説明

ヒト胎児肝臓幹細胞を注射した免疫不全動物において抗体を産生するための方法

本発明は、免疫不全非ヒト動物からヒトモノクローナル抗体を産生するための方法に関連し、該方法は、免疫移植非ヒト動物(再構成動物)を作製するために新生免疫不全非ヒト動物をヒト胎児肝臓幹細胞(FL細胞)と接触させる段階、続いて該再構成動物を抗原と接触させる段階、該再構成動物から該抗原に対するヒト抗体を産生するヒト細胞を収集する段階、および該抗体産生細胞から該抗体を単離する段階を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗体の産生のための方法、抗体産生細胞の組成物、それらの産生および使用のための方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
モノクローナル抗体(MAB)は長い間、癌、感染症、または自己免疫疾患等の免疫治療において特効薬と見なされてきた。しかしながら、ヒトで使用された第1世代のネズミ抗体は、ヒトの抗マウス免疫応答によりむしろ不成功であった。
【0003】
ヒト抗体は、多くの場合、限定されたセットのヒトIg遺伝子を持つトランスジェニックマウスに由来するか、またはファージディスプレイ、イーストディスプレイもしくは類似の組み換え技術を使用した大規模な人工的抗体ライブラリーから選択されるかのいずれかである。これらのストラテジーは、ヒトバックグラウンドでモノクローナル抗体に対するいかなる免疫反応をも除去するように、設計されている。ヒト抗体は、免疫処置時に内在性の免疫グロブリン産生の非存在下でヒト抗体を産生することが可能なトランスジェニック動物(例えば、マウス)で産生されうる。そのような生殖細胞系トランスジェニックマウスにおいて、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン遺伝子アレイの伝達は、抗原投与時にヒト抗体の産生をもたらす(例えば、van Dijk, M. A. and van de Winkel, J. G., Curr. Opin. Chem. Biol. 5 (2001) 368-374(非特許文献1); Jakobovits, A., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90 (1993) 2551-2555(非特許文献2); Jakobovits, A., et al., Nature 362 (1993) 255-258(非特許文献3); Bruggemann, M., et al., Year Immunol. 7 (1993) 33-40(非特許文献4)参照)。ヒト抗体はまた、ファージディスプレイライブラリーにおいても産生されうる(Hoogenboom, H. R. and Winter, G., J. Mol. Biol. 227 (1992) 381-388(非特許文献5); Marks, J. D., et al., J. Mol. Biol. 222 (1991) 581-597(非特許文献6))。Cole et al. およびBoener et al.の技術もまた、ヒトモノクローナル抗体の調製のために利用可能である(Cole et al., Monocolonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, p. 77 (1985) (非特許文献7);およびBoerner, P., et al., J. Immunol. 147 (1991) 86-95(非特許文献8))。しかしながら、そのようなトランスジェニックマウスは、形質移入された免疫グロブリン遺伝子アレイに起因する、限定されたヒトIg遺伝子のセットを持つ抗体を提供することのみが可能である。
【0004】
ヒト免疫グロブリン遺伝子のためのマウストランスジェニックベースの方法論により、ネズミまたはマウス-ヒトキメラ抗体と比較して、結果として得られる抗体薬物の免疫抗原性の減少が報告されている、ヒト生殖細胞系配列由来の抗体の生成が許容される。しかしながら、トランスジェニックマウス由来のヒト抗体は、天然のヒト免疫レパートリーと比較して、その多様度、親和性および特異性において限定されている。
【0005】
同様に、ファージまたはイーストディスプレイベースの結合ライブラリーアプローチの主要な欠点は、抗体重鎖および軽鎖の無作為な対合である。本来の抗体重鎖および軽鎖対合の解離、非同族対により高い親和性を持つ抗体重鎖および軽鎖対合を同定するために多数のクローンをスクリーニングする必要がある。加えて、そのような非同族対により、ヒト自己抗原に対する望ましくない交差反応を呈する可能性がある。最後に、結合ライブラリーのセレクションおよびスクリーニングにより同定された標的特異的抗体の遺伝学的多重度は、生来のセレクションバイアスにより一般に限定される。
【0006】
Traggai, E. et al., Science 304 (2004) 104-107(非特許文献9)は、ワクチンまたは活性型感染性病原体およびヒト免疫系を標的にする薬学的組成物に対する反応を評価するための前臨床モデルとして使用されうる、ヒト臍帯血を移植されたRag2-/-γc-/-マウスにおけるヒト免疫系の発達のための方法を記載している。再構成され、続いて病原体をワクチンされたマウスは、低レベルで破傷風類毒素特異的抗体反応を産生しうることが示された。
【0007】
【非特許文献1】van Dijk, M. A. and van de Winkel, J. G., Curr. Opin. Chem. Biol. 5 (2001) 368-374
【非特許文献2】Jakobovits, A., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90 (1993) 2551-2555
【非特許文献3】Jakobovits, A., et al., Nature 362 (1993) 255-258
【非特許文献4】Bruggemann, M., et al., Year Immunol. 7 (1993) 33-40
【非特許文献5】Hoogenboom, H. R. and Winter, G., J. Mol. Biol. 227 (1992) 381-388
【非特許文献6】Marks, J. D., et al., J. Mol. Biol. 222 (1991) 581-597
【非特許文献7】Cole et al., Monocolonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, p. 77 (1985)
【非特許文献8】Boerner, P., et al., J. Immunol. 147 (1991) 86-95
【非特許文献9】Traggai, E. et al., Science 304 (2004) 104-107
【発明の開示】
【0008】
発明の概要
本発明は、免疫不全非ヒト動物由来のヒトモノクローナル抗体を産生するための方法を含み、該方法は、免疫移植非ヒト動物(再構成動物)を作製するために新生免疫不全非ヒト動物をヒト胎児肝臓幹細胞(FL細胞)と接触させる段階、続いて該再構成動物を抗原と接触させる段階、該抗原に対するヒト抗体を産生するヒト細胞を該再構成動物から収集する段階、および該抗体産生細胞から該抗体を単離する段階を含む。
