説明

ビルディング建造用予備製造パネル及び該パネルの製造方法

断熱材料で構成され、均一なコンクリート層(3A,3B)で二つの面を覆われたコア(2)を含むビルディング建造用予備製造パネル(1)において、板の一つの面に近接して、地面に対するシーリングを目的として一端部が突出している支柱(5)用のハウジング(4)が設けられ、前記板の反対の面上に、前記パネル(1)の二つの互いに平行な縁の間で延長するとともに、前記縁を越えて突出する強化要素(8)用のハウジング(7)が設けられ、前記パネル(1)が隣接するパネル(21,22)と組み付けられた状態において、ベルト要素が構成される予備製造パネルであり、非常に軽量な構造体を有するビルディングの外壁の建造に用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予備製造パネルを用いたビルディング建造に関し、特に、該予備製造パネル自体、幾つかのパネルを一緒にした組立体、及び該パネルの製造方法、並びに該予備製造パネルを用いたビルディング建造に関する。
【背景技術】
【0002】
建造物品質の基準として重要なものに、ビルディングの外装を構成する壁の機械的強度と断熱がある。これらの基準は、正反対の特性でかつ互いに補足的な特性を有する2つの材料を用いることにより満たされる。そのような2つの材料とは、強化コンクリートと発泡ポリスチレンである。
【0003】
強化コンクリートは、安価で、使用が容易であり、機械的強度が高く、不燃性である一方、重くて断熱性に劣るという欠点がある。これとは対照的に、やはり安価である発泡ポリスチレンは、優れた断熱性と軽量性を有する一方で、可燃性であり、機械的強度が非常に小さいという欠点がある。
【0004】
ビルディングの建造においてこれら2つの材料を同時に使用する方法として、建造用地上にポリスチレンパネルを敷き、これらパネルの周囲に強化材を置き、そして該ポリスチレンパネルの各面の上にコンクリートをスプレーする方法がある。
【0005】
別の方法として、骨組みとして使用される2つのポリスチレンパネルを平行に設置し、これにクロスピースと金属フレームを結合させ、前記2つのパネルによって形成された空間内へコンクリートを流し込み、そしてポリスチレンの外面をコンクリートで被覆する方法がある。
【0006】
更に別の方法として、平行六面体中空ブロック形状のポリスチレンブロックを用い、該平行六面体中空ブロックの凹部内に金属強化材を設置し、その中へコンクリートを流し込み、そして全体の外側をコンクリートで覆う方法がある。
【0007】
上記各方法の主な短所は以下のようである。第1に、建造中、ポリスチレン部分が可視なので、この種の建造の進展に対して重要な障害となる。というのは、公衆の心理として、発泡ポリスチレンは、非常に低強度のイメージをもつダウンマーケット材料であるからである。そのうえ、これらの壁は建造用地で製造されるので、同一の仕方で再現されるものではない。特に、被覆コンクリート層は均一ではなく、一つの壁から次の壁へ、また、ある建造プロジェクトから次の建造プロジェクトへとすすむ場合に再現することが難しい。また、発泡ポリスチレンを骨組みとして用いる場合は、その設置のための案内要素、又は熱架橋の源泉となる骨組みとクロスピースを設けなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国特許第3242364号明細書
【特許文献2】米国特許第4669240号明細書
【特許文献3】米国特許第5697189号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、上記の問題点を解消するため、強化コンクリートと発泡ポリスチレンの使用を組み合わせた建造方法を提供することであり、また、簡単に実行できて、製造される壁の断熱を妨害する熱架橋の生成を回避できる建造方法を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、安価で、ビルディングを再現可能な壁の製造方法を提供することである。この目的のため、発泡ポリスチレン−タイプの断熱材料でできたコアを含む、工場で予備製造したパネルをデザインすることを検討した。該コアは、その2つの面をコンクリート層で覆われている。
【0011】
