説明

ビジュアルマ−キング用フィルム

【課題】優れた耐引裂性と印刷適性と共に、貼着曲面追従性及び拡張非剥離性をも有するビジュアルマ−キング用フイルムの提供。
【解決手段】該フイルムは、軟質アクリル酸エステル系樹脂と半硬質又は硬質アクリル酸エステル系樹脂との樹脂組成物(樹脂組成物X)と親水性ポリエ−テルエステルアミド樹脂とを含有する樹脂組成物(樹脂組成物Y)、または、該樹脂組成物Xとポリメタクリル酸エステル樹脂、及び親水性ポリエ−テルエステルアミド樹脂とを含有する樹脂組成物(樹脂組成物Z)からなるフィルムAと、スチレンと脂肪族ジエンからなる2元共重合樹脂の水添樹脂によるフィルムBとが積層されてなる。また、フィルムA/フィルムB/フィルムAの3層からもなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良されたビジュアルマ−キング用フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に大画面でプリントされた広告宣伝用フィルムは、ビジュアルマ−キングフイルムと呼ばれ、各種分野に利用されている。これは、例えば自動車のボディ−、野外広告看板、店舗のシャッタ−、店舗のフロア−等に貼着して広告宣伝に用いられる。
【0003】
ビジュアルマ−キングフィルムとして必要な特性は、まず鮮明な画像が、強い密着力でもってカラ−印刷できること(以下優れた印刷適性と呼ぶ。)、各種取り扱い、すなわち引っ張るとか、貼着後剥がすとかの動作に対して、裂け易いと言ったものでないこと(以下耐引裂性と呼ぶ。)、突起のある面に貼着しても、その曲面に十分に追従して密着できるものであること(以下貼着曲面追従性と呼ぶ。)、一定の拡張も容易で、且つその拡張して貼着しても、その後に収縮して剥離するようなことがないものであること(以下拡張非剥離性と呼ぶ。)、耐候性に優れていること等である。
【0004】
ビジュアルマ−キングのフィルムへの印刷は、一般的にオフセット印刷よりも迅速に対応できることで、インクジエット印刷法、インクリボンを用いる熱転写印刷法が適用される場合が多い。ここでインクジエット印刷法では、インクに有機溶剤が使用されているので、耐溶剤性に優れる被印刷フィルムであることも必要である。熱転写印刷法では、可能な限り低温で印刷でき、転写された画像がより強固に定着されることが望まれる。しかし、いずれも現状では十分に満足されているレベルにはない。
【0005】
ビジュアルマ−キングのフィルム(基体)として知られ、又は使用されているものには、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、PET系樹脂又はオレフィン系樹脂による各フィルムがある。
しかしながら、まず塩化ビニル系樹脂フィルムは、特に環境汚染の問題で使用されなくなり、ウレタン系樹脂とPET系樹脂の各フィルムは、前記優れた耐引裂性と、貼着曲面追従性と及び拡張非剥離性の点において満足されていない。これ等の点で、現状で有望なのがオレフィン系樹脂フィルムである。
【0006】
該オレフィン系樹脂による基体フィルムに関しての特許出願も散見される。例えば、特定の密度を有するポリエチレン樹脂に酸化チタンを練り込んで得た特定物性範囲を有するフィルムであるとか(例えば特許文献1参照。)、中間層にランダムプロピレン共重合体、内層及び外層にランダムプロピレン共重合体とスチレン−ブタジエン系熱可塑性エラストマ−とのブレンド樹脂を使用した3層からなり、且つ該内層又は外層に特定のポリウレタン樹脂によるプライマ−層、つまりインク受容層を設けるというものである(例えば特許文献2参照。)。このインク受容層も、予めコロナ放電処理して、その上に設けるということも述べられている。
【0007】
一般にオレフィン系樹脂フィルムの最大の欠点は、印刷条件(印刷方法、使用するインクの種類(油性、水性))に関係なく、印刷適性が悪いことにある。この解決のために、特許文献1でもコロナ放電処理をするとか、ポリエステル系コ−ト剤によるインク受容層を設けるという方法が加えられている。
尚、この印刷適性に関しては、他のウレタン系樹脂フィルムでも、PET系樹脂フィルムでも、満足されているものではなく、特別の対策、つまり新たにインク受容層を設けて、その上にインクジエット印刷、または熱転写印刷を行うことで解決を計っているのが実情である。
【0008】
一方、前記オレフィン系樹脂フィルムにおけるインキ受容層をなくす改善技術も見られる。それは印刷層に相当する部分に溶剤浸透性変性オレフィン樹脂を使用するというものである(例えば特許文献3参照。)。
【0009】
【特許文献1】特開平6−102826号公報
