説明

ヒンジ

【課題】第一ウイング部材に対して第二ウイング部材が開いているときに潤滑剤が下方に落下することを防止することが可能なヒンジを提供する。
【解決手段】ヒンジ100に、下部固定部材110と、下部固定部材110に固定される第一カム部材160と、下部固定部材110に回動可能に連結される第二ウイング部材と、第二ウイング部材に支持されつつ第一カム部材160に対して接近・離間する方向に移動可能な第一スライド部材150と、第一スライド部材150を付勢することにより第一カム部材160に当接させるバネユニット156と、第一カム部材160に回動可能に支持されるとともに第二ウイング部材が下部固定部材110に対して開いているときに第一スライド部材150と第一カム部材160との当接部分の下方を覆うカバー部材180を具備し、当該当接部分にグリスを塗布した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば事務機器の本体に事務機器の原稿圧着板を開閉可能に連結する等、第一連結対象物に第二連結対象物を開閉可能に連結するヒンジに関する。より詳細には、ヒンジに塗布される潤滑剤が落下することを防止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、ファクシミリ、スキャナー等、オフィスで使用される事務機器の多くは、その本体の上面に原稿読み取り部(コンタクトガラス)が設けられるとともに、当該原稿読み取り部を覆う原稿圧着板が設けられる。
原稿圧着板は、原稿読み取り部に載置された原稿を原稿読み取り部に密着させるとともに原稿読み取り部に対する原稿の位置を保持するものであり、一般的には原稿圧着板の端部がヒンジにより事務機器の本体の上面の端部に回動可能に連結される。
【0003】
このような原稿圧着板は、原稿を原稿読み取り部に密着させるためにある程度の重量を要する。また、原稿圧着板に原稿自動送り装置(Auto Document Feeder;ADF)が設けられている場合、原稿圧着板の重量は更に増大する。
従って、従来の事務機器の本体と原稿圧着板とを開閉可能に(回動可能に)連結するヒンジは、事務機器の本体に固定される取り付け部材と原稿圧着板に固定される支持部材との間にバネを介装し、当該バネの付勢力で原稿圧着板の重量を支えることにより、事務機器の本体に対する原稿圧着板の回動角度(開閉角度)を任意の角度で保持し、ひいては作業者が原稿圧着板を回動(開閉)させて原稿読み取り部へ原稿を載置する作業を容易にしている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0004】
特許文献1に記載のヒンジ(原稿圧着板開閉装置)は、支持部材に摺動可能に支持されるスライダ(カムフォロア)を具備する。当該スライダがバネにより取り付け部材に向かって付勢され(押され)、取り付け部材に固定されたカムに当接することにより、バネの付勢力で原稿圧着板の重量を支えられる。また、スライダとカムとの当接部位には大きな力(摩擦力)が作用するので、スライダおよびカムの摩耗を防止するためにグリス等の潤滑剤が塗布される。
【0005】
しかし、潤滑剤は流動性を有するため、スライダとカムとの当接部位から落下し、事務機器の本体の上面あるいは当該上面に載置された原稿に付着する場合がある。
【0006】
上記問題を解消するため、特許文献1に記載のヒンジは、ヒンジが閉じた位置まで回動しているときにはスライダの端部から延長されたカバーがカムの下方を覆うことにより、スライダとカムとの当接部位から落下した潤滑剤が事務機器の本体の上面あるいは当該上面に載置された原稿に付着することを防止している(特許文献1の図1参照)。
【0007】
しかし、特許文献1に記載のヒンジは、ヒンジが閉じた位置まで回動しているときには当該カバーがカムの下方を覆うことが可能であるが、ヒンジが開いた位置まで回動しているときには当該カバーがカムの前方に移動してしまい、カムの下方を覆うことができない(ひいては、スライダとカムとの当接部位から落下した潤滑剤が事務機器の本体の上面あるいは当該上面に載置された原稿に付着してしまう)という問題を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−280112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、ヒンジが開いているときに潤滑剤がヒンジの下方に落下することを防止すること、である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0011】
即ち、請求項1においては、
第一連結対象物に固定される第一ウイング部材と、
前記第一ウイング部材に固定される第一カム部材と、
前記第一ウイング部材に回動可能に連結されるとともに第二連結対象物に固定される第二ウイング部材と、
前記第二ウイング部材に支持されつつ前記第一カム部材に接近する方向および前記第一カム部材から離間する方向に移動可能な第一スライド部材と、
前記第一スライド部材を前記第一カム部材に接近する方向に付勢することにより前記第一スライド部材を前記第一カム部材に当接させる付勢部材と、
を具備し、
前記第一スライド部材と前記第一カム部材とが当接する部分に潤滑剤が塗布されるヒンジであって、
前記第一カム部材に回動可能に支持されるとともに、前記第二ウイング部材が前記第一ウイング部材に対して開いているときに前記第一スライド部材と前記第一カム部材とが当接する部分の下方を覆うカバー部材を具備するものである。
【0012】
請求項2においては、
前記カバー部材は、
前記第一カム部材に回動可能に係止される係止部と、
基端部が前記係止部に連なるとともに、前記第一スライド部材と前記第一カム部材とが当接する部分に対向する対向面を有する対向部と、
を具備するものである。
【0013】
請求項3においては、
前記第一カム部材は外形が円柱形状の第一カム軸を具備し、
前記係止部には、前記第一カム軸を貫装する貫装孔が形成されるとともに、前記貫装孔の内周面と前記係止部の外周面とを連通することにより前記第一スライド部材と前記第一カム軸とが当接することを許容する開口部が形成されるものである。
【0014】
請求項4においては、
前記開口部は、
貫装孔の一端部から他端部まで切り通した溝であり、
当該溝の幅は前記第一カム軸の外径よりも小さく、
前記係止部が弾性変形することにより、前記第一カム軸が前記開口部を通って前記貫装孔に貫装されるものである。
【0015】
請求項5においては、
前記対向部には、前記潤滑剤が前記対向面を伝って前記対向部の基端部から先端部に向かって流動することを阻止する流動阻止部が形成されるものである。
【0016】
請求項6においては、
前記流動阻止部は、
前記対向部の基端部から先端部に向かう方向に対して垂直な方向に延びた突起または溝である。
【0017】
請求項7においては、
前記第二ウイング部材は、
一端部が前記第一ウイング部材に回動可能に連結されるとともに前記第一スライド部材を前記第一カム部材に接近する方向および前記第一カム部材から離間する方向に移動可能に支持するアーム部材と、
前記アーム部材の他端部に回動可能に連結されるとともに前記第二連結対象物に固定されるリフト部材と、
前記リフト部材に固定される第二カム部材と、
前記アーム部材に支持されつつ前記第二カム部材に接近する方向および前記第二カム部材から離間する方向に移動可能であって、前記付勢部材により前記第二カム部材に接近する方向に付勢され、前記第二カム部材に当接する第二スライド部材と、
を具備するものである。
【0018】
請求項8においては、
前記第二スライド部材には、前記第一スライド部材と前記第二スライド部材との隙間のうち前記第二ウイング部材により覆われていない部分を覆う付勢カバー部が形成されるものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、第一ウイング部材に対して第二ウイング部材が開いているときに潤滑剤がヒンジの下方に落下することを防止することが可能である、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係るヒンジの実施の一形態を具備する複合機を示す右側面図。
【図2】本発明に係るヒンジの実施の一形態を示す斜視図。
【図3】同じく本発明に係るヒンジの実施の一形態を示す斜視図。
【図4】本発明に係るヒンジの実施の一形態を示す背面図。
【図5】本発明に係るヒンジの実施の一形態を示す右側面図。
【図6】開いているときの本発明に係るヒンジの実施の一形態を示す右側面断面図(図4のX−X矢視断面図)。
【図7】本発明に係るヒンジの実施の一形態における下部固定部材を示す斜視図。
【図8】本発明に係るヒンジの実施の一形態におけるアーム部材を示す斜視図。
【図9】本発明に係るヒンジの実施の一形態における軸受けを示す斜視図。
【図10】本発明に係るヒンジの実施の一形態における上部固定部材を示す斜視図。
【図11】本発明に係るヒンジの実施の一形態における第一スライド部材を示す斜視図。
【図12】同じく本発明に係るヒンジの実施の一形態における胴体部材を示す斜視図。
【図13】本発明に係るヒンジの実施の一形態におけるディスク部材を示す斜視図。
【図14】本発明に係るヒンジの実施の一形態における第二スライド部材を示す斜視図。
【図15】胴体部材に対するディスク部材の回動角度とバネ受け面の位置との関係を示す展開図。
【図16】本発明に係るヒンジの実施の一形態における調整プレートを示す斜視図。
【図17】本発明に係るヒンジの実施の一形態におけるカバー部材を示す斜視図。
【図18】同じく本発明に係るヒンジの実施の一形態におけるカバー部材を示す斜視図。
【図19】メンテナンスを行うときの本発明に係るヒンジの実施の一形態を示す右側面断面図。
【図20】閉じているときの本発明に係るヒンジの実施の一形態を示す右側面断面図。
【図21】本発明に係るカバー部材の別実施形態を示す斜視図。
【図22】同じく本発明に係るカバー部材の別実施形態を示す斜視図。
