説明

パンの製造方法及びそのパン

【課題】本発明は、人の健康,体質改善,成人病の予防,諸病後の栄養補給,漢方料理に最適の健康食品とする烏骨鶏及び、人体血液の浄化作用により、血糖値が低下する成分が含有されている烏骨鶏卵との相乗効果が期待できるパンの製造方法及びそのパンを提供することを目的とする。
【解決手段】製パン工程に於いて使用する水の代りに、烏骨鶏のスープに烏骨鶏の卵黄油を調合した調合スープが用いられてパンを製造するパンの製造方法と成す。前記烏骨鶏のスープの原液として、3〜5cm前後に切った烏骨鶏の頭や首及び足の鶏ガラを1Kgと、10cm前後の竹炭を4〜7個と、10cm前後の白ネギを4本と、ショウガ2分の1個とを、8〜10リットルの水に入れて、それを弱火で7時間前後煮詰め、布で漉して作り、且つ、使用時には前記原液を3〜5倍に薄めて使用するのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は漢方薬の効果が期待出来るパンの製造方法及びそのパンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、健康志向や自然志向などの点からパン生地に、健康食品成分,健康増進効果を有する成分,健康食品としての機能を高める食品や成分など種々のものが添加或いは含有し、製造するパン及びその方法が多数提案されている。例えば、健康食品としての機能を高めるパンとして特開2002−165553や、健康食品としてビタミンEを含有させたパンとして特開2008−67687がある。又、食物繊維や胚芽などを入れたパン類の食感,風味,外観等の品質を良好に改良し、且つ老化のない良好なパン類を得ることが出来るものとして、特開平5−316925号があり、このパンの製造方法は、食物繊維や胚芽をパン生地にそのまま直接添加する従来方法に代えて、それらの製パン工程に於いて使用する水、イースト及び糖類の各々一部または全量に対して水不溶性の食物繊維,胚芽を加えて混合液を形成し、この混合液を発酵させた後、得られた発酵液を用いてパン類を製造するものであった。
【0003】
しかしながら、特開2002−165553や特開2008−67687及び特開平5−316925号は、本発明のような漢方薬、特に烏骨鶏のスープや烏骨鶏の卵黄油をパンの生地に入れる発想やその製造方法の記載は何処にもないものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−165553号公報
【特許文献2】特開2008−67687号公報
【特許文献3】特開平5−316925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、人の健康,体質改善,成人病の予防,諸病後の栄養補給,漢方料理に最適の健康食品とする烏骨鶏及び、人体血液の浄化作用により、血糖値が低下する成分を含有している烏骨鶏卵との相乗効果が期待できるパンの製造方法及びそのパンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、製パン工程に於いて少なくとも、使用する水の代りに、烏骨鶏のスープに烏骨鶏の卵黄油を調合した調合スープが用いられてパンを製造するパンの製造方法と成す。前記烏骨鶏のスープの原液として、烏骨鶏の頭や首及び足の鶏ガラを主材として水に入れると共に竹炭と白ネギ及びショウガを水に入れて、それを弱火で7時間前後煮詰め、布で漉して作られ、且つ、使用時には前記原液を3〜5倍に薄めて使用するのが好ましく、更に烏骨鶏のスープの原液の配合及び作り方としては、3〜5cm前後に切った頭や首及び足の鶏ガラを1Kgと、10cm前後の竹炭を4〜7個と、10cm前後の白ネギを4本と、ショウガ2分の1個とを、8〜10リットルの水に入れて、それを弱火で7時間前後煮詰め、布で漉して作ると良い。又、前記烏骨鶏のスープの原液が作られた後、それに使用した鶏ガラを乾燥させ且つ粉末化したガラ粉末を、パンの原料に混入させたものとしても良い。上記のパンの製造方法によって烏骨鶏と烏骨鶏卵との相乗効果が期待できるパンが得られる。しかも前記スープのまろやかさを出して焼き上げたパンが得られる。
