説明

ビス(スチリル)ピリミジン及びビス(スチリル)ベンゼン誘導体、その薬学的に許容可能な塩、その製造方法及びそれを有効成分として含むβアミロイド集積関連疾患の予防または治療用医薬組成物

【課題】新規なビス(スチリル)ピリミジン及びビス(スチリル)ベンゼン誘導体化合物、その薬学的に許容可能な塩の提供。
【解決手段】下記の化学式1


で表わされるビス(スチリル)ピリミジン及びビス(スチリル)ベンゼン誘導体、その薬学的に許容可能な塩、その製造方法及びそれを有効成分として含むβアミロイド集積関連疾患の予防または治療用医薬組成物。化学式1の誘導体化合物は、βアミロイド集積を阻害してβアミロイドの毒性を減少させ、βアミロイド集積関連疾患において現われる学習及び記憶力低下を改善させる効果を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビス(スチリル)ピリミジン及びビス(スチリル)ベンゼン誘導体、その薬学的に許容可能な塩、その製造方法及びそれを有効成分として含むβアミロイド集積関連疾患の予防または治療用医薬組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
全世界的に平均寿命が長くなって老齢人口が増加する高齢化化社会になるにつれて、アルツハイマー病に代表される老人性痴ほう症、脳卒中またはパーキンソン病のような退行性脳疾患の発病率が大きく増加している。保健社会研究院調査統計によると我が国の老人人口は、2000年に7%を越えて高齢社会に突入して以来、2003年には397万人と、老人人口の割合が8.3%に至り、2019年には、14.4%に至って完全高齢社会になると予想されている。我が国の場合、75〜79歳の老人人口の15%が痴ほう症を病んでいて、80歳以上の老人人口の39%が痴ほう症患者である。また、女性が男性に比べて2〜3倍高い発病率を有することが知られている。
【0003】
痴ほう症は、正常に発達した脳が歳を取るにつれて後天的な外傷や疾病などの外部的要因によって基質的に損傷されたり破壊されたりして、言語、学習、知能などに対する全般的な認知機能と高次精神機能が病的に減退する複合的な臨床症侯群を包括したもので、漸進的な記憶力障害が、失語症、失認症、失行症などの行動的な障害とともに現われて、社会的および職業的な機能に障害をもたらす。痴ほう症を大きく原因別でみると、アルツハイマー病による痴ほう症、血管性痴ほう症、特定脳疾患及び全身性疾患による痴ほう症などに分けることができ、この中でアルツハイマー病による痴ほう症が50%以上を占める。
【0004】
アルツハイマー病の解剖学的な特徴は、記憶及び認識を担当する神経細胞の減少と死滅である。病理学的な特徴は、神経細胞内部の神経原線維変化(neurofibrillary tangle)と神経細胞外部の老人性斑(senile plaque)の発現である。アルツハイマー疾患は、免疫学的要因、遺伝的要因、ウイルス感染、毒性物質を含んだ多様な環境的要因、頭部に怪我をした場合など多くの要因によって誘発されることが知られていて、今まで、βアミロイドタンパク質が脳に蓄積されて生じる神経斑の神経毒性による神経細胞破壊と、過リン酸化タウタンパク質が脳に蓄積されて神経繊維束が生成され、それによって神経退行を起こすことが、アルツハイマー性痴ほう症の主要原因として報告されている。
【0005】
上述したβアミロイドは、アルツハイマー病患者で発見されるタンパク質で、40個のアミノ酸(βアミロイド1−40)または42個のアミノ酸(βアミロイド1−42)で構成されている。βアミロイドタンパク質前駆体は、β−、γ−分解酵素によってβアミロイド42単量体になった後、集積してオリゴマーを形成し、このオリゴマーの集積でプロトフィブリル(protofibril)、フィブリル(fibril)、プラーク(plaque)の段階を経るようになる。最近の研究で、オリゴマーが、髪の毛構造のフィブリルより高い神経毒性を有すると報告され、オリゴマーの生成を減らすことがアルツハイマー病の治療方法として注目されるようになった。
【0006】
現在まで開発された治療剤では、アルツハイマー性痴ほう症患者の脳でアセチルコリンという物質が正常人に比べて減少するという点に着眼して、脳内のアセチルコリンの量を増加させたり、コリン性神経細胞の活性を増加させる方向で開発されたコリン系統の薬剤がある。しかし、市販中のアルツハイマー病治療剤である、ドネペジル(Donepezil)、リバスチグミン(Rivastigmin)、ガランタミン(Galantamin)、メマンチン(Memantine)などは、病気を根本的に治療するためではなく、記憶力障害症状を改善するための薬物であり、副作用及び治療に限界があるため改善が必要である。
【0007】
ここで、本発明者等は、βアミロイドの集積を阻害する治療剤を開発するために研究中、新規なビス(スチリル)ピリミジン及びビス(スチリル)ベンゼン誘導体化合物が、βアミロイドの集積を阻害してβアミロイドの毒性を減少させることができ、アルツハイマー病のようなβアミロイド集積関連疾患に有用であることを発見して、本発明を完成した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許公開第2008/0182846 A1号公報
【特許文献2】米国特許第6,310,107 B1号明細書
【特許文献3】米国特許第5,965,568 B1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、新規なビス(スチリル)ピリミジン及びビス(スチリル)ベンゼン誘導体化合物、その薬学的に許容可能な塩を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、前記新規な誘導体化合物の製造方法を提供することにある。
【0011】
さらに、本発明のまた他の目的は、前記新規な誘導体化合物を有効成分として含むβアミロイド集積関連疾患の予防または治療用医薬組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために、本発明は、下記の化学式1で表わされるビス(スチリル)ピリミジン及びビス(スチリル)ベンゼン誘導体化合物、その薬学的に許容可能な塩及びその製造方法を提供する。
【0013】
【化1】