【特許文献2】特開2001−334615号公報
【特許文献3】特開2003−80835号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、ビジュアルマ−キング用の基体フィルムとして必要とされる特性、つまり、優れた耐引裂性、貼着曲面追従性、拡張非剥離性及び耐候性を有すると共に、特に印刷適性において、有機溶剤型インクによる印刷適性、すなわちフィルムに直接インクジエット印刷できる、又はより低温での熱転写印刷のできる該フイルムを見出すことを課題として鋭意検討した結果、得られたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、まず軟質アクリル酸エステル系樹脂と半硬質又は硬質アクリル酸エステル系樹脂との樹脂組成物(樹脂組成物X)と親水性ポリエ−テルエステルアミド樹脂とを含有する樹脂組成物(樹脂組成物Y)、または、該樹脂組成物Xとポリメタクリル酸エステル樹脂、及び親水性ポリエ−テルエステルアミド樹脂とを含有する樹脂組成物(樹脂組成物Z)からなるフィルムAと、スチレンと脂肪族ジエンからなる2元共重合樹脂の水添樹脂によるフィルムBとが積層されているビジュアルマーキング用フィルムであることを特徴とする。
【0012】
また、軟質アクリル酸エステル系樹脂と半硬質又は硬質アクリル酸エステル系樹脂との樹脂組成物(樹脂組成物X)と親水性ポリエ−テルエステルアミド樹脂とを含有する樹脂組成物(樹脂組成物Y)、または、該樹脂組成物Xとポリメタクリル酸エステル樹脂、及び親水性ポリエ−テルエステルアミド樹脂とを含有する樹脂組成物(樹脂組成物Z)からなるフィルムAが両外面層、スチレンと脂肪族ジエンとからなる2元共重合樹脂の水添樹脂によるフィルムBが内面層となって積層されているビジュアルマ−キング用フィルムであることも特徴とする。
【0013】
また、前記樹脂組成物Zにおいて、樹脂組成物X100質量部に対してポリメタクリル酸エステル樹脂10〜80質量部を含有してなるビジュアルマ−キング用フィルムであることも特徴とする。
【0014】
また、前記2元共重合樹脂の水添樹脂が、該樹脂100質量部に対して単独ポリスチレン、スチレンを主成分とするメタアクリル酸エステルとの2元共重合樹脂またはスチレンを主成分とするメタアクリル酸エステルと脂肪族ジエンとの3元共重合樹脂のいずれか1種を10〜100質量%含有してなるビジュアルマ−キング用フィルムであることも特徴とする。
【0015】
また、前記樹脂組成物Yにおいて、樹脂組成物X100質量部対して、または、前記樹脂組成物Zにおいて、樹脂組成物Xとポリメタクリル酸エステル樹脂との樹脂組成物100質量部に対して親水性ポリエ−テルエステルアミドを5〜80質量部含有してなるビジュアルマ−キング用フィルムであることも特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、前記の通り構成されているので、次のような効果を奏する。
【0017】
より優れた耐引裂性と、貼着曲面追従性、拡張非剥離性及び耐候性を有し、またより低温熱転写印刷適性にも優れたビジュアルマ−キング用フィルムが得られる。
【0018】
また、特に印刷適正において、インク中の溶剤に対する耐溶剤性もより改善されたビジュアルマ−キング用フィルムが得られる。
【0019】
また、いずれの側にもカ−ルすることのない、よりバランスのとれたビジュアルマ−キング用フィルムが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
前記フィルムAとフィルムBとの2層からなるビジュアルマ−キング用フィルム(以下VM用フィルム2と呼ぶ。)から説明する。
まず、ここで該フィルムAは、下記フィルムBの作用効果を助勢しながら、耐溶剤性を有してインクジェット印刷ができ、または、より低温の熱転写印刷のできる印刷層として機能するものである。
そしてフィルムBは、該フイルムAを支持し、優れた耐引裂性、貼着曲面追従性及び拡張非剥離性を発現する中枢的作用をする層である。従って、この2層の結合によって新たなVM用フイルム2が創出される。
【0021】
そこで、前記フィルムAから詳細に説明する。
フィルムAは、軟質アクリル酸エステル系樹脂と半硬質又は硬質アクリル酸エステル系樹脂との樹脂組成物(樹脂組成物X)と親水性ポリエ−テルエステルアミド樹脂とを含有する樹脂組成物Y、または、該樹脂組成物Xとポリメタクリル酸エステル樹脂、及び親水性ポリエ−テルエステルアミド樹脂とを含有する樹脂組成物Zからなる。
