説明

ビード線材の接続構造

【課題】ビードコードの形成作業におけるビード線材の両先端と接続具との接続の確実性を向上させるビード線材の接続構造を提供する。
【解決手段】筒体の両端開口よりビード線材の両先端を挿入し、ビード線材の両先端側の外周には凹部又は凸部又は凹凸よりなる係合部を設け、筒体には上記ビード線材方向に突出する突出部を形成し、ビード線材の係合部には、ビード線材の外周にリング状又は螺旋状の凹部又は凸部又は凹凸を形成し、筒体の突出部は、筒体中心軸方向に切り起こされる先端が筒体の長さ方向の中央側を向く切り起し爪よりなり、筒体の長さ方向の中央には、ビード線材の先端を阻止する阻止部を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビードコードを構成するビード線材の両先端を接続具によって接続するビード線材の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホイールのリム部分と当接し密着するタイヤのビード部を補強するビードコードは、ビード部内に埋め込まれる。このビードコードは、芯材となる環状のビードコアにビード線材を螺旋状に、かつ複数層にわたり巻付けられる。そのビード線材は、各層を形成する毎にビード線材の巻付けの開始の先端(開始端)と、巻付けの終了の先端(終了端)とを接続する筒体をなす接続具に突き合わされるように貫入して接続される。
【0003】
例えば、ビード線材の両先端(開始端と終了端)間を接続する接続具については、特許文献1に示すものが提案されている。
【特許文献1】特開2007−39864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のビード線材の接続方法は、単にビード線材の両先端を円筒状の接続具に圧入により差し込むだけの差込接続具であり、ビード線材の先端の外周と円筒状の接続具の内周との摩擦により接続が保持されているだけである。このため、ビードコードの形成作業において接続の確実性に問題があり、タイヤの製造工程において何らかを要因としてビード線材を接続した接続部分が接続具から抜けてしまうおそれがある。また、ビードコードが製品としてタイヤに組み込まれて使用されるときにも、ビードコードには常に繰り返し力が作用するためビード線材が接続具から抜けてしまうおそれもある。
しかし、タイヤの構成部材として形成されたビードコードや製品に組み込まれたビードコードは、ゴム部材により覆われているために、接続具からのビード線材の抜け落ちを目視や他手法によっても検査検出することができない。ビード線材の接続具からの抜け落ちは、ビードコードとしての強度を著しく低下させる問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するため、ビードコードの形成作業におけるビード線材の両先端と接続具との接続の確実性を向上させるビード線材の接続構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の形態として、両端が開口する筒体の両端開口よりビード線材の両先端を挿入し、上記ビード線材の両先端側の外周には凹部又は凸部又は凹凸よりなる係合部を設け、上記筒体には上記ビード線材方向に突出する突出部を形成する。
本発明によれば、ビード線材の両先端側の外周に凹部又は凸部又は凹凸よりなる係合部と筒体にビード線材方向に突出する突出部を形成することにより、筒体の突出部がビード線材の係合部の凹部を形成する壁部、又は凸部を形成する壁部に突出部が突き当たることで筒体に挿入されたビード線材の先端部が係止され、ビード線材が筒体から容易に抜けることを防ぐことができる。つまり、筒体に挿入された、ビード線材の先端と先端はほとんど抜けることなく挿入された状態を維持することが可能となり製品の信頼性を向上させ、ビードコードとしての強度保証を達成することができる。
【0007】
本発明の他の形態として、上記筒体の突出部は、筒体中心軸方向に切り起こされて、先端が筒体中央方向を向く切り起し爪よりなる。
本発明によれば、筒体の突出部が、筒体中心軸方向に切り起こされて、先端が筒体中央方向を向く切り起し爪となることにより、先端に凹凸などが形成されたビード線材を筒体に挿入すると、先端が筒体中央方向を向く切り起し爪が、ビード線材の凹凸の凹部又は凸部を形成する壁部に引っ掛かることでビード線材の抜けを防ぐことができる。
【0008】
本発明の他の形態として、上記筒体の突出部は、筒体を外方から内方に突出させたプレス突起よりなる。
