説明

ヒップアップ効果・脳力活性・腰痛改善等クッション

【課題】必要かつ十分な座圧分散効果と点圧(指圧)効果を同時に両立させ、事務や勉学等の長時間座位を取る人達等に起こる腰痛、脳効率の低下、お尻(臀部)のたるみ及び背筋等の歪みといった身体的・精神的苦痛やストレスを解決できるクッションを提供する。
【解決手段】天然ゴム等により成形したソフトゴム球体1と遠赤外線体等を、ソフトゴム球体固定袋7を用いて一体的に組み合わせ、遠赤外線体等の分量調整をコントロールできるようにして、適切な遠赤外線及び磁力効果によるお尻(臀部)等の血行促進、血管及び皮膚の圧迫による細胞破壊(床ずれ等)防止及び緩和を図って座圧分散効果をより高め、長時間の座位や同一姿勢によっても座圧分散効果を失うことなく、同時にソフトゴム球体による適切かつ十分な反発力による点圧(指圧)効果を得られるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、お尻の垂れ下がりやたるみ、背筋の歪み等臀筋及びその周囲筋に衰えを持つ人、事務作業(デスクワーク)を行う人、学業を行う人、交通機関等で移動を行う人、そして家庭での趣味(ゲーム等)を継続して行う人等が、身体的筋肉の衰えによるお尻の垂れ下がりやたるみ、また長時間それらによって座り続ける姿勢や同一の姿勢をとり続けることで発症する腰痛や血管及び皮膚の圧迫による細胞破壊(床ずれ)等の身体的及び精神的苦痛やストレスを、主に臀筋及び背筋を強化して骨盤を修正し安定化を図ることで改善させるとともに、脳の神経細胞ネットワークをも改善することで脳の本来の活性化を図った、ヒップアップ効果・脳力活性・腰痛改善等クッションに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のクッションには、マッサージ効果や指圧効果を得るための容易なマットを成形できるようにしたクッションマットがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、座圧分散効果を目的として、可とう性材料を用いて空気の出し入れを自由に行える扁平形のビニール製の小袋を縦横に3、4個一体的に連結(溶着又は接着)したものがある(例えば、特許文献2参照。ただし、出願審査は未請求。)。
【0004】
また、合成樹脂等の小玉を大きな袋に封入してクッション作用を持たせるとともに、小玉同士が自由に動くようにして少しの身体の動きにも合うようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
さらにマットとして、粒子状樹脂材を、上に人が寝たときに身体にフィットした支持面を作るように移動する球状や楕円体状に形成することにより、背骨に負担をかけずに好ましい寝姿勢を保ち、床ずれが起きず快適で通気性に富むようにしたマットがある(例えば特許文献5参照。)。
【0006】
一方、特定値の球体を合成樹脂で多数形成し、その表面に特定直径のトルマリン微粉末を一定厚みの層になるように付着させて構成することにより、効率よく多量のマイナスイオンを持続性よく発生可能にさせる枕がある(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
また、逆半球径状の永久磁石を突球面部を下に向けて裏地の外表面に分布配置して接着し、これらを覆うカバー布との位置がずれないようにした磁気掛け布団がある(例えば、特許文献4参照。)。
【0008】
市販物としては、座圧分散を図ったエアマット及びウレタン製マットがあり、一方で点圧(指圧)効果を図った点圧マット等が数多く見受けられる(例えば、非特許文献1参照)
【特許文献1】特許登録2787424
【特許文献2】特許公開平7−275090
【特許文献3】特許公開2002−58732
【特許文献4】特許公開昭61−82643
【特許文献5】特許公開平10−313979