このようなパネルは、特許文献1又は特許文献2に記載されている。しかしながら、これらのモジュール要素は、パネルの2つの外壁を保持するための金属クロスピースを有しているか、或いは、これら2つの外壁を互いに連結する金属の骨組みを有している。したがって、これらのモジュールには熱架橋が存在している。
【0012】
同様に、特許文献3に記載されているモジュールは、発泡ポリスチレンで満たされた内部キャビティを備えたコンクリートパネルで構成されているので、コンクリートが一つの面から次の面へと連絡するという欠点がある。これらの内部コンクリート結合は、望ましくない熱架橋の源泉となる。
【0013】
したがって、本発明の更なる目的は、機械的強度が高い軽量の予備製造パネルや熱架橋のないパネルアセンブリをデザインすることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するため、本発明は、均一なコンクリート層で二つの面を覆われた板の形状の断熱材料で構成されたコアを含むビルディング建造用の予備製造パネルにおいて、該コアを構成する該板には、一方で、該板の一つの面に近接して、該パネルが地面に立てられたときに支柱を構成する強化要素用の第1のハウジングシリーズが設けられ、それらの端部の少なくとも一つが、地面に対するシーリングを目的として突出しており、他方で、該板の反対の面上に、該パネルの二つの互いに平行な縁の間で延長するとともに、これらの縁を越えて突出する強化要素用の第2のハウジングシリーズが設けられ、該パネルが隣接するパネルと組み付けられた状態において、ベルト要素が構成されるビルディング建造用の予備製造パネルに関する。
【0015】
隣接するパネルとの結合用要素を含む予備製造パネルによれば、壁、特に外壁がそのようなパネルで構成されるビルディングを短時間で建造することができる。これにより、断熱材料の板の二つの面は、予め工場においてコンクリート層で覆われているので、建造現場では断熱層がマスクされており、建造中に外部から視認されることはない。
【0016】
さらに、これにより、コンクリート加工は工場で平らに行えるので、これらのコンクリート層の厚みは均一であり、一つのパネルから次のパネルへの製造再現性が良い。したがって、全てのパネルについて、例えば、機械的強度と断熱性に関して同一の特性を確保することができる。
【0017】
また、有利なこととして、パネルのコアを構成する板に設けられた
第1のハウジングシリーズと第2のハウジングシリーズは、それらの間に連絡ゾーンが存在しないので、熱架橋の形成を回避している。このように、板の一つの面上に配置された強化材は、断熱材料で構成されたコアの他の面上に配置された強化要素とは分離されている。また、二つのコンクリート外層の間には連絡ゾーンが存在しない。
【0018】
ハウジングは、一つのハウジングシリーズから次のハウジングシリーズにかけて、長手方向の軸が直交しているような溝の形態でできていることが好ましい。これらの溝は、断熱材料で構成された板の外面と面一であるか、あるいは、この板の表面上で出ていてもよい。また、強化要素は、金属要素であることが好ましい。
【0019】
好ましくは、金属格子が、パネルのすぐ近傍で、パネルのコアを構成する板の各面上に適用、又は板の各面と平行に配置される。強化要素は、骨組みの支柱としても用いられることが好ましい。この支柱の寸法は、板の各面の表面に対応していることが好ましい。
【0020】
パネル同士を角度をつけて組み付けることを可能にするため、溝−組み付けタイプの組立体を構成することにより、パネルの一部分は、隣接するパネルに適合するように少なくとも部分的に傾斜していることが好ましい。これにより、該組立体は中断されて、二つの相隣接するパネルのベルト要素を連結させる自由角度ゾーンを与えることになる。コンクリート層がパネルの該一部分を覆うところでは、コンクリートを介しての熱架橋生成を防止するため、断続的な傾斜部分を設けること、すなわち、該部分に対して斜に断熱材料のベルトを設けることが好ましい。
【0021】
コアは、高密度の発泡ポリスチレン、又は閉じたセルを有する堅固な発泡体で構成されていることが好ましい。コアを構成する板の面は、コアに対するコンクリートの付着性を向上させるため、筋のある表面を有していることが好ましい。
【0022】
