説明

パルテノライド誘導体を抗白血病薬及び細胞毒性薬として使用する方法

式(I)において、R1及びR2が本明細書に記載されている通りである抗腫瘍活性を有する式の化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
英国籍を有し、米国在住のピーター エイ クルークス、米国籍を有し、米国在住のクレイグ ティー ジョルダン、及び中国籍を有し、米国在住のウェイ ジャオチェンは本出願をPCT出願として出願し、2003年7月11日に出願した仮出願第60/486,171号に基づく優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、セスキテルペンラクトンであるパルテノライドを構造的に改変する方法、及びこれらのパルテノライド誘導体を癌の治療に使用する方法に関する。より詳細には、本発明は、水溶性特性が改良された新規な薬理活性化学物質を得るために、親化合物であるパルテノライドの構造上のアナログを製造する方法、及び該アナログを白血病及び他の親薬剤耐性及び多剤耐性を有するヒトの癌の治療に使用する方法に関する。
【0003】
セスキテルペンラクトン類は、α−メチレン−γ−ブチロラクトン部分及び他の更なる官能基を含有する15個の炭素構造からなる植物の二次代謝産物の群である。この二、三十年にわたって、これらのテルペノイドは、その広範囲の生物活性、それらを生産する植物、最も重要なのはヒトへの薬理効果により、かなり注目されている。約4000種のこれらのテルペノイドが単離され、同定されており、それらの多くはAsteraceae(Compositae、ヒマワリ科)内にある(非特許文献1)。これらの植物のいくつかは世界中の様々な文化に特有の医療において何世紀にもわたって使用されている。
【0004】
パルテノライド(1)は独特の構造を有するゲルマクラン・セスキテルペンラクトンである。パルテノライドはAsteraceae(Compositae)科のいくつかの様々な種より単離されている。良く知られているナツシロギク(Tanacetum parthenium)はそれらの種の一つである。
【化1】

【0005】
ナツシロギクは、熱及び痛みを減ずるために用いられ、片頭痛及び慢性関節リウマチの治療に用いられている(非特許文献2)。活性成分はパルテノライド(1)である。最近、パルテノライド(1)が、NF-κB活性を阻害することによって腫瘍のアポトーシスを誘導することができることが明らかにされている(非特許文献3〜7)。
【0006】
パルテノライド(1)は極性が低い脂肪親和性の中性のラクトンであり、低い水溶性を有する。このことによって、治療薬としての更なる開発が制限されている。文献によれば、パルテノライド(1)内のα−メチレン−γ−ブチロラクトン部分が抗癌活性に最も重要な官能基であるように思われ(非特許文献8)、分子のこの部分を改変することによって生物活性の減少が引き起こされる可能性がある。
【0007】
【非特許文献1】Schimidt,Curr. Org. Chem. 1999, 3, 577-608
【非特許文献2】Heptinstallら,ACS Symposium Series(1998),691(Phytomedicines of Europe),158-175
【非特許文献3】Coryら,Anticancer Research 2002,22,3805-9
【非特許文献4】Coryら,Anticancer Research 2001,21,3807-11
【非特許文献5】Gelfanovら,Blood,2000,98,2508-17
【非特許文献6】Kangら,Brit.J.Pharmacol.2002,135,1235-44
【非特許文献7】Songら,J. Asian. Nat. Prod. Res. 2001,3,285-91
【非特許文献8】Wenら,J. Biol. Chem. 2002,277,38954-38964
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
不運にも、パルテノライド(1)分子の14位のメチル基及び1,10位の炭素−炭素の二重結合における改変により得られた誘導体では抗白血病活性の低下が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、新規クラスの抗白血病活性を有する窒素含有パルテノライド誘導体が得られる。
【0010】
本発明の化合物は、白血病細胞を死滅させることが可能である。治療の兆候には白血病及び総てのヒトの親薬剤耐性及び/又は多剤耐性の癌、並びに片頭痛治療用化合物及び炎症治療用化合物が含まれる。
【0011】
本発明は、有効量のパルテノライド誘導体化合物又はその医薬として許容される塩を、医薬として許容される希釈剤又は担体と共に含む医薬組成物を提供する。
【0012】
また、本発明は、癌に冒された哺乳類に、前記癌の細胞の増殖を抑制するのに有効な量のパルテノライド誘導体化合物を投与することを有する癌細胞の増殖及び癌細胞の転移を抑制する方法も提供する。
【0013】
また、本発明は、癌細胞を、前記癌細胞の増殖を抑制するのに有効な量のパルテノライド誘導体化合物と生体外又は生体内で接触させることによって、前記癌細胞の増殖を抑制することを有する方法も提供する。
【0014】
また、本発明は、薬物療法に使用するための(好ましくは癌、例えば固形癌を治療するのに使用するための)パルテノライド誘導体化合物に加えて、癌、例えば固形癌の治療に有用な薬剤の製造のためにパルテノライド誘導体化合物を使用する方法も提供する。
【0015】
本発明は、さらに、例えば、慢性関節リウマチ、変形性関節症、アレルギー(喘息など)、並びに痛み、腫れ、熱、乾癬などのその他の炎症状態、炎症性腸疾患、胃腸の潰瘍、虚血性心疾患及びアテローム性動脈硬化症を含めた循環器の状態、脳卒中によって引き起こされる部分的な脳障害、皮膚の状態(湿疹、日焼け、座瘡)、肺、腎臓、胃腸管、皮膚のロイコトリエンが仲介する炎症性疾患、前立腺炎、及び歯肉及び下部にある骨組織の慢性的な炎症(paradontosis)を含めた炎症性の疾患又は病気を治療する方法を提供する
【0016】
本発明は、さらに、免疫反応が不適当であるか、過剰であるか、又は不充分である免疫反応障害を治療する方法を提供する。そのような障害としては、アレルギー反応、移植片拒絶、輸血反応、並びに全身性エリテマトーデス及び慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患が挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本明細書で使用する「アルキル」とは、約1〜20の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を指し、「置換アルキル」とは、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アリール、ヘテロ環、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、アミノ、カルボキシル、カルバメート、スルホニル、スルホンアミドなどの1種又は複数の置換基をさらに有するアルキル基を指し、「低級アルキル」とは、1〜8の炭素を意味する。
【0018】
「シクロアルキル」とは、約3〜8の炭素原子を含む環状の環含有基を指し、「置換シクロアルキル」とは、さらに上記の1種又は複数の置換基を有するシクロアルキル基を指す。
【0019】
「アルケニル」とは、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有し、約2〜20の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖状の炭化水素基を指し、「置換アルケニル」とは、さらに上記の1種又は複数の置換基を有するアルケニル基を指す。
【0020】
「アルキニル」とは、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有し、約2〜20の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖状の炭化水素基を指し、「置換アルキニル」とは、さらに上記の1種又は複数の置換基を有するアルキニル基を指す。
【0021】
「アリール」とは、6〜14の炭素原子を有する芳香族基を指し、「置換アリール」とは、さらに上記の1種又は複数の置換基を有するアリール基を指す。
【0022】
「アルキルアリール」とは、アルキル置換アリール基を指し、「置換アルキルアリール」とは、さらに上記の1種又は複数の置換基を有するアルキルアリール基を指す。
【0023】
「アリールアルキル」とは、アリール置換アルキル基を指し、「置換アリールアルキル」とは、さらに上記の1種又は複数の置換基を有するアリールアルキル基を指す。
【0024】
「アリールアルケニル」とは、アリール置換アルケニル基を指し、「置換アリールアルケニル」とは、さらに上記の1種又は複数の置換基を有するアリールアルケニル基を指す。
【0025】
「アリールアルキニル」とは、アリール置換アルキニル基を指し、「置換アリールアルキニル」とは、さらに上記の1種又は複数の置換基を有するアリールアルキニル基を指す。
【0026】
「アロイル」とは、ベンゾイルなどのアリール−カルボニル部分を指し、「置換アロイル」とは、さらに上記の1種又は複数の置換基を有するアロイル基を指す。
【0027】
「ヘテロ環」とは、1種又は複数のヘテロ原子(例えば、N、O、Sなど)を環構造の一部として含有し、3〜14の炭素原子を有する環状の(すなわち環を含有する)基を指し、「置換ヘテロ環」とは、さらに上記の1種又は複数の置換基を有するヘテロ環の基を指す。
【0028】
「アシル」とは、アルキル−カルボニル基を指し、「ハロゲン」とは、フッ化物、塩化物、臭化物、又はヨウ化物の基を指す。
【0029】
本発明は、水溶性のアミノ誘導体を形成するように第1級及び/又は第2級アミンを用いるMichael付加反応によって構造的に改変されたセスキテルペンラクトン内のα−メチレン−γ−ブチロラクトン部分の能力に関する。パルテノライド(1)分子のこの手法による改変によって、さらに水溶性を増大させるために様々な無機又は有機の塩として容易に得ることができるアミン付加体が得られる。したがって、より水溶性が大きいパルテノライドのアナログの新しいクラスが示される。このクラスの化合物を抗白血病活性について評価した際、これらの化合物は、親化合物であるパルテノライドと等しい効力をもつか、又は該親化合物より強力であることが見出された。より重要なことは、これらの新規アナログが正常細胞に対してよりも白血病細胞に対してより大きな細胞毒性を示すことである。したがって、本発明は、強力かつ選択的な抗癌活性を有するパルテノライド誘導体の新しいクラスを提供する。
【0030】
本発明によれば、下記一般構造式(2):
【化2】


