説明

ヒートポンプ式給湯装置

【課題】ヒートポンプユニットと貯湯ユニットとの間を接続する循環用水配管回路において、現地工事を必要とする連絡配管として銅管の使用を一般化することのできるヒートポンプ式給湯装置を提供すること。
【解決手段】本発明に係るヒートポンプ式給湯装置は、冷凍サイクルにより温水を生成するヒートポンプユニット2と、ヒートポンプユニット2で生成された温水を貯湯する貯湯タンク32を内蔵した貯湯ユニット3と、両ユニット間に温水を循環させるための連絡配管11が現地工事される循環用水配管回路1とを備えている。循環用水配管回路1は、連絡配管11が循環用配管接続口21に対し食い込み式管継手6により直接的に又は間接的に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ヒートポンプ式給湯装置に関する。特に、現地工事を必要とする水配管回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境を配慮したクリーンな給湯システムとしてヒートポンプ式給湯装置が普及してきている。ヒートポンプ式給湯装置は、冷凍サイクルにより温水を生成する冷媒回路を内蔵したヒートポンプユニットと、ヒートポンプユニットで生成された温水を貯湯する貯湯タンクを内蔵した貯湯ユニットとからなる。また、このヒートポンプ式給湯装置は、据付に際しては、ヒートポンプユニットと貯湯ユニットとの間で温水を循環させるための循環用水配管回路や、給湯栓に温水を供給するための給湯用水配管回路や、貯湯ユニットに水を供給するための給水用水配管回路などを必要としている。また、これら水配管回路は、現地の据付環境に対応した引き回しで現地工事されている。
【0003】
例えば、ヒートポンプユニットと貯湯ユニットとの間で温水を循環させるための循環用水配管回路は、図12〜図15に示すような各種の方式で現地工事されている(非特許文献1参照)。これを具体的に説明する。
【0004】
図12に示す循環用水配管回路1は、ヒートポンプユニット2と貯湯ユニット3との間に、銅管からなる一対の連絡配管11が現地工事で接続されるとともに、この接続がフレア接続で行われる銅管フレア接続方式のものである。ヒートポンプユニット2の下方側面には、循環用水配管回路1を接続するための一対の循環用配管接続口21が形成され、この一対の循環用配管接続口21には開閉弁22がそれぞれ設けられている。一方、貯湯ユニット3の下方側面には、循環用水配管回路1を接続するための一対の循環用配管接続口31が形成され、この一対の循環用配管接続口31には雄ねじ部を継手部とする管継手31aがそれぞれ設けられている。
【0005】
循環用水配管回路1は、ヒートポンプユニット2における一対の循環用配管接続口21の各開閉弁22に対し、予めヒートポンプユニット2の付属部品として準備されている長めの銅管アダプタ12がそれぞれ接続され、さらに、この銅管アダプタ12の先端に止水栓13が接続されている。また、止水栓13の他方側にはL字型の銅管フレアアダプタ14が接続され、この銅管フレアアダプタ14に対し、銅管からなる連絡配管11の一端がフレア接続されている。また、貯湯ユニット3における一対の循環用配管接続口31の各管継手31aには、予め貯湯ユニット3の付属品として準備されている銅管フレアアダプタ15がそれぞれ接続される。そして、この銅管フレアアダプタ15に対し連絡配管11の他端がフレア接続されている。このような循環用水配管回路1において、連絡配管11は、ヒートポンプ式給湯装置の据付環境に応じた引き回しとなるように現地工事される。
【0006】
また、循環用水配管回路1において、銅管アダプタ12は、管端に外装された平行ねじの雌ねじ部を備えた袋ナット12aを開閉弁22の管用テーパねじの雄ねじ継手部に螺合させることにより開閉弁22に接続され、パッキン12bにより銅管アダプタ12と開閉弁22との間がシールされている。また、止水栓13は、銅管アダプタ12の止水栓側に形成された管用テーパねじの雄ねじ継手部が止水栓13にねじ込まれることにより銅管アダプタ12に接続されている。また、銅管フレアアダプタ14は、端部に外装された平行ねじの雌ねじ部を備えた袋ナット14aが止水栓13の管用テーパねじの雄ねじ継手部に螺合されることにより止水栓13に接続され、パッキン14bにより銅管フレアアダプタ14と止水栓13との間がシールされている。そして、銅管フレアアダプタ14と連絡配管11とをフレア接続するために、銅管フレアアダプタ14の管端にはフレア継手部が形成され、連絡配管11の管端が現地でフレア加工される。なお、銅管フレアアダプタ14はこの例ではL字型であるが、現地の据付環境によってはストーレート型が用いられる場合もある。
【0007】
また、貯湯ユニット3側において、銅管フレアアダプタ15は、外装された平行ねじの雌ねじ部を備えた袋ナット15aを管継手31aの管用テーパねじの雄ねじ継手部に螺合させることにより管継手31aに接続され、パッキン15bにより銅管フレアアダプタ15と管継手31aとの間がシールされている。また、銅管フレアアダプタ15と連絡配管11とをフレア接続するために、銅管フレアアダプタ15の管端にはフレア継手部が形成され、連絡配管11の管端が現地でフレア加工される。
【0008】
図13に示す循環用水配管回路1は、ヒートポンプユニット2と貯湯ユニット3との間に、軟質性樹脂ホースからなる連絡配管11aが現地工事で接続される軟質樹脂ホース接続方式のものである。この方式のものでは、図12に示した銅管フレア接続方式における銅管フレアアダプタ14に代わりホース接続用アダプタ16が用いられるとともに、銅管フレアアダプタ15に代わりホース接続用継手17が用いられている。ホース接続用アダプタ16は、袋ナット16aが止水栓13の雄ねじ継手部に螺合されることにより止水栓13に接続され、パッキン16bによりホース接続用アダプタ16と止水栓13との間がシールされている。また、ホース接続用継手17は、袋ナット17aが管継手31aの雄ねじ継手部に螺合されることにより管継手31aに接続され、パッキン17bによりホース接続用継手17と管継手31aとの間がシールされている。そして、現地工事される軟質ホースからなる連絡配管11aは、両端部がホース接続用アダプタ16及びホース接続用継手17の継手部に差し込まれ、ホースバンド161,171で抜けないように固定されている。
