説明

ビス(テトラフルオレニル)アミン化合物、その製造方法、それを用いた発光材料、ホール輸送材料および有機EL素子

【課題】新規なビス(テトラフルオレニル)アミン化合物、その製造方法、それを用いた発光材料、ホール輸送材料および有機EL素子の提供。
【解決手段】下記一般式(2)


(式中、Xはハロゲン原子を、R1〜R8は水素原子又はアルキル基を、R9〜R33は水素原子、アルキル基、アリール基等を表す。)で示されるハロゲン化テトラフルオレンとアリールアミンを反応させて出来るビス(テトラフルオレニル)アミン化合物は、発光材料、ホール輸送材料および有機EL素子の原料として優れている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なビス(テトラフルオレニル)アミン化合物、その製造方法、それを用
いた発光材料、ホール輸送材料および有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)に関する。
【背景技術】
【0002】
1987年にコダックのタング(Tang)らによって発表された有機EL素子は、自発光型で視野角依存性のない視認性の良いフラットパネルディスプレイである(非特許文献1参照)。
それまでは、アントラセンなどの単結晶を発光材料に使用したものがあったが、このものは高電圧であり、輝度もそれほど高くなく、表示材料としてはとても使用できるものではなかった(非特許文献2参照)。
タングらの有機EL素子の長所は、電荷の輸送部と発光機能部を分離したことであり、これによりそれまでの有機EL素子に比べて低電圧駆動で高輝度が得られるようになったことである。この技術のさらなる改良によって、有機EL素子は1997年に初めて車載用のディスプレイとして使用されるようになった(非特許文献3参照)。
有機EL素子がディスプレイとして使用されるには、これに使用される材料がその優劣を決める重要な要素となっており、これまで多くの材料が提案され、ディスプレイの構成材料として検証されてきた。
【0003】
有機EL素子において、これまで発光材料に蛍光色素のような低分子系の材料、あるいは共役系ポリマーのような高分子の材料が用いられてきた。低分子系の材料を用いた素子は真空蒸着法で積層するために作製に時間がかかることや大面積成膜には向かないことが挙げられる。一方、高分子材料は塗布により成膜するため大面積でも容易に薄膜化でき、大気中で成膜可能なため、成膜の点では低分子より優位であるが、高分子鎖内の構造欠陥を取り除くことができず、また末端官能基や分子量分布による特性への影響が懸念される。そこで、構造欠陥のない高純度材料が得られるオリゴマーに着目し、有機EL素子の発光層への応用が考えられ、これまで多数の研究機関において合成されてきた。
【0004】
【非特許文献1】C.W.Tang,Van Slyke,Appl.Phys.Lett.,55 931 (1987)
【非特許文献2】M.Pope,H.P.Kallmann,P.Magnannte,J.Chem.Phys.,38,2042(1963)
【非特許文献3】1997年10月1日付 電波新聞
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、新規なビス(テトラフルオレニル)アミン化合物、その製造方法、それを用いた発光材料、ホール輸送材料および有機EL素子を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1は、下記一般式(1)

【化8】

(式中、Qは、
【化9】

であり、R〜Rは、水素、炭素数1〜8の直鎖あるいは分岐のアルキル基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基であり、R〜R33は、水素、炭素数1〜8の直鎖あるいは分岐のアルキル基、置換基を有することもあるアリール基および置換基を有することもあるヘテロアリール基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基であり、
Arは置換基を有することもあるアリール基および置換基を有することもあるヘテロアリール基よりなる群から選ばれた基である。)
で示されるビス(テトラフルオレニル)アミン化合物に関する。
本発明の第2は、下記一般式(2)
【化10】

(式中、Xはハロゲン、R〜Rは、水素、炭素数1〜8の直鎖あるいは分岐のアルキル基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基であり、R〜R33は、水素、炭素数1〜8の直鎖あるいは分岐のアルキル基、置換基を有することもあるアリール基および置換基を有することもあるヘテロアリール基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基である。)
で示されるハロゲン化テトラフルオレン同士と、
一般式(3)
【化11】

(式中、Qは、
【化12】

Arは置換基を有することもあるアリール基および置換基を有することもあるヘテロアリール基よりなる群から選ばれた基である。)
で示されるアミンを反応させることを特徴とする一般式(1)
【化13】

(式中、Qは、
【化14】

であり、R〜Rは、水素、炭素数1〜8の直鎖あるいは分岐のアルキル基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基であり、R〜R33は、水素、炭素数1〜8の直鎖あるいは分岐のアルキル基、置換基を有することもあるアリール基および置換基を有することもあるヘテロアリール基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基であり、
Arは置換基を有することもあるアリール基および置換基を有することもあるヘテロアリール基よりなる群から選ばれた基である。)
で示されるビス(テトラフルオレニル)アミン化合物の製造方法に関する。
本発明の第3は、請求項1記載のビス(テトラフルオレニル)アミン化合物よりなる発光材料に関する。
本発明の第4は、請求項1記載のビス(テトラフルオレニル)アミン化合物よりなるホール輸送材料に関する。
本発明の第5は、請求項1記載のビス(テトラフルオレニル)アミン化合物を含有する有機EL素子に関する。
【0007】
前記R〜RおよびR〜R33における炭素数1〜8の直鎖あるいは分岐のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、n−アミル、iso−アミル、n−ヘキシル、iso−ヘキシル、n−ヘプチル、iso−ヘプチル、n−オクチル、iso−オクチル、2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
【0008】
前記R〜R33およびArにおけるアリール基としては、フェニル、ビフェニル、ターフェニル、クォーターフェニル、クインクィフェニル、セスキフェニル、セプチフェニル、オクチフェニル、ノビフェニル、デシフェニル、ナフチル、アントラニル、フェナンソレニル、ナフタセニル、クリセニル、インデニル、アズレニル、as−インダセニル、s−インダセニル、アセナフチレニル、フルオレニル、フェナレニル、フルオラセニル、アセナフタレニル、ピレニル、ペリレニル、ペンタセニルなどが挙げられる。なおこれらの化合物はいずれも置換基を有していても良い。
【0009】
前記R〜R33およびArにおけるヘテロアリール基としては、フラニル、ピロロニル、3−ピロロリニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、トリアゾリル、ピラニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1,3,5−トリアジニル、ベンゾフラニル、インドリル、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キノキサリニル、カルバゾリル、アクリジニル、クマリル、1,10−フェナントレニルなどを挙げることができる。なお、これらの化合物はいずれも置換基を有していても良い。
【0010】
本発明の1つの具体的製方法としては、下記の方法を挙げることができる。
【化15】


