説明

ピニオンに噛み合う歯車の設計プログラム、該設計プログラムによる金型の製造方法及び該製造方法により製造された金型、該設計プログラムによるピニオンに噛み合う歯車の製造方法及び該製造方法により製造されたピニオンに噛み合う歯車

【課題】ピニオンと相手歯車の歯面/歯底が干渉しない設計プログラム。
【解決手段】歯幅方向、圧力角、回転運動のパラメータu、θ、Φによるピニオンの軌跡を関数f(u,θ,Φ)とし、関数f(θ,Φ)による任意断面のピニオンの軌跡とy=y*による複数の交点のz座標の関数f(Φ)に関し、任意区間(a,c)の三分点がa<b<c、f(b)<f(a)、f(b)<f(c)の範囲を求める第一ステップ、点b、cの中間点をdとし、f(b)<f(d)、a<b<d、f(b)<f(a)、f(b)<f(d)の場合、およびf(d)<f(b)、b<d<c、f(d)<f(b)、f(d)<f(c)の場合の関数f(Φ)の最小値存在区間を(a,d)、(b,c)とする第二ステップによる最小値存在区間を区間(a,c)と置き直す第三ステップとし、第二、三ステップを繰返し関数f(Φ)の最小値を歯車2の歯面/歯底のz座標の基準とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピニオンに噛み合う歯車の設計プログラム、該設計プログラムによる金型の製造方法及び該製造方法により製造された金型、該設計プログラムによるピニオンに噛み合う歯車の製造方法及び該製造方法により製造されたピニオンに噛み合う歯車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ピニオン及びピニオンに噛み合う歯車の歯面座標を算出する方法として、ピッチ円半径、歯車対の圧力角、曲率半径からなる方程式を解き算出する方法が知られている。
【0003】
また、ピニオン及びピニオンに噛み合う歯車の歯底座標を算出するの設計方法として上述の方程式で得られる値に対し、歯車設計の熟練者が所定パーセント(例えば51%)に等しい最大相対曲率で値を求める方法が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2001−519013号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ピッチ円半径、歯車対の圧力角、曲率半径からなる方程式により歯面座標を算出する方法では、ピニオン及びピニオンに噛み合う歯車の歯面座標しか正確に算出することができない。すなわち、歯底座標は歯車設計者が所定パーセントに等しい最大相対曲率で設定するため、設定値によってはピニオンとピニオンに噛み合う歯車の歯底が干渉する可能性がある。
【0006】
本発明は、上記事情により鑑みなされたもので、ピニオンの歯面又は歯底の軌跡を再現し、この軌跡からピニオンに噛み合う歯車の歯面座標又は歯底座標を算出して、ピニオンの歯面又は歯底の軌跡とピニオンに噛み合う歯車の歯面又は歯底を相似形状として、ピニオンとピニオンに噛み合う歯車の歯面又は歯底が干渉することのないピニオンに噛み合う歯車の設計プログラム、該設計プログラムによる金型の製造方法及び該製造方法により製造された金型、該設計プログラムによるピニオンに噛み合う歯車の製造方法及び該製造方法により製造されたピニオンに噛み合う歯車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のピニオンに噛み合う歯車の設計プログラムは、ピニオンの歯幅方向のパラメータをu、ピニオンの圧力角のパラメータをθ、ピニオンの回転運動のパラメータをΦとし、ピニオンの軌跡は関数f(u,θ,Φ)により決定され、任意の断面について考えることによって歯幅方向のパラメータuが任意になり、関数f(θ,Φ)により決定される任意の断面でのピニオンの軌跡とy=y*により得られる複数の交点のz座標を表す関数f(Φ)に関し、第一ステップにおいて、任意区間(a,c)において三分点a,b,cがa<b<cであり、f(b)<f(a)かつf(b)<f(c)である範囲を抽出する処理と、第二ステップにおいて、抽出された任意区間(a,c)において、点bと点cの中間点dとし、f(d)の計算を行い、f(b)<f(d)であり、三分点a,b,dはa<b<dでかつ、f(b)<f(a)かつf(b)<f(d)である場合、関数f(Φ)の最小値の存在する区間を(a,d)とし、f(d)<f(b)であり、三分点b,d,cはb<d<cでかつ、f(d)<f(b)かつf(d)<f(c)である場合、関数f(Φ)の最小値の存在する区間を(b,c)とする最小値区間を抽出する処理と、第三ステップにおいて、第二ステップで抽出された新たな最小値のある区間を区間(a,c)として置き直す処理と、前記第二ステップ及び第三ステップを繰り返し、最終的に区間(a,c)における関数f(Φ)の値の最小値を求めるという三分点法という計算処理により、y=y*における該関数f(Φ)の最小値を求め、該最小値をピニオンに噛み合う歯車の歯面又は歯底のy=y*におけるz座標の基準として算出することを特徴とすることを第一の特徴とする。
【0008】
本発明のピニオンに噛み合う歯車の設計プログラムは、歯面座標及び歯底座標の双方をy=y*におけるz座標の基準として算出することを第二の特徴とする。
【0009】
本発明のピニオンに噛み合う歯車の設計プログラムは、歯面座標は歯面の法線ベクトルとピニオンに噛み合う歯車とピニオンの相対速度ベクトルが直交するという機構学的必須条件によって求めることを第三の特徴とする。
【0010】
本発明のピニオンに噛み合う歯車の設計プログラムは、ピニオンに噛み合う歯車はフェースギヤであることを第四の特徴とする。
【0011】
