説明

ビデオゲーム処理装置、ビデオゲーム処理方法、およびビデオゲーム処理プログラム

【課題】プレイヤに煩わしい操作を強いることなく、バリエーションに富んだ戦略性を有する技をパーティに属する各キャラクタそれぞれに設定する。
【解決手段】業務用ゲーム機10が、メインプレイヤキャラクタ及びサブキャラクタが属するパーティと敵キャラクタとのバトルを制御し、メインプレイヤキャラクタの職業を設定し、設定されたメインプレイヤキャラクタの職業に応じて、サブキャラクタの行動を指定するために選択可能な行動指定コマンド(通常コマンド)を決定し、決定した行動指定コマンドを選択可能な行動指定コマンドとして設定し、バトルの制御において、設定されている行動指定コマンドのみをサブキャラクタの行動を指定するための行動指定コマンドとして受け付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤが操作するメインプレイヤキャラクタ及びサブキャラクタを表示画面上に表示し、敵キャラクタとの戦闘を含むビデオゲームの進行を制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゲームセンタ等の公衆スペースに設置される各種のアーケードゲーム装置などのビデオゲーム装置において、磁気カードなどのカードに記憶されたカード情報を利用したものが提案され、その公衆スペースにおいて使用されている。
【0003】
特許文献1には、このようなビデオゲーム装置において、キャラクタが実行可能な技をカードに記憶し、そのカードを用いてキャラクタに実行させる技を指定することが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−73681号公報(段落0073)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来のビデオゲーム装置では、プレイヤキャラクタなどの1つのキャラクタの技をプレイヤが指定するものであり、味方が複数のキャラクタで構成される場合に各キャラクタに適切に技を指定することは想定されていない。
【0006】
従来のビデオゲーム装置において、プレイヤキャラクタが複数のキャラクタが属するパーティで構成されているときにプレイヤからの要求に応じて技を設定する場合には、プレイヤキャラクタの技のみがプレイヤの要求に応じて設定されて他のキャラクタはプレイヤの要求に応じて設定されることなく自動的に制御されることとなるか、個々のキャラクタそれぞれについてプレイヤからの要求を受け付けてそれぞれのキャラクタに技を設定することになるものと考えられる。
【0007】
従って、プレイヤキャラクタが複数のキャラクタが属するパーティで構成されている場合に、プレイヤに煩わしい操作を強いることなく、バリエーションに富んだ戦略性を有する技をパーティに属する各キャラクタそれぞれに設定することが可能なビデオゲーム装置が望まれている。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決すべく、プレイヤに煩わしい操作を強いることなく、バリエーションに富んだ戦略性を有する技をパーティに属する各キャラクタそれぞれに設定することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のビデオゲーム処理装置は、プレイヤが操作するメインプレイヤキャラクタ及びサブキャラクタを表示画面上に表示し、敵キャラクタとの戦闘を含むビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置であって、前記メインプレイヤキャラクタ及び前記サブキャラクタが属するパーティと前記敵キャラクタとのバトルを制御するバトル制御手段と、前記メインプレイヤキャラクタの職業を設定する職業設定手段と、該職業設定手段によって設定された前記メインプレイヤキャラクタの職業に応じて、前記サブキャラクタの行動を指定するために選択可能な行動指定コマンドを決定し、決定した行動指定コマンドを選択可能な行動指定コマンドとして設定する選択可能コマンド設定手段とを含み、前記バトル制御手段は、前記バトルの制御において、前記選択可能コマンド設定手段によって設定されている行動指定コマンドのみを前記サブキャラクタの行動を指定するための行動指定コマンドとして受け付けるコマンド受付手段を有することを特徴とする。
【0010】
上記の構成としたことで、プレイヤに煩わしい操作を強いることなく、バリエーションに富んだ戦略性を有する技をパーティに属する各キャラクタそれぞれに設定することが可能なビデオゲームを提供することができるようになる。
【0011】
前記職業設定手段は、プレイヤによって指定された前記メインプレイヤキャラクタの装備品に応じた職業を設定する構成とされていてもよい。
【0012】
プレイヤが提示したカードに登録されたカード情報を読み取るカード情報読取手段を含み、前記職業設定手段は、前記カード情報読取手段が読み取ったカード情報に含まれている前記メインプレイヤキャラクタの装備品に応じた職業を設定する構成とされていてもよい。
【0013】
前記職業設定手段は、前記バトル制御手段によるバトルの制御中に前記メインプレイヤキャラクタの装備品が変更した場合には、装備品の変更に伴い職業が変更するか否か判定し、変更する場合には変更後の職業を設定し、前記選択可能コマンド設定手段は、前記職業設定手段によって設定された前記メインプレイヤキャラクタの変更後の職業に応じて、前記サブキャラクタの行動を指定するために選択可能な行動指定コマンドを決定し、決定した行動指定コマンドを選択可能な行動指定コマンドに変更して設定する構成とされていてもよい。
【0014】
前記サブキャラクタの行動を指定するための行動指定コマンドと、選択可能とするための条件である前記メインプレイヤキャラクタの職業とが対応付けされた選択影響職業対応情報を記憶する選択影響職業対応情報記憶手段を含み、前記選択可能コマンド設定手段は、前記選択影響職業対応情報に基づいて、前記サブキャラクタの行動を指定するために選択可能な行動指定コマンドを決定する構成とされていてもよい。
【0015】
前記バトル制御手段は、前記選択可能コマンド設定手段によって設定されている選択可能な行動指定コマンドを、前記サブキャラクタの行動を指定するために選択可能な行動指定コマンドとして前記表示画面上に表示するコマンド表示手段を有し、前記コマンド受付手段は、前記コマンド表示手段によって選択可能な行動指定コマンドとして表示されている行動指定コマンドのみを前記サブキャラクタの行動を指定するための行動指定コマンドとして受け付ける構成とされていてもよい。
【0016】
