載したデジタルカメラでは、画像合成部29によって生成されたパノラマ画像から、動画撮像時にユーザが注目している画像領域を切り出して、新たなパノラマ画像として、表示部19に表示する。画像合成部29によって生成されたパノラマ画像を切り出すことによって新たに生成されるパノラマ画像を、ここでは切り出しパノラマ画像と呼ぶ。
【0030】
図4は、画像合成部29によって生成されたパノラマ画像から切り出しパノラマ画像を生成して表示部19に表示するまでの処理の流れを示すフローチャートである。ステップS10から始まる処理は、CPU27によって行われる。ただし、フローチャートの各ステップの処理のうち、一部の処理を画像処理部15で行うようにしてもよいし、図示しないGPUを設けて、GPUで行うようにしてもよい。
【0031】
ステップS10では、画像合成部29によって生成されたパノラマ画像が横長であるか否かを判定する。
【0032】
図6は、パノラマ画像を生成するために用いられた、動画像を構成する複数の静止画像51〜61の一例を示す図である。また、図7は、図6に示す動画像を構成する複数の静止画像51〜61に基づいて生成されたパノラマ画像の一例を示す図である。
【0033】
動画像を撮像する際に、図6に示すように、カメラのレンズを主に横方向に移動させた場合には、図7に示すように、生成されるパノラマ画像が横長となる。一方、動画像の撮像時に、カメラのレンズを主に縦方向に移動させた場合には、生成されるパノラマ画像は縦長となる。
【0034】
ステップS10の判定において、生成されたパノラマ画像が横長であると判定するとステップS20に進む。ステップS20からステップS60までの処理は、横長のパノラマ画像に対して行う処理である。
【0035】
ステップS20では、画像合成部29によって生成されたパノラマ画像の横方向(水平方向)における切り出し量(切り出す大きさ)を算出する。
【0036】
図8は、画像合成部29によって生成されたパノラマ画像70の横方向における切り出し量を算出する方法を説明するための図である。画像合成部29によって生成されたパノラマ画像の横方向の長さをWP、縦方向の長さをHP、切り出しパノラマ画像を表示する際の縦方向の表示幅をHD、横方向の表示幅をWDとすると、切り出しパノラマ画像の横方向における切り出し量WP_NEWは、次式(1)にて表される。
【0037】
WP_NEW=HP×WD/HD (1)
ステップS30では、画像合成部29によって生成されたパノラマ画像において、ユーザが撮像時に注目していた位置を求める。ここでは、画像合成部29によって生成されたパノラマ画像において、パノラマ画像を生成するために用いられた複数の静止画のそれぞれの中心位置を求め、パノラマ画像の横方向における単位区間あたりの中心位置の数が最も多い位置を、ユーザが動画撮像時に注目していた位置とする。ここでは、切り出しパノラマ画像を表示部19に表示する際の横方向の長さWP_NEWを単位区間とする。
【0038】
図9は、画像合成部29によって生成されたパノラマ画像において、パノラマ画像を生成するために用いられた複数の静止画80〜90の中心位置80A〜90Aを示す図である。
【0039】
図10は、パノラマ画像を構成する複数の静止画80〜90の中心位置80A〜90AのX軸上の座標を示す図である。
【0040】
図11は、パノラマ画像の横方向において、単位区間あたりの静止画の中心位置の数を示すグラフ、および、パノラマ画像における注目位置(注目撮影位置)を示す図である。図10に示す例では、ユーザは動画撮像時に、撮像区間Aではカメラのレンズを単に横方向(右方向)に移動させているだけであるが、撮像区間Bでは、カメラのレンズを右方向だけでなく左方向にも移動させて、被写体を念入りに撮像していることが分かる。
【0041】
また、動画の撮像では、一般的に、ユーザがあまり注目していない被写体を撮像する際の撮像速度に比べて、ユーザが注目している被写体を撮像する際の撮像速度は遅くなる。
【0042】
すなわち、パノラマ画像の横方向において、単位区間あたりの静止画の中心位置の数が多い位置は、動画を構成する複数の静止画の中で最も多くの静止画に写し出されている被写体の位置であって、ユーザが注目している位置と判断することができる。従って、一実施の形態における撮像装置では、パノラマ画像の横方向において、単位区間あたりの静止画の中心位置の数が最も多い位置を、ユーザが注目している位置とする。
【0043】
図4に示すフローチャートのステップS40では、ステップS30で求めた注目位置を中心として、ステップS20で算出した切り出し量WP_NEWの画像領域をパノラマ画像から切り出すと、切り出す領域がパノラマ画像の横方向にはみ出るか否かを判定する。切り出す領域がパノラマ画像の横方向にはみ出ないと判定するとステップS60に進み、はみ出ると判定すると、ステップS50に進む。
【0044】
ステップS50では、切り出す領域がパノラマ画像からはみ出ないように、切り出す領域がはみ出る分だけ、ステップS30で求めた注目位置をオフセットさせる。
【0045】
ステップS60では、ステップS30またはステップS50で求めた注目位置を中心として、ステップS20で算出した切り出し量WP_NEWの画像領域をパノラマ画像から切り出す。図11の点線で示す領域100は、パノラマ画像から切り出す領域の一例を示す図である。また、図8の画像80は、パノラマ画像70から切り出した画像の一例を示しており、図11の点線で示す領域100に対応した画像である。
【0046】
一方、ステップS10において、生成されたパノラマ画像が縦長であると判定するとステップS90に進む。ステップS90では、縦長のパノラマ画像から、ユーザが注目している被写体を含む画像を切り出す処理を行う。この処理の詳細を、図5を用いて説明する。
【0047】
図5に示すフローチャートのステップS100では、画像合成部29によって生成されたパノラマ画像の縦方向(垂直方向)における切り出し量を算出する。画像合成部29によって生成されたパノラマ画像の横方向の長さをWP、縦方向の長さをHP、切り出しパノラマ画像を表示する際の縦方向の表示幅をHD、横方向の表示幅をWDとすると、切り出しパノラマ画像の縦方向における切り出し量HP_NEWは、次式(2)にて表される。
【0048】
HP_NEW=WP×HD/WD (2)
ステップS110では、画像合成部29によって生成されたパノラマ画像において、ユーザが撮像時に注目していた位置を求める。ここでは、画像合成部29によって生成されたパノラマ画像において、パノラマ画像を構成する複数の静止画の中心位置を求め、パノラマ画像の縦方向における単位区間あたりの中心位置の数が最も多い位置を、ユーザが動画撮像時に注目していた位置とする。ここでは、切り出しパノラマ画像を表示部19に表示する際の縦方向の長さHP_NEWを単位区間とする。
【0049】
ステップS120では、ステップS110で求めた注目位置を中心として、ステップS100で算出した切り出し量HP_NEWの画像領域をパノラマ画像から切り出すと、切り出す領域がパノラマ画像の縦方向にはみ出るか否かを判定する。切り出す領域がパノラマ画像の縦方向にはみ出ないと判定するとステップS140に進み、はみ出ると判定すると、ステップS130に進む。
【0050】
ステップS130では、切り出す領域がパノラマ画像からはみ出ないように、切り出す領域がはみ出る分だけ、ステップS110で求めた注目位置をオフセットさせる。
【0051】
ステップS140では、ステップS110またはステップS130で求めた注目位置を中心として、ステップS100で算出した切り出し量HP_NEWの画像領域をパノラマ画像から切り出す。ステップS140の処理を行うと、図4に示すフローチャートのステップS70に進む。
【0052】
ステップS70では、ステップS60、または、図5のステップ140で切り出した画像、すなわち、切り出しパノラマ画像を、表示部19の表示サイズに合わせて拡大/縮小する。切り出しパノラマ画像を拡大/縮小する際の拡縮係数kは、次式(3)で表される。
【0053】
k=HD/HP (3)
ステップS80では、ステップS70で拡大または縮小した切り出しパノラマ画像を表示部19に表示する。図8の画像85は、パノラマ画像70から切り出した画像80を縮小係数kで拡大/縮小した画像の一例を示す図である。
【0054】