【非特許文献1】「株ケープ ホームページ ウレタンマットアイリス2」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のクッション等には、座圧分散効果を重視して、直接接触するお尻の血管や皮膚の細胞破壊(床ずれ等)を起こさないようにしたものが多いが、エアマットやエアソファ等では空気調節機能を持つ装置が必要であり、水マットでも水量調節装置とともに湿気・結露対策のための除湿装置も必要となる。
【0010】
またウレタンマットのような低反発のものは、材料が高価なために除湿対策がシート等において必要となる。しかも、これらは座圧分散だけにしか効果がなく、座圧の偏りや腰痛の主原因である骨盤を支える臀筋の低下(廃用性萎縮)には対応できない。
【0011】
そのため、球状体による点圧(指圧)効果により身体の疲れを回復しようとする点圧クッションや点圧マットも出ているが、それらは逆に座圧分散効果を減らしたり十分に考慮していないために、結局はお尻の血管や皮膚の圧迫による細胞破壊(床ずれ)を改善できないばかりか、点圧(指圧)効果においても、点圧部にハードな素材を用いかつ直接皮膚に接しなければ十分な指圧効果は得られなかった。
【0012】
なお、上記背景技術にある「特定値の合成樹脂の球体の表面にトルマリンを付着させて、マイナスイオン効果を求めた」事例では、頭部の重さだけでは遠赤外線は発生せず、また自由かつ容易にトルマリンの分量を調整することは不可能である。
【0013】
以上のように、座圧分散効果を考えた場合には十分な柔らかさが必要となるが、それでは点圧(指圧)効果は全く期待できない。その一方で、十分な点圧(指圧)効果を1点圧クッションで求めると、今度は座圧分散効果が不十分となる。
【0014】
さらに、十分な点圧(指圧)効果と座圧分散効果を同時に併せ持ったクッションの類のものはないために、長時間座圧を受ける場合や同一姿勢をとり続けるデスクワークを行う人や学業をする人等は、腰痛及びお尻の血管や皮膚の圧迫による細胞破壊(床ずれ)といった身体的及び精神的苦痛だけでなく、それらに伴う脳の思考力の低下等やストレスをも常に発生させていた。
【0015】
そもそも人間の身体は、背骨(頸椎、腰椎、骨盤)によって支えられており、その背骨を安定させて自由自在に動かせるようにしているのが、お腹や背中、お尻の筋肉(腹筋、背筋、臀筋)であるために、長時間座り続ける姿勢や同一の姿勢をとり続けると、座圧が偏って腰椎や骨盤を支えている筋肉(背筋、臀筋)に不均一な負担がかかりすぎ腰痛とお尻の皮膚の血管圧迫による細胞破壊(床ずれ)が発生していた。
【0016】
さらに、身体のバランスを取ろうと他の筋肉の負担も偏って増加し過度の緊張状態となるばかりか、床ずれ部位が拡大し、結果として身体的及び精神的ストレスも同時に発生していた。
【0017】
現在では、腰痛の危険因子には、前述の(1)悪い姿勢、(2)筋力(背筋、腹筋、臀筋)の低下と(3)ストレス、が大きな影響を与えることが医学的にわかっている。
【0018】
その中でも、特に臀筋(大臀筋、中臀筋)は、身体の土台となる骨盤の安定に最も重要な役割を持っているため、座り方を改善(座圧を均一にし、かつ均等に分散させる)することは、臀筋の強化によるお尻のたるみを改善するとともに、腰痛や腰痛によって影響される他の筋肉の痛みや疲労、また身体的及び精神的ストレスを改善するのみならず、臀筋や背筋の低下(廃用性萎縮)に係わる脳の神経細胞ネットワークの改善によって脳の活性化をも改善することとなる。
【0019】
本発明は、従来のクッション等が不十分としていた座圧分散効果と点圧(指圧)効果の二つの効果を両立させ併せ持たせたことで、これらの効果を同時に適切かつ最大限に発揮させることができただけでなく、空気や水等の諸調節装置を不要とし、また高価な低反発ウレタン材等を用いることなく容易に臀筋等の強化を図れるので、お尻のたるみ、腰痛や血管及び皮膚の圧迫による細胞破壊(床ずれ)の予防・改善だけでなく、身体的及び精神的ストレスを改善し、脳の活性化をも図れる等の効果と特徴を持ったクッションの実現を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題にあるお尻のたるみや背筋等の歪み、長時間座圧を受ける場合や同一姿勢をとり続けると発生する腰痛や血管及び皮膚の圧迫による細胞破壊(床ずれ)等を解決するという上記目的を達成するためには、座圧分散効果を十分に維持しながら、同時に適切な点圧(指圧)効果を与えることによって臀筋及び背筋等を強化することが必要となる。