本発明によれば、筒体の突出部が、筒体を外方から内方に突出させたプレス突起よりなることにより、プレス突起がネジのネジ山部分となるように、ビード線材の係合部にネジ切り加工を施すと、筒体をビード線材に対して回転させることによりビード線材の係合部と筒体のプレス突起を係合させてビード線材の両先端が筒体から抜けないように接続することができる。さらにビード線材の係合部に形成するネジの一方を順ネジ、他方を逆ネジに加工することにより筒体を一方向に回転させるだけでビード線材の両先端が筒体に係止され、ビード線材の両先端が筒体から抜けないように接続することができる。
【0009】
本発明の他の形態として、上記ビード線材の係合部は、ビード線材の外周にリング状又は螺旋状に形成されてなる。
本発明によれば、ビード線材の係合部が、ビード線材の外周にリング状又は螺旋状に形成されることにより、凹部又は凸部が形成する壁部に、筒体の突出部が突き当たることにより筒体に挿入されたビード線材の抜けを防止することができる。
【0010】
本発明の他の形態として、上記筒体中央には、上記ビード線材の先端を阻止する阻止部を設ける。
本発明によれば、筒体中央には、線材の先端を阻止する阻止部を設けることにより、ビード線材を筒体に挿入するときに、ビード線材の挿入のし過ぎを防ぎ、筒体に対して両開口から同じ長さのビード線材の両先端を挿入することができる。
【0011】
本発明の他の形態として、上記筒体は、両端開口方向に開口部を有し、開口部の両縁にかしめ片を有する金属板を筒状に成形してなる。
本発明によれば、筒体が、両端開口方向に開口部を有し、開口部の両縁にかしめ片を有する金属板を筒状に成形してなることにより、金属板を丸めるだけで筒体を容易に成形でき、筒体の備える突出部とかしめ片により強固にビード線材の両先端を筒体により接続することができる。
【0012】
本発明の他の形態として、上記筒体及びビード線材を導電材より形成し、ビード線材の電気的接続を可能とする。
本発明によれば、筒体及びビード線材を導電材より形成し、ビード線材の電気的接続を可能とすることにより、ビード線材を電気的に利用することが可能となる。ビード線材に対して磁界を与えることにより電力を得ることや、ビード線材に加わる力により微小に伸縮するビード線材の抵抗を測定することによりタイヤに加わる力を測定するなど電気的に利用できる。
【0013】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴のすべてを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態1を説明する。
図1は、タイヤTの断面図を示す。タイヤTは、概略すると、ビードコード2、ビードフィラー3よりなるビード部1と、カーカス4、インナーライナー6、ベルト7などによって構成される。
インナーライナー6は、タイヤTの内圧を保持して空気がタイヤT内部から漏れないようにタイヤTの内圧を保持するためのゴム層である。
カーカス4は、プライコードと呼ばれる有機繊維コードやスチールコードを積層して形成されタイヤTの骨格をなす。このカーカス4を構成するプライコードは、タイヤTのビード部1において外側に折り返されビードコード2とビードフィラー3を包み込むように形成される。
ベルト7は、カーカス4の中央上部に配置され、タイヤTの内圧や回転による変形を抑え、路面からの入力を受け止めて衝撃を緩和する役目を持つ。
ビードコード2は、スチールワイヤなどからなり、ホイールリムとの内圧を保持したり、回転するタイヤTに作用するトルクに対して、タイヤTとホイールリムとの間に滑りが生じないようにタイヤTをホイールリムに固定する役割を果たす。このビードコード2の周囲には、ゴムからなるビードフィラー3が設けられる。
ビードフィラー3は、ビード部1におけるカーカス4の折り返し部分を満たし、ビード部1の補強部材としての役割を果たす。
【0015】
図2は、ビードコード2の拡大断面図を示す。図3は、ビードコード2を形成するビードコア5に対するビード線材50の巻付け工程を示す。図4は、本発明に係る筒体10による接続構造のビード線材50への適用図を示す。
ビード線材50は、ビードコア5に対して螺旋状に巻付けられ、例えば図2の拡大断面図に示すようにビードコア5の外周に均一に層A、B、Cをなすように所定回数、螺旋状の巻付け工程が繰り返されビードコード2が形成される。
【0016】
図2に示すように、1層目A、2層目B、3層目Cを形成するビード線材50は、図3に示すようにビードコア5に螺旋状に巻付けられる。