【0009】
図14に示す循環用水配管回路1は、ヒートポンプユニット2と貯湯ユニット3との間に、金属強化ポリスチレン管からなる連絡配管11bが現地配管で接続される金属強化ポリスチレン管接続方式のものである。この方式のものでは、図12に示した銅管フレア接続方式における銅管フレアアダプタ14,15に代わり硬質の樹脂配管を接続するための硬質樹脂配管接続用アダプタ18が用いられている。したがって、現地施工される金属強化ポリスチレン管からなる連絡配管11bは、両端部において硬質樹脂配管接続用アダプタ18に接続される。なお、硬質樹脂配管接続用アダプタ18は、その継手部が止水栓13又は管継手31aの雄ねじ継手部に螺合されることにより固定されている。また、この螺合は管用テーパねじにより行われており、パッキンが使用されない。
【0010】
図15に示す循環用水配管回路1は、ヒートポンプユニット2と貯湯ユニット3との間に、銅管からなる連絡配管11cが現地工事で接続されるとともに、この接続がろう付で行われる銅管ろう付接続方式のものである。この方式のものでは、図12に示した銅管フレア接続方式における銅管フレアアダプタ14,15に代わり銅管ろう付用アダプタ19,190が用いられている。銅管ろう付用アダプタ19は、袋ナット19aが止水栓13の雄ねじ継手部に螺合されることにより止水栓13に接続され、パッキン19bにより銅管ろう付用アダプタ19と止水栓13との間がシールされている。また、銅管ろう付用アダプタ190は、袋ナット190aが管継手31aの雄ねじ継手部に螺合されることにより管継手31aに接続され、パッキン190bにより銅管ろう付用アダプタ190と管継手31aとの間がシールされている。そして、現地工事される銅管からなる連絡配管11cは、両端部において銅管ろう付用アダプタ19,190に対しろう付されて接続されている。
【非特許文献1】ダイキン製品カタログ「自然冷媒(CO2)・ヒートポンプ給湯機家庭用ダイキンエコキュート」08−09、p42−43、ダイキン工業株式会社、[平成20年9月26日検索]、インターネット(URL: http://ec.daikinaircon.com/ecatalog/DKCA007/home_pdfdl.html)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、従来の水配管回路については次のような問題があった。即ち、前述の銅管フレア接続方式のものは、現地施工する業者が水配管工事業者の場合、フレア工具を持っていないことが多く、一般向きでないという問題があった。また、軟質樹脂ホース接続方式のものについては、比較的安価であるが、軟質樹脂ホースからなる連絡配管11bの耐熱性が劣るため長期間の使用に不向きであるという問題があった。また、金属強化ポリスチレン管接続方式については、硬質樹脂配管接続用アダプタ18が高価であり、全体としても高価になるという問題があった。また、銅管ろう付接続方式については、現地工事する工事業者が水配管工事業者の場合、ろう付機を持っていない場合が多く、一般向きでないという問題があった。なお、連絡配管としては、殺菌性、耐久性及び価格の面から銅管の使用が最も好ましいと考えられている。しかしながら、従来のものでは、上述のように銅管からなる連絡配管を使用する場合には水配管工事業者が工事することができないことがあり、一般的でないという問題があった。
【0012】
本発明は、このような背景に基づきなされたものであって、ヒートポンプユニットと貯湯ユニットとの間を接続する循環用水配管回路において、現地工事を必要とする連絡配管として銅管の使用を一般化することのできるヒートポンプ式給湯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るヒートポンプ式給湯装置は、上記課題を解決するものであって、冷凍サイクルにより温水を生成する冷媒回路を内蔵したヒートポンプユニットと、ヒートポンプユニットで生成された温水を貯湯する貯湯タンクを内蔵した貯湯ユニットと、両ユニット間に温水を循環させるための連絡配管が現地工事で接続される循環用水配管回路とを備えたヒートポンプ式給湯装置であって、前記ヒートポンプユニット及び貯湯ユニットはそれぞれ前記循環用水配管回路を接続するための循環用配管接続口を有し、前記循環用水配管回路は、連絡配管が前記循環用配管接続口に対し食い込み式管継手により直接的に又は間接的に接続されていることを特徴とする。
【0014】
このような構成上の特徴を有する本発明に係るヒートポンプ式給湯装置によれば、どの水配管工事業者でも銅管からなる連絡配管を用いて容易に循環用水配管回路の工事を行うことができる。したがって、ヒートポンプ式給湯装置の循環用水配管回路において、現地工事を伴う連絡配管として銅管の使用を一般化することができる。
【0015】
また、前記ヒートポンプユニットは、前記循環用配管接続口に開閉弁が設けられ、前記循環用水配管回路は、前記連絡配管が食い込み式管継手によりこの開閉弁に接続されているように構成することもできる。このように構成すると、貯湯ユニット内に止水栓が設けられていることにより循環用水配管回路中に止水栓を設ける必要がないような場合に、循環用水配管回路を簡略な水配管回路として構成することができる。
【0016】
また、前記連絡配管の途中に食い込み式管継手により空気抜き弁が接続されているようにしてもよい。現地の工事環境によっては連絡配管の途中に食い込み式管継手を設けなければならない場合が生じるが、このような場合においてどの水配管工事業者でも連絡配管として銅管を用いながら空気抜き弁を容易に取り付けることができる。また、空気抜き弁を取り付けることにより、循環用水配管回路における循環水の流れを円滑にするとともに配管内の腐食を低減することができる。