ビデオゲーム処理装置の筐体に設けられたプレイヤからの入力操作を受け付ける操作手段を含み、前記コマンド表示手段によって選択可能な行動指定コマンドとして表示されている行動指定コマンドは、前記操作手段のいずれかに対応付けされており、前記コマンド受付手段は、プレイヤからの入力操作を受け付けた操作手段に対応付けされている行動指定コマンドを、前記サブキャラクタの行動を指定するための行動指定コマンドとして受け付ける構成とされていてもよい。
【0017】
また、本発明のビデオゲーム処理方法は、プレイヤが操作するメインプレイヤキャラクタ及びサブキャラクタを表示画面上に表示し、敵キャラクタとの戦闘を含むビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理方法であって、前記メインプレイヤキャラクタ及び前記サブキャラクタが属するパーティと前記敵キャラクタとのバトルを制御するバトル制御処理と、前記メインプレイヤキャラクタの職業を設定する職業設定処理と、該職業設定処理にて設定した前記メインプレイヤキャラクタの職業に応じて、前記サブキャラクタの行動を指定するために選択可能な行動指定コマンドを決定し、決定した行動指定コマンドを選択可能な行動指定コマンドとして設定する選択可能コマンド設定処理とを含み、前記バトル制御処理では、前記バトルの制御において、前記選択可能コマンド設定処理にて設定している行動指定コマンドのみを前記サブキャラクタの行動を指定するための行動指定コマンドとして受け付けるコマンド受付処理を実行することを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明のビデオゲーム処理プログラムは、プレイヤが操作するメインプレイヤキャラクタ及びサブキャラクタを表示画面上に表示し、敵キャラクタとの戦闘を含むビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理プログラムであって、コンピュータに、前記メインプレイヤキャラクタ及び前記サブキャラクタが属するパーティと前記敵キャラクタとのバトルを制御するバトル制御処理と、前記メインプレイヤキャラクタの職業を設定する職業設定処理と、該職業設定処理にて設定した前記メインプレイヤキャラクタの職業に応じて、前記サブキャラクタの行動を指定するために選択可能な行動指定コマンドを決定し、決定した行動指定コマンドを選択可能な行動指定コマンドとして設定する選択可能コマンド設定処理とを実行させ、前記バトル制御処理では、前記バトルの制御において、前記選択可能コマンド設定処理にて設定している行動指定コマンドのみを前記サブキャラクタの行動を指定するための行動指定コマンドとして受け付けるコマンド受付処理を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、プレイヤに煩わしい操作を強いることなく、バリエーションに富んだ戦略性を有する技をパーティに属する各キャラクタそれぞれに設定することが可能なビデオゲームを提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施の形態における業務用ゲーム機(アーケードゲーム装置)の外観構成を示す構成図である。図1に示すように、業務用ゲーム機10は、筐体11の前面上部に音声を出力するスピーカ12と、CRTや液晶表示器などからなり、画像を表示する表示装置13とが配置されている。筐体11の前面下部にゲームを開始するためのコインを投入するためのコイン投入口14と、後述するゲーム用カード(以下、単に「カード」と呼ぶ。)を外部に排出するためのカード排出口15とが設けられている。
【0022】
筐体11の上部の表示装置13と、下部のコイン投入口14との間にある台状面には、左右に1stプレイヤ操作ボタン16aと、2ndプレイヤ操作ボタン16bとが設けられている。1stプレイヤ操作ボタン16aは、本業務用ゲーム機を用いて、プレイヤが一人でゲームを行う(同一構成の業務用ゲーム機との通信対戦を行う場合を含む)プレイヤ、または、本業務用ゲーム機10を用いて、プレイヤが二人でゲームを行う場合における一方のプレイヤにより、ゲームの進行のために操作されるボタンである。2ndプレイヤ操作ボタン16bは、本例の業務用ゲーム機10を用いて、二人のプレイヤがゲームを行う場合における一方のプレイヤにより、ゲームの進行のために操作されるボタンである。
【0023】
台状面の中央前方には、後述するカードを挿入するためのカード挿入口17Rと、挿入されたカードに記載されたコードデータを読み取るスキャナ17が設けられている。なお、カードに記載されたコードデータについては、後で詳しく説明する。
【0024】
台状面の中央後方には、上下方向に移動可能な剣の形状をした剣状コントローラ18が設けられている。剣状コントローラ18は、ゲームの進行中に、後述する条件が成立したときに剣状コントローラ駆動部18Dによって駆動されてゲーム開始時の配置(図1に示す状態)から上方向にせり上がり、せり上がった状態となっているときにプレイヤが下方向に押し込んで元の状態の戻す(筐体11の内部に挿入する)ことができるものとなっている。また、剣状コントローラ18には、プレイヤの操作により、上下方向を軸として所定角度範囲内(例えば30度、45度など)で回転可能な柄部分18Hが設けられている。さらに、剣状コントローラは、透明部材によって形成されたプレート18Wによって前面及び両側面方向を囲まれているものとする。
【0025】
また、筐体11の底面には、キャスター19aが配置されており、この業務用ゲーム機10を容易に移動できるようにしている。筐体11の下面前側には、高さを調節するアジャスター19bが配置されており、設置場所の凹凸に関わらずに、業務用ゲーム機10を安定して設置できるようにしている。さらに、筐体11の内部には、制御回路を搭載した基盤などが収納されたシールドケース20(図示せず)が設けられている。
【0026】
図2は、図1の業務用ゲーム機10の回路構成を示すブロック図である。図2に示すように、業務用ゲーム機10は、シールドケース20内に制御回路(コンピュータ装置)20aが収められている。制御回路20aは、CPU21と、ROM22と、RAM23と、画像処理部24と、音声処理部26と、音声出力部27と、入出力制御部28と、通信制御部29とを備えている。
【0027】
CPU21は、ROM22に記憶されたゲーム処理プログラムを実行し、プレイヤの操作に応じて業務用ゲーム機10において提供するゲームを進行するための各種の制御を実行する機能を有する。なお、CPU21は、内部タイマを含んでいるものとする。
【0028】
ROM22は、CPU21により実行されるゲーム処理プログラム、及びゲームの進行に応じて変更されることのない各種のデータを記憶する。RAM23は、CPU21のワークエリアとして使用され、ゲームの進行に応じて変更されるデータを記憶する。
