パレット搬送装置
【課題】小型化を可能としつつも優れた作業性を有し、かつパレットの移載に要する時間を短縮できるパレット搬送装置を提供する。
【解決手段】パレット搬送装置1は、ワーク2が載置されたパレット3をワーク2の取出し位置P1に向けて搬送する第1搬送経路4と、第1搬送経路4の下方に位置し、取出し位置P1でワーク2を取出した後のパレット3を第1搬送経路4の搬送方向とは反対の向きに搬送する第2搬送経路5とを備えている。また、第1搬送経路4と第2搬送経路5には、それぞれパレット3の搬送を案内するためのガイド部が設けられている。そして、パレット3の第1搬送経路4から第2搬送経路5への移載は、パレット3の落下運動により行われると共に、このパレット3の落下運動が、少なくとも第1および第2搬送経路4,5の何れかに設けたガイド部による案内を伴って行われるようにした。
【解決手段】パレット搬送装置1は、ワーク2が載置されたパレット3をワーク2の取出し位置P1に向けて搬送する第1搬送経路4と、第1搬送経路4の下方に位置し、取出し位置P1でワーク2を取出した後のパレット3を第1搬送経路4の搬送方向とは反対の向きに搬送する第2搬送経路5とを備えている。また、第1搬送経路4と第2搬送経路5には、それぞれパレット3の搬送を案内するためのガイド部が設けられている。そして、パレット3の第1搬送経路4から第2搬送経路5への移載は、パレット3の落下運動により行われると共に、このパレット3の落下運動が、少なくとも第1および第2搬送経路4,5の何れかに設けたガイド部による案内を伴って行われるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを載置したパレットを所定の位置に搬送するためのパレット搬送装置に関し、特に、ワークを取出した空のパレットをもとの位置に返すための搬送経路を備えたパレット搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場の部品加工ラインや組立ラインなどにおいては、機械加工を施した部品等の搬送時における破損の発生を防止する目的で、当該部品等をパレット上に載置して搬送することが行われている。また、この際、パレットの使用効率を高める目的で、パレットの搬送経路の終端付近でパレットからワークを取出し(分離し)、空となったパレットを可動式の搬送経路を用いて搬送元の位置に返すようにしたものもある。この種のいわゆるパレットリターン機構を備えた搬送装置として、例えば下記特許文献1に開示の搬送装置が知られている。
【0003】
この搬送装置は、図6に示すように、共に下流側に向かうにつれて鉛直下方に移行する向きに傾斜したパレット100の固定搬入面101および固定搬出面102を備えると共に、固定搬入面101および固定搬出面102とは独立に上昇又は下降でき、固定搬入面101の終端と固定搬出面102の始端とにそれぞれ接続可能な可動搬送面103をさらに備えている。そして、この構成を有する搬送装置により、固定搬入面101と接続した状態の可動搬送面103上にパレット100が搬入されると(図6中実線で示す状態)、このパレット100に載置された状態のワーク104を作業者が取出すと共に、パレット100を載置した状態の可動搬送面103を傾動下降させて固定搬出面102と接続することで、ワーク104を取り出した空のパレット100を固定搬出面102に搬出する(図6中1点鎖線で示す状態)ようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−20406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に開示の搬送装置では、固定搬入面101と固定搬出面102とに接続する可動搬送面103を上下動させる必要があるため、その分の可動スペースを確保しなければならず、設備の大型化を招いていた。また、この搬送装置にあっては、可動搬送面103を有する可動フレームのアクチュエータ(駆動手段)を設置するためのスペースについても確保する必要があり、これによっても搬送装置が大型化していた。
【0006】
例えば作業者が人力で可動フレームを上下動できる(人力で操作できる)機構とすれば、アクチュエータの設置スペース分の小型化は可能となるが、その反面、作業性の低下が問題となるおそれがある。すなわち、可動搬送面103(可動フレーム)の如き大型の可動部であれば、その重量も相当なものとなる。そのため、上記のように人力で可動フレームの上昇又は下降操作を行う場合には、操作に多大な力を必要とし、またその慣性も大きくなることから、作業性の低下が懸念される。
【0007】
また、上記特許文献1に開示の搬送装置では、可動搬送面103を固定搬出面102に接続して、可動搬送面103上に載置したパレット100を固定搬出面102に向けて重力で送り出すことになるため、この送り出しの際の初期速度は実質的に零であり、固定搬出面102の傾斜角度に応じて徐々に加速しながら滑り出される。また、可動搬送面103上に載置したパレットの重量を考えると、可動搬送面103(可動フレーム)の下降速度をそれほど大きくすることもできない。以上より、ワーク104を取り出してからパレット100を搬送元の位置に戻すまでに多大な時間を要していた。
【0008】
以上の事情に鑑み、本明細書では、小型化を可能としつつも優れた作業性を有し、かつパレットの移載に要する時間を短縮できるパレット搬送装置を提供することを、本発明により解決すべき技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記課題の解決を図るためになされたものである。すなわち、本発明に係るパレット搬送装置は、ワークが載置されたパレットをワークの取出し位置に向けて搬送する第1搬送経路と、第1搬送経路の下方に位置し、取出し位置でワークを取出した後のパレットを第1搬送経路の搬送方向とは反対の向きに搬送する第2搬送経路とを備えたパレット搬送装置において、双方の搬送経路には、パレットの搬送を案内するためのガイド部が設けられ、パレットの第1搬送経路から第2搬送経路への移載は、パレットの落下運動により行われ、かつ、パレットの落下運動が、少なくとも何れかの搬送経路に設けたガイド部による案内を伴って行われるようにした点をもって特徴付けられる。
【0010】
本発明は、上記のようにパレットの重力による落下運動を利用して当該パレットを第1搬送経路から第2搬送経路へと移載することを特徴とするものであるから、従来のように搬送経路の一部を可動式として、この可動式搬送経路を上下動させずとも、パレットの移載を容易に行うことができる。よって、従来のように、可動式搬送経路の可動スペースを確保する必要はなくその分の省スペース化を図ることができる。また、パレットに作用する重力を利用してパレットを移載するようにしたので、可動式の搬送経路やこの搬送経路の上下動を行うための駆動機構を設ける必要もなく、これによっても設備の簡素化ないし小型化を図ることができる。また、上記のようにパレットに作用する重力を駆動力として当該パレットの移載を行うようにすることで、作業者がそれほど大きな人力を必要とせずに済む。また、パレット以外の重力物を移動操作しなくてもよい。そのため、総じて上記搬送作業の省力化を図ることができ、その作業性を向上させることができる。また、本発明では、双方の搬送経路にパレットの搬送を案内するためのガイド部を設け、このガイド部でパレットを案内しながら第2搬送経路に向けた落下運動を行うようにしたので、パレットの如き重量物であってもその落下姿勢(滑りながら落下する際の姿勢)を安定させることができる。そのため、パレットが搬送経路から外れる等して作業が中断する事態を回避でき、パレット搬送の作業性を高めることができる。また、移載時に第2搬送経路に生じる衝撃を緩和することができるので、これにより、パレットの破損を抑制して当該パレットを繰り返し実施することができる。さらに、本発明では、パレットを重力による落下運動を利用して移載するようにしたので、その初期加速は大きく、非常に短い時間で第1搬送経路から第2搬送経路への移載を行うことができる。よって、パレットを搬送元の位置に返すのに要する時間(搬送サイクル)を短縮することが可能となる。