【0009】
本発明は、好ましくは、形質転換方法または細胞融合方法により該抗体産生細胞から不死の抗体産生細胞を確立することを特徴とする、本発明に係る方法を含む。好ましくは、不死化細胞は少なくとも50継代生存可能である。
【0010】
好ましくは、非ヒト動物は齧歯類であり、より好ましくは、マウス、ラットまたはウサギである。さらに好ましくは、マウスはRag2-/-γc-/-、ヌードRag2-/-、NOD(本発明に係るNODは、好ましくはNOD.Cg-Rag1tm1MomPrf1tm1Sdz/SzJを意味する)または、SCIDベージュマウスであり、かつラットはヌードラットである。
【0011】
本発明は、該FL細胞が、好ましくはCD133+、CD117+、CD31+および/またはCD34+であるヒト造血性胎児肝臓幹細胞(HFL細胞)であることを特徴とする、本発明に係る方法を含む。
【0012】
さらなる態様において、本方法は、好ましくはFL細胞がHFL細胞およびヒト非造血性胎児肝臓幹細胞との組み合わせであることを特徴とする。
【0013】
本発明は、抗体産生細胞がヒトB細胞であることを特徴とする、本発明に係る方法を含む。
【0014】
本発明は、該FL細胞が、接触のために動物へi.p.、s.c.または肝臓内注射されることを特徴とする、本発明に係る方法を含む。
【0015】
本発明は、抗原がポリペプチド、MHC/ペプチド複合体またはDNAであることを特徴とする、本発明に係る方法を含む。
【0016】
本発明は、抗原、抗原断片、抗原をコードするDNAおよび/または抗原保有細胞として抗原を再構成動物と接触させることを特徴とする、本発明に係る方法を含む。
【0017】
本発明は、FL細胞との接触前に免疫不全非ヒト動物を亜致死に放射線照射することを特徴とする、本発明に係る方法を含む。
【0018】
本発明は、マウスとFL細胞との接触の5〜18週後に、マウスを最初に抗原と接触させることを特徴とする、本発明に係る方法を含む。
【0019】
本発明は、マウスを抗原と最大10回接触させることを特徴とする、本発明に係る方法を含む。
【0020】
本発明は、該収集された細胞がヒトCD19+またはCD22+細胞であることを特徴とする、本発明に係る方法を含む。
【0021】
本発明は、該細胞がハイブリドーマ技術により確立されることを特徴とする、本発明に係る方法を含む。
【0022】
本発明は、融合パートナー細胞株がMFP-2、HK-128、K6H6/B5またはKarpas707細胞株であることを特徴とする、本発明に係る方法を含む。
【0023】
本発明は、抗原に対する完全複数の(a complete plurality of)ヒト抗体を産生する、複数のヒトB細胞産生のための方法を含み、該方法は、免疫再構成動物を作製するために新生免疫不全非ヒト動物をFL細胞と接触させる段階、続いて該再構成動物を抗原と接触させる段階、該ヒトB細胞を収集する段階、完全複数の抗体を産生する段階を特徴とする方法を含む。
【0024】
本発明は、本発明に係る抗体産生不死化細胞の産生のための非ヒト動物の使用を含む。もし、不死化細胞がハイブリドーマ細胞の場合には、ハイブリドーマ生成のための1つの融合パートナーは、移植および再構成された動物由来のヒトB細胞であり、他の融合パートナーは、例えばヒト、齧歯類または他の動物由来のミエローマ細胞である。あるいは、不死の移植および再構成されたB細胞は、EBV形質転換により生成される。
【0025】
本発明はヒトタンパク質に対する完全複数のヒト抗体を産生する、複数のヒトB細胞を含む。
【0026】
本発明は、ヒトタンパク質に対する完全複数のヒト抗体を提供する、不死化細胞の組成物を含む。
【0027】
本発明は、ヒトタンパク質に対する完全複数のヒト抗体を産生する、複数の不死化B細胞の産生のための再構成動物の使用を含む。
【0028】
本発明は、非ヒト動物におけるモノクローナルヒト抗体の生成および産生のための方法を含み、該抗体は該非ヒト動物の対応するタンパク質と、少なくとも80%(BLAST)相同性があるヒトタンパク質(断片を含む)に対して方向付けられる。そのような例はCXCR5である。ヒトおよびマウスCXCR5は84%の相同性がある。従って本発明は、たとえタンパク質またはその断片が、ヒトおよび該非ヒト動物の間で少なくとも95%以上相同性がある、または更に100%相同性がある場合においても、より高度に保存的なタンパク質またはタンパク質領域に対するヒト抗体の生成のための方法を提供する。
【0029】
従って、本発明のさらなる目的は、好ましくはマウス、ラットおよび/またはウサギのような非ヒト動物の対応するタンパク質に、少なくとも95%、好ましくは98%および更に100%の相同性(BLAST)を有する、ヒトタンパク質に特異的なモノクローナル抗体である。本発明の好ましい目標は、対応するネズミ(マウス)タンパク質に少なくとも95%、より好ましくは98%、および更に100%の相同性(BLAST)を有するヒトタンパク質に特異的なモノクローナルヒト抗体である。
【0030】
本発明は、新生免疫不全非ヒト動物をFL細胞と接触させる段階、続いて非ヒト動物を抗原と接触させる段階、該非ヒト動物から該抗原に対するヒト抗体を産生するヒト細胞を収集する段階、および該抗体を単離する段階、可変領域を配列決定する段階、重鎖および/または軽鎖の少なくともCDRをヒト定常鎖と組み合わせてコードする発現ベクターを構築する段階、適切な宿主細胞において該ベクターを発現させる段階、および該抗体(免疫反応性タンパク質)を該宿主細胞または発酵上清から単離する段階を特徴とする、抗体の組み換え産生のための方法を含む。
【0031】
本発明は、新生免疫不全非ヒト動物をFL細胞と接触させる段階、続いて該非ヒト動物を抗原と接触させる段階、該非ヒト動物から該抗原に対するヒト抗体を産生するヒト細胞を収集する段階、およびヒト抗体を産生する該ヒト細胞からmRNAを単離する段階、抗体特異的cDNAを生成し(例えば、免疫グロブリン特異的プライマーの使用により)、重鎖および/または軽鎖の少なくともCDRをヒト定常鎖と組み合わせてコードする発現ベクターを構築する段階、適切な宿主細胞において該ベクターを発現させる段階、および該抗体(免疫反応性タンパク質)を該宿主細胞または発酵上清から単離する段階を特徴とする、抗体の組み換え産生のための方法を含む。
【0032】
本発明は、抗原に対する特異的結合を示すヒト抗体を産生する不死化細胞の選択のための方法を含み、該方法は、完全複数のヒト抗体を産生する非ヒト動物の胸腺から複数のヒトB細胞を提供する段階、該細胞またはそのサブセットを不死化ミエローマ細胞と融合させるか、またはEBV形質転換により該B細胞またはサブセットを不死化させる段階、および該抗原への特異的結合を示すヒト抗体を産生するハイブリドーマ細胞を選択する段階を特徴とする。
【0033】
本発明は、少なくとも1.5μg/mlの量の抗原に対して少なくとも10-6mol/lの特異的結合親和性を示す抗体を産生する不死化細胞を選択するための方法を含み、該方法は、完全複数のヒト抗体を産生する非ヒト動物の胸腺から複数のヒトB細胞を提供する段階、該細胞またはそのサブセットを不死化ミエローマ細胞と融合させるか、またはEBV形質転換により該B細胞またはサブセットを不死化させる段階、および抗原に対して少なくとも10-6mol/lの特異的結合親和性を示す抗体を産生するハイブリドーマ細胞を選択する段階を特徴とする。