【0029】
画像処理部24は、表示部25に接続されており、CPU21の制御に従って、ゲーム進行やプレイヤ操作に応じたゲーム画面を表示部25に表示させる。表示部25は、例えば、液晶表示装置によって構成される。
【0030】
音声処理部26は、音声出力部27に接続されており、CPU21の制御に従って、ゲーム進行やプレイヤ操作に応じて音声を出力させる。
【0031】
入出力制御部28は、コイン投入口14からのコインの投入を検知するコイン投入センサ14Sと、操作ボタン16(16a、16b)と、スキャナ17と、
カードスタッカ(図示せず)に積まれたカードをカード排出口15から外部に排出するためのカード排出部15Dと、剣状コントローラ駆動部18Dとに接続されている。剣状コントローラ駆動部18Dは、剣状コントローラ18の状態(せり上がった状態、押し込まれた状態)および柄部分18Hの状態(回転状態)を検知する剣状コントローラ状態センサ(図示せず)を含む。
【0032】
コイン投入センサ14Sの検出信号、操作ボタン16の入力信号、スキャナ17によりカードから読み取られたデータ、および剣状コントローラ18がプレイヤにより差し込まれたことの検出信号は、入出力制御部28を介してCPU21に入力される。また、
剣状コントローラ18をせり上げるための指示は、入出力制御部28を介してCPU21から剣状コントローラ駆動部18Dに伝えられる。
【0033】
通信制御部29は、他の機器に接続されており、接続された他の機器50との間における情報の送受信を制御する。通信制御部29に接続される他の機器50は、業務用ゲーム機10と同じ構成を有する他の業務用ゲーム機とすることができる。接続される他の業務用ゲーム機は業務用ゲーム機10に隣接して設置され、専用線接続されるものであってもよいし、遠隔地に設置され、電話回線やインターネット等の通信回線を介して接続されるものであってもよい。また、通信制御部29に接続される他の機器50は、業務用ゲーム機10が設置されたゲームセンタの管理コンピュータ等であってもよい。なお、CPU21、ROM22、RAM23、画像処理部24、音声処理部26、入出力部28、通信制御部29は内部バス31によって接続されているものとする。
【0034】
本実施の形態にかかる業務用ゲーム機10では、ゲームに参加して敵キャラクタと対戦することとなるプレイヤキャラクタを選択するために、プレイヤキャラクタとして選択可能なキャラクタの情報を書き込んだカードを用いるものとしている。カードは、複数種類のうちの何枚かが基本カードとしてゲームの実行とは別に提供される。また、新たにゲームを行うためにコインを投入すると、新たなカードが1枚提供される。なお、プレイヤがカードを有していない場合にも選択できるプレイヤキャラクタを設定しておく構成としてもよい。
【0035】
次に、本実施の形態にかかる業務用ゲーム機10で用いられるカードについて説明する。カード30には、キャラクタの名称やステータスに関するキャラクタ情報を示す表示と、コードデータとが描かれている。なお、本例の場合は、カード一枚につき、プレイヤキャラクタとしてゲームに参加させることが可能な複数種類のキャラクタのうち、いずれか1種類が描かれている。スキャナ17がコードデータを読み取ると、カード30に描かれているキャラクタがプレイヤキャラクタとしてゲームに登場することとなる。
【0036】
なお、コードデータは、カード30を一意に識別するためのデータをコード化したものであり、本実施の形態で用いられるカードには、上述したようにキャラクタ情報を示すものの他、例えば、プレイヤキャラクタの攻撃力を上昇させるアイテムや、コマンド内容を変更させるアイテムを示すコードデータが描かれているものも含むこととする。
【0037】
次に、本例の業務用ゲーム機10にて実行されるゲームで用いられる「勇気ポイント」について説明する。本例における「勇気ポイント」とは、バトル中に、キャラクタに対するコマンド選択の受け付けが開始されてから、コマンドが選択されるまでに経過した時間に応じて、キャラクタに与えられるポイントである。すなわち、コマンドの選択に要する時間が短ければ短いほど、多くの「勇気ポイント」を蓄積することができる。「勇気ポイント」が所定の値(例えば最大値)に達すると、後述する「とどめの一撃」が発動可能となる。なお、本例におけるゲームでは、ターン制バトルを採用するため、勇気ポイントはターンごとに蓄積されるものとするが、例えば、予め設定された条件をクリアするために要した時間に応じた値が与えられるといった構成としてもよい。また、与えられる勇気ポイントの大きさをプレイヤが認識しやすくなるように、例えば、コマンド選択受付時に表示が開始され、コマンドが選択されるまで、時間の経過とともに長さが短くなるゲージ(勇気ゲージ)が設定された構成としても良い。また、獲得した勇気ポイントがプレイヤに認識しやすいように、本例においては、後述するオーブゲージ(図8参照)に識別可能に表示される構成としている。
【0038】
次に、本例の業務用ゲーム機10の動作について説明する。
図3は、業務用ゲーム機10が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。ゲーム処理は、コイン投入口14からコインが投入されたことをコイン投入センサ14Sにより検出すると開始される。なお、ここでは、業務用ゲーム機10を操作するプレイヤ1は既に何枚かのカードを所持しており、業務用ゲーム機10がプレイヤ2によって操作される他の業務用ゲーム機10’と通信接続され、対戦プレイを行う場合における、プレイヤ1の操作を受け付ける業務用ゲーム機10の動作を例に説明する。
【0039】
ゲーム処理では、ゲームを行う上で対戦相手となる敵キャラクタと、プレイヤ1の操作対象となるプレイヤキャラクタとを決定し、バトル開始から終了までの処理が実行される。なお、本発明に関係しない処理については、その内容を省略している場合がある。
【0040】
CPU21は、先ず、カード排出部15Dを制御し、カードスタッカに積まれたカード30を一枚排出する(ステップS101)。
【0041】
次に、CPU21は、今回のゲームでパーティPAとバトルを行う敵キャラクタNPCの種類を決定する(ステップS102)。なお、ここではプレイヤ2が操作するパーティPA2を敵キャラクタNPCとして決定する。そして、CPU21は、画像処理部24に指示を送り、手持ちのカード30のうち、メインキャラクタカードをカード挿入口17Rに挿入することをプレイヤ1に指示する画面を表示部25に表示させる(ステップS103)。
【0042】
