説明

パラメータ推定方法及びその装置

【課題】観測データとパラメータとの線形関係を表す計画行列の算出式が既知ではない場合でも最小二乗法をパラメータ推定に適用可能とする。
【解決手段】一方で、観測データである時刻(T)、観測データ(L)及び観測データ誤差共分散行列(Σ)と、パラメータ推定初期値(β)と観測ベクトル数学モデルから得られる観測データ予測初期値(LΕk0)とを用いて観測データ差分ベクトル(ΔL)を求める。他方で、上記観測データとパラメータ推定初期値とに加えてパラメータ微分値(Δb)を用いて観測ベクトル数学モデルから得られる各観測データに対応する各観測データ予測値(LΕkx)を演算して計画行列近似値(F)を求める。それら観測データ差分ベクトル(ΔL)と計画行列近似値(F)とから最小二乗推定演算を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機の位置等の状態から成る系を対象として、その系をレーダー等のセンサーにて観測して得られる観測データから、対象系の状態を定めるパラメータの推定をより正確にする方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パラメータ推定方法として、簡便な最小二乗法を用いる場合が多い。
【0003】
従って、従来のパラメータ推定方法及びその装置には、観測ベクトル数学モデル及び計画行列数学モデルを用いて、複数個の観測データから観測データ差分ベクトル及び計画行列を算出し、最小二乗法を用いて推定パラメータを演算している、例えば、図2に示されるパラメータ推定装置がある。
【0004】
図2は、従来のパラメータ推定装置100とその外部装置との接続関係、及び従来のパラメータ推定装置100の内部の構成の一例を示す。パラメータ推定装置100は、外部装置である観測データ入力部10、パラメータ推定初期値設定部11、推定パラメータ構成部12、及び推定パラメータ出力部13それぞれと接続される。また、パラメータ推定装置100は、観測データ差分ベクトル算出部2、観測ベクトル数学モデル部103、計画行列算出部104、計画行列数学モデル部105、及び最小二乗推定演算部6により構成される。
【0005】
次に、パラメータ推定装置100と、外部装置である観測データ入力部10、パラメータ推定初期値設定部11、推定パラメータ構成部12、及び推定パラメータ出力部13との間の入出力データとその処理内容とについて説明する。ただし、記号kは「1〜n」の自然数である。
【0006】
パラメータ推定装置100は観測データ入力部10から観測の結果データとして、時刻(T)、観測データ(L)及び観測データ誤差共分散行列(Σ)を入力し、かつ、パラメータ推定初期値設定部11からパラメータ推定初期値(β)を入力する。これらの入力に基づきパラメータ推定装置100はパラメータ差分推定値(Δβ)を算出し、これを推定パラメータ構成部12に出力する。推定パラメータ構成部12は上記パラメータ推定初期値(β)とパラメータ差分推定値(Δβ)とを入力し、下記数式(1)によりパラメータ推定値(β)を算出し、これを推定パラメータ出力部13に出力する。
【0007】
【数1】

【0008】
次に、パラメータ推定装置100の内部の各構成要素間のデータ関係及びその処理内容について説明する。ただし、記号kは「1〜n」の自然数である。
【0009】
観測ベクトル数学モデル部103は、時刻(T)及びパラメータ推定初期値(β)を入力すると、入力に対応する観測データの予測値として観測データ予測初期値(LΕK0)を算出して出力する関数部である。また、計画行列数学モデル部105は、時刻(T)を入力すると、入力に対応する計画行列値(F)を算出して出力する関数部である。観測データ差分ベクトル算出部2は、時刻(T)及び観測データ(L)、並びにパラメータ推定初期値(β)を入力し、観測ベクトル数学モデル部103を使用して観測データ予測初期値(LΕK0)を得た後、下記数式(2)により観測データ差分ベクトル観測データ差分ベクトル(ΔL)を算出し出力する。
【0010】
【数2】

【0011】
また、計画行列算出部104は、時刻(T)及びパラメータ推定初期値(β)を入力し、計画行列数学モデル部105を使用して計画行列値(F)を求め出力する。最小二乗推定演算部6は、観測データ入力部10から入力の観測データ誤差共分散行列(Σ)並びに上記出力の観測データ差分ベクト(ΔL)及び計画行列値(F)それぞれを入力し、下記数式(3)の最小二乗推定式の演算を実施してパラメータ差分推定値(Δβ)を算出し、これを推定パラメータ構成部12に出力する。
【0012】
【数3】