【0014】
(式中、R、R、R及びXは、本明細書中以下で定義するとおりである。)
【0015】
また、本発明は、βアミロイド集積を阻害することができ、βアミロイドに由来した毒性を軽減させることができる前記化学式1で表わされるビス(スチリル)ピリミジン及びビス(スチリル)ベンゼン誘導体を有効成分として含む、βアミロイド集積関連疾患の予防または治療用医薬組成物を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の化学式1の誘導体化合物は、βアミロイド集積を阻害してβアミロイドの毒性を減少させて、アルツハイマー病などのようなβアミロイド集積関連疾患において現われる学習及び記憶力低下を改善させる効果を示すので、本発明による化学式1の誘導体化合物は、アルツハイマー病の治療剤及びそれと類似性がある疾患の治療に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明による実験例4のマウスの空間的な認知学習能力を測定する水中迷路試験の結果を示したグラフである。
【図2】本発明による実験例4の急性アルツハイマー病(acute AD)モデルでのβアミロイドの投与と化合物の学習及び記憶力に対する効果を測定する、Y−迷路、物体認識、受動回避試験の結果である((A)Y−迷路:1はAβ1−42 10nM;2はAβ1−42 10nM+実施例1 50mg/kg.p.o;3はAβ1−42 10nM+実施例1 100mg/kg.p.o;4はAβ1−42 10nM+実施例1 200mg/kg.p.o、(B)物体認識:1は対照群;2はAβ1−42 10nM;3はAβ1−42 10nM+実施例1 50mg/kg.p.o;4はAβ1−42 10nM+実施例1 100mg/kg.p.o;5はAβ1−42 10nM+実施例1 200mg/kg.p.o、(C)受動回避:1は対照群;2はAβ1−42 10nM;3はAβ1−42 10nM+実施例1 50mg/kg.p.o;4はAβ1−42 10nM+実施例1 100mg/kg.p.o;5はAβ1−42 10nM+実施例1 200mg/kg.p.o)。
【図3】本発明による実験例5の形質転換マウスに対するβアミロイドの投与と化合物の学習及び記憶力に対する効果を測定する、Y−迷路、物体認識、文脈恐怖条件づけの結果である((A):Y−迷路、(B):物体認識、(C):文脈恐怖条件づけであり、1は対照群であり、2は実施例1の化合物である)。
【図4】本発明による実験例5の形質転換マウスでの学習及び記憶力改善効果がβアミロイドの集積阻害とβアミロイド量の減少によって現われた結果なのかどうかを調べるために、形質転換マウスの大脳を免疫組織学的な方法で分析した結果である((A):コンゴレッドで染色してアミロイドプラークの量を測定、(B):酵素免疫法を使用してβアミロイド(1−40)の量を測定、(C):酵素免疫法を使用してβアミロイド(1−42)の量を測定、(D):神経細胞の量を測定)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、下記の化学式1で表わされるビス(スチリル)ピリミジン及びビス(スチリル)ベンゼン誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0019】
【化2】

【0020】
以下、本発明を詳しく説明する。
【0021】
本発明による前記化学式1の誘導体化合物において、
前記Xは、互いに独立して窒素または炭素であり;
前記Rは水素、ヒドロキシ、C〜Cのアルコキシ及びC〜Cのアルキルチオからなる群から選択されるいずれか一つであり;
前記R及びRは、互いに独立して、水素、ヒドロキシ、C〜Cのアルコキシ及びジ(C〜C)アルキルアミノからなる群から選択されるいずれか一つである。
【0022】
好ましくは、本発明による化学式1の誘導体化合物において、
前記Xは、互いに独立して、窒素または炭素であり;
は、水素、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、メチルチオ及びエチルチオからなる群から選択されるいずれか一つであり;
及びRは、互いに独立的して、水素、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ジメチルアミノ及びジエチルアミノからなる群から選択されるいずれか一つであることが好ましい。
【0023】
さらに好ましくは、本発明による前記化学式1で表わされる誘導体化合物は、
(1)(E,E)−4,6−ビス(3’−ヒドロキシ−4’−メトキシスチリル)ピリミジン、
(2)(E,E)−4,6−ビス[4’−ヒドロキシ−3’−(N,N−ジメチルアミノ)スチリル]ピリミジン、
(3)(E,E)−1,3−ビス(3’−ヒドロキシ−4’−メトキシスチリル)ベンゼン、
(4)(E,E)−4,6−ビス(4’−ヒドロキシスチリル)ピリミジン、
(5)(E,E)−4,6−ビス(3’−ヒドロキシスチリル)ピリミジン、
(6)(E,E)−4,6−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−メトキシスチリル)ピリミジン、
(7)(E,E)−4,6−ビス[3’−ヒドロキシ−4’−(N,N−ジメチルアミノ)スチリル]ピリミジン、
(8)2−メトキシ−(E,E)−4,6−ビス(4’−ヒドロキシスチリル)ピリミジン、
(9)2−メトキシ−(E,E)−4,6−ビス(3’−ヒドロキシスチリル)ピリミジン、
(10)2−メトキシ−(E,E)−4,6−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−メトキシスチリル)ピリミジン、
(11)2−メトキシ−(E,E)−4,6−ビス(3’−ヒドロキシ−4’−メトキシスチリル)ピリミジン、
(12)2−メトキシ−(E,E)−4,6−ビス[4’−ヒドロキシ−3’−(N,N−ジメチルアミノ)スチリル]ピリミジン、
(13)2−メトキシ−(E,E)−4,6−ビス[3’−ヒドロキシ−4’−(N,N−ジメチルアミノ)スチリル]ピリミジン、
(14)2−メチルチオ−(E,E)−4,6−ビス(4’−ヒドロキシスチリル)ピリミジン、
(15)2−メチルチオ−(E,E)−4,6−ビス(3’−ヒドロキシスチリル)ピリミジン、
(16)2−メチルチオ−(E,E)−4,6−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−メトキシスチリル)ピリミジン、
(17)2−メチルチオ−(E,E)−4,6−ビス(3’−ヒドロキシ−4’−メトキシスチリル)ピリミジン、
(18)2−メチルチオ−(E,E)−4,6−ビス[4’−ヒドロキシ−3’−(N,N−ジメチルアミノ)スチリル]ピリミジン、
(19)2−メチルチオ−(E,E)−4,6−ビス[3’−ヒドロキシ−4’−(N,N−ジメチルアミノ)スチリル]ピリミジン、
(20)(E,E)−1,3−ビス[4’−ヒドロキシ−3’−(N,N−ジメチルアミノ)スチリル]ベンゼン、
(21)(E,E)−1,3−ビス[3’−ヒドロキシ−4’−(N,N−ジメチルアミノ)スチリル]ベンゼン、
(22)(E,E)−3,5−ビス(4’−ヒドロキシスチリル)フェノール、
(23)(E,E)−3,5−ビス(3’−ヒドロキシスチリル)フェノール、
(24)(E,E)−3,5−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−メトキシスチリル)フェノール、
(25)(E,E)−3,5−ビス(3’−ヒドロキシ−4’−メトキシスチリル)フェノール、
(26)(E,E)−3,5−ビス[4’−ヒドロキシ−3’−(N,N−ジメチルアミノ)スチリル]フェノール、及び
(27)(E,E)−3,5−ビス[3’−ヒドロキシ−4’−(N,N−ジメチルアミノ)スチリル]フェノールからなる群から選択されるいずれか一つである。
【0024】
また、本発明は、前記化学式1で表わされるビス(スチリル)ピリミジン及びビス(スチリル)ベンゼン誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩だけではなく、その異性体またはそれから製造され得る溶媒化物または水和物をすべて含む。
【0025】
さらに、本発明は、前記化学式1で表わされる誘導体の製造方法を提供する。
【0026】
製造方法1:
本発明による化学式1の誘導体は、下記のスキーム1に示したように、化学式2のピリミジン誘導体化合物と化学式3のベンズアルデヒド誘導体化合物を塩基条件下で縮合反応させる工程(工程1)、及び前記工程1で製造した化学式4の化合物を脱保護反応させる工程(工程2)からなる製造方法によって製造することができる。
【0027】
【化3】

