説明

パラレルリンクロボット

【課題】出力部材102のx、y、z方向の移動、及び、出力部材102の回動を、簡単な制御で行える構造を実現する。
【解決手段】出力部材102と第1、第2モータ104、105との間にそれぞれ第1、第2リンク機構106、107を設ける。そして、出力部材102の回転軸とz軸との平行を保持しつつ、第1、第2モータ104、105の駆動により出力部材102をxy平面に沿って移動させる。出力部材102と第3モータ108との間に第3リンク機構109を設け、出力部材102のxy平面の移動に追従しつつ、第3モータ108の駆動により出力部材102をz軸方向に移動させる。出力部材102と第4モータ110との間に第4リンク機構112を設け、出力部材102の位置に拘らず第4モータ110の駆動により出力部材102を回転させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のアクチュエータとリンク機構とを組み合わせて構成され、物品の加工や組み立て等の作業に用いるパラレルリンクロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
パラレルリンクロボットとして、例えば、図12に示すような構造が知られている(特許文献1参照)。図12のパラレルリンクロボット1は、3組の平行リンク機構2と、3個のモータ3と、工具などが装着される出力部材4とを有する。そして、3個のモータ3でそれぞれ平行リンク機構2を介して、出力部材4の鉛直方向及び水平方向の移動を行えるようにしている。また、伝動部材5を不図示のモータにより回転駆動することにより、出力部材4を回動させられるようにしている。この伝動部材5は、出力部材4の鉛直方向及び水平方向の移動に追従しつつ、回転伝達が行えるように支持されている。また、図12の構造の場合、各モータ3及びその可動部は、ワークの上側に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−173019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1に記載された構造の場合、出力部材4の位置決めを行う際に、移動の途上においても3個のモータ3全ての駆動量を関連付けて、駆動を同期させる必要がある。即ち、3個のモータ3の駆動量をそれぞれ関連付けして同期させて制御しないと、機構に無理な力が掛かり故障する場合がある。例えば、始点と終点との間の経路が指示されず自由に取れる場合でも、全てのモータ3の駆動量を関連付けて同期させて制御しなければならない。このため、各モータ3の駆動量の算出が難しくなるなど、制御が複雑になることが避けられない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑み、出力部材のx、y、z方向の移動、及び、出力部材の回動を、簡単な制御で行える構造を実現すべく発明したものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の本発明は、所定のz軸と略平行な回転軸を有する出力部材と、前記出力部材の移動及び回転を行う第1アクチュエータ、第2アクチュエータ、第3アクチュエータ、及び、第4アクチュエータと、前記出力部材と前記第1アクチュエータとの間、及び、前記出力部材と前記第2アクチュエータとの間にそれぞれ設けられ、前記出力部材の回転軸を前記z軸に対し略平行に保持しつつ、前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータの駆動により前記出力部材を前記z軸に交差する方向に移動させる第1リンク機構及び第2リンク機構と、前記出力部材と前記第3アクチュエータとの間に設けられ、前記第3アクチュエータの駆動により前記出力部材を前記z軸に概ね平行な方向に移動させる第3リンク機構と、前記出力部材と前記第4アクチュエータとの間に設けられ、前記出力部材の位置に拘らず前記第4アクチュエータの駆動により前記出力部材を回転させる第4リンク機構と、を備え、前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータの駆動による前記出力部材の前記z軸に交差する方向への移動に対応させて、前記第3アクチュエータの駆動により前記出力部材を前記z軸に概ね平行な方向へ移動させることにより、xyz空間内で前記出力部材を位置決め可能であることを特徴とするパラレルリンクロボットにある。
【0007】
また、請求項12に記載の本発明は、鉛直方向のz軸と略平行な回転軸を有する出力部材と、前記出力部材の移動を行う第1アクチュエータ、第2アクチュエータ、及び、第3アクチュエータと、前記出力部材と前記第1アクチュエータとの間、及び、前記出力部材と前記第2アクチュエータとの間にそれぞれ設けられ、前記出力部材の回転軸を前記z軸に対し略平行に保持しつつ、前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータの駆動により前記出力部材を前記z軸に交差する方向に移動させる第1リンク機構及び第2リンク機構と、前記出力部材と前記第3アクチュエータとの間に設けられ、前記第3アクチュエータの駆動により前記出力部材を前記z軸に概ね平行な方向に移動させる第3リンク機構と、を備え、前記第1リンク機構及び前記第2リンク機構は、前記出力部材の回転軸と平行に配置され、前記第1アクチュエータ又は前記第2アクチュエータの駆動により移動させられる第1軸及び第2軸と、前記第1軸又は前記第2軸と前記出力部材との間に、それぞれ互いに平行に配置された複数の第1リンク部材及び複数の第2リンク部材と、をそれぞれ有し、前記第1軸、前記出力部材、前記複数の第1リンク部材で平行リンク機構を構成し、前記第2軸、前記出力部材、前記複数の第2リンク部材で平行リンク機構を構成し、前記出力部材と前記複数の第1リンク部材とをそれぞれ連結する複数の第1出力側ジョイント部と、前記出力部材と前記複数の第2リンク部材とをそれぞれ連結する複数の第2出力側ジョイント部とが、前記z軸と略平行な同一軸上に配置され、前記第3リンク機構は、前記第3アクチュエータにより概ね上下方向に動かされる可動部材と、前記可動部材と前記出力部材との間に配置された第3リンク部材と、前記出力部材と前記第3リンク部材とを連結する第3出力側ジョイント部と、を有し、前記第3出力側ジョイント部と、前記複数の第1出力側ジョイント部及び前記複数の第2出力側ジョイント部とが、前記z軸と略平行な同一軸上に配置されている、ことを特徴とする、パラレルリンクロボットにある。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、出力部材の、鉛直軸に交差する方向の移動を第1アクチュエータ及び第2アクチュエータにより、鉛直軸に概ね平行な方向への移動を第3アクチュエータによりそれぞれ制御するとともに、第1、第2、第3アクチュエータの駆動を互いに同期させて行わなくても故障することがない。また、請求項1に記載の本発明によれば、回転を第4アクチュエータにより独立して制御するため、制御を簡単に行える。また、請求項12に記載の本発明によれば、第1、第2、第3アクチュエータからの力の作用点を上方から見て一致させることができるので、位置決め誤差を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るパラレルリンクロボットを示す概略構成斜視図。
【図2】同じく概略構成断面図。
【図3】2自由度のジョイント部の1例を示す拡大斜視図。