【図23】同じく本発明に係るカバー部材の別実施形態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では図1から図20を用いて本発明に係るヒンジの実施の一形態であるヒンジ100について説明する。
図1に示す如く、ヒンジ100は複合機1の本体2に原稿圧着板3を回動可能に連結する。
【0022】
複合機1は事務機器の実施の一形態である。複合機1は本体2および原稿圧着板3を具備する。
【0023】
本体2は本発明に係る第一連結対象物の実施の一形態である。
本実施形態の本体2は原稿読み取り装置、制御装置、印刷装置、表示装置および入力装置を具備する。
本実施形態の原稿読み取り装置は本体2の上面に配置される。原稿読み取り装置は本体2の上面に載置された原稿を読み取る(原稿の画像情報を生成する)。
本実施形態の制御装置は複合機1の各部の動作、より詳細には原稿読み取り装置、後述する印刷装置および後述するADFの動作を制御する。
また、制御装置は原稿読み取り装置が生成した画像情報および本体2に接続された回線(インターネット回線等)を通じて取得した画像情報を記憶することが可能である。
本実施形態の印刷装置は原稿読み取り装置の下方に配置される。印刷装置は制御装置が記憶した画像情報に基づいて所定の用紙に画像を印刷する。
本実施形態の表示装置は例えば液晶パネルからなり、複合機1の動作状況等に係る情報を表示する。
本実施形態の入力装置は例えばボタン、スイッチ等からなり、作業者が複合機1に対する指示等を入力する際に操作する。表示装置および入力装置は本体2の上面前部に配置される。
【0024】
原稿圧着板3は本発明に係る第二連結対象物の実施の一形態である。
原稿圧着板3は原稿読み取り装置の上に載置された原稿を原稿読み取り装置に向かって押さえつける(圧着する)ことにより、原稿読み取り装置が原稿を読み取る際に原稿が動く(原稿読み取り装置との相対的な位置が変化する)ことを防止する。
本実施形態の原稿圧着板は読取前原稿収容トレイ、ADF(Auto Document Feeder)および読取後原稿収容トレイを具備する。
本実施形態のADFは読取前原稿収容トレイに積層状態で収容された複数枚の原稿を一枚ずつ順に取り出して原稿読み取り装置の上の所定の読取位置に載置する。原稿読み取り装置による原稿の読み取りが終了した後、ADFは読取位置に載置された原稿を読取後原稿収容トレイに搬送する。
【0025】
「事務機器」は、少なくとも原稿を読み取る(原稿の画像情報を取得する)機能を具備する装置を指す。
事務機器の具体例としては、(a)原稿を読み取る機能および読み取った原稿に係る画像情報を他の機器(例えば、パーソナルコンピュータ)に送信する機能を具備するスキャナー、(b)原稿を読み取る機能、読み取った原稿に係る画像情報を通信回線を介して他の機器に送信する機能および他の機器から取得した画像情報をプリントアウトする機能を具備するファクス、(c)原稿を読み取る機能および読み取った原稿に係る画像情報をプリントアウトする機能を具備するコピー機、(d)上記スキャナー、ファクス、およびコピー機としての機能を兼ねる複合機、等が挙げられる。
【0026】
本実施形態のヒンジ100は複合機1の本体2に原稿圧着板3を開閉可能(回動可能)に連結する用途に用いられるが、本発明に係るヒンジの用途はこれに限定されない。
すなわち、本発明に係るヒンジは、「二つの部材のうちの一方の部材(第一連結対象物)に他方の部材(第二連結対象物)を開閉可能に連結する用途」に広く適用可能である。
本発明に係るヒンジが適用される他の用途の具体例としては、事務機器の本体にトナーカートリッジを交換するためのハッチ(蓋)を開閉可能に連結する用途、自動車の車体にボンネットを開閉可能に連結する用途、便器に便座を開閉可能に連結する用途、等が挙げられる。
【0027】
図2から図6までに示す如く、ヒンジ100は下部固定部材110、アーム部材120、第一連結部材130、上部固定部材140、第二連結部材136、第一スライド部材150、二つのバネユニット156・156、第一カム部材160、第二スライド部材164、第二カム部材165、第一回動角度調整機構170、第二回動角度調整機構175およびカバー部材180を具備する。
【0028】
図7に示す下部固定部材110は本発明に係る第一ウイング部材の実施の一形態である。
本実施形態の下部固定部材110は金属板を適宜折り曲げることにより成形される。
下部固定部材110は底板111、左側板112L、右側板112Rおよび背板116を具備する。
【0029】
底板111は下部固定部材110の下部を成す板状の部材である。底板111は上下一対の板面を有する。底板111の形状は平面視で前後方向にやや長い概ね長方形である。
底板111の前半部には上下一対の板面を貫通する貫通孔111aが形成される。底板111の後半部には上下一対の板面を貫通する係合孔111bが形成される。係合孔111bは第一の貫通孔と当該第一の貫通孔よりも直径が小さい第二の貫通孔とが前後に連なった形状を有する。
本実施形態では、複合機1の本体2の上面後部から上方に突出した係合突起(不図示)を係合孔111bに係合し、ネジ(不図示)を貫通孔111aに貫装し、当該ネジを本体2の上面後部に形成されたネジ孔に螺装することにより、底板111、ひいては下部固定部材110が本体2に固定される(図1参照)。
【0030】
左側板112Lは下部固定部材110の左上部を成す板状の部材である。左側板112Lは左右一対の板面を有する。左側板112Lの形状は側面視で後下部を基点として上方および前方に延びた概ねL字形である。左側板112Lの下端部は底板111の左端部に繋がっている(一枚の金属板を直角に折り曲げることにより、底板111および左側板112Lが形成される)。
左側板112Lの後上端部には左右一対の板面を貫通する貫通孔113Lが形成され、貫通孔113Lの内周面の下端部には係合溝が形成される。
左側板112Lにおいて貫通孔113Lの前下方となる位置には左右一対の板面を貫通する貫通孔114Lが形成される。
左側板112Lにおいて貫通孔113Lの下方となる位置には左右一対の板面を貫通する貫通孔115Lが形成される。貫通孔115Lの形状は側面視で上下方向に細長い長方形である。
【0031】
右側板112Rは下部固定部材110の右上部を成す板状の部材である。右側板112Rは左右一対の板面を有する。右側板112Rの形状は側面視で後下部を基点として上方および前方に延びた概ねL字形である。右側板112Rの下端部は底板111の右端部に繋がっている(一枚の金属板を直角に折り曲げることにより、底板111および右側板112Rが形成される)。
右側板112Rの後上端部には左右一対の板面を貫通する貫通孔113Rが形成され、貫通孔113Rの内周面の下端部には係合溝が形成される。
右側板112Rにおいて貫通孔113Rの前下方となる位置には左右一対の板面を貫通する貫通孔114Rが形成される。
右側板112Rにおいて貫通孔113Rの下方となる位置には左右一対の板面を貫通する貫通孔115Rが形成される。貫通孔115Rの形状は側面視で上下方向に細長い長方形である。
【0032】
背板116は下部固定部材110の後上部を成す板状の部材である。背板116は前後一対の板面を有する。背板116の形状は正面視で上下方向にやや長い概ね長方形である。
背板116の下端部は底板111の後端部に繋がっている(一枚の金属板を直角に折り曲げることにより、底板111および背板116が形成される)。
背板116の左端部には左側方に突出する突起部117Lが形成され、背板116の右端部には右側方に突出する突起部117Rが形成される。
突起部117Lが左側板112Lに形成された貫通孔115Lに貫装されるとともに突起部117Rが右側板112Rに形成された貫通孔115Rに貫装されることにより、下部固定部材110は強固な構造体を成す。
背板116の左半部かつ上下略中央部にはネジ孔118Lが形成され、背板116の右半部かつ上下略中央部にはネジ孔118Rが形成される。ネジ孔118Lおよびネジ孔118Rの内周面には雌ネジが形成される。
【0033】
図2から図5に示す第一カム部材160は本発明に係る第一カム部材の実施の一形態である。
本実施形態の第一カム部材160は第一カム軸161、軸受け162L・162RおよびEリング163L・163Rを具備する。
【0034】
本実施形態の第一カム軸161は概ね円柱形状の金属製の部材である。第一カム軸161の両端部(左端部および右端部)の外周面には、周方向に延びたリング状の溝が形成される。
なお、本実施形態の第一カム軸161は概ね円柱形状の部材であるが、十分な強度を確保することが可能であれば、本発明に係る第一カム軸を円筒形状の部材(外形が円柱形状であって中空の部材)としても良い。
【0035】
軸受け162L・162Rは概ね円筒形状の部材である。軸受け162L・162Rには、その一端部から他端部まで貫通する貫通孔が形成される。軸受け162L・162Rの一端部にはフランジが形成される。本実施形態の軸受け162L・162Rは樹脂材料からなる。
軸受け162Lは左側板112Lの貫通孔114Lに貫装される。軸受け162Lが貫通孔114Lに貫装されたとき、軸受け162Lのフランジは左側板112Lの左側の板面(外側の板面)に当接する。
軸受け162Rは右側板112Rの貫通孔114Rに貫装される。軸受け162Rが貫通孔114Rに貫装されたとき、軸受け162Rのフランジは右側板112Rの右側の板面(外側の板面)に当接する。
【0036】
第一カム軸161を左から順に、左側板112Lの貫通孔114Lに貫装された軸受け162Lの貫通孔、および右側板112Rの貫通孔114Rに貫装された軸受け162Rの貫通孔に貫装することにより、第一カム軸161、ひいては第一カム部材160が下部固定部材110に回動可能に軸支される。
また、第一カム軸161が下部固定部材110から脱落しないように、Eリング163L・163Rが第一カム軸161の両端部に形成されたリング状の溝に嵌装される(図2から図5参照)。
このようにして、第一カム部材160は下部固定部材110に固定される。
【0037】
図8に示すアーム部材120は本発明に係るアーム部材の実施の一形態である。