【0021】
そのために、天然ゴムあるいは合成ゴムあるいは合成樹脂あるいは天然繊維あるいは化学繊維等により成形したソフトゴム球体と遠赤外線体等を、ソフトゴム球体固定袋を用いて一体的に組み合わせ、遠赤外線体等の分量調整をコントロ−ルできるようにして、適切な遠赤外線及び磁力効果を発揮させてお尻等の血行促進、血管及び皮膚の圧迫による細胞破壊(床ずれ等)防止及び緩和を図って座圧分散効果をより高め、長時間の座位や同一の姿勢によっても座圧分散効果を失うことなく、同時にソフトゴム球体の反発力による点圧(指圧)効果を十分に得られるようにする。
【0022】
これにより、骨盤を支える臀筋や背筋が強化活性されて、特に骨盤が安定し修正されることから、背筋等の歪みやお尻のたるみだけでなく、腰痛等の身体的及び精神的苦痛やストレスを改善させ、さらに脳神経細胞ネットワークの活性にも寄与することとなる。
【0023】
あるいは短時間であっても、遠赤外線体等の効果を自由かつ適切にコントロールできるので、ソフトゴム球体の弾力性(反発力)の硬度(強さ)を適切かつ容易に高めることができることとなり、結果としてお尻の血管圧迫や皮膚の細胞破壊(床ずれ)等を起こすことなく、点圧(指圧)効果を最大限に発揮させることができる。
【0024】
すなわち、遠赤外線体等をソフトゴム球体の内部に含めたり、あるいは表面部に接着させたりするだけでなく、ソフトゴム球体固定袋を用いて一体的に組み合わせることで、従来の発明にはなかった遠赤外線体等の分量調整を自由にコントロールして、座圧分散効果と点圧(指圧)効果の二つを同時に適切かつ十分(最大限)に発揮させ活用できるようにしているのである。
【0025】
なお、遠赤外線は、ソフトゴム球体固定袋と座圧による摩擦熱と、その球体の弾力性(反発力)による圧力によって体温と同程度以上に上昇して放射することととなり、その結果、お尻の血流を促進させたり皮膚の細胞を暖めることで細胞活性を助成する。
【0026】
また、併せて身体に安全なレベルでの磁力は、血流を促進させることが明らかであることから、結果として点圧(指圧)効果をより高めることが可能となる。
【0027】
ところで、ソフトゴム球体は主に直径2,3〜10センチメートル程度とする。これは、お尻の大きさ程のものでは、適切な点圧力が働かないので十分な指圧力(指圧効果)も得られず、また小さすぎては座圧分散ができないので、上記直径のものを使用する(例えばピンポン玉からテニスボール程)。
【0028】
以下に実施手段の具体的な一例を示すが、本発明はこれに限られるものではない。
【0029】
まずソフトゴム球体(以下の例は非中空型の場合とする。)を一定数個、中仕切のあるメッシュ等袋(袋状でなくとも良い。)に入れ、ハニカム状の固定状態とする。
【0030】
このとき、メッシュ等袋の上面部と下面部に、遠赤外線体等(例えば備長炭と磁性粉末。)を内包した不織布袋(不織布でなくとも飛散しないものであれば天然繊維物や合成繊維物でも良い。以下「不織布袋」という。)を縫い付けたり接着する等の方法で一体的にする。これがソフトゴム球体固定袋である。
【0031】
これらを、天然繊維である木綿等や合成繊維であるポリエステル等による柔かな緩衝材とともに表皮カバーで包み込み、心地よいクッションとして成形して仕上げる。なお、ソフトゴム球体固定袋の取出口はマジックテープあるいはファスナーあるいは紐絞り仕上げとし、ソフトゴム球体が取り出しやすいようにする。
【0032】
ところで、ソフトゴム球体は、中空型の場合、使用者の身体力を考慮した一定の空気圧と直径とし、非中空型の場合も天然ゴムや合成樹脂等による弾力性や直径を使用者の身体力を考慮して決定する。