(R1、R2及びR3は同一又は異なっていてもよく、R1は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールアルケニル、置換アリールアルケニル、アリールアルキニル、置換アリールアルキニル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、トリフルオロメチル、ペルフルオロアルキル、シアノ、シアノメチル、カルボキシル、カルバメート、スルホニル、スルホンアミド、及びアリーロキシアルキル、又はOR1(式中、Oは酸素である)から選択され;
R2は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールアルケニル、置換アリールアルケニル、アリールアルキニル、置換アリールアルキニル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、トリフルオロメチル、ペルフルオロアルキル、シアノ、シアノメチル、カルボキシル、カルバメート、スルホニル、スルホンアミド、及びアリーロキシアルキルから選択される)を有する化合物、及び無機及び/又は有機の酸を用いて形成され、R4Y(Yは、ハロゲン、トシラート、メタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート及びその他同種類のものから選択され;R4は、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換アルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールアルケニル、置換アリールアルケニル、アリールアルキニル、置換アリールアルキニル、シアノメチル、アルキロキシアルキル及びアリーロキシアルキルから選択される)を用いて形成されるその第4級アンモニウム塩を含むその医薬として許容される塩が提供される。
【0031】
これらの酸としては、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸、ホウ酸、亜セレン酸、硫化水素、リンモリブデン酸、亜リン酸、亜硫酸、クエン酸、マレイン酸、D−リンゴ酸、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、吉草酸、オレイン酸、ラウリン酸、パラ−トルエンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、フタル酸、酒石酸、L−リンゴ酸、DL−リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、グリコール酸、チオグリコール酸、グリシン、サルコシン、スルホン酸、ニコチン酸、ピコリン酸、イソニコチン酸、安息香酸及び上記の1種又は複数の置換基をさらに有するベンゼン環のことを指す置換安息香酸、及びXCOOH(Xは、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールアルケニル、置換アリールアルケニル、アリールアルキニル、置換アリールアルキニル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、トリフルオロメチル、ペルフルオロアルキル、シアノ、シアノメチル、カルボキシル、カルバメート、スルホニル、スルホンアミド、及びアリーロキシアルキル、又は-OX及び-SXから選択される)が挙げられる。
【0032】
本発明の現在好ましい化合物は、R1が水素又は任意選択的に置換されている低級アルキルであり、R2が任意選択的に置換されている低級アルキルである化合物である。
【0033】
本発明の一実施態様において、R1及びR2がそれぞれ-CH3である。別の実施態様では、R1及びR2がそれぞれ-CH2CH3である。更なる実施態様においては、R1が-CH2CH3であり、R2が-CH3である。本発明の更なる別の実施態様においては、R1が-CH2CH2CH3であり、R2が-CH3である。別の実施態様においては、R1が-CH(CH3)2であり、R2が-CH3である。
【0034】
本発明の別の実施態様において、R1及びR2はNと結合して環系を形成することができる。そのような組み合わせの例としては、-CH2(CH2)nCH2-(式中、nは0〜5から選択される)が挙げられる。これらの環系は、上記した、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールアルケニル、置換アリールアルケニル、アリールアルキニル、置換アリールアルキニル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、トリフルオロメチル、ペルフルオロアルキル、シアノ、シアノメチル、カルボキシル、カルバメート、スルホニル、スルホンアミド、アリーロキシアルキル及びハロゲンから選択される1種又は複数の置換基を有することもできる。
【0035】
この環系は、-CH2(CH2)nCH2Z-(ZはO、S、Se、Si、P、-CO-、-SO-、-SO2-、-PO-であり、-CH2(CH2)nCH2-は上記の基である)であってもよい。
【0036】
もう1つの方法として、この環系は-(CH2)a-Z-(CH2)b-(a及びbは同一又は異なっており、1〜4であり、ZはO、N、S、Se、Si、P、-CO-、-SO-、-SO2-又は-PO-である)であってもよい。この環系は、ウラシル環及び1種又は複数の置換基を有するその誘導体であってもよい。これらの環系は、炭素原子及び/又はZに結合した1種又は複数の置換基を有してもよい。置換基は、上記した、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールアルケニル、置換アリールアルケニル、アリールアルキニル、置換アリールアルキニル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、トリフルオロメチル、ペルフルオロアルキル、シアノ、シアノメチル、カルボキシル、カルバメート、スルホニル、スルホンアミド、アリーロキシアルキル及びハロゲンから選択される。
【0037】
これらの環系は、ピロール、イミダゾール、プリン及びピラゾールなどの芳香族、並びに上記した、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールアルケニル、置換アリールアルケニル、アリールアルキニル、置換アリールアルキニル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、トリフルオロメチル、ペルフルオロアルキル、シアノ、シアノメチル、カルボキシル、カルボキシラート、カルボキシアルデヒド、カルボキシアミド、カルバメート、ヒドロキシ、アルコキシ、イソシアネート、イソチオシアネート、ニトロ、ニトロソ、ニトレート、スルフェート、スルホニル、スルホンアミド、チオール、チオアルキル、アリーロキシアルキル及びハロゲンから選択される1種又は複数の置換基を有するこれらの上記ヘテロ環の置換誘導体であってもよい。
【0038】
NR1R2を含む上記環系のいずれも、任意選択的に別の環と融合して、任意選択的に置換された二環系又は三環系を形成してもよく、環のそれぞれが1種又は複数のヘテロ原子を任意選択的に含む。好ましい環系としては、アジリジン−1−イル、アゼチジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、ホモピペリジン−1−イル及びヘプタメチレンイミン−1−イルが挙げられ、それぞれ任意選択的に1種又は複数の上記置換基で置換されている。
【0039】
本発明の化合物の例としては:
11βH,13−ジメチルアミノパルテノライド、
11βH,13−ジエチルアミノパルテノライド、
11βH,13−(tert−ブチルアミノ)パルテノライド、
11βH,13−(ピロリジン−1−イル)パルテノライド、
11βH,13−(ピペリジン−1−イル)パルテノライド、
11βH,13−(モルホリン−1−イル)パルテノライド、
11βH,13−(4−メチルピペリジン−1−イル)パルテノライド、
11βH,13−(4−メチルピペラジン−1−イル)パルテノライド、
11βH,13−(ホモピペリジン−1−イル)パルテノライド、
11βH,13−(ヘプタメチレンイミン−1−イル)パルテノライド、
11βH,13−(アゼチジン−1−イル)パルテノライド、
11βH,13−ジアリルアミノパルテノライドが挙げられる。
【0040】
本発明が、-NR1R2基上に1つ又は複数のキラル中心を含有し、従って、ラセミ混合物として、純粋なジアステレオマーとして、又は純粋なエナンチオマーとして存在することができる化合物を含むことは当業者であれば理解できる。多くの用途において、実質的に立体化学的に純粋な又は光学活性的に純粋な物質を生成するために、立体選択的な合成を実施するか、かつ/又は反応生成物を適当な精製工程にかけるのが好ましい。立体化学的に純粋な又は光学活性的に純粋な物質を製造するのに適した立体選択的な合成手法は本技術分野において既知であり、同様にラセミ混合物をその光学的に純粋なエナンチオマーに分離する手法も本技術分野において既知である。
【0041】
-NR1R2基は、2つの部分からなるアミノパルテノライドのアナログ(下記の構造3及びスキームII)の形成又はパルテノライドと5−フルオロウラシル、シタラビン、マイトマイシンC、ドキソルビシン、ダウノルビシンなどの塩基性窒素含有相乗作用抗癌薬剤分子との共有結合(代表的なものとして、下記のスキームIII、式4)をそれぞれ構成する、第一級アミン又は別の抗癌薬剤部分の一部であってもよい。したがって、本発明は、さらに、下記式(3):
【化3】


