説明

ヒートシール方法及びヒートシール装置

【課題】 運転再開時にヒートシールロールの回転速度を通常より遅くしなくともシール不良の発生が低減されるようなヒートシール方法及びヒートシール装置を提供する。
【解決手段】 回転体22の外周面23に複数のヒートシール部材24が突設され、前記ヒートシール部材24は回転体22の周方向に間隔を介して配置されている一対のヒートシールロール25を備えたヒートシール装置20を用いたヒートシール方法であって、ヒートシール装置20の運転が停止した後、運転を再開する前に、前記ヒートシールロール25のうち少なくとも一方のヒートシールロール25のヒートシール部材24がフィルム3から離れるようにしながら、両方のヒートシールロール25を回転させる。これにより、各ヒートシール部材24の位置が入れ替わり、温度ムラが低減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムをヒートシールして袋状に形成するとともに、袋内へ内容物を充填する際に好適に使用されるヒートシール方法及びヒートシール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インスタント食品などには、醤油やソースなどの調味料が、フィルムから形成された袋内に密封充填されて添付されていることがある。このように内容物が充填された袋の製造には、通常、フィルムを袋状に形成しながら、袋内に内容物を充填する製袋充填装置が使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来、製袋充填装置としては、図5,図6(a)および図6(b)にその要部を概略的に示すように、幅方向に2つ折りされたフィルム1の側縁部2同士をフィルム1の送り方向に沿う縦方向にヒートシールして(以下、縦ヒートシールという場合もある。)、筒状フィルム3とする縦ヒートシール装置10と、得られた筒状フィルム3をフィルム1の送り方向に交差する方向である横方向にヒートシールする(以下、横ヒートシールという場合もある。)横ヒートシール装置20と、両ヒートシール装置10,20の間に吐出口32が位置するように筒状フィルム3内に挿入されたノズル31とを備えた製袋充填装置30がある。
【0004】
縦ヒートシール装置10は、回転軸11を中心にして回転可能な回転体(ロール本体)12と、このロール本体12の外周面13上に突設され且つロール本体12の周方向に沿って形成された凸状のヒートシール部材14とを具備した2本のヒートシールロール15を備えて構成されている。ロール本体12の長さ方向の端部には、フランジ状の位置規制部材17がロール本体12の外周面13から突設されている。位置規制部材17の外周面18同士が接することにより、ヒートシールロール15同士の間隔が規制される。
ヒートシールロール15の内部にはヒータなど(図示略)の加熱手段が設けられており、両ヒートシールロール15の間に送り移動されるフィルム1は、ヒートシール部材14の外周面16間で挟持される間に加熱されることにより、フィルム1の側縁部2が縦方向にヒートシールされ、縦ヒートシール部4が形成される。
【0005】
また、横ヒートシール装置20は、回転軸21を中心にして回転可能な回転体(ロール本体)22と、このロール本体22の外周面23上に突設され且つ回転軸21の方向に沿って延在した凸状のヒートシール部材24とを具備した2本のヒートシールロール25を備えて構成されている。ロール本体22の長さ方向の端部には、フランジ状の位置規制部材27がロール本体22の外周面23から突設されている。位置規制部材27の外周面28同士が接することにより、ヒートシールロール25同士の間隔が規制される。
ヒートシールロール25の内部にはヒータなど(図示略)の加熱手段が設けられており、両ヒートシールロール25の間に送り移動される筒状フィルム3は、ヒートシール部材24の外周面26間で挟持される間に加熱されることにより、筒状フィルム3が横方向にヒートシールされ、袋5の両端縁となる横ヒートシール部6が形成される。ヒートシール部材24は、ロール本体22の周方向に沿って複数(ここでは4本)等間隔に形成されており、筒状フィルム3は、その長さ方向に一定の間隔を開けて横ヒートシールされるようになっている。
【0006】
このように、縦ヒートシール装置10により筒状にヒートシールされた筒状フィルム3内に、ノズル31から内容物を充填し、横ヒートシール装置20により横ヒートシール部6を形成することにより、筒状フィルム3の内部に内容物が収納される収納空間7が画成され、各収納空間7に内容物が充填された袋5が多数連続した連続体を得ることができる。この連続体の横ヒートシール部6を両断することによって、一袋ずつに分離され、又は所定の複数個が連結された包装品が得られる。