【図4】出力部材側のジョイント部の位置及び構成の別の3例を示す概略構成斜視図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るパラレルリンクロボットを示す概略構成斜視図。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るパラレルリンクロボットを示す概略構成斜視図。
【図7】本発明の第4の実施形態に係るパラレルリンクロボットを示す概略構成斜視図。
【図8】同じく概略構成断面図。
【図9】出力部材の回転駆動を行うジョイン部の別の構成の1例を示す概略構成斜視図。
【図10】本発明の第5の実施形態に係るパラレルリンクロボットを示す概略構成斜視図。
【図11】同じく概略構成断面図。
【図12】従来構造の1例を示す、(a)は斜視図、(b)は断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図1〜図4を用いて説明する。図1及び図2に示すように、パラレルリンクロボット100は、ケース101と、出力部材102と、複数のモータ104、105、108、110と、複数のリンク機構106、107、109、112と、を有する。第1モータ104は第1アクチュエータに、第2モータ105は第2アクチュエータに、第3モータ108は第3アクチュエータに、第4モータ110は第4アクチュエータに、それぞれ相当する。また、106は第1リンク機構に、107は第2リンク機構に、109は第3リンク機構に、112は第4リンク機構に、それぞれ相当する。
【0011】
[ケース]
ケース101内には、第1モータ104、第2モータ105、第3モータ108、第4モータ110を、それぞれの可動部が出力部材側に突出しないように収納する。ケース101はベース部材を兼ねており、複数のモータ104、105、108、110が、ケース101内のそれぞれの所定の位置に直接又は取付部材などを介して固定されている。
【0012】
また、各モータの駆動力は後述するリンク機構106、107、109、112を介して出力部材102に伝達するようにして、各モータにより駆動されて各リンク機構を駆動する可動部がケース101内に収まるようにしている。更に、ケース101の複数個所に開口部101aを設け、開口部101aを介して、各モータにより各リンク機構をそれぞれ駆動可能としている。なお、ケース101は一体の構成でなくてもよく、複数の筐体を連結させた構成でもよい。
【0013】
[出力部材]
出力部材102は、ワークの移動や加工などを行う工具を取り付けるものである。このような出力部材102は、z軸方向に略平行に配置された出力軸103の先端部(下端部)に結合されている。後述するように、出力部材102は、出力軸103を回転軸として回転可能である。言い換えれば、出力部材102は、回転軸がz軸と略平行である。本実施形態では、z軸方向を鉛直方向としている。
【0014】
なお、出力軸103は軸状の形態を有することが好適であるが、実際に軸状の形態を有さなくても良い。後述するように、平行リンク等のリンク部材が結合されるジョイント部が略直線上に並べられれば良く、本発明の出力軸はこのような場合も含むものとする。
【0015】
[第1モータ及び第2モータ]
第1モータ104及び第2モータ105は、それぞれが出力部材102を概ねxy平面に沿って(水平方向に)移動させるための駆動源となる回転型アクチュエータの一例である。なお、厳密に言えば第3モータ108を停止している場合は、第1モータ104及び第2モータ105によって出力部材102は仮想的な球面上を移動することになる。このような第1モータ104及び第2モータ105は、回転軸の方向がz軸方向(鉛直方向)に略平行に配置されている。そして、第1モータ104の回転軸に第1アーム104aを、第2モータ105の回転軸に第2アーム105aをそれぞれ固定している。これら第1アーム104a及び第2アーム105aは、xy平面(水平面)に略平行に配置される。したがって、第1アーム104aは第1モータ104の駆動により、第2アーム105aは第2モータ105により、それぞれ略水平方向に揺動する。
【0016】
[第3モータ]
第3モータ108は、出力部材102を概ねz軸方向に移動させるための駆動源となる回転型アクチュエータの一例である。このような第3モータ108は、回転軸の方向がz軸と直交する直交軸(水平軸)と略平行となるように配置されている。そして、第3モータ108の回転軸に、回動腕部である第3アーム108aを固定している。この第3アーム108aは、第3モータ108の回転軸に直交する平面(水平面に略直交する平面)上に配置される。したがって、第3アーム108aは第3モータ108の駆動により、第3モータ108の回転軸を中心として、この回転軸に直交する平面に沿って揺動し、第3アーム108aの先端部に結合された後述の第3リンク機構109を介して、出力部材102を概ねz軸方向に移動することができる。厳密に言えば、第1モータ104と第2モータ105を停止している場合は、第3モータ108の駆動により出力部材102は仮想的な円弧上を移動することになる。なお、第3モータ108を駆動方向がz軸に略平行なリニアアクチュエータに変更してもよい。
【0017】
[第4モータ]
第4モータ110は、出力部材102をz軸回り(鉛直軸回り)に回動させるための駆動源となる回転型アクチュエータの一例である。このような第4モータは、回転軸の方向がz軸方向(鉛直方向)に略平行となるように配置されている。そして、第4モータ110の回転軸に第4アーム110aを固定している。この第4アーム110aは、xy平面(水平面)に略平行に配置される。したがって、第4アーム110aは第4モータ110の駆動により略水平方向に揺動する。
【0018】
なお、上述の説明では、第1、第2、第3、第4アクチュエータは、それぞれ電動の回転型アクチュエータ(モータ)としたが、例えば、直線方向に駆動するリニア(直動)アクチュエータとしても良い。この場合、第1、第2、第4アクチュエータは、アクチュエータの駆動により直線方向に移動する移動子が、xy平面(水平面)に略平行に移動するようにする。また、第3アクチュエータは、移動子がz軸方向(鉛直方向)に略平行に移動するようにする。また、これら回転型、リニア型等のアクチュエータは、サーボモータ、ステッピングモータ、超音波モータ等の電動アクチュエータ以外に、油圧などの他の動力により駆動されるものでもよい。
【0019】
[第1リンク機構及び第2リンク機構]
第1リンク機構106及び第2リンク機構107は、出力軸103と第1モータ104の第1アーム104aとの間、及び、出力軸103と第2モータ105の第2アーム105aとの間に、それぞれ設けられている。そして、後述するように出力部材102の出力軸(回転軸)103をz軸に略平行に保つように保持しつつ、第1モータ104及び第2モータ105の駆動により出力部材102をz軸に交差する方向に移動可能としている。
【0020】
出力軸103とz軸との略平行を保つために、平行リンク機構の一例である第1リンク機構106は、第1軸104bと、出力軸103と、複数の第1リンク部材である2本の第1リンクバー106aとを有する。また、平行リンク機構の一例である第2リンク機構107は、第2軸105bと、出力軸103と、複数の第2リンク部材である2本の第2リンクバー107aとを有する。なお、第1リンクバー106aと第2リンクバー107aとは、それぞれ3本以上としても良い。
【0021】
第1軸104bは、出力軸103と平行に配置され、第1モータ104の駆動によりxy平面に沿って移動させられる。また、第2軸105bは、出力軸103と平行に配置され、第2モータ105の駆動によりxy平面に沿って移動させられる。このために、第1軸104bの中間部は、軸受104cを介して第1アーム104aに、第2軸105bの中間部は、軸受105cを介して第2アーム105aに、それぞれ接続されている。また、第1軸104bは第1アーム104aに、第2軸105bは第2アーム105aに、それぞれz軸に対して略平行を保つように支持されている。