【0033】
一方、上記ソフトゴム袋体を事務用、勉強用等の椅子の座部や背もたれ部に収納し、上記同様の緩衝材や表皮カバーで覆うことで本発明を用いた椅子となる。
【0034】
以上により、遠赤外線体等によるお尻の血流促進や皮膚の細胞活性等の効果が発揮され、座圧分散効果が持続されて、長時間の座圧あるいは同一姿勢の維持が可能となり、結果としてソフトゴム球体の持つ均等な反発力が指圧力(点圧力)となって臀筋及び背筋等を直接刺激することで、それら筋肉が強化活性(廃用性萎縮の改善)され、特に骨盤が安定し歪みも修正されることから、お尻のたるみの改善だけでなくその血行促進や皮膚の細胞破壊(床ずれ)、腰痛や身体的及び精神的苦痛・ストレスが改善される。
【0035】
さらに、臀筋や背筋等が正常となることで脳神経細胞ネットワークの活性にも寄与することとなる。
【0036】
加えて、航空機や鉄道等の交通機関によるエコノミー症候群に対しても、臀筋及びその周囲の筋肉、特に大腿筋等をも強化することとなるので、下半身部の血行促進を促すだけでなく、遠赤外線体等によっても下半身部につながる血管等の血行促進を促すこととなるので、十分なエコノミー症候群の予防となる。
【発明の効果】
【0037】
本発明の効果は、ソフトゴム球体と遠赤外線体等をソフトゴム球体固定袋を用いて一体的に組み合わせたことで、遠赤外線体等の分量調整を自由にコントールできることとなり、適切な遠赤外線効果や磁力効果を得て、結果として座圧分散効果と点圧(指圧)効果を同時にかつ適切(最大限)に発揮させられるようにしたことである。
【0038】
具体的には、従来のクッションやマット等(空気用、水用及び低反発素材を含む。)では、お尻の血管や皮膚の圧迫による細胞破壊(床ずれ)は防止されるが、お尻(臀部)のたるみや背筋の歪み、さらに腰痛の主原因となる骨盤の臀筋の衰えや苦痛・ストレス、そして脳神経ネットワークの改善は全くできなかった。
【0039】
また、従来の点圧クッションやマット等による点圧(指圧)効果は、点圧部をハードな素材としたり、直接皮膚に接することで得られ、また筋肉への刺激による改善効果はあるものの十分な座圧分散効果は全く期待できないため、点圧部の血管や皮膚への圧迫が強くなり、細胞破壊(床ずれ)が発生していた。
【0040】
そこで、本発明は、ソフトゴム球体固定袋を用いて遠赤外線体等の分量調整を自由にコントロールし、適切な遠赤外線効果や磁力効果を得てお尻の血流促進及び皮膚の細胞活性等を図ることで、お尻の血管や皮膚の細胞破壊(床ずれ)等を防止したり緩和して座圧分散効果を維持しながら、同時に適切かつ十分なソフトゴム球体の反発力を点圧(指圧)効果として得られるようにしている。
【0041】
そして、その点圧(指圧)効果は、お尻の臀筋及び背筋等を直接かつ十分に刺激し、それら筋肉が強化活性(廃用性萎縮の改善)されて、特に骨盤が安定し歪みも修正されることから、お尻のたるみの改善だけでなく、腰痛や身体的及び精神的苦痛やストレスが改善され、また臀筋や背筋等が正常となることで脳神経細胞ネットワークの活性にも寄与することとなり、加えて下半身部の血行促進を促すこととなるのでエコノミー症候群の予防ともなる。
【0042】
さらに、十分な遠赤外線は身体深部にまで浸透するから、特に女性の冷え症の緩和に効果をもたらし、加えて磁力はその血行促進作用によってこの効果を側面から支援することとなるだけでなく、ソフトゴム球体の非中空型を用いれば、従来のエアクッションやエアマット等に見受けられる空気調節装置が不要となるだけでなく、半永久的に長期間の機能維持が可能となる。
【0043】
また、使用者の発汗対策についても、ソフトゴム球体固定袋の遠赤外線体である木炭や竹炭等の持つ吸湿機能が十分働くこととなる。
【0044】
一方、ソフトゴム球体の交換あるいはセッティング時において、ソフトゴム球体固定袋の中のメッシュ等袋に数列程度の中仕切を設けることで、交換したいソフトゴム球体の列だけに作業を集中できるという効率的な機能を発揮させることができる。これがソフトゴム球体固定袋(セパレートタイプ)。