【0011】
この場合、例えば第1搬送経路に落下口が設けられ、パレットの前方部が落下口を通って第2搬送経路への落下運動を開始し、次いでパレットの後方部が落下口を通って第2搬送経路への落下運動を開始するようにしてもよい。
【0012】
このようにすることで、パレットが直立状態へと落下姿勢を変えながら移載されることになるので、短時間でパレットの前方部を第2搬送経路上に到達させることができる。また、パレット前方部と第2搬送経路との距離が縮まるので(落下距離が短くなるので)、パレット前方部と第2搬送経路とを一定の態様で当接させることができる。これにより、より安定したパレットの移載作業を行うことができる。
【0013】
また、上記構成を採る場合、パレットの前方部が落下するのに伴いパレットの後方部は第1搬送経路のガイド部に案内されて落下口に向けて搬送され、パレットの後方部が落下運動を開始する際、パレットの前方部は第2搬送経路のガイド部に案内されて搬送されるようにしてもよい。
【0014】
このように構成することで、パレットの前後一方の部位が落下している間、他方の部位が常にガイド部に案内された状態で搬送される。これにより、パレットの落下時の姿勢を一層安定させて、スムーズかつ短時間でのパレットの移載を実施することができる。
【0015】
また、パレットには、このパレットの搬送方向に沿って回転可能な複数の車輪が設けられると共にガイド部はレールで構成され、このレールにより車輪が回転自在に案内されるものであってもよい。
【0016】
このように構成することで、各搬送経路上においても、パレットをよりスムーズに搬送させることができ、かつ搬送時の姿勢ないし幅方向(水平でかつ搬送方向に直交する向きを指す。以下、同じ。)の位置を一定に保つことができる。従って、パレットの移載作業をより一層安定した状態で行うことができる。
【0017】
また、第1および第2搬送経路を共に下流側に向かうにつれて鉛直下方に移行する向きに傾斜させ、これによりパレットを重力で下流側に搬送するようにしてもよい。
【0018】
このように構成することで、各搬送経路上のパレットの搬送と、各搬送経路間の移載を何れもパレットに作用する重力を利用して行うことができる。そのため、パレットの駆動機構が不要となり、その分の省力化および省スペース化を図ることが可能となる。
【0019】
なお、このように搬送経路を傾斜させ、かつ、上述のようにパレットの前方部から落下口を通過して第2搬送経路への落下運動を開始するようにした場合、先に第2搬送経路に到達したパレットの前方部がその下流側に搬送され始めた状態でパレットの後方部が落下運動を開始することになる。そのため、パレットの後方部が第2搬送経路の上流側に向けて回動しつつ落下運動を開始する。すなわちパレットが反転しながらその後方部が落下し始める。よって、落下を開始したパレットの後方部を最短距離で第2搬送経路上に到達させて、その移載に要する時間を短縮できる。また、後方部が何れの搬送経路とも干渉しない時間を短くして、その移載姿勢を早期に安定させることができる。
【0020】
また、本発明に係るパレット搬送装置は、パレットの落下運動を規制する落下規制手段と、落下規制手段による落下運動の規制と解除とを切り替える操作を行う操作手段とをさらに備えるものであってもよい。
【0021】
このように構成することで、例えばワークの取出し位置とパレットの移載位置(落下位置)とが近接又は一致している場合であっても、作業者が確実にワークを取り出してからパレットを落下させることができる。よって、作業の確実性をより高めることができる。
【0022】
また、パレット搬送装置は、パレットの落下位置に後続のパレットが侵入するのを規制する侵入規制手段をさらに備えるものであってもよく、また、落下規制手段による規制が解除された状態では、侵入規制手段により後続のパレットの侵入が規制されるようにしてもよい。
【0023】
このように構成することで、パレットの落下運動に係る規制を解除してパレットを落下可能とした状態では、後続のパレットの侵入を規制することができる。そのため、複数のパレットが続けて落下するといった不測の事態を回避して、所定のタイミングで各個のパレットを1つずつ移載することができる。なお、上記落下規制手段による規制の解除と、侵入規制手段による規制とを操作手段により一動作で行えるようにすれば、その構造を簡素化できると共に、作業性を高めてその作業時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明に係るパレット搬送装置によれば、小型化を可能としつつも優れた作業性を有し、かつパレットの移載に要する時間を短縮することができる。従って、その生産性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係るパレット搬送装置の全体構成を説明するための側面図である。
【図2】パレット搬送装置の要部斜視図である。
【図3】パレットの移載動作を説明するための要部拡大図である。
【図4】パレットの移載動作を説明するための要部拡大図である。
【図5】パレットの移載動作を説明するための要部拡大図である。
【図6】従来のパレット搬送装置の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係るパレット搬送装置の一実施形態を図面に基づき説明する。この実施形態では、エンジンの側部に取り付けられるチェーンカバーをワークとし、このワークを所定のワーク取出し位置まで搬送すると共に、当該取出し位置でワークを取り出した空のパレットを搬送元の位置に返す工程を例にとって説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係るパレット搬送装置1の側面図である。このパレット搬送装置1は、ワーク2が載置されたパレット3をワーク2の取出し位置P1に向けて搬送する第1搬送経路4と、第1搬送経路4の下方に位置し、取出し位置P1でワーク2を取出した後のパレット3を第1搬送経路4の搬送方向とは反対の向きに搬送する第2搬送経路5と、第2搬送経路5の下流端(終端)から第1搬送経路4の上流端(始端)へパレット3を戻すパレット戻し手段6とを主として備える。この実施形態では、パレット戻し手段6は、第2搬送経路5の終端に搬送された空のパレット3にワーク2をセットすると共に、当該ワーク2をセットした状態のパレット3を一体に第1搬送経路4の始端側へと移送する移送用ロボットアーム7と、第1搬送経路4の始端に接続され、移送用ロボットアーム7により移送されてきたパレット3をワーク2と共に反転させる反転装置8とで構成されている。以下、主に、第1搬送経路4と第2搬送経路5、および双方の搬送経路4,5に関連する構成を中心に説明する。
【0028】