本発明のピニオンに噛み合う歯車の金型の製造方法は、ピニオンの歯幅方向のパラメータをu、ピニオンの圧力角のパラメータをθ、ピニオンの回転運動のパラメータをΦとし、ピニオンの軌跡は関数f(u,θ,Φ)により決定され、任意の断面について考えることによって歯幅方向のパラメータuが任意になり関数f(θ,Φ)により決定される任意の断面でのピニオンの軌跡とy=y*により得られる複数の交点のz座標を表す関数f(Φ)に関し、第一ステップにおいて、任意区間(a,c)において三分点a,b,cがa<b<cであり、f(b)<f(a)かつf(b)<f(c)である範囲を抽出する処理と、第二ステップにおいて、抽出された任意区間(a,c)において、点bと点cの中間点dとし、f(d)の計算を行い、f(b)<f(d)であり、三分点a,b,dはa<b<dでかつ、f(b)<f(a)かつf(b)<f(d)である場合、関数f(Φ)の最小値の存在する区間を(a,d)とし、f(d)<f(b)であり、三分点b,d,cはb<d<cでかつ、f(d)<f(b)かつf(d)<f(c)である場合、関数f(Φ)の最小値の存在する区間を(b,c)とする最小値区間を抽出する処理と、第三ステップにおいて、第二ステップで抽出された新たな最小値のある区間を区間(a,c)として置き直す処理と、前記第二ステップ及び第三ステップを繰り返し、最終的に区間(a,c)における関数f(Φ)の値の最小値を求めるという三分点法という計算処理により、y=y*における該関数f(Φ)の最小値を求め、該最小値をピニオンに噛み合う歯車の歯面又は歯底のy=y*におけるz座標の基準として算出し、算出された座標からピニオンに噛み合う歯車の歯面形状又は歯底形状を算出して、ピニオンに噛み合う歯車の歯面形状又は歯底形状から金型を製造することを第一の特徴とする。
【0012】
本発明のピニオンに噛み合う歯車の金型の製造方法は、歯面座標及び歯底座標の双方をy=y*におけるz座標の基準として算出することを第二の特徴とする。
【0013】
本発明のピニオンに噛み合う歯車の金型の製造方法は、歯面座標は歯面の法線ベクトルとピニオンに噛み合う歯車とピニオンの相対速度ベクトルが直交するという機構学的必須条件によって求めることを第三の特徴とする。
【0014】
本発明のピニオンに噛み合う歯車の金型の製造方法は、ピニオンに噛み合う歯車はフェースギヤであることを第四の特徴とする。
【0015】
本発明のピニオンに噛み合う歯車の金型は、上記金型の製造方法により製造されたことを特徴とする。
【0016】
本発明のピニオンに噛み合う歯車の製造方法は、ピニオンの歯幅方向のパラメータをu、ピニオンの圧力角のパラメータをθ、ピニオンの回転運動のパラメータをΦとし、ピニオンの軌跡は関数f(u,θ,Φ)により決定され任意の断面について考えることによって歯幅方向のパラメータuが任意になり、関数f(θ,Φ)により決定される任意の断面でのピニオンの軌跡とy=y*により得られる複数の交点のz座標を表す関数f(Φ)に関し、第一ステップにおいて、任意区間(a,c)において三分点a,b,cがa<b<cであり、f(b)<f(a)かつf(b)<f(c)である範囲を抽出する処理と、第二ステップにおいて、抽出された任意区間(a,c)において、点bと点cの中間点dとし、f(d)の計算を行い、f(b)<f(d)であり、三分点a,b,dはa<b<dでかつ、f(b)<f(a)かつf(b)<f(d)である場合、関数f(Φ)の最小値の存在する区間を(a,d)とし、f(d)<f(b)であり、三分点b,d,cはb<d<cでかつ、f(d)<f(b)かつf(d)<f(c)である場合、関数f(Φ)の最小値の存在する区間を(b,c)とする最小値区間を抽出する処理と、第三ステップにおいて、第二ステップで抽出された新たな最小値のある区間を区間(a,c)として置き直す処理と、前記第二ステップ及び第三ステップを繰り返し、最終的に区間(a,c)における関数f(Φ)の値の最小値を求めるという三分点法という計算処理により、y=y*における該関数f(Φ)の最小値を求め、該最小値をピニオンに噛み合う歯車の歯面又は歯底のy=y*におけるz座標の基準として算出し、算出された座標からピニオンに噛み合う歯車の歯面形状又は歯底形状を設計する歯車の設計工程と、ピニオンに噛み合う歯車の歯面形状又は歯底形状から金型を製造する金型の製造工程と、金型によりピニオンに噛み合う歯車を製造することを第一の特徴とする。
【0017】
本発明のピニオンに噛み合う歯車の製造方法は、歯面座標及び歯底座標の双方をy=y*におけるz座標の基準として算出することを第二の特徴とする。
【0018】
本発明のピニオンに噛み合う歯車の製造方法は、歯面座標は歯面の法線ベクトルとピニオンに噛み合う歯車とピニオンの相対速度ベクトルが直交するという機構学的必須条件によって求めることを第三の特徴とする。
【0019】
本発明のピニオンに噛み合う歯車の製造方法は、ピニオンに噛み合う歯車はフェースギヤであることを第四の特徴とする。
【0020】