本実施形態のアーム部材120は金属板を適宜折り曲げることにより成形される。
アーム部材120は天板121、左側板122L、右側板122R、左鍔板126L、右鍔板126Rおよび後鍔板127を具備する。
【0038】
天板121は(厳密には、図20に示す如くヒンジ100が閉じているときに)アーム部材120の上部を成す板状の部材である。天板121は上下一対の板面を有する。天板121の形状は前後方向にやや長い概ね長方形である。
【0039】
左側板122Lはアーム部材120の左側部を成す板状の部材である。左側板122Lは左右一対の板面を有する。左側板122Lの形状は(厳密には、図20に示す如くヒンジ100が閉じているときに)前後方向にやや長い概ね長方形である。左側板122Lの上端部は天板121の左端部に繋がっている(一枚の金属板を直角に折り曲げることにより、天板121および左側板122Lが形成される)。
左側板122Lの後端部(一端部)かつ上端部となる位置には左右一対の板面を貫通する貫通孔123Lが形成される。
左側板122Lの前端部(他端部)かつ上端部となる位置には左右一対の板面を貫通する貫通孔124Lが形成される。
左側板122Lの前端部(他端部)かつ貫通孔124Lの下方となる位置には、後で詳述する第二カム部材165が左側板122Lに干渉することを防止するための切り欠き125Lが形成される。
【0040】
右側板122Rはアーム部材120の右側部を成す板状の部材である。右側板122Rは左右一対の板面を有する。右側板122Rの形状は(厳密には、図20に示す如くヒンジ100が閉じているときに)前後方向にやや長い概ね長方形である。右側板122Rの上端部は天板121の右端部に繋がっている(一枚の金属板を直角に折り曲げることにより、天板121および右側板122Rが形成される)。
右側板122Rの後端部(一端部)かつ上端部となる位置には左右一対の板面を貫通する貫通孔123Rが形成される。
右側板122Rの前端部(他端部)かつ上端部となる位置には左右一対の板面を貫通する貫通孔124Rが形成される。
右側板122Rの前端部(他端部)かつ貫通孔124Rの下方となる位置には、後で詳述する第二カム部材165が右側板122Rに干渉することを防止するための切り欠き125Rが形成される。
【0041】
左鍔板126Lは(厳密には、図20に示す如くヒンジ100が閉じているときに)上下一対の板面を有するとともに前後方向に細長い板状の部材である。
左鍔板126Lの左端部は左側板122Lの下端部に繋がっている(一枚の金属板を直角に折り曲げることにより、左側板122Lおよび左鍔板126Lが形成される)。
【0042】
右鍔板126Rは(厳密には、図20に示す如くヒンジ100が閉じているときに)上下一対の板面を有するとともに前後方向に細長い板状の部材である。
右鍔板126Rの右端部は右側板122Rの下端部に繋がっている(一枚の金属板を直角に折り曲げることにより、右側板122Rおよび右鍔板126Rが形成される)。
左鍔板126Lの右端面および右鍔板126Rの左端面は間隔を空けて対向する。
【0043】
後鍔板127は(厳密には、図20に示す如くヒンジ100が閉じているときに)前後一対の板面を有するとともに左右に細長い板状の部材である。
後鍔板127の下端部は天板121の後端部に繋がっている(一枚の金属板を直角に折り曲げることにより、天板121および後鍔板127が形成される)。
【0044】
図2に示す如く、第一連結部材130はアーム部材120を下部固定部材110に回動可能に連結する部材である。
図1、図2、図3、図5、図6および図9に示す如く、第一連結部材130は第一回動軸131、軸受け132・133、スペーサ134L・134RおよびEリング135L・135Rを具備する。
【0045】
本実施形態の第一回動軸131は概ね円柱形状の金属製の部材である。第一回動軸131の両端部(左端部および右端部)の外周面には、周方向に延びたリング状の溝が形成される。
【0046】
図9に示す如く、軸受け132は胴体部132a、フランジ部132bおよび突起部132cを具備する。
本実施形態の軸受け132は樹脂材料からなり、胴体部132a、フランジ部132bおよび突起部132cが一体的に成形される。
胴体部132aは軸受け132の胴体を成す。胴体部132aは概ね円筒形状であり、胴体部132aの一端部から他端部まで貫通する貫通孔を有する。
フランジ部132bは中心部に貫通孔を有し、その形状は概ね円盤形状である。フランジ部132bは胴体部132aの一端部に連なる。フランジ部132bの外径は胴体部132aの外径よりも大きいので、フランジ部132bの周縁部は胴体部132aの半径方向に突出する。
突起部132cは胴体部132aの外周部に形成された突起である。
軸受け132は下部固定部材110の左側板112Lに形成された貫通孔113Lに貫装される。軸受け132が貫通孔113Lに貫装されたとき、フランジ部132bは左側板112Lの左側の板面(外側の板面)に当接するとともに突起部132cは貫通孔113Lの内周面に形成された係合溝に係合する(図7および図9参照)。
【0047】
図9に示す如く、軸受け133は胴体部133a、フランジ部133bおよび突起部133cを具備する。本実施形態では軸受け133の基本的な構成が軸受け132と同じであるため、詳細な説明を省略する。
軸受け133は下部固定部材110の右側板112Rに形成された貫通孔113Rに貫装される。軸受け133が貫通孔113Rに貫装されたとき、フランジ部133bは右側板112Rの右側の板面(外側の板面)に当接するとともに突起部133cは貫通孔113Rの内周面に形成された係合溝に係合する(図7および図9参照)。
【0048】
図3に示す如く、本実施形態のスペーサ134L・134Rは樹脂材料からなる概ね円筒形状の部材である。スペーサ134L・134Rには一端部から他端部まで貫通する貫通孔が形成される。
【0049】
第一回動軸131を左から順に、左側板122Lの貫通孔123L、スペーサ134Lの貫通孔、左側板112Lの貫通孔113Lに貫装された軸受け132の貫通孔、右側板112Rの貫通孔113Rに貫装された軸受け133の貫通孔、スペーサ134Rの貫通孔、および右側板122Rの貫通孔123Rに貫装することにより、アーム部材120が第一連結部材130を介して下部固定部材110に回動可能に連結される(図2、図3、図7および図8参照)。
また、第一回動軸131がアーム部材120および下部固定部材110から脱落しないように、Eリング135L・135Rが第一回動軸131の両端部に形成されたリング状の溝に嵌装される(図2および図3参照)。
【0050】
図10に示す上部固定部材140は本発明に係るリフト部材の実施の一形態である。
本実施形態の上部固定部材140は金属板を適宜折り曲げることにより成形される。
上部固定部材140は天板141、左側板142L、右側板142R、左鍔板145L、右鍔板145Rおよび後鍔板148を具備する。
【0051】
天板141は(厳密には、図20に示す如くヒンジ100が閉じているときに)上部固定部材140の上部を成す板状の部材である。天板141は上下一対の板面を有する。天板141の形状は前後方向にやや長い概ね長方形である。
天板141の後端部かつ左右略中央部となる位置にはネジ孔141aが形成される。ネジ孔141aの内周面には雌ネジが形成される。
【0052】
左側板142Lは上部固定部材140の左側部を成す板状の部材である。左側板142Lは左右一対の板面を有する。左側板142Lの形状は(厳密には、図20に示す如くヒンジ100が閉じているときに)前後方向にやや長い概ね長方形である。左側板142Lの上端部は天板141の左端部に繋がっている(一枚の金属板を直角に折り曲げることにより、天板141および左側板142Lが形成される)。
左側板142Lの前端部(一端部)かつ上端部となる位置には左右一対の板面を貫通する貫通孔143Lが形成される。
左側板142Lの前端部(一端部)かつ貫通孔143Lの下方となる位置には左右一対の板面を貫通する貫通孔144Lが形成される。
【0053】
右側板142Rは上部固定部材140の右側部を成す板状の部材である。右側板142Rは左右一対の板面を有する。右側板142Rの形状は(厳密には、図20に示す如くヒンジ100が閉じているときに)前後方向にやや長い概ね長方形である。右側板142Rの上端部は天板141の右端部に繋がっている(一枚の金属板を直角に折り曲げることにより、天板141および右側板142Rが形成される)。
右側板142Rの前端部(一端部)かつ上端部となる位置には左右一対の板面を貫通する貫通孔143Rが形成される。
右側板142Rの前端部(一端部)かつ貫通孔143Rの下方となる位置には左右一対の板面を貫通する貫通孔144Rが形成される。
【0054】
左鍔板145Lは(厳密には、図20に示す如くヒンジ100が閉じているときに)上下一対の板面を有するとともに前後方向に細長い板状の部材である。
左鍔板145Lの右端部は左側板142Lの下端部に繋がっている(一枚の金属板を直角に折り曲げることにより、左側板142Lおよび左鍔板145Lが形成される)。
左鍔板145Lの後端部には上下一対の板面を貫通する貫通孔146Lが形成され、左鍔板145Lの前端部には上下一対の板面を貫通する貫通孔147Lが形成される。
【0055】
右鍔板145Rは(厳密には、図20に示す如くヒンジ100が閉じているときに)上下一対の板面を有するとともに前後方向に細長い板状の部材である。
右鍔板145Rの左端部は右側板142Rの下端部に繋がっている(一枚の金属板を直角に折り曲げることにより、右側板142Rおよび右鍔板145Rが形成される)。
右鍔板145Rの後端部には上下一対の板面を貫通する貫通孔146Rが形成され、右鍔板145Rの前端部には上下一対の板面を貫通する貫通孔147Rが形成される。
【0056】
後鍔板148は(厳密には、図20に示す如くヒンジ100が閉じているときに)前後一対の板面を有するとともに左右に細長い板状の部材である。
後鍔板148の下端部は天板141の後端部に繋がっている(一枚の金属板を直角に折り曲げることにより、天板141および後鍔板148が形成される)。