まず、第1搬送経路4と第2搬送経路5について述べると、第1搬送経路4は、図1に示すように、直線的に伸び、その下流側に向かうにつれて下方に移行する向きに傾斜した形態を有している。また、第2搬送経路5は、主として第1搬送経路4の鉛直下方に配設され、その下流側に向かうにつれて下方に移行する向きに傾斜した形態を有している。この実施形態では、第2搬送経路5は、略鉛直方向に伸びる第1直線部5aと、第1直線部5aとその下方で連続し、第2搬送経路5の下流側に向かうにつれて下方に移行すると共に、下方に向けて凸状に湾曲した形態の湾曲部5bと、湾曲部5bとその下流側で連続し、下流側に向かうにつれて直線的に下方に移行する形態の第2直線部5cとで構成されている。よって、第1搬送経路4上に載置されたパレット3は、パレット3に作用する重力により下流側に搬送される(自走する)ようになっている。また、後述する落下運動を利用して第1搬送経路4から第2搬送経路5上に移載されたパレット3は、パレット3に作用する重力により下流側に搬送されるようになっている。また、パレット3の一方の面には、ワーク2を載置して位置決めするための位置決めピン31が1又は複数本立設されている。そのため、ワーク2をパレット3上に載置して、位置決めピン31でワーク2を位置決め保持した状態では、当該ワーク2をパレット3と一体に搬送できるようになっている。
【0029】
そして、図1に示すように、第1搬送経路4の終端と第2搬送経路5との間には、パレット3がその前方部から落下可能な隙間幅を有する落下口9が設けられており、この落下口9を通ってパレット3が下方に落下することで、当該パレット3を第1搬送経路4から第2搬送経路5に移載できるようになっている。
【0030】
この実施形態では、図2に示すように、パレット3の第1搬送経路4における搬送動作を案内するためのガイド部として、その幅方向に所定の間隔を設けた状態で2本のレール41が第1搬送経路4に配設されている。同様に、パレット3の第2搬送経路5における搬送動作を案内するためのガイド部として、その幅方向に所定の間隔を設けた状態で2本のレール51が第2搬送経路5に配設されている。また、これに対応するように、パレット3の幅方向両側面には、前後1輪ずつの車輪32が合計で4個設けられており、これら車輪32が各搬送経路4,5に設けたレール41,51上をそれぞれ転動できるようになっている。これら車輪32は何れも、第1搬送経路4のレール41終端と第2搬送経路5のレール51との間に設けられた落下口9を通過できる大きさに設定されている。また、図2に示すように、第1搬送経路4のレール41は車輪32を載置する載置面と、この載置面の幅方向外側から立ち上がる側壁部とを一体に有している。これにより、車輪32がレール41(の載置面)上を転動あるいは摺動する際には、その幅方向の移動を側壁部により規制できるようになっている。第2搬送経路5のレール41に関しても、図示は省略するが、車輪32を載置する載置面と、図示は省略するが、当該載置面の幅方向外側から立ち上がる側壁部とを一体に有しており、車輪32の転動時又は摺動時には、その幅方向の移動を側壁部により規制できるようになっている。もちろん、各レール41,51の側壁部を載置面の幅方向内側に設けることも可能である。
【0031】
また、この実施形態では、パレット搬送装置1は、パレット3の落下運動を規制する落下規制手段10と、落下規制手段10による落下運動の規制と解除とを切り替える操作を行う操作手段11とをさらに備えている。落下規制手段10は、落下口9の直下を塞ぐ閉塞部12を一体に有しており、操作手段11を構成するレバー13を所定の向きに傾動操作することで、落下規制手段10(閉塞部12)をスライドさせて、落下口9を開閉できるようになっている。
【0032】
また、図1に示すように、落下規制手段10の先端側には侵入規制手段14が設けられている。この実施形態では、侵入規制手段14は爪状をなすもので、落下規制手段10と所定のリンク機構を介して連結されると共に、第1搬送経路4の幅方向内側に位置している(従って、図1や後述する図3〜図5において侵入規制手段14は第1搬送経路4の手前に位置している)。そして、図4に示すように、レバー13の傾動操作で落下規制手段10の閉塞部12を所定の方向にスライドさせて落下口9を開くのと同時に、落下規制手段10とリンク機構を介して連結された侵入規制手段14が連動して、第1搬送経路4よりも上方に突出する位置に移動する。これにより、後続のパレット3が第2搬送経路5への移載位置(ここでは落下口9の上方位置)に侵入するのを防止するようになっている。なお、操作手段11を何ら操作しない状態(レバー13がニュートラルの状態)では、図1に示すように、落下規制手段10の閉塞部12で落下口9を塞ぐと共に、侵入規制手段14が第1搬送経路4よりも下方に位置するように、落下規制手段10に所定の附勢力を常時付与するようにしてもよい。
【0033】
以下、上記構成のパレット搬送装置1におけるパレット3の搬送態様を図1〜図5を参照して説明する。
【0034】
まず、図1に示すように、ワーク2を載置した状態のパレット3を第1搬送経路4上に供給し、当該パレット3を第1搬送経路4の下流側に位置するワーク2の取出し位置P1に向けて搬送する。そして、ワーク2の取出し位置P1にて、作業者がパレット3からワーク2を取出した後、空のパレット3を落下口9から下方に落下させることで第1搬送経路4から第2搬送経路5への移載を行う。ここで、図3はパレット3の移載直前におけるパレット搬送装置1の要部側面図であり、パレット3は第1搬送経路4の終端に位置すると共に、その前方部の車輪32は落下口9を閉塞する閉塞部12上に載置されている。また、このパレット3は、その前方部の車輪32を第1搬送経路4よりも上方に突出した第2搬送経路5のレール51の一部(略直立部)に当接させた状態で停止している。
【0035】
そして、図4に示すように、操作手段11を構成するレバー13を傾動操作して落下規制手段10を所定の方向(図4でいえば第1搬送経路4の終端から始端へと向かう方向)にスライドさせることで、落下規制手段10に設けた閉塞部12を落下口9の閉塞位置(図3に示す位置)から開放位置(図4に示す位置)へと移動させる。これにより、閉塞部12に載っていたパレット3の前方部の車輪32が下方に向けて落下を開始する。また、この落下運動の開始時、パレット3の後方部の車輪32は未だレール41上に載っている。そのため、パレット3の前方部が下降(落下)するのに伴い、パレット3の後方部の車輪32はレール41に案内されつつ第1搬送経路4の下流側に向けて転動する。これにより、図4に示すように、パレット3は徐々に直立状態に近づきながら(水平方向に対する傾斜角を大きくしながら)、かつレール41によりその後方部を案内された状態で落下運動を続ける。なお、パレット3自体は、通常、金属等の比較的比重の大きい材質で形成されることから、パレット3の前方部が重力加速度に準じて急速に速度を高めながら落下する場合であっても、パレット3の後方部が浮き上がることはない。よって、上記のように、パレット3の後方部がレール41に案内されつつ第1搬送経路4の下流側(ワーク取出し位置P1)に向けて搬送される。また、この実施形態のように、パレット3の前方部の車輪32を第2搬送経路5のレール51に当接させた状態からパレット3の落下運動を開始する場合、パレット3の前方部の車輪32がレール51上を転動又は摺動しながら当該パレット3の落下運動が実施される。言い換えると、パレット3前方部の車輪32が転動を伴ってレール51上を滑り落ちる。そのため、仮にパレット3の後方部が一時的に浮き上がることがあっても、その落下姿勢を安定させることができる。
【0036】
また、この実施形態では、レバー13の傾動操作により落下規制手段10による規制が解除された状態では、侵入規制手段14により後続のパレット3の移載位置への侵入が規制されるように、落下規制手段10と侵入規制手段14とが連動する構成としている。そのため、図4のように、落下規制手段10の閉塞部12を水平方向にずらして落下口9を開いた状態では、爪状の侵入規制手段14が第1搬送経路4よりも上方に突出する。これにより、後続のパレット3本体を爪状の侵入規制手段14で係止して、この後続のパレット3が移載位置に侵入する事態を防止することができる。
【0037】