本発明のピニオンに噛み合う歯車は、上記ピニオンに噛み合う歯車の製造方法により製造されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の第一の特徴のピニオンに噛み合う歯車の歯面座標又は歯底座標を算出するピニオンに噛み合う歯車の設計プログラムによれば、ピニオンの歯幅方向のパラメータをu、ピニオンの圧力角のパラメータをθ、ピニオンの回転運動のパラメータをΦとし、ピニオンの軌跡は関数f(u,θ,Φ)により決定され、任意の断面について考えることによって歯幅方向のパラメータuが任意になり、関数f(θ,Φ)により決定される任意の断面でのピニオンの軌跡とy=y*により得られる複数の交点のz座標を表す関数f(Φ)に関し、第一ステップにおいて、任意区間(a,c)において三分点a,b,cがa<b<cであり、f(b)<f(a)かつf(b)<f(c)である範囲を抽出する処理と、第二ステップにおいて、抽出された任意区間(a,c)において、点bと点cの中間点dとし、f(d)の計算を行い、f(b)<f(d)であり、三分点a,b,dはa<b<dでかつ、f(b)<f(a)かつf(b)<f(d)である場合、関数f(Φ)の最小値の存在する区間を(a,d)とし、f(d)<f(b)であり、三分点b,d,cはb<d<cでかつ、f(d)<f(b)かつf(d)<f(c)である場合、関数f(Φ)の最小値の存在する区間を(b,c)とする最小値区間を抽出する処理と、第三ステップにおいて、第二ステップで抽出された新たな最小値のある区間を区間(a,c)として置き直す処理と、前記第二ステップ及び第三ステップを繰り返し、最終的に区間(a,c)における関数f(Φ)の値の最小値を求めるという三分点法という計算処理により、y=y*における該関数f(Φ)の最小値を求め、該最小値をピニオンに噛み合う歯車の歯面又は歯底のy=y*におけるz座標の基準として算出するため、ピニオンに噛み合う歯車の歯面又は歯底の形状を再現することができ、ピニオンに噛み合う歯車の歯面又は歯底はピニオンの歯面又は歯先の軌跡と相似形状となり、ピニオンの歯先とピニオンに噛み合う歯車の歯面又は歯底形状が干渉することのないピニオンに噛み合う歯車の設計プログラムを提供することができる。
【0022】
本発明の第二の特徴のピニオンに噛み合う歯車の歯面座標又は歯底座標を算出する歯車の設計プログラムによれば、歯面及び歯底の双方をy=y*におけるz座標の基準として算出するため、ピニオンに噛み合う歯車の歯面及び歯底の双方の座標が同一計算手法で算出され、ピニオンに噛み合う歯車の歯面と歯底の間のすきまを段差なくシームレスにつなぐことができる。
【0023】
本発明の第二の特徴のピニオンに噛み合う歯車の歯面座標又は歯底座標を算出する歯車の設計プログラムによれば、歯面座標は歯面の法線ベクトルとピニオンに噛み合う歯車とピニオンの相対速度ベクトルが直交するという機構学的必須条件によって求めるため、三分点法は繰り返し計算であり演算時間を要するが、歯面座標は歯面の法線ベクトルとピニオンに噛み合う歯車とピニオンの相対速度ベクトルが直交するという演算時間が短い機構学的必須条件によって求め、歯底座標のみを三分点法によって求めることによって、演算時間を短縮することができる。
【0024】
本発明の第三の特徴のピニオンに噛み合う歯車の歯面座標又は歯底座標を算出するピニオンに噛み合う歯車の設計プログラムによれば、ピニオンに噛み合う歯車はフェースギヤであるため、オフセット量、ねじれ角等の複雑な噛み合いとなるフェースギヤはフェースギヤと噛み合うピニオンを型取りした切削工具で切削するしか正確な歯面形状及び歯底形状を再現することができなかったが、フェースギヤの正確な歯面形状及び歯底形状を歯車の設計プログラムにて再現することができる。
【0025】
本発明の第一の特徴のピニオンに噛み合う歯車の金型の製造方法によれば、ピニオンの歯幅方向のパラメータをu、ピニオンの圧力角のパラメータをθ、ピニオンの回転運動のパラメータをΦとし、ピニオンの軌跡は関数f(u,θ,Φ)により決定され、任意の断面について考えることによって歯幅方向のパラメータuが任意になり、関数f(θ,Φ)により決定される任意の断面でのピニオンの軌跡とy=y*により得られる複数の交点のz座標を表す関数f(Φ)に関し、第一ステップにおいて、任意区間(a,c)において三分点a,b,cがa<b<cであり、f(b)<f(a)かつf(b)<f(c)である範囲を抽出する処理と、第二ステップにおいて、抽出された任意区間(a,c)において、点bと点cの中間点dとし、f(d)の計算を行い、f(b)<f(d)であり、三分点a,b,dはa<b<dでかつ、f(b)<f(a)かつf(b)<f(d)である場合、関数f(Φ)の最小値の存在する区間を(a,d)とし、f(d)<f(b)であり、三分点b,d,cはb<d<cでかつ、f(d)<f(b)かつf(d)<f(c)である場合、関数f(Φ)の最小値の存在する区間を(b,c)とする最小値区間を抽出する処理と、第三ステップにおいて、第二ステップで抽出された新たな最小値のある区間を区間(a,c)として置き直す処理と、前記第二ステップ及び第三ステップを繰り返し、最終的に区間(a,c)における関数f(Φ)の値の最小値を求めるという三分点法という計算処理により、y=y*における該関数f(Φ)の最小値を求め、該最小値をピニオンに噛み合う歯車の歯面又は歯底のy=y*におけるz座標の基準として算出し、算出された座標からピニオンに噛み合う歯車の歯面形状又は歯底形状を算出して、ピニオンに噛み合う歯車の歯面形状又は歯底形状から金型を製造するため、ピニオンに噛み合う歯車の歯面又は歯底はピニオンの歯面又は歯先の軌跡と相似形状となり、ピニオンとピニオンに噛み合う歯車の歯面又は歯底形状が干渉することのないピニオンに噛み合う歯車を成形する金型を製造することができる。
【0026】
本発明の第二の特徴のピニオンに噛み合う歯車の金型の製造方法によれば、歯面座標及び歯底座標の双方をy=y*におけるz座標の基準として算出するため、ピニオンに噛み合う歯車の歯面及び歯底の双方の座標が同一計算手法で算出され、ピニオンに噛み合う歯車の歯面と歯底の間のすきまを段差なくシームレスにつながれたピニオンに噛み合う歯車の金型を製造することができる。
【0027】