(式中、R3は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールアルケニル、置換アリールアルケニル、アリールアルキニル、置換アリールアルキニル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、トリフルオロメチル、ペルフルオロアルキル、シアノ、シアノメチル、カルボキシル、カルバメート、スルホニル、スルホンアミド、及びアリーロキシアルキル、又はOR1(Oは酸素である)から選択される)の化合物、並びに無機及び/又は有機の酸を用いて形成されるその医薬として許容される塩、並びにR4Yを用いて形成されるその第4級アンモニウム塩を提供する。好ましいR3基としては、H、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール及びアルキニルアリールが挙げられる。
【0042】
本発明の別の実施態様において、本発明に記載されているアミノ・アナログの製造方法がスキームI及びIIに示される。
【化4】

【0043】
上記のスキームにおいて、R1及びR2は前に定義した通りであり、溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノールなどの低級アルキルアルコール、及びクロロホルム、塩化メチレン、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ピリジン、四塩化炭素、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、及び/又は上記溶媒の2種以上の混合物から選択される。塩基は、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン及びトリブチルアミンなどの低級トリアルキルアミン、並びにピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、2−ジメチルアミノピリジン、3−ジメチルアミノピリジン、並びに4−ジメチルアミノピリジンから選択される。温度は、-20℃〜130℃の間から選択される。望ましいカップリング反応を生じさせるのに必要な反応時間は幅広く変動し、典型的には、30分〜24時間の範囲内にある。中性又は塩基性のシリカゲル、オクタデシルシリカ、オクチルシリカなどの結合シリカゲル相、セルロース又はアルミナによる、例えばクロロホルム及びメタノール又はエタノールの混合物、塩化メチレン及びメタノール又はエタノールの混合物、ヘキサン及びアセトン又はアセトニトリル又はメタノール又はエタノール又はイソプロパノールの混合物、ジエチルエーテル及びアセトン又はアセトニトリル又はメタノール又はエタノール又はイソプロパノールの混合物などの溶媒を用いる液体クロマトグラフィー、並びにメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、アセトニトリル、ジエチルエーテル、クロロホルム、塩化メチレン及び上記の溶媒の2種以上の混合物などの標準の有機溶媒又は溶媒混合物を用いる再結晶などの種々の技術によって、精製を達成することができる。製造した本発明の化合物の純度を質量分析、核磁気共鳴スペクトル及び元素燃焼分析によって評価する。
【化5】