プレイヤ1によりメインキャラクタカードがカード挿入口17Rに挿入されると、CPU21は、メインキャラクタカードに記載されたコードデータをスキャナ17に読み取らせる(ステップS104)。メインキャラクタカードに記載されたコードデータを読み取ると(ステップS104のY)、CPU21は、読み取ったコードデータに対応したキャラクタに関する初期情報をROM22から読み出し、バトルを行うメインキャラクタMCとしてRAM23のパーティ管理テーブル23aに登録する。スキャナ17がメインキャラクタカードを読み取るまでは、CPU21は、メインキャラクタカード挿入指示画面表示のための処理を継続する(ステップS104のN)。
【0043】
次に、CPU21は、画像処理部24に指示を送り、手持ちのカード30のうち、サブキャラクタカードをカード挿入口17Rに挿入することをプレイヤ1に指示する画面を表示部25に表示させる(ステップS105)。プレイヤ1によりメインキャラクタカードがカード挿入口17Rに挿入されると、CPU21は、サブキャラクタカードに記載されたコードデータをスキャナ17に読み取らせる(ステップS106)。
【0044】
サブキャラクタカードに記載されたコードデータを読み取ると(ステップS106のY)、CPU21は、読み取ったコードデータに対応したキャラクタに関する初期情報をROM22から読み出し、バトルを行うサブキャラクタSCとしてRAM23のパーティ管理テーブル23aに登録する。スキャナ17がサブキャラクタカードを読み取るまでは、CPU21は、サブキャラクタカード挿入指示画面表示のための処理を継続する(ステップS106のN)。
【0045】
図4は、パーティ管理テーブル23aにおけるパーティ情報の格納状態の例を示す説明図である。図4に示すように、パーティ情報は、パーティPAを構成するキャラクタのカテゴリと、キャラクタ名と、通常コマンドAと、通常コマンドBと、装備品と、装備品のカテゴリと、職業と、獲得勇気ポイントに関する情報を含む。キャラクタのカテゴリには「メインキャラクタ」と「サブキャラクタ」が設定されている。通常コマンドAと通常コマンドBは、バトルにおいて各キャラクタが実行可能な通常コマンドであり、1st操作ボタン16aの左右(AとB)のボタンにそれぞれ対応付けされている。「獲得勇気ポイント」とは、パーティが獲得した勇気ポイントの蓄積値を示すものである。
【0046】
「装備品」とは、メインキャラクタに設定されることにより、その種類に応じてメインキャラクタのステータス(例えば攻撃力など)を変更するものであり、本例においては、「剣」あるいは「杖」にカテゴリ付けされる複数種類の装備品のうちの1つが設定される。
【0047】
「職業」とは、メインキャラクタに設定された装備品により決定されるものであり、本例においては、装備品として「剣」が設定された場合は「戦士」に、「杖」が設定された場合は「魔法使い」に決定されることとする。なお、装備品を複数設定可能とし、その組み合わせに応じて職業が決定される構成としてもよい。
【0048】
次に、CPU21は、画像処理部24に指示を送り、手持ちのカード30のうち、装備品カードをカード挿入口17Rに挿入することをプレイヤ1に指示する画面を表示部25に表示させる(ステップS107)。プレイヤ1により装備品カードがカード挿入口17Rに挿入されると、CPU21は、装備品カードに記載されたコードデータ(カードデータ)をスキャナ17に読み取らせる(ステップS108)。装備品カードに記載されたコードデータを読み取ると(ステップS108のY)、CPU21は、読み取ったコードデータが示す装備品のカテゴリが「剣」であるか否か判定する(ステップS109)。「剣」である場合は(ステップS109のY)、装備品の情報をパーティ管理テーブル23aに設定するとともに、メインキャラクタMCの職業を「戦士」に設定する(ステップS110)。
【0049】
読み取ったコードデータが示す装備品のカテゴリが「剣」でにないと判断すると(ステップS109のN)、CPU21は、読み取ったコードデータが示す装備品のカテゴリが「杖」であることを確認し(ステップS111)、装備品の情報をパーティ管理テーブル23aに設定するとともに、メインキャラクタMCの職業を「魔法使い」に設定する(ステップS112)。
【0050】
なお、パーティ情報における装備品には、初期設定としてカテゴリが「剣」である「鉄の剣」が設定されていることとする。よって、例えば予め設定された装備品カード読取受付時間が経過しても装備品カードがカード挿入口17Rに挿入されず、装備品カードに記載されたコードデータを読み取ることがなかった場合は(ステップS108のN)、CPU21は、メインキャラクタMCの職業を「戦士」に設定する(ステップS110)。
【0051】
メインキャラクタMCの職業を設定すると、CPU21は、サブキャラクタコマンド管理テーブル23bを参照し、設定された職業の種類に応じて、サブキャラクタSCの実行可能な通常コマンドを決定する(ステップS113)。図5は、サブキャラクタコマンド管理テーブル23bにおけるサブキャラクタコマンド情報の格納状態の例を示す説明図である。図5に示すように、サブキャラクタコマンド情報は、サブキャラクタ名と、コマンドカテゴリと、対応職業(メインプレイヤキャラクタの職業)と、通常コマンド名と、対応ボタンが対応付けされたものである。
【0052】
本例において、通常コマンドカテゴリには、「デフォルト技」と「職業影響技」が設定されており、「デフォルト」とは、初期設定として実行可能とされた通常コマンドを示す。一方、「職業影響技」とは、メインキャラクタMCに設定された職業が「対応職業」と一致した場合に実行可能とされる通常コマンドを意味する。さらに、本例においては、「職業影響技」が実行可能とされると、「対応ボタン」が一致する「デフォルト技」を実行不可とする構成としている。なお、「対応ボタン」にはAかBが設定されており、Aが設定されている通常コマンドはバーティ管理テーブル23aの通常コマンドAに、Bが設定されている通常コマンドは通常コマンドBに、実行可能な通常コマンドとして設定される。
【0053】
次に、CPU21は、表示部25にプレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCによるバトル開始演出を表示させると(ステップS114)、後述するバトル処理を開始し(ステップS115)、その結果所定のバトル終了条件が満たされたか否かを判断する(ステップS116)。バトルが終了したと判断すると(ステップS116のY)、CPU21は、ゲーム処理を終了する。一方、バトルが終了していないと判断した場合は(ステップS116のN)、CPU21は、ステップS115に移行する。なお、バトルの終了条件としては、例えば、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCのどちらか一方のHP(Hit Point:キャラクタの体力値)が0になったことが設定されていてもよい。