【0057】
本実施形態では、貫通孔146L、貫通孔147L、貫通孔146Rおよび貫通孔147Rにそれぞれネジを貫装し、これらのネジを原稿圧着板3の下面後端部に形成されたネジ孔に螺装することにより、上部固定部材140が原稿圧着板3に固定される。
【0058】
図2に示す如く、第二連結部材136は上部固定部材140をアーム部材120に回動可能に連結する部材である。
第二連結部材136は第二回動軸137およびEリング138L・138Rを具備する。
【0059】
本実施形態の第二回動軸137は概ね円柱形状の金属製の部材である。第二回動軸137の両端部(左端部および右端部)の外周面には、周方向に延びたリング状の溝が形成される。
【0060】
第二回動軸137を左から順に、左側板142Lの貫通孔143L、左側板122Lの貫通孔124L、右側板122Rの貫通孔124R、および右側板142Rの貫通孔143Rに貫装することにより、上部固定部材140の前端部が第二連結部材136を介してアーム部材120の前端部(他端部)に回動可能に連結される(図2、図3、図8および図10参照)。
また、第二回動軸137が上部固定部材140およびアーム部材120から脱落しないように、Eリング138L・138Rが第二回動軸137の両端部に形成されたリング状の溝に嵌装される(図2および図3参照)。
【0061】
図2および図6に示す第一スライド部材150は本発明に係る第一スライド部材の実施の一形態である。
【0062】
図6、図11、図12および図13に示す如く、本実施形態の第一スライド部材150は胴体部材151、二つのディスク部材152・152および二つの当接部材153・153を具備する。
【0063】
図11および図12に示す胴体部材151は第一スライド部材150の主たる構造体を成す。本実施形態の胴体部材151は樹脂材料からなる。胴体部材151の外形は概ね直方体である。
【0064】
図11に示す如く、胴体部材151の一端部(厳密には、図20に示す如くヒンジ100が閉じているときに胴体部材151の後端部となる部分)には、当接面151aが形成される。
【0065】
図12に示す如く、胴体部材151にはバネ受け穴151b・151cが形成される。
バネ受け穴151b・151cは胴体部材151の他端部(厳密には、図20に示す如くヒンジ100が閉じているときに胴体部材151の前端部となる部分)に開口する。バネ受け穴151bは胴体部材151の左半部に配置され、バネ受け穴151cは胴体部材151の右半部に配置される。
【0066】
バネ受け穴151bの底面の中央部には円柱形状の突起である軸突起151dが形成され、バネ受け穴151cの底面の中央部には円柱形状の突起である軸突起151eが形成される。
【0067】
バネ受け穴151bの底面には四つの周辺突起151f・151f・151f・151fが形成される。周辺突起151f・151f・151f・151fは薄い円柱形状の突起である。周辺突起151f・151f・151f・151fはいずれも軸突起151dまでの距離が等しい位置に配置される。また、隣り合う周辺突起151f・151fは互いに軸突起151dを中心として90°ずつ位相がずれている。
【0068】
バネ受け穴151cの底面には四つの周辺突起151g・151g・151g・151gが形成される。周辺突起151g・151g・151g・151gは薄い円柱形状の突起である。周辺突起151g・151g・151g・151gはいずれも軸突起151eまでの距離が等しい位置に配置される。また、隣り合う周辺突起151g・151gは互いに軸突起151eを中心として90°ずつ位相がずれている。
【0069】
胴体部材151には操作窓151h・151iが形成される。
操作窓151hはバネ受け穴151bの内周面と胴体部材151の外周面(厳密には、図20に示す如くヒンジ100が閉じているときに胴体部材151の下面となる面)とを連通する。操作窓151iはバネ受け穴151cの内周面と胴体部材151の外周面(厳密には、図20に示す如くヒンジ100が閉じているときに胴体部材151の下面となる面)とを連通する。
【0070】
図6に示すディスク部材152・152(厳密には、図6では一方のディスク部材152のみが示されている)はいずれも一対の盤面を有する概ね円盤形状の部材である。本実施形態のディスク部材152・152は樹脂材料からなる。
図13に示す如く、ディスク部材152には一対の盤面を貫通する貫通孔152aが形成される。
ディスク部材152の一方の盤面は平滑であり、当該盤面は当接面152bを成す。
ディスク部材152の他方の盤面はディスク部材152の周方向に並んだ複数の平面である四つの凸面152c・152c・152c・152c、四つの凹面152d・152d・152d・152d、四つの斜面152e・152e・152e・152eおよび四つの斜面152f・152f・152f・152fの集合体である。
【0071】
図13の(b)に示す如く、四つの凸面152c・152c・152c・152cおよび四つの凹面152d・152d・152d・152dはいずれも当接面152bに平行な平面である。「四つの凸面152c・152c・152c・152cから当接面152bまでの距離」は「四つの凹面152d・152d・152d・152dから当接面152bまでの距離」よりも大きい。
四つの斜面152e・152e・152e・152eおよび四つの斜面152f・152f・152f・152fは、四つの凸面152c・152c・152c・152cおよび四つの凹面152d・152d・152d・152dを繋ぐ平面であり、当接面152bに対して傾斜している(当接面152bに対して平行ではない)。
【0072】
図13の(b)に示す如く、ディスク部材152の他方の盤面を成す複数の平面は、ディスク部材152の他方の盤面に対向する方向から見たときに、反時計回りで凹面152d→斜面152e→凸面152c→斜面152f→凹面152d→斜面152e→・・・の順に並んでいる。
ディスク部材152には操作用突起152gが形成される。操作用突起152gはディスク部材152の外周面からディスク部材152の半径方向に突出した突起である。
【0073】
ディスク部材152・152はそれぞれ胴体部材151のバネ受け穴151b・151cに収容される(図6参照)。
【0074】
バネ受け穴151bに収容されたディスク部材152の貫通孔152aには軸突起151dが貫装される。バネ受け穴151bに収容されたディスク部材152は軸突起151dを中心として回動可能である。
また、バネ受け穴151bに収容されたディスク部材152の他方の盤面(複数の平面の集合体)はバネ受け穴151bの底面に対向する。
なお、バネ受け穴151bに収容されたディスク部材152の操作用突起152gは操作窓151hに対向する位置(胴体部材151の外部から操作窓151hを通して視認可能な位置)に配置される。
【0075】
バネ受け穴151cに収容されたディスク部材152の貫通孔152aには軸突起151eが貫装される。バネ受け穴151cに収容されたディスク部材152は軸突起151eを中心として回動可能である。
また、バネ受け穴151cに収容されたディスク部材152の他方の盤面(複数の平面の集合体)はバネ受け穴151cの底面に対向する。
なお、バネ受け穴151cに収容されたディスク部材152の操作用突起152gは操作窓151iに対向する位置(胴体部材151の外部から操作窓151iを通して視認可能な位置)に配置される。
【0076】
図6に示す当接部材153・153(厳密には、図6では一方の当接部材153のみが示されている)は一対の盤面を有し、当該一対の盤面を貫通する貫通孔が形成された円盤形状の部材である。本実施形態の当接部材153・153は樹脂材料からなる。
当接部材153・153はそれぞれ胴体部材151のバネ受け穴151b・151cに収容される。
【0077】
バネ受け穴151bに収容された当接部材153の貫通孔には軸突起151dが貫装される。バネ受け穴151bに収容された当接部材153は軸突起151dを中心として回動可能である。
また、バネ受け穴151bに収容された当接部材153の一対の盤面のうちバネ受け穴151bに収容されたディスク部材152の当接面152bに対向する方の盤面は、その当接面152bに当接する。
バネ受け穴151bに収容された当接部材153の一対の盤面のうち当接面152bに当接しない方の盤面はバネ当接面153aを成す。
【0078】
バネ受け穴151cに収容された当接部材153の貫通孔には軸突起151eが貫装される。バネ受け穴151cに収容された当接部材153は軸突起151eを中心として回動可能である。
また、バネ受け穴151cに収容された当接部材153の一対の盤面のうちバネ受け穴151cに収容されたディスク部材152の当接面152bに対向する方の盤面は、その当接面152bに当接する。
バネ受け穴151cに収容された当接部材153の一対の盤面のうち当接面152bに当接しない方の盤面はバネ当接面153aを成す。
【0079】
図2および図6に示す如く、第一スライド部材150はアーム部材120の内部(天板121、左側板122L、右側板122R、左鍔板126Lおよび右鍔板126Rで囲まれる空間)に収容される。
アーム部材120の内部に収容された第一スライド部材150の外周面は天板121、左側板122L、右側板122R、左鍔板126Lおよび右鍔板126Rに当接する。
従って、第一スライド部材150は天板121の長手方向(厳密には、図20に示す如くヒンジ100が閉じているときの前後方向)への移動(摺動)は許容されるが、天板121の長手方向に垂直な方向(厳密には、図20に示す如くヒンジ100が閉じているときの左右方向および上下方向)への移動、およびアーム部材120に対する相対回転は規制される。
このように、アーム部材120の内部に収容された第一スライド部材150は、アーム部材120に支持されつつ、天板121の長手方向、ひいては第一カム部材160に接近する方向および第一カム部材160から離間する方向に移動することが可能である。
