説明

パーツ供給品

【課題】 構成部位を組み立てるのに必要なパーツのみを集めることができ、容易にパーツを探すことができるようにして、パーツの紛失を防止することができるパーツ供給品を提供する。
【解決手段】 組立模型1における特定の構成部位20を組み立てるためのパーツ301のみを集めて枝状ランナー42で枠状ランナー43に接続して特定パーツ群30を形成しているので、当該構成部位20を組み立てる際のパーツ301を容易に探すことができる。また、パーツ供給品10は、特定パーツ群30の枠状ランナー43同士を切り離し可能に結合して形成されているので、パーツ供給品10から該当する特定パーツ群30を切り離して、必要なパーツ301のみを集めることができる。このため、当該構成部位20を組み立てた後はパーツ301が残っていないので、特定パーツ群30を廃棄することができ、不要な部品を整理できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーツ供給品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、組立模型の構成部位を組み立てる複数のパーツを枝状ランナーで接続したパーツ供給品が知られている(特許文献1)。特許文献1に記載のパーツ供給品では、構成部位である例えば手を組み立てるための複数のパーツとしての各指が、枠状ランナーの内部において手を広げた状態における各指の位置に、枝状ランナーにより取り付けられている。そして、各指が接続されるパーツである手の平を、各指に対する手の平の位置に位置決めして、各指と手の平とを接続する。その後、各指を接続している枝状ランナーを切り離して、手の平に指が接続された手を取り出す。
【0003】
これにより、組立模型の構成部位を容易に組み立てることができ、組立時における間違いや、パーツの紛失ミス等を避けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−107275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述したような従来のパーツ供給品においては、複数の構成部位のためのパーツが混在してパーツ供給品に取り付けられているのが一般的である。このため、例えば手のパーツを使用して手を組み立てた後も、他の構成部位(例えば、脚や頭部等)を構成するためのパーツがある場合、その全ての構成部位の組立が完了するまでパーツ供給品を廃棄することができないため邪魔になるという問題がある。また、パーツ供給品のごく一部にのみパーツが残っている場合には、パーツを探すのが困難であり、誤ってパーツが残っているパーツ供給品を廃棄して、必要なパーツを紛失するおそれもある。
【0006】
そこで、本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、構成部位を組み立てるのに必要なパーツのみを集めることができ、容易にパーツを探すことができるようにして、パーツの紛失を防止することができるパーツ供給品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のパーツ供給品は、組立模型の構成部位を組み立てる複数のパーツを枝状ランナーで接続したパーツ供給品であって、前記組立模型における特定の構成部位を組み立てるための前記パーツのみを集めて前記枝状ランナーで枠状ランナーに接続して特定パーツ群を形成し、複数の前記特定パーツ群の前記枠状ランナー同士を切り離し可能に結合した構成を有する。
【0008】
また、本発明のパーツ供給品は、前記特定パーツ群には、前記構成部位毎に同じアイコンが付されている構成を有することが好ましい。
【0009】
また、本発明のパーツ供給品は、前記アイコンが、前記構成部位を示す図柄を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るパーツ供給品によれば、組立模型における特定の構成部位を組み立てるためのパーツのみを集めて枝状ランナーで枠状ランナーに接続して特定パーツ群を形成しているので、パーツ供給品から該当する特定パーツ群を切り離して、必要なパーツのみを容易に集めることができるとともに、残っているパーツを容易に把握できるので、パーツの紛失を防止することができる。また、当該構成部位を組み立てた後は未使用のパーツは残っていないので、特定パーツ群を廃棄することができ、不要な部品を整理できるパーツ供給品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明にかかる実施形態のパーツ供給品により組み立てられる戦闘人形の全体斜視図である。
【図2】本発明にかかる実施形態のパーツ供給品の平面図である。
【図3】本発明にかかる実施形態のパーツ供給品を分離した状態を示す平面図である。
【図4】A型パーツ供給品を、各特定パーツ群に分離した状態を示す平面図である。
【図5】各構成部位を組み立てるための特定パーツ群を集めた状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1および図2に示すように、本発明にかかる実施形態のパーツ供給品10は、例えば、組立模型である戦闘人形1の構成部位,すなわち、頭部21、胸部22、腕部23、下半身部24、槍25、盾26を組み立てるためのパーツ301を供給するものである。ここでは、A型パーツ供給品10A、B型パーツ供給品10B、C型パーツ供給品10Cの、3種のパーツ供給品10を有する場合について説明する。なお、A型パーツ供給品10A、B型パーツ供給品10B、C型パーツ供給品10Cの全体に共通する場合には、「パーツ供給品10」で表示することとする。
【0013】
図2に示すように、パーツ供給品10は、特定の構成部位20を組み立てるための複数のパーツ301(各部のパーツの総称である。)のみを枝状ランナー42で枠状ランナー43に接続して特定パーツ群30を形成し、複数の特定パーツ群30の枠状ランナー43同士を切り離し可能に結合したものである。例えば、各枠状ランナー43の枠状ランナー43同士を、枝状ランナー44によって結合したり、枠状ランナー43の一部を別(図2においては円形)の枠状ランナー45によって切り離し可能に結合することができる。
【0014】
図3には、各型のパーツ供給品10から、特定パーツ群30を切り離した状態が示されている。各型のパーツ供給品10は、それぞれに、頭部21,胸部22,腕部23,下半身部24,槍25,盾26の内のいくつかの構成部位20を組み立てるための特定パーツ群30を有する。
【0015】