図12は、図6に示す動画から生成され、表示部19に表示される切り出しパノラマ画像の一例を示す図であり、図8の画像85と対応している。動画からパノラマ画像を生成する従来の方法では、図7に示すような極端に横長の画像、または、極端に縦長の画像が生成されるため、表示部19に表示される被写体が小さくなり、ユーザが視認しにくくなる。また、図7に示すようなパノラマ画像では、画像全体のうち、ユーザが注目している部分が分かりにくい。しかしながら、一実施の形態におけるパノラマ画像生成装置では、図12に示すように、ユーザが注目していると考えられる画像領域を切り出してパノラマ画像を生成するので、ユーザの撮像意図に応じたパノラマ画像を生成することができる。
【0055】
−変形表示例1−
動画を再生する際に、動画の全区間のうち、撮像時にユーザが注目していたと考えられる撮像区間を切り出して再生することもできる。ユーザが注目していたと考えられる撮像区間とは、切り出しパノラマ画像に含まれる区間である。
【0056】
図13は、切り出しパノラマ画像に含まれる静止画を用いた動画表示の処理の流れを示すフローチャートである。
【0057】
ステップS1300では、動画を構成する複数のフレーム(静止画)のうち、先頭のフレームのフレーム番号Nを1に設定する。
【0058】
ステップS1310では、フレーム番号Nのフレームデータをデコードする。
【0059】
ステップS1320では、ステップS1310でデコードしたフレームが切り出しパノラマ画像に含まれるか否かを判定する。ここでは、デコードしたフレームの中心位置が切り出しパノラマ画像に含まれるか否かを判定する。
【0060】
図14は、切り出しパノラマ画像140に含まれるフレーム141〜145の一例を示す図である。図14に示すように、フレーム141〜145の中心位置は、切り出しパノラマ画像140に含まれている。図14に示すフレーム146は、切り出しパノラマ画像140には含まれない。
【0061】
ステップS1320において、デコードしたフレームが切り出しパノラマ画像に含まれないと判定するとステップS1340に進み、含まれると判定すると、ステップS1330に進む。
【0062】
ステップS1330では、ステップS1310でデコードしたフレームを表示部19に表示する。
【0063】
ステップS1340では、フレーム番号Nのフレームが動画を構成する最終フレームであるか否かを判定する。フレーム番号Nのフレームが動画を構成する最終フレームではないと判定すると、ステップS1350に進み、フレーム番号Nに1を加算して、ステップS1310に戻る。一方、フレーム番号Nのフレームが動画を構成する最終フレームであると判定すると、フローチャートの処理を終了する。
【0064】
図15は、図14に示す、切り出しパノラマ画像140に含まれるフレーム141〜145を順に動画再生する例を示す図である。この場合、表示されるフレームは、動画を構成する複数のフレームのうちの一部を抜き出したものであるため、途中のフレームが抜けている場合がある。しかし、この動画表示方法によれば、ユーザが動画撮像時に注目していたと考えられる撮像区間を抽出して、ダイジェスト再生することができる。これにより、動画撮影時間が長い場合でも、ユーザが動画撮像時に注目していた被写体を短時間で効率良く鑑賞することができる。
【0065】
−変形表示例2−
図16は、上述したダイジェスト動画再生を行う場合に、切り出しパノラマ画像160も同時に表示する例を示す図である。この表示方法では、表示部19に、切り出しパノラマ画像160を表示した状態で、ダイジェスト再生するフレーム161〜165を順次表示する。ただし、ダイジェスト再生するフレームと、背後に表示する切り出しパノラマ画像との区別がつくように、ダイジェスト再生するフレームを強調した形で表示する。
【0066】
図16に示す例では、ダイジェスト再生するフレーム161〜165を強調するために、切り出しパノラマ画像160の画像領域のうち、ダイジェスト再生する画像領域以外の画像領域の輝度を低くしている。ただし、ダイジェスト再生するフレームを強調する方法は、この方法に限定されることはない。例えば、ダイジェスト再生するフレームのフレーム枠を表示することによって、再生するフレームを強調表示するようにしてもよい。
【0067】
この動画表示方法によれば、撮像した動画区間の中で、どの区間を再生しているかを容易に視認することができる。
【0068】
−変形表示例3−
図17は、図16を用いて説明した動画再生方法において、タイムバー170を合わせて表示する例を示す図である。タイムバー170の長さは、撮像された全動画区間の長さに対応しており、黒塗りされている区間171は、ダイジェスト再生する動画区間である。また、撮像された全動画区間のうち、ダイジェスト再生中のフレーム位置を、矢印172で示している。これにより、撮像された全動画区間のうち、どの区間を再生中であるかをさらに容易に視認することができる。
【0069】
なお、タイムバーの長さを、切り出しパノラマ画像の撮像区間の長さに対応させるようにしてもよい。この場合には、切り出しパノラマ画像の撮像区間のうち、どの区間をダイジェスト再生中であるかを確認することができる。
【0070】
上述した表示を行うため、記憶部20は、切り出しパノラマ画像に含まれる静止画を用いた動画のデータに対して、切り出しパノラマ画像、および、動画の再生位置を示すデータを付随させて記憶する。これにより、図17に示すような、切り出しパノラマ画像を背景とした動画表示、および、パノラマ画像中における動画の再生位置を示す動画表示を容易に行うことができる。
【0071】
−変形表示例4−
図16を用いて説明した動画再生方法では、表示部19に表示する切り出しパノラマ画像は動かなかった。図18は、表示部19に表示する切り出しパノラマ画像も移動表示させる例を示す図である。
【0072】
図18に示す表示例では、表示部19に表示される切り出しパノラマ画像が画像180、画像181、画像182、画像181の順に切り替わる。図18において、上段は、表示部19に表示される画面の遷移を示し、下段は、ダイジェスト再生されるフレーム190〜197とともに表示される切り出しパノラマ画像を示している。図18の下段において、切り出しパノラマ画像180、181、182とともに表示されている画像183は、動画を構成する複数の静止画から構成されるパノラマ画像の一部を表す画像であり、切り出しパノラマ画像180〜182のそれぞれの関係を分かりやすくするために示している。
【0073】
切り出しパノラマ画像181は、既に説明した方法によって生成される切り出しパノラマ画像である。切り出しパノラマ画像180は、画像183のうち、切り出しパノラマ画像181よりも撮影時間が前の部分を切り出したパノラマ画像である。例えば、切り出しパノラマ画像181の左半分と、切り出しパノラマ画像180の右半分とが同じ被写体となるように、画像183からパノラマ画像180を切り出す。ただし、画像183から切り出しパノラマ画像180を切り出す際に、切り出しパノラマ画像181に対して、どの程度撮影時間が前の部分を切り出すかは、任意に設定することができる。
【0074】
切り出しパノラマ画像182は、切り出しパノラマ画像181よりも撮影時間が後の部分を切り出したパノラマ画像である。例えば、切り出しパノラマ画像181の右半分と、切り出しパノラマ画像182の左半分とが同じ被写体となるように、画像183からパノラマ画像182を切り出す。ただし、画像183から切り出しパノラマ画像182を切り出す際に、切り出しパノラマ画像181に対して、どの程度撮影時間が後の部分を切り出すかは、任意に設定することができる。切り出しパノラマ画像180、181、182の大きさはそれぞれ同じである。
【0075】
ダイジェスト動画再生するフレームは、切り出しパノラマ画像180、181、182に含まれるフレームとする。図18に示す例では、フレーム190〜197がダイジェスト動画再生するフレームとなる。
【0076】
ダイジェスト再生するフレーム190〜197のうち、フレーム190、191は、切り出しパノラマ画像180に含まれる画像であり、切り出しパノラマ画像180とともに表示される。また、フレーム192、193、194、196、197は、切り出しパノラマ画像181に含まれる画像であり、切り出しパノラマ画像181とともに表示される。さらに、フレーム195は、切り出しパノラマ画像182に含まれる画像であり、切り出しパノラマ画像182とともに表示される。従って、フレーム191を表示している状態からフレーム192を表示する場合、同時に表示する切り出しパノラマ画像も画像180から画像181に変わる。同様に、フレーム195を表示している状態からフレーム196を表示する場合、同時に表示する切り出しパノラマ画像も画像182から画像181に変わる。
