説明

パンチ装置、後処理装置、及び画像形成装置

【課題】長期にわたって、パンチにより打ち抜かれた打ち抜きくずを押し込んで排出することが可能なパンチ装置を提供する。
【解決手段】パンチ64の先端面64bに弾性部材からなる突起81を設けている。この弾性部材の突起81は、パンチ64が記録シートPを貫通して各ダイ板61、62のパンチ用孔65、66に達するときに、記録シートPに押し付けられて一旦縮小し、記録シートPの打ち抜きくずSを押し下げながら伸長するので、記録シートPの打ち抜きくずSをパンチ用孔65、66から確実に押し出す。このため、打ち抜きくずSが各ダイ板61、62のパンチ用孔65、66近傍に散在して残ることはなく、これが穿孔加工不良の原因になることもない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイとパンチ間に挿入されたシートに穿孔加工を施すパンチ装置、それを備える後処理装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のパンチ装置は、シートに穿孔加工を施すためのものであり、例えば画像形成装置に適用される。画像形成装置は、電子写真方式等によりシートに印刷処理を施す複写機等であり、シートの印刷処理だけではなく、印刷処理されたシートを後処理することもある。この後処理の1つが、シートの穿孔加工であり、この穿孔加工のためにパンチ装置が用いられる。
【0003】
このパンチ装置による穿孔方法は、画像形成装置内でシートの端部を揃えてから、シートを上下運動するパンチと固定されたダイ間に搬送するという方法、あるいはパンチとダイを共に回転運動させ、シートを両者間に搬送するという方法等がある。
【0004】
例えば、特許文献1、2には、後者の方法が開示されている。この方法では、図6に示すように2本の回転軸201、202をそれぞれの軸心が互いに平行になるように配置し、回転軸201周りでパンチ203の先端203aが円軌道を描いて周回するようにパンチ203を回転軸201に取り付け、また回転軸202周りに円筒状のダイ204を固定している。そして、各回転軸201、202を矢印方向に同期回転させ、パンチ203の先端203aがダイ204外周に接するタイミングでダイ204の孔204aに入り込むようにしている。
【0005】
シートは、矢印Aの方向に搬送されて来て、パンチ203とダイ204間を通過して行く。この途中で、パンチ203の先端203aがシートを貫通してダイ204の孔204aに達し、シートに穿孔が形成される。
【0006】
また、パンチ203の先端面には0.5mm程度の長さのピン205が突設されており、このピン205がシートの打ち抜きくずをダイ204の内側に押し込む。これにより、シートの打ち抜きくずが確実に排出される。
【特許文献1】特開平7−88799号公報
【特許文献2】特開平10−249797号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のパンチ装置のようにパンチ203先端面にピン205を突設し、このピン205によりシートの打ち抜きくずを押し込んで排出する構成では、多量のシートの打ち抜きによりピン205が徐々に磨耗して行き、ピン205による打ち抜きくずの押し込み量が小さくなり、打ち抜きくずが排出されなくなるという問題があった。
【0008】
例えば、ピン205の磨耗に対処するために、ピン205の長さを0.5mmから1.0mm程度まで延ばすことが考えられるが、この場合は、ピン205がシートの打ち抜きくずに突き刺さって、打ち抜きくずの排出が滞ったり、パンチ203の先端203aがダイ204の孔204aに挿抜される際に、ピン205がダイ204の孔204aの縁等に干渉するという問題が生じた。
【0009】
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、長期にわたって、パンチにより打ち抜かれた打ち抜きくずを押し込んで排出することが可能なパンチ装置、それを備える後処理装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のパンチ装置は、ダイの孔に対してパンチの先端を挿抜し、ダイの孔とパンチの先端間に挿入されたシートに穿孔加工を施すパンチ装置において、前記パンチの先端面に弾性部材からなる突起を設けている。
【0011】
また、前記弾性部材は、合成樹脂からなるスポンジである。
【0012】
更に、前記ダイは、回転駆動される円筒状本体にパンチの先端が挿抜される孔を形成してなり、前記パンチは、該パンチの先端が円軌道を描いてダイの円筒状本体の孔に対して挿抜されるように、ダイの円筒状本体の回転に同期して回転駆動される。