なお、第一スライド部材150がアーム部材120の内部に収容されたとき、胴体部材151の当接面151aは第一カム部材160(第一カム軸161)に対向する。
【0080】
図2および図3に示す第二カム部材165は本発明に係る第二カム部材の実施の一形態である。
第二カム部材165は第二カム軸166およびEリング167L・167Rを具備する。
【0081】
本実施形態の第二カム軸166は概ね円柱形状の金属製の部材である。第二カム軸166の両端部(左端部および右端部)の外周面には、周方向に延びたリング状の溝が形成される。
【0082】
第二カム軸166を左から順に、左側板142Lの貫通孔144Lおよび右側板142Rの貫通孔144Rに貫装することにより、第二カム軸166が上部固定部材140の前端部(他端部)に回動可能に軸支される。
また、第二カム軸166が上部固定部材140から脱落しないように、Eリング167L・167Rが第二カム軸166の両端部に形成されたリング状の溝に嵌装される。
このようにして、第二カム部材165は上部固定部材140に固定される。
【0083】
図2、図6および図14に示す第二スライド部材164は本発明に係る第二スライド部材の実施の一形態である。
図14に示す如く、第二スライド部材164は概ね直方体形状の部材である。本実施形態の第二スライド部材164は樹脂材料からなる。
【0084】
第二スライド部材164の一端面(厳密には、図20に示す如くヒンジ100が閉じているときに前面となる面)には当接面164aが形成される。
【0085】
第二スライド部材164にはバネ受け穴164b・164cが形成される。バネ受け穴164b・164cは第二スライド部材164の他端面(当接面164aが形成される面の反対側となる面であり、厳密には、図20に示す如くヒンジ100が閉じているときに後面となる面)に開口する。
バネ受け穴164bは第二スライド部材164の左半部に配置され、バネ受け穴164cは第二スライド部材164の右半部に配置される。
第二スライド部材164には付勢カバー部164dが形成される。付勢カバー部164dは第二スライド部材164の他端面の縁部から突出する(厳密には、図20に示す如くヒンジ100が閉じているときに第二スライド部材164の後面の下端部から後方に向かって突出する)板状の部分である。
【0086】
図2および図6に示す如く、第二スライド部材164はアーム部材120の内部(天板121、左側板122L、右側板122R、左鍔板126Lおよび右鍔板126Rで囲まれる空間)に収容される。
アーム部材120の内部に収容された第二スライド部材164の外周面は天板121、左側板122L、右側板122R、左鍔板126Lおよび右鍔板126Rに当接する。従って、第二スライド部材164は天板121の長手方向(厳密には、図20に示す如くヒンジ100が閉じているときの前後方向)への移動(摺動)は許容されるが、天板121の長手方向に垂直な方向(厳密には、図20に示す如くヒンジ100が閉じているときの左右方向および上下方向)への移動、およびアーム部材120に対する相対回転は規制される。
このように、アーム部材120の内部に収容された第二スライド部材164は、アーム部材120に支持されつつ、天板121の長手方向、ひいては第二カム部材165に接近する方向および第二カム部材165から離間する方向に移動することが可能である。
なお、第二スライド部材164がアーム部材120の内部に収容されたとき、当接面164aは第二カム部材165(第二カム軸166)に対向する。
【0087】
本実施形態では、アーム部材120、上部固定部材140、第二連結部材136、第二カム部材165および第二スライド部材164を合わせたものが本発明に係る第二ウイング部材の実施の一形態に相当する。
言い換えれば、本発明に係る第二ウイング部材の実施の一形態は、アーム部材120、上部固定部材140、第二連結部材136、第二カム部材165および第二スライド部材164を具備する。
【0088】
図6に示す二つのバネユニット156・156は本発明に係る付勢部材の実施の一形態である。
本実施形態のバネユニット156は大バネ157、中バネ158および小バネ159を具備する。
大バネ157、中バネ158および小バネ159はいずれも金属製の巻きバネであり、圧縮バネ(外力が加えられていないときよりも全長が短くなるように収縮された状態で使用されるバネ)である。大バネ157の内径は中バネ158の外径よりも大きい。また、中バネ158の内径は小バネ159の外径よりも大きい。
本実施形態のバネユニット156は大バネ157の内部に中バネ158が収容され、中バネ158の内部に小バネ159が収容されたものである。
【0089】
二つのバネユニット156はアーム部材120の内部(天板121、左側板122L、右側板122R、左鍔板126Lおよび右鍔板126Rで囲まれる空間)に収容される。
【0090】
二つのバネユニット156のうち、一方のバネユニット156の一端部は第一スライド部材150の胴体部材151に形成されたバネ受け穴151bに挿入され、バネ受け穴151bに収容された当接部材153のバネ当接面153aに当接する。
また、一方のバネユニット156の他端部は第二スライド部材164に形成されたバネ受け穴164bに挿入され、バネ受け穴164bの底面に当接する。
【0091】
二つのバネユニット156のうち、他方のバネユニット156の一端部は第一スライド部材150の胴体部材151に形成されたバネ受け穴151cに挿入され、バネ受け穴151cに収容された当接部材153のバネ当接面153aに当接する。
また、他方のバネユニット156の他端部は第二スライド部材164に形成されたバネ受け穴164cに挿入され、バネ受け穴164cの底面に当接する。
【0092】
二つのバネユニット156・156が発生する付勢力、すなわち、圧縮される方向に弾性変形した二つのバネユニット156・156が元の形状(外力が作用していないときの形状)に戻ろうとする力(弾性力)により、第一スライド部材150は第一カム部材160に接近する方向に付勢され、第二スライド部材164は第二カム部材165に接近する方向に付勢される。
そのため、第一スライド部材150の胴体部材151の当接面151aが第一カム部材160の第一カム軸161の外周面に当接するとともに、第二スライド部材164の当接面164aが第二カム部材165の第二カム軸166の外周面に当接する。
結果として、二つのバネユニット156・156が発生する付勢力により、アーム部材120(ひいては本発明に係る第二ウイング部材の実施の一形態)は下部固定部材110に対して開く方向(本実施形態では、右側面視で反時計回りとなる方向)に回動するように付勢され、上部固定部材140はアーム部材120に対して閉じる方向(本実施形態では、右側面視で反時計回りとなる方向)に回動するように付勢される。
【0093】
なお、本実施形態では、上部固定部材140が原稿圧着板3に固定されているときに原稿圧着板3の自重に起因してヒンジ100を閉じようとする回転力(アーム部材120を下部固定部材110に対して右側面視で時計回りに回動させようとする回転力)と、二つのバネユニット156・156の付勢力に起因してヒンジ100を開こうとする回転力(アーム部材120を下部固定部材110に対して右側面視で反時計回りに回動させようとする回転力)と、が平衡するように、第一スライド部材150の胴体部材151の当接面151aの形状等が予め定められる。
【0094】
本実施形態では、第一スライド部材150と第一カム部材160とが当接する部分(より詳細には、胴体部材151の当接面151aおよび第一カム軸161の外周面)には摩耗を防止するためのグリスが塗布される。当該グリスは、本発明に係る潤滑剤の実施の一形態である。
なお、本発明に係る潤滑剤は本実施形態のグリスに限定されず、ある程度の流動性を有し、かつ、第一スライド部材と第一カム部材とが当接する部分に塗布することにより第一スライド部材および第一カム部材の摩耗を防止し得る材料であれば良い。
【0095】
図2、図6、図19および図20に示す如く、付勢カバー部164dの左右方向の幅はアーム部材120の左鍔板126Lの右端部から右鍔板126Rの左端部までの距離とほぼ同じである。また、付勢カバー部164dの移動方向(図20における前後方向)の突出量(突出長さ)は第一スライド部材150の胴体部材151においてバネ受け穴151b・151cが開口している端面から第二スライド部材164においてバネ受け穴164b・164cが開口している端面までの距離(の最大値)よりも大きい。
従って、第一スライド部材150と第二スライド部材164との隙間のうちアーム部材120(ひいては、本発明に係る第二ウイング部材の実施の一形態)により覆われていない部分が付勢カバー部164dにより覆われることとなり、下部固定部材110に対するアーム部材120の回動角度が変化してもバネユニット156・156は外部に露出していない状態に保持される。
結果として、ヒンジ100が開閉する際にバネユニット156・156に物品等が挟まれるといった事態を回避することが可能である。
【0096】
以下では、図15を用いてディスク部材152・152によるバネユニット156・156の付勢力の調整について説明する。
図15に示す如く、本実施形態では、『「四つの凸面152c・152c・152c・152cから当接面152bまでの距離」から「四つの凹面152d・152d・152d・152dから当接面152bまでの距離」を引いた長さ』は、第一スライド部材150の胴体部材151に形成された周辺突起151f・151f・・・および周辺突起151g・151g・・・の高さ(バネ受け穴151b・151cの底面からの突出量)よりもわずかに大きい。
【0097】
図15の(a)に示す如く、第一スライド部材150の胴体部材151に形成された周辺突起151f・151f・・・(周辺突起151g・151g・・・)がディスク部材152の四つの凹面152d・152d・152d・152dに対向するとき、ディスク部材152の四つの凸面152c・152c・152c・152cはバネ受け穴151b(バネ受け穴151c)の底面に当接する。