【0077】
この表示方法によれば、1つの切り出しパノラマ画像を用いた表示方法よりも広い撮像範囲を対象として、ダイジェスト動画再生を行うことができる。
【0078】
なお、フレームとともに表示する切り出しパノラマ画像を多数用意しておき、多数用意した切り出しパノラマ画像を少しずつ切り換えて表示することによって、背景に表示する切り出しパノラマ画像が少しずつ変化するような表示を行ってもよい。
【0079】
以上、一実施の形態におけるパノラマ画像生成装置によれば、動画を構成する複数の静止画を合成してパノラマ画像を生成し、生成したパノラマ画像から、表示用のパノラマ画像を切り出す大きさを決定するとともに、生成したパノラマ画像から注目撮影位置を検出する。そして、検出した注目撮影位置と、決定した大きさとに基づいて、パノラマ画像から表示用のパノラマ画像を切り出す。これにより、ユーザが注目している被写体を視認しやすいパノラマ画像を生成することができる。
【0080】
また、動画を構成する複数の静止画から生成されたパノラマ画像のうち、動画を構成する複数の静止画の中で最も多くの静止画に写し出されている被写体の位置を注目撮影位置として検出する。これにより、動画撮影時に、ユーザが注目していたと考えられる位置を精度良く検出することができるので、ユーザが注目している被写体を視認しやすいパノラマ画像を生成することができる。
【0081】
また、動画を構成する複数の静止画のうち、表示用のパノラマ画像に含まれる静止画を用いて動画再生を行うことにより、ユーザが動画撮像時に注目していたと考えられる撮像区間を抽出して、動画をダイジェスト再生することができる。
【0082】
さらに、表示用のパノラマ画像に含まれる静止画を用いた動画の再生時に、表示用のパノラマ画像を背景として、動画を強調した再生を行う。これにより、ユーザは、撮像した動画区間の中で、どの区間を再生しているかを容易に視認することができる。
【0083】
また、一実施の形態におけるパノラマ画像生成装置では、表示用のパノラマ画像に含まれる静止画を用いた動画の再生時に、動画を構成する複数の静止画を合成することによって生成されたパノラマ画像、および、表示用のパノラマ画像のうちの少なくとも一方の画像中における再生位置を示す表示を行うこともできる。これにより、動画の再生時に、ユーザは、撮像された動画区間のうち、どの区間を再生中であるかを容易に視認することができる。
【0084】
表示用のパノラマ画像に含まれる静止画を用いた動画のデータに対して、表示用のパノラマ画像、および、動画の再生位置を示すデータを付随させて記憶するので、表示用のパノラマ画像を背景として、表示用のパノラマ画像に含まれる静止画を用いた動画の再生を容易に行うことができる。また、表示用のパノラマ画像に含まれる静止画を用いた動画の再生時に、パノラマ画像中における動画の再生位置を容易に表示することができる。
【0085】
さらに、一実施の形態におけるパノラマ画像生成装置では、表示用のパノラマ画像を複数用意しておき、表示用のパノラマ画像を背景として、表示用のパノラマ画像に含まれる静止画を用いた動画の再生を行う際に、動画の再生に応じて、表示用のパノラマ画像も切り換えるようにすることもできる。これにより、一つの表示用のパノラマ画像を用いた表示方法よりも広い撮像範囲を対象として、動画再生を行うことができる。
【0086】
なお、上述した一実施の形態の説明では、パノラマ画像生成装置が行う処理としてハードウェアによる処理を前提としていたが、このような構成に限定される必要はない。例えば、別途ソフトウェアにて処理する構成も可能である。この場合、パノラマ画像生成装置は、CPU、RAM等の主記憶装置、上記処理の全て或いは一部を実現させるためのプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を備えている。ここでは、このプログラムをパノラマ画像生成プログラムと呼ぶ。そして、CPUが上記記憶媒体に記憶されているパノラマ画像生成プログラムを読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、上述のパノラマ画像生成装置と同様の処理を実現させる。
【0087】
ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このパノラマ画像生成プログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該パノラマ画像生成プログラムを実行するようにしても良い。
【0088】
本発明は、上述した一実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、パノラマ画像生成装置を搭載したカメラをデジタルカメラとして説明したが、ビデオカメラやムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、ゲーム機器等に内蔵されるカメラでもよい。
【0089】
上述した一実施の形態では、図11を用いて説明したように、パノラマ画像の横方向(または縦方向)において、単位区間あたりの静止画の中心位置の数が最も多い位置(ピーク位置)を、注目撮影位置とした。ここで、単位区間あたりの静止画の中心位置の数をグラフ化した際に、ピーク位置が複数ある場合には、ピーク位置のうち、単位区間あたりの静止画の中心位置の数が所定のしきい値以上であるピーク位置を注目撮影位置に設定することもできる。設定された注目撮影位置が複数ある場合には、設定されたそれぞれの注目撮影位置について、切り出しパノラマ画像を生成する。
【符号の説明】
【0090】
102…撮像素子
15…画像処理部
19…表示部
27…CPU(パノラマ画像生成部、切り出しサイズ決定部、注目撮影位置判定部、パノラマ画像切り出し部、再生部)
28…動きベクトル検出部
29…画像合成部
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画からパノラマ画像を生成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動画を構成する複数の静止画からパノラマ画像を生成する技術が知られている(特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−141821号公報
【特許文献1】特開2000−244814号公報
【特許文献1】特開2009−159514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、動画を構成する複数の静止画からパノラマ画像を生成した場合、極端に横長または縦長のパノラマ画像が生成されてしまう。このような極端に横長または縦長のパノラマ画像では、ユーザが注目している被写体を確認しにくくなるという問題が生じる。
【0005】
本発明は、動画を構成する複数の静止画から、ユーザが注目している被写体を視認しやすいパノラマ画像を生成する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様に係るパノラマ画像生成装置は、動画からパノラマ画像を生成可能なパノラマ画像生成装置であって、前記動画を構成する複数の静止画を合成してパノラマ画像を生成するパノラマ画像生成部と、前記パノラマ画像生成部によって生成されたパノラマ画像から、表示用のパノラマ画像を切り出す大きさを決定する切り出しサイズ決定部と、前記パノラマ画像生成部によって生成されたパノラマ画像から注目撮影位置を検出する注目撮影位置判定部と、前記注目撮影位置判定部によって検出された注目撮影位置と、前記切り出しサイズ決定部によって決定された大きさとに基づいて、前記パノラマ画像生成部によって生成されたパノラマ画像から表示用のパノラマ画像を切り出す表示用パノラマ画像切り出し部と、前記表示用パノラマ画像切り出し部によって切り出された表示用のパノラマ画像を表示する表示部と、を備える。
【0007】
