説明

ピッキング設備

【課題】本発明は、作業が無い作業者を無くすことができ、さらにピッキングエリアの広がりを防止できるピッキング設備を提供することを目的とする。
【解決手段】仕分け先が割り付けられた物品収納容器1を搬送するメインコンベヤ装置6と、仕分け先から注文され前記物品収納容器1に対して収納される物品4がピッキングされ、投入コンベヤ装置14に投入される複数のピッキングゾーン11と、メインコンベヤ装置6から各ピッキングゾーン11に対してそれぞれ物品収納容器1を分岐・搬送するメイン分岐装置21および分岐コンベヤ装置22を備え、投入コンベヤ装置14および分岐コンベヤ装置22を、物品収納容器1または物品4の投入部、複数のストレージ部、取出部を有し、投入部に投入された物品収納容器1または物品4を、取出部から物品収納容器1または物品4が搬出されると、複数のストレージ部を順送りし取出部まで搬送する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピッキング対象の物品が、仕分け先から注文がある出荷頻度の高い高頻度の物品と、この高頻度の物品より出荷頻度が低い物品から構成され、これら高頻度の物品と低頻度の物品を、仕分け先からの注文に応じてピッキングするピッキング設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の上記ピッキング設備の一例が、例えば特許文献1に開示されている。
この特許文献1に開示のピッキング設備(システム)は、出荷頻度(高頻度および低頻度)の異なる物品(アイテム)をそれぞれ保管してピッキングするエリア(高頻度保管棚を有する高頻度エリア、及び低頻度保管棚を有する低頻度エリア)を有する複数のゾーン(例えば、ゾーン1、ゾーン2、ゾーン3)と、出荷先毎の複数の物品収納容器(集品箱)を搬送するメインコンベヤとを備え、メインコンベヤは、各出荷先からの注文データに基づいて、物品収納容器を複数のゾーンのうち所定のゾーンを選択的にバイパスさせピッキング作業が実行されるように構成されている。
【0003】
また前記各ゾーン1〜3の高頻度保管棚に、それぞれ例えば同一の高頻度物品A,B,Cが格納され、各物品A,B,C毎にそれぞれ作業者が配置されている。またゾーン1の低頻度保管棚に例えば低頻度物品P,Qが格納され、これら低頻度物品P,Qに一人の作業者が配置され、またゾーン2の低頻度保管棚に例えば低頻度物品R,Sが格納され、これら低頻度物品R,Sに一人の作業者が配置され、さらにゾーン3の低頻度保管棚3に例えば低頻度物品T,Uが格納され、これら低頻度物品T,Uに一人の作業者が配置されている。このように各ゾーン1〜3には、4人の作業者が配置されている。
【0004】
このような構成において、ピッキング設備を制御するピッキングコントローラの機能により、各出荷先からの注文データに基づき、低頻度物品P〜Uが注文されているときは、この注文された低頻度物品P〜Uが保管されたゾーン1〜3が選択され、そのゾーンに向って物品収納容器が分岐搬送されるともに、高頻度物品A〜Cのみをピッキングする場合には、各ゾーン1〜3の高頻度物品A〜Cのピッキングの負荷状況が把握され、負荷のない又は負荷の小さい複数のゾーン1〜3から最適のゾーンが選択され、そのゾーンに向って物品収納容器が分岐搬送される。当該ゾーンの作業者は、保管棚に指示されたピッキング情報に基づいて高頻度物品A〜C及び低頻度物品P,QまたはR,SまたはT,Uをそれぞれピッキングし、順次所定の物品収納容器内に投入し、ピッキング作業を終了する。
【0005】
このような設備によれば、高頻度物品に対してアイドルタイムのない効率の良いピッキング作業を行うことができるとともに、注文負荷の集中を抑制することができ、また高頻度物品のピッキングを負荷の少ないゾーンに割り当てることにより、一定の生産性を維持することができる。
【特許文献1】特開2005−247554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のピッキング設備では、各ゾーンにおいて複数の作業者がピッキング作業を実行しているが、高頻度物品をピッキングする作業者と低頻度物品をピッキングする作業者の作業量に不均等が生じやすく、作業が無い作業者が発生し、作業者の負担にアンバランスが生じるという問題があった。
【0007】
また各ゾーンで同じ高頻度物品と低頻度物品を多く保管するようになると、各ゾーンの設置エリアが広がり、全体としてピッキングエリアが広がるという問題があった。
そこで、本発明は、作業が無い作業者を無くし、作業者全体の負担のバランスを取ることができ、さらにピッキングエリアの広がりを防止できるピッキング設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、仕分け先が割り付けられた物品収納容器を搬送する主搬送経路と、複数の品目の物品が収納され、前記仕分け先から要求された品目の物品がピッキングされる複数のピッキングゾーンと、前記各ピッキングゾーン毎に設けられ、前記主搬送経路から前記各ピッキングゾーンに対して前記物品収納容器を分岐する分岐経路と、
