説明

パワーコンディショナ

【課題】壁面に汚れが生じるのを抑えることができる屋外設置型のパワーコンディショナを得ること。
【解決手段】パワーコンディショナ100は、壁面7に取り付けられて、太陽電池が発電する直流電力を交流電力に変換する直交変換回路を備えるパワーコンディショナであって、直交変換回路を内部に収容する本体1と、本体の背面から本体よりも下方に突出する水切板8と、を備え、水切板は、本体の横幅よりも広い横幅に形成され、本体よりも下方に突出する部分が本体側に折り曲げられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電システムに用いられ、太陽電池が発電する直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽光発電システムに用いられ、太陽電池が発電する直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナが用いられている。パワーコンディショナには、例えば特許文献1に示すように、屋外に設置して用いられるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4063716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、屋外に設置して用いられるパワーコンディショナは、壁面に固定された取付板に対してパワーコンディショナの本体を引っ掛けて取り付けられる場合がある。雨天時には、壁面を伝って取付板に到達した水が、取付板の側面に集中して流れ落ちる。そのため、取付板の側面の下方部分で壁面に汚れが生じやすく、住宅の外観を損なってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、壁面に汚れが生じるのを抑えることができる屋外設置型のパワーコンディショナを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、壁面に取り付けられて、太陽電池が発電する直流電力を交流電力に変換する直交変換回路を備えるパワーコンディショナであって、直交変換回路を内部に収容する本体と、本体の背面から本体よりも下方に突出する水切板と、を備え、水切板は、本体の横幅よりも広い横幅に形成され、本体よりも下方に突出する部分が本体側に折り曲げられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、水切板が本体よりも横幅が広いので、本体の側方で壁面を流れ落ちる水は、水切板上を流れることになる。そして、水切板上を流れる水は、水切板の下端に至る。水切板は本体よりも下方に突出する部分が本体側に折り曲げられているので、水切板の下端は壁面から離れることとなる。したがって、水切板上を流れる水は水切板の下端から滴下され、壁面を流れ落ちない。そのため、壁面に汚れが生じるのを抑えることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1にかかるパワーコンディショナの外観斜視図である。
【図2】図2は、パワーコンディショナが備える直交変換回路を示す図である。
【図3】図3は、本体と取付板を分解した状態を示す斜視図である。
【図4】図4は、壁面に固定された取付板の横断面図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態2にかかるパワーコンディショナの外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施の形態にかかるパワーコンディショナを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかるパワーコンディショナの外観斜視図である。図2は、パワーコンディショナが備える直交変換回路を示す図である。パワーコンディショナ100は、本体1と取付板2を備える。本体1の内部には直交変換回路3が収容される。
【0011】
直交変換回路3は、昇圧部4、インバータ部5、フィルタ部6を有する。図2に示すように、太陽光発電用のパワーコンディショナ100は、太陽電池50の発電電圧を昇圧部4で昇圧し、インバータ部5で交流に変換し、フィルタ部6で波形を整えて商用系統に出力する。
【0012】
図3は、本体1と取付板2を分解した状態を示す斜視図である。パワーコンディショナ100は、屋外設置型のものであり、建物の壁面に取り付けられて用いられる。パワーコンディショナ100は、壁面に固定された取付板2に本体1を保持させることで壁面に取り付けられる。
【0013】
図4は、壁面7に固定された取付板2の横断面図である。図4に示すように、取付板2は、ビスなどを用いて壁面7に固定される。そして、取付板2に形成された引っ掛け部2aに本体1を引っ掛けることで、本体1が取付板2に保持される。このように、取付板2は、本体1の背面側に設けられることとなる。
【0014】
取付板2には、その下側部分に水切板8が一体に設けられている。水切板8は、本体1の横幅よりも広い横幅で形成されている。また、水切板8は、本体1よりも下方に突出するとともに、その下端が壁面7から離れるように本体1側に折り曲げられている。
【0015】
以上説明したように、水切板8が本体1よりも横幅が広いので、本体1の側方で壁面7を流れ落ちる水は、水切板8上を流れることになる。そして、水切板8上を流れる水は、水切板8の下端に至る。水切板8の下端は壁面7から離れているので、水切板8上を流れる水は水切板8の下端から滴下され、壁面7を流れ落ちない。そのため、壁面7に汚れが生じるのを抑えることができる。
【0016】
なお、水切板8の折り曲げ箇所を1箇所にした例を挙げて説明しているが、これに限られない。例えば、水切板8の折り曲げ箇所を複数設けて、水切板8が本体1の下方に突出する部分で段階的に折り曲げられるように構成してもよい。
【0017】
また、水切板8が取付板2に一体に形成された例を挙げて説明しているが、これに限られない。例えば、水切板8と取付板2とが別体で構成され、これらをビスなどで連結する構成としても構わない。
【0018】
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2にかかるパワーコンディショナの外観斜視図である。なお、上記実施の形態と同様の構成にてついては、同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0019】
実施の形態2にかかるパワーコンディショナ150は、本体1を壁面に固定するための固定部11が本体1に一体に形成されている。固定部11には、ビス孔11aが形成されており、このビス孔11aを介して壁面にビスを用いて本体1が固定される。
【0020】
また、本体1には、水切板18が一体に形成されている。水切板18は、本体1の背面側に本体1の幅よりも広く形成されるとともに、本体1の下方に突出した部分が本体1側に折り曲げられて、その下端が壁面から離れるようになっている。
【0021】
このように、本体1に水切板18を一体に形成した場合にも、上記実施の形態1と同様に、水切板18上を流れる水は水切板18の下端から滴下されるので、壁面7を流れ落ちない。そのため、壁面7に汚れが生じるのを抑えることができる。また、水切板18および固定部11を本体1に一体に形成することで、部品点数の削減を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
以上のように、本発明にかかるパワーコンディショナは、太陽電池が発電する直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナに有用であり、特に、壁面に取り付けられる屋外設置型のパワーコンディショナに適している。
【符号の説明】
【0023】
1 本体
2 取付板
2a 引っ掛け部
3 直交変換回路
4 昇圧部
5 インバータ部
6 フィルタ部
7 壁面
8 水切板
11 固定部
11a ビス孔
18 水切板
50 太陽電池
100,150 パワーコンディショナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に取り付けられて、太陽電池が発電する直流電力を交流電力に変換する直交変換回路を備えるパワーコンディショナであって、
前記直交変換回路を内部に収容する本体と、
前記本体の背面から前記本体よりも下方に突出する水切板と、を備え、
前記水切板は、前記本体の横幅よりも広い横幅に形成され、前記本体よりも下方に突出する部分が前記本体側に折り曲げられていることを特徴とするパワーコンディショナ。
【請求項2】
壁面に固定されて、前記本体を背面から保持する取付板をさらに備え、
前記取付板は、前記取付板の下側部分に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のパワーコンディショナ。
【請求項3】
前記水切板は、前記本体に一体に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のパワーコンディショナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−231643(P2012−231643A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99590(P2011−99590)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】