説明

ヒートポンプ式給湯装置及び温水の滅菌方法

【課題】貯湯タンク(1)と温水循環回路(50)を有するヒートポンプ式給湯装置(1)において、レジオネラ菌などの細菌の発生を低コストで抑えるようにする。
【解決手段】ストリーマ放電を行う放電装置(65)など、温水循環回路(50)中の温水以下の温度で殺菌成分を生成して温水に作用させる殺菌成分生成器(60)を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯湯タンクと温水循環回路を有するヒートポンプ式給湯装置と、温水の温度が下がってもレジオネラ菌などの細菌が発生するのを防止する温水の滅菌方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ヒートポンプ熱源機と貯湯タンクと温水循環回路を有するヒートポンプ式給湯装置(特許文献1参照)は、一般に、安価な夜間電力で温水を作ってタンクに貯め、貯めた温水を必要なときに給湯や浴槽に供するように構成されている。貯湯タンクから浴槽へ供給された温水は、追い焚き用の温水循環回路で循環させることが可能に構成されている。
【特許文献1】特開平10−122684号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に、ヒートポンプ式給湯装置では、貯湯タンク内で温水から塩素が脱離しやすい。そのため、水温が低下するとレジオネラ菌などの細菌が発生しやすくなる。この問題を回避するためには、温水循環回路の配管内で水を循環させながら菌が繁殖しない温度まで再加熱するとよい。
【0004】
特許文献1のように温水循環回路が追い焚き用の回路である場合は、温水循環回路内で温水を加熱することが可能であるが、菌が繁殖しない温度は浴槽へ供給される温水の温度よりも高いため、温水を温水循環回路内で使用温度よりも常に高い温度に維持しておく必要がある。また、温水循環回路が給湯用の温水を循環させる回路である場合は、温水循環回路に専用の温水加熱器(ヒータや熱交換器など)を設けて温水を高温に維持する必要がある。
【0005】
しかし、以上のような方法では、温水を加熱するために大きなエネルギーが必要になるため、装置のランニングコストが高くなる問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みて創案されたものであり、その目的は、貯湯タンクと温水循環回路を有するヒートポンプ式給湯装置において、レジオネラ菌などの細菌の発生を低コストで抑えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、水に温熱を与えて温水を生成するヒートポンプ熱源機(10)と、生成された温水を貯める貯湯タンク(5)と、該貯湯タンク(5)に接続されて出湯可能に構成された温水循環回路(50)とを有するヒートポンプ式給湯装置を前提としている。
【0008】
そして、このヒートポンプ式給湯装置は、温水循環回路(50)中の温水以下の温度で、つまり温水を加熱せずに殺菌成分を生成して温水に作用させる殺菌成分生成器(60)を温水循環回路(50)に備えていることを特徴としている。なお、本明細書においては、温水循環回路(50)を循環する水を「温水」と称するが、この「温水」は循環する間に冷えてしまった場合も含むものである。
【0009】
この第1の発明では、温水循環回路(50)内を温水が循環するときに、殺菌成分生成器(60)により生成された殺菌成分が温水中のレジオネラ菌等の細菌に作用する。殺菌成分がレジオネラ菌に作用すると、温水循環回路(50)中で温水の温度が低下していても、レジオネラ菌の繁殖が防止される。つまり、温水を菌が繁殖しない温度まで加熱しなくても菌の繁殖を防止できる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、上記殺菌成分生成器(60)が放電装置(65)を有していることを特徴としている。
【0011】
この第2の発明では、放電装置(65)において温水を加熱せずに(常温で)放電を起こすことにより、低温プラズマが生成される。この低温プラズマにより、オゾンなどの活性種が発生する。そして、これらの活性種が殺菌成分として、温水中のレジオネラ菌に作用して、滅菌処理が行われる。
【0012】
第3の発明は、第2の発明において、上記放電装置(65)が空気中に配置されるとともに、放電により発生した活性種を温水と接触させるように上記温水循環回路(50)に接続された処理部(70)を備えていることを特徴としている。
【0013】
この第3の発明では、空気中に配置された放電装置(65)から活性種が処理部(70)に送り込まれて、活性種と温水とが接触することにより滅菌処理が行われる。
【0014】
第4の発明は、第2の発明において、上記放電装置(65)が水中に配置されるとともに、放電により発生した活性種で温水を処理するように上記温水循環回路(50)に接続された処理部(70)を備えていることを特徴としている。
【0015】
この第4の発明では、水中に配置された放電装置(65)で発生した活性種が処理部(70)内で温水と接触することにより滅菌処理が行われる。