【0013】
一方、本発明の後処理装置は、画像形成装置から印刷処理されたシートを受け取り、このシートに対して後処理を施す後処理装置において、前記シートに対して後処理を施すために上記本発明のパンチ装置を備えている。
【0014】
また、本発明の画像形成装置は、シートを印刷処理し、このシートに対して後処理を施す画像形成装置において、前記シートに対して後処理を施すために上記本発明のパンチ装置を備えている。
【発明の効果】
【0015】
本発明のパンチ装置によれば、パンチの先端面に弾性部材からなる突起を設けている。この弾性部材の突起は、パンチの先端がシートを貫通してダイの孔に達するときに、シートに押し付けられて一旦縮小し、シートの打ち抜きくずを押し下げながら伸長するので、シートの打ち抜きくずを確実に押し出す。また、弾性部材の突起は、打ち抜きくずに突き刺さることがないので、突起を十分に長くすることができ、多量のシートの打ち抜きにより突起の磨耗が徐々に進行したとしても、長期にわたって、突起による打ち抜きくずの押し出し効果を維持することができる。
【0016】
例えば、弾性部材は合成樹脂からなるスポンジである。従って、格別な材料を用いる必要がない。
【0017】
また、ダイは、回転駆動される円筒状本体にパンチの先端が挿抜される孔を形成してなり、パンチは、該パンチの先端が円軌道を描いてダイの円筒状本体の孔に対して挿抜されるように、ダイの円筒状本体の回転に同期して回転駆動される。このような構成では、突起を十分に長くすると、突起がダイの孔の縁等に干渉する可能性があるものの、突起が弾性部材であるためにダイ等を傷つけたり磨耗させることがない。
【0018】
一方、本発明の後処理装置及び画像形成装置は、上記本発明のパンチ装置を備えているので、同様の作用効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明のパンチ装置の実施形態1を適用した画像形成装置を示す断面図である。この画像形成装置1は、画像データを入力し、画像データによって示される画像を記録シートにプリントするプリンタ部2と、プリンタ部2下方に配置され、記録シートをプリンタ部2に搬送供給する給紙ユニット部3とを備えている。
【0021】
プリンタ部2の略中央には、感光体ドラム4が配置され、その周囲に帯電ユニット5、光走査ユニット6、現像ユニット7、転写ユニット8、及びクリーニングユニット9が配置されている。
【0022】
帯電ユニット5は、感光体ドラム4表面を均一に帯電させる。光走査ユニット6は、画像データを入力し、画像データに応じて光ビームの強度を変調しつつ、均一に帯電された感光体ドラム4上に光ビームを走査して静電潜像を書き込む。現像ユニット7は、感光体ドラム4上の静電潜像を現像剤により顕像化して、感光体ドラム4上に現像剤像を形成する。転写ユニット8は、感光体ドラム4との間に記録シートを挟み込んで搬送しつつ、感光体ドラム4上の現像剤像を記録シート上に転写する。クリーニングユニット9は、感光体ドラム4上に残留した現像剤を除去して、感光体ドラム4上に新たな現像剤像を形成することができるようにする。
【0023】
クリーニングユニット9により除去された残留現像剤は、回収経路を介して回収容器25に送られ、回収容器25内に回収される。回収容器25内に回収された残留現像剤は、後に廃棄あるいは別の製品などにリサイクルすることができる。
【0024】
プリンタ部2の上部には、定着装置20が配置されている。定着装置20は、画像が転写された記録シートを順次受け入れて定着ローラと加圧ローラ間に挟み込み、記録シート上に転写された現像画像を定着させる。
【0025】
この記録シートは、搬送ローラにより上方に搬送され、排紙部21から排紙トレイ22に排出される。あるいは、排紙部21で逆方向に反転搬送されて、後処理装置30に搬送され、後処理装置30で後処理を施される。
【0026】
また、記録シートの両面に画像を形成する場合は、記録シートが、排紙部21で逆方向に反転搬送され、更に反転搬送経路23へと搬送され、その表裏を反転されてからプリンタ部2へと再び搬送され、その裏面に現像剤画像が転写されて定着される。以降は、先に述べたように記録シートが排紙トレイ22又は後処理装置30へと搬送される。
【0027】
一方、給紙ユニット部3は、複数の給紙トレイ(記録媒体供給部)11〜14を備えており、これらの給紙トレイ11〜14に各定型サイズの記録シートが分別され積載収容されている。
【0028】