本発明の第三の特徴のピニオンに噛み合う歯車の金型の製造方法によれば、歯面座標は歯面の法線ベクトルとピニオンに噛み合う歯車とピニオンの相対速度ベクトルが直交するという機構学的必須条件によって求めるため、三分点法は繰り返し計算であるため、演算時間を要するため、歯面座標は歯面の法線ベクトルとピニオンに噛み合う歯車とピニオンの相対速度ベクトルが直交するという機構学的必須条件によって求め、歯底座標は三分点法によって求めることによって、演算時間を短縮することができ、金型の設計時間を短縮した金型の製造方法を実現できる。
【0028】
本発明の第四の特徴のピニオンに噛み合う歯車の金型の製造方法によれば、ピニオンに噛み合う歯車はフェースギヤであるため、オフセット量、ねじれ角等の複雑な噛み合いとなるフェースギヤはフェースギヤと噛み合うピニオンを型取りした切削工具で切削するしか正確な歯面形状及び歯底形状を再現することができなかったが、フェースギヤの正確な歯面形状及び歯底形状をピニオンに噛み合う歯車の設計プログラムにて再現することができ、その設計プログラムによりフェースギヤの金型を製造することができる。
【0029】
本発明のピニオンに噛み合う歯車の金型によれば、ピニオンに噛み合う歯車の歯面又は歯底はピニオンの歯面又は歯先の軌跡と相似形状となり、ピニオンとピニオンに噛み合う歯車の歯面又は歯底形状が干渉することのないピニオンに噛み合う歯車を成形する金型を製造することができ、その金型によりピニオンに噛み合う歯車を大量生産することができる。
【0030】
本発明の第一の特徴のピニオンに噛み合う歯車の製造方法によれば、ピニオンの歯幅方向のパラメータをu、ピニオンの圧力角のパラメータをθ、ピニオンの回転運動のパラメータをΦとし、ピニオンの軌跡は関数f(u,θ,Φ)により決定され、任意の断面について考えることによって歯幅方向のパラメータuが任意になり、関数f(θ,Φ)により決定される任意の断面でのピニオンの軌跡とy=y*により得られる複数の交点のz座標を表す関数f(Φ)に関し、三分点法によりy=y*における該関数f(Φ)の最小値を求め、最小値をピニオンに噛み合う歯車の歯面又は歯底のy=y*におけるZ座標の基準として算出し、算出された座標からピニオンに噛み合う歯車の歯面形状又は歯底形状を設計するピニオンに噛み合う歯車の設計工程と、ピニオンに噛み合う歯車の歯面形状又は歯底形状から金型を製造する金型の製造工程と、金型によりピニオンに噛み合う歯車を製造するため、ピニオンに噛み合う歯車の歯面又は歯底はピニオンの歯面又は歯先の軌跡と相似形状となり、ピニオンとピニオンに噛み合う歯車の歯面又は歯底形状が干渉することのないピニオンに噛み合う歯車を金型により製造することができる。
【0031】
本発明の第二の特徴のピニオンに噛み合う歯車の製造方法によれば、歯面座標及び歯底座標の双方をy=y*におけるz座標の基準として算出するため、ピニオンに噛み合う歯車の歯面及び歯底の双方の座標が同一計算手法で算出され、ピニオンに噛み合う歯車の歯面と歯底の間のすきまを段差なくシームレスにつながれたピニオンに噛み合う歯車を製造することができる。
【0032】
本発明の第三の特徴のピニオンに噛み合う歯車の製造方法によれば、歯面座標は歯面の法線ベクトルとピニオンに噛み合う歯車とピニオンの相対速度ベクトルが直交するという機構学的必須条件によって求めるため、三分点法は繰り返し計算であるため、演算時間を要するため、歯面座標は歯面の法線ベクトルとピニオンに噛み合う歯車とピニオンの相対速度ベクトルが直交するという機構学的必須条件によって求め、歯底座標は三分点法によって求めることによって、演算時間を短縮することができ、金型の設計時間を短縮したピニオンに噛み合う歯車の製造方法を実現できる。
【0033】
本発明の第四の特徴のピニオンに噛み合う歯車の製造方法によれば、ピニオンに噛み合う歯車はフェースギヤであるため、オフセット量、ねじれ角等の複雑な噛み合いとなるフェースギヤはフェースギヤと噛み合うピニオンを型取りした切削工具で切削するしか正確な歯面形状及び歯底形状を再現することができなかったが、フェースギヤの正確な歯面形状及び歯底形状をピニオンに噛み合う歯車の設計プログラムにて再現することができ、その設計プログラムによりフェースギヤを金型により製造することができる。
【0034】
本発明のピニオンに噛み合う歯車によれば、ピニオンに噛み合う歯車の製造方法により製造されたため、ピニオンに噛み合う歯車の歯面又は歯底はピニオンの歯面又は歯先の軌跡と相似形状となり、ピニオンとピニオンに噛み合う歯車の歯面又は歯底形状が干渉することのないピニオンに噛み合う歯車を成形する金型を製造することができ、その金型によりピニオンに噛み合う歯車を大量生産することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1乃至図5は、本発明の第一実施例を示すもので、図1は、本発明のピニオンとフェースギヤの斜視図、図2は、本発明のピニオンとフェースギヤの座標系を表した図、図3は、本発明の任意のx断面におけるピニオンの曲線群と包絡線を表した図、図4は、関数f(Φ)と三分点を表した図、図5は、三分点法により得られたフェースギヤの歯面と歯底の点列を表す図である。
【0036】
まず、ピニオン1とピニオン1に噛み合う歯車2としてのフェースギヤは、図1に示す如く食違い軸により回転伝達を行う。よって、ピニオン1とフェースギヤの回転軸は、図2に示す如く、ねじれの位置にある。図2における添字1はピニオン1を表し、添字2はフェースギヤを表し、添字のないものがフレーム座標系を表す。ここで、Φは回転運動のパラメータ、Cyはオフセット量を表し、Cxはオフセット量とともにピニオン1の設定位置を決定するパラメータを表す。
【0037】
ピニオン1の座標系S1からフェースギヤの座標系S2への座標変換を次の数式1にて表す。この時、数式2を満たす。
【0038】
【数1】