前記各ピッキングゾーン毎に前記分岐経路に対応して設けられ、前記ピッキングゾーンにおいてピッキングされた物品を、前記分岐経路の終端に向けて搬送する投入経路と、前記分岐経路の終端へ到着し、前記投入経路により搬送された物品が投入された物品収納容器を搬出する搬出経路と、前記1つのピッキングゾーンにて仕分け先より要求された物品のピッキングが終了しないとき、この物品収納容器を前記搬出経路より前記主搬送経路の前記分岐経路より上流側に戻す戻し経路を備え、前記分岐経路と投入経路はともに、前記物品収納容器または物品の投入部、複数のストレージ部、取出部を有し、投入部に投入された物品収納容器または物品は、取出部から物品収納容器または物品が搬出されると、あるいは取出部に物品収納容器または物品が存在しないときに、複数のストレージ部を順送りされ、取出部まで搬送される構成とされていることを特徴とするものである。
【0009】
上記構成によれば、主搬送経路から各ピッキングゾーンへ分岐され分岐経路の終端へ搬送された物品収納容器に対して、ピッキングゾーンでピッキングされて投入経路により搬送された物品が投入されることにより、ピッキング作業が実行される。このとき、仕分け先から要求された物品が複数のピッキングゾーンに渡って保管されていると、1つのピッキングゾーンにて物品収納容器への物品のピッキング作業が終了せず、この物品収納容器は戻し経路により主搬送経路の分岐装置より上流に戻され、主搬送経路および分岐経路を経由して残りの物品が保管されたピッキングゾーンへ搬送され、ピッキング作業が再実行される。
【0010】
また分岐経路と投入経路はともに、物品収納容器または物品の投入部、複数のストレージ部、取出部を有する構成とされていることにより、分岐経路へ次々と分岐されてきた物品収納容器は、順に投入部から取出部に搬送され、同時に前記物品収納容器に順に投入される物品がピッキングゾーンでピッキングされ投入経路の投入部に投入され、順送りされ、取出部まで搬送される。よって各ピッキングゾーンの作業者は、常にピッキング作業を行っていることから、作業が無い作業者が無くなり、作業者全体の負担のバランスを取ることができる。
【0011】
また請求項2に記載の発明は、前記各分岐経路に、分岐された物品収納容器を特定する特定手段が設けられ、前記物品収納容器が特定される毎に、前記ピッキングゾーンにピッキングする物品の指令が出力され、この指令に基づいてピッキングされた物品は前記投入経路の投入部へ投入されることを特徴とするものである。
【0012】
上記構成によれば、物品収納容器が分岐経路へ分岐される毎に、物品収納容器は特定され、この特定に応じてピッキングゾーンにピッキングする物品の指令が出力され、この指令に基づいて物品がピッキングされ投入経路の投入部へ投入される。
【0013】
また請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明であって、前記各ピッキングゾーンはそれぞれ、全ピッキングゾーンで共通で且つ殆どの前記仕分け先から要求がある出荷頻度の高い高頻度の物品が複数収納された高頻度ピッキング棚、および各ピッキングゾーンで固有で且つ前記高頻度ピッキング棚に収納された物品より出荷頻度が低い低頻度の物品が複数収納された低頻度ピッキング棚を備え、一人の作業者により前記ピッキング作業が実行可能な構成とされていることを特徴とするものである。
【0014】
上記構成によれば、各物品収納容器は、主搬送経路よれ分岐経路を経由してピッキングゾーンへ搬送され、搬送された物品収納容器に対して、一人の作業者により、高頻度ピッキング棚および低頻度ピッキング棚よりピッキング作業が実行され、ピッキング作業が終了した物品収納容器は、搬出経路により搬出される。このとき、各ピッキングゾーンには、全ピッキングゾーンで共通で且つ高頻度の物品が複数収納された高頻度ピッキング棚が備えられていることにより、各ピッキングゾーンにおいて常にピッキング作業が実行され、よって作業者の作業効率が向上し、また作業者の作業量は殆ど同じとなり、作業者の負荷が均等となる。またピッキングゾーンは、一人の作業者によりピッキング可能な構成とされていることにより物品の品目は限定され、各ピッキングゾーンの設置エリアは狭く、全ピッキングゾーンを合わせたピッキングエリアが広がることが防止される。また各ピッキングゾーン間での連携なしにピッキング作業が各ピッキングゾーンで独自に実行されることにより、各ピッキングゾーンで発生した遅滞が他のピッキングゾーンに影響を与えることが防止される。
【0015】
また請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明であって、前記低頻度の物品は、各ピッキングゾーンで出荷頻度が略同一となるように各ピッキングゾーンに分散され、前記低頻度ピッキング棚に保管されることを特徴とするものである。
【0016】
上記構成によれば、低頻度の物品が、各ピッキングゾーンで略同一にピッキングされるよう、各ピッキングゾーンに分散されて保管されていることにより、各ピッキングゾーンでは、低頻度ピッキング棚においてピッキングされる物品の量が略均等にされ、各ピッキングゾーンの作業者の作業量が均等にされ、また物品収納容器は、各ピッキングゾーンに均等に分岐される。
【0017】
また請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明であって、全ての物品収納容器に共通の物品を投入する共通物品投入ゾーンを、前記主搬送経路の前記分岐経路より上流に設けたことを特徴とするものである。
【0018】
上記構成によれば、共通物品投入ゾーンにおいて全ての物品収納容器に共通の物品が投入され、よって各ピッキングゾーンにおけるピッキング作業量が減少し、全体としての作業効率が向上する。
【0019】