これらの給紙トレイ11〜14のうちから1つのトレイが選択され、この選択されたトレイから記録シートが1枚ずつ分離供給され、記録シートが感光体ドラム4と転写ユニット8間に供給され、この記録シートに感光体ドラム4上の現像剤画像が転写される。
【0029】
各給紙トレイ11、12は、互いに並列配置されている。そして、各給紙トレイ11、12下方に各給紙トレイ13、14が配置されている。
【0030】
各給紙トレイ13、14の容量は、同程度の容量とされている。また、各給紙トレイ11、12の容量は、各給紙トレイ13、14よりも大きく設定されている。
【0031】
給紙ユニット部3は、各給紙トレイ11〜14のいずれかよりプリンタ部2へと記録シートを搬送供給するために、第1及び第2搬送経路15、16を備えている。第1搬送経路15は、各給紙トレイ11、13、14からの記録シートを搬送供給するものであり、第2搬送経路16は、給紙トレイ12からの記録シートを搬送供給するものである。
【0032】
第1搬送経路15は、給紙ユニット部3のフレーム17に沿って鉛直方向に延びて、各給紙トレイ11、13、14の側面側を通過している。また、第2搬送経路16は、水平方向に延びて、各給紙トレイ11、12の上面側を通過している。
【0033】
このような各給紙トレイ及び各搬送経路の効率的な配置により、給紙ユニット部3の省スペース化が実現されている。
【0034】
各給紙トレイ11〜14に記録シートをセットする場合は、画像形成装置1本体の前面方向に目的の給紙トレイ11〜14を引き出して記録シートの補給を行う。
【0035】
第1搬送経路15で記録シートが詰まった場合は、第1搬送経路15を構成するガイド15a(図中斜線部で示す)を開く。これにより、第1搬送経路15中で詰まった記録シートを取り除くことができる。この除去操作は、第1搬送経路15とフレーム17との間に予め確保されている作業空間を用いて行う。
【0036】
また、第2搬送経路16中にて記録シートが詰まった場合も、第2搬送経路16を構成するガイド16a(図中斜線部で示す)を開く。これにより、第2搬送経路16中で詰まった記録シートを取り除くことができる。この除去操作は、並列配置された各給紙トレイ11、12をユーザーの手前側に引き出すことにより、第2搬送経路16の下方に作業空間を確保した上で行うこととなる。
【0037】
第2搬送経路16の下流側には、比較的少量の記録シートがセットされる手差し給紙ユニット18が設けられている。この手差し給紙ユニット18は、主に、不定形サイズ等の特殊な記録シートをセットして搬送供給するために用いられる。手差し給紙ユニット18からは、第3搬送路21を介して第2搬送路16へと記録シートが搬送供給され、更に第2搬送経路16からプリンタ部2へと記録シートが搬送されて行く。
【0038】
この画像形成装置1は、後処理装置30や大容量給紙ユニット40をオプションで着脱自在に組み合わせることができる。また、図2に示すように原稿読取装置50を組み合わせてシステムアップすることも可能である。
【0039】
大容量給紙ユニット40は、給紙ユニット部3右側に連結される。この大容量給紙ユニット40は、各給紙トレイ11〜14と比べて、大きな容量を持っており、大容量給紙ユニット40から第4搬送経路19を介して第2搬送経路16へと記録シートが搬送供給され、更に第2搬送経路16からプリンタ部2へと記録シートが搬送されて行く。
【0040】
原稿読取装置50は、プリンタ部2の上方に配置され、原稿の読取りを行って、読取った原稿の画像データをプリンタ部2に送るものである、
次に、本実施形態のパンチ装置を適用した後処理装置30について説明する。
【0041】
後処理装置30は、画像形成装置1の排紙部21で逆転搬送された記録シートを受け取るように配置されており、画像形成装置1の操作パネル(図示せず)に対するユーザの入力操作により後処理要求が指示されると、この後処理要求が画像形成装置1の制御部(図示せず)に入力され、これに応答して制御部が後処理装置30を起動制御して、後処理装置30による記録シートの後処理が行われる。後処理装置30による後処理としては、ステープル処理やパンチ処理等が一般的であるが、ここではパンチ処理を行うものとする。
【0042】
図3(a)、(b)は、後処理装置30のパンチ装置を示す側面図及び正面図である。本実施形態のパンチ装置60では、固定された並行な2枚のダイ板61、62からなるダイ63と、ダイ63上方に配置された4本のパンチ64とを有し、各パンチ64を繰り返し上下移動させて、各パンチ64の先端を各ダイ板61、62のパンチ用孔65、66に挿抜させる。記録シートは、矢印Aの方向に搬送されて来て、各ダイ板61、62間を通過し、この通過の途中で各パンチ64が各ダイ板61、62のパンチ用孔65、66に挿抜され、各パンチ64の先端が記録シートを貫通して、記録シートに穿孔が形成される。