【0039】
【数2】

【0040】
次にピニオン歯面の決定について説明する。フェースギヤ歯面の創成を行う上で、まずピニオン1の歯面を決定しなければならない。ピニオン1に円筒のインボリュート歯車を用いることを想定し、ピニオン座標系の原点を歯溝、歯幅中央とし、インボリュート歯形は圧力角のパラメータθを用いて表した関数を数式3に示す。ここでdbは基礎円直径を表す。また、インボリュート関数を数式4にて表す。
【0041】
【数3】

【0042】
【数4】

【0043】
数式4のインボリュート歯形を歯溝中央にy1軸が位置するように、回転マトリックスを用いて変換したものが数式5にて表される。ここで、ηbは基礎円上歯溝幅中心角を表し、復号は歯面の左右を表し上が左側、下が右側を示している。
【0044】
【数5】

【0045】
ピニオン歯面は、歯幅方向のパラメータuと圧力角のパラメータθの2つのパラメータで決定する。よって、ピニオン1の歯幅をb1とすれば、歯幅方向のパラメータuの値の範囲は、数式6で与えられる。
【0046】
【数6】

【0047】
ピニオン1が平歯車の場合は数式5の歯形をそのまま歯幅方向に拡張してやればよいが、はすば歯車の場合は、簡単でない。そこで、歯幅方向のパラメータuを用いてねじれ角βを有するはすば歯車の歯面を数式7で表した。この数式7で与えられる座標マトリクスを数式5に適用する。ここで、ψは数式8で表される。Lはリードを表す。リードLは基準円直径d及びねじれ角βを用いて数式9と与えられる。ここでのねじれ角の正負はそれぞれ左ねじれ、右ねじれを表す。従って、数式10により、ピニオン1のインボリュート部は数式11で表される。
【0048】
【数7】

【0049】
【数8】

【0050】
【数9】

【0051】
【数10】

【0052】
【数11】

【0053】
フェースギヤの歯底をピニオン1の軌跡によって計算する際に、ピニオン1の歯先の形状が重要である。歯先は式12で表されるが、インボリュート部と接する円弧の数式15を与えればピニオン1の歯先の形状を得ることができる。ここで、rcは円弧の半径、αaは歯先円での圧力角、ψaは歯先幅中心角、θcはx軸とrcがなす角であり数式14で与えられる。ピニオン歯面による曲面群は数式1及び数式11から数式13で表される。
【0054】
【数12】

【0055】
【数13】

【0056】
【数14】

【0057】
【数15】

【0058】
ここで歯幅方向のパラメータuを任意とすることによって数式13はθとΦの関数となる。更に変数θをフェースギヤの一歯面を得るだけの十分な範囲を取り、変数Φを一定の間隔で変化させることによって、図3に示すような曲線群(ピニオン1の歯先、歯面及び歯底の軌跡)と包絡線(ピニオン1の歯先、歯面及び歯底の軌跡における最下点の軌跡)を得ることができる。この包絡線がまさに求めようとしているピニオン1の歯先、歯面及び歯底の軌跡と相似形状となるフェースギヤの断面形状となる。さらに、任意としていた歯幅方向のパラメータuを変化させることで、各断面でのフェースギヤ断面形状、つまり、フェースギヤ歯面形状を得ることができる。
【0059】
上述した包絡線(ピニオン1の歯先、歯面及び歯底の軌跡におけるZ座標の最小値の軌跡)を関数として求めることは困難であるので、包絡線上の点列を得ることによって、フェースギヤ断面形状を求める。この点列を得る手順を以下に説明する。図3に示されたように任意のy=y*を設定する。y=y*におけるz座標を表す関数f(Φ)で決定されるピニオン1の歯先、歯面及び歯底の軌跡との交点のz座標が最小となる点Aが、包絡線上の点、すなわち、ピニオン1の歯先、歯面及び歯底の軌跡と相似形状となるフェースギヤ歯面形状を得るために求める点となる。さらに、一定の間隔でy*を変化させれば、包絡線上の点列を得ることができる。
【0060】
次に三分点法によりy=y*におけるz座標を表す関数f(Φ)の最小値(ピニオン1の歯先、歯面及び歯底の軌跡におけるz座標の最小値)を求める方法を説明する。例えば、y=y*における関数f(Φ)が図4に示されるような非特異曲線を描く場合、関数f(Φ)に関し、第一ステップにおいて、任意区間(a,c)において三分点a,b,cがa<b<cであり、f(b)<f(a)かつf(b)<f(c)である範囲を関数f(Φ)の最小値が任意区間(a,c)内にある範囲として抽出する処理と、第二ステップにおいて、抽出された任意区間(a,c)において、点bと点cの中間点dとし、f(d)の計算を行い、f(b)<f(d)であり、三分点a,b,dはa<b<dでかつ、f(b)<f(a)かつf(b)<f(d)である場合、関数f(Φ)の最小値の存在する区間を(a,d)とし、f(d)<f(b)であり、三分点b,d,cはb<d<cでかつ、f(d)<f(b)かつf(d)<f(c)である場合、関数f(Φ)の最小値の存在する区間を(b,c)とする最小値区間を抽出する処理と、第三ステップにおいて、第二ステップで抽出された新たな最小値のある区間を区間(a,c)として置き直す処理と、前記第二ステップ及び第三ステップを繰り返し、最終的に区間(a,c)における関数f(Φ)の値の最小値を求めるという三分点法という計算処理により、ピニオン1の歯先、歯面及び歯底の軌跡におけるz座標の最小値を求める。
【0061】
上記三分点法という計算処理を行う設計プログラムにより得られたピニオン1の歯面、歯先、歯底の軌跡の各座標におけるz座標の最下点と接するフェースギヤの歯面、歯先、歯底形状を図5に示す。ここで、予めピニオン1に所定のバックラッシを設定しておくことにより、得られるフェースギヤの歯面、歯先、歯底形状は、現実のピニオン1に対し所定のクリアランスを得ることができる。
【0062】
尚、三分点法は繰り返し計算であるため、演算時間を要するため、歯面座標は歯面の法線ベクトルとピニオンに噛み合う歯車2とピニオン1の相対速度ベクトルが直交するという機構学的必須条件によって求め、歯底座標は三分点法によって求めることによって、演算時間を短縮することも可能である。この時、歯面と歯底の間にすきまを与え、C1連続(対象の関数に対して1回の連続的微分が可能であり、1階導関数が存在し連続である)により、ピニオン1に噛み合う歯車2の歯面と歯底の間のすきまを段差なくシームレスにつなぐことができる。
【0063】
歯面座標を歯面の法線ベクトルとピニオン1に噛み合う歯車2とピニオン1の相対速度ベクトルが直交するという機構学的必須条件によって求める方法を説明する。各々の回転軸で回転している両歯面が接触しているとき、それらが噛み合い式と呼ばれる式を満たせばその両歯面は共役であると言える。噛み合い式を求めるには、両歯面の接触点における共通法線ベクトルNと、その点における相対速度ベクトル(すべり速度)(V(12))を求めることから始まる。そしてこれらのベクトルの内積が0、すなわち図6に示すように相対速度ベクトルが法線ベクトルに対して直交であるとき、両歯面は共役である。したがって、噛み合い式は、数式16で表される。
【0064】
【数16】