【0028】
(式中、R、R、R及びXは、前記化学式1について本明細書中で定義するとおりであり、R及びRは、前記R及びRと同一であるが、ヒドロキシの場合にはそれを保護するp−メトキシベンジルまたはメトキシメチルにより保護されており、化学式1aは化学式1の誘導体である)。
【0029】
以下、本発明による前記製造方法1を工程別でさらに詳細に説明する。
【0030】
まず、本発明による前記工程1は、ピリミジン母核を有する化学式2の化合物である4,6−ジメチルピリミジン化合物と化学式3のベンズアルデヒド化合物とを縮合反応させる工程である。前記工程1は、4,6−ジメチルピリミジン化合物とベンズアルデヒド化合物を相間移動触媒(PTC,phase transfer catalyst)の存在下で塩基性溶液で加熱還流させて遂行することができる。ここで、相間移動触媒は、テトラブチルアンモニウムハイドロジェンスルファート(BuNHSO)、ベンジルトリメチルアンモニウムなどを使用することができ、塩基性溶液は水酸化ナトリウム水溶液を使用することが好ましい。また、前記化学式3のベンズアルデヒド化合物は、ヒドロキシ基が保護基により保護された下記の化合物からなる群から選択されるものを使用することがさらに好ましい。
【0031】
【化4】

【0032】
(前記化合物構造において、PMBは、p−メトキシベンジルであり、MOMはメトキシメチルである。)
【0033】
次に、本発明による前記工程2は、工程1で製造した化学式4の化合物に対して保護基を除去する工程である。ここで、保護基は、塩酸/エチルアルコール(3:1)の溶媒で加熱還流させたり、トリフルオロ酢酸を含むメチレンクロライド溶媒で撹拌することにより除去することができる。
【0034】
製造方法2:
また、本発明による化学式1の誘導体は、下記のスキーム2に示したように化学式5のベンゼン誘導体化合物と化学式3のベンズアルデヒド誘導体化合物をエーテル類の有機溶媒に溶解させた後、0℃で塩基を添加して反応させる工程(工程A)、及び前記工程Aで製造した化学式6の化合物を脱保護反応させる工程(工程B)を含んで成る製造方法によって製造することができる。
【0035】
【化5】

【0036】
(式中、X、R、R、及びRは、前記化学式1において定義したもののと同様であり、R及びRは、前記R及びRと同一であるが、ヒドロキシの場合にはそれを保護するp−メトキシベンジルまたはメトキシメチルにより保護されており、化学式1bは化学式1の誘導体である)。
【0037】
以下、本発明による前記製造方法2を工程別にさらに詳しく説明する。
【0038】
まず、本発明による前記工程Aは、化学式5の1,3−ビス(ジエチルホスホノメチル)ベンゼンまたは、3,5−ビス(ジエチルホスホノメチル)フェノールと化学式3のベンズアルデヒド化合物をホーナーエモンズ(Horner-Emmons olefination)反応させる工程である。前記工程Aは、1,3−ビス(ジエチルホスホノメチル)ベンゼンまたは3,5−ビス(ジエチルホスホノメチル)フェノールと化学式3のベンズアルデヒドを無水テトラヒドロフラン溶媒に溶解後、0℃で塩基を添加して遂行することができる。ここで、塩基は水素化ナトリウム(NaH)、水素化リチウム(LiH)、水素化カリウム(KH)などのアルカリ金属水素化合物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウム t−ブトキシド、カリウム t−ブトキシド、カリウムイソプロポキシド、リチウムイソプロポキシドなどの金属アルコキシドなどを使用することが好ましく、カリウム t−ブトキシドを使用することがさらに好ましい。また、前記化学式3のベンズアルデヒド化合物は、製造方法1で使用したヒドロキシ基が保護基に保護された化合物からなる群から選択されたものを使用することが好ましい。
【0039】
次に、本発明による前記工程Bは、工程Aで製造した化学式6の化合物に対して保護基を除去する工程である。ここで、保護基は、塩酸/エチルアルコール(3:1)の溶媒で加熱還流させたり、トリフロオロ酢酸を含むメチルレンクルロライド溶媒で撹拌したりすることで遂行することができる。
【0040】
さらに、本発明は、前記化学式1の誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む、βアミロイド集積関連疾患の予防または治療用医薬組成物を提供する。
【0041】
前記βアミロイド集積関連疾患は、痴ほう症、アルツハイマー病、ダウン症候群、脳アミロイド血管症、大脳アミロイド血管症、全身性アミロイド病、オランダ(Dutch)型アミロイド症などを含む。
【0042】
本発明による前記化学式1の誘導体は、ThT蛍光強度を使用したβアミロイド(1−42)フィブリル形成に対する阻害効果測定実験で、対照群に比べて低い蛍光強度を示すことから、優秀なβアミロイドフィブリル形成阻害効果があることが分かる(実験例1参照)。
【0043】
また、本発明による化学式1の誘導体は、HT−22細胞に対する細胞毒性を測定した実験の結果、大部分の実施例の化合物は、70%以上の高い細胞生存率を示すことが分かる(実験例2参照)。
【0044】
さらに、本発明による前記化学式1の誘導体は、βアミロイドによる細胞毒性の軽減程度を測定した実験から、対照群に使用したβアミロイド(Aβ 23−35)に比べて、細胞生存率が増加することが測定され、このことからβアミロイドの毒性を効果的に軽減させることが分かる(実験例3参照)。
【0045】
また、本発明による前記化学式1の誘導体は、急性アルツハイマー病(Acute AD)マウスに対するY−迷路検査、物体認識試験、受動回避試験、水中迷路試験により学習力及び記憶力を評価する実験の結果、βアミロイド(1−42)を注入した後、本発明による実施例化合物を投与した場合、統計的に有意な記憶力回復、認知学習能力回復を示すことが分かる(実験例4、表6、図1及び図2参照)。
【0046】
さらに、本発明による前記化学式1の誘導体は、形質転換マウスに対するY−迷路試験、物体認識試験により学習能力及び記憶力を評価した実験結果から、多少の記憶力障害を回復させることが分かる(実験例5、図3の(A)及び(B)参照)。また、文脈恐怖条件づけ試験(context fear conditioning)による記憶力試験の結果から、本発明による化合物を投与した場合、βアミロイド毒性による海馬損傷が減少することが分かる(実験例5、図3の(C)参照)。
【0047】
また、本発明による前記化学式1の誘導体は、大脳皮質と海馬のアミロイドプラーク量とβアミロイド量を測定した結果、対照群に比べてそれらの量を減少させ(実験例6、図4の(A)、(B)、(C)、(D)参照)、神経細胞の量をさらに増加させたことが分かる。
【0048】
したがって、本発明による前記化学式1の誘導体は、βアミロイドの集積を阻害することにより、上述したβアミロイド集積関連疾患を予防または治療するために有効に使用できる。
【0049】
本発明による前記化学式1の誘導体または薬学的に許容されるその塩を有効成分として含むβアミロイド集積関連疾患の予防剤または治療剤は、下記の多様な経口または非経口投与形態に剤形化することができるが、これに限定されるものではない。
【0050】
経口投与用の剤形では、例えば、錠剤、丸薬、硬質/軟質カプセル剤、液剤、懸濁剤、乳化剤、シロップ剤、顆粒剤、エリキシル剤などがあるが、それら剤形は、前記有効成分以外に慣用的に使用される充填剤、増量剤、湿潤剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を1種以上使用することができる。崩壊剤としては、寒天、澱粉、アルギン酸またはそのナトリウム塩、無水リン酸1水素カルシウム塩などを使用することができ、滑沢剤としては、シリカ、タルク、ステアリン酸またはそのマグネシウム塩またはカルシウム塩、ポリエチレングリコールなどを使用することができ、結合剤として、マグネシウムアルミニウムシリケート、澱粉ペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、低置換ヒドロキシプロピルセルロースなどを使用することができる。その他にも、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、グリシンなどを希釈剤として使用することができ、場合によっては、一般的に知られた混合物、吸収剤、着色剤、香料、甘味料などを一緒に使用することができる。
【0051】
また、前記化学式1の誘導体または薬学的に許容されるその塩を有効成分として含む退行性神経疾患の予防剤または治療剤は、非経口投与することができ、非経口投与は、皮下注射剤、静脈注射剤、筋肉内注射剤または胸部内に注射剤を注入する方法による。ここで、非経口投与用剤形に製剤化するために、前記化学式1の誘導体または薬学的に許容されるその塩を安定剤または緩衝剤とともに水に混合し、溶液または懸濁液を調製して、それをアンプルまたはバイアルの単位投与型製剤とすることができる。
【0052】
前記組成物は、滅菌したり、または防腐剤、安定化剤、水和剤または乳化促進剤、浸透圧調節のための塩、緩衝剤などの補助剤及びその他治療的に有用な物質を含むことができ、通常の混合、顆粒化またはコーティング方法によって製剤化することができる。
【0053】
本発明の前記化学式1の誘導体または薬学的に許容されるその塩を有効成分として含む、退行性神経疾患の予防剤または治療剤を単位用量形態に剤形化する場合、有効成分として化学式1の誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を、約0.1〜1,500mgの単位用量で含有することが好ましい。投与量は、患者の体重、年齢及び疾病の特殊な性質と重症度のような要因による医者の処方による。しかし、成人治療に必要な投与量は、投与の頻度と強度によって一日に約1〜500mgの範囲が普通である。成人の筋肉内または静脈内投与時の一回投与量では、一日に数回に分けて投与することができ、一日に約5〜300mgの全体投与量であれば十分であるが、一部患者の場合には、さらに高い一日投与量が好ましいことがある。
【0054】
以下、本発明を実施例及び実験例によって詳細に説明する。
【0055】
但し、下記の実施例は、本発明を例示するのみのものであって、本発明の内容が下記の実施例によって限定されるものではない。
【0056】
<製造例1>出発物質の製造1
本発明による製造方法1で出発物質に使用する化学式2の4,6−ジメチルピリミジン化合物を、下記のスキーム3に示したような有機化学分野で一般的に知られている方法で製造して使用した。すなわち、化学式7の化合物と2,4−ペンタジオンを炭酸カリウム水溶液で加熱還流させて得た。
【0057】
【化6】