本発明の別の態様に係るパノラマ画像生成方法は、動画からパノラマ画像を生成するパノラマ画像生成方法であって、前記動画を構成する複数の静止画を合成してパノラマ画像を生成するステップと、前記生成したパノラマ画像から、表示用のパノラマ画像を切り出す大きさを決定するステップと、前記生成したパノラマ画像から注目撮影位置を検出するステップと、前記検出した注目撮影位置と、前記決定した大きさとに基づいて、前記パノラマ画像から表示用のパノラマ画像を切り出すステップと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、動画を構成する複数の静止画を合成して生成されるパノラマ画像から、ユーザが注目している撮影位置を含む範囲を切り出して、表示用のパノラマ画像を生成するので、ユーザが注目している被写体を容易に視認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施の形態におけるパノラマ画像生成装置を搭載したデジタルカメラの正面斜視図である。
【図2】一実施の形態におけるパノラマ画像生成装置を搭載したデジタルカメラの背面斜視図である。
【図3】デジタルカメラのハードウェア構成例を示す図である。
【図4】画像合成部によって生成されたパノラマ画像から切り出しパノラマ画像を生成して表示部に表示するまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】縦長のパノラマ画像から切り出しパノラマ画像を生成するまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】パノラマ画像を生成するために用いられた動画像を構成する複数の静止画像の一例を示す図である。
【図7】図6に示す動画像を構成する複数の静止画像に基づいて生成されたパノラマ画像の一例を示す図である。
【図8】パノラマ画像の横方向における切り出し量を算出する方法を説明するための図である。
【図9】画像合成部によって生成されたパノラマ画像において、パノラマ画像を生成するために用いられた複数の静止画の中心位置を示す図である。
【図10】パノラマ画像を構成する複数の静止画の中心位置の時間軸上の座標を示す図である。
【図11】パノラマ画像の横方向において、単位区間あたりの静止画の中心位置の数を示すグラフ、および、パノラマ画像における注目位置を示す図である。
【図12】図6に示す動画から生成され、表示部に表示される切り出しパノラマ画像の一例を示す図である。
【図13】切り出しパノラマ画像に含まれる静止画を用いた動画表示の処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】切り出しパノラマ画像に含まれるフレームの一例を示す図である。
【図15】図14に示す、切り出しパノラマ画像に含まれるフレームを順に動画再生する例を示す図である。
【図16】ダイジェスト動画再生を行う場合に、切り出しパノラマ画像も同時に表示する例を示す図である。
【図17】図16を用いて説明した動画再生方法において、タイムバーを合わせて表示する例を示す図である。
【図18】表示部に表示する切り出しパノラマ画像も移動表示させる例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、一実施の形態におけるパノラマ画像生成装置を搭載したデジタルカメラ1の正面斜視図である。図2は、一実施の形態におけるパノラマ画像生成装置を搭載したデジタルカメラ1の背面斜視図である。
【0011】
図1および図2に示すように、デジタルカメラ1は、略直方体状に形成されたカメラ本体3、光学系としてのレンズ4、操作部としてのシャッターボタン5、パワーボタン6(以上、図1参照)、メニューボタン7、十字ボタン8、OK/FUNCボタン9、ズームボタン10、及び、モードダイヤル11、液晶モニタ等の表示部19(以上、図2参照)を有する。
【0012】
シャッターボタン5は、レンズ4を通して撮像される静止画および動画(連続する静止画)の記録を指示するための操作ボタンである。パワーボタン6は、デジタルカメラ1の電源をオン・オフするための操作ボタンである。メニューボタン7は、デジタルカメラ1の各種設定のためのメニュー画面を表示部19に表示させるための操作ボタンである。
【0013】
十字ボタン8は、表示部19に表示されたメニュー画面上のカーソルの位置を移動させる等により所望のメニュー項目を選択させるための操作ボタンである。OK/FUNCボタン9は、十字ボタン8を用いて選択したメニュー項目を選択項目として確定させるための操作ボタンである。
【0014】
ズームボタン10は、レンズ4をワイド側又はテレ側に移動させることで焦点距離の変更を指示するための操作ボタンである。モードダイヤル11は、例えば動画撮影モードや静止画撮影モード等のデジタルカメラ1の動作モードを設定するための操作ダイヤルである。
【0015】
図3は、デジタルカメラ1のハードウェア構成例を示す図である。図3に示すデジタルカメラ1は、レンズ101(図1のレンズ4に相当)、撮像素子102、撮像処理部103、A/D104(これらのレンズ101からA/D104を「撮像部100」という。)、画像処理部15、圧縮伸張部16、画像バッファメモリ17、表示処理部18、表示部19(図2の表示部19に相当)、記憶部20、内蔵メモリ21、外部メモリ22、有線I/F23、バス24、操作部25、集音部26、CPU27、動きベクトル検出部28、画像合成部29等を有する。
【0016】
撮像部100は、被写体を撮像して画像データ(画像信号)を順次生成する。生成した画像データは、バス24を介して画像バッファメモリ17に出力される。上述したように、撮像部100は、レンズ101、撮像素子102、撮像処理部103、A/D104により構成される。
【0017】
レンズ101は、被写体を撮像したときの被写体像を撮像素子102に結像する。撮像素子102は、レンズ101により結像された被写体像を光電変換して得られる画像を表すアナログ電気信号を撮像処理部103に出力する。撮像素子102は、例えばCCD(Charge Coupled Device)である。
【0018】
撮像処理部103は、撮像素子102から出力されるアナログ電気信号のノイズ成分を低減させると共に信号レベルを安定化させて、A/D104に出力する。撮像処理部103は、アナログ電気信号のノイズ成分を低減させるCDS(Correlated Double Sampling)や信号レベルを安定化させるAGC(Automatic Gain Control)等の回路を有する。A/D104は、撮像処理部103から出力されるアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換する。変換後のデジタル電気信号は、画像データとして、バス24に出力される。
【0019】
画像バッファメモリ17は、A/D104から出力され、バス24を介して入力される画像データを一時的に記憶する。画像バッファメモリ17は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の記憶装置である。
【0020】
画像処理部15は、画像バッファメモリ17、内蔵メモリ21または外部メモリ22に記憶された画像データに対して、ガンマ補正やホワイトバランス補正等の補正処理や、画素数を増減させる拡大・縮小処理(リサイズ処理)等の各種の画像処理を施す。画像処理部15は、画像バッファメモリ17、内蔵メモリ21または外部メモリ22に記憶された画像データに基づいて表示部19に画像データを表示する際や、画像バッファメモリ17に記憶された画像データを内蔵メモリ21や外部メモリ22に記憶させる際に、その前処理として上記の画像処理を施す。
【0021】
圧縮伸張部16は、画像処理部15により画像処理が施された画像データを内蔵メモリ21や外部メモリ22に記憶させるときに圧縮処理を施したり、内蔵メモリ21や外部メモリ22に記憶された画像データを読み出すときに伸張処理を施したりする。ここでいう圧縮処理や伸張処理とは、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)方式やMPEG(Moving Picture Experts Group)方式等による処理である。
【0022】
表示処理部18は、画像処理部15により画像処理が施された画像データを基に、表示部19に画像データを表示するときに、表示部19が表示可能な映像信号を生成して表示部19に出力する。表示部19は、表示処理部18により出力された映像信号に応じた映像を表示する。表示部19は、例えば液晶モニタ等の表示装置である。