【0043】
上側のダイ板61における各パンチ64直下の位置には、それぞれの支持部材67が固定されており、各パンチ用孔65が各支持部材67から上側のダイ板61へと形成されている。各パンチ64は、それぞれのコイルバネ68に挿入され、更に各パンチ用孔65に挿入されて、各パンチ用孔65により上下移動自在に支持されている。各コイルバネ68は、各パンチ64上端の摺接部64aと各支持部材67間に挟み込まれており、各パンチ64が下方に移動したときには、各コイルバネ68が縮小して該各パンチ64を上方に付勢する。
【0044】
また、各パンチ64上方に1本の回転軸71が配置され、この回転軸71に固定された4個の偏芯カム72の周面が各パンチ64の摺接部64aに接している。回転軸71は、両側のフレーム73の軸受け74により回転自在に軸支され、その一端に回転角度センサ75が設けられ、その一端近傍にギア76が固定されている。回転軸71のギア76は、伝達ギア77に歯合しており、伝達ギア77がモータ78のギア79に歯合している。モータ78の出力軸の回転が各ギアを介して回転軸71に減速伝達され、回転軸71が回転する。この回転軸71が回転すると、各偏芯カム72が回転する。各パンチ64の摺接部64aは、各偏芯カム72の回転に伴い、これらの偏芯カム72周面に摺接しつつ、各コイルバネ68の付勢力に抗して下方に押し下げられたり、各コイルバネ68により上方に持ち上げられる。これにより、各パンチ64が繰り返し上下移動される。また、回転角度センサ75は、各偏芯カム72の回転位置を検出しており、この回転角度センサ75により検出された各偏芯カム72の回転位置に基づいて、各パンチ64が下方に移動して記録シートを打ち抜くタイミングが制御される。
【0045】
ところで、パンチ装置60において、各パンチ64が記録シートを貫通する度に、記録シートの打ち抜きくずが生じる。仮に、この打ち抜きくずが各ダイ板61、62のパンチ用孔65、66近傍に散在して残っていたならば、各パンチ64の先端と記録シート間に打ち抜きくずが挟み込まれ、これが穿孔加工不良の原因となる。
【0046】
そこで、本実施形態のパンチ装置60では、図4に示すようにパンチ64の先端面64bに弾性部材からなる突起81を設けている。この突起81は、例えばエステル結合によるポリエステル系ポリウレタンフォーム(株式会社ブリジストンからエバーライトという呼称で提供されている)であり、耐熱性、耐候性、耐薬品性に優れている。
【0047】
また、突起81は、その直径が1.0〜1.5mm程度に設定され、またパンチ64の先端面64bからの突出長さが1.0〜1.5mm程度に設定されている。
【0048】
この弾性部材の突起81は、パンチ64が記録シートPを貫通するときに、記録シートPに押し付けられて一旦縮小し、記録シートPの打ち抜きくずSを押し下げながら伸長するので、記録シートPの打ち抜きくずSをパンチ用孔65、66から確実に押し出す。このため、打ち抜きくずSが各ダイ板61、62のパンチ用孔65、66近傍に散在して残ることはなく、これが穿孔加工不良の原因になることもない。
【0049】
また、パンチ64の先端面64bからの突起81の突出長さを1.0〜1.5mm程度の長めに設定しているので、多量の記録シートの打ち抜きにより突起81の磨耗が徐々に進行したとしても、長期にわたって、突起81による打ち抜きくずの押し出し効果を維持することができる。
【0050】
更に、突起81は、弾性部材であるから、その突出長さが長くても、記録シートPの打ち抜きくずSに突き刺さることはなく、打ち抜きくずの排出が滞ることがない。
【0051】
図5は、本発明のパンチ装置の実施形態2を示す断面図である。本実施形態のパンチ装置60Aも、図3のパンチ装置と同様に、図1の後処理装置30に適用することができる。
【0052】
このパンチ装置60Aでは、2本の回転軸101、102を互いに平行になるように配置し、回転軸101周りでパンチ103の先端103aが円軌道を描いて周回するようにパンチ103を回転軸101に対して直交する向きで固定し、また回転軸102周りに円筒状のダイ104を固定している。そして、各回転軸101、102を矢印方向に同期回転させ、パンチ103の先端103aがダイ104の孔104aに繰り返し挿抜されるようにしている。
【0053】
記録シートが矢印Aの方向に搬送されて来てパンチ103とダイ104間を通過すると、その通過途中でパンチ103の先端103aが記録シートを貫通してダイ104の孔104aに達し、シートに穿孔が形成される。