【0058】
(式中、Rは、化学式1において定義したものと同様である。)
【0059】
<製造例2>出発物質の製造2
本発明による製造方法2で出発物質で使用する化学式5の1,3−ビス(ジエチルホスホノメチル)ベンゼンは、下記のスキーム4に示したような有機化学分野で一般的に知られているアルブーゾフ(Arbuzof)反応を使用して製造した。すなわち、α−ジブロモ−m−ザイレンをトリエチルホスフィンとともにトルエンで加熱還流させて得た。
【0060】
【化7】

【0061】
<製造例3>出発物質の製造3
本発明による製造方法2で出発物質に使用する化学式5の3,5−ビス(ジエチルホスホノメチル)フェノールを、下記のスキーム5に示したような有機化学分野で一般的に知られている方法でアルブーゾフ(Arbuzov)反応を使用して製造した。すなわち、3,5−ジ(ヒドロキシメチル)フェノールを無水1,4−ジオキサンに溶解した後、BF?EtOとヨウ化カリウムを添加して、3,5−ビス(アイオドメチル)フェノールを得た後、それをトリエチルホスフィンとともにトルエンで加熱還流させて、3,5−ビス(ジエチルホスホノメチル)フェノールを得た。
【0062】
【化8】

【0063】
<実施例1>(E,E)−4,6−ビス(3’−ヒドロキシ−4’−メトキシスチリル)ピリミジンの合成
【0064】
【化9】

【0065】
工程1:(E,E)−4,6−ビス[4’−メトキシ−3’−(4”−メトキシベンジルオキシ)スチリル]ピリミジンの合成
10mlの5N水酸化ナトリウム水溶液に、4,6−ジメチルピリミジン0.21g(2.0mmol)、4−メトキシ−3−(4−メトキシベンジルオキシ)ベンズアルデヒド1.1g(4mmol)、テトラブチルアンモニウム水素スルファート0.1g(0.29mmol)を加えて、5時間加熱還流した。固体をろ過して水で洗浄した。得られた固体は、真空乾燥器で乾燥させてエチルアセテートで再結晶して(E,E)−4,6−ビス[4’−メトキシ−3’−(4”−メトキシベンジルオキシ)スチリル]ピリミジン1.06gを得た。
【0066】
1H NMR (DMSOd6, 400 MHz) δ 3.81 (s, 6H), 3.91 (s, 6H), 5.12 (s, 4H), 6.87 (d, J = 15.9 Hz, 2H), 6.91 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 6.92 (d, J = 8.5 Hz, 4H), 7.18 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.19 (s, 2H), 7.22 (s, 1H), 7.40 (d, J = 8.5 Hz, 4H), 7.78 (d, J = 15.9 Hz, 2H), 9.03 (s, 1H)
【0067】
工程2:(E,E)−4,6−ビス(3’−ヒドロキシ−4’−メトキシスチリル)ピリミジンの合成
前記工程1で得た(E,E)−4,6−ビス[4’−メトキシ−3’−(4”−メトキシベンジルオキシ)スチリル]ピリミジン1.06gを、90mlのエチルアルコールと30mlの1N HCl混合溶液に溶解した後、20時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、沈殿物をろ過して水と核酸で洗浄して、(E,E)−4,6−ビス(3’−ヒドロキシ−4’−メトキシスチリル)ピリミジン0.6g(79%)を得た。
【0068】
1H NMR (DMSOd6, 400 MHz) δ 3.80 (s, 6H), 6.97 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 6.98 (d, J = 15.9 Hz, 2H), 7.11 (dd, J = 1.9, 8.3 Hz, 2H), 7.13 (d, J = 1.9 Hz, 2H), 7.62 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 7.78 (d, J = 15.9 Hz, 2H), 8.95 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 9.17 (s, 2H)
【0069】
<実施例2>(E,E)−4,6−ビス[4’−ヒドロキシ−3’−(N,N−ジメチルアミノ)スチリル]ピリミジンの合成
【0070】
【化10】