【0034】
好ましくは、単離される抗体量は少なくとも1.5μg/mlである。
【0035】
好ましくは、抗体は抗原に対して少なくとも10-9mol/lの特異的結合親和性を示す。
【0036】
発明の説明
完全複数のヒト抗体またはヒト免疫グロブリン遺伝子という用語は、以下を含むまたはコードする抗体、または免疫グロブリン遺伝子を意味する。
・2番染色体上2p11位で、少なくとも20個、好ましくは31〜33個のκ遺伝子由来のκ鎖(76個の遺伝子で31〜35個が機能的である)、
・22番染色体上22q11位で、少なくとも20個、好ましくは29〜33個のλ遺伝子およびJ遺伝子由来のλ鎖;(λJ遺伝子で各々始まる、4〜5個の機能的なλ鎖が存在する)、および
・14番染色体上14q32位で、少なくとも5個、好ましくは9個の重鎖遺伝子由来の重鎖(11個の重鎖遺伝子で、9個が機能的かつ9個の重鎖アイソタイプであるμ、δ、γ1、γ2、γ3、γ4、α1、α2およびεに各々対応する)。
【0037】
例えば、抗原は、ヒトタンパク質、ホルモン、腫瘍関連糖脂質(米国特許第5,091,178号)のような、ヒト由来の物質または天然のヒト代謝に関与する他の物質でありうる。抗原もまた、健康な人間により許容され、人間がそのような抗原に対して検出可能な抗体を創出しない、非ヒト由来の物質でありうる。
【0038】
「ヒトタンパク質」という用語(ポリペプチドを含む)は、自己免疫疾患において自然に許容されるまたは攻撃されるかのいずれかである、人間の任意のタンパク質を意味する。ヒトタンパク質という用語は、本発明に係る適した非ヒト動物における、そのようなヒトタンパク質に特異的な抗体を誘導することが可能な、当業者の知識に係る該タンパク質の断片も含む。そのような断片は、例えば大型タンパク質に含まれうるし、例えばヒトタンパク質に対する抗体が、マウスのような他の種由来の相同タンパク質を用いた免疫処置により誘導されうることは周知である。ヒトタンパク質は好ましくは許容されるヒトタンパク質である。
【0039】
「許容されるヒトタンパク質」という用語は、自然に許容され、かつグッドパスチャー症候群(Goodpasture’s Syndrome)、インシュリン依存性糖尿病(IDDM)、免疫性溶血性貧血、免疫性血小板減少性紫斑病、重症筋無力症(MG)、多発性硬化症(MS)、リューマチ関節炎、全身性エリテマトーデス(SLE)または甲状腺機能亢進症(グレーブス病(Graves’ disease))のような自己免疫疾患において攻撃されないような人間のタンパク質を意味する。
【0040】
例えば、ヒトタンパク質は膜貫通分子(例えば、受容体)または成長因子のようなリガンドであってもよい。例示的抗原は以下のような分子を含む。レニン;成長ホルモン;成長ホルモン解離因子;副甲状腺ホルモン;甲状腺刺激ホルモン;リポタンパク質;α-1-抗トリプシン;インシュリンA鎖;インシュリンB鎖;プロインシュリン;卵胞刺激ホルモン;カルシトニン;黄体形成ホルモン;グルカゴン;因子VIII、因子IX、組織因子(TF)およびフォンヴィレブランド因子(von Willebrands factor)のような凝固因子;Protein Cのような抗凝固因子;房性ナトリウム利尿因子;肺界面活性剤;ウロキナーゼまたはヒト尿または組織型プラスミノゲン活性化因子(t-PA)のようなプラスミノーゲン活性化因子;ボンベシン;トロンビン;造血性成長因子;腫瘍壊死因子-αおよび-β;エンケファリナーゼ;RANTES(regulated on activation normally T-cell expressed and secreted);ヒトマクロファージ炎症性蛋白質(MIP-1-α);ヒト血清アルブミンのような血清アルブミン;ミュラー管阻害物質;リラキシンA鎖;リラキシンB鎖;プロリラキシン;マウス性腺刺激ホルモン関連ペプチド;βラクタマーゼのような微生物タンパク質;DNase;IgE;CTLA-4のような細胞傷害性T -リンパ球関連抗原(CTLA);インヒビン;アクチビン;血管内皮細胞増殖因子(VEGF);ホルモンまたは成長因子の受容体;プロテインAまたはD;リウマトイド因子;骨由来脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン-3、-4、-5、または-6(NT-3、NT-4、NT-5、またはNT-6)、またはNGF-bのような神経成長因子のような脳由来神経栄養因子;血小板由来増殖因子(PDGF);aFGFおよびbFGFのような繊維芽細胞増殖因子;上皮成長因子(EGF);TGF-αおよびTGF-b1、TGF-b2、TGF-b3、TGF-b4、またはTGF-b5を含むTGF-βのようなトランスフォーミング増殖因子(TGF);TNF-αまたはTNF-βのような腫瘍壊死因子(TNF);インスリン様成長因子-Iおよび-II;インスリン様成長因子結合タンパク質;CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD22およびCD40のようなCDタンパク質;エリスロポエチン;骨誘導因子;抗毒素;骨形成蛋白質(BMP);インターフェロン-α、-βおよび-γのようなインターフェロン;例えば、M-CSF、GM-CSF、G-CSFのようなコロニー刺激因子(CSFs);例えば、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9およびIL-10のようなインターロイキン(ILs);スーパーオキシドジスムターゼ;T-細胞受容体;表面膜タンパク質;崩壊促進因子;例えば、AIDSエンベロープの一部分のようなウイルス抗原;輸送たんぱく質;ホーミング受容体;アドレシン;制御タンパク質;CD11a、CD11b、CD11c、CD18、ICAM、VLA-4、VCAMのようなインテグリン;HER2、HER3またはHER4受容体のような腫瘍関連抗原;および上記列挙されたタンパク質のいずれかの断片である。さらにヒトタンパク質はEGF受容体、HER2、HER3またはHER4受容体のようなErbB受容体ファミリーの構成要素;DR5を含む腫瘍壊死因子スーパーファミリーの構成要素;前立腺幹細胞抗原(PSCA);LFA-1、Mac1、p150.95、VLA-4、ICAM-1、VCAM、α4/β7インテグリン、およびそのαまたはβサブユニットのいずれかを含むαv/β3インテグリン(例えば、抗CD11a、抗CD18または抗CD11b抗体)のような細胞接着分子;組織因子(TF);αインターフェロン(α-IFN);IL-8のようなインターロイキン;IgE;血液型抗原;flk2/flk3受容体;肥満(OB)受容体またはmp1受容体である。
【0041】
「不死化細胞」という用語は、ハイブリドーマ細胞または、EDV形質転換、テロメラーゼ置換またはレトロウイルス不死化のような他の手段により不死化された細胞を意味する。
【0042】
本明細書で使用される「動物」という用語は、非ヒト動物、好ましくは齧歯類、およびとりわけ好ましくはマウスまたはラットを意味する。
【0043】
好ましくは、該非ヒト動物は齧歯類、より好ましくはマウス、ラットまたはウサギである。さらに好ましくは、マウスはRag2-/-γc-/-、ヌードRag2-/-、NODまたはSCIDベージュマウスであり、かつラットはヌードラットである。
【0044】