【化16】

なお、前記式中Q、Ar、R〜R33、Xは前述のとおりであり、
Yは、下記一般式よりなる群から選ばれた「ホウ酸エステルもしくはホウ酸」由来の基であり、
【化17】

(RO)Yは、下記一般式よりなる群から選ばれた「ホウ酸エステルもしくはホウ酸」由来の基である。
【化18】

前記Rはアルキル基である。
【0011】
本発明の製造法について具体的に説明する。
本製造法の第一反応は、原料のジハロゲン化フルオレン化合物とフルオレンホウ酸化合物を反応溶媒中、塩基存在下パラジウム触媒を加えてフルオレン二量体を合成する反応である。ここで用いる反応は一般に鈴木−宮浦カップリング(通称鈴木カップリング)反応と呼ばれるものである。詳細は、Miyaura,N.:Suzuki,A.Chem.Rev.1995,95,2457などに記述されている。
この反応では、2つの原料を有機溶媒、たとえばトルエン、キシレンあるいはエチルベンゼンのような芳香族炭化水素とメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールあるいはn−ブタノールなどのアルコール類、テトラヒドロフランやジグライムのようなエーテル類、アセトンあるいはアセトニトリルなどの水溶性溶媒など単独あるいは2種類以上の溶媒を組み合わせた溶媒の中に溶解する。使用する塩基としては、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩などである。これらの塩基に含まれるアルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどである。好ましい例としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸ナトリウムやリン酸カリウムなどでありより好ましくは炭酸ナトリウム、炭酸カリウムである。これらの塩基については、水溶液として使用するのが好ましい。その濃度については、0.5〜10.0M(mol/L)の範囲であるが、好ましくは1.0〜5.0Mであり、より好ましくは1.5〜2.5Mである。
触媒として使用するパラジウム化合物は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムやジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムのような有機パラジウム錯体が使用されるが、一般的にPd(0)であれば特に限定されるものではない。ここで用いられる有機ハロゲン化物としては塩化物、臭化物、ヨウ化物が用いられるが、好ましくは臭化物あるいはヨウ化物、より好ましくは臭化物が挙げられる。
反応温度については、一般的に溶媒が沸騰する温度であり、用いる反応溶媒によって反応温度は異なる。たとえばトルエン−水の混合溶媒では、80.0〜90.0℃であり、テトラヒドロフランの単独溶媒の場合、63.0〜65.0℃である。
完結に要する時間は5〜24時間であるが、好ましくは10〜20時間、より好ましくは15〜20時間である。
このようにしてできたハロゲン化物については、反応後塩基層を除去し、有機層を水洗した後粗製物を取り出す。その後シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製を行い、目的物を得る。
【0012】
本製造法の第二反応は、第一反応で得られたハロゲン化物をホウ酸化合物に変換する反応である。
ここではハロゲン化ジフルオレン化合物をテトラヒドロフランのようなエーテル溶媒中に溶かし、極低温中でブチルリチウムと反応させ、一旦リチオ化し、ついで有機ホウ酸化合物と反応させる。
ここで用いられる有機ハロゲン化物としては、塩化物、臭化物、ヨウ化物が用いられるが、好ましくは臭化物あるいはヨウ化物、より好ましくは臭化物が挙げられる。
本反応で使用される溶媒は、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジグライムなどの直鎖飽和エーテル、テトラヒドロフランや1,4−ジオキサンのような飽和環状エーテル、アニソールのような芳香族エーテルが使用できる。好ましくは、エチルエーテル、テトラヒドロフランや1,4−ジオキサン、より好ましくはテトラヒドロフランが挙げられる。
リチオ化に用いられる有機リチウム試薬としては、n−ブチルリチウムの炭化水素溶液が好ましい。さらにはn−ブチルリチウム濃度としては、0.5mol/l〜3.0mol/lの範囲のものが使用できるが、好ましくは1.0mol/l〜3.0mol/l、より好ましくは1.5mol/l〜2.0mol/lである。希釈している溶媒については、n−ペンタン、n−へキサンやn−ヘプタンといった飽和炭化水素溶媒やベンゼン、トルエン、キシレンやエチルベンゼンといった芳香族炭化水素溶媒が使用できる。好ましくは、n−ヘキサン、n−ヘプタン、トルエンやキシレン、より好ましくはn−ヘキサンである。
リチオ化の反応温度については、生成するリチオ化物が室温条件では壊れてしまうため低温で反応を行うことが重要である。好ましい温度としては−40℃〜−200℃、より好ましくは−50℃〜−80℃である。反応時間については、30分〜12時間であるが好ましくは、1時間〜4時間、より好ましくは2時間〜3時間である。
このように反応させたリチオ化物は、取り出すことなく次の有機ホウ酸化合物との反応に用いることができる。
得られたリチオ化物については、その後有機ホウ酸化合物との反応に使用する。ここで用いる有機ホウ酸化合物については、アルキルホウ酸エステルでもアリールホウ酸エステルでも特に限定されるものではない。アルキルホウ酸エステルとしては、ホウ酸トリメチルエステル、ホウ酸トリエチルエステル、ホウ酸トリn−プロピルエステル、ホウ酸トリイソプロピルエステル、ホウ酸トリn−ブチルエステル、ホウ酸トリn−ヘキシルエステル、ホウ酸トリn−オクチルエステル、ホウ酸トリn−デシルエステル、ホウ酸トリn−ヘキサデシルエステルあるいはホウ酸トリn−オクタデシルエステルなどや2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランのような環状ホウ酸エステルが例示できる。アリールホウ酸エステルとしては、ホウ酸トリフェニルエステル、ホウ酸トリ(p−クロロフェニル)エステルあるいはホウ酸トリ(o−トリル)エステルなどを例示することができる。好ましくは、ホウ酸トリメチルエステル、ホウ酸トリイソプロポキシエステルあるいは2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを、より好ましくはホウ酸トリイソプロポキシエステルあるいは2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを挙げることができる。
有機ホウ酸化合物との反応温度は、通常リチオ化条件で使用した温度で実施することが望ましい。
上記有機ホウ酸化合物をリチオ化物に滴下する場合、あまり早く滴下すると反応系の温度が急激に上昇し、反応系の温度を維持するのが困難になるので、−65℃〜−70℃を維持しながら滴下するのが望ましい。
滴下終了後は、未反応の有機ホウ酸化合物が存在するため、すぐには昇温せずしばらくは滴下時の温度を維持することが好ましい。この場合しばらくとは30分から1時間、好ましくは30分を意味する。その後冷却浴を取り除き、室温に戻し反応を完結する。この場合室温とは15〜35℃を、好ましくは20〜30℃、より好ましくは20〜25℃を意味する。完結に要する時間は5〜24時間であるが、好ましくは10〜20時間、より好ましくは15〜20時間である。
このようにしてできたホウ酸化合物は、ホウ酸エステル化合物あるいは加水分解を行いホウ酸体として取り出すことができる。取り出されたホウ酸化合物は、このままでは次の反応で使うには純度が不足するため、シリカゲルカラムクロマトグラフあるいは再結晶により精製を行う。
【0013】
本製造法の第三反応は、第一反応と同様にホウ酸エステル化合物またはホウ酸化合物とハロゲン化フルオレンを反応させ、ジフルオレン化合物を得る反応である。詳細は、Miyaura,N.:Suzuki,A.Chem.Rev.1995,95,2457などに記述されている。
反応に用いるハロゲン化フルオレンのハロゲンについては、塩素、臭素またはヨウ素が使用できる。好ましくは臭素、ヨウ素である。この反応で用いる溶媒、パラジウム触媒そして塩基については、第一反応に準ずる。反応条件も第一反応の条件を適応できる。
このようにしてできたジフルオレンについては、反応後塩基層を除去し、有機層を水洗した後、粗製物を取り出す。その後シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製を行い、目的物を得る。
【0014】
本製造の第四反応は、第三反応で得られたジフルオレンを溶媒存在中、塩化第二鉄を触媒として、臭素と反応させ、臭素化する反応である。ここでの反応式のXについては、臭素に限定する。
反応で用いる溶媒としては、クロロホルムのようなハロゲン化物、アセトニトリル、1,4−ジオキサンのような溶媒が臭素化されないものであれば特に限定されるものではない。
触媒の塩化第二鉄に関しては、メッシュの粗さが反応時間に影響するため、微粉末状のものを使用するのが望ましい。
臭素については、市販のものであれば特に限定されるものではない。臭素の使用量については、規定量より多ければポリ臭素化され、少なければ未反応のジフルオレンが残る。通常は、フルオレン1に対して臭素は2〜3倍量、好ましくは、2〜2.5倍量、より好ましくは2〜2.2倍量を使用する。
反応温度については、反応温度が高い場合反応が急激に進行するため、多くの不純物を発生し、低い場合は反応時間に影響する。通常は−10℃〜15℃、好ましくは−10℃〜10℃、より好ましくは−5℃〜5℃ある。
【0015】
本製造の第五反応は、第二反応と第四反応で得られたジフルオレン化合物類を第一反応、第三反応同様鈴木−宮浦カップリング(通称鈴木カップリング)反応で四量化する反応である。反応の詳細については、第一反応、第三反応でそれぞれ述べたとおりである。
【0016】
本製造の第六反応は、第五反応で得られたフルオレン四量体をアミン化合物と反応させ目的のアリール化合物を得るものである。
本反応で用いる溶媒としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼンといった芳香族溶媒が適当である。塩基については、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどのアルカリ金属である。通常用いられる形としては、アルコキシ塩であり、メトキシ塩、エトキシ塩、プロポキシ塩、ブトキシ塩を例示することができる。好ましいものとしてはターシャルブトキシ塩である。
用いられるパラジウム触媒としては、酢酸パラジウムが好ましい。反応温度は、50℃〜200℃、好ましくは80℃〜150℃、より好ましくは100℃〜140℃である。
反応時間は、10時間〜100時間であるが好ましくは24時間〜72時間、より好ましくは40時間〜60時間である。
このようにしてできたアリール化合物については、反応後塩基層を除去し、有機層を水洗した後粗製物を取り出す。その後シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製を行い、目的物を得る。
【0017】
本発明化合物の具体例を以下に例示する。
【0018】
【化19】