【0022】
なお、第1軸104b、第2軸105bは軸状の形態を有することが好適であるが、実際に軸状の形態を有さなくてもよく、平行リンクのリンク部材であるリンクバーが結合されるジョイントをz軸(鉛直線)に略平行な直線上に並べてあればよい。また、第1軸104b、第2軸105bはそれぞれ第1モータ104の回転軸、第2モータ105の回転軸に対して略平行であることが好ましい。
【0023】
第1リンク機構106の2本の第1リンクバー106aは、同じ長さを有し、互いに平行に配置された状態で、第1軸104bと出力軸103とを接続する。本実施形態では、第1軸104b、出力部材102に固定の出力軸103、2本の第1リンクバー106aで平行リンク機構を構成している。このため、出力部材102の位置に拘らず、第1軸104bと出力軸103との平行、2本の第1リンクバー106aの平行がそれぞれ保持される。
【0024】
第2リンク機構107の2本の第2リンクバー107aは、同じ長さを有し、互いに平行に配置された状態で、第2軸105bと出力軸103とを接続する。本実施形態では、第2軸105b、出力部材102に固定の出力軸103、2本の第2リンクバー107aで平行リンク機構を構成している。このため、出力部材102の位置に拘らず、第2軸105bと出力軸103との平行、2本の第2リンクバー107aの平行がそれぞれ保持される。
【0025】
また、本実施形態の場合、出力部材102がx、y、z軸の何れの方向にも移動できるように、第1リンク機構106及び第2リンク機構107の各ジョイント部を構成している。まず、第1リンク機構106は、出力軸103と2本の第1リンクバー106aの一端部とを、複数の(2個の)第1出力側ジョイント部106bによりそれぞれ連結している。また、第1軸104bと2本の第1リンクバー106aの他端部とを、複数の(2個の)第1駆動側ジョイント部106cによりそれぞれ連結している。
【0026】
第2リンク機構107は、出力軸103と2本の第2リンクバー107aの一端部とを、複数の(2個の)第2出力側ジョイント部107bによりそれぞれ連結している。また、第2軸105bと2本の第2リンクバー107aの他端部とを、複数の(2個の)第2駆動側ジョイント部107cによりそれぞれ連結している。
【0027】
2個の第1出力側ジョイント部106bは、少なくとも、出力軸103に対して第1リンクバー106aを、出力軸回りの回動、及び、出力軸及び第1リンクバー106aの配設方向に直交する直交軸を中心として回動自在である。2個の第2出力側ジョイント部107bは、少なくとも、出力軸103に対する第2リンクバー107aの、出力軸回りの回動、及び、出力軸及び第2リンクバー107aの配設方向に直交する直交軸を中心とした回動を可能とする。即ち、第1出力側ジョイント部106b及び第2出力側ジョイント部107bは、少なくとも2自由度を有する。
【0028】
2個の第1駆動側ジョイント部106cは、少なくとも、第1軸104bに対して第1リンクバー106aを、第1軸104b及び第1リンクバー106aの配設方向に直交する直交軸を中心として回動自在である。2個の第2駆動側ジョイント部107cは、少なくとも、第2軸105bに対する第2リンクバー107aの、第2軸105b及び第2リンクバー107aの配設方向に直交する直交軸を中心とした回動を可能とする。即ち、第1駆動側ジョイント部106c及び第2駆動側ジョイント部107cは、少なくとも1自由度を有する。
【0029】
なお、本実施形態では、第1軸104bが第1アーム104aに軸受104cを介して支持されているため、第1軸104b自体が第1アーム104aに対して回転する。また、第2軸105bが第2アーム105aに軸受105cを介して支持されているため、第2軸105b自体が第2アーム105aに対して回転する。
【0030】
[出力部材の出力軸に交差する方向への移動]
上述のように、第1モータ104と出力部材102との間、及び、第2モータ105と出力部材102との間に、それぞれ平行リンク機構を設け、これら2個のモータにより出力部材102を出力軸に交差する方向に移動させている。このとき、第1軸104b及び第2軸105bはz軸方向に対して略平行を保ちながら移動される。このため、第1モータ104及び第2モータ105の駆動により、出力部材102の回転軸(出力軸103)のz軸方向(鉛直方向)に対する略平行の姿勢を保ちながら、この出力部材102を出力軸に交差する概ね水平の方向に移動させることができる。
【0031】
また、本実施形態の場合、出力軸103側の2個の第1出力側ジョイント部106bと、出力軸103側の2個の第2出力側ジョイント部107bとが、z軸と略平行な同一軸上、即ち出力軸103上に配置されている。これにより、第1モータ104の制御による出力軸103の位置と、第2モータ105による出力軸103の位置とが必ず一致するため、両モータの制御量の差により生じる出力軸103の位置決め誤差を低減できる。なお、複数の第1出力側ジョイント部106bを結ぶ直線と、複数の第2出力側ジョイント部107bを結ぶ直線とを実質的に一致させていればよく、構造上の要求からわずかにずらして配置してもよい。
【0032】
更に、2個の第1出力側ジョイント部106bを結ぶ線分の中点と、2個の第2出力側ジョイント部107bを結ぶ線分の中点とが略一致するように、2本の第1リンクバー106a及び2本の第2リンクバー107aをそれぞれ配置している。図示の例では、2個の第2出力側ジョイント部107bの間に2個の第1出力側ジョイント部106bを配置している。そして、隣接する第1出力側ジョイント部106bと第2出力側ジョイント部107bの上側の一対の間隔と下側の一対の間隔とを、互いに同じとしている。
【0033】
これにより、第1モータ104の駆動により出力軸103を移動させる力と、第2モータの駆動により出力軸103を移動させる力とを釣り合わせ易くできる。即ち、出力軸103を2個のモータにより出力軸103に交差する方向に移動させても、出力軸103にバランス良く力を作用させることができる。この結果、出力軸103の移動の際に出力軸103に傾くような力が作用せず、位置決め制度を向上させられる。
【0034】
[第3リンク機構]
第3リンク機構109は、出力部材102の出力軸103と第3モータ108の第3アーム108aとの間に設けられ、第3モータ108の駆動により出力部材102を概ねz軸方向に移動可能としている。このような第3リンク機構109は、回動腕部(可動部材)である第3アーム108aと、第3リンク部材である第3リンクバー109aと、出力軸103とにより構成される。
【0035】
第3リンクバー109aは、一端部を出力軸103の上端部に第3出力側ジョイント部109bにより連結され、他端部を第3アーム108aの先端部に第3駆動側ジョイント部109cにより連結されている。このうちの第3出力側ジョイント部109bは、少なくとも、出力軸103に対する第3リンクバー109aの、出力軸103回りの回動、及び、出力軸及び第3リンクバー109aの配設方向に直交する直交軸を中心とした回動を可能とする。即ち、第3出力側ジョイント部109bは、少なくとも2自由度を有する。
【0036】