【0017】
また、前記ヒートポンプユニットは、前記循環用配管接続口に開閉弁が設けられ、前記循環用水配管回路は、開閉弁に銅管アダプタが接続され、さらに、銅管アダプタに止水栓が接続され、前記連絡配管が食い込み式管継手によりこの止水栓に接続されているように構成してもよい。このように構成することにより、貯湯ユニット内に止水栓が設けられておらず循環用水配管回路中に止水栓を設ける必要があるような場合に、予め準備されている機器により連絡配管の接続に支障をきたさずに止水栓を接続することができる。
【0018】
上記のように構成されるヒートポンプ式給湯装置は、貯湯タンクから少なくとも1個の給湯栓へ給湯水を供給するための給湯配管が現地工事で接続される給湯用水配管回路を備え、前記貯湯ユニットは、給湯用水配管回路を接続するための給湯用配管接続口を有し、前記給湯用水配管回路は、給湯配管が食い込み式管継手により給湯用配管接続口に接続されているようにしてもよい。このように構成すれば、どの水配管工事業者も給湯配管として最適材料である銅管を使用することができる。
【0019】
また、このように構成される場合において、ヒートポンプ式給湯装置は、前記貯湯タンクには浴槽の水を追い炊きするための追い炊き熱交換器と、追い炊き熱交換器により加熱された温水を浴槽へ供給するための追い炊き用配管が現地工事される追い炊き用水配管回路とを備え、前記貯湯ユニットは、追い炊き用水配管回路を接続するための追い炊き用配管接続口を有し、前記追い炊き用水配管回路は、追い炊き用配管が食い込み式管継手により追い炊き用配管接続口に接続されているようにしてもよい。このように構成すると、どの水配管工事業者も追い炊き用配管として最適材料である銅管を使用することができる。
【0020】
また、上記のように構成されるヒートポンプ式給湯装置は、給水栓から貯湯タンクへ水を供給するための給水配管が現地工事で接続される給水用水配管回路を備え、前記貯湯ユニットは、給水用水配管回路を接続するための給水用配管接続口を有し、給水用水配管回路は、給水配管が食い込み式管継手により給水用配管接続口に接続されているようにしてもよい。このように構成すれば、どの工事業者でも給湯装置に最適な銅管を給水配管として使用することができる。
【0021】
また、前記食い込み式管継手は、被接続機器側に接続される継手本体と、接続する配管に外装される結合部材とからなり、前記継手本体の接続部に雄ねじ部又は雌ねじ部が形成されているようにすることが好ましい。このように構成することにより、食い込み式管継手の継手本体を非接続側機器へ取り付ける作業が水配管工事業者に馴染みのある作業となり、食い込み式管継手による水配管接続作業を容易化することができる。
【0022】
また、前記食い込み式管継手は、継手本体と結合部材との間に挟着されるフェルールが結合部材及び継手本体とは別体に形成されるとともに、結合部材が継手本体に締結される前にフェルールが結合部材に仮止めされるように構成してもよい。このように構成すれば、結合部材が締結される前の部品の段階においてフェルールが結合部材に仮止めされるので、小物であるフェルールの紛失を軽減するとともに、部品管理工数の削減を可能にすることができる。
【0023】
また、前記食い込み式管継手は、継手本体と結合部材との間に挟着されるフェルールが結合部材又は継手本体と一体に形成されるとともに、結合部材が継手本体に締結される締結工程の途中においてフェルールが結合部材又は継手本体から分離されるように構成してもよい。このように構成すれば、結合部材が締結される前の部品の段階においてフェルールが結合部材に一体化されるので、小物であるフェルールの紛失を軽減するとともに、部品管理工数の削減を可能にすることができる。
【0024】
また、少なくとも前記連絡配管には銅管が用いられていることが好ましい。銅管を用いることにより耐久性及び殺菌性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係るヒートポンプ式給湯装置によれば、水配管工事業者であれば誰でもが、銅管からなる連絡配管を用いて容易に循環用水配管工事を行うことができる。したがって、ヒートポンプ式給湯装置の循環用水配管回路において、現地工事を伴う連絡配管として銅管の使用を一般化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態に係るヒートポンプ式給湯装置の全体概略構成について図1及び図2に基づき説明する。図1は、ヒートポンプ式給湯装置の全体概略構成図であり、図2は、ヒートポンプユニットと貯湯ユニットとの間で温水を循環させるための循環用水配管回路の分解斜視図である。なお、図1及び図2を含む以下の図面において、図12〜図15で説明した従来例と同一の構成部分には同一の符号を用いて説明する。また、図1において、実線矢印は水の流れ方向を示している。
【0027】
本発明の実施の形態に係るヒートポンプ式給湯装置は、図1に示すように、冷凍サイクルにより温水を生成する冷媒回路を内蔵したヒートポンプユニット2と、ヒートポンプユニット2で生成された温水を貯湯する貯湯タンク32を内蔵した貯湯ユニット3とを備えている。また、ヒートポンプ式給湯装置は、両ユニット間に温水を循環させるための循環用水配管回路1と、浴槽用給湯栓などの給湯栓41に温水を供給するための給湯用水配管回路4と、浴槽9内の水を加熱するための追い炊き用水配管回路4Aと、貯湯ユニット3に水を供給するための給水用水配管回路5とを備えている。
【0028】
ヒートポンプユニット2に内蔵されている冷媒回路20は、圧縮機23、貯湯ユニット3から送られてきた水を熱交換媒体とするとともに凝縮器として作用する水用熱交換器24、膨張弁25、外気を熱交換媒体とするとともに蒸発器として作用する室外コイル26が順次接続されている。また、この冷媒回路20には冷媒としてCOが使用され、超臨界冷凍サイクルで運転されるように形成されている。なお、図1において破線矢印は冷媒の流れ方向を示している。