【0019】
【化20】

【0020】
【化21】

【0021】
【化22】

【0022】
【化23】

【0023】
【化24】

【0024】
【化25】

【0025】
【化26】

【0026】
【化27】

【0027】
【化28】

【0028】
【化29】

【0029】
【化30】

【0030】
【化31】

【0031】
【化32】

【0032】
【化33】

【0033】
【化34】

【0034】
【化35】

【0035】
【化36】

【0036】
【化37】

【0037】
【化38】

【0038】
【化39】

【0039】
【化40】

【0040】
【化41】

【0041】
【化42】

【0042】
【化43】

【0043】
本発明の新規なビス(テトラフルオレニル)アミン化合物は高い蛍光量子収率を有する。従って有機エレクトロルミネッセンス素子の発光材料として使用することができる。またホールの移動度も高いためホール輸送材料としても使用することができる。
【0044】
本発明の新規なビス(テトラフルオレニル)アミン化合物を発光層にあるいはホール(正孔)輸送層に用いる場合、本発明の化合物は発光材料あるいはホール輸送材料として使用できる。また他の発光材料あるいはホール輸送材料と組み合わせて使用することができる。
【0045】
次に本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子について説明する。本発明の有機EL素子は、陽極と陰極間に機能分離された多層の有機化合物を積層した素子であり、該有機化合物層の少なくとも一層が本発明のビス(テトラフルオレニル)アミン化合物を含有する。有機EL素子が機能分離された多層型の有機EL素子である場合の構成例としては、例えば陽極(ITO)/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、ITO/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極、ITO/ホール輸送層/発光層/ホールブロック層/電子輸送層/陰極、ITO/ホール輸送層/発光層/ホールブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極、ITO/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/ホールブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極等の多層構成で積層したものが挙げられる。また、必要に応じて陰極上に封止層を有していても良い。
【0046】
ホール輸送層(正孔輸送層)、電子輸送層、および発光層のそれぞれの層は、一層構造であっても、多層構造であっても良い。またホール輸送層、電子輸送層はそれぞれの層で注入機能を受け持つ層(ホール注入層および電子注入層)と輸送機能を受け持つ層(ホール輸送層および電子輸送層)を別々に設けることもできる。
【0047】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、上記構成例に限らず、種々の構成とすることができる。必要に応じて、ホール輸送層成分と発光層成分、あるいは電子輸送層成分と発光層成分を混合した層を設けても良い。
【0048】
以下本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の構成要素に関して、陽極/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰極からなる素子構成を例として取り上げて説明する。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板に支持されていることが好ましい。
【0049】
基板の素材については特に制限はなく、従来の有機エレクトロルミネッセンス素子に慣用されているものであれば良く、例えば、ガラス、石英ガラス、透明プラスチックなどからなるものを用いることができる。
【0050】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極としては、仕事関数の大きな金属単体(4eV以上)、仕事関数の大きな金属同士の合金(4eV以上)または導電性物質およびこれらの混合物を電極材料とすることが好ましい。このような電極材料の具体例としては、金、銀、銅等の金属、ITO(インジウム−スズオキサイド)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)などの導電性透明材料、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子材料が挙げられる。陽極はこれらの電極材料を、例えば蒸着、スパッタリング、塗布などの方法により形成することができる。陽極のシート電気抵抗は数百Ω/cm以下が好ましい。陽極の膜厚は材料にもよるが、一般に5〜1,000nm程度、好ましくは10〜500nmである。
【0051】
陰極としては、仕事関数の小さな金属単体(4eV以下)、仕事関数の小さな金属単体(4eV以下)、仕事関数の小さな金属同士の合金(4eV以下)または導電性物質およびこれらの混合物を電極材料とすることが好ましい。このような電極材料の具体例としては、リチウム、リチウム−インジウム合金、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−マグネシウム合金などが挙げられる。陰極はこれらの電極材料を、例えば蒸着、スパッタリングなどの方法により、薄膜を形成させることにより作成することができる。陰極のシート電気抵抗は数百Ω/cm以下が好ましい。陰極の膜厚は材料にもよるが、一般に5〜1,000nm程度、好ましくは10〜500nmである。本発明の有機EL素子の発光を効率よく取り出すために、陽極または陰極の少なくとも一方の電極は透明もしくは半透明であることが好ましい。
【0052】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子のホール輸送層は、ホール伝達化合物(正孔伝達化合物)からなるもので、陽極より注入されたホール(正孔)を発光層に伝達する機能を有している。電界が与えた2つの電極の間にホール伝達化合物が配置されて陽極からホールが注入された場合、少なくとも10−6cm/V・秒以上のホール移動度を有するホール伝達物質が好ましい。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子のホール輸送層に使用するホール伝達物質は、前記の好ましい性能を有するものであれば特に制限はない。従来から光導電材料においてホールの電荷注入材料として慣用されているものや有機エレクトロルミネッセンス素子のホール輸送層に使用されている公知の材料の中から任意のものを選択して用いることができる。
【0053】
前記のホール伝達物質としては、たとえば銅フタロシアニンなどのフタロシアニン誘導体、N,N,N′,N′−テトラフェニル−1,4−フェニレンジアミン、N,N′−ジ(m−トリル)−N,N′−ジフェニル−4,4−ジアミノフェニル(TPD)、N,N′−ジ(1−ナフチル)−N,N′−ジフェニル−4,4−ジアミノフェニル(α−NPD)等のトリアリールアミン誘導体、ポリフェニレンジアミン誘導体、ポリチオフェン誘導体、および水溶性のPEDOT−PSS(ポリエチレンジオキサチオフェン−ポリスチレンスルホン酸)などが挙げられる。ホール輸送層は、これらの他のホール伝達化合物一種または二種以上からなる一層で構成されたものでよく、前記のホール伝達物質とは別の化合物からなるホール輸送層を積層したものでも良い。
ホール注入材料としては、下記化学式に示されるPEDOT−PSS(ポリマー混合物)やDNTPDを挙げることができる。

【化44】

ホール輸送材料としては、本発明のビス(テトラフルオレニル)アミン化合物のほか下記化学式に示すTPD、DTASi、α−NPDなどを挙げることができる。
【化45】

【0054】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層については、本発明のビス(テトラフルオレニル)アミン化合物を用いることができる。また従来の公知の発光材料についても特に制限はなく任意のものを選択して用いることができる。
【0055】
公知な発光材料としては、ペリレン誘導体、ナフタセン誘導体、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体(例えばクマリン1、クマリン540、クマリン545など)、ピラン誘導体(例えばDCM−1、DCM−2、DCJTBなど)、有機金属錯体、例えばトリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム錯体(Alq)、トリス(4−メチル−8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム錯体(Almq)等の蛍光材料や[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジル−N,C2′]イリジウム(III)ピコリレート(FIrpic)、トリス{1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ピラゾラート−N,C2′}イリジウム(III)(Irtfmppz)、ビス[2−(4′,6′−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2′]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボレート(FIr6)、トリス(2−フェニルピリジナト)イリジウム(III)(Irppy)などのリン光材料などを挙げることができる。
【0056】
発光層は、ホスト材料とゲスト材料(ドーパント)から形成することもできる[Appl. Phys. Lett.,65 3610 (1989)]。特にリン光材料を発光層に使用する場合、ホスト材料の使用が必要であり、この時使用されるホスト材料としては4,4′−ジ(N−カルバゾリル)−1,1′−ビフェニル(CBP)、1,4−ジ(N−カルバゾリル)ベンゼン−2,2′−ジ[4″−(N−カルバゾリル)フェニル]−1,1′−ビフェニル(4CzPBP)等が挙げられる。
【0057】
ゲスト材料は、ホスト材料に対して好ましくは0.01〜40重量%であり、より好ましくは0.1〜20重量%である。ゲスト材料としては、下記に示す従来公知のFIrpic、Irppy、FIr6等を挙げることができる。
【化46】