上述のようにして製造されたパネルは、安価で、機械的強度が高く、断熱性が優れている。さらに、コアが顕著な厚みを有しており、パネルは、従来の予備製造パネルと比較して非常に軽量である。したがって、該パネルは建造現場まで容易に運搬可能である。パネルが非常に軽いので、パネルを支えるために必要な支柱の厚みの制限をやわらげる。
【0023】
また、本発明は、上記のようなビルディング建造用の予備製造パネルの組立体において、パネルの二つの平行な縁の間で延長する強化要素が、パネルのコア内でビルディングの外に向かって曲がった面の上に形成された水平溝の中に収容され、これにより、隣接するパネルの強化要素の突出した端部同士を連結した後で、建造物の水平な骨組みを構成して、自己支えタイプの構造体を構成させた組立体に関する。そのような構造体は安定で、堅固で、変形しにくい。
【0024】
さらに、本発明は、上記のような予備製造パネルの製造方法において、(イ)一方で、発泡ポリスチレン板の一つの面上において互いに平行な第1の溝シリーズ、他方で、該板の他の面上において互いに平行な第2の溝シリーズを設けることにより、該板を切断する工程と、(ロ)突出端部を該板の縁を越えて突出させることにより、強化要素を対応する溝内へ結合させる工程と、(ハ)好ましくは金属の格子を、前記強化要素に留めることにより、前記板の各面上に取り付けて、強化された板を構成する工程と、(ニ)自己平滑コンクリートの均一層を上記強化された板の一つの面上に流し込み、そして、該コンクリートを乾燥させる工程と、(ホ)自己平滑コンクリートの均一層を上記強化された板の他の面上に流し込み、そして、該コンクリートを乾燥させる工程と、を連続して含み、前記溝の長手方向の軸が、一つの溝シリーズから次の溝シリーズにかけて直交し、前記板の一部が部分的に傾斜している予備製造パネルの製造方法に関する。
【0025】
さらに、本発明は、上記のような予備製造パネルを用いたビルディングの建造方法において、上記のような予備製造パネルの製造方法を含み、さらに(ヘ)各パネルの鉛直方向の配置と、鉛直方向の支柱を構成する強化要素の突出端部の地面に対するシーリングと、建造するビルディングの外側に向かって回転されたパネルの面上に水平に配置されたベルト要素のハウジングの配置と、からなる工程と、(ト)隣接するパネルの傾斜した部分を引っぱって接触させる工程と、(チ)隣接するパネル間の自由角度ゾーンにおいて、建造物の完全なベルトを構成することにより、水平に配置されたベルト要素の突出端部の間に連結を施す工程と、を含むビルディングの建造方法に関する。
【0026】
好ましくは金属の鉛直方向の骨組みが、二つの相隣接するパネル間の自由角度のゾーンの中に配置されていることが好ましい。この骨組みによって、水平方向の強化要素の突出端部が一体に作られている。さらに、二つの相隣接するパネル間の自由角度のゾーンの周囲に、コンクリートの流し込みを可能とする型枠が配置されていることが好ましい。
【0027】
上記の建造方法は、非常に簡単で、短時間で使用できる。そして、そのようにして建造された建造物は、機械的強度が高く、断熱性が優れているうえに、非常に安価である。上記のようにして製造された壁は、標準的な屋根(骨組みとカバー)にフィットするとともに、標準的な仕上げ被覆により容易に被覆することができる。
【0028】
例えばドアや窓といった開口部は、予め工場でパネル内に配置しておくことができる。さらに、断熱材料で構成されてコアを構成する板は、切断又は機械加工されて、電気ケーブルやパイプ用の外装を備えさせることができる。この場合、建造現場ですることは、これらケーブルやパイプを接続することだけである。
【0029】
鉛直方向の強化要素の上端部は、パネルの上縁から突出するように設けられ、これにより、取り扱い目的や、工場又は建造現場でのパネルの搬送目的の(例えば、牽引用チェーン用などの)フッキング要素が構成できる。このような突出端部は、様々な建造要素、特に屋根要素などをパネルに取り付けたり、はり付けたりすることを可能にする。
【0030】
また、本発明は、上記のような方法により建造されるビルディングであって、外壁が、上記のような予備製造パネルの組立体から構成されるビルディングである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明のパネルの平面図である。
【図2】本発明の3つの隣接するパネルの組立体を示す部分平面図である。