一方、第3駆動側ジョイント部109cは、少なくとも、第3アーム108aに対して第3リンクバー109aを、次の3つの自由度を有するように連結する。即ち、第3アーム108aの配設方向回りの回動と、第3アーム108aの配設方向及び第3リンクバー109aの配設方向に直交する直交軸を中心とした回動と、第3リンクバー109a(第3リンク部材自身)の配設方向回りの回動とを可能とする。第3アーム108aの回動中心軸は、第3モータ108の回転軸である。
【0037】
なお、第3モータ108は第3駆動側ジョイント部を概ね上下方向に移動するものであればよく移動子の移動方向がz軸に略平行なリニアアクチュエータに置き換えてもよい。そのように変更した場合、このリニアアクチュエータの移動子と第3リンクバー109aの他端部とを結合する第3駆動側ジョイント部は、2自由度とすることができる。例えば、移動子の移動方向に略平行な軸回りの回動の自由度と、この軸と第3リンクバー109aの配設方向に直交する軸回りの回動の自由度を有するジョイントが好適である。
【0038】
なお、図1及び図2に丸印で示した2自由度のジョイント部106b、107b、109b等としては、例えば図3に例示する構造のジョイントを適用できる。図3のジョイントは、矢印Aに示すような支持軸の周りに1回転以上回転する自由度と、矢印Bに示すような支持軸に略直角な軸周りに所定の振れ角度範囲内で回動する自由度を有する。後述する他の2自由度のジョイントも、この図3に例示する構造を有するものが好適である。このような2自由度のジョイントを用いれば、リンクバーの配設方向回りの回転の自由度を有さないので、平行リンク機構のねじれを防止することができる。
【0039】
第3駆動側ジョイント部109cとしては、例えば上述の2自由度のジョイントに第3リンクバー109aの配設方向回りの回転の自由度を加え3自由度としたものが好適である。或いは、剛体の第3リンクバー109aを用いる代わりにワイヤや樹脂バーや途中に軸受を有するリンクバー等のねじれを許容するリンク部材を使用し、第3駆動側ジョイント部109cを2自由度にしても良い。或いは、第3リンクバー109aの第3駆動側ジョイント部109cを2自由度とし、第3出力側ジョイント部109bを3自由度にしても良い。
【0040】
[出力部材の上下移動]
第3モータ108を駆動すると、第3アーム108aの先端が水平面に略直交する平面に沿って揺動し(第3アーム108aの運動により)、この第3アーム108aの先端に第3リンクバー109aを介して接続された出力部材102が概ね鉛直方向に移動する。厳密には第3アーム108aのみ駆動すると出力部材102は仮想的な円弧上を移動する。第1モータ104及び第2モータ105の駆動による、出力軸103に交差する概ね水平の方向への出力軸103の移動とともに、第3モータ108を駆動すれば、出力軸103の水平方向と鉛直方向への移動が可能となる。したがって、第1モータ104及び第2モータ105の駆動による出力部材102のz軸に交差する方向への移動に対応させて、第3モータ108の駆動により出力部材102をz軸に概ね平行な方向へ移動させることにより、xyz空間内で出力部材102を位置決め可能である。
【0041】
また、前述のように、第1モータ104と出力部材102との間、及び、第2モータ105と出力部材102との間に、それぞれ平行リンク機構を設けている。このため、出力部材102の水平方向及び鉛直方向の移動に拘らず、出力軸103を鉛直方向と略平行な状態に維持できる。
【0042】
また、第3モータ108の駆動により、出力軸103を上下方向に移動すると、第1リンクバー106aと第2リンクバー107aは水平から傾斜する。このため、出力軸103の3次元空間内の移動位置は、第1リンクバー106a、第2リンクバー107a、第3リンクバー109aの傾斜を考慮して、第1、第2、第3モータ104、105、108の駆動量(回転角度)から幾何学的に算出する。
【0043】
なお、第1、第2モータ104、105の駆動量から概略の位置を算出し、それを第3モータ108の駆動量に応じて補正することで、出力軸103のxyz空間内の正確な移動位置を算出するようにしても良い。また、算出値を予め数値テーブルに格納しておき、目標とする移動位置に基づいて第1、第2、第3モータ104、105、108の駆動量をこの数値テーブルから求めることが好適である。また、移動位置から第1、第2、第3モータ104、105、108の駆動量を逆算する算出式を用いても良い。以上のようにして出力軸103の移動位置と第1、第2、第3モータ104、105、108の駆動量を関係付けることで、出力軸103に固定の出力部材102の3次元位置(xyz位置)の位置決めが可能となる。
【0044】
また、第3リンクバー109aの出力軸103側の第3出力側ジョイント部109bは、上述のように出力軸103の上端部に設けられている。したがって、本実施形態の場合、この第3出力側ジョイント部109bと、2個の第1出力側ジョイント部106b及び2個の第2出力側ジョイント部107bとが、z軸と略平行な同一軸上(出力軸103上)に配置される。これにより、第1モータ104によって出力軸103に対して力を作用させる位置と、第2モータ105によって出力軸103に対して力を作用させる位置と、第3モータ108によって出力軸103に対して力を作用させる位置とが上方から見ていつでも一致する。このため、3つのモータを協働させて行う出力軸103の位置決めの誤差を低減できる。なお、第3リンクバー109aの第3出力側ジョイント部109bを設ける位置は、出力軸103の上端部とすることが他のリンクバーとの干渉を防止するために好適であるが、これに限定するものではない。例えば、第3リンクバー109aの第3出力側ジョイント部109bを設ける位置を、出力軸103の中央付近にしてもよい。このようにすれば、他のリンクバーから作用する力と第3リンクバー109aから作用する力とのバランスが良好になり、出力軸103の傾きを防止できる。
【0045】
[回転伝達手段]
また、本実施形態の場合、第2モータ105により水平方向に移動させられる第2軸105bの下端部に、軸受105dを介して回転部材であるリンクアーム105eを回転自在に支持している。また、第4モータ110の駆動をリンクアーム105eに伝達する回転伝達手段111を有する。
【0046】
回転伝達手段111は、第4モータ110の第4アーム110aとリンクアーム105eとの間にリンクバー111aを設けてなる。リンクバー111aの一端部は、出力側ジョイント部111bによりリンクアーム105eに連結され、リンクバー111aの他端部は、駆動側ジョイント部111cにより第4アーム110aの先端部に連結されている。
【0047】
出力側ジョイント部111bは、少なくとも、リンクアーム105eに対してリンクバー111aを、z軸に略平行な軸回りに回動可能とする自由度を有している。また、駆動側ジョイント部111cは、少なくとも、第4アーム110aに対してリンクバー111aを、z軸に略平行な軸回りに回動可能とする自由度を有している。即ち、何れのジョイント部111b、111cは、少なくとも1自由度を有するものであれば良い。但し、本実施形態の場合、部品の共通化を図るため、ジョイント部111b、111cは、第1出力側ジョイント部106bなどと同様の2自由度を有するものを使用している。
【0048】
なお、回転伝達手段111は、上述のようなリンク機構以外の構成としても良い。例えば、第4モータ110の第4アーム110aの代わりにこの第4アーム110aと同じ半径のプーリを設ける。一方、第2軸105bのリンクアーム105eの代わりにこのリンクアーム105eと同じ半径のプーリを設ける。そして、これら両プーリにベルトを掛け渡し、ベルトにより第4モータ110の回転を伝達する。
【0049】
[第4リンク機構]