【0058】
本発明の有機EL素子の電子輸送層は、電子伝達化合物からなるもので、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有している。電界が与えた2つの電極の間に電子伝達化合物が配置されて陰極から電子が注入された場合、少なくとも10−6cm/V・秒以上の電子移動度を有する電子伝達物質が好ましい。本発明の有機EL素子に使用する電子輸送層に使用する電子伝達物質は、前記の好ましい性能を有するものであれば特に制限はない。従来から光導電材料において電子の電荷注入材料として慣用されているものや有機EL素子の電子輸送層に使用されている公知の材料の中から任意のものを選択して用いることができる。
【0059】
前記の電子伝達物質としては、たとえばトリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム錯体(Alq)のようなキノリン錯体、1−N−フェニル−2−(p−ビフェニルイル)−5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(TAZ)のようなトリアジン誘導体、1,4−ジ(1,10−フェナントロリン−2−イル)ベンゼン(DPB)のようなフェナントロリン誘導体、フッ化リチウムのようなハロゲン化アルカリ金属などが挙げられる。電子輸送層は、これらの他の電子伝達化合物一種または二種以上からなる一層で構成されたものでよく、前記の電子伝達物質とは別の化合物からなる電子輸送層を積層したものでも良い。
電子注入材料としては、下記化学式に示されるフッ化リチウムや8−ヒドロキシキノリノラトリチウム錯体(Liq)などを挙げることができるが、本出願人の特願2006−292032号にかかげるフェナントロリン誘導体のリチウム錯体(LiPB)や特願2007−29695号に掲げるフェノキシピリジンのリチウム錯体(LiPP)を用いることもできる。
【化47】