【0023】
記憶部20は、画像データを記憶する。ここでいう画像データとは、画像処理部15により画像処理が施され、かつ、圧縮伸張部16によって圧縮処理が施された画像データである。記憶部20は、内蔵メモリ21や外部メモリ22により構成される。内蔵メモリ21は、デジタルカメラ1に予め内蔵されているメモリである。外部メモリ22は、デジタルカメラ1に着脱自在のメモリカードであり、例えばxD−ピクチャーカード(登録商標)である。
【0024】
有線I/F23は、デジタルカメラ1が外部機器と有線通信規格で接続するためのインターフェースである。有線通信規格とは、例えばUSB(Universal Serial Bus)である。
【0025】
操作部25は、図1のシャッターボタン5、パワーボタン6、メニューボタン7、十字ボタン8、OK/FUNCボタン9、ズームボタン10、モードダイヤル11等である。これら操作部25に係る操作情報は、CPU27に送信される。集音部26は、音声を集音するマイクロフォン等の装置である。この集音部26によって得られた音声信号はCPU27に送信される。
【0026】
CPU27は、フラッシュROM29に格納されている制御プログラムを読み出して実行することで、デジタルカメラ1の全体の動作を制御する。
【0027】
動きベクトル検出部28は、既知の方法を用いて、複数の画像間の動きベクトルを検出する。
【0028】
画像合成部29は、動きベクトル検出部28で検出された動きベクトルに基づいて、複数の画像間の位置ずれを補正し、位置ずれ補正後の複数の画像を合成して、合成画像を生成する。特に、画像合成部29は、動画を構成する複数の静止画像間の位置ずれを補正し、位置ずれ補正後の複数の静止画像を合成することによって、パノラマ画像を生成する。動画を構成する複数の静止画からパノラマ画像を生成する方法は既知のため、ここでは、パノラマ画像を生成する処理の詳しい説明は省略する。
【0029】
一実施の形態におけるパノラマ画像生成装置を搭載したデジタルカメラでは、画像合成部29によって生成されたパノラマ画像から、動画撮像時にユーザが注目している画像領域を切り出して、新たなパノラマ画像として、表示部19に表示する。画像合成部29によって生成されたパノラマ画像を切り出すことによって新たに生成されるパノラマ画像を、ここでは切り出しパノラマ画像と呼ぶ。
【0030】
図4は、画像合成部29によって生成されたパノラマ画像から切り出しパノラマ画像を生成して表示部19に表示するまでの処理の流れを示すフローチャートである。ステップS10から始まる処理は、CPU27によって行われる。ただし、フローチャートの各ステップの処理のうち、一部の処理を画像処理部15で行うようにしてもよいし、図示しないGPUを設けて、GPUで行うようにしてもよい。
【0031】
ステップS10では、画像合成部29によって生成されたパノラマ画像が横長であるか否かを判定する。
【0032】
図6は、パノラマ画像を生成するために用いられた、動画像を構成する複数の静止画像51〜61の一例を示す図である。また、図7は、図6に示す動画像を構成する複数の静止画像51〜61に基づいて生成されたパノラマ画像の一例を示す図である。
【0033】
動画像を撮像する際に、図6に示すように、カメラのレンズを主に横方向に移動させた場合には、図7に示すように、生成されるパノラマ画像が横長となる。一方、動画像の撮像時に、カメラのレンズを主に縦方向に移動させた場合には、生成されるパノラマ画像は縦長となる。
【0034】
ステップS10の判定において、生成されたパノラマ画像が横長であると判定するとステップS20に進む。ステップS20からステップS60までの処理は、横長のパノラマ画像に対して行う処理である。
【0035】
ステップS20では、画像合成部29によって生成されたパノラマ画像の横方向(水平方向)における切り出し量(切り出す大きさ)を算出する。
【0036】
図8は、画像合成部29によって生成されたパノラマ画像70の横方向における切り出し量を算出する方法を説明するための図である。画像合成部29によって生成されたパノラマ画像の横方向の長さをWP、縦方向の長さをHP、切り出しパノラマ画像を表示する際の縦方向の表示幅をHD、横方向の表示幅をWDとすると、切り出しパノラマ画像の横方向における切り出し量WP_NEWは、次式(1)にて表される。
【0037】
WP_NEW=HP×WD/HD (1)
ステップS30では、画像合成部29によって生成されたパノラマ画像において、ユーザが撮像時に注目していた位置を求める。ここでは、画像合成部29によって生成されたパノラマ画像において、パノラマ画像を生成するために用いられた複数の静止画のそれぞれの中心位置を求め、パノラマ画像の横方向における単位区間あたりの中心位置の数が最も多い位置を、ユーザが動画撮像時に注目していた位置とする。ここでは、切り出しパノラマ画像を表示部19に表示する際の横方向の長さWP_NEWを単位区間とする。
【0038】
図9は、画像合成部29によって生成されたパノラマ画像において、パノラマ画像を生成するために用いられた複数の静止画80〜90の中心位置80A〜90Aを示す図である。
【0039】
図10は、パノラマ画像を構成する複数の静止画80〜90の中心位置80A〜90AのX軸上の座標を示す図である。
【0040】
図11は、パノラマ画像の横方向において、単位区間あたりの静止画の中心位置の数を示すグラフ、および、パノラマ画像における注目位置(注目撮影位置)を示す図である。図10に示す例では、ユーザは動画撮像時に、撮像区間Aではカメラのレンズを単に横方向(右方向)に移動させているだけであるが、撮像区間Bでは、カメラのレンズを右方向だけでなく左方向にも移動させて、被写体を念入りに撮像していることが分かる。
【0041】
また、動画の撮像では、一般的に、ユーザがあまり注目していない被写体を撮像する際の撮像速度に比べて、ユーザが注目している被写体を撮像する際の撮像速度は遅くなる。
【0042】
すなわち、パノラマ画像の横方向において、単位区間あたりの静止画の中心位置の数が多い位置は、動画を構成する複数の静止画の中で最も多くの静止画に写し出されている被写体の位置であって、ユーザが注目している位置と判断することができる。従って、一実施の形態における撮像装置では、パノラマ画像の横方向において、単位区間あたりの静止画の中心位置の数が最も多い位置を、ユーザが注目している位置とする。
【0043】
図4に示すフローチャートのステップS40では、ステップS30で求めた注目位置を中心として、ステップS20で算出した切り出し量WP_NEWの画像領域をパノラマ画像から切り出すと、切り出す領域がパノラマ画像の横方向にはみ出るか否かを判定する。切り出す領域がパノラマ画像の横方向にはみ出ないと判定するとステップS60に進み、はみ出ると判定すると、ステップS50に進む。
【0044】
ステップS50では、切り出す領域がパノラマ画像からはみ出ないように、切り出す領域がはみ出る分だけ、ステップS30で求めた注目位置をオフセットさせる。
【0045】
ステップS60では、ステップS30またはステップS50で求めた注目位置を中心として、ステップS20で算出した切り出し量WP_NEWの画像領域をパノラマ画像から切り出す。図11の点線で示す領域100は、パノラマ画像から切り出す領域の一例を示す図である。また、図8の画像80は、パノラマ画像70から切り出した画像の一例を示しており、図11の点線で示す領域100に対応した画像である。
【0046】
一方、ステップS10において、生成されたパノラマ画像が縦長であると判定するとステップS90に進む。ステップS90では、縦長のパノラマ画像から、ユーザが注目している被写体を含む画像を切り出す処理を行う。この処理の詳細を、図5を用いて説明する。
【0047】
図5に示すフローチャートのステップS100では、画像合成部29によって生成されたパノラマ画像の縦方向(垂直方向)における切り出し量を算出する。画像合成部29によって生成されたパノラマ画像の横方向の長さをWP、縦方向の長さをHP、切り出しパノラマ画像を表示する際の縦方向の表示幅をHD、横方向の表示幅をWDとすると、切り出しパノラマ画像の縦方向における切り出し量HP_NEWは、次式(2)にて表される。
【0048】