【0054】
本実施形態でも、図4のパンチ64と同様に、パンチ103の先端面に弾性部材からなる突起111を設けている。この突起111は、図4の突起81と同様の材質及びサイズである。そして、この弾性部材の突起111は、パンチ103が記録シートを貫通してダイ104の孔104aに達するときに、記録シートに押し付けられて一旦縮小し、記録シートの打ち抜きくずを押し下げながら伸長するので、記録シートの打ち抜きくずをダイ104の孔104aから確実に押し出すことができ、また記録シートの打ち抜きくずに突き刺さることもない。
【0055】
また、パンチ103の先端面からの突起111の突出長さを1.0〜1.5mm程度の長めに設定しているので、磨耗が徐々に進行したとしても、長期にわたって、突起111による打ち抜きくずの押し出し効果を維持することができる。
【0056】
更に、突起111の突出長さを長めに設定すると、パンチ103の先端103aがダイ104の孔104aに挿抜されるときに、突起111がダイ104の孔104aの縁等に干渉する可能性がある。しかしながら、突起111が弾性部材であるから、ダイ104の孔104aの縁等に干渉しても、ダイ104等を傷つけたり磨耗させることがない。
【0057】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
【0058】
例えば、パンチ先端面の突起の材質、形状、サイズ等を適宜に変更しても構わない。また、本発明は、パンチもしくはダイの駆動方法に限定されるものではなく、他の駆動方法のパンチ装置においても、パンチ先端面に弾性部材からなる突起を設けることにより、同様の作用効果を達成することできる。あるいは、穿孔数を増減したり、穿孔位置を変更もしくは変更可能にしたりして、利用者の要望に柔軟に応じても良い。更に、本発明のパンチ装置は、画像形成装置もしくは後処理装置だけではなく、他の装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明のパンチ装置の実施形態1を適用した画像形成装置を示す断面図である。
【図2】図1の画像形成装置に原稿読取装置を組み合わせて示す斜視図である。
【図3】(a)、(b)は、図1の画像形成装置に組み合わせて用いられる後処理装置のパンチ装置を示す側面図及び正面図である。
【図4】図3のパンチ装置におけるパンチを拡大して示す側面図である。
【図5】本発明のパンチ装置の実施形態2を示す断面図である。
【図6】従来のパンチ装置を示す断面図である。
【符号の説明】
【0060】
1 画像形成装置
2 プリンタ部
3 給紙ユニット部
4 感光体ドラム
5 帯電ユニット
6 光走査ユニット
7 現像ユニット
8 転写ユニット
9 クリーニングユニット
20 定着装置
30 後処理装置
40 大容量給紙ユニット
50 原稿読取装置
60、60A パンチ装置
61、62 ダイ板
63、104 ダイ
64、103 パンチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイの孔に対してパンチの先端を挿抜し、ダイの孔とパンチの先端間に挿入されたシートに穿孔加工を施すパンチ装置において、
前記パンチの先端面に弾性部材からなる突起を設けたことを特徴とするパンチ装置。
【請求項2】
前記弾性部材は、合成樹脂からなるスポンジであることを特徴とする請求項1に記載のパンチ装置。
【請求項3】
前記ダイは、回転駆動される円筒状本体にパンチの先端が挿抜される孔を形成してなり、
前記パンチは、該パンチの先端が円軌道を描いてダイの円筒状本体の孔に対して挿抜されるように、ダイの円筒状本体の回転に同期して回転駆動されることを特徴とする請求項1に記載のパンチ装置。
【請求項4】
画像形成装置から印刷処理されたシートを受け取り、このシートに対して後処理を施す後処理装置において、
前記シートに対して後処理を施すために請求項1乃至3のいずれか1つに記載のパンチ装置を備えることを特徴とする後処理装置。
【請求項5】
シートを印刷処理し、このシートに対して後処理を施す画像形成装置において
前記シートに対して後処理を施すために請求項1乃至3のいずれか1つに記載のパンチ装置を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−226556(P2009−226556A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−76206(P2008−76206)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】