【0044】
さらに、本発明の更に別の実施態様において、本発明の塩の製造方法はスキームIV及びVに示される。
【化6】

【0045】
これらのスキームにおいて、HXは、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、メシラート、トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、コハク酸塩、ヘミコハク酸塩、フマル酸塩、酢酸塩、ヘミフマル酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、プロピオン酸塩及び安息香酸塩から選択され、


は、ハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、メチルスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩及び硫酸塩から選択され、溶媒は、ジエチルエーテル、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノールなどの低級アルキルアルコール、及びクロロホルム、塩化メチレン、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ピリジン、四塩化炭素、tert−ブチルメチルエーテル、アセトン及び/又は上記溶媒の2種以上の混合物から選択される。温度は、-20℃〜50℃の間から選択される。メタノール、エタノール、アセトン、プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール、アセトニトリル、ジエチルエーテル、クロロホルム、塩化メチレン及び上記の溶媒の2種以上の混合物などの標準の有機溶媒又は溶媒混合物を用いる再結晶によって精製を行うことができる。
【化7】

【0046】
また、本発明の一部は、以下の構造的に関連したパルテノライド様の構成物質、すなわち、コスツノライド、デヒドロコスツラクトン、アラントラクトン、イソアラントラクトン、アミノ−3−オキソ−イソアラントラクトン、ヘレナリン、11,13−ジヒドロヘレナリン、アミノシアナロピクリン(aminocyanaropicrin)、アミノデスアシルシアナロピクリン、(+)−アミノレヨノシン((+)−aminoreyonosin)、アミノサンタマリン(aminosantamarin)、アミノソウランギアノライド(aminosoulangianolide)、及びアミノイソテレキン(aminoisotelekin)(スキーム6参照)についての上記と同様の種類のアナログである。
【化8】