【0071】
工程1:(E,E)−4,6−ビス[4’−(メトキシメトキシ)−3’−(N,N−ジメチルアミノ)スチリル]ピリミジンの合成
10mlの5N水酸化ナトリウム水溶液に、4,6−ジメチルピリミジン0.21g(2.0mmol)、3−(N,N−ジメチルアミノ)−4−(メトキシメトキシ)ベンズアルデヒド0.83g(4mmol)、テトラブチルアンモニウム水素スルファート0.1g(0.29mmol)を加えて、5時間加熱還流した。反応液をエチルアセテートで抽出して、有機層を減圧蒸留して得られた化合物をカラムクロマトグラフィーで精製して、(E,E)−4,6−ビス[4’−(メトキシメトキシ)−3’−(N,N−ジメチルアミノ)スチリル]ピリミジン0.51gを得た。
【0072】
1H NMR (DMSOd6, 400 MHz) δ 2.77 (s, 12H), 3.42 (s, 6H), 5.24 (s, 4H), 7.05 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.11 (d, J = 15.9 Hz, 2H), 7.23 (d, J = 1.9 Hz, 2H), 7.24 (dd, J = 1.9, 8.9 Hz, 2H), 7.67 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 7.87 (d, J = 15.9 Hz, 2H), 8.97 (d, J = 1.0 Hz, 1H)
【0073】
工程2:(E,E)−4,6−ビス[4’−ヒドロキシ−3’−(N,N−ジメチルアミノ)スチリル]ピリミジンの合成
前記工程1で得た(E,E)−4,6−ビス[4’−(メトキシメトキシ)−3’−(N,N−ジメチルアミノ)スチリル]ピリミジン0.51gを、45mlのエチルアルコールと15mlの1N HCl混合溶液に溶解した後、10時間熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、炭酸水素ナトリウム1.26gを加え、水400mlを加えて結晶をろ過して、(E,E)−4,6−ビス[4’−ヒドロキシ−3’−(N,N−ジメチルアミノ)スチリル]ピリミジン0.31g(38%)を得た。
【0074】
1H NMR (DMSOd6, 400 MHz) δ 2.73 (s, 12H), 6.81 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.01 (d, J = 15.9 Hz, 2H), 7.16 (dd, J = 1.8, 8.1 Hz, 2H), 7.19 (d, J = 1.8 Hz, 2H), 7.59 (s, 1H), 7.81 (d, J = 15.9 Hz, 2H), 8.93 (s, 1H), 9.62 (bs, 2H)
【0075】
<実施例3>(E,E)−1,3−ビス(3’−ヒドロキシ−4’−メトキシスチリル)ベンゼンの合成
【0076】
【化11】

【0077】
工程A:(E,E)−1,3−ビス[4’−メトキシ−3’−(メトキシメトキシ)スチリル]ベンゼンの合成。
1,3−ビス(ジエチルホスホノメチル)ベンゼン0.75gと4−メトキシ−3−(メトキシメトキシ)ベンズアルデヒド0.78gを、THF溶液に溶解した後、反応液を0℃に冷却してカリウム t−ブトキシド0.88gを加えた。反応液は、室温で2時間反応させた。反応液に200mlの水を加えて沈殿物をろ過して、白色固体である(E,E)−1,3−ビス[4’−メトキシ−3’−(メトキシメトキシ)スチリル]ベンゼン0.69gを得た。
【0078】
1H NMR (DMSOd6, 400 MHz) δ 3.41 (s, 6H), 3.78 (s, 6H), 5.20 (s, 4H), 7.01 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.07 (d, J = 16.4 Hz, 2H), 7.21 (dd, J = 1.9, 8.5 Hz, 2H), 7.23 (d, J = 16.4 Hz, 2H), 7.32-7.34 (m, 5H), 7.79 (s, 1H)
【0079】
工程B:(E,E)−1,3−ビス(3’−ヒドロキシ−4’−メトキシスチリル)ベンゼンの合成
前記工程1で得た(E,E)−1,3−ビス[4’−メトキシ−3’−(メトキシメトキシ)スチリル]ベンゼン0.69gを、60mlのエチルアルコールと20mlの1N HCl混合溶液に溶解した後、1時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、水100mlを加えて沈殿物をろ過して、(E,E)−1,3−ビス(3’−ヒドロキシ−4’−メトキシスチリル)ベンゼン0.52g(77%)を得た。
【0080】
1H NMR (DMSOd6, 400 MHz) δ 3.77 (s, 6H), 6.91 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 6.98 (d, J = 16.3 Hz, 2H), 6.98 (dd, J = 1.9, 8.3 Hz, 2H), 7.04 (d, J = 1.9 Hz, 2H), 7.16 (d, J = 16.3 Hz, 2H), 7.29-7.41 (m, 3H), 7.74 (s, 1H), 9.03 (s, 2H)
【0081】
前記実施例1及び実施例2のような方法で、多様なビス(スチリル)ピリミジン誘導体を合成し、その構造及びH NMRデータを下記の表1に示した。
【0082】
【表1】

【0083】
【表2】

【0084】
【表3】

【0085】
前記実施例3のような方法で多様なビス(スチリル)ベンゼン誘導体を合成し、その構造及びH NMRデータを下記の表2に示した。
【0086】
【表4】

【0087】
【表5】

【0088】
<実験例1>βアミロイドフィブリル形成阻害実験
本発明による実施例化合物のβアミロイドフィブリル阻害程度を測定するために、ThT蛍光強度を使用して下記の実験を遂行した。
【0089】
βアミロイド(1−42)と本発明の実施例1〜27の化合物をDMSO溶液に溶解して、それをPBS(リン酸緩衝食塩水、pH7.4)溶液に希釈した。βアミロイド(1−42)(対照群)と実施例化合物1〜27の最終濃度は、各々25μM、10μMにした。室温で1時間培養した後、グリシン−NaOH緩衝溶液に溶解しているチオフラビンT(ThT,5μM,pH8.5)を加えた。多重表示蛍光計数器(multi label fluorescence counter)を使用して、96マイクロプレートで蛍光強度を測定した。その結果を下記の表3に示した。蛍光測定時の励起(excitation)と発光(emission)の波長は、450nm(スリット10nm)と485nm(スリット10nm)が好ましい。
【0090】
【表6】