上記のようにしてパレット3が落下運動を行い、図5に示すように、パレット3の後方部の車輪32が第1搬送経路4の落下口9上に到達すると、今度はパレット3後方部の車輪32が下方に向けて落下を開始する。この際、パレット3後方部の車輪32が、図5に示すように、何れの搬送経路4,5(レール41,51)とも接触することなく落下運動を開始する場合も起こり得るが、そのような場合であっても、パレット3の前後輪の間隔に応じて第2搬送経路5の位置(高さ)及び形状を調整して、パレット3の前方部の車輪32が第2搬送経路5のレール51で案内された状態でパレット3後方部を落下させることで、パレット3後方部の落下運動を安定した姿勢下で行うことができる。また、図5に示すように、パレット3後方部の落下開始時、パレット3前方部が第2搬送経路5の湾曲部5bに到達していれば、パレット3は容易に反転する向き(図5でいえば反時計回りの向き)に回動を生じる。そのため、落下運動を開始したパレット3の後方部が早急に第2搬送経路5の第1直線部5aに到達する。以上より、パレット3の第1搬送経路4から第2搬送経路5への移載が、パレット3の少なくとも一部の車輪32が何れかの搬送経路4,5のレール41,51に常に案内された状態で行われ、これにより、パレット3の短時間での移載が安定して実施される。
【0038】
また、図示は省略するが、ほぼ鉛直方向に立設した第2搬送経路5のレール51とパレット3後方部の車輪32とが当接した状態でパレット3後方部の落下運動が行われる場合には、パレット3の前後輪全てが第2搬送経路5のレール51に案内された状態で上記後方部の落下運動が開始されるため、落下初期から非常に安定した姿勢を保つことができ、パレット3をスムーズかつ高速に滑り落とすことができる。
【0039】
以上のようにして、パレット3を第1搬送経路4から第2搬送経路5へと移載することで、空のパレット3が第2搬送経路5の終端に向けて搬送される。この場合、パレット3は第1搬送経路4に供給されたときとは上下反転した状態で第2搬送経路5の終端に搬送されるので、当該終端に到達した後、適当なパレット戻し手段6により、パレット3を再度反転させつつ第1搬送経路4の始端位置の高さまで上昇させる。また、この反転上昇作業が完了した時点で、あるいは当該反転上昇作業の間に次のワーク2をパレット3の載置面(ここでは位置決めピン31の立設面)にセットすることで、ワーク2を載置した状態のパレット3が再び第1搬送経路4の始端に供給される。この実施形態では、図1に示すように、移送用ロボットアーム7の先端でワーク2を把持し、把持した状態のワーク2を第2搬送経路5の終端に搬送された空のパレット3にセットする。そして、当該セットした状態のワーク2を持上げることで、ワーク2をセットした状態のパレット3を一体的に持上げて、第1搬送経路4の始端側に配設された反転装置8へと移載する。そして、反転装置8へと移載されたパレット3をワーク2と共に反転させて、隣接する第1搬送経路4へと送り出すことで、パレット3がパレット搬送装置1の搬送経路を1周して、再び第1搬送経路4の始端に供給される。
【0040】
以上、本発明に係るパレット搬送装置の一実施形態を説明したが、この搬送装置は、上記例示の形態に限定されることなく、本発明の範囲内において任意の形態を採り得ることはもちろんである。
【0041】
例えば、各搬送経路4,5の形態は、パレット3の落下運動が、少なくとも何れかの搬送経路4,5に設けたガイド部による案内を伴って行われる限りにおいて任意である。実施形態に即して述べると、パレット3の前方部が落下を開始してから第2搬送経路5上に到達するまでの間、パレット3の後方部(の車輪32)が第1搬送経路4のガイド部(レール41)に案内されており、かつ、パレット3の後方部が落下を開始してから第2搬送経路5上に到達するまでの間、パレット3の前方部(の車輪32)が第2搬送経路5のガイド部(レール51)に案内されている限りにおいて、自由に各搬送経路4,5の形態を採ることができる。例えば第2搬送経路5を、直線部5a,5cおよび湾曲部5bのうちの1つ又は任意の2つの組合せでもって構成することも可能である。また、第1搬送経路4の延長線上に、パレット3を制止するための制止部を第2搬送経路5(のレール51)とは別に設けてもよく、また、上述のようにパレット3の一部が案内される限りにおいて、第2搬送経路5の始端を第1搬送経路4よりも下方に位置させても構わない。
【0042】
また、落下口9の形成位置についても特に上記実施形態には限定されない。例えば、第1搬送経路4の途中位置(第1搬送経路4の終端よりも始端側)に落下口9を設けてもよい。また、その数も任意であり、例えば異なる径の車輪32をパレット3の前後に設けることで、パレット3の前方部と後方部とで落下開始位置を異ならせることも可能である。
【0043】
もちろん、パレット3の案内形態についても自由であり、車輪32以外の転動部あるいは摺動部を被案内部としてパレット3に設けても構わない。また、各搬送経路4,5の側に設けるガイド部に関しても、レール41,51に限らず種々の案内機構を設けることが可能である。
【0044】
また、上記実施形態では、第1搬送経路4や第2搬送経路5を共に、下流側に向かうにつれて下方に移行する向きに傾斜させ、これにより各搬送経路4,5上に載置したパレット3を重力により滑らせて搬送するようにした場合を例示したが、もちろんこれ以外の搬送形態を採ることも可能である。例えば、各搬送経路4,5をベルトコンベアやローラコンベア等の駆動手段で構成するようにしても構わない。
【0045】
また、パレット戻し手段6に関しても、上述した以外の構成を採ることが可能であり、例えば第2搬送経路5の終端と第1搬送経路4の始端とをつないでループ状の搬送経路を構成してもよい。この場合、適当なリフトアップ手段でパレット3を第2搬送経路5の終端から第1搬送経路4の始端まで上昇させるようにしてもよい。あるいは、パレット3の表裏何れの面もワーク2の載置面として使用できるように構成すれば、反転した状態で第2搬送経路5の終端に搬送されたパレット3をそのまま上昇させて、第1搬送経路4の始端に移載することも可能となる。
【符号の説明】
【0046】
1 パレット搬送装置
2 ワーク
3 パレット
4 第1搬送経路
5 第2搬送経路
5a,5c 直線部
5b 湾曲部
6 パレット戻し手段
7 移送用ロボットアーム
8 反転装置
9 落下口
10 落下規制手段
11 操作手段
12 閉塞部
13 レバー
14 侵入規制手段
31 位置決めピン
32 車輪
41 レール(第1搬送経路)
51 レール(第2搬送経路)
100 パレット
101 固定搬入面
102 固定搬出面
103 可動搬送面
104 ワーク
P1 ワークの取出し位置
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを載置したパレットを所定の位置に搬送するためのパレット搬送装置に関し、特に、ワークを取出した空のパレットをもとの位置に返すための搬送経路を備えたパレット搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場の部品加工ラインや組立ラインなどにおいては、機械加工を施した部品等の搬送時における破損の発生を防止する目的で、当該部品等をパレット上に載置して搬送することが行われている。また、この際、パレットの使用効率を高める目的で、パレットの搬送経路の終端付近でパレットからワークを取出し(分離し)、空となったパレットを可動式の搬送経路を用いて搬送元の位置に返すようにしたものもある。この種のいわゆるパレットリターン機構を備えた搬送装置として、例えば下記特許文献1に開示の搬送装置が知られている。
【0003】