【図3】図2に示された組立体の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本発明の好ましい実施形態とその利点について、図面を参照しながら詳細に説明する。しかしながら、本発明はそのような実施形態に限定されない。
【0033】
図1に示されているように、本発明のパネルは、2つのコンクリート層3A(外側の層)と3B(内側の層)の間に挟まれた、好ましくは発泡ポリスチレンでできたコア2から構成されている。図1と図3に示されているように、コア2(参照符号2a,2b,2c,2d等で示される)は、互いに接着されたポリスチレンブロックの組立体からなる板を構成している。なお、本明細書における「内側」と「外側」という語は、ビルディング建造中におけるパネルの面の位置を表している。
【0034】
コア2を構成する板には、その内側の面に接近したところに、互いに平行で、(パネルが地面に立てられたときに鉛直な)溝からなるハウジング4が設けられている。図1においてはコア2の内側の面上にある開口として示されているこれらのハウジング4は、不図示のくさびによってハウジング内の決められた場所に保持された金属強化材5を収容する。コア2の内側の面に平行に配置された内側の格子6は、これらの鉛直な強化材4に取り付けられている。自己平滑コンクリートをコア2の内側の面に施している間、該コンクリートは、内側のコンクリート層3Bを構成するとともに、骨組み6と鉛直な強化材4を埋め込むことにより、ハウジング4を構成する溝を充填する。
【0035】
コア2の外側の面上においては、水平な強化要素8を収容するようにデザインされた(パネルが地面に立てられたときに水平な)ハウジング7が切り抜かれている。外側の格子9が、コア2を構成する板の外側の面に平行に配置されている。この格子は、多数のコネクション10によって、水平な強化要素8へ接続されており、これにより、コンクリートを流し込んでいる間、該格子を決められた場所に保持するとともに、該格子をコア2の外側の面から(短い距離)離す。
【0036】
コンクリート層3Aがコア2の外側の面に流し込まれるとき、このコンクリートは、強化要素8の周囲においてハウジング7内に残っている開口を充填し、強化要素8と外側の格子9を覆う。ポリスチレン板の各面の内側の格子6と外側の格子9との間の間隔取りが、該板の表面上に作られたリブ又は突起を用いて行われ、これにより、格子がコンクリート中にほぼ完全に覆われる。
【0037】
金属強化材5及び8においてハウジングとして用いられる溝は、例えば、U字状、T字状、ダブテール状など、様々な形状をとることができ、流し込むコンクリートのためのモールドとして用いることもできる。ハウジングを充填し、コア2の各面を覆う層を構成するために、好ましくは自己平滑コンクリートが、いちどきに又は数回でキャストされる。数回でキャストされる場合は、異なる特性を有する複数のコンクリートを用いることもできる。
【0038】
強化要素5及び8は、単一のロッド又は形材、あるいは、好ましくは図1及び図2に示されているように、クロスピースによって互いに連結された数個(図では4個)のロッドの組み合わせから構成される。該クロスピースは、例えば、鉄筋コンクリートを使用する建造現場で従来からあるジグザグタイプのクロスピースである。
【0039】
パネル1の鉛直部分は、部分的に傾斜している鉛直部分11であり、図示された例では45度に傾斜している。図2に示されているように、この鉛直部分11は、パネル1を、パネル1に隣接した2つのパネル21及び22に対して結合させるものである。2つの相隣接したパネルの間にフリーに残された角度ゾーン12は、該2つの相隣接したパネルの水平な強化要素の接合を可能にするとともに、例えば、互いに溶接したり、図2に示されたように鉛直方向に位置決めされた骨組み13へ溶接することにより、パネル同士を互いに連結させるスペースである。2つの相隣接したパネル間の上記のような接続は、これによって得られる構造体を非常に強固なものにする。
【0040】
本発明の2つの相隣接したパネルを組み付けた後、骨組み14が、この角度ゾーン12の周囲に設置され、これにより、コンクリートが該骨組み14中へキャストされる。最後に、仕上げコーティング15A及び15Bによって、コンクリート層3A及び3Bを、工場で被覆することができ、あるいは、建造の最後で被覆することもできる。図3に示されているように、パネル全体の中に開口16,17を作り、工場又は建造現場で、該開口に窓又はドアを取り付けることができる。