【0054】
次に、業務用ゲーム機10が実行するバトル処理(図3のステップS115)について説明する。図6は、業務用ゲーム機10が実行するバトル処理の例を示すフローチャートである。バトル処理では、ゲームにおけるプレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCのバトルの進行を制御するための処理が実行される。なお、本例のゲームにおけるバトルでは、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタNPCの双方のコマンドがコマンド管理テーブル23cに登録された後、予め設定されたコマンド優先度情報に応じて、優先度の高いコマンドから順次実行される。
【0055】
本例においては、キャラクタに指令を与えるためのコマンドには、「とどめの一撃」と「通常コマンド」の順に優先度が高く設定されている。例えば、コマンド管理テーブル23cに「とどめの一撃」が登録されている場合には、「とどめの一撃」が優先して実行される。なお、双方に同一のコマンドが登録されている場合については後で詳しく説明する。
【0056】
図7は、コマンド管理テーブル23cにおける登録コマンド情報の格納状態の例を示す説明図である。図7に示すように、登録コマンド情報は、同一ターンにおいて、プレイヤキャラクタPCに指定されたコマンドと敵キャラクタNPCに指定されたコマンドが対応付けられた情報である。
【0057】
バトル処理が開始されると、CPU21は、先ず、コマンド管理テーブル23cにコマンドが登録されているか否か確認する(ステップS201)。コマンド管理テーブル23cにコマンドが登録されていない場合は(ステップS201のN)、CPU21は、内部タイマを用いてコマンド選択時間の計時を開始する(ステップS202)。そして、CPU21は、パーティ管理テーブル23aを参照して、実行可能な通常コマンドを表示部25に表示する(ステップS203)。一方、コマンド管理テーブル23bにコマンドが登録されている場合は(ステップS201のY)、CPU21は、登録されたコマンドを実行する処理を行い(ステップS223)、実行したコマンドをコマンド管理テーブル23cから消去して(ステップS224)、図3のステップS116に移行する。
【0058】
ステップS203では、CPU21は、例えば図8に示すように、ゲーム画面上に、プレイヤキャラクタPCにおけるプレイヤキャラクタ(メインプレイヤキャラクタ)MCが実行可能な通常コマンドと、サブプレイヤキャラクタSCが実行可能な通常コマンドとを表示する。図8に示すゲーム画面上には、メインプレイヤキャラクタMC、サブプレイヤキャラクタSC、および敵キャラクタNPCが識別可能に表示され、メインプレイヤキャラクタMCと敵キャラクタNPCのHPをそれぞれ示すHPゲージ101,102と、メインプレイヤキャラクタMCと敵キャラクタNPCの勇気ポイントの獲得量をそれぞれ示す勇気ポイントゲージ(オーブゲージ)103,104と、メインプレイヤキャラクタMCが実行可能な2つの通常コマンド(行動指定コマンド)を表示する表示領域105と、サブプレイヤキャラクタSCが実行可能な通常コマンド(行動指定コマンド)を表示する表示領域106と、カーソルKとが表示されている。
【0059】
図8に示すようにカーソルKが表示領域105の近傍に位置している場合には、1stプレイヤ操作ボタン16aによってメインプレイヤキャラクタMCに実行させる通常コマンドを選択可能となる。そして、メインプレイヤキャラクタMCに実行させる通常コマンドが選択されると、図9に示すようにカーソルKが表示領域106の近傍に移動し、1stプレイヤ操作ボタン16aによってサブプレイヤキャラクタSCに実行させる通常コマンドを選択可能となるものとする。
【0060】
本例では、実行可能な通常コマンドを表示部25に表示するときに、CPU21は、例えば図8及び図9に示す「装備品カード受付中!!」などのように、手持ちのカード30のうち、装備品カードをカード挿入口17Rに挿入して装備を変更することが可能であることをプレイヤ1に報知するための表示をも行う。プレイヤ1により装備品カードがカード挿入口17Rに挿入され、装備品カードに記載されたコードデータをスキャナ17に読み取らせると(ステップS204のY)、CPU21は、読み取ったコードデータが示す装備品をパーティ管理テーブル23aに設定する。そして、CPU21は、装備品のカテゴリが変更されたか否かを判定し(ステップS205)、変更されたと判断すると、(ステップS205のY)、メインキャラクタMCの職業に応じてサブキャラクタSCの実行可能な通常コマンドを決定し、表示部25に表示する(ステップS206)。
【0061】
一方、装備品カードがカード挿入口17Rに挿入されず、装備品カードに記載されたコードデータを読み取ることがなかった場合(ステップS204のN)、または、装備品のカテゴリが変更されなかった場合は(ステップS205のN)、CPU21は、ステップS207に移行する。
【0062】
実行可能な通常コマンドを表示部25に表示すると、CPU21は、パーティ管理テーブル23aを参照し、勇気ポイントが特定値以上となっているか否か判定する(ステップS207)。勇気ポイントが特定値以上の場合は、CPU21は、剣状コントローラ18が既に上方にせり上がっているかを判定する(ステップS208)。剣状コントローラ18が既に上方にせり上がっていれば(ステップS208のY)、そのままステップS210に移行する。剣状コントローラ18が上方にせり上がっていなければ(ステップS208のN)、CPU21は、入出力制御部28を介して剣状コントローラ駆動部18Dを制御し、剣状コントローラ18を上方にせり上がらせる(ステップS209)。そして、ステップS210の処理に移行する。
【0063】
ステップS210では、CPU21は、剣状コントローラ駆動部18Dの検出信号が入力されたか否かにより、上方にせり上がっていた剣状コントローラ18がプレイヤ1により下方に差し込まれたかどうかを判定する。剣状コントローラ18が下方に差し込まれた場合は(ステップS210のY)、CPU21は、プレイヤキャラクタの登録コマンドとして、コマンド管理テーブル23bに「とどめの一撃」を登録する(ステップS211)。そして、ステップS216に移行する。一方、剣状コントローラ18が下方に差し込まれない場合は(ステップS210のN)、ステップS212に移行する。
【0064】