【0016】
第5の発明は、第2の発明において、上記放電装置(65)がストリーマ放電を発生させるストリーマ放電装置(66)であることを特徴としている。
【0017】
この第5の発明では、ストリーマ放電装置(66)において温水を加熱せずに(常温で)放電を起こすことにより、低温プラズマが生成される。この低温プラズマにより、オゾンなどを含む滅菌作用の強い活性種が発生する。そして、これらの活性種が殺菌成分として、温水中のレジオネラ菌に作用して、滅菌処理が行われる。
【0018】
第6の発明は、第5の発明において、水噴霧機構(80)を備え、噴霧された水滴とストリーマ放電装置(66)で生成された活性種とを接触させるように上記温水循環回路(50)に接続された処理部(70)を備えていることを特徴としている。
【0019】
この第6の発明では、水噴霧機構(80)から噴霧された水滴とストリーマ放電装置(66)で生成された活性種とが処理部(70)内で接触する。このことにより、水滴と活性種とが広範囲で接触する。また、水滴が処理部(70)の水面に滴下するところで空気と水の界面が乱れるため、水中に活性種が取り込まれ、このことによっても広い範囲で水と活性種が接触する。
【0020】
第7の発明は、第5の発明において、水膜形成機構(85)を備え、形成された水膜とストリーマ放電装置(66)で生成された活性種とを接触させるように上記温水循環回路(50)に接続された処理部(70)を備えていることを特徴としている。
【0021】
この第7の発明では、水膜形成機構(85)から滴下した水膜とストリーマ放電装置(66)で生成された活性種とが処理部(70)内で接触する。このことにより、水膜と活性種とが広範囲で接触する。また、水膜が処理部(70)の水面に滴下するところで空気と水の界面が乱れるため、水中に活性種が取り込まれ、このことによっても広い範囲で水と活性種が接触する。
【0022】
第8の発明は、第1の発明において、上記殺菌成分生成器(60)がオゾン生成装置(95)により構成されていることを特徴としている。
【0023】
この第8の発明では、オゾン生成装置(95)において常温でオゾンが発生する。そして、オゾンが殺菌成分として、温水中のレジオネラ菌に作用して、滅菌処理が行われる。
【0024】
第9の発明は、第1の発明において、上記殺菌成分生成器(60)が紫外線発生器(96)により構成されていることを特徴としている。
【0025】
この第9の発明では、紫外線発生器(96)によりほぼ常温で紫外線が発生する。そして、紫外線(及びそれに含まれているオゾン)が殺菌成分として、温水中のレジオネラ菌に作用して、滅菌処理が行われる。
【0026】
第10の発明は、第2,第8または第9の発明において、上記殺菌成分生成器(60)により生成された殺菌成分を気泡とともに水中へ供給する気泡供給器(88)を備えていることを特徴としている。
【0027】
この第10の発明では、殺菌成分生成器(60)で生成された殺菌成分(オゾン等の活性種)が、気泡供給によって、気泡とともに温水循環回路(50)の水中に供給される。こうすることにより、水中で細菌と活性種が接触し、滅菌処理が行われる。
【0028】
第11の発明は、水に温熱を与えて温水を生成するヒートポンプ熱源機(10)と、生成された温水を貯める貯湯タンク(5)と、該貯湯タンク(5)に接続された温水循環回路(50)とを有するヒートポンプ式給湯装置における温水の滅菌方法において、温水循環回路(50)を循環する温水に対して、温水循環回路(50)中の温水以下の温度で殺菌成分を生成して温水に作用させることを特徴としている。
【0029】
この第11の発明では、温水循環回路(50)内を温水が循環するときに、温水を加熱せずに生成された殺菌成分が温水中のレジオネラ菌等の細菌に作用する。殺菌成分がレジオネラ菌に作用すると、温水循環回路(50)中で温水の温度が低下していても、レジオネラ菌の繁殖が防止される。つまり、温水を菌が繁殖しない温度まで加熱しなくても菌の繁殖を防止できる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、温水を加熱せずに殺菌成分を生成して温水に作用させる殺菌成分生成器(60)を設けたことにより、温水循環回路(50)内を温水が循環するときに、殺菌成分がレジオネラ菌等の細菌に作用する。したがって、温水循環回路(50)中で温水の温度が低下しているときに、温水を菌が繁殖しない温度まで加熱しなくても、レジオネラ菌の繁殖を防止できる。温水循環回路(50)中の温水以下の温度で殺菌成分を生成するようにしているので、ヒータ等を用いて温水を加熱するのに比べて投入するエネルギーが少なくて済み、貯湯タンク(5)と温水循環回路(50)を有するヒートポンプ式給湯装置においてレジオネラ菌などの細菌の発生を低コストで抑えることが可能となる。
【0031】
上記第2の発明によれば、温水を加熱せずに放電装置(65)において放電を起こすことにより低温プラズマを形成し、この低温プラズマによりオゾンなどの活性種を生成させて、これらの活性種を殺菌成分として温水中のレジオネラ菌の処理を行うことができる。放電により発生する活性種を利用することにより、温水を加熱する場合と比べて殺菌に必要な投入エネルギーを抑えられる。