SCIDベージュは、V(D)J組み換えの欠損によりTおよびBリンパ球の双方の欠如を起こすscid変異を持つ、二重変異体マウスである。それは、また細胞傷害性T細胞およびマクロファージ欠損、ならびにNK細胞機能の選択的損傷をもたらすベージュ変異も持つ。SCIDベージュマウスは、潜在的にヒト造血性細胞の受け手の改善モデルである。
【0045】
好ましいNODマウスは、NOD.Cg-Rag1tm1Mom Prf1tm1Sdz/SzJ、NOD.Cg-Prkdcscid Il2rgtm1Wjl/SzJ、NOD.129S7(B6)-Rag1tm1Mom /J、NOD.Cg-Prkdcscid B2mtm1Unc/JおよびNOD.CB17-Prkdcscid /SzJである。各系統は成熟TおよびB細胞を欠如し、かついかなる検出可能なNK細胞毒性活性も有しない。該系統は、ヒト造血性細胞が比較的長い生存期間を有するような増強された移植を支持し、かつ放射線照射に対して有意により抵抗性がある。
【0046】
Rag2は、TおよびB細胞において機能的抗原受容体を生成するV(D)J遺伝子再編成にとって必須であり;Rag2-/-ホモ接合体変異体は成熟した機能的TおよびB細胞を有さない。通常のγ(γc)KOマウスは、IL-2、IL-4、IL-7、IL-9、およびIL-15を含む多数のサイトカインの機能的受容体を欠如している。結果として、リンパ球の発達が著しく損傷される。該マウスはナチュラルキラー(NK)細胞を欠如し、かつごく少数のTおよびB細胞のみを産生する。
【0047】
本明細書で使用される「ヒト抗体」という用語は、生殖細胞系配列との高い配列類似性または同一性のため、一定のヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に充当されうる、可変および定常領域(ドメイン)を有する抗体を含む。ヒト抗体は様々な形状の抗体で、好ましくは、抗体全体、単一の重または軽鎖、抗体断片、クラス変更抗体、および本発明に係る特徴が維持される限り、遺伝学的に改変された抗体(変種または変異抗体)を含むが、これらに限定されないモノクローナル抗体を包括する。とりわけ、好ましくは組み換えヒト抗体である。本明細書で使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に全て同一のアミノ酸配列を有する抗体分子の調製を意味する。
【0048】
本明細書で使用される「組み換えヒト抗体」という用語は、調製され、発現され、組み換え手段により創出または単離される、該抗体の重および/または軽鎖を発現し、かつNS0、HEK293またはCHO細胞のような宿主細胞へ形質移入されることが可能な組み換え発現ベクターを含み、それらの宿主細胞から単離される抗体のような、全てのヒト抗体を含むことを意図する。そのような組み換えヒト抗体は、再編成された形状において、可変および定常領域を有する。本発明に係る組み換えヒト抗体はインビボ体細胞過剰変異へ供される。従って、組み換え抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列は、一定のヒト生殖細胞系VHおよびVL配列に充当されうる配列であるが、インビボのヒト抗体の生殖細胞系レパートリー内に天然に存在しなくてもよい。
【0049】
本明細書で使用される「可変領域」(軽鎖の可変領域(VL)、重鎖の可変領域(VH))は、抗体の抗原に対する結合に直接関与する軽および重鎖の各対を表す。ヒト軽および重鎖の可変ドメインは、同一の一般的構造を有し、かつ各ドメインは配列が広範に保存され、3つの「高頻度可変領域」(または相補性決定領域、CDR)により連結される4つの構造(FR)領域を含む。構造領域はβ(ベータ)-シート高次構造を採り、およびCDRはβ-シート構造を連結するループを形成してもよい。各鎖のCDRはそれらの3次元構造において構造領域により保持され、かつ他の鎖からのCDRと共に抗原結合部位を形成する。抗体重および軽鎖CDR3領域、好ましくは重鎖CDR3領域は、本発明にかかる抗体の結合特異性/親和性においてとりわけ重要な役割を担い、従って本発明のさらなる目標を提供する。
【0050】
本明細書において使用される場合、「高頻度可変領域」または「抗体の抗原結合部位」という用語は、抗原結合を担う抗体のアミノ酸残基を意味する。高頻度可変領域は「相補性決定領域」または「CDR」由来のアミノ酸残基を含む。「構造」または「FR」領域は、本明細書で定義されるような高頻度可変領域残基以外の可変ドメイン領域である。従って、抗体の軽および重鎖はN末端からC末端へかけて、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4ドメインを含む。CDRおよびFR領域は、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th ed., Public Health Service, National Institutes of health, Bethesda, MD (1991)の標準的定義に従い決定される。
【0051】
「定常ドメイン」は、抗体の抗原に対する結合に直接関与しないが、様々なエフェクター機能を提示する。重鎖の定常領域のアミノ酸配列に依存して、抗体または免疫グロブリンは以下のクラスに分類される:IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM、およびこれらのうちいくつかは例えば、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4、IgA1およびIgA2のようなさらなるサブクラスに分類される(アイソタイプ)。異なるクラスの免疫グロブリンに対応する重鎖定常領域は、各々μ、δ、γ、α、およびεと呼ばれる。以下の実施例、参照、配列表および図面は本発明の理解を促進するために提供され、それらの真の範囲は添付の特許請求の範囲において提示されている。本発明の精神から逸脱することなく、提示された手法において改変がなされうることが理解される。
【0052】
抗体産生細胞、腹水、および/または上清からの抗体の単離は、クロマトグラフィー法または透析法のような当技術分野において公知の方法に従い遂行されうる。例えば、抗体は、免疫親和性精製法、硫酸アンモニウム沈殿法、プロテインA/G精製法、イオン交換クロマトグラフィー法、ゲル濾過法および/または硫酸アンモニウム沈殿法から選択される1つまたは複数の方法を使用して精製されうる。そのような方法は、Nau, D.R., Optimization of monoclonal antibody purification, In: Techniques in Protein Chemistry, Hugli, T. (ed.), Academic Press, New York, 1989, pp. 339-347; Coligan, J. E. et al. (eds.), Current Protocols in Immunology, John Wiley & Sons, Inc. (2005)に記載される。
【0053】
ハイブリドーマ生成の代わりに、本発明に係る抗体産生のための代替方法が使用されうる。そのような方法は、例えば、抗体の核酸配列の同定をベースにしたものである。通常、可変領域、CDR領域または重鎖CDR3領域のみの配列を同定することで十分である。好ましくは、抗体産生細胞のプールからmRNAが単離され、適切な発現ベクター中でそのような領域をコードするcDNAバンクを構築するために使用される。cDNAライブラリーはNS0またはCHOのような宿主細胞中へ形質移入され、特異的抗体産生がスクリーニングされ、特異的クローンが同定、単離され、ハイブリドーマを生成することなく抗体産生のために使用される。