また請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明であって、前記高頻度ピッキング棚に保管される物品は、前記共通物品投入ゾーンにて投入される物品の次に出荷頻度が高い物品であり、前記低頻度ピッキング棚に保管される物品は、前記共通物品投入ゾーンにて投入される物品および高頻度ピッキング棚に保管される物品を除いた物品であることを特徴とするものである。
【0020】
上記構成によれば、設備より出荷される物品は、共通物品投入ゾーンにて投入される物品、共通物品投入ゾーンにて投入される物品の次に出荷頻度の高い物品、共通物品投入ゾーンにて投入される物品および高頻度ピッキング棚に保管される物品を除いた低頻度の物品に分類される。
【発明の効果】
【0021】
本発明のピッキング設備は、分岐経路へ分岐されてきた物品収納装置は、順に投入部から取出部まで搬送され、同時に前記物品収納装置に投入される物品は順にピッキングゾーンでピッキングされ投入経路の投入部に投入され、順送りされ、取出部に搬送されることにより、ピッキングゾーンの作業者は、常にピッキング作業を行うことになり、作業が無い作業者を無くすことができ、作業者全体の負担のバランスを取ることができる、という効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態におけるピッキング設備の構成図である。
図1において、1は出荷先が割り当てられた物品収納容器であり、これら物品収納容器1は、2本の共通コンベヤ装置2A,2Bの上流端に投入され搬送されながら、それぞれ、共通コンベヤ装置2A,2Bの下流に配置された自動投入装置3A,3Bから共通の品目の複数の物品4(図では物品[1]と物品[2]の2品目)が投入される。これら共通に投入される物品4は、各出荷先から注文される出荷頻度が最も高い物品に相当する。また各物品収納容器1には、この容器1を特定するバーコード(例えば、出荷先を特定する情報)が付される。また共通コンベヤ装置2A,2Bに沿って各自動投入装置3A,3Bの上流位置には、物品収納容器1に付された前記バーコードを読み取るバーコードリーダ7A,7Bが設置されている。そして、共通の物品4が投入された物品収納容器1は、合流装置5で合流され、メインコンベヤ装置(主搬送経路の一例)6で搬送される。上記自動投入装置3A,3Bおよびバーコードリーダ7A,7Bが配置されたゾーンにより、全ての物品収納容器1に共通の物品を投入する共通物品投入ゾーン8が形成されている。
【0023】
前記メインコンベヤ装置6に沿って、出荷先(仕分け先)から注文された物品4をピッキングし、物品収納容器1に対して投入するピッキング作業が実行されるN(Nは2以上の整数)個のピッキングゾーン11が形成され、各ピッキングゾーン11は、全ピッキングゾーン11で共通で且つ殆どの出荷先から注文がある出荷頻度の高い高頻度の物品4が複数収納された高頻度ピッキング棚12、各ピッキングゾーン11で固有で且つ高頻度ピッキング棚12に収納された物品4より出荷頻度が低い低頻度の物品が複数収納された低頻度ピッキング棚13、およびこれらピッキング棚12,13からピッキングされた物品4が投入される投入コンベヤ装置14を備えており、各ピッキングゾーン11は、一人の作業者Pにより所定時間内に物品収納容器1に対してこれらピッキング棚12,13よりピッキング作業が実行可能な物品4の品目数に限定されている。また各ピッキング棚12,13にはそれぞれ、物品4をそれぞれ収納する複数のラック(物品収納部;図示せず)が設けられ、各ラックにはピッキング表示器15(図3)が設けられている。ピッキング表示器15には、ピッキングする物品4の数量を示す複数桁(例えば、2桁)のディジタル表示器15a(図3)と、ピッキングする物品4があることを表示する表示ランプと作業終了時に操作するボタンスイッチを兼ねた表示/完了ボタン15b(図3)が設けられている。なお、高頻度ピッキング棚12に保管される物品4は、自動投入装置3A,3Bより投入される共通の物品4の次に出荷頻度が高い物品である。また低頻度ピッキング棚13に保管される物品4は、自動投入装置3A,3Bより投入される共通の物品4および高頻度ピッキング棚12に保管される物品4を除いて出荷される物品である。これら低頻度は、各ピッキングゾーン11で出荷頻度が略同一となるように各ピッキングゾーン11に分散され、低頻度ピッキング棚13に保管され、低頻度ピッキング棚13からピッキングされる物品4の数量が略同一となるように保管されている。また投入コンベヤ装置14の物品4の投入部の近傍には、ピッキング終了を表示する表示ランプとピッキング終了時に操作されるスイッチを兼ねた表示/終了スイッチ16が設けられている。
【0024】
またメインコンベヤ装置6には、合流装置5の下流にこの合流装置5に沿って物品収納容器1に付されたバーコードを読み取るバーコードリーダ20が設置され、このバーコードリーダ20の下流に、各ピッキングゾーン11に対して物品収納容器1を分岐するためのメイン分岐装置21が設けられている。このメイン分岐装置21から各ピッキングゾーン11へ向けて分岐された物品収納容器1はそれぞれ、分岐コンベヤ装置22により、各ピッキングゾーン11の投入コンベヤ装置14の下流端へ搬送される。また各分岐コンベヤ装置22の上流には、分岐された物品収納容器1に付されたバーコードを読み取るバーコードリーダ(分岐経路により分岐された物品収納容器を特定する特定手段)23が設置されている。上記メイン分岐装置21および分岐コンベヤ装置22により、メインコンベヤ装置6から各ピッキングゾーン11に対してそれぞれ物品収納容器1を分岐する分岐経路が形成されている。上記構成により、ピッキングゾーン11、投入コンベヤ装置14および分岐コンベヤ装置22からなる群はそれぞれ、メインコンベヤ装置6に対して並列に設けられる。