【0065】
これは、ピニオン1に噛み合う歯車2の幾何学の機構学的必須要件に他ならない。この噛み合い式が0でなければ、歯面の相対速度ベクトルは法線方向の成分を持つことになるので、次の瞬間両歯面は離れるか食い込むかのどちらかとなる。したがって、接触状態ある2つの接点が、数式16を満足していれば共役であると言える。
【0066】
続いて、共役歯面の法線ベクトルと主曲率について説明する。数式17で与えられる正則曲面を考えるとき、その単位法線ベクトルは数式18によって表される。
【0067】
【数17】

【0068】
【数18】

【0069】
正則曲面に共役な曲面の各接点での法線ベクトルの方向は正則曲面の接点の法線ベクトルの方向と等しい。つまりピニオン1の歯面外向き法線に対して逆方向のベクトルが共役歯面の外向き法線ベクトルとなる。よって、ピニオン1の歯面外向き法線の符号を−にすることで、共役歯面の法線ベクトルを得ることができる。曲面の第一基本形式は数式19のように定義されている。但し、数式20、数式21を満たす。
【0070】
【数19】

【0071】
【数20】

【0072】
【数21】

【0073】
また、第二基本形式についても数式22に定義されている。但し、数式23を満たす。
【0074】
【数22】

【0075】
【数23】

【0076】
主曲率κf、κhは数式23、数式25を用いて数式24のような関係にある。
【0077】
【数24】

【0078】
従って数式24の2式を連立して解くことにより、ピニオン歯面の任意の点における主曲率を求めることができる。求めたピニオン歯面の主曲率κf、κhを用いると、ピニオン1に共役な歯面の主曲率κq、κsは数式25、数式26、数式27のような関係にある。但し、数式28、数式29、数式30を満たす。
【0079】
【数25】