1層目Aをなすビード線材50Aは、ビードコア5の外周を覆うように8周分の巻付けが行われる。なお、1層目Aのビード線材50Aは、ビードコア5に巻付けられるように予め螺旋状に癖付けされ、1層目Aを形成するように所定の長さに切断される。
図4に示すように、ビード線材50Aは、筒体10の両端開口10a、10bからそれぞれビード線材50Aの両先端50a、50bが突き合わされるように貫入し接続される。これによりビード線材50の1層目の巻付けの工程が完了する。
【0017】
次に2層目Bをなすビード線材50Bは、ビード線材50Aの外周を覆うように8周分の巻付けが行われる。なお、2層目Bのビード線材50Bは、ビード線材50Aに巻付けられるように予め螺旋状に癖付けされ、2層目Bを形成するように所定の長さに切断される。ビード線材50Bは、筒体10の両端開口10a、10bからそれぞれビード線材50Bの両先端が突き合わされるように貫入し接続される。これによりビード線材50の2層目の巻付けの工程が完了する。
次に3層目Cをなすビード線材50Cは、ビード線材50Bの外周を覆うように8周分の巻付けが行われる。なお、3層目Cのビード線材50Cは、ビード線材50Bに巻付けられるように予め螺旋状に癖付けされ、3層目Cを形成するように所定の長さに切断される。ビード線材50Cは、筒体10の両端開口10a、10bからそれぞれビード線材50Cの両先端が突き合わされるように貫入し接続される。これによりビード線材50の3層目の巻付けの工程が完了する。
なお、このビード線材50の巻付け積層を行う工程の回数は、製造するタイヤTの種類により異なり、上記例示した巻付けの回数や積層する回数には限らない。
【0018】
図5は、本発明に係る接続具である筒体10の拡大斜視図を示す。図6は、筒体10の中心軸方向の断面図を示す。
図5、図6に示すように、ビード線材50の両先端50a、50bは、両端が開口する筒体10の両端開口10a、10bにそれぞれ挿入される。上記ビード線材50の両先端50a、50b側の外周には、凸部53よりなる係合部55を形成する。筒体10にはビード線材50方向に突出する突出部15を形成する。ビード線材50は、ビード線材50の係合部55と筒体10の突出部15とを係合させて、先端50a、50bを筒体10に貫入することにより接続される。
なお、凸部53の後部には、テーパー52(凹部)を形成することで、係止力を増加するようにしている。
【0019】
図6に示すように筒体10は、胴部11が両端開口10a、10bよりも拡径する。突出部15は、筒体10の中心軸O方向に切り起こされて、先端16aが筒体10の長さ方向の中央W側を向くように切り起し爪16が形成される。切り起し爪16は、筒体10の周面に複数設けられ、好ましくは、周方向に均等に配置されるように設けるのが良い。この切り起し爪16の先端16aは、バネのように中心軸O方向を向いた状態を自然な状態として、バネのように胴部11方向に動くことができる。
筒体10の周面に複数設けられた切り起し爪16は、ビード線材50の先端50a、50bに挿入方向とは逆向きに力を加えたときに、先端16aと凸部53との引っ掛かりが中央Wを挟んでビード線材50の先端50a側と先端50b側に得られるように筒体10の中央Wに対して対称となるように形成される。
なお、切り起し爪16は、図5、図6に示す形状に限らない。胴部11は、後述する切り起し爪16の先端16aが、中心軸O方向に対して傾斜角を大きくするために拡径させているが切り起し爪16と、ビード線材50の係合部55に設けられた凸部の関係によっては、胴部11を拡径させる必要はない。
【0020】
図6に示す筒体10の切り起し爪16は、例えば、バルジ加工などによって容易に形成することができる。
例えば、筒体10を金属などにより作る場合において、筒体10の胴部11が、両端開口10a、10bよりも拡径しているときには、胴部11に合う径を有する中空パイプを用意する。そして、切り起し爪16を形成するための複数に分割可能なダイスを中空パイプの内部に挿入し、中空パイプの外側から液体などを用いて加圧して、切り起し爪16を形成する。この後、両端開口10a、10bは、適用されるビード線材50の外径に合うように縮径させて形成することができる。また、筒体10の素材を樹脂にした場合には射出成形などにより容易に形成することができる。
【0021】
図7は、ビード線材50の先端50a、50bに凸部53が形成されたビード線材50の先端50a、50bを示す。
両先端50a、50bは、図6に示した筒体10に適用される。ビード線材50は、筒体10の突出部15と係止するように両先端50a、50b側の外周51に凸部53よりなる係合部55を備える。