第4リンク機構112は、出力部材102の出力軸103と回転部材の駆動側腕部でもあるリンクアーム105eとの間に配置される。そして、出力部材102を鉛直軸回り(回転軸回り)に回転可能としている。このような第4リンク機構112は、出力軸103に設けられた出力側腕部である出力軸アーム103aと、リンクアーム105eとの間に、第4リンク部材である第4リンクバー112aを設けてなる。
【0050】
出力軸アーム103aは、出力軸103の下端寄りで出力部材102の上側に隣接する位置から水平方向に突出するように形成されている。また、出力軸アーム103aの水平方向の長さとリンクアーム105eの水平方向の長さを同じとしている。第4リンクバー112aの一端部は、第4出力側ジョイント部112bにより出力軸アーム103eに連結され、第4リンクバー112aの他端部は、第4駆動側ジョイント部112cによりリンクアーム105eに連結されている。
【0051】
第4出力側ジョイント部112bは、少なくとも、出力軸アーム103aに対する第4リンクバー112aの、z軸に略平行な軸回りの回動、及び、z軸に略平行な軸及び第4リンクバー112aの配設方向に直交する直交軸を中心とした回動を可能とする自由度を有している。また、第4駆動側ジョイント部112cは、少なくとも、リンクアーム105eに対する第4リンクバー112aの、z軸に略平行な軸回りの回動、及び、z軸に略平行な軸及び第4リンクバー112aの配設方向に直交する直交軸を中心とした回動を可能とする自由度を有している。即ち、第4出力側ジョイント部112b及び第4駆動側ジョイント部112cは、少なくとも2自由度を有する。
【0052】
[各モータの配置]
また、本実施形態では、上述のように、出力部材102と、第1、第2、第3、第4モータ104、105、108、110との間に、それぞれ第1、第2、第3、第4リンク機構106、107、109、112を設けている。そして、第1、第2、第3、第4モータ104、105、108、110を、出力部材102の移動領域に対して水平方向に外れた位置に配置している。即ち、出力部材102がどの位置に移動しても、出力部材102が何れかのモータの鉛直方向下側に位置することはない。
【0053】
特に、第1モータ104と第2モータ105とは、次のような関係を満たすように配置される。即ち、装置の上方から眺めた場合に第1モータ104の中心(回転軸)と出力部材102の中心(出力軸103)とを結ぶ線分と、第2モータ105の中心(回転軸)と出力軸103とを結ぶ線分との成す角度が、0°よりも大きく且つ180°よりも小さくなるように配置される。言い換えれば、第1モータ104と第2モータ105とは、装置の上方から眺めた場合に出力軸103とそれぞれの中心を結ぶ2つの線が直線となるような位置、及び、互いにの中心が重なる位置のそれぞれから外れるように配置する。
【0054】
本実施形態では、第1モータ104と第2モータ105とは、鉛直方向の位置はほぼ同じとし、互いに水平方向にずれた位置に配置している。また、第1アーム104aと第2アーム105aとの水平方向の長さを同じとし、出力軸103と第1軸104bとの水平方向の距離と出力軸103と第2軸105bとの水平方向の距離とを同じとしている。即ち、第1リンクバー106aと第2リンクバー107aとの長さを同じとしている。
【0055】
また、第3モータ108は、水平方向に関し、第1モータ104と同じ位置又は、第2モータ105と同じ位置又は、第1モータ104と第2モータ105との間に配置することが好適である。本実施形態では、第3モータ108は、第1モータ104と第2モータ105との間で、これら2個のモータ及び出力部材102よりも鉛直方向上方に配置している。また、第3モータ108の水平方向の位置は、出力部材102から外れた位置で、且つ、第1モータ104と第2モータ105との中央としている。
【0056】
また、第4モータ110は、第2モータ105の鉛直方向下側で、その回転軸が、第2モータ105の回転軸と同軸上となるように配置している。そして、リンクバー111aの長さと第2アーム105aの水平方向の長さとを同じとすると共に、第4アーム110aの水平方向の長さとリンクアーム105eの水平方向の長さとを同じとすることにより、簡略化された平行リンク機構を構成している。
【0057】
なお、第4モータ110は、第1モータ104の鉛直方向下側で、その回転軸が、第1モータ104の回転軸と同軸上となるように配置しても良い。この場合、リンクアーム105eは第1軸104bに支持する。また、リンクアーム105eと第4アーム110aとを連結するリンクバー111aの長さと、第1アーム104aの水平方向の長さとを同じとすると共に、第4アーム110aの水平方向の長さとリンクアーム105eの水平方向の長さを同じにすれば、同様に平行リンク機構を構成できる。
【0058】
また、本実施形態では第4リンクバー112aの長さと第2リンクバー107aの長さとを同じとしている。上述したように、出力軸アーム103aの長さとリンクアーム105eの水平方向の長さも同じであるため、出力軸アーム103a、リンクアーム105e、第4リンクバー112a、第2リンクバー107aで平行リンク機構が構成される。
【0059】
[出力部材の回動]
第4モータ110が第4アーム110aを駆動すると、回転伝達手段111により回転伝達されてリンクアーム105eが第2軸105b回りに回転する。すると、第4リンク機構112により出力軸アーム103aに対してこのリンクアーム105eに追従して回転させる力が作用する。このとき、出力軸103に接続される各ジョイント部106b、107b、109bは、それぞれ出力軸103回りの自由度を有するため、出力軸103の回転は許容されている。したがって、上述のように出力軸アーム103aに回転させようとする力が作用すると、出力軸103及び出力部材102が出力軸103回りに回転する。
【0060】
また、上述のように、出力軸アーム103a、リンクアーム105e、第4リンクバー112a、第2リンクバー107aで平行リンク機構を構成しているため、出力軸アーム103aの回転角度はリンクアーム105eの回転角度と一致する。注目すべき点は、出力軸103がxyz空間内で移動しても、この回転角度は一致することである。
【0061】
更に本実施形態では、上述のようにリンクバー111a、第2アーム105a、第4アーム110a、リンクアーム105eで簡略化された平行リンク機構を構成している。このため、第2アーム105aの回動角度に拘らず、第4アーム110aとリンクアーム105eとの回動角度が一致する。言い換えれば、第2軸105bの移動に拘らず、この回転角度は一致する。
【0062】
したがって、第4モータ110を保持励磁や電磁ブレーキ等により停止し、第4アーム110a及びリンクアーム105eの回転角度を固定しておけば、出力部材102のxyz空間内での移動に拘らず、出力軸アーム103aの回転角度が保持されたままとなる。即ち、出力部材102の回転角度が維持される。
【0063】
一方、第4モータ110を回転させるとリンクアーム105eは回転伝達手段111により第4モータ110と同期して回転する。出力軸アーム103aの回転角度は第4アーム110aの回転角度と一致するため、第4モータ110の駆動量を制御することにより出力部材102の回転を制御可能である。しかも、出力部材102の回動量は第4モータ110の駆動量により一意に決まり、第1、第2、第3モータ104、105、108の駆動量に影響を受けることなく、制御を簡単に行える。
【0064】