【0041】
上記のようにして製造されたパネルは、特に、鉛直方向の支柱を構成して同じ強化要素5の上方の突出端部19により例えば屋根などの建造要素へ連結される強化要素5、の下方の突出端部18を用いて、地面15に容易に固定させることができる。この突出端部19は、パネルの取り扱い時の引っ掛けやパネルの搬送に活用することもできる。窓やドアを取り付けるために設けられた開口がある場合、建造物のベルトを構成する水平な強化要素8は、これら開口部の両側に鉛直方向に並べて配置される。
【0042】
各パネルは、それ自体でビルディングの壁全体を構成する。本発明の4つのパネルの組立体によれば、例えば、家屋の4つの外側の壁を製造することが可能であり、短時間で建造することができる。
【0043】
本発明のパネルを用いて製造される複合壁は、堅固で軽量である。ポリスチレンコアの厚みは、例えば、約30センチメートルくらいであり、内側及び外側のコンクリート層3A及び3Bの厚みは、例えば、約2乃至3センチメートルくらいである。
【0044】
最後に、建造におけるパネルのより良い据え付けと安定性のために、パネル1の上方及び/又は下方の水平部分内に作られて、例えばコンクリートでできたビームを収容するようにデザインされた縦のハウジングが設けられてもよい。パネルが、かなりの重量の被覆を支えなければならない場合、上記のようなレイアウトが有用である。
【符号の説明】
【0045】
1 パネル
2 コア
3A,3B コンクリート層
4 ハウジング
5 金属強化材(強化要素)
6 格子
7 ハウジング
8 金属強化材(強化要素)
9 格子
10 コネクション
11 鉛直部分
12 角度ゾーン
13 骨組み
14 骨組み
15A,15B 仕上げコーティング
15 地面
16,17 開口
18 下方の突出端部
19 上方の突出端部
21,22 パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
均一なコンクリート層(3A,3B)で二つの面を覆われた板の形状の断熱材料で構成されたコア(2)を含むビルディング建造用予備製造パネル(1)において、
前記コア(2)を構成する前記板には、
一方で、前記板の一つの面に近接して、前記パネルが地面に立てられたときに支柱を構成する強化要素(5)用の第1のハウジングシリーズ(4)が設けられ、それらの端部(18)の少なくとも一つが、地面に対するシーリングを目的として突出しており、
他方で、前記板の反対の面上に、前記パネル(1)の二つの互いに平行な縁の間で延長するとともに、前記縁を越えて突出する強化要素(8)用の第2のハウジングシリーズ(7)が設けられ、前記パネル(1)が隣接するパネル(21,22)と組み付けられた状態において、ベルト要素が構成される
ことを特徴とするビルディング建造用予備製造パネル。
【請求項2】
熱架橋の生成を回避するために、
前記 第1のハウジングシリーズ(4)と前記第2のハウジングシリーズ(7)の間に連絡ゾーンが存在しないことを特徴とする請求項1記載のパネル。
【請求項3】
前記ハウジングシリーズ(4,7)は、一つのハウジングシリーズから次のハウジングシリーズにかけて長手方向の軸が直交している溝の形状に形成されている
ことを特徴とする請求項1又は2記載のパネル。
【請求項4】
前記 強化要素(5,8)が金属要素であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載のパネル。
【請求項5】
前記 強化要素(5,8)が、
パネルのすぐ近傍でパネルのコア(2)を構成する板の各面に平行に配置された
好ましくは金属格子(6,9)の支えとして使用されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載のパネル。
【請求項6】
溝−組み付けタイプの組立体を構成することにより、前記パネル(1)の一部分(11)が、隣接するパネル(21,22)に適合するように少なくとも部分的に傾斜しており、これにより、該組立体は中断されて、二つの相隣接するパネルのベルト要素を連結させる自由角度ゾーンを与える
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載のパネル。
【請求項7】
前記コア(2)が、好ましくは高密度の発泡ポリスチレンで構成されていること を特徴とする請求項1乃至請求項6のうちいずれか1項に記載のパネル。