電子輸送材料としては、下記化学式に示すAlq、TAZ、DPBなどを挙げることができる。
【化48】

本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の電子輸送層の材料は、単独で使用できるが2種類以上の電子輸送材料と併用しても構わない。
【0060】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、電子注入性をさらに向上させる目的で陰極と電子輸送層の間に導電体から構成される電子注入層をさらに設けても良い。ここで使用される導電体としては、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属有機錯体から選択される少なくとも一つの金属化合物を使用することが好ましい。アルカリ金属ハロゲン化物としては、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、塩化リチウムなどが挙げられる。アルカリ土類金属ハロゲン化物としては、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化ストロンチウムなどが挙げられる。アルカリ金属有機錯体としては、8−ヒドロキシキノリノラトリチウム、8−ヒドロキシキノリノラトセシウムなどが挙げられる。
【0061】
ホール輸送層、発光層の形成方法については特に限定されるものではない。例えば乾式製膜法(例えば真空蒸着法、イオン化蒸着法など)、湿式製膜法[溶媒塗布法(例えばスピンコート法、キャスト法、インクジェット法など)]を使用することができる。本発明の新規なビス(テトラフルオレニル)アミン化合物は、乾式製膜法(例えば真空蒸着法、イオン化蒸着法など)が好ましい。電子輸送層の製膜については、湿式製膜法で行うと下層が溶出する恐れがあるため乾式製膜法(例えば真空蒸着法、イオン化蒸着法など)に限定される。素子の作成については上記の製膜法を併用しても構わない。
【0062】
真空蒸着法によりホール輸送層、発光層、電子輸送層などの各層を形成する場合、真空蒸着条件は特に限定されるものではない。通常10−5Torr程度以下の真空下で50〜500℃程度のボート温度(蒸着原温度)、−50〜300℃程度の基板温度で、0.01〜50nm/sec.程度蒸着することが好ましい。ホール輸送層、発光層、電子輸送層の各層を複数の化合物を使用して形成する場合、化合物を入れたボートをそれぞれ温度制御しながら共蒸着することが好ましい。
【0063】
ホール輸送層、発光層などを溶媒塗布法で形成する場合、構成する成分を溶媒に溶解または分散させて塗布液とする。溶媒としては、炭化水素系溶媒(例えばヘプタン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等)、ケトン系溶媒(例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、ハロゲン系溶媒(例えばジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)、エステル系溶媒(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル等)、アルコール系溶媒(例えばメタノール、エタノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、エーテル系溶媒(例えばジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等)、非プロトン性溶媒(例えばN,N′−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等)、水等が挙げられる。溶媒は単独で使用しても良く、複数の溶媒を併用しても良い。
【0064】
ホール輸送層、発光層、電子輸送層等の各層の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常5〜5,000nmになるようにする。
【0065】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、酸素や水分等の接触を遮断する目的で保護層(封止層)を設けたり、不活性物質中に素子を封入して保護することができる。不活性物質としては、パラフィン、シリコンオイル、フルオロカーボン等が挙げられる。保護層に使用する材料としては、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、光硬化性樹脂等がある。
【0066】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、通常直流駆動の素子として使用できる。直流電圧を印加する場合、陽極をプラス、陰極をマイナスの極性として通常1.5〜20V程度印加すると発光が観察される。また本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は交流駆動の素子としても使用できる。交流電圧を印加する場合には、陽極がプラス、陰極がマイナスの状態になった時に発光する。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、例えば電子写真感光体、フラットパネルディスプレイなどの平面発光体、複写機、プリンター、液晶ディスプレイのバックライト、計器等の光源、各種発光素子、各種表示装置、各種標識、各種センサー、各種アクセサリーなどに使用することができる。
【0067】
図15〜28に、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の好ましい例を示す。
【0068】
図15は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。図15は、基板1上に陽極2、発光層3および陰極4を順次設けた構成のものである。ここで使用する発光材料は、それ自体が正孔輸送性、電子輸送性および発光性の機能を単一で有している場合や、それぞれの機能を有する化合物を混合して使用する場合に有用である。
【0069】
図16は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子における他の例を示す断面図である。図16は、基板1上に陽極2、正孔輸送層5、発光層3および陰極4を順次設けた構成のものである。この場合、発光層は電子輸送性の機能を有している場合に有用である。
【0070】
図17は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子における他の例を示す断面図である。図17は、基板1上に陽極2、発光層3、電子輸送層6および陰極4を順次設けた構成のものである。この場合、発光層はホール輸送性の機能を有している場合に有用である。
【0071】
図18は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子における他の例を示す断面図である。図18は、基板1上に陽極2、ホール輸送層5、発光層3、電子輸送層6および陰極4を順次設けた構成のものである。これはキャリア輸送(ホール輸送と電子輸送の両方を意味する)と発光の機能を分離したものであり、材料選択の自由度が増すために、発光の高効率化や発光色の自由度が増すことになる。