【0054】
FL細胞は、例えばB細胞、T細胞、顆粒球、血小板、および赤血球のような様々な血液細胞型へ発達することが可能である幹細胞である。ヒト造血性胎児肝臓幹細胞は、一般に表面抗原CD31、CD34、CD117(c-kit)および/またはCD133を発現する。本発明に従い、好ましくは、CD133を発現するFL細胞が使用される。サイトカインを用いた処置後にFL細胞へ発達する前駆細胞(すなわち、胚性幹細胞)も、FL細胞として使用されうる。
【0055】
CD133を発現するFL細胞は、ヒト胎児肝臓から単離されることが可能で、さらにCD133系譜、好ましくは、例えばMiltenyi「MACS(登録商標)分離システム」のような免疫学的分離手法により分離される。他のFL細胞を単離する好ましい方法は、ビオチン共役されたCD133抗体を用いて単球を標識し、かつCD133陽性幹細胞集団を回収するさらなる段階を含む。
【0056】
X染色体上のサイトカイン受容体共通γ鎖(γc)のヌル変異を持つマウスは、DiSanto, J.P. et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92(1995) 377-381により記載されている。γc-/-メスはRAG2遺伝子を破壊する変異のホモ接合性オスと交配されうる(Shinkai, Y. et al., Cell 68 (1992) 855-867)。RAG2欠失のヘテロ接合性およびγc欠失のヘミ接合性F1オスはγc-/-RAG2+/+メスへ戻し交配されうる。結果として得られる子孫のRAG2遺伝子型は、尾のDNAポリメラーゼ連鎖反応により決定されうる(Horton, R. M. et al., BioTechniques 19(1995) 690-691)。RAG2ヘテロ接合体はγc-/-RAG2-/-メスおよびγc-/yRAG2-/-オスマウス(γc-/RAG2-)を産生するため交配される。これらのマウスは129 Ola、Balb/cおよびC57BL/6の混在したバックグラウンドを有する。
【0057】
本発明に係る免疫再構成は、適切な量のヒトFL細胞を新生および例えば、マウスまたはラットのような事前照射された免疫不全動物の肝臓へ移植することにより起こる。
【0058】
本発明に係るヒトモノクローナル抗体は、本発明に係る免疫再構成された非ヒト動物で、好ましくは免疫再構成された齧歯類、最も好ましくは免疫再構成されたラットまたはマウスを、精製または濃縮調製された抗原、該抗原をコードする核酸および/または該抗原を発現する細胞を用いて免疫処置することにより産生されうる。動物のB細胞(例えば、脾性B細胞)が続いて得られ、ミエローマ細胞のような適切なヒト融合パートナーとの融合を介し、または例えば、EBVを用いた該細胞の不死化により、抗原に対するヒトモノクローナル抗体を分泌する不死のハイブリドーマ細胞を形成するため、ミエローマ細胞のような適切なヒト融合パートナーへ融合される。例えば可溶性抗原またはその断片は、任意で他の分子へ共役され、抗体を産生するための免疫抗原として使用される。受容体のような膜貫通分子については、それらの断片(例えば、受容体の細胞外ドメイン)が免疫抗原として使用されうる。あるいは、膜貫通分子を発現する細胞が免疫抗原として使用されうる。そのような細胞は天然の起源(例えば、癌細胞株)由来でありうるかまたは、膜貫通分子を発現するために組み換え技術により形質転換されている細胞であってもよい。抗体を調製するために有用な、他の抗原およびその形状は当業者にとって明らかであろう。
【0059】
好ましくは、免疫再構成された非ヒト動物は、最初の免疫処置の際に、6〜16週の月齢であろう。例えば、関心対象の抗原をコードする精製または濃縮調製されたDNA(例えば、CD20またはHER3抗原)が、本発明に係る免疫再構成された非ヒト動物を免疫処置するために使用されうる。免疫反応は、眼窩後方の採血により得られる血漿試料を用いて、免疫処置プロトコールの過程を通してモニタリングされうる。血漿はELISAによりスクリーニングされることが可能で、かつ該抗原に対する十分な力価を伴う免疫再構成された非ヒト動物が、対応するB細胞の免疫処置のために使用されうる。マウスは犠牲、ならびに脾臓およびリンパ節および末梢血液除去の前に、関心対象の抗原を用いて静脈内注射により追加免疫されうる。各抗原について、2〜3回の融合が遂行されねばならない可能性があることが見出された。各抗原について何匹かのマウスが免疫処置されるであろう。
【0060】
マウスリンパ球が単離され、かつハイブリドーマを生成する標準的プロトコールに基づき、PEGまたは電気融合を使用して、ヒトまたはヘテロミエローマ細胞へ融合されうる。電気融合は細胞膜の可逆性構造変化に基づき、電場の効果により引き起こされ、かつ新規の生存可能な細胞を創出するために、完全な構造(各、膜、オルガネラ、細胞血漿)を含む同一または異なる起源の2つ以上の細胞の融合のため、広範な細胞へ利用可能である。
【0061】
結果として得られるハイブリドーマは、続いて抗原特異的抗体の産生をスクリーニングされる。例えば、免疫処置されたマウスの脾臓およびリンパ節由来のリンパ球の単一細胞懸濁液が、K6H6/B5非分泌ヘテロミエローマ細胞(ATCC、CRL 1823)へ融合される。細胞は平底マイクロタイタープレート中におよそ2x105で平板培養され、続いて選択培養液中で約2週間保温される。
【0062】
個々のウェルは、続いてELISAにより抗原(例えば、IgG)に対するヒトモノクローナル抗体についてスクリーニングされる。一旦大規模なハイブリドーマ増殖が起こると、通常10〜14日後に培養液が解析される。抗体分泌ハイブリドーマは再度平板培養され、再びスクリーニングされ、かつもし抗原に対するヒトモノクローナル抗体に依然として陽性である場合には、限界希釈により少なくとも2回サブクローニングされうる。安定なサブクローンは、続いて特徴づけのために組織培養液中で抗体を産生するため、インビトロで培養される。
【0063】
抗原は、任意の適する手段により動物へ導入されてもよい。好ましくは、動物は脾臓内、静脈内、腹腔内、皮内、筋肉内、皮下へ抗原のみまたは適切な免疫調節剤(例えば、CFA)との組み合わせにより免疫処置される。各抗原の用量は1〜500μgの範囲であるべきである。
【0064】
好ましくは、本発明の方法は最終注射の7〜28日後に、追加免疫あたり1〜500μgの抗原の追加免疫用量を用いて動物に供給するさらなる段階を含む。好ましくは、動物は1〜5回追加免疫される。
【0065】
動物の免疫処置は、薬学的担体を用いるまたは用いることなく遂行されてもよい。適する担体は、例えばIFA、Al3(OH)4、Abiscoである。
【0066】
さらに、これらの担体は免疫刺激剤(「抗原性補強剤」)として機能してもよい。動物の免疫処置は、薬学的担体に加えて、抗原性補強剤を用いるまたは用いることなく遂行されてもよい。
【0067】
組成物の効力を増強するための好ましい抗原性補強剤は、以下を含むが限定されない:例えばCFA、IFA、Al3(OH)4、Abisco。