【0032】
上記第3の発明によれば、空気中に配置された放電装置(65)から活性種を処理部(70)に送り込むことにより、活性種と温水とを接触させて滅菌処理を行うことができる。この発明においても、放電により発生する活性種を利用することにより、殺菌に必要な投入エネルギーを抑えられる。
【0033】
上記第4の発明によれば、水中に配置された放電装置(65)で発生した活性種が処理部(70)内で温水と接触することにより滅菌処理が行われる。この発明においても、放電により発生する活性種を利用することにより、殺菌に必要な投入エネルギーを抑えられる。また、水中で発生した活性種が直接に細菌と接触するため、滅菌効果を高めることも可能となる。
【0034】
上記第5の発明によれば、温水を加熱せずにストリーマ放電装置(66)において放電を起こすことにより低温プラズマを形成し。この低温プラズマによりオゾンを含む滅菌作用の強い活性種を発生させて、これらの活性種を殺菌成分として温水中のレジオネラ菌を処理することができる。この発明でも、放電により発生する活性種を利用することにより、殺菌に必要な投入エネルギーを抑えられる。
【0035】
上記第6の発明によれば、水噴霧機構(80)から噴霧された水滴とストリーマ放電装置(66)で生成された活性種とが処理部(70)内で接触することにより、水滴と活性種とが広範囲で接触する。また、水滴が処理部(70)の水面に滴下するところで空気と水の界面が乱れるため、水中に活性種が取り込まれ、このことによっても広い範囲で水と活性種が接触する。したがって、殺菌性能を高めることが可能となる。
【0036】
上記第7の発明によれば、水膜形成機構(85)から滴下した水膜とストリーマ放電装置(66)で生成された活性種とが処理部(70)内で接触することにより、水膜と活性種とが広範囲で接触する。また、水膜が処理部(70)の水面に滴下するところで空気と水の界面が乱れるため、水中に活性種が取り込まれ、このことによっても広い範囲で水と活性種が接触する。したがって、殺菌性能を高めることが可能となる。
【0037】
上記第8の発明によれば、温水を加熱せずにオゾン生成装置(95)においてオゾンを発生させて、このオゾンを殺菌成分として温水中のレジオネラ菌の処理を行うことができる。温水を加熱せずに発生させたオゾンを利用することにより、温水を加熱する場合と比べて滅菌に必要な投入エネルギーを抑えられる。
【0038】
上記第9の発明によれば、紫外線発生器(96)により紫外線を発生させて、この紫外線(及びそれに含まれているオゾン)を殺菌成分として温水中のレジオネラ菌の処理を行うことができる。常温で紫外線を発生させることにより、温水を加熱する場合と比べて滅菌に必要な投入エネルギーを抑えられる。
【0039】
上記第10の発明によれば、殺菌成分生成器(60)で生成された殺菌成分(オゾン等の活性種)が、気泡供給によって、気泡とともに温水循環回路(50)の水中に供給される。こうすることにより、水中で細菌と活性種が接触して滅菌処理が行われる。この場合でも、温水循環回路(50)中の温水以下の温度で発生する活性種を利用することにより、温水を加熱する場合と比べて殺菌に必要な投入エネルギーを抑えられるし、水中で細菌と活性種が直接接触するので滅菌性能を高められる。
【0040】
上記第11の発明によれば、温水循環回路(50)中の温水以下の温度で殺菌成分を生成して温水に作用させるようにしたことにより、温水循環回路(50)内を温水が循環するときに、殺菌成分がレジオネラ菌等の細菌に作用する。したがって、温水循環回路(50)中で温水の温度が低下しているときに、温水を菌が繁殖しない温度まで加熱しなくても、レジオネラ菌の繁殖を防止できる。そして、温水を加熱せずに殺菌成分を生成するようにしているので、ヒータ等を用いて温水を加熱するのに比べて投入するエネルギーが少なくて済み、貯湯タンク(5)と温水循環回路(50)を有するヒートポンプ式給湯装置においてレジオネラ菌などの細菌の発生を低コストで抑えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0042】
図1は、本発明の実施形態に係るヒートポンプ式給湯装置(1)の回路構成図である。このヒートポンプ式給湯装置(1)は、水に温熱を与えて温水を生成するヒートポンプ熱源機(10)と、生成された温水を貯める貯湯タンク(5)と、この貯湯タンク(5)から出湯するために該貯湯タンク(5)に接続された出湯回路(40)とを備えている。
【0043】
ヒートポンプ熱源機(10)は、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路(11)により構成されている。この冷媒回路(11)は、冷媒を圧縮する圧縮機(12)と、高圧冷媒が水(温水)に対して放熱する温水熱交換器(13)と、開度調整可能で高圧冷媒を低圧圧力まで減圧する膨張弁(膨張機構)(14)と、低圧冷媒が空気から吸熱する空気熱交換器(15)とが、冷媒配管によって順に接続されることにより構成された閉回路である。