例えば、係合部55は、ビード線材50の外周51に形成リング状に形成された凸部53に限定されず、螺旋状に形成しても良い。
【0022】
以下両先端50a、50bが対称のため先端50aを用いて説明する。
先端50aは、切断面57を有するビード線材50の先端50aの外周51に対して、傾斜面を有するビード線材50の外周51と先端50aに残されるビード線材50の外周51と同じ径を有する凸部53のためのテーパー52(凹部)を形成する。
【0023】
このテーパー52(凹部)は、簡易的な切削具を用いることによりビード線材50の外周51に容易に形成することができる。
例えば、ビード線材50の切断面57に加工具を押付け外周51周りに切削用のバイトなど刃物が突き当たるように設定したのちに、加工具をビード線材50の外周51周りに回転させることにより容易に形成することができる。
【0024】
図8(a)、(b)、(c)は、図6に示した筒体10と図7に示したビード線材50の接続方法について示す。
図8(a)に示すように、筒体10の端部開口10a側に挿入されるビード線材50の先端50aは、図8(b)に示すように挿入の進行に伴い凸部53によって筒体10の備える切り起し爪16を徐々に外側に押広げながら挿入される。
さらに挿入が進むと、切り起し爪16の先端16aが、ビード線材50のテーパー52(凹部)まで挿入されたときに、図8(c)に示すように切り起し爪16は、もとの位置、つまり押戻される前の形状に戻り、テーパー52(凹部)に落ち込む。
これにより、挿入方向とは逆向きにビード線材50が引張られたときにも、切り起し爪16の先端16aが、凸部53の壁面58に突き当たることにより、筒体10からビード線材50の抜けを防止する。
【0025】
実施形態2
例えば、図9に示すように、他のビード線材50の先端50a、50bの係合部55として、ビード線材50の先端50a、50bがネジ切り加工により形成されても良い。このとき筒体10は、実施形態1と同じものを適用することができる。
例えば、筒体10の端部開口10a側からビード線材50の先端50aを挿入すると、切り起し爪16は、ビード線材50の先端50aによって徐々に押戻される。切り起し爪16の先端16aは、挿入したいずれかの位置において、ネジ切り加工によって形成された谷の部分つまり凹部52Aに落ち込む。この落ち込みによって、切り起し爪16の先端16aは、ネジ切り加工によって形成されたネジ部分59に突き当たり係止される。これにより、ビード線材50を筒体10から引き抜く力が加えられても容易に引き抜くことができず、実施形態1と同様に抜け防止の効果が得られる。
【0026】
実施形態3
また、図10に示すように、他のビード線材50の先端50a、50bの形態として、係合部55を長く形成し、筒体10の中央にビード線材50の先端50a、50bを阻止する阻止部19を筒体10の長さ方向の中央Wに設けても良い。このようにすると、阻止部19に突き当たるまで先端50a、50bを挿入することにより両先端50a、50bを等しい長さで係止することができ、ビード線材50の先端50aもしくは先端50bの挿入不足が生じることがない。
【0027】
実施形態4
また、図11に示すように、他のビード線材50の先端50a、50bの形態として、外周に凸部53Aを多段に設け、その挿入側の径を縮径させて形成しても良い。このように形成すると、筒体10への先端50a、50bの挿入において、切り起し爪16から受ける抵抗が少なく、容易に挿入することができるとともに、いずれかの凸部53Aに係止するので係止操作が容易となる。
【0028】
実施形態5
また、図12に示すように、他の筒体10の形態としては、筒体10を外方から内方に突出させたプレス突起21によって突出部15を形成しても良い。例えば、ビード線材50の係合部55にプレス突起21がちょうどネジのピッチにはまるようなネジ切り加工を施し、ビード線材50に対して筒体10を回転させることによりビード線材50と筒体10とを係合させることができる。さらにビード線材50の係合部55を一方が順ネジ、他方が逆ネジとなるように加工すると筒体10を一方向に回転させるだけでビード線材50の両先端50a、50bが筒体10に係止され、ビード線材50を接続することができる。また、本形態では、ビード線材50の両先端50a、50bは、回転させることなく、プレス突起21に圧入するようにして係止させても良い。
【0029】
実施形態6
また、図13に示すように、他の筒体10に突出部15を形成しビード線材50の両先端50a、50bを接続する形態としては、筒体が両端開口方向に開口部を有し、開口部の両縁にかしめ片を有する金属板を筒状に成形しても良い。