なお、本実施形態では、2本の第1リンクバー106aの配置間隔を2本の第2リンクバー107aの配置間隔よりも狭くしている。そして、出力軸103に対する2本の第1リンクバー106aの接続位置を、同じく2本の第2リンクバー107aの2つの接続位置に挟まれた位置に配置している。このことで、出力軸103に対して水平方向に掛かる力のバランスが良好となるので、出力軸103の傾きを防止でき好適である。なお、2本の第1リンクバー106aの配置間隔を2本の第2リンクバー107aの配置間隔よりも広くして、出力軸103に対する2本の第2リンクバー107aの接続位置を、2本の第1リンクバー106aの2つの接続位置に挟まれた位置に配置してもよく、同様に好適である。
【0065】
しかし、2本の第1リンクバー106aの幅を2本の第2リンクバー107aの幅と等しくし、出力軸103に対する接続位置を例えば図4(a)、図4(b)のように変更しても良い。図4(a)では、第1リンクバー106aと第2リンクバー107aを出力軸103に対して交互に接続している。また、図4(b)では、2本の第1リンクバー106aに対して2本の第2リンクバー107aを軸方向にずらして接続している。また、図4(c)では、出力軸103に出力側腕部に相当するクランク部103bを設け、クランク部103bに第4リンクバー112aを接続した変形例である。即ち、出力軸アーム103aに代えて、出力軸103の一部を水平方向に突出するように折り曲げ形成したクランク部103bを設けている。このようにクランク部103bとすることで、出力軸103の回転角度の範囲を広げることが可能となる。
【0066】
また、第4モータ110を、他のモータの位置に無関係な位置に配置し、2本のリンクバーによる平行リンク機構を2組用いるか又は、平行リンク機構とベルト式の回転伝達機構の組合せによる回転伝達機構を用いる構成とすることも可能である。この場合は回転伝達機構と第2軸105b等との連結は行わない。また、この場合は第2モータ105と第2軸105bをリニアアクチュエータとその移動子に変更することも可能である。
【0067】
本実施形態によれば、出力部材102の、出力軸に交差する方向の移動を第1モータ104及び第2モータ105により、概ね鉛直方向の移動を第3モータ108により、回動を第4モータ110により、それぞれ制御するため、制御を簡単に行える。即ち、位置決めの目標位置に対して第1、第2、第3の各モータの駆動量(制御量)は互いに関係があるものの、それぞれ制御する方向(移動方向)が出力軸に交差する概ね水平方向か、概ね鉛直方向かに決まっているため、それぞれの駆動量の算出を簡単に行える。また、第4モータに関しては第1、第2、第3の各モータの駆動量に無関係に駆動量を簡単に決定できる。
【0068】
また、本実施形態の場合、出力軸103の軸線上に各リンクバーから接続されるジョイント部を配列したので、リンクバーからの力が作用する作用点は出力軸103の軸線方向から見たときに一致する。このため、出力軸103の位置決めに対して作用点のずれによる偏差を生じることがない。従って、位置決め誤差の少ないパラレルリンクロボットが提供できるとともに、位置決め位置に対して各アクチュエータの駆動量の算出が容易となる。
【0069】
また、第1、第2、第3、第4モータ104、105、108、110を、水平方向に関し出力部材102の移動領域に対して外れた位置に配置しているため、クリーンな環境で出力部材102による加工や組み立て作業等を行うことができる。即ち、出力部材102が何れかのモータの下側に位置すると、このモータの駆動により例えばモータに付着したごみなどの異物が出力部材102に設けた工具により加工などがされるワークに落下して、ワークを汚染する可能性がある。特に、クリーンな環境でワークの加工などを行う場合、極僅かな異物が品質に影響を与えてしまう。そこで、本実施形態では、各モータ104、105、108、110を、水平方向に関し出力部材102の移動領域に対して外れた位置に配置して、出力部材102がどこに移動しても何れかのモータの鉛直方向下側に位置することを防止している。そして、ワークに異物が付着することを低減している。
【0070】
また、本実施形態では、第1、第2、第3、第4モータ104、105、108、110を、それぞれの可動部が出力部材102側に突出しないように収納するケース101を有するため、異物がよりワークに付着しにくい。
【0071】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、図5を用いて説明する。本実施形態は、上述の第1の実施形態に対し、第1軸104bを第1アーム104aに支持する軸受104c、第2軸105bを第2アーム105aに支持する軸受105cを省略している。そして、第1軸104bと第1アーム104aとを固定または一体化し、第2軸105bと第2アーム105aとを固定または一体化している。
【0072】
また、これに伴い、第1リンクバー106aと第1軸104bとを連結する第1駆動側ジョイント部106c´と、第2リンクバー107aと第2軸105bとを連結する第2駆動側ジョイント部107c´とを、それぞれ2自由度を有するものとしている。即ち、第1の実施形態に比べて、リンクバーをz軸に略平行な軸回りに回動自在としている。
【0073】
具体的には、第1駆動側ジョイント部106c´は、第1リンクバー106aに、第1軸104b回りの回動、及び、第1軸104b及び第1リンクバー106aの配設方向に直交する直交軸を中心とした回動を可能とする自由度を有している。また、第2駆動側ジョイント部107c´は、第2リンクバー107aに、第2軸105b回り、及び、第2軸105b及び第2リンクバー107aの配設方向に直交する直交軸を中心とした回動を可能とする自由度を有している。このようなジョイント部106c´、107c´としては、例えば、前述の図3に示した構造のものを使用できる。
【0074】
本実施形態の場合、第1駆動側ジョイント部106c´及び第2駆動側ジョイント部107c´として、2自由度のジョイント部を使用できるので、他の2自由度のジョイント部と部品の共通化が可能となる。例えば、ジョイント部106b、106c´、107b、107c´、109b、111b、111c、112b、112cに同一部品を使用できる。このため、製造コストを低減できる。その他の構造及び作用は、上述の第1の実施形態と同様である。
【0075】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について、図6を用いて説明する。本実施形態は、上述の第1、第2の実施形態と異なり、出力部材102及び出力軸103に対して回転自在な回転軸120を設けている。このために、出力部材102の下方に軸受121を介して回転軸120を設けている。また、回転軸120には、水平方向に突出するように回転軸アーム120aを設けている。そして、回転軸アーム120aの先端部と第4リンクバー112aの一端部とを、2自由度の第4出力側ジョイント部112bにより連結している。本実施形態では、回転軸アーム120aが上述の各実施形態の出力軸アーム103aに相当する。
【0076】
このような本実施形態の場合、ワークの移動や加工などを行う工具は回転軸120に設けられる。これにより、出力軸103を回転させることなく、回転軸120を回転させられる。その他の構造及び作用は、上述の第2の実施形態と同様である。
【0077】
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態について、図7及び図8を用いて説明する。本実施形態は、上述の各実施形態と異なり、第4出力側ジョイント部112bを、z軸方向に関し、2個の第1出力側ジョイント部106bと、2個の第2出力側ジョイント部107bとの間に配置している。特に、本実施形態では、2個の第1出力側ジョイント部106bを結ぶ線分の中点と、2個の第2出力側ジョイント部107bを結ぶ線分の中点とを略一致させている。そして、第4出力側ジョイント部112bは、この略一致した中点と鉛直方向に関して略同等の位置に配置している。