該フィルムAを形成する時には、前記軟質アクリル酸エステル系樹脂と半硬質又は硬質アクリル酸エステル系樹脂との樹脂組成物(樹脂組成物X)からなる熱可塑性アクリル系樹脂を用いるが、このとき、粒状の熱可塑性アクリル系樹脂(以下PAA樹脂粒と呼ぶ。)を用いることが好ましい。
【0022】
さらに、PAA樹脂粒について以下に説明する。これは軟質のアクリル酸エステル系樹脂(以下E−PAA樹脂と呼ぶ。)をコア層に、半硬質ないし硬質のメタクリル酸エステル系樹脂(以下H−PAA樹脂と呼ぶ。)をシェル層に、つまりE−PAA樹脂がH−PAA樹脂によって包み込まれた粒状の形状となっている。
【0023】
ここで、該軟質、半硬質及び硬質の意味は概略次のようなことである。
一般に樹脂の硬さの区分、つまり軟質―半硬質―硬質に区分されている領域と同じである。硬度では軟質がショアA硬度(例えば20〜80度)、半硬質―硬質がショアD硬度(例えば30度以上)で表される。そして、これを曲げ弾性率で区分すれば、70MPa未満が軟質、70〜700MPa未満が半硬質、700MPa以上が硬質と区分される。
【0024】
また、粒状の意味は、一般に微細と言う概念であり、丸状から楕円状、無定形にまで至る。この粒状は、上記の通り、2層をもってなるものを基本とするが、これにE−PAA樹脂及び/又はH−PAA樹脂のみの単層粒子が混合されていても良い。しかしこの場合の混合割合は、50質量%未満でなければならない。なお、このPAA樹脂粒は、半硬質〜硬質のH−PAA樹脂がシェル層になっていることで、取扱いが容易であることも特長である。
【0025】
PAA樹脂粒によるフィルムAの前記作用効果は、より詳細には、E−PAA樹脂及びH−PAA樹脂の種類、即ち、構成成分、結合状態等に起因する硬度の差、あるいは、コア層とシェル層の組成比により若干変動する。従って、最良の条件は、これ等の因子についても事前に十分検討し確認しておくことも求められる。この条件範囲は、次の通り例示できる。
【0026】
まず、E−PAA樹脂は、基本的にはベ−スモノマとしてC4以上のアクリル酸アルキルエステルが使用され、これに2個以上のビニル基を持つアクリル系ビニルモノマ(例えばアリルメタクリレ−ト)の少量添加の下で、エマルジョン状で重合することで得られる。該C4以上のアクリル酸アルキルエステルが使用されることで軟質化する。これに、例えば少量の該アリルメタクリレ−トが加わると架橋構造をとることで弾性を有するようになる。この時、他のアクリル酸エステル系モノマ、例えば、アクリル酸や、メタクリル酸のメチルエステル又はエチルエステルをマイナ−量の共存下で共重合しても良い。この共重合では、該樹脂のショアA硬度を適宜変えることができ、成形性の良化にも繋がるので好ましい。
【0027】
この重合における反応比は、次の通り例示できる。
該アクリル酸アルキルエステルに対する2個以上のビニル基を持つアクリル系ビニルモノマの添加量は、アクリル酸アルキルエステルに対して0.01〜5質量%である。
【0028】
また、前記共重合する場合、他のアクリル酸アルキルエステルの量は、該アクリル酸アルキルエステル100質量%に対して90質量%以下である。そしてこの場合の2個以上のビニル基を持つアクリル系ビニルモノマの添加量は、アクリル酸アルキルエステルと他のアクリル酸アルキルエステルとの合計量に対して0.01〜5質量%である。
【0029】
一方、H−PAA樹脂であるが、まず硬質は、一般にメタクリル酸のメチルエステル、エチルエステル又はプロピルエステルの重合により得られる。つまり基本的には、C3以下のより短鎖の該アルキルエステル程より硬質の樹脂となる。そして半硬質は、上記硬質をつくるモノマに他のメチル又はエチルのアクリレ−トを共重合させる。あるいは、C4以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルも加えて2元共重合(一般的にランダム構造)とする。あるいは、分子量を制御することでも可能である。この分子量制御は、分子量調整剤(一般的にはラジカル捕捉剤)、例えば微量のアルキルメルカプタンの添加が可能である。
【0030】
この重合における反応比は、次の通り例示できる。
該メタクリル酸のメチルエステル、エチルエステル又はプロピルエステルの量は、50質量%よりも多くし、共重合する場合、他のC4以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルは50質量%以下、好ましくは20質量%以下に抑える。また、反応系に分子量調整剤を添加する場合は、該メタクリル酸のメチルエステル、エチルエステル又はプロピルエステルに対して、0.5〜1.5質量%とするのが好ましい。
【0031】