【0072】
図19は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子における他の例を示す断面図である。図19は、基板1上に陽極2、ホール注入層7、ホール輸送層5、発光層3、電子輸送層6および陰極4を順次設けた構成のものである。この場合、ホール注入層7を設けることにより、陽極2とホール輸送層5の密着性を高めたり、陽極からのホールの注入を良くし、発光素子の低電圧化に効果がある。
【0073】
図20は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子における他の例を示す断面図である。図20は、基板1上に陽極2、ホール輸送層5、発光層3、電子輸送層6、電子注入層8および陰極4を順次設けた構成のものである。この場合、陰極4から電子の注入を良くし、発光素子の低電圧化に効果がある。
【0074】
図21は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子における他の例を示す断面図である。図21は、基板1上に陽極2、ホール注入層7、ホール輸送層5、発光層3、電子輸送層6、電子注入層8および陰極4を順次設けた構成のものである。この場合、陽極2からホールの注入を良くし、陰極4から電子注入を良くし、最も低電圧駆動に効果がある構成である。
【0075】
図22〜28は素子の中にホールブロック層9を挿入したものの断面図である。ホールブロック層9は、陽極から注入されたホール、あるいは発光層3で再結合により生成した励起子が、陰極4に抜けることを防止する効果があり、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光効率の向上に効果がある。ホールブロック層9については、発光層3と陰極4の間もしくは発光層3と電子輸送層6の間あるいは発光層3と電子注入層8の間に挿入することができる。より好ましいものは発光層3と電子輸送層6の間である。なお、図22のようにホール輸送層5を有しない構成の有機エレクトロルミネセンス素子が示されているが、本発明化合物はトリアリールアミン骨格を有しているため、ホール輸送性能も兼ね備えているので、必ずしもホール輸送剤やホール輸送層を必要としない。
【0076】
図26や図28における、ホール輸送層5、ホール注入層7、電子輸送層6、電子注入層8、発光層3、ホールブロック層9のそれぞれの層は、一層構造であっても多層構造であっても良い。
【0077】
図15〜28は、あくまでも基本的な素子構成であり、本発明の化合物を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の構成はこれに限定されるものではない。
【発明の効果】
【0078】
本発明の新規なビス(テトラフルオレニル)アミン化合物は、高い量子効率を有するため有機エレクトロルミネッセンス素子の発光材料として有用である。またアルキルフルオレンを多用しているため、蒸着でも塗布でもいずれの方法でも素子が作成できるため応用範囲が広い。作成された膜についてモルフォロジーが高く発光層の安定に寄与する。
また、トリフェニルアミン骨格を有しているため、ホール輸送性を兼ね備えており、ホール輸送層としても機能する。
よって本発明の化合物は、素子の高効率化には必要なものであり、工業的に極めて重要 なものである。
【実施例】
【0079】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0080】
実施例1
N,N−ジ〔テトラ(9,9−ジエチルフルオレン−2−イル)〕ペリレン(略称TFPRA)の合成
1)2−ブロモ−9,9−ジエチルフルオレン(略称BDEF)の合成
【化49】

2−ブロモフルオレン(略称2BF)にブロモエタン(略称BrEt)、相間移動触媒であるテトラブチルアンモニウムクロライド(略称TBACl)、トルエン、50wt%NaOH水溶液を加え、窒素気流下60℃で17時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え抽出、分液し、有機層をイオン交換水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒等を除去し、黄色の液体を得た。精製はカラムクロマトグラフィー法(展開溶媒:n−ヘキサン)で行い、無色透明の粘体を得た。同定はH−NMRスペクトルで行った。
表1に原料の仕込み量およびBDEFの収率を示す。
【0081】
【表1】

図1にBDEFのH−NMRスペクトルを示す。
【0082】
2)2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジエチルフルオレン(略称DOBDEF)の合成
【化50】

2−ブロモ−9,9−ジエチルフルオレン(BDEF)を脱水テトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、窒素気流下で−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(略称n−BuLi)を加え、1時間攪拌し、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(略称DOB)を加え、−78℃で約2時間撹拌したのち室温に戻した。反応終了後、撹拌しているイオン交換水中に静かに注ぎ込み、酢酸エチルを加え、抽出、分液した。有機層をイオン交換水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒等を除去し、無色透明の粘体を得た。精製はカラムクロマトグラフィー法(展開溶媒:n−ヘキサン:トルエン=3:1)で行い、DOBDEFの白色の固体を得た。同定はH−NMRスペクトルとMassスペクトルで行った。
表2に原料の仕込み量およびDOBDEFの収率を示す。
【0083】
【表2】

図2にDOBDEFのH−NMRスペクトルを、図3にMassスペクトル示す。
【0084】
3)2,7−ジブロモ−9,9−ジエチルフルオレン(略称DBDEF)の合成
【化51】

2,7−ジブロモフルオレン(略称2,7−DBF)にブロモエタン(略称BrEt)、相間移動触媒であるテトラブチルアンモニウムクロライド(略称TBACl)、トルエン、50wt%NaOH水溶液を加え、窒素気流下60℃で16時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え、抽出、分液した。有機層をイオン交換水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒等を除去し、黄色の固体を得た。精製はカラムクロマトグラフィー法(展開溶媒:n−へキサン:ジクロロメタン=3:1)で行い、DBDEFの薄い黄色の結晶を得た。同定はH−NMRスペクトルで行った。
表3に原料の仕込み量およびDBDEFの収率を示す。
【0085】
【表3】