【0078】
本実施形態の場合、第4出力側ジョイント部112bが連結されるのは、前述の図4(c)に示したようなクランク部103bとしている。但し、図9に示すように、出力軸アーム103aに第4出力側ジョイント部112bを連結する構造であっても良い。何れの構造の場合でも、第4モータ110の駆動により出力軸103を回動させる力の作用点を、第1、第2モータ104、105により出力軸103を移動させる力の仮想的な作用点と鉛直方向に関し略同等にできる。このため、出力軸103の移動及び回動を安定して行うことができ、位置決め誤差や回動誤差などを低減できる。
【0079】
また、本実施形態では、第2モータ105により水平方向に移動させられる第2軸105bの下端部に、軸受105dを介して回転部材であるリンクアーム105e、105fを回転自在に支持している。これらリンクアーム105e、105fは、軸受105dに対して上方から見て異なる角度でそれぞれ水平方向に設けられている。そして、リンクアーム105eにリンクバー111aを、リンクアーム105fに第4リンクバー112aを、それぞれ連結している。リンクアーム105fの水平方向の長さは、クランク部103bの水平方向の突出量(出力軸アーム103aの水平方向の長さに相当)と同じとし、第4モータ110の駆動によりリンクアーム105e、105fを介して、出力軸103を回動させる。本実施形態によれば、出力軸103の回転可能な範囲をより広くすることができる。なお、本実施形態では、出力部材の図示を省略している。その他の構造及び作用は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0080】
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態について、図10及び図11を用いて説明する。本実施形態では、上述の各実施形態と異なり、2個の第1出力側ジョイント部106bと、2個の第2出力側ジョイント部107bとを同一軸上に配置していない。即ち、これらジョイント部106b、107bを出力軸103に沿って配列させていない。このために、出力部材102の出力軸103から外れた位置に、2本のアーム102a、102bを固定している。これらアーム102a、102bは、z軸と平行に配置されている。そして、第1リンクバー106aをアーム102aに第1出力側ジョイント部106bにより連結し、第2リンクバー107aをアーム102bに第2出力側ジョイント部107bにより連結している。
【0081】
また、本実施形態の場合も、前述の図6に示した構造と同様に、出力部材102及び出力軸103に対して回転自在な回転軸120を設けている。このために、出力部材102の下方に軸受121を介して回転軸120を設け、回転軸120の一部を水平方向に突出するように折り曲げてクランク部120bを形成している。そして、このクランク部120bに第4リンクバー112aの一端部を、2自由度の第4出力側ジョイント部112bにより連結している。
【0082】
本実施形態の場合、リンクバー106a、107aと出力部材102との連結部を、上述のように出力軸103からずらすことにより、平行リンク機構をより自由に構成することが可能となる。その他の構造及び作用は、前述の第1、第3の実施形態と同様である。
【0083】
<他の実施形態>
上述の各実施形態では、ケース101はベース部材を兼ねるものとしたが、例えばケース101をカバー部材として、パラレルリンクロボットに対して着脱可能とし、各モータを覆う構造にしても良い。また、パラレルリンクロボットの機構部から部分的に露出するアクチュエータを覆うためのカバー部材を用いても良い。このように、本発明のケース101としては上記のカバー部材及び、カバー部材と他の機構部材の任意の組合せも含むものとする。また、各実施形態の構成は、適宜組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0084】
100 パラレルリンクロボット
101 ケース
102 出力部材
103 出力軸
103a 出力軸アーム(出力側腕部)
103b クランク部(出力側腕部)
104 第1モータ(第1アクチュエータ)
104b 第1軸
105 第2モータ(第2アクチュエータ)
105b 第2軸
105e、105f リンクアーム(回転部材、駆動側腕部)
106 第1リンク機構
106a 第1リンクバー(第1リンク部材)
106b 第1出力側ジョイント部
106c、106c´ 第1駆動側ジョイント部
107 第2リンク機構
107a 第2リンクバー(第2リンク部材)
107b 第2出力側ジョイント部
107c、107c´ 第2駆動側ジョイント部
108 第3モータ(第3アクチュエータ)
109 第3リンク機構
109a 第3リンクバー(第3リンク部材)
109b 第3出力側ジョイント部
109c 第3駆動側ジョイント部
110 第4モータ(第4アクチュエータ)
111 回転伝達手段
112 第4リンク機構
112a 第4リンクバー(第4リンク部材)
112b 第4出力側ジョイント部
112c 第4駆動側ジョイント部
120 回転軸
120a 回転軸アーム(出力側腕部)
120b クランク部(出力側腕部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のz軸と略平行な回転軸を有する出力部材と、
前記出力部材の移動及び回転を行う第1アクチュエータ、第2アクチュエータ、第3アクチュエータ、及び、第4アクチュエータと、
前記出力部材と前記第1アクチュエータとの間、及び、前記出力部材と前記第2アクチュエータとの間にそれぞれ設けられ、前記出力部材の回転軸を前記z軸に対し略平行に保持しつつ、前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータの駆動により前記出力部材を前記z軸に交差する方向に移動させる第1リンク機構及び第2リンク機構と、
前記出力部材と前記第3アクチュエータとの間に設けられ、前記第3アクチュエータの駆動により前記出力部材を前記z軸に概ね平行な方向に移動させる第3リンク機構と、
前記出力部材と前記第4アクチュエータとの間に設けられ、前記出力部材の位置に拘らず前記第4アクチュエータの駆動により前記出力部材を回転させる第4リンク機構と、を備え、
前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータの駆動による前記出力部材の前記z軸に交差する方向への移動に対応させて、前記第3アクチュエータの駆動により前記出力部材を前記z軸に概ね平行な方向へ移動させることにより、xyz空間内で前記出力部材を位置決め可能であることを特徴とするパラレルリンクロボット。
【請求項2】
前記第1リンク機構及び前記第2リンク機構は、前記出力部材の回転軸と平行に配置され、前記第1アクチュエータ又は前記第2アクチュエータの駆動により移動させられる第1軸及び第2軸と、前記第1軸又は前記第2軸と前記出力部材との間に、それぞれ互いに平行に配置された複数の第1リンク部材及び複数の第2リンク部材と、をそれぞれ有し、
前記第1軸、前記出力部材、前記複数の第1リンク部材で平行リンク機構を構成し、前記第2軸、前記出力部材、前記複数の第2リンク部材で平行リンク機構を構成している、
ことを特徴とする、請求項1に記載のパラレルリンクロボット。
【請求項3】
前記出力部材と前記複数の第1リンク部材とをそれぞれ連結する複数の第1出力側ジョイント部と、前記出力部材と前記複数の第2リンク部材とをそれぞれ連結する複数の第2出力側ジョイント部とが、前記z軸と略平行な同一軸上に配置されている、