図15の(a)に示す状態のとき、バネ受け穴151b(バネ受け穴151c)の底面から当接部材153のバネ当接面153aまでの高さはL1となる。
L1は、実質的には「ディスク部材152の厚さ(厳密には、四つの凸面152c・152c・152c・152cから当接面152bまでの距離)」および「当接部材153の厚さ」の和で表される。
【0098】
作業者が第一スライド部材150の胴体部材151の操作窓151h・151iからバネ受け穴151b・151cの内部に指あるいは金属製の棒等の工具を差しこみ、当該指あるいは工具をディスク部材152・152の操作用突起152g・152gに引っかけることによりディスク部材152・152を軸突起151d・151eを中心として回動させた場合、第一スライド部材150の胴体部材151に形成された周辺突起151f・151f・151f・151f(周辺突起151g・151g・151g・151g)はそれぞれ四つの斜面152e・152e・152e・152eに当接し、次いで四つの凸面152c・152c・152c・152cに当接する(図15の(a)に示す状態から図15の(b)に示す状態に移行する)。
【0099】
図15の(b)に示す状態のとき、バネ受け穴151b(バネ受け穴151c)の底面から当接部材153のバネ当接面153aまでの高さはL2となる。
L2は、実質的には「ディスク部材152の厚さ(厳密には、四つの凸面152c・152c・152c・152cから当接面152bまでの距離)」、「当接部材153の厚さ」、並びに「周辺突起151f・151f・・・および周辺突起151g・151g・・・の高さ」の和で表される。従って、L2はL1よりも大きい(L2>L1)。
【0100】
当接部材153・153のバネ当接面153a・153aから第二スライド部材164のバネ受け穴164b(バネ受け穴164c)の底面までの距離は、実質的にはこれらの面に当接するバネユニット156・156の全長に等しく、当該距離が短くなるほどバネユニット156・156が発生する付勢力は大きくなる。
従って、第一スライド部材150(の胴体部材151)および第二スライド部材164の相対的な位置を一定に保持した場合、図15の(b)に示す状態のときにバネユニット156・156が発生する付勢力は、図15の(a)に示す状態のときにバネユニット156・156が発生する付勢力よりも大きい。
このように、ディスク部材152・152を軸突起151d・151eを中心として回動させることにより、バネユニット156・156が発生する付勢力を調整(変更)することが可能である。
ディスク部材152・152を回動させることによるバネユニット156・156の付勢力の調整は、バネユニット156・156を構成する大バネ157・157、中バネ158・158および小バネ159・159の劣化(ヘタリ)に対して有効である。すなわち、バネユニット156・156を新品に交換しなくても、劣化したバネユニット156・156の付勢力を大きくすることが可能であるため、メンテナンスが容易である。
【0101】
図3および図4に示す第一回動角度調整機構170は下部固定部材110に対するアーム部材120(ひいては本発明に係る第二ウイング部材の実施の一形態)の回動角度の上限値(ヒンジ100が最も大きく開いたときの下部固定部材110に対するアーム部材120の回動角度)を調整するものである。
本実施形態の第一回動角度調整機構170は調整プレート171およびネジ172L・172Rを具備する。
【0102】
図16に示す如く、調整プレート171は主板171a、左側板171dおよび右側板171eを具備する。
本実施形態の調整プレート171は金属板を適宜折り曲げることにより成形される。
【0103】
主板171aは調整プレート171の主たる構造体を成す板状の部材である。主板171aは前後一対の板面を有する。主板171aの形状は背面視で左右方向にやや長い長方形である。
主板171aには長孔171b・171cが形成される。長孔171b・171cはいずれも主板171aの前後一対の板面を貫通する孔であり、上下方向に延びた形状を有する。長孔171bは主板171aの左半部に配置され、長孔171cは主板171aの右半部に配置される。
【0104】
左側板171dは調整プレート171の左側部を成す板状の部材である。左側板171dは左右一対の板面を有する。左側板171dの形状は側面視で概ね上下に細長い長方形である。左側板171dの前端部は主板171aの左端部に繋がっている(一枚の金属板を直角に折り曲げることにより、主板171aおよび左側板171dが形成される)。
【0105】
右側板171eは調整プレート171の右側部を成す板状の部材である。右側板171eは左右一対の板面を有する。右側板171eの形状は側面視で概ね上下に細長い長方形である。右側板171eの前端部は主板171aの右端部に繋がっている(一枚の金属板を直角に折り曲げることにより、主板171aおよび右側板171eが形成される)。
【0106】
図3、図4および図6に示す如く、ネジ172Lを長孔171bに貫装するとともにネジ孔118Lに螺装し、ネジ172Rを長孔171cに貫装するとともにネジ孔118Rに螺装することにより、調整プレート171が下部固定部材110の背板116に固定される。
図6に示す如く、下部固定部材110に対してアーム部材120(ひいては本発明に係る第二ウイング部材の実施の一形態)を開く方向に回動させた場合、すなわち、下部固定部材110に対するアーム部材120の回動角度θが大きくなる方向(本実施形態では、右側面視で反時計回りに)に回動させた場合、アーム部材120がある回動角度まで回動したときにアーム部材120の後鍔板127が調整プレート171の左側板171dの上端部および右側板171eの上端部に当接し、アーム部材120はそれ以上開く方向に回動することが出来ない。
このように、第一回動角度調整機構170は下部固定部材110に対するアーム部材120の回動角度の上限値を定める。
【0107】
また、ネジ172Lおよびネジ172Rを弛めたとき、「ネジ172Lおよびネジ172Rがそれぞれ長孔171bおよび長孔171cの内周面の上端部に当接する位置」から「ネジ172Lおよびネジ172Rがそれぞれ長孔171bおよび長孔171cの内周面の下端部に当接する位置」までの範囲で、調整プレート171は背板116(下部固定部材110)に対して上下方向に移動する(摺動する)ことが可能である。
従って、アーム部材120の後鍔板127が調整プレート171の左側板171dの上端部および右側板171eの上端部に当接するときの下部固定部材110に対するアーム部材120の回動角度、すなわち下部固定部材110に対するアーム部材120の回動角度の上限値を調整(変更)することが可能である。
【0108】
図3から図6に示す第二回動角度調整機構175はアーム部材120に対する上部固定部材140の回動角度の下限値(上部固定部材140が最も閉じているときのアーム部材120に対する上部固定部材140の回動角度)を調整するものである。
本実施形態の第二回動角度調整機構175はナット176およびネジ177を具備する。
【0109】
ネジ177を上部固定部材140の天板141のネジ孔141aに螺装することにより、ネジ177の先端部が天板141からアーム部材120の天板121に向かって突出する長さ(ネジ177の突出量)を調整することが可能である(図6参照)。
上部固定部材140がアーム部材120に対して閉じる方向(右側面視で反時計回りに)回動する場合、上部固定部材140がアーム部材120に対してある回動角度まで回動した時点で天板141から突出するネジ177の先端部がアーム部材120の天板121に当接する。従って、上部固定部材140はアーム部材120に対してそれ以上閉じる方向に回動することができない。
このように、ネジ177の突出量を定めることによりアーム部材120に対する上部固定部材140の回動角度の下限値を定めることが可能であり、ネジ177の突出量を調整することによりアーム部材120に対する上部固定部材140の回動角度の下限値を調整する(変更する)ことが可能である。
なお、本実施形態ではネジ177の胴体部(外周面に雄ネジが形成される部分)においてネジ177の頭部(ネジ177の胴体部に連なる部分であって当該胴体部よりも外径が大きい部分)とアーム部材120の天板121とで挟まれる部分にナット176を螺装し、ナット176を天板141に当接する方向に締め付けることにより、ネジ177を天板121に相対回転不能に固定することが可能であり、ひいてはネジ177が弛むこと(意図せずにアーム部材120に対する上部固定部材140の回動角度の下限値が変更されること)を防止することが可能である。
【0110】
以下では図6、並びに、図17から図20を用いてカバー部材180について説明する。
カバー部材180は本発明に係るカバー部材の実施の一形態であり、下部固定部材110に対してアーム部材120(ひいては、本発明に係る第二ウイング部材の実施の一形態)が開いているときにグリスがヒンジ100の下方に落下することを防止するための部材である。
図17および図18に示す如く、本実施形態のカバー部材180は係止部181および二つの対向部182・183を具備する。
本実施形態のカバー部材180は弾性変形し得る樹脂材料からなる。
【0111】
係止部181は本発明に係る係止部の実施の一形態であり、カバー部材180のうち第一カム軸161に回動可能に係止される部分である。
本実施形態の係止部181の外形は概ね円筒形状であり、係止部181には係止部181の一端部から他端部まで貫通する貫装孔181aが形成される。
係止部181の内径(貫装孔181aの直径)は第一カム軸161の外径よりもわずかに大きいので、第一カム軸161を貫装孔181aに貫装することにより、係止部181(ひいては、カバー部材180)は第一カム軸161(ひいては、第一カム部材160)に回動可能に支持され、係止される(図6参照)。
【0112】
図17および図18に示す如く、係止部181には開口溝181bが形成される。
開口溝181bは本発明に係る開口部の実施の一形態である。開口溝181bは貫装孔181aの内周面と係止部181の外周面とを連通する溝であり、貫装孔181aの一端部から他端部まで切り通した(貫装孔181aの長手方向に切り通した)溝である。開口溝181bの幅Wは第一カム軸161の外径よりも小さい。