【0025】
また投入コンベヤ装置14と分岐コンベヤ装置22はともに、アキュムレーションコンベヤ装置から構成され、投入部、複数のストレージ部、取出部を備え、投入部に投入された物品収納容器1または物品4は、取出部から物品収納容器1または物品4が搬出されると、あるいは取出部に物品収納容器1または物品4が存在しないときに、複数のストレージ部を順送りされ、取出部まで搬送される。そして分岐コンベヤ装置22の取出部まで搬送されてきた物品収納容器1に対して、投入コンベヤ装置14により搬送されてきた物品4が投入され(ピッキングゾーン11におけるピッキング作業が実行され)、終了すると、物品収納容器1は梱包場または出荷場へ搬送する搬出コンベヤ装置(搬出経路の一例)24へ投入される。
【0026】
また搬出コンベヤ装置24には、最も下流に位置するピッキングゾーン11から物品収納容器1が投入される位置より下流位置に、搬出コンベヤ装置24により搬送されている物品収納容器1のバーコードを読み取るバーコードリーダ27が設けられ、さらに下流に物品収納容器1を分岐するサブ分岐装置28が設けられている。このサブ分岐装置28により分岐された物品収納容器1は、戻しコンベヤ装置29により、メインコンベヤ装置6の上流端へ戻されて共通の物品4が投入された物品収納容器1と合流装置5で合流される。上記サブ分岐装置28と戻しコンベヤ装置29により、戻し経路が形成されている。
【0027】
また図2に示すように、出荷先別の物品収納容器1は、ピッキングされる物品4によって、自動投入装置3A,3Bより投入される共通の物品4のみが仕分けられるもの(以下、a分類の物品収納容器と称す)、自動投入装置3A,3Bより投入される共通の物品4および各ピッキングゾーン11で共通の高頻度ピッキング棚12からピッキングされた物品4が仕分けられるもの(以下、b分類の物品収納容器と称す)、自動投入装置3A,3Bより投入される共通の物品4、各ピッキングゾーン11で共通の高頻度ピッキング棚12からピッキングされた物品4、および各ピッキングゾーン11で専用の低頻度ピッキング棚13からピッキングされた物品4が仕分けられるもの(以下、c分類の物品収納容器と称す)の3種類に分類される。
【0028】
図3はピッキング設備の制御構成図を示す。
31は、各ピッキングゾーン11毎に設けられ各ラックに設けたピッキング表示器15を制御するピッキングコントローラ、32はメインコンベヤ装置6のメイン分岐装置21を制御するメイン分岐コントローラ、33は搬出コンベヤ装置24のサブ分岐装置28を制御するサブ分岐コントローラ、34A,34Bは自動投入装置3A,3Bをそれぞれ制御する自動投入コントローラ、35はこれらコントローラ31,32,33,34A,34Bを統括制御し、各ピッキングゾーン11毎の投入コンベヤ装置14と分岐コンベヤ装置22、共通コンベヤ装置2A,2B、合流装置5、メインコンベヤ装置6、搬出コンベヤ装置24、および戻しコンベヤ装置29を駆動する統括コントローラである。各コントローラについて説明する。
「統括コントローラ35」
統括コントローラ35には、予め物品4を仕分けて出荷する出荷先(例えば店舗)のリストが設定され、各店舗に割り当てる物品収納容器1には、この容器を特定するバーコードが設定される。
【0029】
そして、各店舗から物品4の品目および数量からなる注文データが入力されると、図4に示すように、注文リストを形成する。今、一例として、自動投入装置3A,3Bより投入される共通の物品4の品目を2種(物品[1],物品[2])、高頻度ピッキング棚12に保管される物品4の品目を10種(物品[3]〜物品[12])、低頻度ピッキング棚13に保管される物品4の品目を88種(物品[13]〜物品[100])としている。
【0030】
図5に各ピッキングゾーン11に保管されている物品4の保管リストの一例を示す。各ピッキングゾーン11の低頻度ピッキング棚13にそれぞれ保管されている低頻度の物品4は、上述したように各ピッキングゾーン11で出荷頻度が略同一となるように各ピッキングゾーン11に分散されたものであり、各ピッキングゾーン11で固有のものとなっている。例えば、ピッキングゾーン11の数Nが11のとき、8種程度の低頻度の物品4が各低頻度ピッキング棚13に分散・保管される。このように設定された低頻度の物品4のリストは予め統括コントローラ35に設定される。上述したように、各ピッキングゾーン11は、一人の作業者Pによりピッキング作業が実行され、また所定時間に1つの物品収納容器1に対するピッキング作業が実行されることが要求されることから、高頻度ピッキング棚12に保管される物品4の品目は10種程度、また低頻度ピッキング棚13に保管される物品4の品目も10種程度が望ましい。
*自動投入データの作成
図4に示す注文リストより、各店舗の「物品収納容器1のバーコード」と物品[1]の数量および物品[2]の数量の対からなる自動投入データを形成し、自動投入コントローラ34A,34Bへ出力する。
*メイン分岐データ、サブ分岐データの作成