【発明の効果】
【0007】
請求項1のように製パン工程に於いて少なくとも、使用する水の代りに、烏骨鶏のスープに烏骨鶏の卵黄油を調合した調合スープが用いられることにより、人の健康,体質改善,成人病の予防,諸病後の栄養補給,漢方料理に最適の健康食品とする烏骨鶏及び、人体血液の浄化作用により、血糖値が低下する成分が含有されている烏骨鶏卵との相乗効果が期待できるパンの製造方法となる。
【0008】
請求項2のように烏骨鶏のスープの原液として、烏骨鶏の頭や首及び足の鶏ガラを主材として水に入れると共に竹炭と白ネギ及びショウガを水に入れて、それを弱火で所定時間煮詰め、布で漉して原液が作られることにより、日持ちが良い濃縮された原液となるため、保管場所が余り嵩張らずに多めの原液の保管が可能となると共に冷凍保存も可能なものとなる。また使用時には前記原液を水で3〜5倍に薄めて使用すれば、原液ではなく始めから薄めずに烏骨鶏のスープを直接に作る場合よりも施設費や光熱費が少なくて済むものとなると共に大量のスープを使用する時の移動も容易なパンの製造方法となる。
【0009】
請求項3に示すように烏骨鶏のスープの原液が、3〜5cm前後に切った頭や首及び足の鶏ガラを1Kgと、10cm前後の竹炭を4〜7個と、10cm前後の白ネギを4本と、ショウガ2分の1個とを、8〜10リットルの水に入れて、それを弱火で7時間前後煮詰め、布で漉して作られることにより、烏骨鶏の漢方薬の効果が有効に引出せるものとなると共に焼き上げられたパンの食感や風味が損なわれないものとすることが可能となる。
【0010】
請求項4に示すように烏骨鶏のスープの原液を作った後、それに使用した鶏ガラを乾燥させ且つ粉末化したガラ粉末を、パンの原料に混入させることにより、カルシウム成分が増強されると共に材料に無駄がなくなるものとなる。
【0011】
請求項5のように請求項1〜4のいずれか1項の方法によって製造されたパンは、人の健康,体質改善,成人病の予防,諸病後の栄養補給,薬食同源,漢方料理に最適の健康食品とする烏骨鶏及び、人体血液の浄化作用により、血糖値が低下する成分が含有されている烏骨鶏卵との相乗効果が期待できるものとなる。又、前記スープのまろやかさを出して焼き上げたパンとなるのである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明品は天然素材による自然治癒力を向上させる目的で、万病に効くと評価の高い薬鳥である原種に近い烏骨鶏のスープと、年にわずかしか生まない貴重な烏骨鶏から作られた卵黄油とを、パンの成分に合体させて作られるものである。
【実施例1】
【0013】
本発明のパンの製造方法について説明する。予めパンの原料として、小麦粉,糖類,マーガリン,パン酵母,食塩,発酵種,脱脂粉乳,植物油脂,醸造酢,乳化剤,イーストフード,大豆などを用意する。これは一般のパンに於ける原料である。先ず、パンの原料を容器の中に入れ、この容器に製パン工程に於いて少なくとも、使用する水の代りに、烏骨鶏のスープに烏骨鶏の卵黄油が調合された調合スープを入れて混捏し、パン生地を作る。そのパン生地を所定時間熟成させて寝かせる。寝かせたパン生地でパンの形状にして焼き上げる。この時の混捏具合や寝かせ具合及び焼き上げ具合は一般のパンに於ける常法と略同じに行えば良い。
【0014】
前記烏骨鶏のスープは、原液を3〜5倍に薄めたものであり、前記烏骨鶏のスープの原液の作り方としては、3〜5cm前後に切った頭や首及び足の鶏ガラを1Kgと、10cm前後の竹炭を4〜7個と、10cm前後の白ネギを4本と、ショウガ2分の1個とを、8〜10リットルの水に入れて、それを弱火で7時間前後煮詰め、布で漉せば仕上げられるのである。
【0015】