【0091】
前記表3を参照すると、ThT蛍光強度を使用したβアミロイド(1−42)フィブリル形成を阻害する程度を測定した結果、βアミロイド(1−42)を実施例化合物とともに培養した群は、何も処理しない対照群に比べて低い蛍光強度を示した。低い蛍光強度は、βアミロイドフィブリルの量が少ないことを意味するので、本発明の実施例化合物は、βアミロイドフィブリル形成を阻害することが分かる。特に、実施例7及び実施例13は、フィブリル形成を著しく阻害することが示された。
【0092】
<実験例2>HT−22細胞を使用した化合物の細胞毒性検査
本発明による実施例化合物の細胞に対する毒性の程度を測定するために、HT−22細胞を使用して下記の実験を遂行した。
【0093】
マウスの神経細胞株であるHT−22をDMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)培地に10%FBS(ウシ胎児血清)と1%ペニシリン/ストレプトマイシンが添加された培地を使用して、37℃、5%CO条件の培養器で培養した。実験前、HT−22細胞を96ウェルプレートに5×10細胞/ウェルの密度で平板培養して血清が除去されたDMEM培地で1時間培養した。HT−22細胞を培養した後、実施例1〜27の化合物を25μMの濃度で添加して、18時間培養した。5mg/ml MTT(3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウムブロマイド)溶液をウェル当り15μlずつ入れて、4時間培養後、溶解化緩衝液(10% SDS, 50% ジメチルホルムアミド,pH4.7)を100μlずつ添加して反応させた。18時間後、マイクロプレートリーダーを使用して、570nm/630nmの吸光度を測定した。その結果を下記の表4に示した。
【0094】
【表7】

【0095】
前記表4を参照すると、本発明による実施例化合物により処理されたHT−22細胞は、大部分が70%以上の細胞生存率を示すことが分かる。このことから、本発明による化合物は、細胞に対する毒性を誘発しないことが分った。
【0096】
<実験例3>βアミロイド(1−42)毒性に対する化合物の毒性軽減効果検査
本発明による実施例化合物のβアミロイドによる毒性の軽減程度を測定するために、下記の実験を遂行した。前記実験例2のような方法で、HT−22細胞を培養した後、実施例1〜27の化合物を添加して1時間培養した。凝集したβアミロイド(Aβ25−35)を25μMの濃度で処理した後、18時間培養してβアミロイド毒性による細胞壊死を誘導した。5mg/ml MTT溶液をウェル当り15μlずつ入れて、4時間培養後、溶解化緩衝液を100μlずつ添加して反応させた。18時間後、マイクロプレートリーダーを使用して570nm/630nmで吸光度を測定した。その結果を下記の表5に示した。
【0097】
【表8】

【0098】
前記表5を参照すると、本発明による実施例化合物を投与した場合、βアミロイド(Aβ25−35)で処理された細胞のβアミロイド毒性を顕著に減少させることにより、細胞の生存率を増加させることが分かる。
【0099】
<実験例4>急性アルツハイマー病(Acute AD)マウスに対するβアミロイドの投与と化合物の学習及び記憶力回復効果測定
本発明による実施例化合物がアルツハイマー病を誘発するβアミロイドが投与されたマウスの学習能力及び記憶力を回復させる程度を調べるために下記の実験を遂行した。
【0100】
工程1:マウスに対するβアミロイド(1−42)と化合物の投与
実験には、4〜5週齢、20〜25g重量のマウスを使用し、各群別に6匹ずつ使用した。脳室内の注射は、文献に記載された方法によって脳室内に注射した(Laursen&Belknap,J.Pharmacol.Methods.1986年,第16巻,355頁)。50μlハミルトン注射器に26ゲージ注射針の先2.4mmを十字縫合(bregma)に挿入して投与した。すべてのサンプルは、経口投与あるいはフードペレット(food pellet)を通じて各々10匹ずつのマウスに投与した。脳室内注射後、化合物を2日間投与して、2日にY−迷路検査、2〜3日に物体認識検査、3〜4日に受動回避検査、3〜7日に水中迷路検査を実施した。すべての資料は、6匹の平均値を求めた。
【0101】
工程2:急性アルツハイマー病(Acute AD)モデル動物実験−Y−迷路、物体認識、受動回避、水中迷路
Y−迷路を通じて短期記憶力を評価し、空間的な記憶力を自発的交差行動(spontaneous alternation behavior)で測定した。Y字形模様の通路に一端にマウスの頭部分が向かうように置いて、8分間自由に三つの通路で往来させた。交差回数は、マウスが連続的に三つの通路を通過した時に一回交差したと定めた。自発的な交差通行量は、交差回数通路を通過した全体回数(number of arm entries)の百分比で計算した。
【0102】
物体認識試験は、同一な物体を二つの角から5cm離れた所に各々位置させた後、提示した物体と新しい物体を探索する時間を測定した。探索は、物体に向かって半径2cmの中に頭を置いて、においを嗅いだり物体を触ることで定義した。
【0103】
受動回避試験は、文献に記載された方法によって実施した(Song等,J.Neurochem.,1998年,第71巻,875頁)。明るく照明された部屋と暗い部屋からなり、床には電気衝撃を与えることができるように装置された受動回避箱を使用した。マウスを明るい部屋においてマウスが暗い部屋に入って行き次第、0.25mAで1秒間電気衝撃を与えた。訓練24時間後、マウスを明るい部屋において暗い部屋に入って行くまでの時間を測定して受動回避反応時間と定めた。
【0104】
水中迷路試験は、マウスをプールの四分割面の中の一方でマウスの頭が向くようにおいて、各施行時ごとに任意の四分割面から出発するようにした。マウスが逃避台を捜して上がるまでの遅延時間(latency)を測定して、万一、60秒内に逃避台の位置を捜し出すことができない場合、実験者が逃避台に導いた。
【0105】
得られた結果を下記の表6、図1及び図2に示した。
【0106】
【表9】