【0044】
温水熱交換器(13)は、上記冷媒回路(11)の冷媒が流れる冷媒流路(13a)と、後述する温水加熱回路(20)の温水が流れる温水流路(13b)とを有している。この温水熱交換器(13)は、冷媒と温水が対向流で流れるように構成されている。
【0045】
温水熱交換器(13)と上記貯湯タンク(5)は、温水加熱回路(20)により接続されている。温水加熱回路(20)は、貯湯タンク(5)の下端部と温水熱交換器(13)の温水流路(13b)の下端とに接続された取水管(21)と、温水熱交換器(13)の温水流路(13b)の上端に一端が接続された注湯管(22)とを有している。注湯管(22)は、他端側が三方弁(23)を介して2つに分岐し、第1注湯分岐管(24)が貯湯タンク(5)の上端部に接続され、第2注湯分岐管(25)が貯湯タンク(5)の下端部における取水管(21)の上方の位置に接続されている。また、上記取水管(21)には、貯湯タンク(5)内の水(温水)を、温水加熱回路(20)の取水管(21)から温水熱交換器(13)の温水流路(13b)に流すとともに、さらに注湯管(22〜24)を通して貯湯タンク(5)に戻す温水ポンプ(26)が設けられている。
【0046】
貯湯タンク(5)には、給水回路(30)と出湯回路(40)が接続されている。給水回路(30)は、給水源(30a)に接続された給水管(31)を有している。この給水管(31)は、減圧弁(33)が設けられた給水基管(32)と、給水基管(32)から分岐した第1給水分岐管(34)及び第2給水分岐管(35)とを有している。第1給水分岐管(34)は、混合弁(42)を介して出湯回路(40)に接続され、第2給水分岐管(35)は、給水基管(32)から分岐して貯湯タンク(5)の下端部に接続されている。
【0047】
出湯回路(40)は、貯湯タンク(5)に接続されるとともに途中に上記混合弁(42)が設けられた出湯基管(41)と、出湯基管(41)から分岐した第1出湯分岐管(43)及び第2出湯分岐管(44)とを有している。第1出湯分岐管(43)は給湯用の分岐管であり、水道の蛇口(51)やシャワーのノズル(52)と接続されている。第2出湯分岐管(44)は浴槽(45)へ温水を供給するための分岐管である。
【0048】
上記出湯基管(41)には、安全弁(6)が設けられている。この安全弁(6)は、貯湯タンク内の圧力が所定値以上に上がらないように圧力を逃がす弁である。
【0049】
上記貯湯タンク(5)には、水位が低いときに貯湯タンク(5)に給水するために、給水用水位センサ(5a)が設けられている。また、温水加熱回路(20)において温水熱交換器(13)で加熱された温水を貯湯タンク(5)の水位に応じて三方弁(23)を適宜切り換えることにより第1注湯分岐管(24)または第2注湯分岐管(25)から貯湯タンク(5)に供給するために、上記貯湯タンク(5)には温水加熱用水位センサ(5b,5c)が設けられている。
【0050】
第1出湯分岐管(43)には温水循環回路(50)が接続されている。温水循環回路(50)は、温水が循環する閉回路であって、複数の水道蛇口(51)と複数のシャワーノズル(52)が接続されている。温水循環回路(50)には、給湯ポンプ(53)と、温水循環回路(50)中の温水以下の温度で(温水を加熱せずに)殺菌成分を生成して温水に作用させる殺菌成分生成器(60)とが設けられている。この殺菌成分生成器(60)は、容器内に予め充填した殺菌剤などを用いて温水中の殺菌をするものではなく、放電その他の手段によって殺菌成分を生成することにより温水中で殺菌をするものである。
【0051】
第2出湯分岐管(44)には開閉弁(46)が設けられてるとともに、開閉弁(46)の下流側には追い焚き回路(47)が接続されている。追い焚き回路(47)は浴槽(45)に接続されていて、その接続部(45a)には、詳細は図示していないが、追い焚き回路(47)から浴槽(45)へ温水を供給する温水供給口と、浴槽(45)から追い焚き回路(47)へ温水を吸い出す温水吸い出し口とが設けられている。追い焚き回路(47)には、浴槽水ポンプ(48)と、温水を再加熱する温水加熱器(49)とが設けられている。
【0052】
図2に示すように、上記殺菌成分生成器(60)は、空気中に配置された放電装置(65)を有している。上記殺菌成分生成器(60)は、放電により発生した活性種を温水と接触させるように上記温水循環回路(50)に接続された処理部(70)を備えている。上記活性種には、オゾン、電子、イオン、その他ラジカル(ヒドロキシラジカル、励起酸素分子、励起窒素分子など)が含まれる。
【0053】
上記放電装置(65)は、図示しない放電電極及び対向電極と高圧電源とを有して両電極間でストリーマ放電を発生させるストリーマ放電器(ストリーマ放電装置)(66)により構成されている。上記処理部(70)は、温水循環回路(50)の一部に設けられた処理室(71)により構成され、処理室(71)とストリーマ放電器(66)とが給気通路(72)により接続されている。給気通路(72)にはストリーマ放電器(66)から処理室(71)へ向かって空気を流す送風機(図示せず)を設けるとよい。また、処理室(71)には、処理室(71)内の空気を排出する排気通路(73)が接続されている。排気通路(73)には後処理部(図示せず)を設けることができる。