【特許文献1】特開2000−247310号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、製袋充填の作業中、例えば内容物の供給が中断したり、フィルムの走行に不具合が生じたりするなどの原因により、ヒートシールの作業を一時停止することがある。
ヒートシールロールの回転を一時停止したときには、図7に示すように、各ヒートシール部材24からの熱によってヒートシールロール25の周囲に上昇気流が生じ、ヒートシールロール25の上側のヒートシール部材24は暖気に包まれるのに対して、ヒートシールロール25の下側のヒートシール部材24は冷気に包まれる。その結果、ヒートシール部材24間に温度差が生じるため、運転を再開した直後には、各々のヒートシール部材24の温度が均一になるまで、発泡やシール後退等のシール不良が発生しやすくなるという問題がある。
また、一時停止中にはフィルムや袋の内容物による熱負荷がなくなっていたのに、運転を再開すると、ヒートシール部材の熱がフィルムや袋の内容物に奪われるため、熱負荷が急激にかかり、ヒートシール部材の表面温度が急速に低下するため、ヒータからヒートシール部材に熱を供給しても温度制御がオーバーシュートしやすくなり、設定温度に収束するまで時間が掛かり(例えば1〜2分)、温度が安定するまでの間は不良が発生しやすい状況となる。
【0008】
そこで、ヒートシールロールの温度が安定するまで、ヒートシールロールの温度ムラによるシール不良が発生しにくくなるように、運手再開直後にはヒートシールロールの回転速度を通常運転時における回転速度よりも遅くし、作業者がヒートシールの状態を確認しつつ、回転速度を徐々に元の速度まで上げるようにしている。このような作業は繁雑であり、不良品が混入する可能性がある。しかも、ヒートシールロールの回転速度を遅くすると、単位時間当たりにヒートシールできる袋の個数が少なくなり、生産性が低下する。また、ヒートシールロールの回転速度を変動させると袋のサイズや内容物の充填量を制御することが困難になる場合がある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、運転再開時にヒートシールロールの回転速度を通常の速度より遅くしなくともシール不良の発生が低減されるようなヒートシール方法及びヒートシール装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明は、回転体の外周面に複数のヒートシール部材が突設され、前記ヒートシール部材は回転体の周方向に間隔を介して配置されている一対のヒートシールロールを備えたヒートシール装置を用い、ヒートシールロール間に送られたフィルムを両ヒートシールロールのヒートシール部材間に挟んで前記フィルムを加熱してヒートシールする方法であって、ヒートシール装置の運転が停止した後、運転を再開する前に、前記ヒートシールロールのうち少なくとも一方のヒートシールロールのヒートシール部材が前記フィルムから離れるようにしながら、両方のヒートシールロールを回転させることを特徴とするヒートシール方法を提供する。
本発明のヒートシール方法においては、前記ヒートシール装置の運転を再開する前に、さらに、両ヒートシールロールをその外部から強制冷却することが好ましい。
ヒートシールロールの強制冷却は、例えば、ヒートシール部材よりも温度が低いガスの送風によって行うことができる。あるいは、ヒートシール部材よりも温度が低い冷却部材をヒートシール部材に接触させることによって行うこともできる。
【0011】
さらに本発明は、上述のヒートシール方法に用いられるヒートシール装置であって、回転体の外周面に複数のヒートシール部材が突設され、前記ヒートシール部材は回転体の周方向に間隔を介して配置されている一対のヒートシールロールを備え、さらに、ヒートシール装置の運転が停止したときに前記ヒートシールロールを強制冷却するための冷却手段を備えることを特徴とするヒートシール装置を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、運転再開前に両方のヒートシールロールを回転させることにより、各ヒートシール部材の位置が入れ替わり、温度ムラが低減される。このため、運転再開直後のヒートシールロールの回転速度を通常の回転速度より遅くしなくても、シール不良の発生を抑制することができる。
さらに運転再開前に、両ヒートシールロールをその外部から強制冷却した場合、フィルムをヒートシールすることに相当する熱負荷をヒートシール部材に与えることができるので、温度調節がオーバーシュートしにくくなり、ヒートシール部材の温度を安定的に制御して維持することができ、シール不良を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。なお、以下の説明中、上記図5及び図6に示したものと同一又は同様の構成を有するものについては、図5及び図6に示した符号と同一の符号を付してその説明を省略する。