ここで、「とどめの一撃」とは、前述したように、勇気ポイントが特定の値(例えば最大値)以上蓄積されて始めて実行可能となる攻撃方法であり、通常コマンドとは異なり大きなダメージを与えることができる等の効果、例えば本例においては、「特定の敵キャラクタに対しては「とどめの一撃」による攻撃でのみHPを0にできる」という効果が設定されているものとする。また、本例においては、「とどめの一撃」は、メインキャラクタMCとサブキャラクタSCが一緒に実行するコマンドであり、「とどめの一撃」が選択されたとき、CPU21は、コマンド管理テーブル23cに、メインキャラクタMCとサブキャラクタSCの登録コマンドとして、「とどめの一撃」を登録する。なお、「とどめの一撃」が特定のキャラクタのみ実行可能な構成としてもよいし、「とどめの一撃」が選択されたターンでも、パーティを構成する他のキャラクタに通常コマンドを指定できる構成としてもよい。
【0065】
勇気ポイントが特低値未満の場合(ステップS207のN)、または、柄部分18Hの回転操作を受け付けていない場合は(ステップS210のN)、CPU21は、通常コマンド選択を受け付ける(ステップS212)。通常コマンド選択を受け付けると(ステップS212のY)、CPU21は、コマンド選択時間の計時を停止し、計時結果に応じて、パーティPCに付与する勇気ポイントを算出し、パーティ管理テーブル23aにおける獲得勇気ポイントに加算する(ステップS214)。
【0066】
「通常コマンド」とは、勇気ポイントに関係なく選択可能な行動指定コマンド(攻撃、防御、回復などの行動を指定するためのコマンド)であり、本例においては、CPU21は、1stプレイヤ操作ボタン16aがプレイヤ1により操作されたことに応じて、対応するコマンドをプレイヤキャラクタPCの登録コマンドとして、コマンド管理テーブル23cに登録する(ステップS215)。
【0067】
以上のように、コマンド管理テーブル23cにコマンドを登録すると、CPU21は、プレイヤ2が操作する業務用ゲーム機10’に登録コマンド情報を通知し(ステップS215)、同様に業務用ゲーム機10’からの通知を受ける。
【0068】
次に、CPU21は、コマンド管理テーブル23cにパーティPAと敵キャラクタNPCを構成するキャラクタ(パーティPAにあってはメインプレイヤキャラクタMCとサブプレイヤキャラクタSC)のコマンドが登録されているか否かを確認する(ステップS216)。敵キャラクタNPCのコマンドが登録されていない場合は(ステップS216のN)、CPU21は、業務用ゲーム機10’からの通知があるまで待機する。双方のコマンドが登録されたことを確認すると(ステップS216のY)、CPU21は、登録されたコマンド(登録コマンド)を比較する。
【0069】
登録コマンドが双方ともに「とどめの一撃」である場合には(ステップS218のY)、CPU21は、パーティPAと敵キャラクタNPCのステータス(例えば「すばやさ」)を比較して優先度を決定し(ステップS221)、優先度の高いほうによる「とどめの一撃」を実行する(ステップS222)。なお、このとき、優先度を決定する方法には、例えば、所定のコマンド入力の先後を基に決定する方法が用いられる構成としても良い。
【0070】
登録コマンドの双方がともに「とどめの一撃」でない場合には(ステップS217のN)、CPU21は、どちらか一方が「とどめの一撃」であるか否か確認する(ステップS217)。登録コマンドのどちらか一方が「とどめの一撃」である場合は(ステップS218のY)、CPU21は、登録された「とどめの一撃」を実行するための処理を行う(ステップS222)。
【0071】
登録コマンドの双方ともに「とどめの一撃」でない場合は(ステップS218のN)、CPU21は、登録された通常コマンドを実行する(ステップS219)。この場合、CPU21は、先にコマンド管理テーブル23bに登録されたコマンドを優先して実行するものとする。なお、通常コマンドの種類に応じて優先度を設定したり、キャラクタのステータスに応じて優先度を決定したりする構成としてもよい。
【0072】
登録コマンドを実行すると、CPU21は、実行した登録コマンドをコマンド管理テーブル23cから消去し(ステップS220)、バトル処理を終了し、ゲーム処理のステップS116に移行する。
【0073】
上記の例では、業務用ゲーム機10を例に説明していたが、そのゲームの内容を、家庭用のゲーム装置、携帯用のゲーム装置などの他のビデオゲーム処理装置に適用することも可能である。また、上記の例では、プレイヤ1とプレイヤ2による対戦を例に処理を説明していたが、同様の処理によって、敵キャラクタをCPU21が制御する場合についても実行可能である。
【0074】
以上に説明したように、上述した一実施の形態では、プレイヤが操作するメインプレイヤキャラクタ及びサブキャラクタ(サブプレイヤキャラクタ)を表示画面上に表示し、敵キャラクタとの戦闘を含むビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置(例えば業務用ゲーム機10)が、メインプレイヤキャラクタ及びサブキャラクタが属するパーティと敵キャラクタとのバトルを制御し、メインプレイヤキャラクタの職業を設定し、設定されたメインプレイヤキャラクタの職業に応じて、サブキャラクタの行動を指定するために選択可能な行動指定コマンド(通常コマンド)を決定し、決定した行動指定コマンドを選択可能な行動指定コマンドとして設定し、バトルの制御において、設定されている行動指定コマンドのみをサブキャラクタの行動を指定するための行動指定コマンドとして受け付ける構成としたので、プレイヤに煩わしい操作を強いることなく、バリエーションに富んだ戦略性を有する技をパーティに属する各キャラクタそれぞれに設定することが可能なビデオゲームを提供することができるようになる。
【0075】
すなわち、設定されたメインプレイヤキャラクタの職業に応じて、サブキャラクタの行動を指定するために選択可能な行動指定コマンド(通常コマンド)を決定するようにし、メインプレイヤキャラクタの職業を設定することによって、サブキャラクタが実行可能な技(通常コマンド)を設定することが可能となる。このため、プレイヤに煩わしい操作を強いることなく、バリエーションに富んだ戦略性を有する技をパーティに属する各キャラクタそれぞれに設定することが可能となるのである。
【0076】
また、上述した一実施の形態では、ビデオゲーム処理装置(例えば業務用ゲーム機10)が、プレイヤによって指定されたメインプレイヤキャラクタの装備品に応じた職業を設定する構成としているので、プレイヤの指定に応じて設定されたメインプレイヤキャラクタの職業に応じて、サブキャラクタの行動を指定するために選択可能な行動指定コマンド(通常コマンド)を決定することが可能となり、プレイヤに煩わしい操作を強いることなく、バリエーションに富んだ戦略性を有する技をパーティに属する各キャラクタそれぞれに設定することが可能となる。
【0077】