【0013】
一方、最小二乗法は、各観測データと系のパラメータとの線形関係を表現した行列である計画行列を算出して推定を行うものである。従って、パラメータ推定装置100においても計画行列数学モデル部105が計画行列値(F)を算出して最小二乗推定演算部6に出力している。
【0014】
しかしながら、観測データとパラメータとの線形関係を表す計画行列の算出式が既知ではない場合もある。この場合には、上述した従来のパラメータ推定方法では、計画行列の算出式が既知でないために計画行列数学モデル部を構成できず、最小二乗法を適用するには不適当である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
解決しようとする課題は、観測データとパラメータとの線形関係を表す計画行列の算出式が既知ではない場合には計画行列数学モデル部を構成できないので、最小二乗法を適用するには不適当なことである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、このような問題を解決しようとするものであり、計画行列の算出式が既知ではない場合にも計画行列を得る手段を提供することにより、最小二乗法を適用したパラメータ推定を可能にすることを目的としている。
【0017】
このため、本発明では、パラメータ推定装置の外部装置としてパラメータ微分設定部を設け、計画行列を得る手段として、計画行列数学モデルを利用することなく、パラメータ微分設定部から得られるパラメータ微分値(Δbx)を用いて各観測データのパラメータ(βx)を推定し、観測ベクトル数学モデルを用いて各観測データに対応する各観測データ予測値(LΕkx)を算出し、各観測データ予測値(LΕkx)から計画行列近似値(F)を求めることを主要な特徴とする。ただし、記号kは「1〜n」の自然数、また記号xは「0〜m」の自然数であり、その記号mは系のパラメータ総数である。
【0018】
また、前記観測ベクトル数学モデルを用いて各観測データ(L)に対応する各観測データ予測値(LΕkx)を算出する際に、観測時刻(T)を加えて算出することが好ましい。また、最小二乗推定演算の際には、観測データ誤差共分散行列(Σ)を加えて演算することが好ましい。更に、観測時刻(T)及び観測データ誤差共分散行列(Σ)の両者を用いて演算することは精度向上のため、より一層好ましい。
【0019】
具体的な装置としては、外部装置から観測データ(L)とパラメータ推定初期値(β)とパラメータ微分値(Δbx)とを入力してパラメータ差分推定値(Δβ)を算出して出力するパラメータ推定装置であって、観測ベクトル数学モデル部と観測データ差分ベクトル算出部と観測予測値算出部と計画行列近似値算出部と最小二乗推定演算部とを備える。
【0020】
観測ベクトル数学モデル部は、パラメータ推定値(β,βx)を入力してこれに対応する観測データ予測値(LΕK0,LΕkx)を出力する。観測データ差分ベクトル算出部は、前記観測データ(L)とパラメータ推定初期値(β)と入力し前記観測ベクトル数学モデル部を用いて観測データ差分ベクトル(ΔL)を算出し出力する。観測予測値算出部は、前記パラメータ推定初期値(β)とパラメータ微分値(Δbx)とを入力して各観測データに対応するパラメータ推定値(βx)を求め、前記観測ベクトル数学モデル部を用いて各観測データに対応する各観測データ予測値(LΕkx)を算出し出力する。計画行列近似値算出部は、前記パラメータ微分値(Δbx)と各観測データ予測値(LΕkx)とを入力して計画行列近似値(F)を算出し出力する。最小二乗推定演算部は、前記観測データ差分ベクトル(ΔL)と計画行列近似値(F)とを用いてパラメータ差分推定値(Δβ)を算出し出力する。
【0021】