【0047】
本明細書に記載の化合物は癌の治療に有用である。本治療法によって治療可能な癌としては、前立腺癌、卵巣癌、乳癌、脳腫瘍及び肝臓癌などの固形癌及び血液腫瘍が挙げられ、該治療法は、前記癌に冒された哺乳類に、前記哺乳類の癌細胞の生存を抑制するのに有効な量のパルテノライド誘導体を投与することを含む。最初の治療として、又は付加の治療として、局所的な介入(外科手術、放射線、局所的な化学療法)の後、又は少なくとも1種の他の化学療法薬と併せて、パルテノライド誘導体を投与してもよく、上記に記載されているものに加えて、固形癌は米国特許第5,514,555号に開示されている。白血病などの血液癌は、Mayo Clinic Family Health Book,D.E. Larson,ed., William Morrow,N.Y. (1990)に開示されており、該血液癌としては、CLL、ALL、CMLなどがある。
【0048】
本発明の別の態様において、非腫瘍形成の血管新生による疾病の患者の血管新生を抑制する方法が提供され、該方法は、新しい血管の形成を抑制するように、パルテノライド誘導体を含む治療に有効な量の組成物を、非腫瘍形成の血管新生による疾病の患者に投与することを有する。他の態様において、血管が効果的に閉塞するように、非腫瘍形成の血管新生による疾病における内皮細胞の反応性の増殖又は毛細血管の形成を抑制する方法が提供される。一実施態様において、パルテノライド誘導体を含む抗血管新生組成物を、活発に増殖し、腫瘍を育てている血管に送達する。
【0049】
腫瘍に加えて、血管の異常な成長を特徴とする多数の他の非腫瘍形成の抗血管新生による疾病も、本発明の抗血管新生パルテノライド誘導体組成物又は抗血管新生因子で治療してもよい。本発明の抗血管新生パルテノライド誘導体組成物は、血管新生促進物質の促進効果を阻害し、内皮細胞の分裂を減少させ、内皮細胞の移動を減らし、内皮によって分泌されたタンパク質分解酵素の活性を弱めることができる。そのような非腫瘍形成の血管新生による疾病の代表的な例としては、角膜の新血管形成、肥厚性瘢痕及びケロイド、増殖性糖尿病性網膜症、動静脈奇形、動脈硬化プラーク、創傷治癒の遅延、血友病関節、癒着不能骨折、オスラー−ウェーバー症候群、乾癬、化膿性肉芽種、強皮症、トラコーマ、月経過多、水晶体後繊維増殖症及び血管癒着が挙げられる。これらの状態の病理及び治療は、公開されたPCT出願PCT/CA94/00373(WO95/03036)の第26〜36頁に詳細に記載されている。本組成物の局所的な投与又は方向づけられた局所投与、すなわち持効性又は徐放形態での投与は、多くの場合、治療に有効な量のパルテノライド誘導体の投与の好ましい形態である。
【0050】
本発明の抗血管新生組成物は、種々の他の様式で利用してもよい。例えば、該組成物を、縫合部の肉芽種を防ぐために外科縫合に組み入れてもよいし、月経過多の治療のために又は女性の受胎調節の方法として子宮内に(IUDと同様の様式で)注入してもよいし、子宮内膜症の治療での腹腔洗浄液として又は腹腔移植のために投与してもよいし、全身の化学療法の方法として、活性化した内皮細胞に対して向けられたモノクロナール抗体に付着させてもよいし、活性型の内皮細胞を認識する放射標識したモノクロナール抗体に付着させた際の画像診断に利用してもよい。
【0051】
癌、すなわち前立腺癌又は乳癌の急性又は慢性の管理におけるパルテノライド誘導体、そのアナログ又はそれらの組み合わせの予防の又は治療の用量の規模は、治療する固形癌などの癌のステージ、使用する化学療法薬又は他の抗癌治療、及び投与経路によって変わる。用量、おそらくは投与頻度も、個々の患者の年齢、体重及び反応によって変わる。一般に、上記の状態についてのパルテノライド誘導体及びそのアナログの一日の総用量の範囲は、1回の用量又は分割量で約0.5mg〜約2500mgである。好ましくは、1日の用量の範囲は、1回の用量又は分割量で約1mg〜約100mgであり、最も好ましいのは、1日当たり約5〜50mgである。患者を管理する際には、治療を低用量で開始し、患者の全体的な反応に応じて増加させる。さらに、乳児、子供、65歳を越える患者、及び腎機能又は肝機能の障害を有する患者には最初により低い用量を与え、全体的な反応及び血中濃度に基づいて徐々に増量することが推奨される。いくつかの事例においてこれらの範囲外の投薬量を使用する必要がある。さらに、臨床医又は治療する医者が、個々の患者の反応と関連して治療を中断するか、調整するか、又は終了する方法とその時を知っていることに留意すべきである。「有効量」又は「有効な増感量」という用語は、上記の投薬量及び投与頻度スケジュールに包含される。
【0052】
有効な投薬量のパルテノライド誘導体を患者に与えるのに適した投与経路(例えば、経口、舌下、直腸、静脈、硬膜外、くも膜下腔、皮下、経皮、筋肉内、腹腔内、皮内、吸入、経皮、点鼻薬、鼻のゲル又はドロップなど)のいずれも使用してよい。治療に使用するために、パルテノライド誘導体又はそのアナログを純粋な薬物として、吸入器によって微細な粉末を吸入することによって投与することも可能であるが、活性成分を医薬製剤として得ることが好ましい。従って、本発明は、さらに、パルテノライド誘導体又はそのアナログを、1種又は複数の医薬として許容されるそのための担体、及び任意選択的に他の治療の及び/又は予防の成分と共に含む医薬製剤を提供する。担体は、製剤の他の成分と適合するという意味で「許容され」なければならず、ヒトの患者又は家畜などのその受容者に有害であってはならない。
【0053】
医薬製剤としては、経口又は非経口(筋肉内、皮下及び静脈内を含む)投与に適したものが挙げられる。非経口投与に適した形態には、吸気又は吸入による投与又は鼻もしくは局所(口内、直腸、膣及び舌下を含む)の投与に適した形態もある。製剤は、適切な場合には、別々の単位の剤型の状態で好都合に得られ、製薬学の技術分野に既知の方法のいずれによって製造してもよい。そのような方法は、活性化合物を液体担体、固体マトリックス、半固体担体、細かく分割した固体担体又はそれらの組み合わせと結合させる工程と、次に、必要であれば、製品を成型して望ましい送達システムにする工程とを有する。
【0054】
経口投与に適した医薬製剤を、それぞれ所定の量の活性成分を含有する硬質又は軟質のゼラチンカプセル、カプセルもしくは錠剤などの別々の単位の剤型として、粉末もしくは顆粒として、溶液、懸濁液もしくはエマルジョンとして、又はチューイングガムから薬剤を摂取するための合成樹脂もしくはチクルなどの噛むことができる基剤の状態で得てもよい。活性成分を、ボーラス、舐剤又はペーストとして得てもよい。経口投与用の錠剤及びカプセルは、結合剤、充填剤、滑剤、崩壊剤、又は湿潤剤などの従来の賦形剤を含有してもよい。錠剤を本技術分野に既知の方法に従って、すなわち腸溶コーティングで被覆してもよい。
【0055】
経口液体製剤は、例えば、水性もしくは油性の懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップ又はエリキシル剤の形態であってもよいし、使用前に水又は他の適した媒体で構成するための乾燥した製品として得てもよい。そのような液体製剤は、懸濁化剤、乳化剤、非水性媒体(食用油を含む)、又は防腐剤などの従来の添加物を含有してもよい。
【0056】
本発明に従う化合物を、非経口投与(例えば、注入、例えば静脈内ボーラス又は連続点滴による)用に製剤してもよく、アンプル、予め充填したシリンジ、小容量の点滴容器、又は防腐剤が添加されたマルチドース(multidose)の容器の単位投与形態で得てもよい。組成物は、油性又は水性の媒体での懸濁液、溶液又はエマルジョンのような形態をとってもよく、懸濁化剤、分解防止剤及び/又は分散剤などの製剤物質(formulatory agent)を含有してもよい。別の方法として、活性成分は、使用前に適した媒体、例えば滅菌した発熱物質のない水で構成するための、滅菌固体の無菌分離によって、又は溶液からの凍結乾燥によって得られる粉末形態であってもよい。
【0057】
表皮への局所投与のために、化合物を、軟膏、クリームもしくはローションとして、又は経皮貼布の活性成分として製剤してもよい。適した経皮送達システムは、例えば、A. Fisherらの米国特許第4,788,603号、又はR. Bawaらの米国特許第4,931,279号、第4,668,506号、第4,713,224号に記載されている。軟膏及びクリームを、例えば、水性又は油性の基剤を用いて、適した増粘剤及び/又はゲル化剤を添加して製剤してもよい。ローションを水性又は油性の基剤を用いて製剤してもよく、ローションは、概して1種又は複数の乳化剤、分解防止剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤又は着色剤も含有する。
【0058】