また、上述した一実施の形態では、ビデオゲーム処理装置(例えば業務用ゲーム機10)が、プレイヤが提示したカード(装備品カード)に登録されたカード情報(カードデータ)を読み取り、読み取ったカード情報に含まれているメインプレイヤキャラクタの装備品に応じた職業を設定する構成としているので、カードを提示するだけの簡単な操作によって、メインプレイヤキャラクタの職業を設定するとともに、サブキャラクタの行動を指定するために選択可能な行動指定コマンド(通常コマンド)を設定することが可能となる。なお、上述した実施の形態において、メインプレイヤキャラクタの職業の指定は、カードによるものでなく、例えば画面操作などによって指定するようにしてもよい。
【0078】
また、上述した一実施の形態では、ビデオゲーム処理装置(例えば業務用ゲーム機10)が、バトルの制御中にメインプレイヤキャラクタの装備品が変更した場合には、装備品の変更に伴い職業が変更するか否か判定し、変更する場合には変更後の職業を設定し、設定されたメインプレイヤキャラクタの変更後の職業に応じて、サブキャラクタの行動を指定するために選択可能な行動指定コマンドを決定し、決定した行動指定コマンドを選択可能な行動指定コマンドに変更して設定する構成としているので、バトル中であっても、メインプレイヤキャラクタの職業を変更するとともに、サブキャラクタの行動を指定するために選択可能な行動指定コマンド(通常コマンド)を変更することが可能となる。
【0079】
また、上述した一実施の形態では、ビデオゲーム処理装置(例えば業務用ゲーム機10)が、サブキャラクタの行動を指定するための行動指定コマンドと、選択可能とするための条件であるメインプレイヤキャラクタの職業とが対応付けされた選択影響職業対応情報(例えばサブキャラクタコマンド情報(図5参照))を記憶し、選択影響職業対応情報に基づいて、サブキャラクタの行動を指定するために選択可能な行動指定コマンドを決定する構成としているので、簡単な構成によって、メインプレイヤキャラクタの職業に応じたサブキャラクタの実行可能な技(行動を指定するために選択可能な行動指定コマンド(通常コマンド))を特定することが可能となり、サブキャラクタの行動指定コマンドを容易に設定することが可能となる。
【0080】
また、上述した一実施の形態では、ビデオゲーム処理装置(例えば業務用ゲーム機10)が、設定されている選択可能な行動指定コマンドを、サブキャラクタの行動を指定するために選択可能な行動指定コマンドとして表示画面上に表示し、選択可能な行動指定コマンドとして表示されている行動指定コマンドのみをサブキャラクタの行動を指定するための行動指定コマンドとして受け付ける構成としているので、サブプレイヤキャラクの行動内容を指定するために選択可能な行動指定コマンドをプレイヤに提示することができ、容易に行動指定コマンドを選択することができるようになる。
【0081】
また、上述した一実施の形態では、ビデオゲーム処理装置(例えば業務用ゲーム機10)が、ビデオゲーム処理装置の筐体に設けられたプレイヤからの入力操作を受け付ける操作手段(1stプレイヤ操作ボタン)を備え、選択可能な行動指定コマンドとして表示されている行動指定コマンドが操作手段のいずれかに対応付けされており、プレイヤからの入力操作を受け付けた操作手段に対応付けされている行動指定コマンドを、サブキャラクタの行動を指定するための行動指定コマンドとして受け付ける構成としているので、操作手段を操作するだけで対応する行動指定コマンドを選択することが可能となり、簡単な操作によってゲームを行うことが可能となる。
【0082】
なお、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置(例えば業務用ゲーム機10)は、自己が備える記憶装置(ROM22)に記憶されている制御プログラム(ビデオゲーム処理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明によれば、プレイヤに煩わしい操作を強いることなく、バリエーションに富んだ戦略性を有する技をパーティに属する各キャラクタそれぞれに設定することが可能なビデオゲームを提供するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の一実施の形態における業務用ゲーム機(アーケードゲーム装置)の外観構成を示す構成図である。
【図2】業務用ゲーム機の回路構成を示すブロック図である。
【図3】ゲーム処理の例を示すフローチャートである。
【図4】パーティ管理テーブルの格納状態の例を示す説明図である。
【図5】サブキャラクタコマンド管理テーブルの格納状態の例を示す説明図である。
【図6】バトル処理の例を示すフローチャートである。
【図7】コマンド管理テーブルの格納状態の例を示す説明図である。
【図8】ゲーム画面の例を示す説明図である。
【図9】ゲーム画面の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0085】
10 業務用ゲーム機
11 筐体
13 表示装置
14 コイン投入口
16a 1stプレイヤ操作ボタン
16b 2ndプレイヤ操作ボタン
18 剣状コントローラ
18H 柄部分
20a 制御回路
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 画像処理部
26 音声処理部
27 音声出力部
28 入出力制御部
29 通信制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤが操作するメインプレイヤキャラクタ及びサブキャラクタを表示画面上に表示し、敵キャラクタとの戦闘を含むビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置であって、
前記メインプレイヤキャラクタ及び前記サブキャラクタが属するパーティと前記敵キャラクタとのバトルを制御するバトル制御手段と、
前記メインプレイヤキャラクタの職業を設定する職業設定手段と、
該職業設定手段によって設定された前記メインプレイヤキャラクタの職業に応じて、前記サブキャラクタの行動を指定するために選択可能な行動指定コマンドを決定し、決定した行動指定コマンドを選択可能な行動指定コマンドとして設定する選択可能コマンド設定手段とを含み、
前記バトル制御手段は、前記バトルの制御において、前記選択可能コマンド設定手段によって設定されている行動指定コマンドのみを前記サブキャラクタの行動を指定するための行動指定コマンドとして受け付けるコマンド受付手段を有する
ことを特徴とするビデオゲーム処理装置。
【請求項2】
前記職業設定手段は、プレイヤによって指定された前記メインプレイヤキャラクタの装備品に応じた職業を設定する
請求項1記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項3】