【0029】
また、ヒートポンプユニット2の下方側面部には、往復用の一対の配管セットからなる循環用水配管回路1を接続するための一対の循環用配管接続口21が形成され、この一対の循環用配管接続口21間に水用熱交換器24の水側回路が接続されている。そして、この一対の循環用配管接続口21には、それぞれ開閉弁22が設けられている。
【0030】
ヒートポンプユニット2に内蔵されている冷媒回路20は、以上のように構成されているので、室外コイル26において外気から熱エネルギを汲み上げるとともに、水用熱交換器24において、外気から汲み上げられた熱エネルギと圧縮機23で消費される熱エネルギとが貯湯ユニット3から送られてくる水に放熱される。そして、これにより貯湯ユニット3から送られてきた水が加熱されている。また、この冷媒回路20は、超臨界冷凍サイクルで運転されているため、水用熱交換器24において高温の温水が生成される。
【0031】
貯湯ユニット3は、下方側面部に、循環用水配管回路1を接続するための一対の循環用配管接続口31が形成され、この2個の循環用配管接続口31にはそれぞれ管用テーパねじである雄ねじ部を継手部とする管継手31aが設けられている。そして、この一対の循環用配管接続口31間にヒートポンプユニット2で加熱された温水を貯湯する貯湯タンク32と、ヒートポンプユニット2との間で温水を循環させるための循環ポンプ33と、2個の止水栓13とが接続されて内蔵されている。そして、ヒートポンプユニット2で加熱された温水は貯湯タンク32に対し上部から導入され、貯湯タンク32からヒートポンプユニット2への循環水は貯湯タンク32の下部から導出されるように構成されている。
【0032】
また、この貯湯ユニット3は、給湯用水配管回路4を接続するための給湯用配管接続口36と、給水用水配管回路5を接続するための給水用配管接続口37とを備えており、給湯用配管接続口36は貯湯タンク32の上部に接続され、給水用配管接続口37は貯湯ユニット3の下部に接続されている。また、貯湯タンク32の比較的上部には、浴槽9内の水を追い炊き加熱するための追い炊き熱交換器35が設けられており、貯湯ユニット3には追い炊き用水配管回路4Aを接続するための一対の追い炊き用配管接続口38が設けられている。そして、給湯用配管接続口36、給水用配管接続口37及び追い炊き用配管接続口38には、それぞれ食い込み式管継手6を接続するために管継手部が形成されている。また、この管継手部は管用テーパねじである雄ねじ部に形成されている。
【0033】
循環用水配管回路1は、図1及び図2に示すように、往復用の一対の配管セットからなるものであって、配管セットそれぞれは、現地工事により据付環境に応じた引き回しで接続される連絡配管11により構成されている。連絡配管11は、銅管の外側を断熱材で被覆したものである。そして、連絡配管11は、ヒートポンプユニット2側の端部が循環用配管接続口21に取り付けられた開閉弁22に対し食い込み式管継手6により直接取り付けられている。また、連絡配管11は、貯湯ユニット側端部が貯湯ユニット3における循環用配管接続口31の管継手31aに対し食い込み式管継手6により接続されている。なお、連絡配管11は適宜の箇所においてサドルバンド7で支持されている。
【0034】
また、この循環用水配管回路1におけるヒートポンプユニット2側においては、開閉弁22の管用テーパねじである雄ねじ継手部が食い込み式管継手6の管用テーパねじである雌ねじ部64(図3参照)に螺合されている。また、循環用水配管回路1における貯湯ユニット3側においては、管継手31aの管用テーパねじである雄ねじ継手部が食い込み式管継手6の管用テーパねじである雌ねじ部64に螺合されることにより、管継手31aと食い込み式管継手6とが接続されている。
【0035】
給湯用水配管回路4は、図1に示すように、給湯用配管接続口36と、給湯栓41と、給湯用配管接続口36と給湯栓41との間に接続される給湯配管42とにより構成されている。この給湯配管42は、銅管の外側を断熱材で被覆したものであって、循環用水配管回路1に用いられているものと同様の食い込み式管継手6により給湯用配管接続口36に接続されている。
【0036】
追い炊き用水配管回路4Aは、図1に示すように、一対の追い炊き用配管接続口38と、浴槽9の一対の追い炊き用配管接続口91との間に接続される一対の追い炊き用配管43とにより構成されている。この追い炊き用配管43は、銅管の外側を断熱材で被覆したものであって、循環用水配管回路1に用いられているものと同様の食い込み式管継手6により追い炊き用配管接続口38、91に接続されている。
【0037】
給水用水配管回路5は、図1に示すように、給水用配管接続口37と、給水栓51と、給水用配管接続口37と給水栓51との間に接続される給水配管52とにより構成されている。この給水配管52は、銅管により形成されており、給水配管52は、循環用水配管回路1に用いられているものと同様の食い込み式管継手6により給水用配管接続口37に接続されている。なお、給水栓51は、不図示の水道、給水タンク等の水源に接続されている。
【0038】
次に、食い込み式管継手6の詳細について、図3から図8に基づき説明する。なお、図3は、この食い込み式管継手の断面図であり、連絡配管の接続開始時の状態図である。図4は、同食い込み式管継手における継手本体の断面図であって、図5におけるA−A断面図であり、図5は同継手本体の結合部材側から見た側面図である。図6は、同食い込み式管継手における結合部材の図面であって、(a)は、反継手本体側から見た側面図であり、(b)は(a)におけるB−B断面図である。図7は、同食い込み式管継手におけるフェルールの図面であって、(a)は、結合部材側から見た側面図であり、(b)は(a)におけるC−C断面図である。図8は、同食い込み式管継手において、フェルールを結合部材に仮止めした状態図である。
【0039】