前記烏骨鶏について説明する。烏骨鶏は漢方薬の原料の1つで、いくら食べても薬害(副作用)がないことで知られている。また烏骨鶏卵は、年間約50個前後しか産まない貴重なものである。この烏骨鶏は、脳卒中,高血圧,心臓病,糖尿病などの生活習慣病を始め、疲労回復,痛風の予防,老化予防,免疫力の向上,夜尿病,膀胱炎,腎臓炎,痔病等が楽になると言う効果を期待して補助食品として多くの人が摂取しているようである。更に烏骨鶏には、滋養強壮,病気を治すだけでなく、コラーゲンが多量に含まれ皮下脂肪が殆どないため、若返りの秘薬として、不妊症や婦人病による衰弱と貧血,体のやせ細り,腹部の張り,うずき,子宮出血,足腰のだるさ,無力,寝汗,産後の出血などに効果があると言われている。一方、烏骨鶏卵は、人の健康,体質改善,成人病の予防,諸病後の栄養補給,薬食同源,漢方料理に最適の健康食品で、烏骨鶏卵に含有されている成分による人体血液の浄化作用は古来から定評があり、人体の血糖値が低下することでも知られている。前記卵黄油は、烏骨鶏の卵黄を用い、その栄養成分としては、たんぱく質,脂質,炭水化物,ナトリウム,不飽和脂肪酸,リン,灰分,鉄分,カルシウム,亜鉛などである。
【0016】
次に本発明のパンの製造方法で食パン3斤分を製造する場合について説明する。先ず始めに所定の容器に、予め用意した食パンの原料として、小麦粉,糖類,マーガリン,パン酵母,食塩,発酵種,脱脂粉乳,植物油脂,醸造酢,乳化剤,イーストフード,大豆を、一般の食パンの配合と同じ量(約1050g前後)を入れる。そして、小麦粉に対して5%の割合でガラ粉末を混入する。更に、予めスープの原液に卵黄油を入れて良く掻き混ぜ、その後、水が入れられてスープの原液を3〜5倍に薄めると良い。この薄められて調合した調合スープ約375cc前後を前記容器に入れて練り込み、パン生地を作る。尚、前記卵黄油をスープの原液に入れて調合する調合割合は、薄められたスープ40リットルに対し、600〜800mgの割合で入れる。その後、前記パン生地を約7時間前後寝かせて熟成させる。この時、卵黄油はスープに入れて薄められると共に卵黄油自体も熟成することにより、卵黄油の焦げ臭さや苦味は殆ど気にならないものとなるのである。次に寝かせたパン生地を食パンの型に入れて焼き上げる。尚、前記練り込み具合や寝かせ具合及び焼き上げ具合は食パンに於ける常法と同じに行えば良い。
【0017】
このようにして製造された本発明のパンについて説明する。上記製造方法で作られた食パンの外観は、薄っすらと烏骨鶏の骨の黒色が着色されるが、表面は滑らかで殆ど気にならないものであった。また食パンの食感や風味は一般の食パンと変わらないものであった。次に前記食パンを10人に試食してもらった所、ソフトで滑らかな口当たりであったと、好評であった。特に食パンを食べると、烏骨鶏と烏骨鶏卵との相乗効果が期待できると共に烏骨鶏のスープによってまろやかな味に焼き上げられるものとなる。尚、本発明のパンの製造方法の特徴である烏骨鶏のスープをパン原料に入れて、各種のパンを焼き上げる際は、各々パンの種類に応じて、常法に従って種々のパンを製造、例えば食パン,フランスパン,バターロール,各種菓子パン,油揚げパン,蒸しパン等を製造すれば良いが、本発明のパンの製造方法は特に食パンの製造に適したものである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
製パン工程に於いて少なくとも、使用する水の代りに、烏骨鶏のスープに烏骨鶏の卵黄油を調合した調合スープが用いられてパンを製造したことを特徴とするパンの製造方法。
【請求項2】
前記烏骨鶏のスープの原液が、烏骨鶏の頭や首及び足の鶏ガラを主材として水に入れると共に竹炭と白ネギ及びショウガを水に入れて、それを弱火で7時間前後煮詰め、布で漉して作られ、且つ、使用時には前記原液が3〜5倍に薄められて使用される請求項1記載のパンの製造方法。
【請求項3】
前記烏骨鶏のスープの原液が、3〜5cm前後に切った頭や首及び足の鶏ガラを1Kgと、10cm前後の竹炭を4〜7個と、10cm前後の白ネギを4本と、ショウガ2分の1個とを、8〜10リットルの水に入れて、それを弱火で7時間前後煮詰め、布で漉して作られた請求項2記載のパンの製造方法。
【請求項4】
前記烏骨鶏のスープの原液が作られた後、それに使用した鶏ガラが乾燥され且つ粉末化したガラ粉末を、パンの原料に混入させた請求項1記載のパンの製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項の方法によって製造されたパン。