第一カム軸161が係止部181の貫装孔181aに貫装されているとき、(厳密には、係止部181に大きな外力が加わることにより弾性変形しない限り)係止部181は第一カム軸161から脱落せず、第一カム軸161に係止された状態が保持される。
【0113】
図6、図19および図20に示す如く、第一カム軸161の外周面のうち、開口溝181bに対応する部分は第一スライド部材150の胴体部材151の当接面151aに当接する。すなわち、開口溝181bは、第一スライド部材150の胴体部材151の当接面151aと第一カム軸161の外周面とが当接することを許容する。
【0114】
本実施形態では、カバー部材180は弾性変形し得る樹脂材料からなるため、係止部181が弾性変形することにより(係止部181に外力を加えて弾性変形させることにより)開口溝181bの幅を一時的に広げて第一カム軸161の外径よりも大きくすることが可能であり、幅が広げられた開口溝181bを通して第一カム軸161を貫装孔181aに貫装することが可能である。
従って、第一カム軸161を下部固定部材110に固定したままでカバー部材180を第一カム軸161(ひいては第一カム部材160)に対して着脱することが可能であり、ヒンジ100の組み立ておよびメンテナンス(グリスの塗布作業等)を容易に行うことが可能である。
【0115】
二つの対向部182・183は本発明に係る対向部の実施の一形態であり、カバー部材180のうち第一スライド部材150の胴体部材151の当接面151aに対向する部分である。
本実施形態の二つの対向部182・183の外形はいずれも一対の板面を有する長方形の板状であり、二つの対向部182・183の基端部(一端部)はそれぞれ係止部181(厳密には、開口溝181bのエッジ部分)に連なる。
対向部182の一対の板面のうち、開口溝181bのエッジ部分に連なる方の板面は第一スライド部材150と第一カム部材160とが当接する部分に対向する対向面182aを成す。対向部182の一対の板面のうち、開口溝181bのエッジ部分に連なる方の板面は第一スライド部材150と第一カム部材160とが当接する部分に対向する対向面183aを成す。対向面182a・対向面183aは本発明に係る対向面の実施の一形態である。
【0116】
図6および図19に示す如く、アーム部材120(ひいては、本発明に係る第二ウイング部材の実施の一形態)が下部固定部材110に対して開いているとき、二つの対向部182・183は第一スライド部材150と第一カム部材160とが当接する部分の下方(本実施形態の場合、当接面151aの下方)を覆う。
従って、第一スライド部材150と第一カム部材160とが当接する部分に塗布されたグリスが当該当接する部分から落下しても、落下したグリスは対向面182aあるいは対向面183aに受け止められるので、ヒンジ100の下方にまでは落下しない。
【0117】
本実施形態では、二つの対向部182・183はその中途部(基端部と先端部とで挟まれる部分)において屈曲している。
対向部182の先端部寄りとなる部分には凸条182bが形成される。対向部183の先端部寄りとなる部分には凸条183bが形成される。
凸条182b・183bは本発明に係る流動阻止部の実施の一形態であり、対向面182a・対向面183aから突出し、かつ、対向部182・183の基端部から先端部に向かう方向に対して垂直な方向(換言すれば、貫装孔181aおよび開口溝181bの長手方向)に延びた突起である。
対向面182a・対向面183aに付着したグリスは、凸条182b・183bに堰き止められるので、凸条182b・183bを越えて対向部182・183の先端部側に流動することができない。
すなわち、凸条182b・183bは、対向面182a・対向面183aに付着したグリスが対向面182a・対向面183aを伝って対向部182・183の基端部から先端部に向かって流動することを阻止する。
【0118】
図18に示す如く、対向部182には補強リブ182cが形成される。補強リブ182cは対向面182aの反対側の板面および係止部181の外周面に繋がっている板状の部分であり、係止部181と対向部182とが繋がっている部分を補強する。
対向部183には補強リブ183cが形成される。補強リブ183cは対向面183aの反対側の板面および係止部181の外周面に繋がっている板状の部分であり、係止部181と対向部183とが繋がっている部分を補強する。
【0119】
以上の如く、ヒンジ100は、
複合機1の本体2に固定される下部固定部材110と、
下部固定部材110に固定される第一カム部材160と、
下部固定部材110に回動可能に連結されるとともに複合機1の原稿圧着板3に固定される第二ウイング部材(本実施形態の場合、アーム部材120、上部固定部材140、第二連結部材136、第二カム部材165および第二スライド部材164を合わせたものが第二ウイング部材に相当する)と、
第二ウイング部材に支持されつつ第一カム部材160に接近する方向および第一カム部材160から離間する方向に移動可能な第一スライド部材150と、
第一スライド部材150を第一カム部材160に接近する方向に付勢することにより第一スライド部材150を第一カム部材160に当接させる二つのバネユニット156・156と、
を具備し、
第一スライド部材150と第一カム部材160とが当接する部分にグリスが塗布されるヒンジであって、
第一カム部材160に回動可能に支持されるとともに、第二ウイング部材が下部固定部材110に対して開いているときに第一スライド部材150と第一カム部材160とが当接する部分の下方を覆うカバー部材180を具備する。
このように構成することにより、下部固定部材110に対して第二ウイング部材が開いているときにグリスがヒンジ100の下方に落下することを防止することが可能である。
すなわち、下部固定部材110に対して第二ウイング部材が回動した場合には第一カム部材160に対する第一スライド部材150の位置(相対位置)が変化するが、カバー部材180は第一カム部材160に回動可能に支持されるため、第一カム部材160に対する第一スライド部材150の位置の変化に応じてカバー部材180が回動し、(第二ウイング部材が下部固定部材110に対して開いているときには)カバー部材180が第一スライド部材150の下方を覆った状態を保持することが可能である。
【0120】
また、第一カム部材160は、
外形が円柱形状の第一カム軸161を具備し、
カバー部材180は、
第一カム部材160に回動可能に係止される係止部181と、
基端部が係止部181に連なるとともに、第一スライド部材150と第一カム部材160とが当接する部分に対向する対向面182a・183aを有する対向部182・183と、
を具備し、
係止部181には、第一カム軸161を貫装する貫装孔181aが形成されるとともに、貫装孔181aの内周面と係止部181の外周面とを連通することにより第一スライド部材150と第一カム軸161とが当接することを許容する開口溝181bが形成される。
このように構成することにより、二つのバネユニット156・156が発生する付勢力はカバー部材180には直接的には作用しないので、カバー部材180を過度に大きな強度を有する材料で構成する必要が無い(カバー部材180を構成する材料およびカバー部材180の形状(部材の肉厚等)の自由度が増す)。
【0121】
また、カバー部材180の係止部181に形成される開口溝181bは貫装孔181aの一端部から他端部まで切り通した溝であり、
当該溝の幅Wは第一カム軸161の外径よりも小さく、
係止部181が弾性変形することにより、第一カム軸161が開口溝181bを通って貫装孔181aに貫装される。
このように構成することにより、第一カム軸161を下部固定部材110に固定したままでカバー部材180を第一カム軸161に対して着脱することが可能であり、ヒンジ100の組み立ておよびメンテナンスを容易に行うことが可能である。
【0122】
また、対向部182・183には、グリスが対向面182a・183aを伝って対向部182・183の基端部から先端部に向かって流動することを阻止する凸条182b・183bが形成される。
このように構成することにより、グリスが対向部182・183の先端部からヒンジ100の下方に落下することを防止することが可能である。
【0123】
また、凸条182b・183bは、
対向部182・183の基端部から先端部に向かう方向に対して垂直な方向に延びた突起である。
このように構成することにより、グリスを効果的に堰き止めることが可能であり、ひいてはグリスが対向部182・183の基端部から先端部に向かって流動することを効果的に阻止することが可能である。
【0124】
本発明において「第一カム部材が第一ウイング部材に固定されること」は、「第一カム部材が第一ウイング部材に対して位置変更不能かつ姿勢変更不能に固定されること」に限定されない。
すなわち、第一カム部材の外形(特に、第一スライド部材と当接する部分の形状)が例えば、円柱形状あるいは円筒形状のような回転体形状であり、第一カム部材が第一カム部材の軸線(中心線)を中心として回動(回転)しても第一カム部材において第一スライド部材と当接する部分の空間的な位置が実質的に移動しない場合には、第一カム部材が第一ウイング部材に対して姿勢変更すること(本実施形態の第一カム部材160の場合、第一カム軸161が第一カム軸161の軸線(中心線)を中心として回動(回転)すること)が許容される。
【0125】
本発明において「第二カム部材がリフト部材に固定されること」は、「第二カム部材がリフト部材に対して位置変更不能かつ姿勢変更不能に固定されること」に限定されない。
すなわち、付勢部材により付勢された第二スライド部材に当接し、第二スライド部材により押されてリフト部材をアーム部材に対して閉じる方向に回動させることが可能な場合、第二カム部材がリフト部材に対して姿勢変更すること(例えば、第二カム部材を構成する部材群のうち、第二スライド部材に当接する部材が円柱形状であり、当該円柱形状の部材の軸線方向と「リフト部材とアーム部材とを回動可能に連結する軸の軸線」とが平行である場合には当該円柱形状の部材が当該円柱形状の部材の軸線(中心線)を中心として回動(回転)すること)が許容される。