食い込み式管継手6は、被接続側機器、例えば本実施の形態においては開閉弁22又は管継手31aに接続される継手本体61と、接続すべき配管、例えば、本実施の形態においては連絡配管11、給湯配管42、給水配管52に外装される結合部材62と、継手本体61と結合部材62との間に挟着されるフェルール63とから構成されている。なお、以下の説明において前後の方向をいうときは継手本体側を前とし、結合部材側を後とする。
【0040】
継手本体61は、図3〜図5に示すように、略円筒状の部材であって、前側に被接続側機器との接続を行うための管用テーパねじである雌ねじ部64が形成されている。また、後側には円柱状の凹部が形成され、その内周面に結合部材62を螺合するための雌ねじ部65が形成され、この凹部の底部には軸状の突起部が形成され、その先端部(すなわち、後端部)にフェルール63の先端部を密接させるためのカム面66が形成されている。また、中心部には、接続する配管の先端部の位置を位置決めするための段部67が形成されるとともに、段部67の中心部は前後を連通する連通孔に形成されている。また、円柱状の凹部の側壁には、内部の水分の凍結による膨張力を逃すための径方向の逃し孔68(図4参照)が形成されている。結合部材62が締結されたときに継手本体61と結合部材62との螺合部等の隙間より空気中の水分が内部空間に侵入し、外気温の低下時に凍結するおそれがある。また、このように凍結が生じたときに、氷の逃がし部が形成されていないときには、氷の成長による膨張力が発生し、この膨張力により各部に歪が発生し気密性が阻害されるおそれがある。逃し孔68はこれを防止するためのものである(図4,5参照)。
【0041】
結合部材62は、図6及び図7に示すように、略円筒状の部材であって、中心部は連絡配管11等の接続すべき配管を貫通させるための配管貫通孔69に形成されている。また、外周面における前部は、継手本体61の雌ねじ部65に螺合される雄ねじ部70が形成されている。また、この雄ねじ部70の後部71は、継手本体61に対する締結時に、締結工具で把持可能とするように六角ナット状に形成されている。また、継手本体側端部には、フェルール63を仮止めするための凹部72が形成されている。そして、この凹部72の前端部には径方向内向きの突部73が形成されるとともに、この凹部72の底部壁面がフェルール63の後端部を押圧するための押圧面74に形成されている。
【0042】
フェルール63は、図7及び図8に示すように、中心部の配管を挿通させる挿通孔75を備えた略リング状部材であって、前部はカム面66に当接されて接続される配管に食い込む易くするために先端に行くに従い肉厚が薄くなるように外周面が円錐状に形成されている。また、後部は円筒状に形成されるとともに、後端部に径方向外向きの突部76が形成されている。また、後端部が結合部材62の押圧面74により押圧される部分として機能する。また、内周面の先端部と後方部とには内周面から径方向外側に向かう切込部77、78が形成されている。先端部の切込部77は、結合部材62を手回しで締め付けたときにフェルール63の先端部が継手本体61と接続すべき配管との間に楔状に入り、これにより接続すべき配管が抜け出さないように仮止めするためのものである。また、後方部の切込部78は、後エッジ部79が接続すべき配管に食い込みやすくするためのものである。なお、接続すべき配管に食い込む前エッジ部80は、前部の切込部77の後端位置となるように設定されている。
【0043】
結合部材62及びフェルール63は、以上のように形成されており、図7に示すように、配管を接続する前の部品の段階において、フェルール63の後端部の径方向外向きの突部76が結合部材62の径方向内向きの突部73を介して前部の凹部72に挿入されるように圧入されて、フェルール63が結合部材62に仮保持されている。
【0044】
本実施の形態は以上のように構成されているので、循環用水配管回路1が次のように現地工事される。
先ず、ヒートポンプユニット2の開閉弁22の管用テーパねじの雄ねじ継手部に食い込み式管継手6の継手本体61の管用テーパねじの雌ねじ部64を螺合して、食い込み式管継手6の継手本体61を開閉弁22に取り付ける。さらに、管継手31aの管用テーパねじである雄ねじ継手部に食い込み式管継手6の継手本体61の管用テーパねじである雌ねじ部64を螺合して、食い込み式管継手6の継手本体61を管継手31aに取り付ける。次に、銅管の外表面に断熱材が被覆された連絡配管11を現地の据付環境に応じた引き回しを行うように、長さ及び形状を形成する。また、このように準備された連絡配管11の先端部の断熱材を剥がし、銅管の先端部を露出状態とする。そして、両端部の露出状態の銅管部にフェルール63が仮止めされた結合部材62を外装し、手回しで結合部材62を締め付けると図3のような状態となる。その後は、結合部材62を手回しで締め付けることができるところまで締め付け、その後は一般の締結工具で結合部材62を締め付けることにより、フェルール63の前後に設定されている後エッジ部79及び前エッジ部80が連絡配管11に食い込み、連絡配管11の接続が完了する。
【0045】
一方、給湯用水配管回路4は、給湯用配管接続口36の管用テーパねじの雄ねじ継手部に食い込み式管継手6の継手本体61の管用テーパねじの雌ねじ部64を螺合して、食い込み式管継手6の継手本体61を取り付ける。その後は、循環用水配管回路1における連絡配管11の接続の場合と同様に、給湯配管42を取り付ける。追い炊き用水配管回路4Aは、一対の追い炊き用配管接続口38の管用テーパねじの雄ねじ継手部それぞれに食い込み式管継手6の継手本体61の管用テーパねじの雌ねじ部64を螺合して、食い込み式管継手6の継手本体61を取り付ける。その後は、循環用水配管回路1における連絡配管11の接続の場合と同様に、一対の追い炊き用配管43を取り付ける。給水用水配管回路5は、給水用配管接続口37の管用テーパねじの雄ねじ部に、食い込み式管継手6の継手本体61の管用テーパねじの雌ねじ部64を螺合して、食い込み式管継手6の継手本体61を取り付け、その後に所定長さ及び所定形状に形成された銅管からなる給水配管52を食い込み式管継手6により給水用配管接続口37に接続する。