図1は、本発明のヒートシール方法の一形態例を示す説明図である。ここで用いられるヒートシール装置は、ヒートシールロール25を筒状フィルム3の厚さ方向(図1の左右方向)に移動させてヒートシール部材24を筒状フィルム3から離すことができるものであることを除き、図5,図6に図示した横ヒートシール装置20と同様のものである。このヒートシール装置20は、図5,図6に図示した製袋充填装置30中の横ヒートシール装置20として用いることができる。
【0014】
ロール本体22は、回転軸21の中心軸線と同心の外周面23を有する円柱状である。ヒートシールロール25は、ロール本体22の回転軸21を中心として互いに逆方向(図中矢印方向)に回転可能であり、それぞれの回転軸21は互いに平行になるように配置されている。ロール本体22の外周面23上には、回転軸21の長さ方向に沿って延設された4本の凸条であるヒートシール部材24が形成されている。ヒートシールロール25は、金属等から構成することができる。
【0015】
なお、この例においては、ヒートシールロール25として、円柱状のロール本体22上に凸条であるヒートシール部材24が4本互いに等間隔に形成されたものを例示しているが、回転体22は回転軸21を中心として回転可能なものであれば円柱状のものに限定されない。また、ヒートシール部材24は複数(2本以上)であれば何本であってもよく、任意に設定可能である。
さらに、ヒートシール部材24は、回転体22の長さ方向、すなわち回転軸21方向に平行に形成されたものに限定されず、例えば回転体22の長さ方向に一定の角度をもって斜めに形成され、横ヒートシールをフィルムの送り方向(縦ヒートシールの方向)に対して90°以外の斜めに行えるものでもよい。また、ヒートシール部材24は、波状などの形状に形成され、横ヒートシール部6の形状を波状などの意匠性を有した形状にできるものであってもよい。また、ヒートシールロール25は、ロール本体22の中心に棒状の回転軸21が嵌め込まれたものに限定されるものではなく、回転軸21は、ロール本体22の単なる回転中心の軸線であってもよい。
【0016】
そして、この横ヒートシール装置20は、一対のヒートシールロール25,25を図示略の駆動手段により互いに逆方向に、かつ等しい回転速度で回転させるとともに、これらヒートシールロール25,25の間に筒状フィルム3を図中上方から下方に向けて送ることによって、一方のヒートシールロール25のヒートシール部材24の外周面26と、他方のヒートシールロール25のヒートシール部材24の外周面26との間に筒状フィルム3を両側から挟持し、これを筒状フィルム3を加圧しながら加熱して、横ヒートシールするものである。
【0017】
従って、このヒートシール装置20における両ヒートシールロール25,25は、ヒートシール部材24,24同士が互いに対向するように配置されている。そして、両ヒートシールロール25は、ヒートシール部材24同士が互いに対向した場合、ヒートシール部材24の外周面26同士が、筒状フィルム3の厚み程度のクリアランスを有するように近接して配置されている。
各ヒートシールロール25のロール本体22の長さ方向両端部には、フランジ状の位置規制部材27が外周面23から突設されている。位置規制部材27の外周面28は、ヒートシール部材24の外周面26よりも外径が大きい円周面となっており、位置規制部材27の外周面28同士が接することにより、両ヒートシールロール25の間隔が規制されるようになっている。
【0018】
本形態例のヒートシール方法においては、図1に示すように、ヒートシール装置20の運転が停止した後、運転を再開する前に、両ヒートシールロール25のヒートシール部材24がフィルム3から離れるように、両ヒートシールロール25の回転軸21間の距離を広げる。そして、両方のヒートシールロール25をフィルム3から離れた状態で回転(空転)させる。空転時の回転速度は、運転時の回転速度よりも低い回転速度でよい。
これにより、各ヒートシール部材の位置が入れ替わるので、ヒートシール部材の熱によって発生する気流の影響が各ヒートシール部材で平均化される。また、ヒートシールロール25の周囲の暖気と冷気がかくはんされる。
その結果、ヒートシール部材間の温度ムラが低減された状態で運転を再開できるので、運転再開直後のヒートシールロールの回転速度を通常の速度より遅くしなくても、シール不良の発生を抑制することができる。運転を再開する時には、両ヒートシールロール25の回転軸21間の距離を元に戻し、ヒートシール部材24がフィルム3に接触できるような距離にしてから、フィルム3の送りと内容物の充填とを開始する。