この搬送装置は、図6に示すように、共に下流側に向かうにつれて鉛直下方に移行する向きに傾斜したパレット100の固定搬入面101および固定搬出面102を備えると共に、固定搬入面101および固定搬出面102とは独立に上昇又は下降でき、固定搬入面101の終端と固定搬出面102の始端とにそれぞれ接続可能な可動搬送面103をさらに備えている。そして、この構成を有する搬送装置により、固定搬入面101と接続した状態の可動搬送面103上にパレット100が搬入されると(図6中実線で示す状態)、このパレット100に載置された状態のワーク104を作業者が取出すと共に、パレット100を載置した状態の可動搬送面103を傾動下降させて固定搬出面102と接続することで、ワーク104を取り出した空のパレット100を固定搬出面102に搬出する(図6中1点鎖線で示す状態)ようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−20406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に開示の搬送装置では、固定搬入面101と固定搬出面102とに接続する可動搬送面103を上下動させる必要があるため、その分の可動スペースを確保しなければならず、設備の大型化を招いていた。また、この搬送装置にあっては、可動搬送面103を有する可動フレームのアクチュエータ(駆動手段)を設置するためのスペースについても確保する必要があり、これによっても搬送装置が大型化していた。
【0006】
例えば作業者が人力で可動フレームを上下動できる(人力で操作できる)機構とすれば、アクチュエータの設置スペース分の小型化は可能となるが、その反面、作業性の低下が問題となるおそれがある。すなわち、可動搬送面103(可動フレーム)の如き大型の可動部であれば、その重量も相当なものとなる。そのため、上記のように人力で可動フレームの上昇又は下降操作を行う場合には、操作に多大な力を必要とし、またその慣性も大きくなることから、作業性の低下が懸念される。
【0007】
また、上記特許文献1に開示の搬送装置では、可動搬送面103を固定搬出面102に接続して、可動搬送面103上に載置したパレット100を固定搬出面102に向けて重力で送り出すことになるため、この送り出しの際の初期速度は実質的に零であり、固定搬出面102の傾斜角度に応じて徐々に加速しながら滑り出される。また、可動搬送面103上に載置したパレットの重量を考えると、可動搬送面103(可動フレーム)の下降速度をそれほど大きくすることもできない。以上より、ワーク104を取り出してからパレット100を搬送元の位置に戻すまでに多大な時間を要していた。
【0008】
以上の事情に鑑み、本明細書では、小型化を可能としつつも優れた作業性を有し、かつパレットの移載に要する時間を短縮できるパレット搬送装置を提供することを、本発明により解決すべき技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記課題の解決を図るためになされたものである。すなわち、本発明に係るパレット搬送装置は、ワークが載置されたパレットをワークの取出し位置に向けて搬送する第1搬送経路と、第1搬送経路の下方に位置し、取出し位置でワークを取出した後のパレットを第1搬送経路の搬送方向とは反対の向きに搬送する第2搬送経路とを備えたパレット搬送装置において、双方の搬送経路には、パレットの搬送を案内するためのガイド部が設けられ、パレットの第1搬送経路から第2搬送経路への移載は、パレットの落下運動により行われ、かつ、パレットの落下運動が、少なくとも何れかの搬送経路に設けたガイド部による案内を伴って行われるようにした点をもって特徴付けられる。
【0010】
本発明は、上記のようにパレットの重力による落下運動を利用して当該パレットを第1搬送経路から第2搬送経路へと移載することを特徴とするものであるから、従来のように搬送経路の一部を可動式として、この可動式搬送経路を上下動させずとも、パレットの移載を容易に行うことができる。よって、従来のように、可動式搬送経路の可動スペースを確保する必要はなくその分の省スペース化を図ることができる。また、パレットに作用する重力を利用してパレットを移載するようにしたので、可動式の搬送経路やこの搬送経路の上下動を行うための駆動機構を設ける必要もなく、これによっても設備の簡素化ないし小型化を図ることができる。また、上記のようにパレットに作用する重力を駆動力として当該パレットの移載を行うようにすることで、作業者がそれほど大きな人力を必要とせずに済む。また、パレット以外の重力物を移動操作しなくてもよい。そのため、総じて上記搬送作業の省力化を図ることができ、その作業性を向上させることができる。また、本発明では、双方の搬送経路にパレットの搬送を案内するためのガイド部を設け、このガイド部でパレットを案内しながら第2搬送経路に向けた落下運動を行うようにしたので、パレットの如き重量物であってもその落下姿勢(滑りながら落下する際の姿勢)を安定させることができる。そのため、パレットが搬送経路から外れる等して作業が中断する事態を回避でき、パレット搬送の作業性を高めることができる。また、移載時に第2搬送経路に生じる衝撃を緩和することができるので、これにより、パレットの破損を抑制して当該パレットを繰り返し実施することができる。さらに、本発明では、パレットを重力による落下運動を利用して移載するようにしたので、その初期加速は大きく、非常に短い時間で第1搬送経路から第2搬送経路への移載を行うことができる。よって、パレットを搬送元の位置に返すのに要する時間(搬送サイクル)を短縮することが可能となる。
【0011】
この場合、例えば第1搬送経路に落下口が設けられ、パレットの前方部が落下口を通って第2搬送経路への落下運動を開始し、次いでパレットの後方部が落下口を通って第2搬送経路への落下運動を開始するようにしてもよい。
【0012】
このようにすることで、パレットが直立状態へと落下姿勢を変えながら移載されることになるので、短時間でパレットの前方部を第2搬送経路上に到達させることができる。また、パレット前方部と第2搬送経路との距離が縮まるので(落下距離が短くなるので)、パレット前方部と第2搬送経路とを一定の態様で当接させることができる。これにより、より安定したパレットの移載作業を行うことができる。
【0013】
また、上記構成を採る場合、パレットの前方部が落下するのに伴いパレットの後方部は第1搬送経路のガイド部に案内されて落下口に向けて搬送され、パレットの後方部が落下運動を開始する際、パレットの前方部は第2搬送経路のガイド部に案内されて搬送されるようにしてもよい。
【0014】
このように構成することで、パレットの前後一方の部位が落下している間、他方の部位が常にガイド部に案内された状態で搬送される。これにより、パレットの落下時の姿勢を一層安定させて、スムーズかつ短時間でのパレットの移載を実施することができる。
【0015】
また、パレットには、このパレットの搬送方向に沿って回転可能な複数の車輪が設けられると共にガイド部はレールで構成され、このレールにより車輪が回転自在に案内されるものであってもよい。
【0016】
このように構成することで、各搬送経路上においても、パレットをよりスムーズに搬送させることができ、かつ搬送時の姿勢ないし幅方向(水平でかつ搬送方向に直交する向きを指す。以下、同じ。)の位置を一定に保つことができる。従って、パレットの移載作業をより一層安定した状態で行うことができる。
【0017】
また、第1および第2搬送経路を共に下流側に向かうにつれて鉛直下方に移行する向きに傾斜させ、これによりパレットを重力で下流側に搬送するようにしてもよい。
【0018】
このように構成することで、各搬送経路上のパレットの搬送と、各搬送経路間の移載を何れもパレットに作用する重力を利用して行うことができる。そのため、パレットの駆動機構が不要となり、その分の省力化および省スペース化を図ることが可能となる。
【0019】