プレイヤが提示したカードに登録されたカード情報を読み取るカード情報読取手段を含み、
前記職業設定手段は、前記カード情報読取手段が読み取ったカード情報に含まれている前記メインプレイヤキャラクタの装備品に応じた職業を設定する
請求項2記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項4】
前記職業設定手段は、前記バトル制御手段によるバトルの制御中に前記メインプレイヤキャラクタの装備品が変更した場合には、装備品の変更に伴い職業が変更するか否か判定し、変更する場合には変更後の職業を設定し、
前記選択可能コマンド設定手段は、前記職業設定手段によって設定された前記メインプレイヤキャラクタの変更後の職業に応じて、前記サブキャラクタの行動を指定するために選択可能な行動指定コマンドを決定し、決定した行動指定コマンドを選択可能な行動指定コマンドに変更して設定する
請求項2または請求項3記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項5】
前記サブキャラクタの行動を指定するための行動指定コマンドと、選択可能とするための条件である前記メインプレイヤキャラクタの職業とが対応付けされた選択影響職業対応情報を記憶する選択影響職業対応情報記憶手段を含み、
前記選択可能コマンド設定手段は、前記選択影響職業対応情報に基づいて、前記サブキャラクタの行動を指定するために選択可能な行動指定コマンドを決定する
請求項1から請求項4のうちいずれかに記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項6】
前記バトル制御手段は、前記選択可能コマンド設定手段によって設定されている選択可能な行動指定コマンドを、前記サブキャラクタの行動を指定するために選択可能な行動指定コマンドとして前記表示画面上に表示するコマンド表示手段を有し、
前記コマンド受付手段は、前記コマンド表示手段によって選択可能な行動指定コマンドとして表示されている行動指定コマンドのみを前記サブキャラクタの行動を指定するための行動指定コマンドとして受け付ける
請求項1から請求項5のうちいずれかに記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項7】
ビデオゲーム処理装置の筐体に設けられたプレイヤからの入力操作を受け付ける操作手段を含み、
前記コマンド表示手段によって選択可能な行動指定コマンドとして表示されている行動指定コマンドは、前記操作手段のいずれかに対応付けされており、
前記コマンド受付手段は、プレイヤからの入力操作を受け付けた操作手段に対応付けされている行動指定コマンドを、前記サブキャラクタの行動を指定するための行動指定コマンドとして受け付ける
請求項6記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項8】
プレイヤが操作するメインプレイヤキャラクタ及びサブキャラクタを表示画面上に表示し、敵キャラクタとの戦闘を含むビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理方法であって、
前記メインプレイヤキャラクタ及び前記サブキャラクタが属するパーティと前記敵キャラクタとのバトルを制御するバトル制御処理と、
前記メインプレイヤキャラクタの職業を設定する職業設定処理と、
該職業設定処理にて設定した前記メインプレイヤキャラクタの職業に応じて、前記サブキャラクタの行動を指定するために選択可能な行動指定コマンドを決定し、決定した行動指定コマンドを選択可能な行動指定コマンドとして設定する選択可能コマンド設定処理とを含み、
前記バトル制御処理では、前記バトルの制御において、前記選択可能コマンド設定処理にて設定している行動指定コマンドのみを前記サブキャラクタの行動を指定するための行動指定コマンドとして受け付けるコマンド受付処理を実行する
ことを特徴とするビデオゲーム処理方法。
【請求項9】
プレイヤが操作するメインプレイヤキャラクタ及びサブキャラクタを表示画面上に表示し、敵キャラクタとの戦闘を含むビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理プログラムであって、
コンピュータに、
前記メインプレイヤキャラクタ及び前記サブキャラクタが属するパーティと前記敵キャラクタとのバトルを制御するバトル制御処理と、
前記メインプレイヤキャラクタの職業を設定する職業設定処理と、
該職業設定処理にて設定した前記メインプレイヤキャラクタの職業に応じて、前記サブキャラクタの行動を指定するために選択可能な行動指定コマンドを決定し、決定した行動指定コマンドを選択可能な行動指定コマンドとして設定する選択可能コマンド設定処理とを実行させ、
前記バトル制御処理では、前記バトルの制御において、前記選択可能コマンド設定処理にて設定している行動指定コマンドのみを前記サブキャラクタの行動を指定するための行動指定コマンドとして受け付けるコマンド受付処理を
実行させるためのビデオゲーム処理プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−131076(P2010−131076A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−307799(P2008−307799)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り [刊行物1] 集英社、Vジャンプ、第16巻、第12号、平成20年12月1日発行 [刊行物2] 集英社、Vジャンプ、第17巻、第1号、平成21年1月1日発行 [刊行物3] 株式会社スクウェア・エニックス、月刊少年ガンガン、第19巻、第1号、平成21年1月1日発行 [刊行物4] 株式会社エンターブレイン、ファミ通ディーエスプラスウィー、第11巻、第1号、平成21年1月1日発行 [刊行物5] アスキーメディアワークス、デンゲキニンテンドーDS、第11巻、第1号、平成21年1月1日発行 [刊行物6] 平成20年11月下旬掲載、掲載アドレスhttp://www.dq−card.com/、http://www.dq−card.com/rb_game/ [刊行物7] 平成20年10月31日掲載、掲載アドレスhttp://game.watch.impress.co.jp/docs/20081031/dqmb.htm [刊行物8] 平成20年11月4日掲載、掲載アドレスhttp://anime.biglobe.ne.jp/news/AT00003344.html
【出願人】(308033283)株式会社スクウェア・エニックス (173)
【Fターム(参考)】