【0045】
これに対し中仕切を設けずに、ソフトゴム球体を一度に包み込んだメッシュ等袋に、遠赤外線体等を内包した不織布袋を縫い合わせる等したものをソフトゴム球体固定袋(オープンタイプ)とする。
【0046】
なお、水クッション等と比較しても、水量調節装置や湿気・結露対策用の除湿装置や除湿シートが不要となる。
【課題を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図12に基づいて説明する。ただし、本発明はこれらに限るものではない。
【0048】
まず、ソフトゴム球体の種類とその構造の実施例を図1から図5に基づいて説明する。
【0049】
図1は、実施例1としての中空型のソフトゴム球体1−aであり、中空部2の外側に単純に天然ゴム、合成ゴム、軟質系合成樹脂、天然繊維あるいは天然繊維を素材としたソフトゴム(以下「ソフトゴム」という。)3を用いたものである。
【0050】
図2は、実施例2としての中空型のソフトゴム球体1−bであり、中空部2のすぐ外側をソフトゴム3で覆い、さらにその外側は遠赤外線体等4をフェルト系繊維物又は接着等によって貼り付けたものである。
【0051】
図3は、実施例3としての中空型のソフトゴム球体1−cであり、中空部2に遠赤外線体等4を含ませ、そのすぐ外側にソフトゴム3を用いたものである。
【0052】
図4は、実施例4としての非中空型のソフトゴム球体1−dであり、ソフトゴム3に遠赤外線体等4を混ぜて一体的にしたものである。
【0053】
図5は、実施例5としての非中空型のソフトゴム球体1−eであり、ソフトゴム3を用いて球体としたそのすぐ外側に遠赤外線体等4をフェルト系繊維物又は接着等によって貼り付けたものである。
【0054】
なお、これら以外に非中空型のソフトゴム3だけを用いても良い。
【0055】
次に、ソフトゴム球体1−a〜1−e(以下便宜上それらを「ソフトゴム球体1」と称する。)を一体的に固定するソフトゴム球体固定袋(オープンタイプ)6と同(セパレートタイプ)7及び、本発明のクッション11を成形するに至る形態を図6から図8に基づいて説明する。
【0056】
図6は、本発明におけるソフトゴム球体1を、一体的に固定するために用いるソフトゴム球体固定袋(オープンタイプ)6の実施例の平面外観図である。この固定袋6は天然繊維あるいは合成繊維等で作られたメッシュ状(上部のみをメッシュ状としたもの、一部分だけをメッシュ状としたもの及び非メッシュ状のものも含む。以下略する。)の袋としたメッシュ等袋8に、ソフトゴム球体1の全部を一緒に内包し、それに遠赤外線体等4を内包した不織布袋14を縫製したり接着したりして一体的に取り付けたものである。この固定袋6によって、ソフトゴム球体1は緩やかにも一体的にハニカム構造を形成する。
【0057】
図7は、ソフトゴム球体固定袋(セパレートタイプ)7の実施例の平面外観図である。これは、上記メッシュ等袋8の中に主としてメッシュ状の中仕切10を設けたメッシュ等袋(中仕切付き)9によるソフトゴム球体固定袋(セパレートタイプ)7であり、この中仕切10の伸縮性によってソフトゴム球体1をかなり一体的に固定することができるだけでなく、その交換時にも簡便さを発揮するものである。
【0058】
図8は、本発明におけるクッション11の実施例の平面図である。まずソフトゴム球体1をメッシュ等袋(中仕切付き)9に包み、その上部及び下部(一方の場合も含む。以下略する。)に、不織布袋14を縫製あるいは接着等により一体的に取り付けてソフトゴム球体固定袋(セパレートタイプ)7としたものを、天然繊維あるいは合成繊維等で成形した緩衝材12で包み、さらにそれらを同様の素材で成形した表皮カバー13で包み込むことで、本発明の一つの形態となるクッション11ができる。
【0059】
図9は、図8にある本発明のクッション11の実施例1のAA断面図である。ただし、不織布袋14を用いずに、ソフトゴム球体1に既に遠赤外線体等4が含まれている場合のクッション11のAA断面図である。