また、前記各観測データ(L)に対応する各時刻(T)を外部装置から更に入力し、前記観測データ差分ベクトル算出部及び観測予測値算出部のそれぞれは、観測ベクトル数学モデルを用いて算出する際、前記時刻(T)を上記データに更に加えて入力することが好ましい。また、前記各観測データ(L)に対応する観測データ誤差共分散行列(Σ)を外部装置から更に入力し、前記最小二乗推定演算部は、前記観測データ誤差共分散行列(Σ)を上記データに更に加えて演算することが好ましい。更に、前記各観測データ(L)に対応する各時刻(T)及び観測データ誤差共分散行列(Σ)の両者を入力して演算に用いることはより一層好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明のパラメータ推定方法及びその装置は、パラメータ微分設定部から得られるパラメータ微分値(Δbx)を用いて各観測データのパラメータ(βx)を推定し、観測ベクトル数学モデルを用いて各観測データに対応する各観測データ予測値(LΕkx)を算出し、各観測データ予測値(LΕkx)から計画行列近似値(F)を求めているため、計画行列数学モデルを使用せずに最小二乗推定演算できるので、観測データとパラメータとの線形関係を表す計画行列の算出式既知の有無を不要にできるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
計画行列の算出式が既知ではない場合にも計画行列を得る手段を提供することにより、最小二乗法を適用したパラメータ推定を可能にするという目的を、パラメータ推定装置の外部装置としてパラメータ微分設定部を設け、計画行列を得る手段として、パラメータ微分設定装置が出力するパラメータ微分値(Δbx)を用いて各観測データのパラメータ(βx)を推定し、観測ベクトル数学モデルを用いて各観測データに対応する各観測データ予測値(LΕkx)を算出し、その各観測データ予測値(LΕkx)から計画行列近似値(F)を求めることにより実現した。
【0024】
以下に、本発明によるパラメータ推定装置について図面を参照して説明する。なお、以降の説明の数式中にてベクトル及び行列の肩に付した記号Tは、そのベクトル及び行列の転置を示す。また、記号kは「1〜n」の自然数であり、記号xは「0〜m」の自然数であり、記号mは系のパラメータ総数である。
【実施例1】
【0025】
本発明の実施例1について図1を参照して説明する。
【0026】
図1は、本発明によるパラメータ推定装置の実施の一形態を機能ブロックで示す説明図である。
【0027】
図面では、本発明によるパラメータ推定装置1とその外部装置との接続関係、及びパラメータ推定装置1の内部構成における実施例が示されている。パラメータ推定装置1は、外部装置である観測データ入力部10、パラメータ推定初期値設定部11、推定パラメータ構成部12、推定パラメータ出力部13、及びパラメータ微分設定部14それぞれと接続される。また、パラメータ推定装置1は、観測データ差分ベクトル算出部2、観測ベクトル数学モデル部3、観測予測値算出部4、計画行列近似値算出部5、及び最小二乗推定演算部6により構成される。
【0028】
従来の技術としての参照図面との差異は、外部装置にパラメータ微分設定部14が追加され、パラメータ推定装置1では、計画行列算出部104及び計画行列数学モデル部105に代わり、観測予測値算出部4及び計画行列近似値算出部5が備えられていることである。また、観測ベクトル数学モデル部3は従来と同一構成でよい。しかし、従来では観測データ差分ベクトル算出部2とのみ接続していたが、本発明の観測ベクトル数学モデル部3は観測予測値算出部4からも呼び出されて利用される。
【0029】
次に、パラメータ推定装置1と、外部装置である観測データ入力部10、パラメータ推定初期値設定部11、推定パラメータ構成部12、推定パラメータ出力部13及びパラメータ微分設定部14それぞれとの間の入出力データとその処理内容とについて説明する。
【0030】
パラメータ推定装置1は、観測データ入力部10から観測結果データとして時刻(T)、観測データ(L)及び観測データ誤差共分散行列(Σ)を、パラメータ推定初期値設定部11からパラメータ推定初期値(β)を、かつ、パラメータ微分設定部14からパラメータ微分値(Δb)を、それぞれ入力する。これらの入力に基づきパラメータ推定装置1はパラメータ差分推定値(Δβ)を算出し、これを推定パラメータ構成部12に出力する。推定パラメータ構成部12は上記パラメータ推定初期値(β)とパラメータ差分推定値(Δβ)とを入力し、下記数式(1)によりパラメータ推定値(β)を算出し、これを推定パラメータ出力部13に出力する。
【0031】
【数4】