【0068】
本発明における使用のための、好ましい抗体産生細胞は、B細胞を含む。本発明における使用のための、これらの抗体産生細胞は、免疫系の任意の適する細胞構成物を動物から除去することにより回収されてもよい。好ましくは、抗体産生細胞は脾臓、リンパ節、末梢血液または骨髄またはその一部を動物から除去することにより回収される。
【0069】
図面の説明
図1
移植後15週目における再構成マウスの末梢血液のフローサイトメトリー解析。ヒト造血性細胞移植。ヒストグラムは、抗ヒトCD45-FITC mAb(中塗りの領域)を用いて染色された、再構成後15週目の3匹の代表的動物由来のゲートされた生存可能な末梢血液細胞のオーバレイ、またはオーバーレイされたヒストグラム統計を生成するための分母ヒストグラムとして使用された、アイソタイプにマッチした無関係な対照mAb(黒色線)を用いて染色された同一動物由来のバックグラウンド染色を示す。統計は、ゲート内での全事象数と比較して、明示された領域(M1、M2)における事象の数およびパーセンテージを表す。示されているのは、平均蛍光強度である。
A:
分子ヒストグラム
ファイル:Probe.002
Xパラメーター:抗ヒトCD45-FITC
分母ヒストグラム
ファイル:Probe.001
Xパラメーター:抗ヒトCD45-FITC

B:
分子ヒストグラム
ファイル:Probe.004
Xパラメーター:抗ヒトCD45-FITC
分母ヒストグラム
ファイル:Probe.003
Xパラメーター:抗ヒトCD45-FITC

C:
分子ヒストグラム
ファイル:Probe.006
Xパラメーター:抗ヒトCD45-FITC
分母ヒストグラム
ファイル:Probe.005
Xパラメーター:抗ヒトCD45-FITC

【0070】
図2
再構成マウスにおけるヒト抗体の産生能力の検査。
【0071】
図3
免疫処置後7週目における、再構成マウスの末梢血液中のヒト抗原特異的抗体のフローサイトメトリー解析。陰性対照(2番目のヒストグラム(B))としての対照マウス(NMS)の通常血清、または陽性対照(上部ヒストグラム(A))としての精製抗原特異的抗体と比較した場合の、1匹の代表的再構成および免疫処置マウスの異なる血清希釈物(1/20(C)および1/150(D))により染色された抗原陽性細胞の割合(%)が示されている。統計は、ゲート内での全事象数と比較して、明示された領域(M2、M1ラベルは各々抗原に陽性または陰性染色された細胞を示す)における事象の数およびパーセンテージを表す。示されているのは、平均蛍光強度である。
A:陽性対照
分子ヒストグラム
全事象:6764
分母ヒストグラム
全事象:7072

B:陰性対照NMS
分子ヒストグラム
全事象:7093
分母ヒストグラム
全事象:7072

C:マウス1血清(1/20)対NMS
分子ヒストグラム
全事象:15544
分母ヒストグラム
全事象:7093

D:マウス1血清(1/150)対NMS
分子ヒストグラム
全事象:7102
分母ヒストグラム
全事象:7093

【0072】
図4
再構成マウスにおけるヒトCXCR5抗体の産生能力の検査。
【0073】
図5
3回目の免疫処置後の再構成マウスにおけるヒトCXCR5抗体の産生能力の検査。
【0074】
実施例
試料および方法
マウス
BALB/cバックグラウンドでRag2-/-γc-/-マウスが交配され、特異的な病原体非存在条件下でICH、AAALAC、およびEU Directive on Animal Welfare, 86/609のガイドラインと一致させて、維持された。
【0075】
新生再増殖アッセイ
新生マウスは、誕生日に亜致死の状態になるよう滴定された容量である2Gy/minで、Cesium 137線源(Biobeam 8000, STS GmbH, Braunschweig, Germany)から2x2 Gyで3〜4時間間隔で放射線照射された。照射4〜12時間後、マウスは、例えば、CD133+ FL細胞のみまたは非造血性CD133-肝臓細胞を30ゲージ針(Hamilton Bonaduz AG, Bonaduz, Switzerland)を使用して、25μl PBS中または成長因子との組み合わせにおいて肝臓(i.h.)へ移植された。新生マウスは常に単一供与体から細胞を受けた。マウスは3週間の月齢で離乳させられた。マウスの解析:末梢血液細胞および血漿を得るため、マウスはエーテル麻酔下で眼窩後方の静脈洞から採血された。
【0076】
フローサイトメトリー解析および細胞分類
FACS解析および細胞分類のため、以下の抗原に対して、ビオチン化されたまたはFITC、PE、またはAPCを用いて共役されたモノクローナル抗体が使用された:CD3(UCHT1)、CD4(13B8.2)、CD8(B9.11)、CD40(MAB89)、CD80(MAB104)、CD83(HB15a)、CD86(HA5.2B7)(全てImunotech/Beckman Coulter, Marseille, France)、CD19(HIB19)、CD20(2H7)、CD34(581)、IL-3Ra/CD123(9F5)、CD11c(B-ly6)、CD14(M5E2)(全てBD Pharmingen, SanDiego, CA)、CD45(HI30)、CD45RA(MEM56)、HLA-DR(TU36)(全てCaltag, Burlingame, CA)、TLR2(TL2.1)、TLRR4(HTA125)、TCRab(IP26)(全てeBioscience, San Diego, CA)、BDCA-1、BDCA-2、BDCA-4、CD25(4E3)(全てMiltenyi Biotec)、IgM(Jackson Immunoresearch, West Grove, PA)、CCR7(3D12、M. Lipp, Berlin, Germanyにより提供された)。IOTest Beta MarkがVbanalysis(Immunotech/Beckman Coulter)のために使用された。ストレプトアビジン共役されたFITC、PE、またはAPC(全てBD Pharmingen)が、ビオチン化抗体の可視化のために使用された。死細胞はヨウ化プロピジウム染色により排除された。適切なアイソタイプにマッチした無関係な対照mAbsが、バックグラウンド染色レベルを決定するために使用された。細胞はFACS caliburを使用して解析され、FACSVantage SE(Becton Dickinson Immunocytometry Systems, Moutain View, CA)を使用して分類された。
【0077】
胎児肝臓細胞
胎児肝臓細胞の起源:Cambrex Corp. USAおよびStemCell Technologies Corp. USA。
【0078】
実施例1
再構成マウスの免疫手法
3匹のRag2-/-γc-/-マウス(3匹のメス)が、ヒトHER3タンパク質をコードする100μgプラスミドDNAを用いて免疫処置された。全部で6回の免疫処置が筋肉内に(i.m.)施された。抗HER3抗体の血清力価が十分であることが見出された場合には、マウスは100μl PBS中の30μgの精製HER3タンパク質を用いて、融合3、2および1日前に静脈内へ(i.v.)さらに3回追加免疫された。
【0079】
実施例2
移植後15週目における再構成マウスの末梢血液のフローサイトメトリー解析