なお、このように搬送経路を傾斜させ、かつ、上述のようにパレットの前方部から落下口を通過して第2搬送経路への落下運動を開始するようにした場合、先に第2搬送経路に到達したパレットの前方部がその下流側に搬送され始めた状態でパレットの後方部が落下運動を開始することになる。そのため、パレットの後方部が第2搬送経路の上流側に向けて回動しつつ落下運動を開始する。すなわちパレットが反転しながらその後方部が落下し始める。よって、落下を開始したパレットの後方部を最短距離で第2搬送経路上に到達させて、その移載に要する時間を短縮できる。また、後方部が何れの搬送経路とも干渉しない時間を短くして、その移載姿勢を早期に安定させることができる。
【0020】
また、本発明に係るパレット搬送装置は、パレットの落下運動を規制する落下規制手段と、落下規制手段による落下運動の規制と解除とを切り替える操作を行う操作手段とをさらに備えるものであってもよい。
【0021】
このように構成することで、例えばワークの取出し位置とパレットの移載位置(落下位置)とが近接又は一致している場合であっても、作業者が確実にワークを取り出してからパレットを落下させることができる。よって、作業の確実性をより高めることができる。
【0022】
また、パレット搬送装置は、パレットの落下位置に後続のパレットが侵入するのを規制する侵入規制手段をさらに備えるものであってもよく、また、落下規制手段による規制が解除された状態では、侵入規制手段により後続のパレットの侵入が規制されるようにしてもよい。
【0023】
このように構成することで、パレットの落下運動に係る規制を解除してパレットを落下可能とした状態では、後続のパレットの侵入を規制することができる。そのため、複数のパレットが続けて落下するといった不測の事態を回避して、所定のタイミングで各個のパレットを1つずつ移載することができる。なお、上記落下規制手段による規制の解除と、侵入規制手段による規制とを操作手段により一動作で行えるようにすれば、その構造を簡素化できると共に、作業性を高めてその作業時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明に係るパレット搬送装置によれば、小型化を可能としつつも優れた作業性を有し、かつパレットの移載に要する時間を短縮することができる。従って、その生産性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係るパレット搬送装置の全体構成を説明するための側面図である。
【図2】パレット搬送装置の要部斜視図である。
【図3】パレットの移載動作を説明するための要部拡大図である。
【図4】パレットの移載動作を説明するための要部拡大図である。
【図5】パレットの移載動作を説明するための要部拡大図である。
【図6】従来のパレット搬送装置の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係るパレット搬送装置の一実施形態を図面に基づき説明する。この実施形態では、エンジンの側部に取り付けられるチェーンカバーをワークとし、このワークを所定のワーク取出し位置まで搬送すると共に、当該取出し位置でワークを取り出した空のパレットを搬送元の位置に返す工程を例にとって説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係るパレット搬送装置1の側面図である。このパレット搬送装置1は、ワーク2が載置されたパレット3をワーク2の取出し位置P1に向けて搬送する第1搬送経路4と、第1搬送経路4の下方に位置し、取出し位置P1でワーク2を取出した後のパレット3を第1搬送経路4の搬送方向とは反対の向きに搬送する第2搬送経路5と、第2搬送経路5の下流端(終端)から第1搬送経路4の上流端(始端)へパレット3を戻すパレット戻し手段6とを主として備える。この実施形態では、パレット戻し手段6は、第2搬送経路5の終端に搬送された空のパレット3にワーク2をセットすると共に、当該ワーク2をセットした状態のパレット3を一体に第1搬送経路4の始端側へと移送する移送用ロボットアーム7と、第1搬送経路4の始端に接続され、移送用ロボットアーム7により移送されてきたパレット3をワーク2と共に反転させる反転装置8とで構成されている。以下、主に、第1搬送経路4と第2搬送経路5、および双方の搬送経路4,5に関連する構成を中心に説明する。
【0028】
まず、第1搬送経路4と第2搬送経路5について述べると、第1搬送経路4は、図1に示すように、直線的に伸び、その下流側に向かうにつれて下方に移行する向きに傾斜した形態を有している。また、第2搬送経路5は、主として第1搬送経路4の鉛直下方に配設され、その下流側に向かうにつれて下方に移行する向きに傾斜した形態を有している。この実施形態では、第2搬送経路5は、略鉛直方向に伸びる第1直線部5aと、第1直線部5aとその下方で連続し、第2搬送経路5の下流側に向かうにつれて下方に移行すると共に、下方に向けて凸状に湾曲した形態の湾曲部5bと、湾曲部5bとその下流側で連続し、下流側に向かうにつれて直線的に下方に移行する形態の第2直線部5cとで構成されている。よって、第1搬送経路4上に載置されたパレット3は、パレット3に作用する重力により下流側に搬送される(自走する)ようになっている。また、後述する落下運動を利用して第1搬送経路4から第2搬送経路5上に移載されたパレット3は、パレット3に作用する重力により下流側に搬送されるようになっている。また、パレット3の一方の面には、ワーク2を載置して位置決めするための位置決めピン31が1又は複数本立設されている。そのため、ワーク2をパレット3上に載置して、位置決めピン31でワーク2を位置決め保持した状態では、当該ワーク2をパレット3と一体に搬送できるようになっている。
【0029】
そして、図1に示すように、第1搬送経路4の終端と第2搬送経路5との間には、パレット3がその前方部から落下可能な隙間幅を有する落下口9が設けられており、この落下口9を通ってパレット3が下方に落下することで、当該パレット3を第1搬送経路4から第2搬送経路5に移載できるようになっている。
【0030】
この実施形態では、図2に示すように、パレット3の第1搬送経路4における搬送動作を案内するためのガイド部として、その幅方向に所定の間隔を設けた状態で2本のレール41が第1搬送経路4に配設されている。同様に、パレット3の第2搬送経路5における搬送動作を案内するためのガイド部として、その幅方向に所定の間隔を設けた状態で2本のレール51が第2搬送経路5に配設されている。また、これに対応するように、パレット3の幅方向両側面には、前後1輪ずつの車輪32が合計で4個設けられており、これら車輪32が各搬送経路4,5に設けたレール41,51上をそれぞれ転動できるようになっている。これら車輪32は何れも、第1搬送経路4のレール41終端と第2搬送経路5のレール51との間に設けられた落下口9を通過できる大きさに設定されている。また、図2に示すように、第1搬送経路4のレール41は車輪32を載置する載置面と、この載置面の幅方向外側から立ち上がる側壁部とを一体に有している。これにより、車輪32がレール41(の載置面)上を転動あるいは摺動する際には、その幅方向の移動を側壁部により規制できるようになっている。第2搬送経路5のレール41に関しても、図示は省略するが、車輪32を載置する載置面と、図示は省略するが、当該載置面の幅方向外側から立ち上がる側壁部とを一体に有しており、車輪32の転動時又は摺動時には、その幅方向の移動を側壁部により規制できるようになっている。もちろん、各レール41,51の側壁部を載置面の幅方向内側に設けることも可能である。
【0031】