更に、前記両樹脂によるコア層とシェル層の組成比は、コア層のE−PAA樹脂が30〜90質量%、シェル層のH−PAA樹脂が70〜10質量%の範囲が例示できる。好ましいのは前者を多くして、得られるPAA樹脂粒自身が軟質、好ましくは弾性を有する半硬質ないし硬質の領域に入るようにするのが良い。なお、該H−PAA樹脂層は、硬質よりも半硬質のPAA樹脂によりなるのが望ましい。
【0032】
PAA樹脂粒の製造手段は、種々考えられるが、一般的には、まず前記E―PAA樹脂のモノマをエマルジョン状にして重合する。エマルジョン状で該樹脂が得られるので、引き続きこの系の中に、前記H−PAA樹脂のモノマを添加して同様に重合する。分離析出し乾燥することで粒状のPAA樹脂が得られる。シェル層となるH−PAA樹脂は、あまり高分子量化して、必要以上の硬さにならぬように、例えば分子量調整剤の添加の下で重合する。
ここで共重合の場合、反応比の多いモノマはその余分だけ単独で重合し、単独ポリマの形で混合されている状態であってもよい。
又、PAA樹脂粒は、基本的には2層からなっているが、繰り返し重合すれば4層にも6層にもなる。また、この時モノマ成分を変えることもできる。
なお、詳細な製造方法については、例えば特開平11−292940号公報叉は開2004−79916号公報に記載されているので、更なる詳細記載は割愛する。
【0033】
また、ビジュアルマーキング用フィルムとして要求されている印刷適正、特に前記印刷方法中のインクジェット印刷に対して好ましくない場合がある。つまり、これは使用インク中に含まれる有機溶剤の種類によっては、耐溶剤性に欠ける場合がある。すなわち、インクジエット印刷に使用されるインクには各種あり、そこに使用されているインク中には、1種類、または少なくとも2種類以上の有機溶剤が含まれている。その結果、耐溶剤性に欠けるフィルムAが生ずる場合がある。この耐溶剤性とは、フィルムA面にインクが着いた場合に、乾燥速度より収縮や膨潤の方が先行し、すなわち、その収縮、膨潤速度が極めて速いために、微細なクラックが入ることに対して、これ等の現象がないという特性である。また、印刷した色が鮮明に再現されるためには、フィルム表面での広がり(にじみ)も重要な要素である。即ち、前記の微細なクラックがはいらなくても、フィルム表面でのインクの広がりよりもフィルム内部へのインクの浸透が速い場合は、色の鮮明性が低下する現象が起きることがある。
【0034】
そこで、各種インク中の有機溶剤に対して対応するためにPAA樹脂粒100質量部に対して、親水性ポリエ−テルエステルアミド(以下親水性PEA樹脂と呼ぶ。)を5〜80質量部、好ましくは10〜75質量部ブレンドすることにある。このブレンド量は、5質量部未満では、上記いずれの効果の発現も小さく、80質量部を超えるとフィルム表面の凹凸が増加する傾向にあり、光沢度が低下し、鮮明な印刷が困難になる。ここで、この親水性PEA樹脂が選ばれるのは、前記PAA樹脂粒と後述するポリメタクリル酸エステル樹脂との相溶性が良いこと。さらには、帯電防止作用を有しており、フィルムA面の電気抵抗率、例えば表面抵抗率は1011〜1014Ω/□である。従って、VM用フイルム2の取扱い中に起こり易い静電気の除去に有効である。
【0035】
親水性PEA樹脂は、親水性付与の主たるユニット成分であるポリエ−テルエステル成分とポリアミド成分とでもって構成されるポリマである。
すなわち、ポリオキシアルキレン鎖(a)と、炭素数6以上のアミノカルボン酸、又はラクタムもしくは炭素数6以上のジアミンとジカルボン酸との塩の重合体であるポリアミド鎖(b)とが連結したものである。(a)と(b)とが炭素数4〜20のジカルボン酸(c)を介して交互に連結されたものもあげられる。
【0036】
該樹脂の製造法は、種々あるが、一般にはカルボキシル基末端ポリアミドとポリ(オキシアルキレン)グリコールとを重合して得られる。この製造手段については、例えば特開昭64−45429号公報、または特開平6−287547号公報に記載されているので割愛する。
【0037】
前記PAA樹脂粒と親水性ポリエ−テルエステルアミド樹脂とを含有する樹脂組成物YでフィルムAを形成した場合、フィルム面が若干粘着的になることがある。この若干粘着面であるような場合には、例えばロ−ル状に巻き付けて取り扱う場合にブロッキングを起こす可能性があること。また、このVM用フイルム2全体として必要な適正な腰の硬さ、すなわち、硬くもなく、柔らかくもなく、取扱いの容易なフィルム硬さの発現にも悪影響を及ぼす可能性がある。