【0054】
ストリーマ放電はオゾンを含む種々の活性種を生成する機能を有し、生成した活性種を水に作用させることによりレジオネラ菌などの細菌が処理される。上記後処理部は、未処理のオゾンなどが大気中に放出されるのを防止するためものであって、触媒などを用いて構成することができる。なお、オゾンは不安定な分子であり、放置しておけば酸素に変化するため、排気中のオゾン濃度が薄い場合などは、必ずしも後処理部を設けなくてもよい。また、オゾンが溶け込んだいわゆる「オゾン水」も放置しておけば通常の水に戻るため、オゾン濃度が高くない場合はオゾンを処理する必要はない。
【0055】
上記処理室(71)には、噴霧ノズル(81)が設けられている。噴霧ノズル(81)は、途中に水噴霧用ポンプ(83)を有する噴霧給水管(82)の下流端に接続され、噴霧給水管(82)の上流端は温水循環回路(50)における処理室(71)の上流側の配管に接続されている。噴霧給水管(82)と水噴霧用ポンプ(83)と噴霧ノズル(81)により水噴霧機構(80)が構成され、噴霧された水滴と、ストリーマ放電装置(65)で生成された活性種とが、処理室(71)内で接触するようになっている。
【0056】
−運転動作−
次に、このヒートポンプ式給湯装置(1)の運転動作について説明する。なお、以下の運転動作は図示していないコントローラによって制御される。
【0057】
まず、貯湯タンク(5)の水を加熱して貯湯タンク(5)に温水を貯めるとき、ヒートポンプ熱源機(10)が運転される。ヒートポンプ熱源機(10)において、圧縮機(12)から吐出された高圧の冷媒は、温水熱交換器(13)の冷媒流路(13a)を流れるときに、温水流路(13b)を流れる水(温水)に放熱して水(温水)を加熱する。温水に放熱した冷媒は、膨張弁(14)によって減圧されて低圧の二相冷媒となる。低圧冷媒は空気熱交換器(15)を通過するときに空気から吸熱して蒸発し、低圧ガス冷媒となって圧縮機(12)に吸入される。この冷媒は圧縮機(12)で圧縮されて高圧となり、圧縮機(12)から吐出される。以上のようにして冷媒が冷媒回路(11)を循環する動作が繰り返され、温水熱交換器(13)の温水流路(13b)において水(温水)が加熱される。
【0058】
温水加熱回路(20)では温水ポンプ(26)が駆動される。このとき、混合弁(42)の給水回路(30)側のポートを閉じた状態で減圧弁(33)を開くことにより、必要に応じて給水源(30a)から貯湯タンク(5)へ水が供給される。貯湯タンク(5)の水位が低いときに貯湯タンク(5)に給水するために、貯湯タンク(5)に設けられている給水用水位センサ(5a)が用いられる。
【0059】
貯湯タンク(5)内の水は、温水ポンプ(26)により貯湯タンク(5)から吸い出されて、取水管(21)から温水熱交換器(13)へ流れていく。温水熱交換器(13)において、温水流路(13b)を流れる温水が冷媒流路(13a)を流れる冷媒から吸熱して加熱される。温水熱交換器(13)で加熱された温水は注湯管(22)を流れ、貯湯タンク(5)の水位によって三方弁(23)が適宜切り換えられて第1注湯分岐管(24)または第2注湯分岐管(25)から貯湯タンク(5)に供給される。このために、貯湯タンク(5)に設けられている温水加熱用水位センサ(5b,5c)が用いられる。
【0060】
出湯運転は、給湯温度に応じて混合弁(42)の給水側ポートを開閉しながら給湯ポンプ(53)または浴槽水ポンプ(48)を運転することにより行われる。給湯ポンプ(53)を運転すると、貯湯タンク(5)の温水が出湯基管(41)から第1出湯分岐管(43)を通って吸い出され、温水循環回路(50)を循環する。温水循環回路(50)を流れる温水は、開かれている水道蛇口(51)やシャワーノズル(52)から吐出される。
【0061】
また、貯湯タンク(5)の温水を浴槽(45)に貯めるときは、開閉弁(46)を開いた状態で浴槽水ポンプ(48)が運転され、混合弁(42)で温水と冷水(給水)の割合を調整することにより、浴槽水の温度が調節される。浴槽水を追い焚きするときは、開閉弁(46)を閉じた状態で浴槽水ポンプ(48)が運転され、温水加熱器(49)が運転される。こうすることにより浴槽水が追い焚き回路(47)を循環するときに温水加熱器(49)で加熱され、浴槽水の温度が調節される。
【0062】
一方、温水循環回路(50)内を循環する温水の温度が下がると、従来の給湯装置ではレジオネラ菌などの細菌が発生しやすくなっていた。これに対して、この実施形態の給湯装置では、レジオネラ菌の発生が上記殺菌成分生成器(60)により抑制される。
【0063】