すなわち、図4にも示すように、A型パーツ供給品10Aは、頭部21を組み立てるパーツ311のみからなる頭部特定パーツ群31A、胸部22を組み立てるパーツ321のみからなる胸部特定パーツ群32A、腕部23を組み立てるパーツ331のみからなる腕部特定パーツ群33A、下半身部24を組み立てるパーツ341のみからなる下半身部特定パーツ群34A、盾26を組み立てるパーツ361のみからなる盾特定パーツ群36Aを有する。なお、A型パーツ供給品10Aには、槍25を組み立てるためのパーツ351を有する槍特定パーツ群35は含まれていない。
【0016】
同様に、図3に示すように、B型パーツ供給品10Bは、頭部特定パーツ群31B、胸部特定パーツ群32B、腕部特定パーツ群33B、下半身部特定パーツ群34Bを有し、槍特定パーツ群35Cおよび盾特定パーツ群36Aは含まれていない。また、C型パーツ供給品10Cは、頭部特定パーツ群31C、胸部特定パーツ群32C、腕部特定パーツ群33C、下半身部特定パーツ群34C、槍特定パーツ群35Cを有し、盾特定パーツ群36Aは含まれていない。
【0017】
図4には、A型パーツ供給品10Aを、各特定パーツ群31A〜36Aに切り離した状態が示されている。各特定パーツ群31A〜36Aには、その特定パーツ群30に含まれるパーツ301が、どの構成部位20を組み立てるのに用いられるかを示すアイコン表示部46が設けられている。
【0018】
例えば、頭部特定パーツ群31Aに設けられているアイコン表示部46は、頭部21を示すアイコン461が表示されている。アイコン461としては、例えば、頭部21の図柄や名称等を,抜き絵で表示することができる。他の特定パーツ群30では、それぞれの図柄や文字等が表示されており、異なる特定パーツ群30には、異なる表示が設けられている。
【0019】
なお、図示はしないが、B型パーツ供給品10BおよびC型パーツ供給品10Cにおいても同様に、アイコン表示部46が設けられており、同じ構成部位20に対する特定パーツ群30については、全てのパーツ供給品10において同じアイコン461が設けられている。
【0020】
従って、各構成部位20を組み立てる際には、各型のパーツ供給品10から切り離した特定パーツ群30の内の、同じ特定パーツ群30を集めることにより、必要なパーツ41が揃う。すなわち、各特定パーツ群30のアイコン表示部46に表示されているアイコン461が同じものを集めることにより、必要なパーツ41が揃う。
【0021】
例えば、図5(A)に示すように、頭部21を組み立てる際には、A型パーツ供給品10Aから頭部特定パーツ群31Aを、B型パーツ供給品10Bから頭部特定パーツ群31Bを、C型パーツ供給品10Cから頭部特定パーツ群31Cを持ってくる。これにより、頭部21の組立に必要なパーツ311は、全て揃い,且つ、他の構成部位20のためのパーツ301は含まれない。
【0022】
また、図5(B)ないし(F)に示すように、他の構成部位20についても、各特定パーツ群30のアイコン表示部46に表示されているアイコン461が同じものを集めることにより、必要なパーツ41が揃うことは、全く同様である。なお、図5(E)および(F)に示すように、単一の特定パーツ群30のみ用いられる場合もある。
【0023】
以上、説明した実施形態にかかるパーツ供給品10によれば、戦闘人形1における特定の構成部位20を組み立てるためのパーツ301のみを集めて枝状ランナー42で枠状ランナー43に接続して特定パーツ群30を形成しているので、この構成部位20を組み立てる際のパーツ301を容易に探すことができる。また、パーツ供給品10は、特定パーツ群30の枠状ランナー43同士を切り離し可能に結合して形成されているので、パーツ供給品10から該当する特定パーツ群30を切り離して、必要なパーツ301のみを容易に集めることができるとともに、組み立て作業の進捗状況を容易に把握できる。このため、当該構成部位20を組み立てた後はパーツ301が残っていないので、特定パーツ群30を廃棄することができ、不要な部品を整理できる。
【0024】
また、特定パーツ群30には、組み立てる構成部位20毎に同じアイコン461が付されているので、パーツ供給品10から特定パーツ群30を切り離し、同じアイコン461を有する特定パーツ群30を集めることにより、当該構成部位20を組み立てるためのパーツ301を容易に集めることができ、作業性が向上する。
【0025】
さらに、アイコン461が、構成部位20を示す図柄を有するので、パーツ供給品10から特定パーツ群30を切り離した後でも、その特定パーツ群30がどの構成部位20の組み立てに用いるパーツ301であるか容易に識別できる。
【0026】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明に係るパーツ供給品10は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変化が可能である。すなわち、前述した実施形態では、組立模型として戦闘人形1を組み立てるのに用いられるパーツ供給品10について例示したが、これに限るものではなく、複数の構成部位20を有する組立模型に適用可能である。
【符号の説明】
【0027】
1 戦闘人形(組立模型)
10 パーツ供給品
20 構成部位
30 特定パーツ群
301 パーツ
42 枝状ランナー
43 枠状ランナー
461 アイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立模型の構成部位を組み立てる複数のパーツを枝状ランナーで接続したパーツ供給品であって、
前記組立模型における特定の構成部位を組み立てるための前記パーツのみを集めて前記枝状ランナーで枠状ランナーに接続して特定パーツ群を形成し、
複数の前記特定パーツ群の前記枠状ランナー同士を切り離し可能に結合したパーツ供給品。
【請求項2】
請求項1において、
前記特定パーツ群には、前記構成部位毎に同じアイコンが付されているパーツ供給品。
【請求項3】
請求項2において、
前記アイコンは、前記構成部位を示す図柄を有するパーツ供給品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−130718(P2012−130718A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−23569(P2012−23569)
【出願日】平成24年2月7日(2012.2.7)
【分割の表示】特願2010−207232(P2010−207232)の分割
【原出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)
【Fターム(参考)】