口内への局所投与に適した製剤としては、味の付いた基剤、通常はスクロース及びアカシア又はトラガカント中に活性成分を含むトローチ剤、ゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアカシアなどの不活性基剤中に活性成分を含む香錠、並びに適した液体担体中に活性成分を含む粘膜付着ゲル及び洗口液などの単位剤型が挙げられる。
【0059】
望ましい場合、上記の製剤を、使用される活性成分の徐放が得られるように、例えば、天然のゲル、合成ポリマーゲル又はそれらの混合物を含むある種の親水性ポリマーマトリックスと組み合わせることによって適合させることができる。ポリマーマトリックスを、ステント、バルブ、シャント、移植片などの医療人工装具上に被覆するか、又は該ポリマーマトリックスを使用して、該医療人工装具を形成することができる。
【0060】
担体が固体である直腸投与に適した医薬製剤を、単位用量の座薬として得るのが最も好ましい。適した担体としては、カカオバター及び本技術分野で通常用いられる他の材料が挙げられ、座薬は、活性化合物と軟化担体又は溶解担体と混合した後、冷却し、型で成型することによって好都合に形成してもよい。
【0061】
膣投与に適した製剤を、活性成分に加えて、適切であると本技術分野において既知である担体を含むペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレーとして得てもよい。
【0062】
吸入による投与において、本発明に従う化合物は、吸入器、ネブライザー又は加圧パック又はエアロゾルスプレーを送達する他の好都合な手段から好都合に送達される。加圧パックは、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の適したガスなどの適した噴霧剤を含んでもよい。加圧されたエアロゾルの場合、投薬単位を、計量された量を送達するバルブを与えることによって決定してもよい。
【0063】
別の方法として、吸気又は吸入による投与において、本発明に従う化合物は、乾燥した粉末組成物、例えば化合物と、ラクトース又はスターチなどの適した粉末基剤との粉末混合物の形態をとってもよい。粉末組成物を、例えば、粉末を吸気又は吸入によって投与することが可能であるカプセルもしくはカートリッジ、又は例えばゼラチンもしくはブリスターパックの単位剤型で得てもよい。
【0064】
鼻腔内投与において、本発明の化合物を、プラスチックボトルのアトマイザーなどの液体スプレーによって投与してもよい。これらの典型的なものは、Mistometer.RTM.(Wintrop)及びMedihaler.RTM.(Riker)である。
【0065】
眼への局所投与において、化合物を、ドロップ、ゲル(米国特許第4,255,415号)、ガム(米国特許第4,136,177号参照)として、又は長期放出の眼の挿入物によって投与することができる。
【0066】
本発明を、以下の実施例を参照することによってさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【実施例】
【0067】
(実施例1 11βH,13−置換アミノパルテノライドの製造の基本合成手順)
パルテノライド(100mg、0.4mmol)と、適切な第1級アミン又は第2級アミン(2mmol)と、トリエチルアミン(1〜2ml)の混合物の無水エタノール溶液30mlを、室温から利用した還流溶媒の温度までの範囲内の特定の温度で攪拌するか、又は冷蔵庫(-20℃〜4℃)内に一晩、24時間静置させた。次に、エタノール、トリエチルアミン及び/又は適切な揮発性アミンを、真空下、回転蒸発器(rotavapor)にて蒸発させた。生じた残留物を、クロロホルム−メタノール又は塩化メチレン−メタノール混合溶媒を移動相として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。NMR(Varian,300MHz及び400MHz)及びGC/MS(Agilent,6890GC及び5973MSD)分析方法を用いて合成化合物の同一性及び純度を確かめた。
【0068】
(実施例2 11βH,13−ジメチルアミノパルテノライド)
パルテノライド(100mg、0.4mmol)、ジメチルアミン(2Mのメタノール溶液、1ml)、トリエチルアミン(2ml)、エタノール(30ml)を一晩還流した。カラム精製後、109mgの淡黄色の11βH,13−ジメチルアミノパルテノライドが得られた(収率:93%)。
【0069】
(実施例3 11βH,13−ジエチルアミノパルテノライド)
パルテノライド(100mg、0.4mmol)、ジエチルアミン(200mg、2.7mmol)、トリエチルアミン(2ml)、エタノール(30ml)を一晩還流した。カラム精製後、114mgの黄色の11βH,13−ジエチルアミノパルテノライドが得られた(収率:88%)。
【0070】
(実施例4 アミノパルテノライド誘導体の塩の製造)
アミノパルテノライド誘導体を無水エーテルに溶解し、この溶液に対応する酸のエーテル又はエタノール溶液を添加した。混合物を冷蔵庫(4℃)内で一晩保存した。形成された結晶を濾過し、真空乾燥するか、又は必要であればさらに再結晶を行った。
【0071】
(実施例5 11βH,13−(ピペリジン−1−イル)パルテノライド塩酸塩の製造)
11βH,13−(ピペリジン−1−イル)パルテノライド(5mg)を、2mlの乾燥エーテルに溶解した。塩酸塩のエーテル溶液(1M、0.015ml)を、溶液が濁るまでエーテル溶液に添加し、その後、より多くのエーテルを添加し、混合物を加熱して透明な溶液を得た。混合物を冷蔵庫(4℃)内に24時間以上の間置いた。形成された白色の結晶を濾紙によって濾過し、一晩真空乾燥した(収率:18%)。
【0072】
(実施例6 11βH,13−ジメチルアミノパルテノライドマレイン酸塩の製造)
11βH,13−ジメチルアミノパルテノライド(30mg、0.1mmol)の無水エタノール(5ml)溶液にマレイン酸(12mg、0.1mmol)の3mlの無水エタノール溶液を添加した。溶液をよく振り、標準の濾紙によって濾過した。透明な溶液を冷蔵庫内に1週間置いた。形成された白色の結晶を濾過によって得、デシケーター内で、真空下で、無水CaCl2を用いて乾燥した(収率55%)。
【0073】
(実施例7 11βH,13−ジメチルアミノパルテノライド・メチオジドの製造)
11βH,13−ジメチルアミノパルテノライド(30mg、0.1mmol)の無水メタノール(5ml)溶液にヨードメタン(90mg、0.6mmol)のメタノール(1ml)溶液を添加した。透明な溶液を振り、室温で保存した。3日後、メタノールを蒸発させ、淡黄色の残留物をデシケーター内で、真空下で、無水CaCl2上で乾燥した。アセトン−エーテルによる再結晶によって、淡黄色の結晶を得た(収率:86%)。
【0074】
(実施例8 11βH,13−(4−メチルピペリジン−1−イル)パルテノライド・メチオジドの製造)
11βH,13−(4−メチルピペリジン−1−イル)パルテノライド(35mg、0.1mmol)の無水メタノール(5ml)溶液にヨードメタン(90mg、0.6mmol)のメタノール(1ml)溶液を添加した。透明な溶液を振り、室温で保存した。3日後、メタノールを蒸発させ、淡黄色の残留物をデシケーター内で、真空下で、無水CaCl2上で乾燥した。アセトン−エーテルによる再結晶によって、淡黄色の結晶を得た(収率:79%)。
【0075】
(実施例9 抗白血病活性のアッセイ)
アポトーシス分析では、100万個の原発性急性骨髄性白血病細胞を冷却したPBSで洗浄し、200マイクロリットルのアネキシン結合緩衝液(10mM HEPES/NaOH pH7.4;140mM NaCl;2.5mM CaCl2)に再懸濁した。アネキシンV-FITC(Pharmingen)及び0.25mg/ml 7-AAD(7-アミノアクチノマイシンD、Molecular Probes、CA)を添加し、チューブを室温で、暗黒下で15分間インキュベートした。次に、細胞を200マイクロリットルのアネキシン結合緩衝液で希釈し、直ちにフローサイトメトリーによって分析した。生細胞を、アネキシンV又は7-AADで標識されないものとして同定した。死に始める細胞をアネキシンVで標識し、膜の完全性が失われたものを7-AADで標識する。各パルテノライド誘導体について、生細胞のパーセンテージを培養の24時間後に10マイクロモーラーの濃度で決定した。データを非処理のコントロール試料に標準化した。アミノパルテノライド誘導体のデータを表1に、いくつかのアミノパルテノライドの塩のデータを表2に示す。
【0076】
健康なヒトの骨髄細胞を上記アッセイに用いて、パルテノライドの細胞毒性について試験した。正常細胞の85%が10μMのパルテノライド下で生存した。評価した総てのアミノパルテノライドはパルテノライドと同様の結果をもたらし、すなわち、健康なヒトの骨髄細胞の生存率は10μMの濃度で85%を越えていた。
【0077】
【表1】