【0080】
【数26】

【0081】
【数27】

【0082】
【数28】

【0083】
【数29】

【0084】
【数30】

【0085】
それぞれの記号の内、nは単位法線ベクトル、ω(12)は相対角速度ベクトル、eは主方向の単位ベクトル、vtrは絶対座標系に対する接触点の速度ベクトル、Rはピニオン座標系原点からギヤ回転軸の任意の点へのベクトル、σはefとehのなす角、添字のfは主方向1(ピニオン1)、添字のhは主方向2(ピニオン1)を意味している。従って、数式25、数式26、数式27の3式を連立して解くことにより、共役歯面の主曲率を求めることができる。
【0086】
次にピニオン1に噛み合うフェースギヤの金型の製造方法について説明する。まず、フェースギヤを成形する熱間又は冷間の鍛造用金型を準備する。この最終成形用の鍛造金型を製造する方法としては、上記設計プログラムにより得られたフェースギヤの歯面、歯先、歯底形状のデータをNC加工機へ入力し、最終成形用の鍛造金型を切削加工することにより行われる。尚、最終成形用の鍛造金型を製造するために、上記設計プログラムにより得られたフェースギヤの歯面、歯先、歯底形状をNC加工機へ供給し、NC加工機によりフェースギヤの歯面、歯先、歯底形状が再現された電極歯形を作製し、この電極歯形により最終成形用の鍛造金型を放電加工して、フェースギヤの歯面、歯先、歯底形状が再現された最終成形用の鍛造金型を製造してもよい。
【0087】
続いてフェースギヤの製造方法について説明する。まず、所定形状の素材とフェースギヤを成形する鍛造装置を準備する。尚、鍛造金型装置は1つである必要はなく、複数段階の鍛造装置を準備することが一般的である。まず、素材を鍛造装置の鍛造金型に載置し鍛造成形し、複数段階で鍛造成形してフェースギヤ形状に近い粗フェースギヤを得る。次にフェースギヤを最終成形用の鍛造装置の最終成形用の鍛造金型に載置し鍛造成形してフェースギヤの歯面、歯先、歯底形状を成形する。最後に必要な切削加工を施し、フェースギヤの成形が完成する。その後、所定の熱処理が行われフェースギヤの製造が完了する。
【0088】
以上のようにフェースギヤの歯面座標又は歯底座標を算出するピニオン1に噛み合う歯車2の設計プログラムによれば、ピニオン1の歯幅方向のパラメータをu、ピニオン1の圧力角のパラメータをθ、ピニオン1の回転運動のパラメータをΦとし、ピニオン1の軌跡は関数f(u,θ,Φ)により決定され、任意の断面について考えることによって歯幅方向のパラメータuが任意になり、関数f(θ,Φ)により決定される任意の断面でのピニオン1の軌跡とy=y*により得られる複数の交点のz座標を表す関数f(Φ)に関し、第一ステップにおいて、任意区間(a,c)において三分点a,b,cがa<b<cであり、f(b)<f(a)かつf(b)<f(c)である範囲を抽出する処理と、第二ステップにおいて、抽出された任意区間(a,c)において、点bと点cの中間点dとし、f(d)の計算を行い、f(b)<f(d)であり、三分点a,b,dはa<b<dでかつ、f(b)<f(a)かつf(b)<f(d)である場合、関数f(Φ)の最小値の存在する区間を(a,d)とし、f(d)<f(b)であり、三分点b,d,cはb<d<cでかつ、f(d)<f(b)かつf(d)<f(c)である場合、関数f(Φ)の最小値の存在する区間を(b,c)とする最小値区間を抽出する処理と、第三ステップにおいて、第二ステップで抽出された新たな最小値のある区間を区間(a,c)として置き直す処理と、前記第二ステップ及び第三ステップを繰り返し、最終的に区間(a,c)における関数f(Φ)の値の最小値を求めるという三分点法という計算処理により、y=y*における該関数f(Φ)の最小値を求め、最小値をピニオン1に噛み合う歯車2の歯面又は歯底のy=y*におけるz座標の基準として算出するため、フェースギヤの歯面又は歯底の形状を再現することができる。
【0089】
また、フェースギヤの歯面座標又は歯底座標を算出するピニオン1に噛み合う歯車2の設計プログラムによれば、歯面及び歯底の双方をy=y*におけるz座標の基準として算出するため、ピニオン1に噛み合う歯車2の歯面及び歯底の双方の座標が同一計算手法で算出され、ピニオン1に噛み合う歯車2の歯面と歯底の間のすきまを段差なくシームレスにつなぐことができるため、計算手法の違いによる微細なズレを抑制することができる。
【0090】
更に、フェースギヤの歯面座標又は歯底座標を算出するピニオン1に噛み合う歯車2の設計プログラムによれば、歯面座標は歯面の法線ベクトルとピニオン1に噛み合う歯車2とピニオン1の相対速度ベクトルが直交するという機構学的必須条件によって求めるため、三分点法は繰り返し計算であるため、演算時間を要するため、歯面座標は歯面の法線ベクトルとピニオン1に噛み合う歯車2とピニオン1の相対速度ベクトルが直交するという機構学的必須条件によって求め、歯底座標は三分点法によって求めることによって、演算時間を短縮することができる。
【0091】
その上、フェースギヤの歯面座標又は歯底座標を算出するピニオン1に噛み合う歯車2の設計プログラムによれば、ピニオン1に噛み合う歯車2はフェースギヤであるため、オフセット量、ねじれ角等の複雑な噛み合いとなるフェースギヤはフェースギヤと噛み合うピニオン1を型取りした切削工具で切削するしか正確な歯面形状及び歯底形状を再現することができなかったが、フェースギヤの正確な歯面形状及び歯底形状をピニオン1に噛み合う歯車2の設計プログラムにて再現することができる。
【0092】
フェースギヤの金型の製造方法によれば、ピニオン1の歯幅方向のパラメータをu、ピニオン1の圧力角のパラメータをθ、ピニオン1の回転運動のパラメータをΦとし、ピニオン1の軌跡は関数f(u,θ,Φ)により決定され、任意の断面について考えることによって歯幅方向のパラメータuが任意になり、関数f(θ,Φ)により決定される任意の断面でのピニオン1の軌跡とy=y*により得られる複数の交点のz座標を表す関数f(Φ)に関し、第一ステップにおいて、任意区間(a,c)において三分点a,b,cがa<b<cであり、f(b)<f(a)かつf(b)<f(c)である範囲を抽出する処理と、第二ステップにおいて、抽出された任意区間(a,c)において、点bと点cの中間点dとし、f(d)の計算を行い、f(b)<f(d)であり、三分点a,b,dはa<b<dでかつ、f(b)<f(a)かつf(b)<f(d)である場合、関数f(Φ)の最小値の存在する区間を(a,d)とし、f(d)<f(b)であり、三分点b,d,cはb<d<cでかつ、f(d)<f(b)かつf(d)<f(c)である場合、関数f(Φ)の最小値の存在する区間を(b,c)とする最小値区間を抽出する処理と、第三ステップにおいて、第二ステップで抽出された新たな最小値のある区間を区間(a,c)として置き直す処理と、前記第二ステップ及び第三ステップを繰り返し、最終的に区間(a,c)における関数f(Φ)の値の最小値を求めるという三分点法という計算処理により、y=y*における該関数f(Φ)の最小値を求め、最小値をピニオン1に噛み合う歯車2の歯面又は歯底のy=y*におけるz座標の基準として算出し、算出された座標からピニオン1に噛み合う歯車2の歯面形状又は歯底形状を算出して、ピニオン1に噛み合う歯車2の歯面形状又は歯底形状から金型を製造するため、ピニオン1に噛み合う歯車2の歯面又は歯底はピニオン1の歯面又は歯先の軌跡と相似形状となり、ピニオン1とピニオン1に噛み合う歯車2の歯面又は歯底形状が干渉することのないフェースギヤを成形する金型を製造することができる。
【0093】