また、この実施形態では、パレット搬送装置1は、パレット3の落下運動を規制する落下規制手段10と、落下規制手段10による落下運動の規制と解除とを切り替える操作を行う操作手段11とをさらに備えている。落下規制手段10は、落下口9の直下を塞ぐ閉塞部12を一体に有しており、操作手段11を構成するレバー13を所定の向きに傾動操作することで、落下規制手段10(閉塞部12)をスライドさせて、落下口9を開閉できるようになっている。
【0032】
また、図1に示すように、落下規制手段10の先端側には侵入規制手段14が設けられている。この実施形態では、侵入規制手段14は爪状をなすもので、落下規制手段10と所定のリンク機構を介して連結されると共に、第1搬送経路4の幅方向内側に位置している(従って、図1や後述する図3〜図5において侵入規制手段14は第1搬送経路4の手前に位置している)。そして、図4に示すように、レバー13の傾動操作で落下規制手段10の閉塞部12を所定の方向にスライドさせて落下口9を開くのと同時に、落下規制手段10とリンク機構を介して連結された侵入規制手段14が連動して、第1搬送経路4よりも上方に突出する位置に移動する。これにより、後続のパレット3が第2搬送経路5への移載位置(ここでは落下口9の上方位置)に侵入するのを防止するようになっている。なお、操作手段11を何ら操作しない状態(レバー13がニュートラルの状態)では、図1に示すように、落下規制手段10の閉塞部12で落下口9を塞ぐと共に、侵入規制手段14が第1搬送経路4よりも下方に位置するように、落下規制手段10に所定の附勢力を常時付与するようにしてもよい。
【0033】
以下、上記構成のパレット搬送装置1におけるパレット3の搬送態様を図1〜図5を参照して説明する。
【0034】
まず、図1に示すように、ワーク2を載置した状態のパレット3を第1搬送経路4上に供給し、当該パレット3を第1搬送経路4の下流側に位置するワーク2の取出し位置P1に向けて搬送する。そして、ワーク2の取出し位置P1にて、作業者がパレット3からワーク2を取出した後、空のパレット3を落下口9から下方に落下させることで第1搬送経路4から第2搬送経路5への移載を行う。ここで、図3はパレット3の移載直前におけるパレット搬送装置1の要部側面図であり、パレット3は第1搬送経路4の終端に位置すると共に、その前方部の車輪32は落下口9を閉塞する閉塞部12上に載置されている。また、このパレット3は、その前方部の車輪32を第1搬送経路4よりも上方に突出した第2搬送経路5のレール51の一部(略直立部)に当接させた状態で停止している。
【0035】
そして、図4に示すように、操作手段11を構成するレバー13を傾動操作して落下規制手段10を所定の方向(図4でいえば第1搬送経路4の終端から始端へと向かう方向)にスライドさせることで、落下規制手段10に設けた閉塞部12を落下口9の閉塞位置(図3に示す位置)から開放位置(図4に示す位置)へと移動させる。これにより、閉塞部12に載っていたパレット3の前方部の車輪32が下方に向けて落下を開始する。また、この落下運動の開始時、パレット3の後方部の車輪32は未だレール41上に載っている。そのため、パレット3の前方部が下降(落下)するのに伴い、パレット3の後方部の車輪32はレール41に案内されつつ第1搬送経路4の下流側に向けて転動する。これにより、図4に示すように、パレット3は徐々に直立状態に近づきながら(水平方向に対する傾斜角を大きくしながら)、かつレール41によりその後方部を案内された状態で落下運動を続ける。なお、パレット3自体は、通常、金属等の比較的比重の大きい材質で形成されることから、パレット3の前方部が重力加速度に準じて急速に速度を高めながら落下する場合であっても、パレット3の後方部が浮き上がることはない。よって、上記のように、パレット3の後方部がレール41に案内されつつ第1搬送経路4の下流側(ワーク取出し位置P1)に向けて搬送される。また、この実施形態のように、パレット3の前方部の車輪32を第2搬送経路5のレール51に当接させた状態からパレット3の落下運動を開始する場合、パレット3の前方部の車輪32がレール51上を転動又は摺動しながら当該パレット3の落下運動が実施される。言い換えると、パレット3前方部の車輪32が転動を伴ってレール51上を滑り落ちる。そのため、仮にパレット3の後方部が一時的に浮き上がることがあっても、その落下姿勢を安定させることができる。
【0036】
また、この実施形態では、レバー13の傾動操作により落下規制手段10による規制が解除された状態では、侵入規制手段14により後続のパレット3の移載位置への侵入が規制されるように、落下規制手段10と侵入規制手段14とが連動する構成としている。そのため、図4のように、落下規制手段10の閉塞部12を水平方向にずらして落下口9を開いた状態では、爪状の侵入規制手段14が第1搬送経路4よりも上方に突出する。これにより、後続のパレット3本体を爪状の侵入規制手段14で係止して、この後続のパレット3が移載位置に侵入する事態を防止することができる。
【0037】
上記のようにしてパレット3が落下運動を行い、図5に示すように、パレット3の後方部の車輪32が第1搬送経路4の落下口9上に到達すると、今度はパレット3後方部の車輪32が下方に向けて落下を開始する。この際、パレット3後方部の車輪32が、図5に示すように、何れの搬送経路4,5(レール41,51)とも接触することなく落下運動を開始する場合も起こり得るが、そのような場合であっても、パレット3の前後輪の間隔に応じて第2搬送経路5の位置(高さ)及び形状を調整して、パレット3の前方部の車輪32が第2搬送経路5のレール51で案内された状態でパレット3後方部を落下させることで、パレット3後方部の落下運動を安定した姿勢下で行うことができる。また、図5に示すように、パレット3後方部の落下開始時、パレット3前方部が第2搬送経路5の湾曲部5bに到達していれば、パレット3は容易に反転する向き(図5でいえば反時計回りの向き)に回動を生じる。そのため、落下運動を開始したパレット3の後方部が早急に第2搬送経路5の第1直線部5aに到達する。以上より、パレット3の第1搬送経路4から第2搬送経路5への移載が、パレット3の少なくとも一部の車輪32が何れかの搬送経路4,5のレール41,51に常に案内された状態で行われ、これにより、パレット3の短時間での移載が安定して実施される。
【0038】
また、図示は省略するが、ほぼ鉛直方向に立設した第2搬送経路5のレール51とパレット3後方部の車輪32とが当接した状態でパレット3後方部の落下運動が行われる場合には、パレット3の前後輪全てが第2搬送経路5のレール51に案内された状態で上記後方部の落下運動が開始されるため、落下初期から非常に安定した姿勢を保つことができ、パレット3をスムーズかつ高速に滑り落とすことができる。
【0039】
以上のようにして、パレット3を第1搬送経路4から第2搬送経路5へと移載することで、空のパレット3が第2搬送経路5の終端に向けて搬送される。この場合、パレット3は第1搬送経路4に供給されたときとは上下反転した状態で第2搬送経路5の終端に搬送されるので、当該終端に到達した後、適当なパレット戻し手段6により、パレット3を再度反転させつつ第1搬送経路4の始端位置の高さまで上昇させる。また、この反転上昇作業が完了した時点で、あるいは当該反転上昇作業の間に次のワーク2をパレット3の載置面(ここでは位置決めピン31の立設面)にセットすることで、ワーク2を載置した状態のパレット3が再び第1搬送経路4の始端に供給される。この実施形態では、図1に示すように、移送用ロボットアーム7の先端でワーク2を把持し、把持した状態のワーク2を第2搬送経路5の終端に搬送された空のパレット3にセットする。そして、当該セットした状態のワーク2を持上げることで、ワーク2をセットした状態のパレット3を一体的に持上げて、第1搬送経路4の始端側に配設された反転装置8へと移載する。そして、反転装置8へと移載されたパレット3をワーク2と共に反転させて、隣接する第1搬送経路4へと送り出すことで、パレット3がパレット搬送装置1の搬送経路を1周して、再び第1搬送経路4の始端に供給される。