図4に示す注文リストより、各店舗に割り当てられた物品収納容器1の分類が、図6に示すように、上記a分類か、b分類か、c分類かを判断する。そして、a分類の物品収納容器1の場合は、メイン分岐装置21では分岐させる必要がないので分岐なしに設定する。またc分類の物品収納容器1の場合は、図5の保管リストに基づいて、注文された物品の中で低頻度の物品4が保管されているピッキングゾーン11を求め、このピッキングゾーン11のナンバーを分岐データとする(なお、複数のピッキングゾーン11に分岐しなければならないとき、順に複数設定する)。そして、c分類の物品収納容器1の分岐データが形成されると、続いてb分類の物品収納容器1を分岐するピッキングゾーン11を設定する。すなわち、1回目の分岐において、c分類の物品収納容器1が分岐されないピッキングゾーン11を求め(1回目の分岐ではピッキング作業が実行されないピッキングゾーン11を求め)、求まると、このピッキングゾーン11のナンバーをb分類の物品収納容器1の分岐データとし、求まらないとき、2回目以降の分岐を含めて最も分岐の回数が少ないピッキングゾーン11を求め、このピッキングゾーン11のナンバーをb分類の物品収納容器1の分岐データとする。そして、各店舗の「物品収納容器1のバーコード」と、分岐データのピッキングゾーン11のナンバーからなるメイン分岐データを形成し、メイン分岐コントローラ32へ出力する。さらに、2回目に分岐するピッキングゾーン11のナンバーが存在する各店舗の「物品収納容器1のバーコード」、3回目に分岐するピッキングゾーン11が存在する各店舗の「物品収納容器1のバーコード」と、順に2回目以降にピッキングゾーン11のナンバーが存在する各店舗の「物品収納容器1のバーコード」を連ねて、サブ分岐データを形成し、サブ分岐コントローラ33へ出力する。
*ピッキングデータの作成
統括コントローラ35には、図3に示すように、各ピッキングゾーン11毎に設けられているバーコードリーダ23が接続されており、統括コントローラ35は、各ピッキングゾーン11毎にバーコードリーダ23によりバーコードが入力されると順に番号を付して記憶する。そして、バーコードを確認する毎に、このバーコードで特定される物品収納容器1の注文リスト(共通品目を除く)の中から、図5の保管リストに基づいて、前記バーコードを入力したピッキングゾーン11でピッキングする物品4とその数量からなるピッキングデータを作成し、上記順番の番号を付して、前記バーコードを入力したピッキングゾーン11のピッキングコントローラ31へ出力する。そして、ピッキングコントローラ31より、上記順番の番号が付されたピッキング終了信号(後述する)を入力すると、同番号を付して出力したピッキングデータに基づいて、注文リスト(共通品目を除く)からこのピッキングゾーン11でピッキングが終了した物品4を削除して物品収納容器1の注文リストを更新する。なお、2回目以降の分岐の際には、最初の注文リスト(共通品目を除く)からピッキングが終了した物品4が削除されて注文リストが更新されていることから、ダブリで物品4がピッキングされることが防止されている。
「自動投入コントローラ34A,34B」
各自動投入コントローラ34A,34Bには、それぞれバーコードリーダ7A,7Bが接続されており、統括コントローラ35より上記「物品収納容器1のバーコードと物品[1]の数量および物品[2]の数量の対からなる自動投入データ」が入力される。そして、各自動投入コントローラ34A,34Bは、それぞれバーコードリーダ7A,7Bよりバーコードが入力されると、このバーコードで自動投入データを検索して、投入する物品[1]の数量および物品[2]の数量を求め、自動投入装置33へ出力し、搬送されてきた物品収納容器1へ求めた数量の物品[1]および物品[2]を投入する。
「メイン分岐コントローラ32」
メイン分岐コントローラ32には、バーコードリーダ20が接続され、統括コントローラ35より上記「物品収納容器1のバーコードと分岐するピッキングゾーン11のナンバーからなるメイン分岐データ」が入力される。そして、バーコードリーダ20よりバーコードが入力されると、このバーコードの入力回数をカウントし、1回目のとき、バーコードでメイン分岐データの1回目のピッキングゾーン11のナンバーを検索し、求めたナンバーのピッキングゾーン11を分岐先としてメイン分岐装置21を駆動して物品収納容器1を分岐する。また入力回数が2回目のとき、バーコードでメイン分岐データの2回目のピッキングゾーン11のナンバーを検索し、入力回数が3回目のとき、バーコードでメイン分岐データの3回目のピッキングゾーン11のナンバーを検索して、分岐先のピッキングゾーン11を求める。
「サブ分岐コントローラ33」
サブ分岐コントローラ33には、バーコードリーダ27が接続され、統括コントローラ35より上記「2回目以降にピッキングゾーン11のナンバーが存在する各店舗の物品収納容器1のバーコードを連ねて形成したサブ分岐データ」が入力される。そして、バーコードリーダ27よりバーコードが入力されると、このバーコードの入力回数をカウントし、1回目のときバーコードがサブ分岐データの2回目のピッキングゾーン11のナンバーが存在する物品収納容器1のバーコードと一致するかを確認し、確認すると、サブ分岐装置28を駆動して搬出コンベヤ装置24より戻しコンベヤ装置29へ物品収納容器1を分岐する。また入力回数が2回目のときバーコードがサブ分岐データの3回目のピッキングゾーン11のナンバーが存在する物品収納容器1のバーコードと一致するかを確認し、確認すると、サブ分岐装置28を駆動して搬出コンベヤ装置24より戻しコンベヤ装置29へ物品収納容器1を分岐する。このように入力回数の1つ多い回のピッキングゾーン11のナンバーが存在する物品収納容器1のバーコードと一致するかを確認し、確認すると、サブ分岐装置28を駆動して搬出コンベヤ装置24より戻しコンベヤ装置29へ物品収納容器1を分岐する。
「ピッキングコントローラ31」