ヒートシールロール25の空転は、ヒートシール部材の温度ムラを抑制する観点では、ヒートシール装置の運転停止中ずっと行うことが好ましい。しかし、運転停止の時間がかなり長い場合や、運転停止中にヒートシールロール25の回転を止めなければならない理由がある場合などには、運転を再開する所定時間の前にヒートシールロール25の空転を開始し、運転再開まで空転を続ける方法でも良い。ヒートシールロール25を空転させる時間は、ヒートシールにおける各種条件や実験等に基づいて決定することができる。
【0019】
次に、本発明のヒートシール方法の第2形態例を説明する。
本形態例においては、図2に示すように、一方のヒートシールロール25のヒートシール部材24の位置が他方のヒートシールロール25のヒートシール部材24間の間隙の位置に対応するように、ヒートシール部材24の配置をずらしている。ここでは、1個のヒートシールロール25上に4個のヒートシール部材24が90°間隔で形成されているので、左右のヒートシールロール25同士でヒートシール部材24の位置のずれの大きさを45°、つまり各ヒートシールロール25において互いに隣接するヒートシール部材24同士の周方向の間隔(この場合、90°)の半分としている。これにより、左右のヒートシールロール25,25のヒートシール部材24,24がフィルム3に対して交互に接近することになり、両方のヒートシールロールを回転させたときに、ヒートシール部材24間にフィルム3が挟み込まれないようにすることができる。
運転を再開する時には、ヒートシール部材24の配置を元に戻し、左右のヒートシールロール25のヒートシール部材24同士がフィルム3に対して向かい合うことができるような対称的な配置にしてから、フィルム3の送りと内容物の充填とを開始する。
このような方法によっても、運転停止中にヒートシールロールを回転させることによって各ヒートシール部材の位置が入れ替わるので、ヒートシール部材の熱によって発生する気流の影響が各ヒートシール部材で平均化され、ヒートシール部材間の温度ムラが低減される。このため、運転再開時にヒートシールロールの回転速度を通常の速度より遅くしなくともシール不良の発生を抑制することができる。
【0020】
さらに本発明においては、ヒートシールロールを空転させているときに、さらに、ヒートシールロールを強制冷却することが好ましい。
上述のように、運転を停止しているときにはヒートシールによる熱負荷がなくなっているので、ヒートシールロール全体の温度が上昇する傾向にあるが、運転再開前に、ヒートシールに相当する熱負荷をヒートシール部材に与えることにより、ヒートシール部材からの運転時の放熱量と停止時の放熱量との差を小さくし、あるいは差を無くすことができる。これにより、運転再開前から運転中であるかのような温度制御を行うことができるので、運転再開後に温度制御がオーバーシュートしにくくなり、所定の設定温度を目標としてヒートシール部材の温度を安定的に制御することができ、シール不良を抑制することができる。
【0021】
ヒートシールロールの強制冷却は、例えば図3に示すように、各ヒートシールロール25に向かって送風ノズル41を取り付け、この送風ノズル41からヒートシール部材24よりも温度が低いガス(例えば空気)を送風することによって行うことができる。図3には、ヒートシールロール25を1個のみ図示しているが、図示しない他方のヒートシールロール25にも送風ノズル41が設けられる。
ここでは、送風ノズル41の吹き出し口41aは、ヒートシール部材24の長さ方向に長くなっている。これにより、ヒートシールロール25の回転中に、吹き出し口41aに接近してきたヒートシール部材24をまんべんなく冷却することができる。
【0022】
また、別の例として、図4に示すように、ヒートシール部材24よりも温度が低い冷却部材42をヒートシール部材24に接触させることによっても行うことができる。冷却部材42としては、例えば、耐熱性の高いシリコンゴムロールや金属製のロールなどの冷却ロールを用いることができる。ここでは、冷却ロール42は、その外周面42aがヒートシール部材24の外周面26に接触して熱を奪うことができるような位置に配置されており、ヒートシール部材24が冷却ロール42に接触するたびにヒートシール部材24が冷却されるようになっている。冷却ロール42内に冷媒を循環させてもよい。
【0023】
図3,図4に図示した例においては、冷却手段41,42は、それぞれのヒートシールロール25の周方向の1箇所に設けられており、ヒートシールロール25が1回転するごとに各々のヒートシール部材24を順に冷却するようになっている。これにより、ヒートシール部材24の温度の変動は、ヒートシール装置20の運転時と同様に、ヒートシールロール25が1回転するごとに1回放熱量が多くなるような時間的変化となり、運転再開前にも運転中と同じような温度制御を行うことができる。従って、運転を再開するまでにヒートシール部材24の温度を安定させることができ、良好なヒートシールを運転再開直後から実現することができる。