具体的には、殺菌成分生成器(60)に設けられているストリーマ放電器(66)において、図示していない放電電極と対向電極の間でストリーマ放電が起こることで、その領域に低温プラズマが形成される。この低温プラズマによりオゾンを含む種々の活性種が生成され、これらの活性種が給気通路(72)を通って処理室(71)に送られる。処理室(71)では、温水循環回路(50)を流れる温水が噴霧ノズル(81)から噴霧されており、噴霧された水(温水)と活性種とが接触する。噴霧水が水面に吹き付けられることにより、水と空気の界面が乱れて活性種が処理室(71)の水中にも供給される。活性種は細菌を分解する作用を有しているので、水に含まれるレジオネラ菌が分解され、滅菌される。したがって、温水が温水循環回路(50)を循環することにより、温水が清浄な状態に維持される。
【0064】
排気中に残存するオゾンは、排気通路(73)を流れるときに後処理部(図示せず)で処理することができるし、その後処理部を設けない場合でも、オゾンは放置しておけば酸素に変化する。したがって、大気には、オゾンを含まないか、またはオゾン濃度の薄い排気が放出される。
【0065】
−実施形態の効果−
この実施形態によれば、温水循環回路(50)に殺菌成分生成器(60)を設けたことにより、温水循環回路(50)内で温水の温度が下がったときでもレジオネラ菌等の細菌が繁殖するのを防止することが可能となる。また、殺菌成分生成器(60)としてストリーマ放電を行う放電器(66)を用いて、温水を加熱せずに常温で活性種を発生させる構成を採用しているので、その運転に必要なエネルギーは、ヒータなどの加熱手段を用いて温水を加熱するのに必要なエネルギーよりも大幅に小さい。したがって、従来の給湯装置よりも省エネルギーでの運転が可能であるから、ランニングコストを抑えることができる。
【0066】
−実施形態の変形例−
(第1変形例)
上記実施形態では放電電極と対向電極を有するストリーマ放電器(66)を処理室(71)とは別に設けているが、処理室(71)内でストリーマ放電を発生させるように構成してもよい。その場合、図3に示すように、複数の針状先端部を有する放電電極(67)を噴霧ノズル(81)と対向するように配置するとともに、放電電極(67)と噴霧ノズル(81)との間に高圧電源(68)から高電圧を与えることにより、水滴を対向電極として放電電極(67)からストリーマ放電を起こすことができる。このようにしても、上記実施形態と同様の作用、効果を得ることが可能である。また、処理室(71)とストリーマ放電器(66)を一体にすることで構成を簡単にすることも可能となる。さらに、上記実施形態と比較して、活性種が発生してから水と接触するまでの時間を短くすることができるため、ラジカルや励起分子等の短寿命の活性種も有効に利用して細菌を処理することができる。
【0067】
なお、ストリーマ放電は細菌の処理能力の高い活性種を発生させる放電方式として好適であるが、無声放電等の他の放電方式を採用しても、活性種を発生させることは可能である。したがって、放電装置(65)の放電方式はストリーマ放電以外の方式を採用してもよい。
【0068】
(第2変形例)
例えば、図4に示すように、図2の噴霧ノズル(81)の代わりに多孔質体(86)を用い、この多孔質体(86)に上方から水分を供給し、該多孔質体(86)の内部表面に水膜を形成するようにしてもよい(水膜形成機構(85))。この多孔質体(86)としては、上下方向へ空気が流通可能な通気孔を有するハニカム構造の基材の表面に吸水材(吸着剤)を担持したものを用いることができる。このように構成しても、
多孔質体(86)の内部に実質的に表面積の大きな水膜が形成され、空気中の活性種と水とが効率よく接触するとともに、多孔質体(86)から水面に水が落ちるところで水と空気の界面が乱れて活性種が水中に取り込まれるので、水に含まれるレジオネラ菌等の細菌を処理することができる。
【0069】
(第3変形例)
第3変形例は、殺菌成分生成器(60)のストリーマ放電器(66)により生成された活性種等の殺菌成分を気泡とともに水中へ供給する気泡供給器(88)を設けた例である。この例では、図5に示すように、図2の水噴霧機構(80)や図4の水膜形成機構(85)を設ける代わりに、気泡供給器(88)として、給気通路(72)の処理室(71)側の開口端を処理室(71)の水中に位置するように配置するとともに、給気通路(72)の途中に給気ポンプ(89)を設けている。ストリーマ放電器(66)の構成は図2に示した上記実施形態と同じである。
【0070】
このように構成すると、ストリーマ放電器(66)で放電とともに生成された活性種が給気通路(72)を通じて水中へ気泡とともに供給される。そして、気泡が水中から上昇するときに、気泡に含まれている活性種が水中のレジオネラ菌等の細菌と接触し、細菌が分解される。この場合、気泡の供給口を水中の複数箇所に設けておくと、活性種と水とがより広い範囲で接触することになるので、細菌の分解性能を高められる。また気泡中の活性種が水に取り込まれることによる分解性能も得ることができる。
【0071】
(第4変形例)