図4にDBDEFのH−NMRスペクトルを示す
【0086】
4)2−ブロモ−ジ(9,9−ジエチルフルオレン−2−イル)(略称BDE)の合成
【化52】

2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジエチルフルオレン(略称DOBDEF)、2,7−ジブロモ−9,9−ジエチルフルオレン(略称DBDEF)、テトラキストリフェニルホスフィン〔Pd(PPh〕、をトルエンに溶解させ、NaCO水溶液(2M濃度)を注ぎ、窒素気流下90℃で10時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチルで抽出、分液した。有機層をイオン交換水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒等を除去し、白色の固体を得た。精製はカラムクロマトグラフィー法(展開溶媒:n−へキサン:クロロホルム=4:1)で荒わけした後、n−ヘキサンとトルエンとの混合溶媒(n−ヘキサン:トルエン=5:1)で再結晶で行い、BDEの白色の固体を得た。同定はH−NMRスペクトルで行った。
表4に原料の仕込み量およびBDEの収率を示す。
【0087】
【表4】

図5にBDEのH−NMRスペクトルを示す。
【0088】
5)2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−ジ(9,9−ジエチルフルオレン−2−イル)(略称DOBDDEF)の合成
【化53】

2−ブロモ−ジ(9,9−ジエチルフルオレン−2−イル)(略称BDE)、下記式に示すビス(ピナコラート)ジボラン(略称BisPDB)、下記式に示すPdCl(dppf)、酢酸カリウム(KOAc)をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させ、窒素気流下80℃で21時間撹拌した。トルエンで抽出した。有機層をイオン交換水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を除留した。精製はカラムクロマトグラフィー法(展開溶媒:n−へキサン:トルエン=1:1)で荒わけした後、n−ヘキサンを再結晶溶媒として使用して、再結晶(再結晶溶媒:n−ヘキサン)を行い、DOBDDEFの白色の固体を得た。同定はH−NMRスペクトルで行った。
【化54】

【化55】

表5に原料の仕込み量およびDOBDDEFの収率を示す。
【0089】
【表5】

図6にDOBDDEFのH−NMRスペクトルを示す。
【0090】
6)2,2′−ジ(9,9−ジエチルフルオレン)(略称DF)の合成
【化56】

2−ブロモ(9,9−ジエチルフルオレン)(略称BDEF)、2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジエチルフルオレン(略称DOBDEF)、下記式に示すPd(PPh、をトルエンに溶解させ、NaCO水溶液(2M濃度)を注ぎ、窒素気流下90℃で10時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチルで抽出、分液した。有機層をイオン交換水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒等を除去し、白色の固体を得た。精製はカラムクロマトグラフィー法(展開溶媒;n−へキサン:クロロホルム=4:1)で行い、DFの白色の固体を得た。同定はH−NMRスペクトル、Massスペクトルで行った。
表6に原料の仕込み量およびDFの収率を示す。
【化57】

【0091】
【表6】

図7にDFのH−NMRスペクトルを、図8にMassスペクトル示す。
【0092】
7)7,7′−ジブロモ−9,9,9′9′−テトラエチル−2,2′−ビフルオレン(略称DBEBF)の合成
【化58】

2,2′−ジ(9,9−ジエチルフルオレン)(略称DF)に塩化鉄(III)、クロロホルムを加えて撹拌し、−5℃〜2℃になるまで冷却した。その後臭素を加え、2時間撹拌した。その後、1日常温で攪拌した。
反応終了後、チオ硫酸ナトリウム水溶液(25wt%)を注ぎ、水層をクロロホルムで抽出、有機層をチオ硫酸ナトリウム水溶液、イオン交換水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、再結晶後、DBEBFの茶色の固体を得た。同定はMassスペクトルで行った。
表7に原料の仕込み量およびDBEBFの収率を示す。
【0093】
【表7】

図9にDBEBFのMassスペクトル示す。
【0094】
8)2−ブロモ−テトラ(9,9−ジエチルフルオレン−2−イル)(略称BTDE)の合成
【化59】

2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−ジ(9,9−ジエチルフルオレン−2−イル)(略称DOBDDEF)、7,7′−ジブロモ−9,9,9′9′−テトラエチル−2,2′−ビフルオレン(略称DBEBF)をトルエンに溶解させ、Pd(PPh、NaOH水溶液(2M濃度)、エタノールを注ぎ、窒素気流下70℃で104時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加えて抽出を行い、有機層をイオン交換水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。精製はシリカゲルカラムクロマトグラフィー法(展開溶媒:n−へキサン:クロロホルム=4:1)、分取ゲル浸透クロマトグラフィーで行い、BTDEの白色の固体を得た。
表8に原料の仕込み量およびBTDEの収率を示す。
【0095】
【表8】

図10にBTDEのMassスペクトル示す。図10中の数字962は化合物の分子量である。
【0096】
9)3−ニトロペリレン(略称3−NOP)の合成
【化60】

50℃のウォーターバスにて、ペリレンを無水酢酸に溶解させた。その後、ウォーターバスから、アイスバスにフラスコを移し、10℃に冷却した。続いて、発煙硝酸(d=1.50)を無水酢酸に溶解し、溶液中に滴下した。さらに、98%濃硫酸を無水酢酸に溶かし滴下した。その後、アイスバスにおいて冷却した大量(5リットル)の氷水中に反応溶液を注ぎ一晩中攪拌した。
次に、濃赤色の沈殿物を吸引ろ過し、ろ過物をテトラヒドロフラン(THF)に溶解後イオン交換水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、その後、溶媒を除去した。精製はカラムクロマトグラフィー法(展開溶媒;トルエン:n−へキサン=2:1)を行い、3−NOPの濃赤色の固体を得た。同定はH−NMRスペクトル、Massスペクトルで行った。
【0097】
表9に原料の仕込み量および3−NOPの収率を示す。
【表9】