HP_NEW=WP×HD/WD (2)
ステップS110では、画像合成部29によって生成されたパノラマ画像において、ユーザが撮像時に注目していた位置を求める。ここでは、画像合成部29によって生成されたパノラマ画像において、パノラマ画像を構成する複数の静止画の中心位置を求め、パノラマ画像の縦方向における単位区間あたりの中心位置の数が最も多い位置を、ユーザが動画撮像時に注目していた位置とする。ここでは、切り出しパノラマ画像を表示部19に表示する際の縦方向の長さHP_NEWを単位区間とする。
【0049】
ステップS120では、ステップS110で求めた注目位置を中心として、ステップS100で算出した切り出し量HP_NEWの画像領域をパノラマ画像から切り出すと、切り出す領域がパノラマ画像の縦方向にはみ出るか否かを判定する。切り出す領域がパノラマ画像の縦方向にはみ出ないと判定するとステップS140に進み、はみ出ると判定すると、ステップS130に進む。
【0050】
ステップS130では、切り出す領域がパノラマ画像からはみ出ないように、切り出す領域がはみ出る分だけ、ステップS110で求めた注目位置をオフセットさせる。
【0051】
ステップS140では、ステップS110またはステップS130で求めた注目位置を中心として、ステップS100で算出した切り出し量HP_NEWの画像領域をパノラマ画像から切り出す。ステップS140の処理を行うと、図4に示すフローチャートのステップS70に進む。
【0052】
ステップS70では、ステップS60、または、図5のステップ140で切り出した画像、すなわち、切り出しパノラマ画像を、表示部19の表示サイズに合わせて拡大/縮小する。切り出しパノラマ画像を拡大/縮小する際の拡縮係数kは、次式(3)で表される。
【0053】
k=HD/HP (3)
ステップS80では、ステップS70で拡大または縮小した切り出しパノラマ画像を表示部19に表示する。図8の画像85は、パノラマ画像70から切り出した画像80を縮小係数kで拡大/縮小した画像の一例を示す図である。
【0054】
図12は、図6に示す動画から生成され、表示部19に表示される切り出しパノラマ画像の一例を示す図であり、図8の画像85と対応している。動画からパノラマ画像を生成する従来の方法では、図7に示すような極端に横長の画像、または、極端に縦長の画像が生成されるため、表示部19に表示される被写体が小さくなり、ユーザが視認しにくくなる。また、図7に示すようなパノラマ画像では、画像全体のうち、ユーザが注目している部分が分かりにくい。しかしながら、一実施の形態におけるパノラマ画像生成装置では、図12に示すように、ユーザが注目していると考えられる画像領域を切り出してパノラマ画像を生成するので、ユーザの撮像意図に応じたパノラマ画像を生成することができる。
【0055】
−変形表示例1−
動画を再生する際に、動画の全区間のうち、撮像時にユーザが注目していたと考えられる撮像区間を切り出して再生することもできる。ユーザが注目していたと考えられる撮像区間とは、切り出しパノラマ画像に含まれる区間である。
【0056】
図13は、切り出しパノラマ画像に含まれる静止画を用いた動画表示の処理の流れを示すフローチャートである。
【0057】
ステップS1300では、動画を構成する複数のフレーム(静止画)のうち、先頭のフレームのフレーム番号Nを1に設定する。
【0058】
ステップS1310では、フレーム番号Nのフレームデータをデコードする。
【0059】
ステップS1320では、ステップS1310でデコードしたフレームが切り出しパノラマ画像に含まれるか否かを判定する。ここでは、デコードしたフレームの中心位置が切り出しパノラマ画像に含まれるか否かを判定する。
【0060】
図14は、切り出しパノラマ画像140に含まれるフレーム141〜145の一例を示す図である。図14に示すように、フレーム141〜145の中心位置は、切り出しパノラマ画像140に含まれている。図14に示すフレーム146は、切り出しパノラマ画像140には含まれない。
【0061】
ステップS1320において、デコードしたフレームが切り出しパノラマ画像に含まれないと判定するとステップS1340に進み、含まれると判定すると、ステップS1330に進む。
【0062】
ステップS1330では、ステップS1310でデコードしたフレームを表示部19に表示する。
【0063】
ステップS1340では、フレーム番号Nのフレームが動画を構成する最終フレームであるか否かを判定する。フレーム番号Nのフレームが動画を構成する最終フレームではないと判定すると、ステップS1350に進み、フレーム番号Nに1を加算して、ステップS1310に戻る。一方、フレーム番号Nのフレームが動画を構成する最終フレームであると判定すると、フローチャートの処理を終了する。
【0064】
図15は、図14に示す、切り出しパノラマ画像140に含まれるフレーム141〜145を順に動画再生する例を示す図である。この場合、表示されるフレームは、動画を構成する複数のフレームのうちの一部を抜き出したものであるため、途中のフレームが抜けている場合がある。しかし、この動画表示方法によれば、ユーザが動画撮像時に注目していたと考えられる撮像区間を抽出して、ダイジェスト再生することができる。これにより、動画撮影時間が長い場合でも、ユーザが動画撮像時に注目していた被写体を短時間で効率良く鑑賞することができる。
【0065】
−変形表示例2−
図16は、上述したダイジェスト動画再生を行う場合に、切り出しパノラマ画像160も同時に表示する例を示す図である。この表示方法では、表示部19に、切り出しパノラマ画像160を表示した状態で、ダイジェスト再生するフレーム161〜165を順次表示する。ただし、ダイジェスト再生するフレームと、背後に表示する切り出しパノラマ画像との区別がつくように、ダイジェスト再生するフレームを強調した形で表示する。
【0066】
図16に示す例では、ダイジェスト再生するフレーム161〜165を強調するために、切り出しパノラマ画像160の画像領域のうち、ダイジェスト再生する画像領域以外の画像領域の輝度を低くしている。ただし、ダイジェスト再生するフレームを強調する方法は、この方法に限定されることはない。例えば、ダイジェスト再生するフレームのフレーム枠を表示することによって、再生するフレームを強調表示するようにしてもよい。
【0067】
この動画表示方法によれば、撮像した動画区間の中で、どの区間を再生しているかを容易に視認することができる。
【0068】
−変形表示例3−
図17は、図16を用いて説明した動画再生方法において、タイムバー170を合わせて表示する例を示す図である。タイムバー170の長さは、撮像された全動画区間の長さに対応しており、黒塗りされている区間171は、ダイジェスト再生する動画区間である。また、撮像された全動画区間のうち、ダイジェスト再生中のフレーム位置を、矢印172で示している。これにより、撮像された全動画区間のうち、どの区間を再生中であるかをさらに容易に視認することができる。
【0069】
なお、タイムバーの長さを、切り出しパノラマ画像の撮像区間の長さに対応させるようにしてもよい。この場合には、切り出しパノラマ画像の撮像区間のうち、どの区間をダイジェスト再生中であるかを確認することができる。
【0070】
上述した表示を行うため、記憶部20は、切り出しパノラマ画像に含まれる静止画を用いた動画のデータに対して、切り出しパノラマ画像、および、動画の再生位置を示すデータを付随させて記憶する。これにより、図17に示すような、切り出しパノラマ画像を背景とした動画表示、および、パノラマ画像中における動画の再生位置を示す動画表示を容易に行うことができる。
【0071】
−変形表示例4−
図16を用いて説明した動画再生方法では、表示部19に表示する切り出しパノラマ画像は動かなかった。図18は、表示部19に表示する切り出しパノラマ画像も移動表示させる例を示す図である。
【0072】
図18に示す表示例では、表示部19に表示される切り出しパノラマ画像が画像180、画像181、画像182、画像181の順に切り替わる。図18において、上段は、表示部19に表示される画面の遷移を示し、下段は、ダイジェスト再生されるフレーム190〜197とともに表示される切り出しパノラマ画像を示している。図18の下段において、切り出しパノラマ画像180、181、182とともに表示されている画像183は、動画を構成する複数の静止画から構成されるパノラマ画像の一部を表す画像であり、切り出しパノラマ画像180〜182のそれぞれの関係を分かりやすくするために示している。