【0032】
次に、パラメータ推定装置1の内部の各構成要素間のデータ関係及びその処理内容について説明する。
【0033】
観測ベクトル数学モデル部3は、時刻(T)及びパラメータ推定初期値(β)を入力すると、入力に対応する観測データの予測値として観測データ予測初期値(LΕk0)を算出して出力する従来の機能に加え、時刻(T)及びパラメータ推定x回目値(βx)を入力すると、入力に対応する観測データの予測値として観測データ予測x回目値(LΕkx)を算出して出力する関数部である。観測データ差分ベクトル算出部2は、時刻(T)及び観測データ(L)、並びにパラメータ推定初期値(β)を入力し、観測ベクトル数学モデル部3を使用して観測データ予測初期値(LΕk0)を得た後、下記数式(2)により観測データ差分ベクトル観測データ差分ベクトル(ΔL)を算出し出力する。
【0034】
【数5】

【0035】
観測予測値算出部4は、時刻(T)、パラメータ推定初期値(β)及びパラメータ微分値(Δbx)を入力し、観測ベクトル数学モデル部3を使用して下記数式(4)に示す各パラメータ推定x回目値(βx)に対応する観測データ予測x回目値(LΕkx)を得て、これを計画行列近似値算出部5に出力する。計画行列近似値算出部5は、パラメータ微分値(Δbx)及び観測データ予測x回目値(LΕkx)を入力して、下記数式(5)により、ただし、下記数式(6)適用して近似された計画行列値(F)を算出し、これを最小二乗推定演算部6に出力する。
【0036】
【数6】

【0037】
【数7】

【0038】
ただし、記号Δbjは、ベクトルΔbの「j」番目の要素を示す。
【0039】
【数8】

【0040】
【数9】

【0041】
ただし、記号LΕkj (i)は、記号LΕkjのi番目の要素、また、記号LΕk0(i)は、記号LΕk0のi番目の要素、それぞれを示す。なお、記号pは観測データのベクトル長を示す。
【0042】
最小二乗推定演算部6は、観測データ誤差共分散行列(Σ)、観測データ差分ベクトル(ΔL)及び計画行列値(F)を入力し上記数式(3)の最小二乗推定式の演算を実施し、パラメータ差分推定値(Δβ)を算出してこれを推定パラメータ構成部12に出力する。
【0043】
このように、計画行列値を得る手段として、パラメータ微分設定装置が出力するパラメータ微分値(Δbx)を用いて各観測データのパラメータ(βx)を推定し、観測ベクトル数学モデルを用いて各観測データに対応する各観測データ予測値(LΕkx)を算出し、かつその各観測データ予測値(LΕkx)から計画行列近似値(F)を求めるという構成を採用したので、計画行列の算出式が既知ではない場合にも計画行列値を近似値として得ることができる。このような構成が、最小二乗法を適用したパラメータ推定を可能にしている。
【実施例2】
【0044】
なお、外部から観測データ誤差共分散行列(Σ)が得られない場合には、図1において観測データ誤差共分散行列(Σ)の部分を除外した構成の形態が可能であり、この場合には最小二乗推定演算部6は上記数式(3)の代わりに下記数式(7)によりパラメータ差分推定値(Δβ)を算出する。
【0045】
【数10】