図11に3−NOPのH−NMRスペクトルを、図12にMassスペクトル示す。
【0098】
10)3−アミノペリレン(略称3−AMP)の合成
【化61】

80℃のオイルバスにて3−NOPをエタノールに溶解させた。その後、5%パラジウムカーボンと100%ヒドラジン一水和物を加え20分間攪拌した。反応終了後、吸引ろ過にて触媒を除去し、濃縮、減圧乾燥後、橙色の固体を得た。同定はH−NMRスペクトル、Massスペクトルにより行った。
表10に原料の仕込み量および3−AMPの収率を示す。
【0099】
【表10】

図13に3−AMPのH−NMRスペクトルを、図14にMassスペクトル示す。
【0100】
11)N,N−ジ〔テトラ(9,9−ジエチルフルオレン−2−イル)〕ペリレン(略称TFPRA)の合成
【化62】

2−ブロモ−テトラ(9,9−ジエチルフルオレン−2−イル)(BTDE)、ナトリウム第三級ブチラート、酢酸パラジウム、1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(DPPF)(鉄触媒)を、精製したトルエンに溶解させた後、精製したアニリンを加え反応させた。各成分のモル数は下記表のとおりである。反応終了後酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥させた。その後、溶媒等を除去し黒色の固体を得た。精製はカラムクロマトグラフィー法(n−ヘキサン:ジクロロメタン=5:1)、再結晶(n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で行い、黄色がかった粉末状の固体を得た。
【表11】

【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】実施例1における2−ブロモ−9,9−ジエチルフルオレン(略称BDEF)のH−NMRスペクトルを示すチャートである。
【図2】実施例1における2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジエチルフルオレン(略称DOBDEF)のH−NMRスペクトルを示すチャートである。
【図3】実施例1における2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジエチルフルオレン(略称DOBDEF)のMassスペクトルを示すチャートである。
【図4】実施例1における2,7−ジブロモ−9,9−ジエチルフルオレン(略称DBDEF)のH−NMRスペクトルを示すチャートである。
【図5】実施例1における2−ブロモ−ジ(9,9−ジエチルフルオレン−2−イル)(略称BDE)のH−NMRスペクトルを示すチャートである。
【図6】実施例1における2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−ジ(9,9−ジエチルフルオレン−2−イル)(略称DOBDDEF)のH−NMRスペクトルを示すチャートである。
【図7】実施例1における2,2′−ジ(9,9−ジエチルフルオレン)(略称DF)のH−NMRスペクトルを示すチャートである。
【図8】実施例1における2,2′−ジ(9,9−ジエチルフルオレン)(略称DF)のMassスペクトル示すチャートである。
【図9】実施例1における7,7′−ジブロモ−9,9,9′9′−テトラエチル−2,2′−ビフルオレン(略称DBEBF)のMassスペクトル示すチャートである。
【図10】実施例1における2−ブロモ−テトラ(9,9−ジエチルフルオレン−2−イル)(略称BTDE)のMassスペクトル示すチャートである。
【図11】実施例1における3−ニトロペリレン(略称3−NOP)のH−NMRスペクトルを示すチャートである。
【図12】実施例1における3−ニトロペリレン(略称3−NOP)のMassスペクトル示すチャートである。
【図13】実施例1における3−アミノペリレン(略称3−AMP)のH−NMRスペクトルを示すチャートである。
【図14】実施例1における3−アミノペリレン(略称3−AMP)のMassスペクトル示すチャートである。
【図15】本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。
【図16】本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。
【図17】本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。
【図18】本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。
【図19】本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。
【図20】本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。
【図21】本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。
【図22】本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。
【図23】本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。
【図24】本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。
【図25】本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。
【図26】本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。
【図27】本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。
【図28】本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0102】
1 基板
2 陽極(ITO)
3 発光層
4 陰極
5 正孔輸送層(ホール輸送層)
6 電子輸送層
7 正孔注入層(ホール注入層)
8 電子注入層
9 正孔ブロック層(ホールブロック層)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)
【化1】

(式中、Qは、
【化2】

であり、R〜Rは、水素、炭素数1〜8の直鎖あるいは分岐のアルキル基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基であり、R〜R33は、水素、炭素数1〜8の直鎖あるいは分岐のアルキル基、置換基を有することもあるアリール基および置換基を有することもあるヘテロアリール基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基であり、
Arは置換基を有することもあるアリール基および置換基を有することもあるヘテロアリール基よりなる群から選ばれた基である。)
で示されるビス(テトラフルオレニル)アミン化合物。
【請求項2】
下記一般式(2)
【化3】

(式中、Xはハロゲン、R〜Rは、水素、炭素数1〜8の直鎖あるいは分岐のアルキル基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基であり、R〜R33は、水素、炭素数1〜8の直鎖あるいは分岐のアルキル基、置換基を有することもあるアリール基および置換基を有することもあるヘテロアリール基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基である。)
で示されるハロゲン化テトラフルオレン同士と、
一般式(3)

【化4】

(式中、Qは、
【化5】

Arは置換基を有することもあるアリール基および置換基を有することもあるヘテロアリール基よりなる群から選ばれた基である。)
で示されるアミンを反応させることを特徴とする一般式(1)
【化6】

(式中、Qは、
【化7】

であり、R〜Rは、水素、炭素数1〜8の直鎖あるいは分岐のアルキル基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基であり、R〜R33は、水素、炭素数1〜8の直鎖あるいは分岐のアルキル基、置換基を有することもあるアリール基および置換基を有することもあるヘテロアリール基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基であり、
Arは置換基を有することもあるアリール基および置換基を有することもあるヘテロアリール基よりなる群から選ばれた基である。)
で示されるビス(テトラフルオレニル)アミン化合物の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載のビス(テトラフルオレニル)アミン化合物よりなる発光材料。
【請求項4】
請求項1記載のビス(テトラフルオレニル)アミン化合物よりなるホール輸送材料。
【請求項5】
請求項1記載のビス(テトラフルオレニル)アミン化合物を含有する有機EL素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2009−191022(P2009−191022A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−33723(P2008−33723)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(394013644)ケミプロ化成株式会社 (63)
【Fターム(参考)】