【0046】
本実施の形態は、以上のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
・本実施の形態に係るヒートポンプ式給湯装置の循環用水配管回路1においては、現地工事を必要とする連絡配管11が食い込み式管継手6により接続されるように構成されているので、水配管工事業者であれば誰でもが、銅管からなる連絡配管11を用いて容易に循環用水配管回路1の工事を行うことができる。したがって、ヒートポンプ式給湯装置の循環用水配管回路1において、現地工事を伴う連絡配管11として銅管の使用を一般化することができる。
【0047】
・ヒートポンプユニット2における一対の循環用配管接続口21それぞれに開閉弁22が設けられ、循環用水配管回路1における連絡配管11が食い込み式管継手6によりこの開閉弁22に接続されている。したがって、貯湯ユニット3内に止水栓13が設けられていることにより循環用水配管回路中に止水栓を設ける必要がないような場合に、循環用水配管回路1を簡略な水配管回路として構成することができる。
【0048】
・給湯用水配管回路4は、食い込み式管継手6により給湯配管42を貯湯ユニット3の給湯用配管接続口36に接続するように構成されているので、どの水配管工事業者も給湯配管42として最適材料である銅管を使用することができる。
【0049】
・ヒートポンプ式給湯装置は、貯湯タンク32に浴槽9の水を追い炊きするための追い炊き熱交換器35と、追い炊き熱交換器35により加熱された温水を浴槽9へ供給するための追い炊き用配管43が現地工事される追い炊き用水配管回路4Aとを備えているので、この給湯装置により浴槽内の水を追い炊きすることができる。
【0050】
・一対の追い炊き用水配管回路4Aは、食い込み式管継手6により一対の追い炊き用配管43を貯湯ユニット3の一対の追い炊き用配管接続口38に接続するように構成されているので、どの水配管工事業者も追い炊き用配管43として最適材料である銅管を使用することができる。
【0051】
・給水用水配管回路5は、食い込み式管継手6により給水配管52を貯湯ユニット3の給水用配管接続口37に接続するように構成されているので、どの水配管工事業者も給水配管52として最適材料である銅管を使用することができる。
・循環用水配管回路1、給湯用水配管回路4、追い炊き用水配管回路4A及び給水用水配管回路5に用いられる食い込み式管継手6は、継手本体61の接続部に管用テーパねじである雌ねじ部64が形成されている。したがって、食い込み式管継手6の継手本体61を非接続側機器へ取り付ける作業が水配管工事業者に馴染みのある作業となり、食い込み式管継手6による水配管接続作業を容易化することができる。
【0052】
・循環用水配管回路1の連絡配管11、給湯用水配管回路4の給湯配管42、追い炊き用水配管回路4Aの追い炊き用配管43及び給水用水配管回路5の給水配管52に銅管が用いられているので、これら水配管回路の耐久性及び殺菌性を向上させることができる。
【0053】
・食い込み式管継手6は、独立型のフェルール63を使用しているが、結合部材62が締結される前の段階でフェルール63が結合部材62に仮止めされるので、小物であるフェルール63の紛失を軽減するとともに、部品管理工数の削減を可能にすることができる。
【0054】
・食い込み式管継手6は、継手本体61の内部と連通する逃がし孔68を備えているので、外気低温時に内部の水が凍結しても、氷の成長による膨張力を外部に逃がすことができ、フェルール63等の部品の損傷を防止することができる。
【0055】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について、図9に基づき説明する。図9は実施の形態2に係るヒートポンプ式給湯装置の全体概略構成図である。なお、図9において、ヒートポンプユニット2及び貯湯ユニット3は、詳細が省略されているが、実施の形態1のものと同一のものとする。
【0056】
実施の形態2は、図9に示すように、実施の形態1における連絡配管11に空気抜き弁82を取り付けたものである。現地配管となる連絡配管11は、現地の工事環境によっては途中に鳥居配管81を設けなければならない場合が生じる。この場合に鳥居配管81の高所位置には、空気溜りを防止して水の流れを円滑にするために空気抜き弁を設ける必要がある。実施の形態2はこのような場合の対応として、現地工事される連絡配管11の鳥居配管81の位置において連絡配管11を分断して空気抜き弁82を取り付ける場合に、食い込み式管継手6の継手本体61を空気抜き弁82の管継手部に接続し、分断される連絡配管11の間に空気抜き弁82を接続するようにしたものである。
【0057】
実施の形態2は、このように構成されているので、どの水配管工事業者でも連絡配管11として銅管を用いながら空気抜き弁82を容易に取り付けることができる。また、空気抜き弁82を取り付けることにより、循環用水配管回路1における循環水の流れを円滑にするとともに配管内の腐食を低減することができる。
【0058】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について、図10及び図11に基づき説明する。
実施の形態3は、実施の形態1において止水栓を貯湯ユニット内ではなく循環用水配管回路1中に設けるように変更したものであって、他の構成は実施の形態1と同一である。なお、図10は、実施の形態3に係るヒートポンプ式給湯装置の全体概略構成図であり、図11は、同ヒートポンプ式給湯装置の循環用水配管回路の分解斜視図である。
【0059】
即ち、この実施の形態において、ヒートポンプユニット2は、実施の形態1と同一であり、貯湯ユニット3は、実施の形態1において止水栓13を収納しない点で異なり、他は同一である。
【0060】