マウスはイソフルラン麻酔され、続いてヒト血球の陽性割合の測定のため、フローサイトメトリーの使用により眼窩静脈叢から末梢血液が収集された。収集された血液は即座にEDTA-2Naとよく混合され、解析まで室温で保たれた。最適量のFITC共役された抗ヒトCD45抗体が添加され、室温で20分間50μlの全血と反応された。その後、溶血および固定がFACS溶液を使用して実施され、FACS Caliburを使用して割合が測定された。図1は、3匹の試験されたマウスの末梢血液中における、ヒトCD45陽性細胞の割合(%)を示す。
【0080】
実施例3
再構成マウスにおけるヒトHER3抗体の産生能力の検査
再構成マウスの末梢血液中のヒトIgGの全量が、ELISAにより測定された。希釈されたマウス血清がMaxiSorb 96穴プレート(NUNC)上に被覆され、室温で1時間保温された。室温で1時間、2% CrotinC溶液を用いたブロッキング後に洗浄が遂行され、その後ペルオキシダーゼ共役された抗ヒトIgGモノクローナル抗体が添加された。室温で45分間保温後、洗浄が遂行され、ABTS物質溶液が室温で10分間の反応のために添加された。続いて、吸光度が405 nm(図2)で測定された。標準的カーブと一致させて、IgG濃度が算出された。
【0081】
実施例4
免疫処置後7週目の再構成マウスの末梢血液中におけるヒトHER3抗体のフローサイトメトリー解析
再構成後17週目のマウスが、関心対象のヒトタンパク質を用いて免疫処置された。免疫処置は、免疫学的反応の増強のための抗原性補強剤としてのサイトカイン反応混液と共に、関心対象のヒトタンパク質をコードする25〜100μg/マウスのDNAの筋肉内注射により遂行された。同一の免疫処置が4週毎に遂行され、FACSによるヒトタンパク質特異的抗体の測定のために血清が採取された。端的には、希釈された抗血清をヒトタンパク質を発現する細胞に添加し、室温で20分間保温した。洗浄後、最適量のFITC共役された抗ヒト抗体を添加し、室温でさらに20分間反応させた。その後、染色されたヒトタンパク質発現細胞の陽性割合が、FACS Caliburを使用して測定された。図3は、1匹の再構成されかつ免疫処置されたマウスにおいて、陰性対照としての通常マウス血清(NMS)または陽性対照としての精製ヒトタンパク質特異的抗体との比較における、異なる血清希釈(1/20および1/150)で染色されたヒトタンパク質陽性細胞の割合(%)を示す。
【0082】
実施例5
Dynabeads(登録商標)を使用したCD19+細胞の陽性選択
CD19+B細胞は、標準的DynalプロトコールDynabeads(登録商標)CD19(Pan B)(製品番号111.03/111.04)およびDETACHaBEAD(登録商標)CD19(製品番号125.06)に従い、以下の様に末梢血液または脾細胞懸濁液から直接単離された。
・25μlのDynabeads(登録商標)を、例えば、2.5x107個の調製された細胞へ添加。
・2〜8℃で、緩やかな傾斜および回転を伴い、20分間保温。
・チューブを2分間磁石中に設置。
・懸濁液を廃棄し、以下の手法を使用して、ビーズ結合した細胞を穏やかに4回洗浄。
・1x107 Dynabeads(登録商標)当り1 mlのBuffer 1を添加。
・チューブを1分間磁石中に設置し、懸濁液を廃棄。
・以後の処理のために緩衝液/培養液に細胞を再懸濁。
【0083】
実施例6
ハイブリドーマ産生のための電気融合
単離されたCD19+細胞が計測され、電気融合プロトコール(Electrofusion No. 58のためのEppendorf処理)を介して融合された。
・単離されたCD19+細胞および例えば、K6H6/B5のような融合パートナーの双方を、遠心分離により収集(200xg、10分RT)。
・沈殿物を増殖培養液に再懸濁し、細胞数を決定。
・各融合パートナーの細胞数を、融合当り、例えば3x105に設定。
・双方のパートナーを共にピペッッティングし、200xg、10分およびRTで遠心分離。
・沈殿物を電気融合緩衝液中で2回洗浄し、上記記載のように遠心分離。
・沈殿物を融合当り200μlの電気融合緩衝液に再懸濁。
・融合チャンバーを充填し、迅速に融合(Fusionapparatの処理プロトコール、Eppendorfを参照)。
・融合に続き、チャンバーを10分間RTに静置。
・培養液でチャンバーをリンスし、融合された細胞をクローニングプレートへ移動。
・24時間の保温後(5% CO2、37℃)、HAT選択培養液を添加。
・7〜21日の保温後、ハイブリッドを計数および解析。
【0084】
増殖したヒトハイブリドーマ(40クローン)が、融合の14日後に全およびヒトタンパク質特異的IgGについて解析され、かつ少なくとも6クローンが陽性として検出された。

【0085】
実施例7
再構成マウスの免疫手法
3匹のRag2-/-γc-/-マウス(4匹のメス)が、ヒトCXCR5タンパク質をコードする100μgプラスミドDNAを用いて免疫処置された。全体で6回までの免疫処置が筋肉内(i.m.)に施された。
【0086】
マウスの追加免疫
抗CXCR5の血清力価が十分であることが見出された場合、マウスは100μl PBS中の5x106個のCXCR5発現細胞を用いて、静脈内(i.v.)に、融合3、2および1日前にさらに3回追加免疫された。
【0087】
実施例8
再構成マウスにおけるヒトCXCR5抗体の産生能力の検査
再構成マウスの末梢血液中のヒトIgGの全量が、ELISAにより測定された。希釈されたマウス血清によりMaxiSorb 96穴プレート(NUNC)を被覆し、室温で1時間保温した。2% CroteinC溶液を用いて、室温で1時間のブロッキング後、洗浄が遂行され、その後ペルオキシダーゼ共役された抗ヒトIgGモノクローナル抗体が添加された。室温で45分間の保温後、洗浄が遂行され、ABTS物質溶液が室温で10分間の反応のために添加された。続いて、吸光度が405 nmで測定された(図4)。IgG濃度が、標準曲線に一致させて算出された(250μg/ml全ヒトIgG)。
【0088】
実施例9
3回目の免疫処置後の再構成マウスにおけるヒトCXCR5抗体の解析
再構成マウスの血清中におけるヒトCXCR5特異的IgGの量が、CXCR5特異的ELISAにより測定された(図5)。希釈されたマウス血清によりMaxiSorb 96穴プレート(NUNC)を被覆し、室温で1時間保温した。2% CroteinC溶液を用いて、室温で1時間のブロッキング後、洗浄が遂行され、その後ペルオキシダーゼ共役された抗ヒトIgGモノクローナル抗体が添加された。室温で45分間の保温後、洗浄が遂行され、ABTS物質溶液が室温で10分間の反応のために添加された。続いて吸光度が405 nmで測定された。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】移植後15週目における再構成マウスの末梢血液のフローサイトメトリー解析。
【図2】再構成マウスにおけるヒト抗体の産生能力の検査。
【図3】免疫処置後7週目における、再構成マウスの末梢血液中のヒト抗原特異的抗体のフローサイトメトリー解析。
【図4】再構成マウスにおけるヒトCXCR5抗体の産生能力の検査。
【図5】3回目の免疫処置後の再構成マウスにおけるヒトCXCR5抗体の産生能力の検査。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
免疫不全非ヒト動物からヒトモノクローナル抗体を産生するための方法であって、