そこで、ブロッキングを起こさず、またVM用フイルム2全体として必要な適正な腰の硬さにしておく必要がある。この対策として、PAA樹脂粒とポリメタクリル酸エステル樹脂、及び親水性ポリエ−テルエステルアミド樹脂とを含有する樹脂組成物Zにおいて、PAA樹脂粒100質量部に対して、ポリメタクリル酸エステル樹脂(以下PMAEと呼ぶ。)を10〜80質量部、好ましくは15〜65質量部ブレンドすることにある。このブレンド量は、10質量部未満では、ブロッキング防止及び適正な腰の硬さの発現に欠け、80質量部を超えては、前記各印刷適性も悪くする傾向になると共に、適正な腰の硬さが硬くなる傾向になることからである。ここで、PMAEが選ばれるのは、前記PAA樹脂粒、及び親水性PEAとの相溶性が良いからである。
【0038】
PMAEは、具体的には、メチルメタクリル酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル等の高分子重合体が挙げられる。該エステルのアルキル基が大きくなる程、硬さが軟質方向になるが、ここではアルキル基が小さい範囲のもの、つまりメチルエステル、エチルエステルでのPMAEの使用が好ましい。
【0039】
尚、フィルムAの形成樹脂には、一般に耐候性、耐熱性等の改善のために添加される各種添加材(剤)の使用はあっても良いが、中でも白色化のために添加される無機白色化剤、例えば酸化チタンの添加は必要な場合がある。それは例えば、被貼着材が白でない着色地であるとか、蛍光灯に透かして見るような場合に、不透明化が必要になるからである。この無機白色化剤の添加は、白色化のみならず、ブロッキング抑制効果もあるが、添加量によっては、前記印刷適性を大きく阻害することと、中枢のフィルムBの前記作用への影響もでるので、その添加量には十分注意する必要がある。適正な添加量は、フィルムAの形成樹脂組成物100質量部に対して、好ましくは10〜30質量%である。
【0040】
一方、フィルムBの形成樹脂は、スチレンと脂肪族ジエンとによる2元共重合樹脂の水添樹脂(以下水添SD樹脂と呼ぶ。)である。
この水添SD樹脂は、2つのモノマの共重合比、重合形態(ランダムか、ブロックか)等によって、例えば軟質度合い(ショアA硬度)、機械的性質にも若干の差がある。該共重合比としては、スチレン50〜80質量%、脂肪族ジエン50〜20質量%が例示されるが、スチレンの方を多くするのが良い。これは、脂肪族ジエンの方が多くなると、よりエラステック的にもなり、例えば拡張非剥離性のより効果的発現にブレ−キを掛けるようにもなるからである。
尚、ここで脂肪族ジエンは、1、3−ブタジエン、イソプレン等が挙げられるが、1、3−ブタジエンが好ましい。一方のスチレンには、アルキル基置換スチレンが50質量%未満含まれていても良い。
【0041】
そして、前記スチレンと脂肪族ジエンとの2元共重合樹脂そのものであると、分子鎖中に脂肪族ジエンに基づく2重結合が残っている。耐熱、耐候、ブレンド性等の点で好ましくないので、少なくとも80%以上は水素添加して(例えば白金触媒下で活性水素付加)飽和状態にする必要がある。これが水添SD樹脂ということになる。
尚、得られた水添SD樹脂は、非晶性の透明樹脂でもあり、硬度(ショアA)は55〜85の軟質領域のもの、Tgは約−5〜30℃、MFR(L)(g/10min)1.8〜3.0のものであることも例示できる。
【0042】
フィルムBは、基本的には、前記水添SD樹脂単独によって達成されるが、前記フィルムBの作用効果中、特にフィルム全体を支持し、適性なフィルム腰の硬さの点に関しては、柔らかいフィルム腰になり、支持も適性でなくなるような危険性も有している。
そこで、この危険性に対して、これを払拭できる対策を採っておくことも必要である。この対策の為に採られるのが、該水添SD樹脂100質量部に対して、単独ポリスチレン、スチレンを主成分とするメタクリル酸エステルとの2元共重合樹脂またはスチレンを主成分とするメタクリル酸エステルと脂肪族ジエンとの3元共重合樹脂のいずれか1種が10〜100質量%、好ましくは15〜80質量%がブレンドされる。
このブレンド量は、10質量%未満では、上記適正な支持性とフィルム腰の硬さに対する実質的改善は見られず、100質量%を超えると逆に悪くするからである。
【0043】
ここでメタクリル酸エステルは、例えばメチルメタクリル酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル等であり、脂肪族ジエンは、1、3−ブタジエン、イソプレン等である。スチレンには、アルキル基置換スチレンが50質量%未満含まれていても良い。この中でもメタクリル酸エステルはメチルメタクリル酸のメチルエステルまたはそのエチルエステルであり、脂肪族ジエンは1、3−ブタジエンが好ましく挙げられる。
該2元共重合樹脂または該3元共重合樹脂の結合状態は、一般にランダムである。尚、上記3種のポリスチレン系樹脂は、適宜混合して使用しても良い。