第4変形例は、図6に示すように、図2の水噴霧機構(80)や図4の水膜形成機構(85)を設ける代わりに、処理室(71)内に水車(90)を設けた例である。ストリーマ放電器(66)は給気通路(72)や排気通路(73)を含めて図2に示す上記実施形態と同じである。このように構成すると、処理室(71)の室内で水車(90)を回すと空気と水の界面が乱れることになるので、処理室(71)に供給された活性種が水中に取り込まれるとともに広範囲で水に作用して、レジオネラ菌等の細菌を処理することができる。また、水車の表面に薄い水膜が形成されることにより、空気中の活性種と水とが広い面積で接触するので、高い分解性能を得ることができる。さらに、上記水車(90)に加えて第2の水車(図示せず)を水中に設けてもよい。そうすると、水中において活性種をより均等に分散させることができるので、細菌処理性能を安定させることが可能となる。
【0072】
(第5変形例)
上記実施形態及び各変形例では、ストリーマ放電器(放電装置(65))(66)を空気中に配置するとともに放電装置(65)と別の処理室(71)を温水循環回路(50)に設け、放電により発生した活性種を温水と接触させるようにしているが、放電装置(65)(放電器(67))は、図7に示すように水中に配置してもよい。
【0073】
具体的には、放電装置(65)が有する線状の放電電極(68a)とその周囲に位置する筒状の対向電極(68b)とを水中に配置し、放電電極(68a)と対向電極(68b)に高電圧のパルス電源(69)を接続している。また、放電装置(65)を、温水循環回路(50)に接続された処理室(処理部)(70)内に放電電極(68a)と対向電極(68b)が位置し、温水の流れ方向と放電電極(68a)及び対向電極(68b)の軸方向とが一致するように配置している。
【0074】
このように構成すると、処理室(71)の水中において放電電極(68a)と対向電極(68b)の間で、水の電気分解によってオゾン等の活性種が発生する。発生した活性種は、水中でレジオネラ菌などの細菌に作用し、これらの細菌を分解する。この構成では、水中で発生した活性種が水中の細菌に直接的に作用するため、高い細菌分解性能を得ることができる。また、線状の放電電極(68a)の周囲に筒状の対向電極(68b)を配置しているので、活性種と水との接触面積が大きく、そのことからも高い細菌分解性能を得ることが可能となる。
【0075】
なお、上記の構成により水中でオゾンを発生させたオゾンはいわゆる「オゾン水」であり、放置しておけば通常の水に戻るため、オゾン発生後に分解する必要はない。
【0076】
(第6変形例)
上記実施形態においては、図8に示すように、殺菌成分生成器(60)としてオゾン生成装置(95)を用いてもよい。上記の放電装置(65)はオゾンを含む活性種を生成するため、一種のオゾン生成装置ということができるが、オゾン生成装置(95)としては、放電によらずに火花等を起こしてそのときにオゾンを発生させるような構成を採用してもよい。このようにしても水中のレジオネラ菌を分解することができる。
【0077】
なお、この変形例において、オゾン生成装置を処理室(71)とは別に設けて、生成したオゾンを空気とともに処理室(71)の水中に供給する図5の気泡供給器(88)を設けてもよい。
【0078】
(第7変形例)
上記実施形態においては、図9に示すように、殺菌成分生成器(60)として紫外線発生器(96)を用いてもよい。紫外線発生器(96)も一種のオゾン生成装置であり、紫外線の作用で水中のレジオネラ菌を分解することができる。
【0079】
なお、この変形例においても、紫外線発生器(96)を処理室(71)とは別に設けて、生成したオゾンを空気とともに処理室(71)の水中に供給する図5の気泡供給器(88)を設けてもよい。
【0080】
(各変形例の効果)
上記の各変形例の構成を採用すれば、図2に示した上記実施形態と同様に、温水の温度が下がったときでもレジオネラ菌等の細菌が温水中で繁殖するのを防止することが可能となる。そして、上記各変形例でも温水循環回路(50)中の温水以下の温度で活性種を発生させる構成を採用しているので、その運転に必要なエネルギーは温水を加熱するのに必要なエネルギーよりも小さくなる。したがって、従来の放電装置よりも省エネルギーでの運転が可能であるから、ランニングコストを抑えることができる。
【0081】
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下の各変形例のような構成としてもよい。
【0082】
例えば、上記実施形態では温水循環回路(50)に殺菌成分発生器(60)を設けているが、殺菌成分発生器(60)は追い焚き回路(47)にも設けるようにしてもよい。また浴槽や追い焚き回路の付いた給湯システムに限るものではなく、タンクの下流側に循環回路を有するすべての給湯装置に対して適用できる。
【0083】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0084】
以上説明したように、本発明は、貯湯タンクと温水循環回路を有するヒートポンプ式給湯装置について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係るヒートポンプ式給湯装置の配管系統図である。
【図2】図2は、図1のヒートポンプ式給湯装置に設けられている殺菌成分生成器の概略構成図である。
【図3】図3は、殺菌成分生成器の第1変形例を示す概略構成図である。