【0107】
前記表6を参照すると、βアミロイド(1−42)注入後、実施例1、2、6及び7の化合物を投与したマウスにおいて化合物を投与しないマウスより統計的に有意に記憶力回復効果が現われた。βアミロイド(1−42)を注入したマウスは、新しい物体に対する関心程度が対照群に比べて約16%減少し、そこに実施例化合物を投与したマウスは、最高11%(実施例6)まで記憶力を回復することが示された。また、受動回避試験で、βアミロイド(1−42)を注入したマウスは認知能力が対照群に比べて約50%減少し、そこに実施例化合物を処理することで認知能力が約16%〜30%程度改善したことが測定された。その中で実施例1の化合物が、最も優れた効果を示した。
【0108】
図1を参照すると、マウスの空間的な認知学習能力を測定する水中迷路試験の結果、βアミロイド(1−42)を投与した群は、認知学習能力欠乏症状を示し、実施例1及び6(図1の(A)参照)と実施例2及び7(図1の(B)参照)の化合物を服用した群は、βアミロイド(1−42)のみを投与した群に比べてセッションが増加するほど遅延時間が短縮されることから、時間が経過するほど認知学習能力が回復することが示された。
【0109】
また、図2を参照すると、本発明による実施例1の化合物は、濃度依存的に学習及び記憶力回復効果を示した。
【0110】
それから、本発明による4種の化合物は、記憶力及び認知学習能力を改善させることにより、βアミロイド形成によって誘発される疾患の予防または治療に有効に使用できることが分かった。
【0111】
<実験例5>形質転換マウスに対する化合物の学習及び記憶力効果
本発明による実施例化合物が形質転換マウスの学習及び記憶力を回復させる程度を調べるために下記の実験を遂行した。
【0112】
形質転換マウスは、APPとプレセニリン1(presenilin 1)遺伝子を操作した二重形質転換マウスを使用した。実験には、26〜39g重量の8ヶ月齢形質転換マウスを使用し、各群別に10匹ずつ使用した。2〜3ヶ月の間フードペレット(3mg/ペレット)を通じて実施例1の化合物を投与して行動実験を行なった。
【0113】
実施例1の化合物投与2ヶ月後(10ヶ月齢)学習及び記憶力回復を確認するためにY−迷路検査、物体認識検査を行なった。得られた結果を下記の図3の(A)、(B)に示した。
【0114】
図3の(A)、(B)を参照すると、全般的に急性アルツハイマー病(acute AD)モデルと比較すると学習及び記憶力効果が小さく現われたが、形質転換マウスで現われる記憶力障害が、実施例1の化合物の投与によって多少と回復することが示された。
【0115】
文脈恐怖条件づけ(context fear conditioning)試験を用いて、他の方法で記憶力検査を遂行した。条件刺戟−非条件刺激(CS−US,conditioned stimulus-unconditioned stimulus)に対してマウスに音ショックペアリング(tone-shock pairing)刺激を5回実施した。翌日刺激を提示しない状態で、マウスを刺激を与えた訓練ボックス(context)に残してフリージング(freezing)を観察した。得られた結果を下記の図3の(C)に示した。図3の(C)を参照すると、実施例1の化合物を処理したマウスは対照群に比べてフリージングが長く、βアミロイド毒性による海馬損傷が実施例1の化合物によって減少したものと判断される。前記の実験の間、二つのグループの平均体重に差異はなかった。
【0116】
前記の形質転換マウスで行動実験結果、実施例1の化合物は、形質転換マウスで学習及び記憶力改善効果を示した。この効果が、βアミロイドの集積阻害とβアミロイド量の減少によって現われた結果なのかどうか調べるために、形質転換マウスの大脳を免疫組織化学的な方法で分析した。行動実験が終わった11ヶ月齢形質転換マウスの右側大脳半球を切断して染色や酵素免疫法(ELISA,Enzyme-linked immunosorbent assay)を使用して、大脳皮質と海馬のアミロイドプラーク量とβアミロイド量を測定した。得られた結果を下記の図4に示した。
【0117】
コンゴレッド(Congo red)でアミロイドプラークを染色してその数を数えた。図4の(A)を参照すると、実施例1の化合物を処理した群は、対照群よりアミロイドプラークが減少する傾向を示した。図4の(B)、(C)を参照すると、酵素免疫法を使用してβアミロイド(1−40)とβアミロイド(1−42)の量を測定した結果、アミロイドプラークと同じくその量が減少する傾向を示した。図4の(D)を参照すると、神経細胞の量においては、実施例1の化合物を処理した群でさらに多く示された。
【0118】
このことから、本発明による化学式1の誘導体化合物は、βアミロイドの集積を阻害してβアミロイドによる毒性を減少させて神経細胞を保護することで、アルツハイマー病のようなβアミロイド集積関連疾患を予防または治療するのに有用に使用することができる。
【0119】
下記に本発明のβアミロイド集積関連疾患の予防剤または治療剤のための製剤例を例示する。
【0120】
製剤例1:医薬製剤の製造
1−1.散剤の製造
【表10】

前記の成分を混合して気密包に充填して散剤を製造した。
【0121】
1−2.錠剤の製造
【表11】

前記の成分を混合した後、通常の錠剤の製造方法にしたがって打錠して錠剤を製造した。
【0122】
1−3.カプセル剤の製造
【表12】

前記の成分を混合した後、通常のカプセル剤の製造方法にしたがってゼラチンカプセルに充填してカプセル剤を製造した。
【0123】
1−4.注射剤の製造
【表13】

定法の注射剤の製造方法によって、前記成分を提示した含量で含有させて注射剤を製造した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化学式1
【化1】