【0044】
前記単独ポリスチレン、スチレンを主成分とするメタクリル酸エステルとの2元共重合樹脂、またはスチレンを主成分とするメタクリル酸エステルと脂肪族ジエンとの3元共重合樹脂の3種は順次硬度が低下する樹脂でもあり、適正な支持性とフィルム腰の硬さとの調整のし易さから言えば、単独ポリスチレンである。これはより少量添加量でもって行うことができるからである。しかしながら、フィルムBの有する前記作用効果ヘの影響は他の該2元共重合樹脂、3元共重合樹脂よりも大きい。この中で前記水添SD樹脂とのブレンド性もより良く、該フィルムBの有する作用効果に対する影響も小さく、適当量のブレンドでもって、適正な支持性とフィルム腰の硬さとの調整が容易な樹脂は、該2元共重合樹脂または該3元共重合樹脂である。
【0045】
そして、前記VM用フィルム2の層厚構成は、基本的にはフィルムBの方を厚くして、全厚を約40〜150μmにする。具体的には、例えばフィルムBは全厚の50%以上になるような厚さにする。
【0046】
次に、前記フィルムAが両外面層、フィルムBが内面層になる3層、つまりフィルムA/フィルムB/フィルムAで積層されたビジュアルマ−キング用フィルム(以下VM用フィルム3と呼ぶ。)について説明する。
本発明のVM用フィルムは、基本的には、前記VMフィルム2でもって達成されるので、敢えてVM用フィルム3にする必要はない。しかしながら、該フィルム2で使用される樹脂成分、層厚構成、後述する隠蔽性付与が必要な場合に添加する酸化チタン等の白色顔料の混合によっては、いずれかの層の側にカ−ルする。
このカ−ルは、一般的な取扱いやすさにおいても、貼着施工にしても好ましいことではない。かかるカ−ル発生の問題を解決する手段が、このVM用フイルム3にすることにある。つまり中心となる前記フィルムB層の両面に、前記フィルムAを積層する。VM用フィルム3は、VM用フィルム2と使用する樹脂成分が同じ場合もあれば、異なる場合もあるが、いずれにしても前記例示する樹脂成分、ブレンド比の範囲の中で選ばれる。
【0047】
VM用フィルム3におけるフィルムAに関しては、同じ樹脂成分、ブレンド比をもって形成し、且つ同じ層厚での積層であるのが良い。
ここで基本的な層厚構成は、次の通り例示できる。まず内面層であるフィルムBは、前記VM用フィルム2と同じように、両フィルムA層の厚さよりも厚く、且つ両フィルムA層の合計よりも厚くする。全厚はVM用フィルム2と同じ40〜150μmとする。より具体的には、例えばフィルムBは全厚の50%以上とする。
【0048】
次に、前記VM用フィルム2、同フィルム3の製造手段について説明する。
各層で設定された樹脂成分は、所定厚みになるように押出成形機によって各フィルムに成形しつつ積層されるが、この積層に関しては、各フィルム層は相互に強い密着性を有しているので、敢えて接着層を介在して積層する必要がない。従って、各フィルムへの成形と同時にその積層も終了する共押出法による方法が有効になる。
この共押出法は、VM用フィルム2の場合には、フィルムA用とフィルムB用の2台のスクリュ−押出機を使用する。VM用フィルム3の場合には、フィルムA用の2台の該押出機とフィルムB用の1台の該押出機との合計3台使用する。2層用又は3層用のマルチダイから共押し出しを行う。積層されたフィルム状物が得られる。次に、これを一旦冷却ロ−ルを介して冷却固化して引き取る。ここで該押出機及び該ダイの温度は、樹脂成分が可塑化してフィルム状で円滑に押出しのできる温度である。すなわち、その温度は一般には180〜230℃(バレル温度範囲)である。そして該冷却ロ−ルによる冷却温度は、あまりにも急冷されるような温度よりも徐冷的温度が良い。例えば60〜100℃である。また、前記マルチダイにはTダイと丸ダイとがあるが、本発明ではTダイによるのが良い。
【0049】
押出し成形されたフィルムの延伸の有無は、本発明に係る前記樹脂成分が非晶性でもあり、延伸による物性変化は実質的にないことと、仮に延伸による物性変化があっても、それは本発明のVM用フィルムにとっては好ましいことではない。従って、基本的に延伸は行わず、無延伸で成形する。
【0050】
前記各VM用フィルムが、実際に使用される場合には、一方のフィルムA層面に、所望する絵柄で印刷が行われ、反対面のフィルムBまたはフィルムAには、貼着固定のための粘着層が離型紙を持って積層される。
尚、該フィルムA層面への印刷は、一般の油性インク(溶剤型インク)によるオフセット印刷、グラビヤ印刷、スクリ−ン印刷もできる。そして、印刷されたフィルムA層面は、最終的には、画像保護のために、例えば透明アクリル系樹脂をコ−テングして保護層が設けられる。
【0051】