【図4】図4は、殺菌成分生成器の第2変形例を示す概略構成図である。
【図5】図5は、殺菌成分生成器の第3変形例を示す概略構成図である。
【図6】図6は、殺菌成分生成器の第4変形例を示す概略構成図である。
【図7】図7は、殺菌成分生成器の第5変形例を示す概略構成図である。
【図8】図8は、殺菌成分生成器の第6変形例を示す概略構成図である。
【図9】図9は、殺菌成分生成器の第7変形例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0086】
1 ヒートポンプ式給湯装置
5 貯湯タンク
10 ヒートポンプ熱源機
50 温水循環回路
60 殺菌成分生成器
65 放電装置
66 ストリーマ放電器(ストリーマ放電装置)
70 処理部
80 水噴霧機構
85 水膜形成機構
88 気泡供給器
95 オゾン生成装置
96 紫外線発生器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水に温熱を与えて温水を生成するヒートポンプ熱源機(10)と、生成された温水を貯める貯湯タンク(5)と、該貯湯タンク(5)に接続された温水循環回路(50)とを有するヒートポンプ式給湯装置であって、
温水循環回路(50)中の温水以下の温度で殺菌成分を生成して温水に作用させる殺菌成分生成器(60)を温水循環回路(50)に備えていることを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記殺菌成分生成器(60)が放電装置(65)を有していることを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。
【請求項3】
請求項2において、
上記放電装置(65)が空気中に配置されるとともに、放電により発生した活性種を温水と接触させるように上記温水循環回路(50)に接続された処理部(70)を備えていることを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。
【請求項4】
請求項2において、
上記放電装置(65)が水中に配置されるとともに、放電により発生した活性種で温水を処理するように上記温水循環回路(50)に接続された処理部(70)を備えていることを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。
【請求項5】
請求項2において、
上記放電装置(65)がストリーマ放電を発生させるストリーマ放電装置(66)であることを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。
【請求項6】
請求項5において、
水噴霧機構(80)を備え、噴霧された水滴とストリーマ放電装置(66)で生成された活性種とを接触させるように上記温水循環回路(50)に接続された処理部(70)を備えていることを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。
【請求項7】
請求項5において、
水膜形成機構(85)を備え、形成された水膜とストリーマ放電装置(66)で生成された活性種とを接触させるように上記温水循環回路(50)に接続された処理部(70)を備えていることを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。
【請求項8】
請求項1において、
上記殺菌成分生成器(60)がオゾン生成装置(95)により構成されていることを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。
【請求項9】
請求項1において、
上記殺菌成分生成器(60)が紫外線発生器(96)により構成されていることを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。
【請求項10】
請求項2,8または9において、
上記殺菌成分生成器(60)により生成された殺菌成分を気泡とともに水中へ供給する気泡供給器(88)を備えていることを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。
【請求項11】
水に温熱を与えて温水を生成するヒートポンプ熱源機(10)と、生成された温水を貯める貯湯タンク(5)と、該貯湯タンク(5)に接続された温水循環回路(50)とを有するヒートポンプ式給湯装置における温水の滅菌方法であって、
温水循環回路(50)を循環する温水に対して、温水循環回路(50)中の温水以下の温度で殺菌成分を生成して温水に作用させることを特徴とする温水の滅菌方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−287823(P2009−287823A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−140044(P2008−140044)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】