【0126】
本実施形態のヒンジ100の場合、図20に示す如く、ヒンジ100の回動角度θ(下部固定部材110に対するアーム部材120の回動角度)が0°のとき(θ=0°)、原稿圧着板3の下面が本体2の上面(原稿読み取り装置が原稿を読み取る面)に当接し、原稿を読み取る作業を行うことが可能である。
また、図6に示す如く、ヒンジ100の回動角度θが70°のとき(θ=70°)、原稿圧着板3の下面が本体2の上面に対して大きく開き、本体2の上面に原稿を載置する作業および本体2の上面に載置された原稿を回収する作業を行うことが可能である。
また、図19に示す如く、ヒンジ100の回動角度θが90°のとき(θ=90°)、原稿圧着板3の下面が本体2の上面に対してさらに大きく開き、本体2、原稿圧着板3およびヒンジ100のメンテナンスを容易に行うことが可能である。
従って、本実施形態のヒンジ100の場合、ヒンジ100の回動角度θが70°以上90°以下のとき(70°≦θ≦90°)、アーム部材120(ひいては、本発明に係る第二ウイング部材の実施の一形態)は下部固定部材110に対して開いている。
【0127】
このように、本発明に係る「第二ウイング部材が第一ウイング部材に対して開いているとき」が第一ウイング部材に対する第二ウイング部材の回動角度でどのように表されるかは、本発明に係るヒンジの用途により異なるものであり、本実施形態のヒンジ100が開いているときの回動角度に限定されるものではない。
【0128】
以下では、図21から図23を用いて本発明に係るカバー部材の別実施形態について説明する。
【0129】
図21に示すカバー部材280は本発明に係るカバー部材の別実施形態である。
カバー部材280は係止部281および二つの対向部282・283を具備する。カバー部材280は樹脂材料からなる。
係止部281には貫装孔281aが形成されるとともに開口溝281bが形成される。
対向部282は対向面282aを有し、対向部283は対向面283aを有する。
対向部282の先端部寄りとなる部分には凸条282bが形成され、対向部283の先端部寄りとなる部分には凸条283bが形成される。
カバー部材280は、開口溝181bが貫装孔281aの一端部から他端部まで切り通されていないという点において図17および図18に示すカバー部材180と異なる。
第一カム軸161を下部固定部材110に固定したままでカバー部材280を第一カム軸161(ひいては第一カム部材160)に対して着脱する必要がない場合には、カバー部材280の如き構成であっても良い。
【0130】
図22に示すカバー部材380は本発明に係るカバー部材の別実施形態である。
カバー部材380は係止部381および二つの対向部382・383を具備する。カバー部材380は樹脂材料からなる。
係止部381には貫装孔381aが形成されるとともに開口溝381bが形成される。
対向部382は対向面382aを有し、対向部383は対向面383aを有する。
カバー部材380は、対向部382の先端部寄りとなる部分に溝382dが形成されるとともに対向部383の先端部寄りとなる部分に溝383dが形成される、という点において図17および図18に示すカバー部材180と異なる。
溝382dおよび溝383dは本発明に係る流動阻止部の実施の一形態であり、対向部382・383の基端部から先端部に向かう方向に対して垂直な方向(換言すれば、貫装孔381aおよび開口溝381bの長手方向)に延びた溝である。
このように、対向部の基端部から先端部に向かう方向に対して垂直な方向に延びた溝を形成し、当該溝を流動阻止部としても良い。
【0131】
図23に示すカバー部材480は本発明に係るカバー部材の別実施形態である。
カバー部材480は係止部481および二つの対向部482・483を具備する。カバー部材480は金属材料からなる。
係止部481には貫装孔481aが形成されるとともに開口溝481bが形成される。
対向部482は対向面482aを有し、対向部483は対向面483aを有する。
対向部482の先端部寄りとなる部分には凸条482bが形成され、対向部483の先端部寄りとなる部分には凸条483bが形成される。
カバー部材480は、第一部材480Fおよび第二部材480Sの二つの部材に分割されているという点において図17および図18に示すカバー部材180と異なる。
より詳細には、貫装孔481aを通り係止部481を第一係止部481Fおよび第二係止部481Sに分断する切断面484により、カバー部材480は第一部材480Fおよび第二部材480Sの二つの部材に分割される。
また、第一係止部481Fには一端部が切断面484に開口する貫通孔485F・486Fが形成され、第二係止部481Sには一端部が切断面484に開口するネジ孔485S・486Sが形成される。
図示せぬネジを貫通孔485F・486Fに貫装し、さらにネジ孔485S・486Sに螺装することにより、第一部材480Fおよび第二部材480Sを相互に固定してカバー部材480とすることが可能である。
また、図示せぬネジを弛めることにより、第一カム軸161を開口溝481bを通して貫装孔481aに貫装することが可能であり、ひいては、第一カム軸161を下部固定部材110に固定したままでカバー部材480を第一カム軸161(ひいては第一カム部材160)に対して着脱することが可能である。
このように、カバー部材を係止部に形成された貫装孔を通る切断面で複数の部材に分割することにより、カバー部材を構成する材質が弾性変形しない材料であっても第一カム軸を第一ウイング部材に固定したままでカバー部材を第一カム軸、ひいては第一カム部材に対して着脱することが可能である。
【符号の説明】
【0132】
1 複合機(事務機器)
2 本体(第一連結対象物)
3 原稿圧着板(第二連結対象物)
100 ヒンジ
110 下部固定部材(第一ウイング部材)
120 アーム部材
140 上部固定部材(リフト部材)
150 第一スライド部材
156 バネユニット(付勢部材)
160 第一カム部材
164 第二スライド部材
165 第二カム部材
180 カバー部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一連結対象物に固定される第一ウイング部材と、
前記第一ウイング部材に固定される第一カム部材と、
前記第一ウイング部材に回動可能に連結されるとともに第二連結対象物に固定される第二ウイング部材と、
前記第二ウイング部材に支持されつつ前記第一カム部材に接近する方向および前記第一カム部材から離間する方向に移動可能な第一スライド部材と、
前記第一スライド部材を前記第一カム部材に接近する方向に付勢することにより前記第一スライド部材を前記第一カム部材に当接させる付勢部材と、
を具備し、
前記第一スライド部材と前記第一カム部材とが当接する部分に潤滑剤が塗布されるヒンジであって、
前記第一カム部材に回動可能に支持されるとともに、前記第二ウイング部材が前記第一ウイング部材に対して開いているときに前記第一スライド部材と前記第一カム部材とが当接する部分の下方を覆うカバー部材を具備するヒンジ。
【請求項2】
前記カバー部材は、
前記第一カム部材に回動可能に係止される係止部と、
基端部が前記係止部に連なるとともに、前記第一スライド部材と前記第一カム部材とが当接する部分に対向する対向面を有する対向部と、
を具備する請求項1に記載のヒンジ。
【請求項3】
前記第一カム部材は外形が円柱形状の第一カム軸を具備し、
前記係止部には、前記第一カム軸を貫装する貫装孔が形成されるとともに、前記貫装孔の内周面と前記係止部の外周面とを連通することにより前記第一スライド部材と前記第一カム軸とが当接することを許容する開口部が形成される請求項2に記載のヒンジ。
【請求項4】
前記開口部は、
貫装孔の一端部から他端部まで切り通した溝であり、
当該溝の幅は前記第一カム軸の外径よりも小さく、
前記係止部が弾性変形することにより、前記第一カム軸が前記開口部を通って前記貫装孔に貫装される請求項3に記載のヒンジ。
【請求項5】
前記対向部には、前記潤滑剤が前記対向面を伝って前記対向部の基端部から先端部に向かって流動することを阻止する流動阻止部が形成される請求項2から請求項4までのいずれか一項に記載のヒンジ。
【請求項6】
前記流動阻止部は、
前記対向部の基端部から先端部に向かう方向に対して垂直な方向に延びた突起または溝である請求項5に記載のヒンジ。
【請求項7】
前記第二ウイング部材は、
一端部が前記第一ウイング部材に回動可能に連結されるとともに前記第一スライド部材を前記第一カム部材に接近する方向および前記第一カム部材から離間する方向に移動可能に支持するアーム部材と、
前記アーム部材の他端部に回動可能に連結されるとともに前記第二連結対象物に固定されるリフト部材と、
前記リフト部材に固定される第二カム部材と、
前記アーム部材に支持されつつ前記第二カム部材に接近する方向および前記第二カム部材から離間する方向に移動可能であって、前記付勢部材により前記第二カム部材に接近する方向に付勢され、前記第二カム部材に当接する第二スライド部材と、
を具備する請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のヒンジ。
【請求項8】
前記第二スライド部材には、前記第一スライド部材と前記第二スライド部材との隙間のうち前記第二ウイング部材により覆われていない部分を覆う付勢カバー部が形成される請求項7に記載のヒンジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2011−133557(P2011−133557A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−290870(P2009−290870)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(592264101)下西技研工業株式会社 (108)
【Fターム(参考)】