【請求項8】
前記 コア(2)を構成する板の面が、該コアに対するコンクリートの付着性を向上させるため、筋のある表面を有していること
を特徴とする請求項1乃至請求項7のうちいずれか1項に記載のパネル。
【請求項9】
ビルディング建造用の予備製造パネルの組立体において、パネル(1)の二つの平行な縁の間で延長する強化要素(8)が、前記パネルのコア(2)内でビルディングの外に向かって曲がった面の上に形成された水平溝の中に収容され、隣接する前記パネルの強化要素の突出した端部同士を連結した後で、建造物の水平な帯を構成して、自己支えタイプの構造体を構成させたことを特徴とする予備製造パネルの組立体。
【請求項10】
請求項1乃至請求項8のうちいずれか1項に記載の予備製造パネルの製造方法であって、
(イ)一方で、発泡ポリスチレン板の一つの面上において互いに平行な第1の溝シリーズ、他方で、前記板の他の面上において互いに平行な第2の溝シリーズを設けることにより該板を切断する工程と、
(ロ)突出端部を前記板の縁を越えて突出させることにより、強化要素(5,8)を対応する溝内へ結合させる工程と、
(ハ)好ましくは金属の格子(6,9)を、骨組みを前記強化要素(5,8)に留めることにより、前記板の各面上に取り付けて、強化された板を構成する工程と、
(ニ)自己平滑コンクリートの均一層を前記強化された板の一つの面上に流し込み、そして、該コンクリートを乾燥させる工程と、
(ホ)自己平滑コンクリートの均一層を前記強化された板の他の面上に流し込み、そして、該コンクリートを乾燥させる工程と、
を連続して含み、
前記溝の長手方向の軸が、一つの溝シリーズから次の溝シリーズにかけて直交し、前記板の一部が部分的に傾斜していることを特徴とする予備製造パネルの製造方法。
【請求項11】
請求項1乃至請求項8のうちいずれか1項に記載の予備製造パネルを用いたビルディングの建造方法において、
請求項10記載の予備製造パネルの製造方法を含み、さらに、
(ヘ)各パネルの鉛直方向の配置と、鉛直方向の支柱を構成する強化要素(5)の突出端部(18)の地面に対するシーリングと、建造するビルディングの外側に向かって回転されたパネルの面上に水平に配置されたベルト要素のハウジング(7)の配置と、からなる工程と、
(ト)隣接するパネルの傾斜した部分(11)を引っぱって接触させる工程と、
(チ)隣接するパネル間の自由角度ゾーン(12)において、建造物の完全なベルトを構成することにより、水平に配置されたベルト要素の突出端部の間に連結を施す工程と、
を含むことを特徴とするビルディングの建造方法。
【請求項12】
好ましくは金属の鉛直方向の骨組みが、二つの相隣接するパネル間の前記自由角度ゾーン(12)の中に配置され、該骨組みによって、水平方向の強化要素(8)の突出端部が一体に作られていることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
コンクリートを流し込める 骨組み(14)が、二つの相隣接するパネル間の前記自由角度ゾーン(12)の周囲に設置されていることを特徴とする請求項11又は12記載の方法。
【請求項14】
外壁が、請求項9記載の予備製造パネル(1,21,22)の組立体から構成され、請求項11乃至請求項13のうちいずれか1項に記載の方法により建造されたことを特徴とするビルディング。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−540164(P2009−540164A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514833(P2009−514833)
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【国際出願番号】PCT/FR2007/000921
【国際公開番号】WO2007/144481
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(508366972)サール コメプス フランス (1)
【氏名又は名称原語表記】SARL COMEPS FRANCE
【住所又は居所原語表記】2 Rue des Primeveres, F−85480 Bournezeau France
【Fターム(参考)】