ことを特徴とする、請求項2に記載のパラレルリンクロボット。
【請求項4】
前記第3リンク機構は、前記第3アクチュエータにより前記z軸と直交する直交軸を中心として回動する回動腕部と、第3リンク部材と、前記出力部材と前記第3リンク部材とを連結する第3出力側ジョイント部と、を有し、
前記第3出力側ジョイント部と、前記複数の第1出力側ジョイント部及び前記複数の第2出力側ジョイント部とが、前記z軸と略平行な同一軸上に配置されている、
ことを特徴とする、請求項3に記載のパラレルリンクロボット。
【請求項5】
前記第1リンク部材及び前記第2リンク部材は、それぞれ2個で、
2個の前記第1出力側ジョイント部を結ぶ線分の中点と、2個の前記第2出力側ジョイント部を結ぶ線分の中点とが略一致するように、前記2個の第1リンク部材及び前記2個の第2リンク部材をそれぞれ配置した、
ことを特徴とする、請求項3又は4に記載のパラレルリンクロボット。
【請求項6】
前記第1リンク機構は、前記第1軸と前記複数の第1リンク部材とをそれぞれ連結する複数の第1駆動側ジョイント部を有し、
前記第2リンク機構は、前記第2軸と前記複数の第2リンク部材とをそれぞれ連結する複数の第2駆動側ジョイント部を有し、
前記複数の第1出力側ジョイント部及び前記複数の第2出力側ジョイント部は、少なくとも、前記出力部材に対するそれぞれのリンク部材の、前記z軸回りの回動と、前記z軸及びそれぞれのリンク部材の配設方向に直交する直交軸を中心とした回動と、を可能とし、
前記複数の第1駆動側ジョイント部及び前記複数の第2駆動側ジョイント部は、少なくとも、前記第1軸、前記第2軸に対するそれぞれのリンク部材の、前記z軸及びそれぞれのリンク部材の配設方向に直交する直交軸を中心とした回動を可能とする、
ことを特徴とする、請求項2ないし5のうちの何れか1項に記載のパラレルリンクロボット。
【請求項7】
前記第1軸又は前記第2軸に回転自在に支持された回転部材と、
前記第4アクチュエータの駆動を前記回転部材に伝達する回転伝達手段と、を有し、
前記第4リンク機構は、前記出力部材と前記回転部材との間に配置される、
ことを特徴とする、請求項2ないし6のうちの何れか1項に記載のパラレルリンクロボット。
【請求項8】
前記第4リンク機構は、前記出力部材に設けられた出力側腕部と、前記回転部材に設けられた駆動側腕部と、第4リンク部材と、前記出力側腕部と前記第4リンク部材とを連結する第4出力側ジョイント部と、前記駆動側腕部と前記第4リンク部材とを連結する第4駆動側ジョイント部と、を有し、
前記第4出力側ジョイント部は、少なくとも、前記出力側腕部に対する前記第4リンク部材の、前記z軸回りの回動と、前記z軸及び前記第4リンク部材の配設方向に直交する直交軸を中心とした回動と、を可能とし、
前記第4駆動側ジョイント部は、少なくとも、前記駆動側腕部に対する前記第4リンク部材の、前記z軸回りの回動と、前記z軸及び前記第4リンク部材の配設方向に直交する直交軸を中心とした回動と、を可能とする、
ことを特徴とする、請求項7に記載のパラレルリンクロボット。
【請求項9】
前記出力部材と前記複数の第1リンク部材とをそれぞれ連結する複数の第1出力側ジョイント部と、前記出力部材と前記複数の第2リンク部材とをそれぞれ連結する複数の第2出力側ジョイント部と、を有し、
前記第4出力側ジョイント部が、前記z軸方向に関し、前記複数の第1出力側ジョイント部の間で、且つ、前記複数の第2出力側ジョイント部の間に配置されるように、前記複数の第1リンク部材、前記複数の第2リンク部材、及び、前記第4リンク部材をそれぞれ配置した、
ことを特徴とする、請求項8に記載のパラレルリンクロボット。
【請求項10】
前記第3リンク機構は、前記第3アクチュエータにより前記z軸と直交する直交軸を中心として回動する回動腕部と、第3リンク部材と、前記出力部材と前記第3リンク部材とを連結する第3出力側ジョイント部と、前記回動腕部と前記第3リンク部材とを連結する第3駆動側ジョイント部と、を有し、
前記第3出力側ジョイント部は、少なくとも、前記出力部材に対する前記第3リンク部材の、前記z軸回りの回動と、前記z軸及び前記第3リンク部材の配設方向に直交する直交軸を中心とした回動と、を可能とし、
前記第3駆動側ジョイント部は、少なくとも、前記第3リンク部材の、該第3リンク部材自身の配設方向回りの回動と、前記回動腕部の配設方向回りの回動と、前記回動腕部の配設方向及び前記第3リンク部材の配設方向に直交する直交軸を中心とした回動と、を可能とする、
ことを特徴とする、請求項1ないし9のうちの何れか1項に記載のパラレルリンクロボット。
【請求項11】
前記第1アクチュエータと前記第2アクチュエータとのうちの少なくとも一方は、回転型アクチュエータであり、
前記第4アクチュエータは、回転型アクチュエータであり、
前記第4アクチュエータを、その回転軸が、回転型アクチュエータである前記第1アクチュエータ又は前記第2アクチュエータの回転軸と同軸上となるように配置した、
ことを特徴とする、請求項1ないし10のうちの何れか1項に記載のパラレルリンクロボット。
【請求項12】
鉛直方向のz軸と略平行な回転軸を有する出力部材と、
前記出力部材の移動を行う第1アクチュエータ、第2アクチュエータ、及び、第3アクチュエータと、
前記出力部材と前記第1アクチュエータとの間、及び、前記出力部材と前記第2アクチュエータとの間にそれぞれ設けられ、前記出力部材の回転軸を前記z軸に対し略平行に保持しつつ、前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータの駆動により前記出力部材を前記z軸に交差する方向に移動させる第1リンク機構及び第2リンク機構と、
前記出力部材と前記第3アクチュエータとの間に設けられ、前記第3アクチュエータの駆動により前記出力部材を前記z軸に概ね平行な方向に移動させる第3リンク機構と、を備え、
前記第1リンク機構及び前記第2リンク機構は、前記出力部材の回転軸と平行に配置され、前記第1アクチュエータ又は前記第2アクチュエータの駆動により移動させられる第1軸及び第2軸と、前記第1軸又は前記第2軸と前記出力部材との間に、それぞれ互いに平行に配置された複数の第1リンク部材及び複数の第2リンク部材と、をそれぞれ有し、
前記第1軸、前記出力部材、前記複数の第1リンク部材で平行リンク機構を構成し、前記第2軸、前記出力部材、前記複数の第2リンク部材で平行リンク機構を構成し、
前記出力部材と前記複数の第1リンク部材とをそれぞれ連結する複数の第1出力側ジョイント部と、前記出力部材と前記複数の第2リンク部材とをそれぞれ連結する複数の第2出力側ジョイント部とが、前記z軸と略平行な同一軸上に配置され、
前記第3リンク機構は、前記第3アクチュエータにより概ね上下方向に動かされる可動部材と、前記可動部材と前記出力部材との間に配置された第3リンク部材と、前記出力部材と前記第3リンク部材とを連結する第3出力側ジョイント部と、を有し、
前記第3出力側ジョイント部と、前記複数の第1出力側ジョイント部及び前記複数の第2出力側ジョイント部とが、前記z軸と略平行な同一軸上に配置されている、
ことを特徴とする、パラレルリンクロボット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−192500(P2012−192500A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58995(P2011−58995)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【Fターム(参考)】