以下に実施例でより詳細に説明する。
尚、以下の各例でのサンプルについて測定する印刷適性、耐引裂性、貼着曲面追従性、拡張非剥離性は、次の方法で測定したものである。
【0052】
●印刷適性
インクジエット印刷と熱転写印刷の2つの適性を確認するために、次の2つ条件でのテストを行う。
(1)インクジェット印刷適正
(a)耐溶剤性試験
ロ−ランドDG株式会社製 溶剤型のインクジエットプリンタ−用エコソルインキク品種ロ−ランドMG ESL−MG(マゼンタ色)を綿棒に付け、これをサンプル表面(フィルムA面)にすばやく塗布し、直ちにその塗布面を拡大顕微鏡(450倍)にて拡大観察する。その塗布面が膨潤状態にもなく、微細クラック現象もなく、且つ、アクリル系粘着テープ(15mm幅)を指でしっかりと貼着した後、180度剥離テストを行う。マゼンタ色がしっかりと固着されていれば、耐溶剤性として〇、いずれかの現象があれば×とする。
(b)絵柄印刷試験
ローランドDG株式会社製 インクジェット印刷機(Model SP−300V)で絵柄を印刷して4色(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)の各色の鮮明性を観察する。各色が鮮明に印刷されている場合を○、やや鮮明性に欠ける場合を△、著しく鮮明性に劣る場合を×とする。
(2)熱転写印刷適正
デュラクロ−ムリミテッド社製 転写プリンタ−用リボン(シアン色)を用いて、これをサンプル表面(フィルムA)に載せて、0.1MPaで押圧しながら80℃で0.5秒間加熱転写する。転写されたシアン色のベタ画像部分に、アクリル系粘着テープ(15mm幅)をしっかりと指で貼着し、180度剥離テストを行う。全く剥離なしの場合を〇、僅少の剥離があっても×とする。
【0053】
●耐引裂性
サンプルの縦方向と横方向に対して、各幅10mmでカットし、2枚の測定サンプルを得る。この2枚のサンプルに付き、株式会社島津製作所製 引張試験機 オ−トグラフAGS−100A型を使用し、次ぎの条件で測定する。
標線間距離40mm、引張速度200mm/minの条件にて引っ張る。伸長が100%(元40mmが80mmになった場合)になった時点で、切れ目の有無を観察する。全く切れ目のない場合を〇、微小の切れ目でもあった場合を×とする。
【0054】
●貼着曲面追従性
まず、VM用フイルム2の場合にはフイルムB面に、VM用フイルム3の場合には一方のフイルムA面に、アクリル系樹脂粘着剤をコーテングして粘着層を設ける。そして半球状突起(直径7mm、高さ2mm)(リベット)のある金属面に、80℃に加熱したサンプルの粘着層面に押し当てながら、該突起部分を中心に貼着する。該突起形状に追従して(シワ、浮きなく同じ形状)貼着されていたら、優れた追従性ありとして〇、該半球の形状に追従して貼着されていなければ追従性悪いとして×とする。
【0055】
●拡張非剥離性
サンプルの縦方向と横方向に対して、各幅10mmでカットし、2枚の測定サンプルを得る。この2枚のサンプルに付き、株式会社島津製作所製 引張試験機 オ−トグラフAGS−100A型を使用し、次ぎの条件で測定する。縦と横方向にカットした2枚のサンプルに付き、各々20%(1.2倍)伸長する。この伸長を5分間持続した後の残存応力を測定する。該応力が小さい程、優れていることになる。つまり、例えば伸長されて貼着されたリベット部分が収縮して剥離し浮き上がってくるようなことはない。従って、該応力が10N/15mmより小さいのであればあれば〇、これ以上であれば×とする。
【0056】
各実施例及び比較例のフィルムを形成するために用いる樹脂を下記に記載する。
● PAA樹脂粒
株式会社クラレ製、商品名パラペット、品種SA−D、ビカット軟化点70℃、ショアA硬度93。
● ポリメチルメタクリレート樹脂(PMAE樹脂)
株式会社クラレ製、品種GR−F、ビカット軟化点87℃。
● 親水性PEA樹脂
(1)三洋化成工業株式会社製 商品名ペレスタット、品種NC6321,融点230℃。
(2)アルケマ社製 商品名PEBAX、品種MV1041、融点171℃
● スチレン/ブタジエンのランダム共重合体の水添化樹脂
旭化成ケミカルズ株式会社製、品種SS9000 Tg20℃。
● スチレン/メチルメタクリレートの2元共重合樹脂
電気化学工業株式会社製、商品名TXポリマー、品種TX−500R−301、ビカット軟化点88℃。
● スチレン/メチルメタクリレート/ブタジエンの3元共重合樹脂
電気化学工業株式会社製、商品名TXポリマー、品種TP−802、ビカット軟化点86℃。
【0057】
各実施例及び比較例のフィルムAとフィルムBとの樹脂成分及び層構成を表1に記載する。なお、各成分の単位は質量部をあらわす。
【0058】