式中、
Xは、互いに独立して窒素または炭素であり、
は水素、ヒドロキシ、C〜Cのアルコキシ及びC〜Cのアルキルチオからなる群から選択されるいずれか一つであり、
及びRは、互いに独立して、水素、ヒドロキシ、C〜Cのアルコキシ及びジ(C〜C)アルキルアミノからなる群から選択されるいずれか一つである
で表わされるビス(スチリル)ピリミジンまたはビス(スチリル)ベンゼン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項2】
前記Xは、互いに独立して、窒素または炭素であり;
は、水素、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、メチルチオ及びエチルチオからなる群から選択されるいずれか一つであり;
及びRは、互いに独立的して、水素、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ジメチルアミノ及びジエチルアミノからなる群から選択されるいずれか一つであることを特徴とする、請求項1に記載のビス(スチリル)ピリミジンまたはビス(スチリル)ベンゼン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
前記化学式1の誘導体が、
(1)(E,E)−4,6−ビス(3’−ヒドロキシ−4’−メトキシスチリル)ピリミジン、
(2)(E,E)−4,6−ビス[4’−ヒドロキシ−3’−(N,N−ジメチルアミノ)スチリル]ピリミジン、
(3)(E,E)−1,3−ビス(3’−ヒドロキシ−4’−メトキシスチリル)ベンゼン、
(4)(E,E)−4,6−ビス(4’−ヒドロキシスチリル)ピリミジン、
(5)(E,E)−4,6−ビス(3’−ヒドロキシスチリル)ピリミジン、
(6)(E,E)−4,6−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−メトキシスチリル)ピリミジン、
(7)(E,E)−4,6−ビス[3’−ヒドロキシ−4’−(N,N−ジメチルアミノ)スチリル]ピリミジン、
(8)2−メトキシ−(E,E)−4,6−ビス(4’−ヒドロキシスチリル)ピリミジン、
(9)2−メトキシ−(E,E)−4,6−ビス(3’−ヒドロキシスチリル)ピリミジン、
(10)2−メトキシ−(E,E)−4,6−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−メトキシスチリル)ピリミジン、
(11)2−メトキシ−(E,E)−4,6−ビス(3’−ヒドロキシ−4’−メトキシスチリル)ピリミジン、
(12)2−メトキシ−(E,E)−4,6−ビス[4’−ヒドロキシ−3’−(N,N−ジメチルアミノ)スチリル]ピリミジン、
(13)2−メトキシ−(E,E)−4,6−ビス[3’−ヒドロキシ−4’−(N,N−ジメチルアミノ)スチリル]ピリミジン、
(14)2−メチルチオ−(E,E)−4,6−ビス(4’−ヒドロキシスチリル)ピリミジン、
(15)2−メチルチオ−(E,E)−4,6−ビス(3’−ヒドロキシスチリル)ピリミジン、
(16)2−メチルチオ−(E,E)−4,6−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−メトキシスチリル)ピリミジン、
(17)2−メチルチオ−(E,E)−4,6−ビス(3’−ヒドロキシ−4’−メトキシスチリル)ピリミジン、
(18)2−メチルチオ−(E,E)−4,6−ビス[4’−ヒドロキシ−3’−(N,N−ジメチルアミノ)スチリル]ピリミジン、
(19)2−メチルチオ−(E,E)−4,6−ビス[3’−ヒドロキシ−4’−(N,N−ジメチルアミノ)スチリル]ピリミジン、
(20)(E,E)−1,3−ビス[4’−ヒドロキシ−3’−(N,N−ジメチルアミノ)スチリル]ベンゼン、
(21)(E,E)−1,3−ビス[3’−ヒドロキシ−4’−(N,N−ジメチルアミノ)スチリル]ベンゼン、
(22)(E,E)−3,5−ビス(4’−ヒドロキシスチリル)フェノール、
(23)(E,E)−3,5−ビス(3’−ヒドロキシスチリル)フェノール、
(24)(E,E)−3,5−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−メトキシスチリル)フェノール、
(25)(E,E)−3,5−ビス(3’−ヒドロキシ−4’−メトキシスチリル)フェノール、
(26)(E,E)−3,5−ビス[4’−ヒドロキシ−3’−(N,N−ジメチルアミノ)スチリル]フェノール、及び
(27)(E,E)−3,5−ビス[3’−ヒドロキシ−4’−(N,N−ジメチルアミノ)スチリル]フェノール、からなる群から選択されるいずれか一つであることを特徴とする、請求項1に記載のビス(スチリル)ピリミジンまたはビス(スチリル)ベンゼン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
下記のスキーム1
【化2】

式中、X、R、R、及びRは、請求項1において定義したとおりであり、R及びRは、前記R及びRと同一であるが、ヒドロキシである場合にはそれを保護するp−メトキシベンジルまたはメトキシメチルで保護されており、化学式1aは化学式1の誘導体である
により示される、
化学式2のピリミジン誘導体化合物と化学式3のベンズアルデヒド誘導体化合物とを塩基条件下で縮合反応させる工程(工程1)、及び
前記工程1で製造した化学式4の化合物を脱保護反応させる工程(工程2)
からなる請求項1の化学式1の誘導体の製造方法。
【請求項5】
前記工程1の縮合反応が、相間移動触媒の存在下において水酸化ナトリウム水溶液で加熱還流させて遂行されることを特徴とする、請求項4に記載の第1項の化学式1の誘導体の製造方法。
【請求項6】
前記相間移動触媒が、テトラブチルアンモニウム水素スルファートまたはベンジルトリメチルアンモニウムであることを特徴とする、請求項5に記載の請求項1の化学式1の誘導体の製造方法。
【請求項7】
前記工程2の脱保護反応が、塩酸/エチルアルコール(3:1)溶媒で加熱還流させるか、またはトリフルオル酢酸を含むメチレンクロライド溶媒により遂行されることを特徴とする、請求項4に記載の第1項の化学式1の誘導体の製造方法。
【請求項8】
下記のスキーム2
【化3】

式中、X、R、R、及びRは、請求項1において定義したとおりであり、R及びRは、前記R及びRと同一であるが、ヒドロキシである場合にはそれを保護するp−メトキシベンジルまたはメトキシメチルで保護されており、化学式1bは化学式1の誘導体である
により示される、
化学式5のベンゼン誘導体化合物と化学式3のベンズアルデヒド誘導体化合物をエーテル類の有機溶媒に溶解させた後、0℃で塩基を添加して反応させる工程(工程A);及び
前記工程Aで製造した化学式6の化合物を脱保護反応させる工程(工程B)
からなる請求項1の化学式1の誘導体の製造方法。
【請求項9】
前記工程Aの塩基が、金属水素化合物、金属アルコキシド、アルキルアルカリ金属化合物及びアミド型アルカリ金属化合物からなる群から選択されるいずれか一つであることを特徴とする、請求項8に記載の第1項の化学式1の誘導体の製造方法。
【請求項10】
前記塩基が、水素化ナトリウム(NaH)、水素化リチウム(LiH)、水素化カリウム(KH)からなる群から選択されるアルカリ金属水素化合物;または、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウム t−ブトキシド、カリウム t−ブトキシド、カリウムイソプロポキシド、及びリチウムイソプロポキシドからなる群から選択される金属アルコキシドであることを特徴とする、請求項9に記載の第1項の化学式1の誘導体の製造方法。
【請求項11】
前記工程Aの反応溶媒が無水テトラヒドロフランであり、塩基がカリウム t−ブトキシドであることを特徴とする、請求項8に記載の第1項の化学式1の誘導体の製造方法。
【請求項12】
第1項の化学式1の誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む、βアミロイド集積関連疾患の予防及び治療用医薬組成物。
【請求項13】
βアミロイド集積関連疾患がアルツハイマー病であることを特徴とする、第1項の化学式1の誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む、請求項12に記載のβアミロイド集積関連疾患の予防及び治療用医薬組成物。
【請求項14】
化学式1の誘導体またはその薬学的に許容可能な塩がβアミロイドの集積を阻害することを特徴とする、請求項1の化学式1の誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む、請求項12に記載のβアミロイド集積関連疾患の予防及び治療用医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−168344(P2010−168344A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−126637(P2009−126637)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【出願人】(304039548)コリア・インスティテュート・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー (36)
【Fターム(参考)】