【0040】
以上、本発明に係るパレット搬送装置の一実施形態を説明したが、この搬送装置は、上記例示の形態に限定されることなく、本発明の範囲内において任意の形態を採り得ることはもちろんである。
【0041】
例えば、各搬送経路4,5の形態は、パレット3の落下運動が、少なくとも何れかの搬送経路4,5に設けたガイド部による案内を伴って行われる限りにおいて任意である。実施形態に即して述べると、パレット3の前方部が落下を開始してから第2搬送経路5上に到達するまでの間、パレット3の後方部(の車輪32)が第1搬送経路4のガイド部(レール41)に案内されており、かつ、パレット3の後方部が落下を開始してから第2搬送経路5上に到達するまでの間、パレット3の前方部(の車輪32)が第2搬送経路5のガイド部(レール51)に案内されている限りにおいて、自由に各搬送経路4,5の形態を採ることができる。例えば第2搬送経路5を、直線部5a,5cおよび湾曲部5bのうちの1つ又は任意の2つの組合せでもって構成することも可能である。また、第1搬送経路4の延長線上に、パレット3を制止するための制止部を第2搬送経路5(のレール51)とは別に設けてもよく、また、上述のようにパレット3の一部が案内される限りにおいて、第2搬送経路5の始端を第1搬送経路4よりも下方に位置させても構わない。
【0042】
また、落下口9の形成位置についても特に上記実施形態には限定されない。例えば、第1搬送経路4の途中位置(第1搬送経路4の終端よりも始端側)に落下口9を設けてもよい。また、その数も任意であり、例えば異なる径の車輪32をパレット3の前後に設けることで、パレット3の前方部と後方部とで落下開始位置を異ならせることも可能である。
【0043】
もちろん、パレット3の案内形態についても自由であり、車輪32以外の転動部あるいは摺動部を被案内部としてパレット3に設けても構わない。また、各搬送経路4,5の側に設けるガイド部に関しても、レール41,51に限らず種々の案内機構を設けることが可能である。
【0044】
また、上記実施形態では、第1搬送経路4や第2搬送経路5を共に、下流側に向かうにつれて下方に移行する向きに傾斜させ、これにより各搬送経路4,5上に載置したパレット3を重力により滑らせて搬送するようにした場合を例示したが、もちろんこれ以外の搬送形態を採ることも可能である。例えば、各搬送経路4,5をベルトコンベアやローラコンベア等の駆動手段で構成するようにしても構わない。
【0045】
また、パレット戻し手段6に関しても、上述した以外の構成を採ることが可能であり、例えば第2搬送経路5の終端と第1搬送経路4の始端とをつないでループ状の搬送経路を構成してもよい。この場合、適当なリフトアップ手段でパレット3を第2搬送経路5の終端から第1搬送経路4の始端まで上昇させるようにしてもよい。あるいは、パレット3の表裏何れの面もワーク2の載置面として使用できるように構成すれば、反転した状態で第2搬送経路5の終端に搬送されたパレット3をそのまま上昇させて、第1搬送経路4の始端に移載することも可能となる。
【符号の説明】
【0046】
1 パレット搬送装置
2 ワーク
3 パレット
4 第1搬送経路
5 第2搬送経路
5a,5c 直線部
5b 湾曲部
6 パレット戻し手段
7 移送用ロボットアーム
8 反転装置
9 落下口
10 落下規制手段
11 操作手段
12 閉塞部
13 レバー
14 侵入規制手段
31 位置決めピン
32 車輪
41 レール(第1搬送経路)
51 レール(第2搬送経路)
100 パレット
101 固定搬入面
102 固定搬出面
103 可動搬送面
104 ワーク
P1 ワークの取出し位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークが載置されたパレットを前記ワークの取出し位置に向けて搬送する第1搬送経路と、該第1搬送経路の下方に位置し、前記取出し位置で前記ワークを取出した後の前記パレットを前記第1搬送経路の搬送方向とは反対の向きに搬送する第2搬送経路とを備えたパレット搬送装置において、
前記双方の搬送経路には、前記パレットの搬送を案内するためのガイド部が設けられ、
前記パレットの前記第1搬送経路から前記第2搬送経路への移載は、前記パレットの落下運動により行われ、かつ、
前記パレットの落下運動が、少なくとも前記何れかの搬送経路に設けたガイド部による案内を伴って行われるようにしたことを特徴とするパレット搬送装置。
【請求項2】
前記第1搬送経路に落下口が設けられ、前記パレットの前方部が前記落下口を通って前記第2搬送経路への落下運動を開始し、次いで前記パレットの後方部が前記落下口を通って前記第2搬送経路への落下運動を開始するようにし、
前記パレットの前方部が落下するのに伴い前記パレットの後方部は前記第1搬送経路のガイド部に案内されて前記落下口に向けて搬送され、前記パレットの後方部が落下運動を開始する際、前記パレットの前方部は前記第2搬送経路のガイド部に案内されて搬送される請求項1に記載のパレット搬送装置。
【請求項3】
前記第1および第2搬送経路を共に下流側に向かうにつれて鉛直下方に移行する向きに傾斜させ、これにより前記パレットを重力で下流側に搬送するようにした請求項1又は2に記載のパレット搬送装置。
【請求項1】
ワークが載置されたパレットを前記ワークの取出し位置に向けて搬送する第1搬送経路と、該第1搬送経路の下方に位置し、前記取出し位置で前記ワークを取出した後の前記パレットを前記第1搬送経路の搬送方向とは反対の向きに搬送する第2搬送経路とを備えたパレット搬送装置において、
前記双方の搬送経路には、前記パレットの搬送を案内するためのガイド部が設けられ、
前記パレットの前記第1搬送経路から前記第2搬送経路への移載は、前記パレットの落下運動により行われ、かつ、
前記パレットの落下運動が、少なくとも前記何れかの搬送経路に設けたガイド部による案内を伴って行われるようにしたことを特徴とするパレット搬送装置。
【請求項2】
前記第1搬送経路に落下口が設けられ、前記パレットの前方部が前記落下口を通って前記第2搬送経路への落下運動を開始し、次いで前記パレットの後方部が前記落下口を通って前記第2搬送経路への落下運動を開始するようにし、
前記パレットの前方部が落下するのに伴い前記パレットの後方部は前記第1搬送経路のガイド部に案内されて前記落下口に向けて搬送され、前記パレットの後方部が落下運動を開始する際、前記パレットの前方部は前記第2搬送経路のガイド部に案内されて搬送される請求項1に記載のパレット搬送装置。
【請求項3】
前記第1および第2搬送経路を共に下流側に向かうにつれて鉛直下方に移行する向きに傾斜させ、これにより前記パレットを重力で下流側に搬送するようにした請求項1又は2に記載のパレット搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2011−126682(P2011−126682A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−287788(P2009−287788)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(000002967)ダイハツ工業株式会社 (2,560)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(000002967)ダイハツ工業株式会社 (2,560)
【Fターム(参考)】
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