【0078】
【表2】

【0079】
(実施例10 ヒト−マウス異種移植を用いたパルテノライド及びジメチルアミノパルテノライド(DMAPT)の分析)
一次ヒト幹細胞集団に対するパルテノライドの効果を評価するために、免疫不全のNOD/SCIDマウスへの移植を用いた実験を行った。移植から6〜8週間後のNOD/SCIDの骨髄の生着の成功が、ヒト造血細胞集団における幹細胞含量の指標であることが示されている(Lapidotら、J Mol Med. 1997;75:664-673;Dick、Curr Opin Hematol. 1996;3:405-409)。各実験において、正常ドナー又はAMLドナーからの低温保存した単核細胞試料を解凍し、7.5マイクロモーラーのパルテノライドを用いて12〜18時間生体外で処理した。培養後、500万〜1千万個の細胞/動物を、致死未満で照射した(300Rad)NOD/SCIDマウスに静脈内注射した。6〜8週間後、動物を屠殺し、骨髄を、前記のフローサイトメトリーを用いてヒト細胞が存在するかどうか分析した(Guzmanら、Proc Natl Acad Sci USA 2002;99:16220-162253)。CD45に対するヒトの特異的な抗体を用いて、総ての生着のレベルを評価した。
【0080】
これらの独立した実験において、パルテノライド処理したAML細胞の生着のレベルは劇的に減少し、このことは、AML幹細胞の区画に対する直接的な効果を示している。対照的に、パルテノライド処理した正常試験片では生着の減少が全く認められず、従って、パルテノライドが正常な造血幹細胞を対象にしないことが示された。同様に、AML細胞の7.5マイクロモーラーのDMAPTでの処理によって、NOD/SCIDの生着が大きく減少したが、正常細胞の処理では有意な効果が全く示されなかった。
【0081】
(実施例11 MTS-PMSアッセイ)
MTS-PMSアッセイの詳細は以下の通りである。培地50マイクロリットル(mL)当たり5000個の細胞の濃度である96ウェルのU底プレート(Becton Dickinson Labware,Franklin Lakes,NJ)を5%CO2内で37℃で24時間インキュベートした。50mLの培地内で濃度を変化させた化合物を24時間後に培地に添加した。比色分析の読み取り値を、MTS/PMSシステムとELISAプレートリーダーを用いて、DMAPTに曝してから48時間後に得た。試験した各濃度について得られた読み取り値は、8個のウェルの平均値から得たものである。各実験を、溶媒コントロールのパーセンテージで表し、少なくとも3回達成し、一貫した結果を得た。得られた結果は3回の実験の平均値である。ホルモン抵抗性前立腺癌株CWR22Rv1をパルテノライド及び誘導体の濃度を3時間増加させながら処理した(図1)。MTS-PMSアッセイにおいて、5μmによって細胞増殖が50%まで減少した。
【0082】
(実施例12 クローン化アッセイ)
最初に、培地3ml当たり100個の対数増殖の細胞を6ウェルのプレートの各ウェルに蒔いた。細胞を蒔いてから24時間後に、DMPATを種々の濃度で添加した。薬剤添加から24及び96時間後に培地を交換する。それ故に、細胞は24時間だけ薬剤に曝されるのみである。細胞のコロニーが15日目に現れた際に、それらをSure Stain Dyeによって15ごとに染色し、計数した。
【0083】
(実施例13 cDNAアレイ分析)
総ての細胞のRNAをヒト単球細胞株THP-1から以下の3つの条件下で時間0から2時間後に抽出した。
1)コントロールを時間0に添加した
2)リポ多糖体(10nM)を時間プラス一(1)時間の時に添加した。
3)時間0に、10μモルのDMAPTを添加し、次に、時間+1の時にLPS(10nM)を添加した。
【0084】
RNeasy Min Kit(Qiagen,USA)を用いて、製造業者の取扱説明書に従いRNAを抽出した。The Human Drug Targets for Inflammation and Immunomodulation Q series GE array kit(HS-048-12)をSuperArray Bioscience Corporation(Frederick, Maryland)から購入した。キットによって、炎症と関連する96個の遺伝子の発現を決定する。各サンプルからのRNAを鋳型として用いて、ビオチン標識したcDNAプローブを、GEArray Ampolabelling RT kit(SuperArray, Bioscience Corp., USA)によって生成した。次に、mRNA集団に対応するcDNAプローブを変性させ、遺伝子特異的な断片を用いてスポットしたナイロン膜へのハイブリダイゼーションをGEHyb溶液内で行った。次に、膜を2xSSC、1%SDSで15分間、2回洗浄した後、0.1 SSC,0.5%SDSで15分間、2回洗浄した。化学発光を用いて、各転写物の発現レベルを可視化し、結果をGEArray Analyzerで定量した。得られた遺伝子転写物の変化を、PPLAから得られたシグナルでシグナル強度を標準化し、バックグラウンドを最小限に減らすことによって評価した。
【0085】
表3を参照すると、25個の遺伝子の転写がLPSで前処理した後に増加した。より重要なことは、DMAPTでの前処理によって、LPSによって誘導された遺伝子の転写の増加が妨げられたか、又は鈍くなったことである。例えば、敗血ショックにおいて放出された腫瘍壊死因子(TNF)の転写がLPSで処理した場合の3倍(298%)増加する。しかしながら、DMAPTでの前処理によって、LPSの転写が妨げられ、実際には、その生産はコントロールの2%に減少する。同様に、古典的な非ステロイド系抗炎症剤の標的であるシクロオキシゲナーゼ−2の転写が1.5倍(150%)増加した。DMAPTの存在下において、遺伝子発現によって、LPSによる増加が妨げられるのみならず、溶媒コントロールの30%(0.7)に減少した。
【0086】
【表3】