【0073】
切り出しパノラマ画像181は、既に説明した方法によって生成される切り出しパノラマ画像である。切り出しパノラマ画像180は、画像183のうち、切り出しパノラマ画像181よりも撮影時間が前の部分を切り出したパノラマ画像である。例えば、切り出しパノラマ画像181の左半分と、切り出しパノラマ画像180の右半分とが同じ被写体となるように、画像183からパノラマ画像180を切り出す。ただし、画像183から切り出しパノラマ画像180を切り出す際に、切り出しパノラマ画像181に対して、どの程度撮影時間が前の部分を切り出すかは、任意に設定することができる。
【0074】
切り出しパノラマ画像182は、切り出しパノラマ画像181よりも撮影時間が後の部分を切り出したパノラマ画像である。例えば、切り出しパノラマ画像181の右半分と、切り出しパノラマ画像182の左半分とが同じ被写体となるように、画像183からパノラマ画像182を切り出す。ただし、画像183から切り出しパノラマ画像182を切り出す際に、切り出しパノラマ画像181に対して、どの程度撮影時間が後の部分を切り出すかは、任意に設定することができる。切り出しパノラマ画像180、181、182の大きさはそれぞれ同じである。
【0075】
ダイジェスト動画再生するフレームは、切り出しパノラマ画像180、181、182に含まれるフレームとする。図18に示す例では、フレーム190〜197がダイジェスト動画再生するフレームとなる。
【0076】
ダイジェスト再生するフレーム190〜197のうち、フレーム190、191は、切り出しパノラマ画像180に含まれる画像であり、切り出しパノラマ画像180とともに表示される。また、フレーム192、193、194、196、197は、切り出しパノラマ画像181に含まれる画像であり、切り出しパノラマ画像181とともに表示される。さらに、フレーム195は、切り出しパノラマ画像182に含まれる画像であり、切り出しパノラマ画像182とともに表示される。従って、フレーム191を表示している状態からフレーム192を表示する場合、同時に表示する切り出しパノラマ画像も画像180から画像181に変わる。同様に、フレーム195を表示している状態からフレーム196を表示する場合、同時に表示する切り出しパノラマ画像も画像182から画像181に変わる。
【0077】
この表示方法によれば、1つの切り出しパノラマ画像を用いた表示方法よりも広い撮像範囲を対象として、ダイジェスト動画再生を行うことができる。
【0078】
なお、フレームとともに表示する切り出しパノラマ画像を多数用意しておき、多数用意した切り出しパノラマ画像を少しずつ切り換えて表示することによって、背景に表示する切り出しパノラマ画像が少しずつ変化するような表示を行ってもよい。
【0079】
以上、一実施の形態におけるパノラマ画像生成装置によれば、動画を構成する複数の静止画を合成してパノラマ画像を生成し、生成したパノラマ画像から、表示用のパノラマ画像を切り出す大きさを決定するとともに、生成したパノラマ画像から注目撮影位置を検出する。そして、検出した注目撮影位置と、決定した大きさとに基づいて、パノラマ画像から表示用のパノラマ画像を切り出す。これにより、ユーザが注目している被写体を視認しやすいパノラマ画像を生成することができる。
【0080】
また、動画を構成する複数の静止画から生成されたパノラマ画像のうち、動画を構成する複数の静止画の中で最も多くの静止画に写し出されている被写体の位置を注目撮影位置として検出する。これにより、動画撮影時に、ユーザが注目していたと考えられる位置を精度良く検出することができるので、ユーザが注目している被写体を視認しやすいパノラマ画像を生成することができる。
【0081】
また、動画を構成する複数の静止画のうち、表示用のパノラマ画像に含まれる静止画を用いて動画再生を行うことにより、ユーザが動画撮像時に注目していたと考えられる撮像区間を抽出して、動画をダイジェスト再生することができる。
【0082】
さらに、表示用のパノラマ画像に含まれる静止画を用いた動画の再生時に、表示用のパノラマ画像を背景として、動画を強調した再生を行う。これにより、ユーザは、撮像した動画区間の中で、どの区間を再生しているかを容易に視認することができる。
【0083】
また、一実施の形態におけるパノラマ画像生成装置では、表示用のパノラマ画像に含まれる静止画を用いた動画の再生時に、動画を構成する複数の静止画を合成することによって生成されたパノラマ画像、および、表示用のパノラマ画像のうちの少なくとも一方の画像中における再生位置を示す表示を行うこともできる。これにより、動画の再生時に、ユーザは、撮像された動画区間のうち、どの区間を再生中であるかを容易に視認することができる。
【0084】
表示用のパノラマ画像に含まれる静止画を用いた動画のデータに対して、表示用のパノラマ画像、および、動画の再生位置を示すデータを付随させて記憶するので、表示用のパノラマ画像を背景として、表示用のパノラマ画像に含まれる静止画を用いた動画の再生を容易に行うことができる。また、表示用のパノラマ画像に含まれる静止画を用いた動画の再生時に、パノラマ画像中における動画の再生位置を容易に表示することができる。
【0085】
さらに、一実施の形態におけるパノラマ画像生成装置では、表示用のパノラマ画像を複数用意しておき、表示用のパノラマ画像を背景として、表示用のパノラマ画像に含まれる静止画を用いた動画の再生を行う際に、動画の再生に応じて、表示用のパノラマ画像も切り換えるようにすることもできる。これにより、一つの表示用のパノラマ画像を用いた表示方法よりも広い撮像範囲を対象として、動画再生を行うことができる。
【0086】
なお、上述した一実施の形態の説明では、パノラマ画像生成装置が行う処理としてハードウェアによる処理を前提としていたが、このような構成に限定される必要はない。例えば、別途ソフトウェアにて処理する構成も可能である。この場合、パノラマ画像生成装置は、CPU、RAM等の主記憶装置、上記処理の全て或いは一部を実現させるためのプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を備えている。ここでは、このプログラムをパノラマ画像生成プログラムと呼ぶ。そして、CPUが上記記憶媒体に記憶されているパノラマ画像生成プログラムを読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、上述のパノラマ画像生成装置と同様の処理を実現させる。
【0087】
ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このパノラマ画像生成プログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該パノラマ画像生成プログラムを実行するようにしても良い。
【0088】
本発明は、上述した一実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、パノラマ画像生成装置を搭載したカメラをデジタルカメラとして説明したが、ビデオカメラやムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、ゲーム機器等に内蔵されるカメラでもよい。
【0089】
上述した一実施の形態では、図11を用いて説明したように、パノラマ画像の横方向(または縦方向)において、単位区間あたりの静止画の中心位置の数が最も多い位置(ピーク位置)を、注目撮影位置とした。ここで、単位区間あたりの静止画の中心位置の数をグラフ化した際に、ピーク位置が複数ある場合には、ピーク位置のうち、単位区間あたりの静止画の中心位置の数が所定のしきい値以上であるピーク位置を注目撮影位置に設定することもできる。設定された注目撮影位置が複数ある場合には、設定されたそれぞれの注目撮影位置について、切り出しパノラマ画像を生成する。
【符号の説明】
【0090】
102…撮像素子
15…画像処理部
19…表示部
27…CPU(パノラマ画像生成部、切り出しサイズ決定部、注目撮影位置判定部、パノラマ画像切り出し部、再生部)
28…動きベクトル検出部
29…画像合成部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画からパノラマ画像を生成可能なパノラマ画像生成装置であって、