【0060】
まず、遠赤外線体等4の含まれたソフトゴム球体1をメッシュ等袋9で包み込んでソフトゴム球体固定袋(セパレートタイプ)7とし、それを緩衝材12で包み込み、さらにそれを表皮カバー13で包んだもので、座圧及びソフトゴム球体1の反発力が遠赤外線体等4に直接に作用することで血行・血流促進や細胞活性等を促し、結果として十分な座圧分散効果だけでなく、遠赤外線効果をも期待できることとなる。
【0061】
図10は、同クッション11の実施例2のAA断面図であり、不織布袋14をメッシュ等袋9の上部及び下部に取り付けてソフトゴム固定袋(セパレートタイプ)7とした場合のものである。
【0062】
この場合、ソフトゴム球体1は遠赤外線体等4を含ませても含ませなくともよく、いずれにしてもソフトゴム球体固定袋(セパレートタイプ)7の遠赤外線体等4によってその効果はなくならない。この場合の特徴は、不織布袋14にある遠赤外線体等4を交換し易くなることと、その分量を換えて調整することで効果の度合いを適切に調整できることにある。
【0063】
図11は、同クッション11の実施例3のAA断面図であり、ソフトゴム球体1をメッシュ等袋9を用いたソフトゴム球体固定袋(セパレートタイプ)7の中に、遠赤外線体等4を専用の球体とした遠赤外線体等球体5を一緒に混ぜた場合のものである。
【0064】
これは、粉末状の遠赤外線体等4として取扱うことを嫌う利用者のために、扱いやすい小粒状とし、ソフトゴム球体1と同様の扱いができるようにしたものである。
【0065】
図12は、同クッション11の実施形態を示す事務用あるいは勉強用等に用いる椅子15の断面図であり、まず座部19において、ボード17の上部にソフトゴム球体1あるいはソフトゴム球体固定袋(セパレートタイプ)7を設置し、それらを緩衝材12及び表皮カバー13で包み込むようにしている。そして、その端とボード17の裏面にびょう18等で固定することで本発明のクッション11を応用した椅子15となる。
【0066】
この椅子15の場合、単に上記クッション11を使用する場合に比して、その交換に多少の手間を要するが、固定感の充実を図ることができるので、かなりしっかりとした椅子15が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明におけるソフトゴム球体の種類と構造の実施例1の断面図。
【図2】同実施例2の断面図。
【図3】同実施例3の断面図。
【図4】同実施例4の断面図。
【図5】同実施例5の断面図。
【図6】本発明におけるソフトゴム球体固定袋(オープンタイプ)の実施例の平面外観図。
【図7】本発明におけるソフトゴム球体固定袋(セパレートタイプ)の実施例の平面外観図。
【図8】本発明におけるヒップアップ・脳力活性・腰痛改善等クッションの実施例の平面図。
【図9】同クッションの図8における実施例1のAA断面図。
【図10】同クッションの図8における実施例2のAA断面図。
【図11】同クッションの図8における実施例3のAA断面図。
【図12】本発明の実施形態を示す事務用あるいは勉強用等に同クッションを用いた椅子の断面図。
【符号の説明】
【0068】
1 ソフトゴム球体(1−a〜1−eまでのソフトゴム球体の総称)
1−a ソフトゴム球体(中空型・ソフトゴム)
1−b ソフトゴム球体(中空型・ソフトゴム・遠赤外線体等)
1−c ソフトゴム球体(中空型・ソフトゴム・遠赤外線体等入り)
1−d ソフトゴム球体(非中空型・遠赤外線体等入りソフトゴム)
1−e ソフトゴム球体(非中空型・ソフトゴム・遠赤外線体等)
2 中空部
3 ソフトゴム
4 遠赤外線体等
5 遠赤外線体等球体
6 ソフトゴム球体固定袋(オープンタイプ)
7 ソフトゴム球体固定袋(セパレートタイプ)
8 メッシュ等袋
9 メッシュ等袋(中仕切付き)
10 中仕切
11 本発明におけるクッション
12 緩衝材
13 表皮カバー
14 不織布袋
15 椅子
16 座部
17 ボード
18 びょう