ピッキングコントローラ31には、担当ピッキングゾーン11のラックに収納されている物品4のデータが予め設定されており、担当ピッキングゾーン11の全てのピッキング表示器15と表示/終了スイッチ16が接続されている。
【0031】
またピッキングコントローラ31には、統括コントローラ35より、担当するピッキングゾーン11で「ピッキングする物品4とその数量からなり、番号が付されたピッキングデータ」を入力しており、ピッキングコントローラ31は入力した順にピッキングデータを記憶する。
【0032】
またピッキングコントローラ31は、入力したピッキングデータの順に、ピッキングする物品4のデータによりこの物品4が収納されているラックを検索し、検索したラックのピッキング表示器15の表示/完了ボタン15bのランプを点灯し、ディジタル表示器15aにピッキングする物品の数量を表示する。そして、表示/完了ボタン15bの操作信号によりこの表示/完了ボタン15bを設けたラックにおけるピッキング作業が終了と判断し、ディジタル表示器15aおよび表示/完了ボタン15bの表示を消灯する。そして、全てのピッキング作業が終了したことを確認すると(ピッキングするラックの表示/完了ボタン15bの操作信号を全て入力したことを確認すると)、表示/終了スイッチ16の表示ランプを点灯し、次に表示/終了スイッチ16の操作信号を確認すると、表示/終了スイッチ16の表示ランプを消灯するとともに、ピッキングしたピッキングデータに付された番号を付したピッキング終了信号を統括コントローラ35へ出力し、次に記憶したピッキングデータに基づいて次のピッキング表示器15への表示を行う。
【0033】
上記ピッキング設備の構成による作用を説明する。
統括コントローラ35は、各店舗から物品4の品目および数量からなる注文データが入力されると、注文リストを形成し、続いてこの注文リストに基づいて、各店舗の物品収納容器1のバーコードと物品[1]の数量および物品[2]の数量の対からなる自動投入データを形成し、自動投入コントローラ34A,34Bへ出力する。
【0034】
次に、統括コントローラ35は、物品収納容器1のバーコードと分岐するピッキングゾーン11のナンバーからなるメイン分岐データを形成し、メイン分岐コントローラ32へ出力する。また2回目に分岐するピッキングゾーン11のナンバーが存在する各店舗の物品収納容器1のバーコード、3回目に分岐するピッキングゾーン11が存在する各店舗の物品収納容器1のバーコードと、順に2回目以降にピッキングゾーン11のナンバーが存在する各店舗の物品収納容器1のバーコードを連ねて、サブ分岐データを形成し、サブ分岐コントローラ33へ出力する。
【0035】
そして、統括コントローラ35は、共通コンベヤ装置2A,2B、合流装置5、メインコンベヤ装置6、投入コンベヤ装置14、分岐コンベヤ装置22、搬出コンベヤ装置24、および戻しコンベヤ装置29を駆動する。なお、投入コンベヤ装置14と分岐コンベヤ装置22はともに、アキュムレーションコンベヤ装置から構成されており、投入部に物品4が投入されると、物品4を順送りに取出部まで搬送する。
【0036】
そして、共通コンベヤ装置2A,2Bに、ランダムにバーコードが付された物品収納容器1が投入されると、上記自動投入コントローラ34A,34Bの機能により、搬送される物品収納容器1に対して各自動投入装置3A,3Bより共通品目の物品[1]および物品[2]が自動投入データにより指定された数量、投入される。
【0037】
そして、共通コンベヤ装置2A,2Bの終端まで搬送された、物品[1]および物品[2]投入済みの物品収納容器1は、合流装置5により合流され、メインコンベヤ装置6により搬送される。
【0038】
メインコンベヤ装置6により搬送された物品収納容器1は、共通品目の物品4を除く他の物品4を投入するために、メイン分岐装置21により、ピッキングゾーン11へ分岐される。すなわち、メイン分岐コントローラ32は、メイン分岐データとバーコードリーダ20から入力される物品収納容器1のバーコードに基づいて、メイン分岐装置21を駆動して物品収納容器1を分岐する。このとき入力したバーコード毎に入力回数をカウントし、1回目のとき、バーコードでメイン分岐データの1回目のピッキングゾーン11のナンバーを検索し、求めたナンバーのピッキングゾーン11を分岐先としてメイン分岐装置21を駆動して物品収納容器1を分岐し、入力回数が2回目のとき、バーコードでメイン分岐データの2回目のピッキングゾーン11のナンバーを検索し、入力回数が3回目のとき、バーコードでメイン分岐データの3回目のピッキングゾーン11のナンバーを検索して、物品収納容器1を分岐する。またa分類の物品収納容器1は分岐されずに、メインコンベヤ装置6により梱包場へ搬送される。
【0039】
メイン分岐装置21により分岐された物品収納容器1は、分岐コンベヤ装置22の投入部に投入され、複数のストレージ部を順送りされ、取出部まで搬送される。また投入部に投入されると物品収納容器1のバーコードが読み取られ、このバーコードに基づいて上記ピッキングデータが形成され、このピッキングデータに基づいて高頻度ピッキング棚12と低頻度ピッキング棚13のピッキング表示器15が表示され、この表示により作業者Pにより物品4がピッキングされ、投入コンベヤ装置14の投入部に投入される。この投入部に投入された物品4は、複数のストレージ部を順送りされ、取出部まで搬送される。そして、作業者Pは、表示/終了スイッチ16の表示ランプの点灯により、ラックからのピッキング作業の終了を確認すると、目印バーを、投入した物品の後ろに置いて、前後のピッキングデータによりピッキングした物品4が混じらないように目印を付け、そして表示/終了スイッチ16を操作する。この操作により、次のピッキングデータによりピッキング表示器15が表示され、作業者Pは次のピッキング作業を引き続き実行する。これにより、無駄な時間無く、ピッキング作業が続行され、作業が無い作業者が無くなり、作業者全体の負担のバランスが取られる。