次に、循環用水配管回路1は、ヒートポンプユニット2の開閉弁22に対し長めの銅管アダプタ12が接続され、この銅管アダプタ12の先端に止水栓13が接続され、この止水栓13に対し食い込み式管継手を介して連絡配管11が接続されている。連絡配管11は、実施の形態1の場合と同様のもので銅管の外側を断熱材で被覆したものである。そして、連絡配管11は、貯湯ユニット側端部が貯湯ユニット3における循環用配管接続口31の管継手31aに対し、食い込み式管継手6により接続されている。
【0061】
この循環用水配管回路1において、銅管アダプタ12は、管端に外装された袋ナット12aの平行ねじである雌ねじ部を開閉弁22の管用テーパねじである雄ねじ継手部に螺合させることにより開閉弁22に接続され、パッキン12bにより銅管アダプタ12と開閉弁22との間がシールされている。また、止水栓13は、銅管アダプタ12の止水栓側に形成された管用テーパねじの雄ねじ継手部に対し、止水栓13の管用テーパねじである雌ねじ継手部を螺合させることにより銅管アダプタ12に接続されている。また、食い込み式管継手6は、止水栓13の管用テーパねじである雄ねじ継手部に対し継手本体61の管用テーパねじである雌ねじ部64が螺合されることにより接続されている。なお、貯湯ユニット3側における管継手31aとの接続は、継手本体61の雌ねじ部64が管継手31aの管用テーパねじである雄ねじ継手部に螺合されることにより、食い込み式管継手6が管継手31aに取り付けられている。そして、連絡配管11がこれら食い込み式管継手6を介して止水栓13と管継手31aとの間に接続されている。
【0062】
実施の形態3は、以上のように構成されているので、貯湯ユニット3内に止水栓13が設けられておらず、循環用水配管回路1中に止水栓13を設ける必要があるような場合に、予め準備されている機器により連絡配管11の接続に支障をきたさずに止水栓13を接続することができる。
【0063】
(変形例)
上記実施の形態において以下のように変更することもできる。
・上記各実施の形態においては、連絡配管11を銅管を用いたものとしていたが、連絡配管11としては、樹脂配管や、ステンレス等の他の金属配管としても使用することができる。
【0064】
・食い込み式管継手6は、継手本体61の接続部が管用テーパねじである雌ねじ部64に形成されていたが、これを管用テーパねじの雄ねじ部としたものに変更することもできる。なお、この場合、食い込み式管継手6の継手本体61が取り付けられる相手方を、管用テーパねじである雌ねじ部を備えたものとすることが必要である。また、継手本体61の接続部に形成される前述の管用テーパねじに代えて平行ねじを形成してもよい。このように平行ねじとしても相手方の管用テーパねじに螺合させることは可能である。
【0065】
・上記各実施の形態においては、循環用水配管回路1、給湯用水配管回路4、追い炊き用水配管回路4A及び給水用水配管回路5の全てが食い込み式管継手6により接続されているが、本発明は、少なくとも循環用水配管回路1が食い込み式管継手6により接続されていればよい。
【0066】
・また、本発明は、循環用水配管回路1を接続する接続部の少なくとも一部に食い込み式管継手が用いられているものを包含する。同様に、追い炊き用水配管回路4Aの接続部についても、少なくとも一部に食い込み式管継手を用いるものを包含する。
【0067】
・食い込み式管継手6は、種々の形態に変更することができる。例えば、継手本体61と結合部材62との締結構造に関し、継手本体61に雄ねじ部を設け、結合部材62にこの雄ねじ部に螺合される雌ねじ部を設けるようにしてもよい。
【0068】
・また、フェルール63に関して言えば、結合部材62及び継手本体61とは別体に形成された独立型として、結合部材62に仮止めしないようにした通常の形態とするもの、或いは、継手本体61又は結合部材62と一体的に構成され、結合部材62の締結工程の途中において、継手本体61又は結合部材62から分離される形態のものとしてもよい。また、独立型のフェルールの場合において、一部材からなるものとしても良いし、複数の部材からなるものとしてもよい。また、カム面66を結合部材側に形成する構造としてもよい。このように構成すれば、部品として取り扱い段階において、フェルールが
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施の形態1に係るヒートポンプ式給湯装置の全体概略構成図である。
【図2】同ヒートポンプ式給湯装置における循環用水配管回路の分解斜視図である。
【図3】同ヒートポンプ式給湯装置における食い込み式管継手の断面図であり、連絡配管の接続開始時の状態図である。
【図4】同食い込み式管継手における継手本体の断面図であって、図5におけるA−A断面図である。
【図5】同継手本体の結合部材側から見た側面図である。
【図6】同食い込み式管継手における結合部材の図面であって、(a)は反継手本体側から見た側面図であり、(b)は(a)におけるB−B断面図である。
【図7】同食い込み式管継手におけるフェルールの図面であって、(a)は結合部材側から見た側面図であり、(b)は(a)におけるC−C断面図である。
【図8】同食い込み式管継手において、フェルールを結合部材に仮止めした状態図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係るヒートポンプ式給湯装置の全体概略構成図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係るヒートポンプ式給湯装置の全体概略構成図である。
【図11】同ヒートポンプ式給湯装置の循環用水配管回路の分解斜視図である。
【図12】従来例に係るヒートポンプ式給湯装置の循環用水配管回路の分解斜視図である。
【図13】他の従来例に係るヒートポンプ式給湯装置の循環用水配管回路の分解斜視図である。
【図14】他の従来例に係るヒートポンプ式給湯装置の循環用水配管回路の分解斜視図である。