19 背もたれ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直径が主に2、3〜10センチメートル程度のソフトゴムの球状体(天然ゴムあるいは合成ゴムあるいは軟質系合成樹脂あるいは天然繊維あるいは化学繊維等によって弾力性を有する球状あるいは半球状に成形された中空型及び非中空型のものをいい、以下「ソフトゴム球体」とする。)と、遠赤外線体(遠赤外線セラミクス、木炭や竹炭等の炭化物、あるいは鉱物で、およそ遠赤外線を発する物質であって粉末状、微粒子状あるいは平板状等のものをいい、以下略する。)あるいは磁性体(磁力を有する物体で、例えば希土類系磁石やフェライト系磁石等の磁石であって粉末状、微粒子状あるいは平板状等のものをいい、以下略する。)を、天然繊維あるいは化学繊維(合成繊維・合成樹脂材等を含む。以下略する。)で作られた主に袋状物(以下「ソフトゴム球体固定袋」という。)等を用いて一体的になるように組み合わせ(包込み等を含み以下略する。)、さらにそれらを上記素材等で柔軟材とした緩衝材及び表皮カバーを用いて、心地よくなるように成形したヒップアップ効果・脳力活性・腰痛改善等クッション(座布団、シート、マット及び枕の類を含む。また方形、円形、長形等全ての形状を含み以下略する。)
【請求項2】
ソフトゴム球体と、遠赤外線体あるいは磁性体(以下「遠赤外線体等」という。)を一体的に組み合わせ、遠赤外線体等の分量調整をコントロールできるようにして座圧分散効果と点圧(指圧)効果が適切かつ最大限の同時効果となるようにしたことで臀筋あるいは背筋等がより強化され、骨盤の歪みが修正されたり骨盤が安定して腰痛を改善(廃用性萎縮の改善)するだけでなく、臀筋に付随した筋肉等の強化も図られることでお尻のたるみ等の改善となるヒップアップ効果を促し、またそれら筋肉の強化によって脳の神経細胞ネットワークの衰えをも活性させる等の身体的及び精神的苦痛・ストレスを緩和、改善及び活性させるだけでなく、エコノミー症候群の予防等も図れるようにしたことを特徴とする請求項1記載のヒップアップ効果・脳力活性・腰痛改善等クッション。
【請求項3】
ソフトゴム球体と遠赤外線体等を一体的に組み合わせるために、ソフトゴム球体を主にメッシュ状の袋(以下「メッシュ等袋」という。)に包み込み、そのメッシュ等袋と、遠赤外線体等を内包させた袋(以下「不織布袋」という。)を縫製や接着等により一体的にしたことを特徴とする請求項1記載のヒップアップ効果・脳力活性・腰痛改善等クッションに用いるソフトゴム球体固定袋(オープンタイプ)。
【請求項4】
ソフトゴム球体を、メッシュ等袋の中で数個のグループ分けとして収納できるように主にメッシュ状の中仕切を設けたことを特徴とする請求項1記載のヒップアップ効果・脳力活性・腰痛改善等クッションに用いるソフトゴム球体固定袋(セパレートタイプ)。
【請求項5】
不織布袋の遠赤外線体等の分量調節を自由にすることでその効果をコントロールし、結果として座圧分散効果と点圧(指圧)効果をも同時にコントロールできるようにしたことを特徴とする請求項1記載のヒップアップ効果・脳力活性・腰痛改善等クッション及びその不織布袋。
【請求項6】
上記請求項1記載のクッションを椅子や座席シートの座部や背もたれ部等に用いて、長時間の事務作業、学業及びプライベート時、さらには交通機関等での移動時において上記請求項2記載の特性及び効果を持たせたことを特徴とする椅子(リクライニング式椅子、座用椅子、座席シート、ソファ等を含み以下略する。)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−6234(P2008−6234A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−201275(P2006−201275)
【出願日】平成18年6月27日(2006.6.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(504252352)
【Fターム(参考)】