【0040】
分岐コンベヤ装置22の取出部に配置された作業者Pは、取出部に到達した物品収納容器1に対して、投入コンベヤ装置14により搬送されてきた物品4を、目印バーが到着するまで投入する。そして、目印バーを確認すると、この物品収納容器1への物品4の投入は終了したと判断して、目印バーを回収するとともに物品収納容器1を搬出コンベヤ装置24へ移し替える。この移し替えにより次の物品収納容器1が順送りで投入コンベヤ装置14の取出部へ搬送される。また投入コンベヤ装置14により次のピッキングデータに基づく物品4が搬送されてくる。
【0041】
搬出コンベヤ装置24により搬送される物品収納容器1は、サブ分岐コントローラ33の機能により、他のピッキングゾーンにおいてピッキングされる物品4が残っているかが確認され、確認されると、サブ分岐装置28により分岐され、戻しコンベヤ装置29により合流装置5まで戻され、メインコンベヤ装置6へ再投入される。すなわち、サブ分岐コントローラ33に、バーコードリーダ27よりバーコードが入力されると、このバーコードの入力回数をカウントし、1回目のときバーコードがサブ分岐データの2回目のピッキングゾーン11のナンバーが存在する物品収納容器1のバーコードと一致するかを確認し、確認すると、サブ分岐装置28を駆動して搬出コンベヤ装置24より戻しコンベヤ装置29へ物品収納容器1を分岐する。また入力回数が2回目のときバーコードがサブ分岐データの3回目のピッキングゾーン11のナンバーが存在する物品収納容器1のバーコードと一致するかを確認し、確認すると、サブ分岐装置28を駆動して搬出コンベヤ装置24より戻しコンベヤ装置29へ物品収納容器1を分岐する。このように入力回数の1つ多い回のピッキングゾーン11のナンバーが存在する物品収納容器1のバーコードと一致するかを確認し、確認すると、サブ分岐装置28を駆動して搬出コンベヤ装置24より戻しコンベヤ装置29へ物品収納容器1を分岐する。このように、ピッキング作業が終了していない物品収納容器1(ピッキングされていない残りの物品4がある物品収納容器1)は、メインコンベヤ装置6へ戻されることにより、再度、メイン分岐コンベヤ装置21により残りの物品4を保管したピッキングゾーン11へ分岐され、注文の物品4が物品収納容器1に集品される。またb分類の物品収納容器1は分岐されずに、搬出コンベヤ装置24により梱包場へ搬送され、c分類の物品収納容器1でピッキング作業が終了した物品収納容器1は搬出コンベヤ装置24により梱包場へ搬送される。
【0042】
以上のように本実施の形態によれば、低頻度の物品4が複数のピッキングゾーン11に渡るとき、1つのピッキングゾーン11にて物品収納容器1への物品4のピッキング作業が終了せず、この物品収納容器1はメインコンベヤ装置6のメイン分岐装置21より上流に戻されることにより、再度、残りの低頻度の物品4が保管されたピッキングゾーン11へ搬送でき、全ての物品4をピッキングすることができる。
【0043】
また本実施の形態によれば、分岐コンベヤ装置22へ次々と分岐されてきた物品収納容器1は、順に投入部から取出部に搬送され、同時に分岐されてきた物品収納容器1に投入される物品4が順にピッキングゾーンでピッキングされ投入コンベヤ装置14の投入部に投入され、取出部に搬送されることにより、各ピッキングゾーンの作業者Pは、常にピッキング作業を行うことになり、作業が無い作業者を無くすことができ、作業者全体の負担のバランスを取ることができる。
【0044】
また本実施の形態によれば、各ピッキングゾーン11には、全ピッキングゾーン11で共通で且つ高頻度の物品4が複数収納された高頻度ピッキング棚12が備えられ、各ピッキングゾーン11において常にピッキング作業が実行されることにより、作業者の作業効率を向上でき、また作業者の作業量は殆ど同じとなり、作業者の負荷を均等とすることができる。またピッキングゾーン11は、一人の作業者によりピッキング可能な構成とされていることにより物品4の品目は限定され、よって各ピッキングゾーン11の設置エリアを狭くでき、全ピッキングゾーン11を合わせたピッキングエリアが広がることを防止できる。また各ピッキングゾーン11間での連携なしにピッキング作業が各ピッキングゾーン11で独自に実行されることにより、各ピッキングゾーン11で発生した遅滞が他のピッキングゾーン11に影響を与えることを防止することができる。
【0045】
また本実施の形態によれば、低頻度の物品4が、各ピッキングゾーン11で略同一にピッキングされるよう、各ピッキングゾーン11に分散されて保管されていることにより、各ピッキングゾーン11では、低頻度ピッキング棚13においてピッキングされる物品4の量が略均等にされ、各ピッキングゾーン11の作業者Pの作業量を均等にでき、また物品収納容器1は、各ピッキングゾーン11に均等に分岐することができ、全体のピッキング作業の効率を向上させることができる。
【0046】
また本実施の形態によれば、自動投入装置3A,3Bにおいて全ての物品収納容器1に共通の物品4が投入されることにより、各ピッキングゾーンにおける作業者によるピッキング作業を削減でき、全体の作業効率を向上させることができる。
【0047】