【0024】
以上、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0025】
例えば、図5及び図6には、1枚のフィルム1を幅方向に二つ折りしてこの折り返し部を除く袋5の三方がヒートシールされた三方シール包装袋を製造する製袋充填装置を示した。これに対して、袋5の四方がヒートシールされた四方シール包装袋を製造する場合には、2枚のフィルムを重ね合わせてこれらのフィルムの側縁部同士を該フィルムの両側で縦方向にヒートシールし、得られた筒状フィルム3に内容物の充填と横ヒートシールとを施すことによって実施できる。つまり四方シールの場合は、縦ヒートシール装置として、周方向に沿って等間隔に2本の円環状のヒートシール部材が形成されたヒートシールロールを2個(1対)用いるか、または、本願発明者らが提案したように(特開2003−237738号公報を参照。)、円環状のヒートシール部材が1本形成されたヒートシールロールを4個(2対)用い、一方のヒートシール部材によりフィルムの一側を縦ヒートシールし、他方のヒートシール部材によりフィルムの他側を縦ヒートシールすることにより、実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、例えば液体や粉粒体等の内容物が袋に密封充填された包装品の製造に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明のヒートシール方法の一形態例を示す説明図である。
【図2】本発明のヒートシール方法の他の形態例を示す説明図である。
【図3】ヒートシールロールを強制冷却する方法の第1の例を示す(a)端面図および(b)側面図である。
【図4】ヒートシールロールを強制冷却する方法の第2の例を示す概略構成図である。
【図5】充填包装装置の一例を示す概略斜視図である。
【図6】(a)は、図5の充填包装装置の正面図であり、(b)は、(a)中のS−S線に沿う断面図である。
【図7】運転停止中にヒートシールロールに温度ムラが生じる様子を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0028】
1…フィルム、3…筒状フィルム(フィルム)、20…ヒートシール装置、22…回転体、23…回転体の外周面、24…ヒートシール部材、25…ヒートシールロール、41…送風ノズル(冷却手段)、42…冷却ロール(冷却部材)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体の外周面に複数のヒートシール部材が突設され、前記ヒートシール部材は回転体の周方向に間隔を介して配置されている一対のヒートシールロールを備えたヒートシール装置を用い、ヒートシールロール間に送られたフィルムを両ヒートシールロールのヒートシール部材間に挟んで前記フィルムを加熱してヒートシールする方法であって、
ヒートシール装置の運転が停止した後、運転を再開する前に、前記ヒートシールロールのうち少なくとも一方のヒートシールロールのヒートシール部材が前記フィルムから離れるようにしながら、両方のヒートシールロールを回転させることを特徴とするヒートシール方法。
【請求項2】
前記ヒートシール装置の運転を再開する前に、さらに、両ヒートシールロールをその外部から強制冷却することを特徴とする請求項1に記載のヒートシール方法。
【請求項3】
ヒートシールロールの強制冷却は、ヒートシール部材よりも温度が低いガスの送風によって行うことを特徴とする請求項2に記載のヒートシール方法。
【請求項4】
ヒートシールロールの強制冷却は、ヒートシール部材よりも温度が低い冷却部材をヒートシール部材に接触させることによって行うことを特徴とする請求項2に記載のヒートシール方法。
【請求項5】
請求項2に記載のヒートシール方法に用いられるヒートシール装置であって、
回転体の外周面に複数のヒートシール部材が突設され、前記ヒートシール部材は回転体の周方向に間隔を介して配置されている一対のヒートシールロールを備え、さらに、ヒートシール装置の運転が停止したときに前記ヒートシールロールを強制冷却するための冷却手段を備えることを特徴とするヒートシール装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−27672(P2006−27672A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−209918(P2004−209918)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(000224101)藤森工業株式会社 (292)
【Fターム(参考)】