例えば実施形態5のような筒体10の突出部15と、両端開口10a、10b方向に開口する開口部22の開口する両縁23,23から側片24,24を設ける。この側片24の一方にかしめ片26を設けて、他方の側片24に折曲してカシメると強固にビード線材50の両先端50a、50bを筒体10により接続することができる。
【0030】
上記実施形態1〜6に示した、ビード線材50の両先端50a、50bを筒体10により接続する構造において、ビード線材50と筒体10の素材を導電材より形成し、ビード線材50の電気的接続を可能としても良い。本発明では、ビード線材50の両先端50a、50bと接続具である筒体10との接続が確実となるため、ビード線材50と筒体10の素材を導電材より形成すると、例えば、ビード線材50に対して磁界を与えることで電力を得ることや、ビード線材50に加わる力により微小に伸縮するビード線材50の抵抗を測定することによりタイヤTに加わる力を測定することなど、ビード線材を電気的に利用することが可能となる。
【0031】
なお、各実施形態では、凸部53を形成するとして説明したが、これに代えて凹部でも又は、凸部でも凹凸部でも良い。また、これらはリング状のものに限定されず不連続に形成しても良い。
【0032】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態に係るタイヤ構造断面図。
【図2】本発明の実施形態に係るビードコード断面図。
【図3】本発明の実施形態に係るビード線材巻付け工程概念図。
【図4】本発明の実施形態に係る筒体によるビード線材先端の結線図。
【図5】本発明の実施形態1に係る筒体斜視図。
【図6】本発明の実施形態1に係る筒体断面図。
【図7】本発明の実施形態1に係る加工されたビード線材先端図。
【図8】本発明の実施形態1に係る結線工程図。
【図9】本発明の実施形態2に係る結線断面図。
【図10】本発明の実施形態3に係る結線断面図。
【図11】本発明の実施形態4に係る結線断面図。
【図12】本発明の実施形態5に係る結線断面図。
【図13】本発明の実施形態6に係る接続具斜視図。
【符号の説明】
【0034】
1 ビード部、2 ビードコード、5 ビードコア、10 筒体、10a 端部開口、
10b 端部開口、15 突出部、16 切り起し爪、16a 先端、
50 ビード線材、50a 先端、50b 先端、52 凹部、53 凸部、
55 係合部、T タイヤ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒体の両端開口よりビード線材の両先端を挿入し、
上記ビード線材の両先端側の外周には凹部又は凸部又は凹凸よりなる係合部を設け、
上記筒体には上記ビード線材方向に突出する突出部を形成することを特徴とするビード線材の接続構造。
【請求項2】
上記筒体の突出部は、筒体中心軸方向に切り起こされて、先端が筒体の長さ方向の中央側を向く切り起し爪よりなることを特徴とする請求項1に記載のビード線材の接続構造。
【請求項3】
上記筒体の突出部は、筒体を外方から内方に突出させたプレス突起よりなることを特徴とする請求項1に記載のビード線材の接続構造。
【請求項4】
上記ビード線材の係合部は、ビード線材の外周にリング状又は螺旋状に形成されてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のビード線材の接続構造。
【請求項5】
上記筒体の長さ方向の中央には、ビード線材の先端を阻止する阻止部を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のビード線材の接続構造。
【請求項6】
上記筒体は、両端開口方向に開口部を有し、開口部の両縁にかしめ片を有する金属板を筒状に成形してなる請求項1に記載のビード線材の接続構造。
【請求項7】
上記筒体及びビード線材を導電材より形成し、ビード線材の電気的接続を可能とすることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のビード線材の接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−64630(P2010−64630A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233290(P2008−233290)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】