前記動画を構成する複数の静止画を合成してパノラマ画像を生成するパノラマ画像生成部と、
前記パノラマ画像生成部によって生成されたパノラマ画像から、表示用のパノラマ画像を切り出す大きさを決定する切り出しサイズ決定部と、
前記パノラマ画像生成部によって生成されたパノラマ画像から注目撮影位置を検出する注目撮影位置判定部と、
前記注目撮影位置判定部によって検出された注目撮影位置と、前記切り出しサイズ決定部によって決定された大きさとに基づいて、前記パノラマ画像生成部によって生成されたパノラマ画像から表示用のパノラマ画像を切り出す表示用パノラマ画像切り出し部と、
前記表示用パノラマ画像切り出し部によって切り出された表示用のパノラマ画像を表示する表示部と、
を備えることを特徴とするパノラマ画像生成装置。
【請求項2】
前記注目撮影位置判定部は、前記パノラマ画像生成部によって生成されたパノラマ画像のうち、前記動画を構成する複数の静止画の中で最も多くの静止画に写し出されている被写体の位置を注目撮影位置として検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のパノラマ画像生成装置。
【請求項3】
前記動画を構成する複数の静止画のうち、前記表示用のパノラマ画像に含まれる静止画を用いて動画再生を行う再生部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパノラマ画像生成装置。
【請求項4】
前記再生部は、前記表示用のパノラマ画像に含まれる静止画を用いた動画の再生時に、前記表示用のパノラマ画像を背景として、前記動画を強調した再生を行う、
ことを特徴とする請求項3に記載のパノラマ画像生成装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記表示用のパノラマ画像に含まれる静止画を用いた動画の再生時に、前記パノラマ画像生成部によって生成されたパノラマ画像および前記表示用パノラマ画像切り出し部によって切り出された表示用のパノラマ画像のうちの少なくとも一方の画像中における再生位置を示す表示を行う、
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のパノラマ画像生成装置。
【請求項6】
前記表示用のパノラマ画像に含まれる静止画を用いた動画のデータに対して、前記表示用のパノラマ画像、および、動画の再生位置を示すデータを付随させて記憶する記憶部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項5に記載のパノラマ画像生成装置。
【請求項7】
前記表示用パノラマ画像切り出し部は、前記表示用のパノラマ画像を複数切り出し、
前記再生部は、前記表示用のパノラマ画像を背景として、前記表示用のパノラマ画像に含まれる静止画を用いた動画の再生を行う際に、前記動画の再生に応じて、前記表示用のパノラマ画像も切り換える、
ことを特徴とする請求項4に記載のパノラマ画像生成装置。
【請求項8】
動画からパノラマ画像を生成するパノラマ画像生成方法であって、
前記動画を構成する複数の静止画を合成してパノラマ画像を生成するステップと、
前記生成したパノラマ画像から、表示用のパノラマ画像を切り出す大きさを決定するステップと、
前記生成したパノラマ画像から注目撮影位置を検出するステップと、
前記検出した注目撮影位置と、前記決定した大きさとに基づいて、前記パノラマ画像から表示用のパノラマ画像を切り出すステップと、
を備えることを特徴とするパノラマ画像生成方法。
【請求項1】
動画からパノラマ画像を生成可能なパノラマ画像生成装置であって、
前記動画を構成する複数の静止画を合成してパノラマ画像を生成するパノラマ画像生成部と、
前記パノラマ画像生成部によって生成されたパノラマ画像から、表示用のパノラマ画像を切り出す大きさを決定する切り出しサイズ決定部と、
前記パノラマ画像生成部によって生成されたパノラマ画像から注目撮影位置を検出する注目撮影位置判定部と、
前記注目撮影位置判定部によって検出された注目撮影位置と、前記切り出しサイズ決定部によって決定された大きさとに基づいて、前記パノラマ画像生成部によって生成されたパノラマ画像から表示用のパノラマ画像を切り出す表示用パノラマ画像切り出し部と、
前記表示用パノラマ画像切り出し部によって切り出された表示用のパノラマ画像を表示する表示部と、
を備えることを特徴とするパノラマ画像生成装置。
【請求項2】
前記注目撮影位置判定部は、前記パノラマ画像生成部によって生成されたパノラマ画像のうち、前記動画を構成する複数の静止画の中で最も多くの静止画に写し出されている被写体の位置を注目撮影位置として検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のパノラマ画像生成装置。
【請求項3】
前記動画を構成する複数の静止画のうち、前記表示用のパノラマ画像に含まれる静止画を用いて動画再生を行う再生部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパノラマ画像生成装置。
【請求項4】
前記再生部は、前記表示用のパノラマ画像に含まれる静止画を用いた動画の再生時に、前記表示用のパノラマ画像を背景として、前記動画を強調した再生を行う、
ことを特徴とする請求項3に記載のパノラマ画像生成装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記表示用のパノラマ画像に含まれる静止画を用いた動画の再生時に、前記パノラマ画像生成部によって生成されたパノラマ画像および前記表示用パノラマ画像切り出し部によって切り出された表示用のパノラマ画像のうちの少なくとも一方の画像中における再生位置を示す表示を行う、
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のパノラマ画像生成装置。
【請求項6】
前記表示用のパノラマ画像に含まれる静止画を用いた動画のデータに対して、前記表示用のパノラマ画像、および、動画の再生位置を示すデータを付随させて記憶する記憶部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項5に記載のパノラマ画像生成装置。
【請求項7】
前記表示用パノラマ画像切り出し部は、前記表示用のパノラマ画像を複数切り出し、
前記再生部は、前記表示用のパノラマ画像を背景として、前記表示用のパノラマ画像に含まれる静止画を用いた動画の再生を行う際に、前記動画の再生に応じて、前記表示用のパノラマ画像も切り換える、
ことを特徴とする請求項4に記載のパノラマ画像生成装置。
【請求項8】
動画からパノラマ画像を生成するパノラマ画像生成方法であって、
前記動画を構成する複数の静止画を合成してパノラマ画像を生成するステップと、
前記生成したパノラマ画像から、表示用のパノラマ画像を切り出す大きさを決定するステップと、
前記生成したパノラマ画像から注目撮影位置を検出するステップと、
前記検出した注目撮影位置と、前記決定した大きさとに基づいて、前記パノラマ画像から表示用のパノラマ画像を切り出すステップと、
を備えることを特徴とするパノラマ画像生成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図13】
【図15】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図14】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図13】
【図15】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図14】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−114900(P2012−114900A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240175(P2011−240175)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
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