【図15】他の従来例に係るヒートポンプ式給湯装置の循環用水配管回路の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0070】
1…循環用水配管回路、2…ヒートポンプユニット、3…貯湯ユニット、4…給湯用水配管回路、4A…追い炊き用水配管回路、5…給水用水配管回路、6…食い込み式管継手、9…浴槽、11…連絡配管、12…銅管アダプタ、13…止水栓、20…冷媒回路、21,31…循環用配管接続口、22…開閉弁、32…貯湯タンク、35…追い炊き用熱交換器、36…給湯用配管接続口、37…給水用配管接続口、38,91…追い炊き用配管接続口、41…給湯栓、42…給湯配管、43…追い炊き用配管、51…給水栓、52…給水配管、61…継手本体、62…結合部材、64,70…雌ねじ部、81…鳥居配管、82…空気抜き弁。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍サイクルにより温水を生成する冷媒回路を内蔵したヒートポンプユニットと、ヒートポンプユニットで生成された温水を貯湯する貯湯タンクを内蔵した貯湯ユニットと、両ユニット間に温水を循環させるための連絡配管が現地工事で接続される循環用水配管回路とを備えたヒートポンプ式給湯装置であって、前記ヒートポンプユニット及び貯湯ユニットはそれぞれ前記循環用水配管回路を接続するための循環用配管接続口を有し、前記循環用水配管回路は、連絡配管が前記循環用配管接続口に対し食い込み式管継手により直接的に又は間接的に接続されていることを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。
【請求項2】
前記ヒートポンプユニットは、前記循環用配管接続口に開閉弁が設けられ、前記循環用水配管回路は、前記連絡配管が食い込み式管継手によりこの開閉弁に接続されていることを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ式給湯装置。
【請求項3】
前記連絡配管の途中に食い込み式管継手により空気抜き弁が接続されていることを特徴とする請求項2記載のヒートポンプ式給湯装置。
【請求項4】
前記ヒートポンプユニットは、前記循環用配管接続口に開閉弁が設けられ、前記循環用水配管回路は、開閉弁に銅管アダプタが接続され、さらに、銅管アダプタに止水栓が接続され、前記連絡配管が食い込み式管継手によりこの止水栓に接続されていることを特徴とする請求項2又は3記載のヒートポンプ式給湯装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載のヒートポンプ式給湯装置は、貯湯タンクから少なくとも1個の給湯栓へ給湯水を供給するための給湯配管が現地工事で接続される給湯用水配管回路を備え、前記貯湯ユニットは、給湯用水配管回路を接続するための給湯用配管接続口を有し、前記給湯用水配管回路は、給湯配管が食い込み式管継手により給湯用配管接続口に接続されていることを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。
【請求項6】
請求項5項に記載のヒートポンプ式給湯装置は、前記貯湯タンクには浴槽の水を追い炊きするための追い炊き熱交換器と、追い炊き熱交換器により加熱された温水を浴槽へ供給するための追い炊き用配管が現地工事される追い炊き用水配管回路とを備え、前記貯湯ユニットは、追い炊き用水配管回路を接続するための追い炊き用配管接続口を有し、前記追い炊き用水配管回路は、追い炊き用配管が食い込み式管継手により追い炊き用配管接続口に接続されていることを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載のヒートポンプ式給湯装置は、給水栓から貯湯タンクへ水を供給するための給水配管が現地工事で接続される給水用水配管回路を備え、前記貯湯ユニットは、給水用水配管回路を接続するための給水用配管接続口を有し、給水用水配管回路は、給水配管が食い込み式管継手により給水用配管接続口に接続されていることを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。
【請求項8】
前記食い込み式管継手は、被接続機器側に接続される継手本体と、接続する配管に外装される結合部材とからなり、前記継手本体の接続部に雄ねじ部又は雌ねじ部が形成されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のヒートポンプ式給湯装置。
【請求項9】
前記食い込み式管継手は、継手本体と結合部材との間に挟着されるフェルールが結合部材及び継手本体とは別体に形成されるとともに、結合部材が継手本体に締結される前にフェルールが結合部材に仮止めされるように構成されていることを特徴とする請求項8記載のヒートポンプ式給湯装置。
【請求項10】
前記食い込み式管継手は、継手本体と結合部材との間に挟着されるフェルールが結合部材又は継手本体と一体に形成されるとともに、結合部材が継手本体に締結される締結工程の途中においてフェルールが結合部材又は継手本体から分離されるように構成されていることを特徴とする請求項8記載のヒートポンプ式給湯装置。
【請求項11】
少なくとも前記連絡配管には銅管が用いられていることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載のヒートポンプ式給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−107162(P2010−107162A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−281948(P2008−281948)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【出願人】(393024717)オーケー器材株式会社 (58)
【Fターム(参考)】