【実施例3】
【0046】
また、対象系の状態が時刻に依らない場合には、図1において時刻(T)の部分を除外した構成の形態が可能であり、この場合には観測ベクトル数学モデル部3は時刻データを入力しない形で観測データ予測値を算出する。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明では、一方で、観測データとパラメータ推定初期値と観測ベクトル数学モデルから得られる観測データ予測初期値とを用いて観測データ差分ベクトル(ΔL)を求めている。他方で、観測データとパラメータ推定初期値とパラメータ微分値とを用いて観測ベクトル数学モデルから得られる各観測データに対応する各観測データ予測値を演算して近似値としての計画行列値(F)を求めている。そして、それら観測データ差分ベクトルと計画行列近似値とから最小二乗推定演算を行っている。従って、観測データとパラメータとの線形関係を表す計画行列の算出式が既知ではないために計画行列数学モデルが構成できない場合でも、計画行列数学モデルに依存することなく最小二乗推定演算を可能としている。このような構成のため、最小二乗推定演算を必要とする用途に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明によるパラメータ推定装置とその周辺装置との実施の一形態を機能ブロックで示した説明図である。(実施例1)
【図2】従来のパラメータ推定装置とその周辺装置との一例を機能ブロックで示した説明図である。
【符号の説明】
【0049】
1 パラメータ推定装置
2 観測データ差分ベクトル算出部
3 観測ベクトル数学モデル部
4 観測予測値算出部
5 計画行列近似値算出部
6 最小二乗推定演算部
10 観測データ入力部
11 パラメータ推定初期値設定部
12 推定パラメータ構成部
13 推定パラメータ出力部
14 パラメータ微分設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
観測データ(L)とパラメータ推定初期値(β)とから観測データ差分ベクトルと計画行列とを求め最小二乗法を用いてパラメータを推定する方法において、観測データ(L)とパラメータ推定初期値(β)と別に生成するパラメータ微分値(Δbx)とを用いて各観測データのパラメータ(βx)を推定し、観測ベクトル数学モデルを用いて各観測データ(L)に対応する各観測データ予測値(LΕkx)を算出し、各観測データ予測値(LΕkx)とパラメータ微分値(Δbx)とから計画行列近似値(F)を求めることを特徴とするパラメータ推定方法。
【請求項2】
請求項1に記載のパラメータ推定方法において、前記観測ベクトル数学モデルを用いて各観測データ(L)に対応する各観測データ予測値(LΕkx)を算出する際、観測時刻(T)を更に加えて算出することを特徴とするパラメータ推定方法。
【請求項3】
請求項1に記載のパラメータ推定方法において、最小二乗推定演算の際、観測データ誤差共分散行列(Σ)を更に加えて演算することを特徴とするパラメータ推定方法。
【請求項4】
請求項1に記載のパラメータ推定方法において、前記観測ベクトル数学モデルを用いて各観測データ(L)に対応する各観測データ予測値(LΕkx)を算出する際には観測時刻(T)を更に加えて算出し、最小二乗推定演算の際には観測データ誤差共分散行列(Σ)を更に加えて演算することを特徴とするパラメータ推定方法。
【請求項5】
外部装置から観測データ(L)とパラメータ推定初期値(β)とパラメータ微分値(Δbx)とを入力してパラメータ差分推定値(Δβ)を算出して出力するパラメータ推定装置において、
パラメータ推定値(β,βx)を入力してこれに対応する観測データ予測値(LΕK0,LΕkx)を出力する観測ベクトル数学モデル部と、
前記観測データ(L)とパラメータ推定初期値(β)と入力し前記観測ベクトル数学モデル部を用いて観測データ差分ベクトル(ΔL)を算出し出力する観測データ差分ベクトル算出部と、
前記パラメータ推定初期値(β)とパラメータ微分値(Δbx)とを入力して各観測データに対応するパラメータ推定値(βx)を求め、前記観測ベクトル数学モデル部を用いて各観測データに対応する各観測データ予測値(LΕkx)を算出し出力する観測予測値算出部と、
前記パラメータ微分値(Δbx)と各観測データ予測値(LΕkx)とを入力して計画行列近似値(F)を算出し出力する計画行列近似値算出部と、
前記観測データ差分ベクトル(ΔL)と計画行列近似値(F)とを用いてパラメータ差分推定値(Δβ)を算出し出力する最小二乗推定演算部と
を備えることを特徴とするパラメータ推定装置。
【請求項6】
請求項5に記載のパラメータ推定装置において、前記各観測データ(L)に対応する各時刻(T)を外部装置から更に入力し、前記観測データ差分ベクトル算出部及び観測予測値算出部のそれぞれは、観測ベクトル数学モデルを用いて算出する際、前記時刻(T)を更に加えて入力することを特徴とするパラメータ推定装置。
【請求項7】
請求項5に記載のパラメータ推定装置において、前記各観測データ(L)に対応する観測データ誤差共分散行列(Σ)を外部装置から更に入力し、前記最小二乗推定演算部は、前記観測データ誤差共分散行列(Σ)を更に加えて演算することを特徴とするパラメータ推定装置。
【請求項8】
請求項5に記載のパラメータ推定装置において、前記各観測データ(L)に対応する各時刻(T)と前記各観測データ(L)に対応する観測データ誤差共分散行列(Σ)とを外部装置から更に入力し、前記観測データ差分ベクトル算出部及び観測予測値算出部のそれぞれは観測ベクトル数学モデルを用いて算出する際に前記時刻(T)を更に加えて入力し、かつ、前記最小二乗推定演算部は演算に際して前記観測データ誤差共分散行列(Σ)を更に加えることを特徴とするパラメータ推定装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−218811(P2007−218811A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−41775(P2006−41775)
【出願日】平成18年2月20日(2006.2.20)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(000227836)日本アビオニクス株式会社 (197)
【Fターム(参考)】