なお、本実施の形態では、分岐コンベヤ装置22の取出部に配置された作業者Pにより、取出部に到達した物品収納容器1に対して、投入コンベヤ装置14により搬送されてきた物品4が投入されているが、取出部に到達した物品収納容器1に対して投入コンベヤ装置14により搬送されてきた物品4を自動で投入するようにしてもよい。
【0048】
また本実施の形態では、分岐コンベヤ装置22をアキュムレーションコンベヤ装置により構成しているが、仕分けシュートにより構成し、緩やかな勾配を利用して仕分けシュートに順に仕分けられた物品収納容器1が、仕分けられた順に終端(取出部)まで搬送され並ぶような構成とすることもできる。このような仕分けシュートによる構成であっても、分岐コンベヤ装置22は、物品の投入部、複数のストレージ部、取出部を有し、投入部に投入された物品収納容器1は、取出部から物品収納容器1が搬出されると、あるいは取出部に物品収納容器1が存在しないときに、複数のストレージ部を順送りされ、取出部まで搬送される構成とされている。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態におけるピッキング設備の構成図である。
【図2】同ピッキング設備で搬送される物品収納容器の分類を示す図である。
【図3】同ピッキング設備の制御構成図である。
【図4】同ピッキング設備の注文リストの一例を示す図である。
【図5】同ピッキング設備の保管リストの一例を示す図である。
【図6】同ピッキング設備の物品収納容器の分岐を説明するための図である。
【符号の説明】
【0050】
P 作業者
1 物品収納容器
2A,2B 共通コンベヤ装置
3A,3B 自動投入装置
4 物品
5 合流装置
6 メインコンベヤ装置
7A,7B,20,23,27 バーコードリーダ
8 共通物品投入ゾーン
11 ピッキングゾーン
12 高頻度ピッキング棚
13 低頻度ピッキング棚
14 投入コンベヤ装置
16 表示/終了スイッチ
21 メイン分岐装置
22 分岐コンベヤ装置
24 搬出コンベヤ装置
28 サブ分岐装置
29 戻しコンベヤ装置
31 ピッキングコントローラ
32 メイン分岐コントローラ
33 サブ分岐コントローラ
34A,34B 自動投入コントローラ
35 統括コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕分け先が割り付けられた物品収納容器を搬送する主搬送経路と、
複数の品目の物品が収納され、前記仕分け先から要求された品目の物品がピッキングされる複数のピッキングゾーンと、
前記各ピッキングゾーン毎に設けられ、前記主搬送経路から前記各ピッキングゾーンに対して前記物品収納容器を分岐する分岐経路と、
前記各ピッキングゾーン毎に前記分岐経路に対応して設けられ、前記ピッキングゾーンにおいてピッキングされた物品を、前記分岐経路の終端に向けて搬送する投入経路と、
前記分岐経路の終端へ到着し、前記投入経路により搬送された物品が投入された物品収納容器を搬出する搬出経路と、
前記1つのピッキングゾーンにて仕分け先より要求された物品のピッキングが終了しないとき、この物品収納容器を前記搬出経路より前記主搬送経路の前記分岐経路より上流側に戻す戻し経路
を備え、
前記分岐経路と投入経路はともに、前記物品収納容器または物品の投入部、複数のストレージ部、取出部を有し、投入部に投入された物品収納容器または物品は、取出部から物品収納容器または物品が搬出されると、あるいは取出部に物品収納容器または物品が存在しないときに、複数のストレージ部を順送りされ、取出部まで搬送される構成とされていること
を特徴とするピッキング設備。
【請求項2】
前記各分岐経路に、分岐された物品収納容器を特定する特定手段が設けられ、前記物品収納容器が特定される毎に、前記ピッキングゾーンにピッキングする物品の指令が出力され、この指令に基づいてピッキングされた物品は前記投入経路の投入部へ投入されること
を特徴とする請求項1に記載のピッキング設備。
【請求項3】
前記各ピッキングゾーンはそれぞれ、全ピッキングゾーンで共通で且つ殆どの前記仕分け先から要求がある出荷頻度の高い高頻度の物品が複数収納された高頻度ピッキング棚、および各ピッキングゾーンで固有で且つ前記高頻度ピッキング棚に収納された物品より出荷頻度が低い低頻度の物品が複数収納された低頻度ピッキング棚を備え、一人の作業者により前記ピッキング作業が実行可能な構成とされていること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のピッキング設備。
【請求項4】
前記低頻度の物品は、各ピッキングゾーンで出荷頻度が略同一となるように各ピッキングゾーンに分散され、前記低頻度ピッキング棚に保管されること
を特徴とする請求項3に記載のピッキング設備。
【請求項5】
全ての物品収納容器に共通の物品を投入する共通物品投入ゾーンを、前記主搬送経路の前記分岐経路より上流に設けたこと
を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のピッキング設備。
【請求項6】
前記高頻度ピッキング棚に保管される物品は、前記共通物品投入ゾーンにて投入される物品の次に出荷頻度が高い物品であり、
前記低頻度ピッキング棚に保管される物品は、前記共通物品投入ゾーンにて投入される物品および高頻度ピッキング棚に保管される物品を除いた物品であること
を特徴とする請求項5に記載のピッキング設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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