免疫移植非ヒト動物(再構成動物)を作製するために新生免疫不全非ヒト動物をヒト胎児肝臓幹細胞(FL細胞)に接触させる段階、
続いて該再構成動物を抗原に接触させる段階、
該再構成動物から該抗原に対するヒト抗体を産生するヒト細胞を収集する段階、および
該抗体産生細胞から該抗体を単離する段階
を含む、方法。
【請求項2】
免疫再構成非ヒト動物が齧歯類であることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
再構成非ヒト動物がマウスまたはラットであることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
再構成マウスが、Rag2-/-γc-/-、ヌードRag2-/-、NODまたはSCIDベージュマウスであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
FL細胞がヒト造血性胎児肝臓幹細胞(HFL細胞)であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
FL細胞が、HFL細胞とヒト非造血性胎児肝臓幹細胞との組み合わせであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
【請求項7】
抗体産生細胞がヒトB細胞であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
【請求項8】
抗原がポリペプチドであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
【請求項9】
抗原、抗原断片、MHC/ペプチド複合体、抗原をコードするDNAおよび/または抗原保有細胞として抗原を再構成動物に接触させることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
【請求項10】
FL細胞との接触前に再構成非ヒト動物を亜致死に放射線照射することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。
【請求項11】
マウスとFL細胞との接触の5〜18週後にマウスを最初に抗原と接触させることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
【請求項12】
マウスを抗原と最大10回接触させることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
【請求項13】
収集された細胞がヒトCD19+またはCD22+細胞であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。
【請求項14】
細胞がハイブリドーマ技術により確立されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項記載の方法。
【請求項15】
融合パートナー細胞株が、MFP-2、HK-128、K6H6/B5またはKarpas707細胞株であることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項記載の方法。
【請求項16】
抗原に対して複数のヒト抗体を産生する複数のヒトB細胞を産生するための方法であって、
免疫再構成動物を作製するために新生免疫不全非ヒト動物をFL細胞と接触させる段階、
続いて該再構成動物を抗原と接触させる段階、
該非ヒト動物から該複数の抗体を産生するヒトB細胞を収集する段階
を特徴とする、方法。
【請求項17】
ヒトタンパク質に対する完全複数の(a complete plurality of)ヒト抗体を産生する、複数のヒトB細胞。
【請求項18】
ヒトタンパク質に対する完全複数のヒト抗体を提供する、不死化B細胞の組成物。
【請求項19】
ヒトタンパク質に対する完全複数のヒト抗体を産生する複数の不死化B細胞を産生するための、再構成動物の使用。
【請求項20】
抗体の組み換え産生のための方法であって、
新生免疫不全非ヒト動物をFL細胞と接触させる段階、
続いて該非ヒト動物を抗原と接触させる段階、
該非ヒト動物から該抗原に対するヒト抗体を産生するヒト細胞を収集する段階、ならびに
該抗体を単離する段階、
可変領域を配列決定する段階、
重鎖および/または軽鎖の少なくともCDRをヒト定常鎖と組み合わせてコードする発現ベクターを構築する段階、
適切な宿主細胞において該ベクターを発現させる段階、ならびに
該抗体(免疫反応性タンパク質)を該宿主細胞または発酵上清から単離する段階
を特徴とする、方法。
【請求項21】
抗体の組み換え産生のための方法であって、
新生免疫不全非ヒト動物をFL細胞と接触させる段階、
続いて該非ヒト動物を抗原と接触させる段階、
該非ヒト動物から該抗原に対するヒト抗体を産生するヒト細胞を収集する段階、ならびに
ヒト抗体を産生する該ヒト細胞からmRNAを単離する段階、
(例えば、免疫グロブリン特異的プライマーの使用により)抗体特異的cDNAを生成する段階、
重鎖および/または軽鎖の少なくともCDRをヒト定常鎖と組み合わせてコードする発現ベクターを構築する段階、
適切な宿主細胞において該ベクターを発現させる段階、ならびに
該抗体(免疫反応性タンパク質)を該宿主細胞または発酵上清から単離する段階
を特徴とする、方法。
【請求項22】
抗原に対するモノクローナル抗体の生成のための、抗原に対する完全複数のヒト免疫グロブリン遺伝子を含む複数のヒトB細胞の使用であって、
該複数のB細胞が、ハイブリドーマ細胞の産生のために、少なくとも106細胞/mlの濃度を有することを特徴とする、使用。
【請求項23】
抗原への特異的結合を示すヒト抗体を産生する不死化細胞を選択するための方法であって、
完全複数のヒト抗体を産生する非ヒト動物の胸腺から複数のヒトB細胞を提供する段階、
該細胞もしくはそのサブセットを不死化ミエローマ細胞と融合させるか、またはEBV形質転換により該B細胞もしくはサブセットを不死化させる段階、および
該抗原への特異的結合を示すヒト抗体を産生するハイブリドーマ細胞を選択する段階
を特徴とする、方法。
【請求項24】
抗原に対して少なくとも10-6mol/lの特異的結合親和性を示す抗体を産生する不死化細胞を選択するための方法であって、
完全複数のヒト抗体を産生する非ヒト動物の胸腺から複数のヒトB細胞を提供する段階、
該細胞もしくはそのサブセットを不死化ミエローマ細胞と融合させるか、またはEBV形質転換により該B細胞もしくはサブセットを不死化させる段階、および
抗原に対して少なくとも10-6mol/lの特異的結合親和性を示す抗体を産生するハイブリドーマ細胞を選択する段階
を特徴とする、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−536631(P2009−536631A)
【公表日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−508246(P2009−508246)
【出願日】平成19年5月9日(2007.5.9)
【国際出願番号】PCT/EP2007/004085
【国際公開番号】WO2007/131676
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】