【0059】
● フィルムA形成樹脂の混合
PAA樹脂粒と親水性PEA樹脂との混合、またはPAA樹脂粒、PMAE樹脂緒および親水性PEA樹脂との混合については、タンブラー混合機を用いたドライブレンド法で混合をおこなった。また、上記混合物に酸化チタン粉末を添加する場合、ドライブレンドした樹脂に酸化チタン粉末を所定量添加し、2軸溶融押出機を用いて混練後、ペレット化した。
【0060】
● フィルムB形成樹脂の混合
水添SD樹脂とスチレン/メチルメタクリレ−トの2元共重合樹脂との混合、または水添SD樹脂とスチレン/メチルメタクリレ−ト/ブタジエンの3元共重合樹脂との混合については、タンブラー混合機を用いたドライブレンド法で混合をおこなった。また、上記のドライブレンドした混合物に酸化チタン粉末を添加する場合、ドライブレンドした樹脂に酸化チタン粉末を所定量添加し、2軸溶融押出機を用いて混練後、ペレット化した。
【0061】
● VM用フイルム2の成形
フィルムA及びフィルムB形成樹脂を2台の単軸スクリュ−式押出機(各機バレル温度180〜225℃)に供給し、220℃の2層Tダイから共押しを行い、これを70℃の冷却ロ−ルを介しつつ冷却固化して2層からなるVM用フイルム2を連続成形した。
●VM用フイルム3の成形
フィルムA形成樹脂は2台の単軸スクリュ−押出機(各機バレル温度180〜225℃)に供給し、フィルムB形成樹脂は1台の単軸スクリュ−押出機(バレル温度180〜225℃)に各々供給し、フィルムB形成樹脂は内面に、フィルムA形成樹脂は両外面で積層されるように、220℃の3層Tダイから共押して、これを70℃の冷却ロ−ルを介しつつ冷却固化し、3層からなるVM用フイルム3を連続成形した。
【0062】
成形されたVM用フィルム2及びVM用フィルム3は、適宜カットして評価用サンプルをつくり、印刷適性、耐引裂性、貼着曲面追従性、拡張非剥離性を測定し、結果を表2にまとめた。
【0063】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟質アクリル酸エステル系樹脂と半硬質又は硬質アクリル酸エステル系樹脂との樹脂組成物(樹脂組成物X)と親水性ポリエ−テルエステルアミド樹脂とを含有する樹脂組成物(樹脂組成物Y)、または、該樹脂組成物Xとポリメタクリル酸エステル樹脂、及び親水性ポリエ−テルエステルアミド樹脂とを含有する樹脂組成物(樹脂組成物Z)からなるフィルムAと、スチレンと脂肪族ジエンからなる2元共重合樹脂の水添樹脂によるフィルムBとが積層されていることを特徴とするビジュアルマーキング用フィルム。
【請求項2】
軟質アクリル酸エステル系樹脂と半硬質又は硬質アクリル酸エステル系樹脂との樹脂組成物(樹脂組成物X)と親水性ポリエ−テルエステルアミド樹脂とを含有する樹脂組成物(樹脂組成物Y)、または、該樹脂組成物Xとポリメタクリル酸エステル樹脂、及び親水性ポリエ−テルエステルアミド樹脂とを含有する樹脂組成物(樹脂組成物Z)からなるフィルムAが両外面層、スチレンと脂肪族ジエンとからなる2元共重合樹脂の水添樹脂によるフィルムBが内面層となって積層されていることを特徴とするビジュアルマ−キング用フィルム。
【請求項3】
前記樹脂組成物Zにおいて、樹脂組成物X100質量部に対してポリメタクリル酸エステル樹脂10〜80質量部を含有する樹脂組成物からなる請求項1又は2に記載のビジュアルマ−キング用フィルム。
【請求項4】
前記2元共重合樹脂の水添樹脂が、該樹脂100質量部に対して単独ポリスチレン、スチレンを主成分とするメタアクリル酸エステルとの2元共重合樹脂またはスチレンを主成分とするメタアクリル酸エステルと脂肪族ジエンとの3元共重合樹脂のいずれか1種を10〜100質量部含有してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載のビジュアルマ−キング用フィルム。
【請求項5】
前記樹脂組成物Yにおいて、樹脂組成物X100質量部対して、または、前記樹脂組成物Zにおいて、樹脂組成物Xとポリメタクリル酸エステル樹脂との樹脂組成物100質量部に対して親水性ポリエ−テルエステルアミド樹脂を5〜80質量部含有してなる請求項1〜4のいずれか1項に記載のビジュアルマ−キング用フィルム。

【公開番号】特開2007−268827(P2007−268827A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−96329(P2006−96329)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000001339)グンゼ株式会社 (919)
【Fターム(参考)】