【0087】
(実施例14 パルテノライド及び誘導体アッセイの活性)
ここでは、本発明の化合物が、肺癌、前立腺癌及び乳癌の細胞株の生存率を減少させ、これらの細胞株の化学療法に対する感受性を増大させることに加えて、ヒト単球の遺伝子減少からも明らかなように、サイトカインを減少させることによって炎症を減じることを立証するデータが示される。
【0088】
ホルモン抵抗性前立腺癌細胞株CWR22Rv1を、パルテノライド誘導体であるDMAPT、PIPT及び4MEPTの濃度を増加させて、3時間処理した。細胞の増殖がクローン化アッセイにおいて2μmで最大80%、MTS-PMSアッセイにおいて5μmで50%減少した(図1)。
【0089】
パルテノライド及び誘導体であるPipPT(11βH,13−(ピペリジン−1−イル)パルテノライド)、4MePipPT(11βH,13−(4−メチルピペリジン−1−イル)パルテノライド)及びMAPTについて4つの肺癌細胞株のMTS-PMSアッセイにおいて細胞増殖を測定した。パルテノライド及びその誘導体は、細胞増殖を2〜10μMの間で用量依存的に阻害し、A549において10μMで70%、H460において50%、H-23において40%、H522において40%阻害した(図2)。
【0090】
hbl-100、mdl-231及び436細胞を用いた乳癌細胞株のクローン化アッセイでは、2μmの濃度のDMAPTによって増殖がほぼ完全に阻害されたことが示された。同様に、パルテノライドによって、同じような投薬量の範囲で増殖が減少した。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】図1は、前立腺癌細胞株に対するパルテノライド及び本発明の誘導体の有効性を示す図である。
【図2】図2は、肺癌細胞株に対するパルテノライド及び本発明の誘導体の有効性を示す図である。
【図3】図3は、乳癌細胞株に対するパルテノライド及び本発明の誘導体の有効性を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式:
【化1】

(式中、R1は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールアルケニル、置換アリールアルケニル、アリールアルキニル、置換アリールアルキニル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、トリフルオロメチル、ペルフルオロアルキル、シアノ、シアノメチル、カルボキシル、カルバメート、スルホニル、スルホンアミド、及びアリーロキシアルキル、又はOR1であり、
R2は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールアルケニル、置換アリールアルケニル、アリールアルキニル、置換アリールアルキニル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、トリフルオロメチル、ペルフルオロアルキル、シアノ、シアノメチル、カルボキシル、カルバメート、スルホニル、スルホンアミド、及びアリーロキシアルキルであり、
R3は、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換アルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールアルケニル、置換アリールアルケニル、アリールアルキニル、置換アリールアルキニル、シアノメチル、アルキロキシアルキル又はアリーロキシアルキルである)の化合物またはその医薬として許容される塩。
【請求項2】
R1が水素又は任意選択的に置換された低級アルキルであり、R2が任意選択的に置換された低級アルキルである請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R1がメチル、エチル、プロピル又はイソブチルである請求項2記載の化合物。
【請求項4】
R2がメチル又はエチルである請求項3記載の化合物。
【請求項5】
R1及びR2が、-CH2(CH2)nCH2-(式中、nは0〜5である)であり、該R1及びR2は、Nと共に任意選択的に置換された環を形成し、前記環は、任意選択的にシクロアルキル基又はアリール基と融合して、二環系又は三環系を形成し、前記系は任意選択的に置換され、任意選択的に1種又は複数のヘテロ原子を含む請求項1記載の化合物。
【請求項6】
R1及びR2が、-CH2(CH2)nCH2Z-(式中、ZはO、S、Se、Si、P、-CO-、-SO-、-SO2-、又は-PO-であり、nは0〜5である)であり、該R1及びR2は、Nと共に任意選択的に置換された環を形成し、前記環は、任意選択的にシクロアルキル基又はアリール基と融合して、二環系又は三環系を形成し、前記系は任意選択的に置換され、任意選択的に1種又は複数のヘテロ原子を含む請求項1記載の化合物。
【請求項7】
R1及びR2が、-(CH2)a-Z-(CH2)b-(式中、ZはO、S、Se、Si、P、-CO-、-SO-、-SO2-、又は-PO-であり、nは0〜5である)であり、該R1及びR2は、Nと共に任意選択的に置換された環を形成し、前記環は、任意選択的にシクロアルキル基又はアリール基と融合して、二環系又は三環系を形成し、前記系は任意選択的に置換され、任意選択的に1種又は複数のヘテロ原子を含む請求項1記載の化合物。
【請求項8】
NR1R2が、任意選択的に置換されたアジリジン−1−イル、アゼチジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、ホモピペリジン−1−イル及びヘプタメチレンイミン−1−イルから選択される環を形成する請求項5記載の化合物。
【請求項9】
11βH,13−ジメチルアミノパルテノライド、
11βH,13−ジエチルアミノパルテノライド、
11βH,13−(tert−ブチルアミノ)パルテノライド、
11βH,13−(ピロリジン−1−イル)パルテノライド、
11βH,13−(ピペリジン−1−イル)パルテノライド、
11βH,13−(モルホリン−1−イル)パルテノライド、
11βH,13−(4−メチルピペリジン−1−イル)パルテノライド、
11βH,13−(4−メチルピペラジン−1−イル)パルテノライド、
11βH,13−(ホモピペリジン−1−イル)パルテノライド、
11βH,13−(ヘプタメチレンイミン−1−イル)パルテノライド、
11βH,13−(アゼチジン−1−イル)パルテノライド、又は
11βH,13−ジアリルアミノパルテノライドである請求項1記載の化合物。
【請求項10】
11βH,13−ジメチルアミノパルテノライド塩酸塩、
11βH,13−(ピロリジン−1−イル)パルテノライド塩酸塩、
11βH,13−(ピペリジン−1−イル)パルテノライド塩酸塩、
11βH,13−(4−メチルピペリジン−1−イル)パルテノライド塩酸塩、
11βH,13−ジメチルアミノパルテノライド・マレイン酸塩、
11βH,13−ジメチルアミノパルテノライド・メチオジド、又は
11βH,13−(4−メチルピペリジン−1−イル)パルテノライド・メチオジドである請求項1記載の化合物。
【請求項11】
請求項1記載の化合物又はその医薬として許容される塩を、医薬的に有効な希釈剤又は担体と共に含む医薬組成物。
【請求項12】
癌に冒された哺乳類に、癌細胞の増殖を抑制するのに有効な量の請求項1記載の化合物を投与することを有する癌細胞の増殖を抑制する方法。
【請求項13】
癌細胞を、前記癌細胞の増殖を抑制するのに有効な量の請求項1記載の化合物と生体外又は生体内で接触させることによって癌細胞の増殖を抑制することを有する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−531695(P2007−531695A)
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520234(P2006−520234)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/022015
【国際公開番号】WO2005/007103
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(506011490)ユニヴァーシティ オブ ケンタッキー リサーチ ファウンデーション (2)
【Fターム(参考)】