フェースギヤの金型の製造方法によれば、歯面座標及び歯底座標の双方をy=y*におけるz座標の基準として算出するため、ピニオン1に噛み合う歯車2の歯面及び歯底の双方の座標が同一計算手法で算出され、ピニオン1に噛み合う歯車2の歯面と歯底の間のすきまを段差なくシームレスにつなぐことができるため、計算手法の違いによる微細なズレがない金型を製造することができる。
【0094】
フェースギヤの金型の製造方法によれば、ピニオン1に噛み合う歯車2の金型の製造方法によれば、歯面座標は歯面の法線ベクトルとピニオン1に噛み合う歯車2とピニオン1の相対速度ベクトルが直交するという機構学的必須条件によって求めるため、三分点法は繰り返し計算であるため、演算時間を要するため、歯面座標は歯面の法線ベクトルとピニオン1に噛み合う歯車2とピニオン1の相対速度ベクトルが直交するという機構学的必須条件によって求め、歯底座標は三分点法によって求めることによって、演算時間を短縮することができ、金型の設計時間を短縮した金型の製造方法を実現できる。
【0095】
ピニオン1に噛み合う歯車2の金型の製造方法によれば、ピニオン1に噛み合う歯車2はフェースギヤであるため、オフセット量、ねじれ角等の複雑な噛み合いとなるフェースギヤはフェースギヤと噛み合うピニオン1を型取りした切削工具で切削するしか正確な歯面形状及び歯底形状を再現することができなかったが、フェースギヤの正確な歯面形状及び歯底形状をピニオン1に噛み合う歯車2の設計プログラムにて再現することができ、その設計プログラムによりフェースギヤの金型を製造することができる。
【0096】
フェースギヤの金型によれば、フェースギヤの歯面又は歯底はピニオン1の歯面又は歯先の軌跡と相似形状となり、ピニオン1とピニオン1に噛み合う歯車2の歯面又は歯底形状が干渉することのないピニオン1に噛み合う歯車2を成形する金型を製造することができ、その金型によりフェースギヤを大量生産することができる。
【0097】
フェースギヤの製造方法によれば、ピニオン1の歯幅方向のパラメータをu、ピニオン1の圧力角のパラメータをθ、ピニオン1の回転運動のパラメータをΦとし、ピニオン1の軌跡は関数f(u,θ,Φ)により決定され、任意の断面について考えることによって歯幅方向のパラメータuが任意になり、関数f(θ,Φ)により決定される任意の断面でのピニオン1の軌跡とy=y*により得られる複数の交点のz座標を表す関数f(Φ)に関し、第一ステップにおいて、任意区間(a,c)において三分点a,b,cがa<b<cであり、f(b)<f(a)かつf(b)<f(c)である範囲を抽出する処理と、第二ステップにおいて、抽出された任意区間(a,c)において、点bと点cの中間点dとし、f(d)の計算を行い、f(b)<f(d)であり、三分点a,b,dはa<b<dでかつ、f(b)<f(a)かつf(b)<f(d)である場合、関数f(Φ)の最小値の存在する区間を(a,d)とし、f(d)<f(b)であり、三分点b,d,cはb<d<cでかつ、f(d)<f(b)かつf(d)<f(c)である場合、関数f(Φ)の最小値の存在する区間を(b,c)とする最小値区間を抽出する処理と、第三ステップにおいて、第二ステップで抽出された新たな最小値のある区間を区間(a,c)として置き直す処理と、前記第二ステップ及び第三ステップを繰り返し、最終的に区間(a,c)における関数f(Φ)の値の最小値を求めるという三分点法という計算処理により、y=y*における該関数f(Φ)の最小値を求め、該最小値をピニオン1に噛み合う歯車2の歯面又は歯底のy=y*におけるz座標の基準として算出し、算出された座標からピニオン1に噛み合う歯車2の歯面形状又は歯底形状を設計するピニオン1に噛み合う歯車2の設計工程と、ピニオン1に噛み合う歯車2の歯面形状又は歯底形状から金型を製造する金型の製造工程と、金型によりピニオン1に噛み合う歯車2を製造するため、フェースギヤの歯面又は歯底はピニオン1の歯面又は歯先の軌跡と相似形状となり、ピニオン1とフェースギヤの歯面又は歯底形状が干渉することのないピニオン1に噛み合う歯車2を金型により製造することができる。
【0098】
フェースギヤの製造方法によれば、歯面座標及び歯底座標の双方をy=y*におけるz座標の基準として算出するため、ピニオン1に噛み合う歯車2の歯面及び歯底の双方の座標が同一計算手法で算出され、ピニオン1に噛み合う歯車2の歯面と歯底の間のすきまを段差なくシームレスにつなぐことができるため、計算手法の違いによる微細なズレがなく、フェースギヤの歯面と歯底の間に段差なくシームレスにつながれたフェースギヤを金型により製造することができる。
【0099】
フェースギヤの製造方法によれば、歯面座標は歯面の法線ベクトルとピニオン1に噛み合う歯車2とピニオン1の相対速度ベクトルが直交するという機構学的必須条件によって求めるため、三分点法は繰り返し計算であるため、演算時間を要するため、歯面座標は歯面の法線ベクトルとピニオン1に噛み合う歯車2とピニオン1の相対速度ベクトルが直交するという機構学的必須条件によって求め、歯底座標は三分点法によって求めることによって、演算時間を短縮することができ、金型の設計時間を短縮したピニオン1に噛み合う歯車2の製造方法を実現できる。
【0100】
ピニオン1に噛み合う歯車2の製造方法によれば、ピニオン1に噛み合う歯車2はフェースギヤであるため、オフセット量、ねじれ角等の複雑な噛み合いとなるフェースギヤはフェースギヤと噛み合うピニオン1を型取りした切削工具で切削するしか正確な歯面形状及び歯底形状を再現することができなかったが、フェースギヤの正確な歯面形状及び歯底形状をピニオン1に噛み合う歯車2の設計プログラムにて再現することができ、その設計プログラムによりフェースギヤを金型により製造することができる。
【0101】
フェースギヤは上記フェースギヤの製造方法により製造されたため、フェースギヤはピニオン1の歯面又は歯先の軌跡と相似形状となり、ピニオン1とフェースギヤの歯面又は歯底形状が干渉することのないピニオン1に噛み合う歯車2を成形する金型を製造することができ、その金型によりフェースギヤを大量生産することができる。
【産業上の利用可能性】
【0102】
尚、本実施例では、ピニオン1に噛み合う歯車2としてフェースギヤを中心に説明したが、ピニオン1及びピニオン1に噛み合う歯車2として平歯車、はすば歯車、やまば歯車、ラック、傘歯車、冠歯車、ウォームギヤ、ハイポイドギヤに用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明のピニオンとフェースギヤの斜視図である。
【図2】本発明のピニオンとフェースギヤの座標系を表した図である。
【図3】本発明の任意のx断面におけるピニオンの曲線群と包絡線を表した図である。
【図4】本発明の関数f(Φ)と三分点を表した図である。
【図5】本発明の三分点法により得られたフェースギヤの歯面と歯底の点列を表す図である。
【図6】本発明の歯面の相対速度ベクトルと法線ベクトルの関係を表す図である。
【符号の説明】
【0104】
1 ピニオン
2 ピニオンに噛み合う歯車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピニオン(1)に噛み合う歯車(2)の歯面座標又は歯底座標を算出するピニオンに噛み合う歯車の設計プログラムにおいて、
ピニオン(1)の歯幅方向のパラメータをu、ピニオン(1)の圧力角のパラメータをθ、ピニオン(1)の回転運動のパラメータをΦとし、ピニオン(1)の軌跡は関数f(u,θ,Φ)により決定され、任意の断面について考えることによって歯幅方向のパラメータuが任意になり、関数f(θ,Φ)により決定される任意の断面でのピニオン(1)の軌跡とy=y*により得られる複数の交点のz座標を表す関数f(Φ)に関し、
第一ステップにおいて、任意区間(a,c)において三分点a,b,cがa<b<cであり、f(b)<f(a)かつf(b)<f(c)である範囲を抽出する処理と、
第二ステップにおいて、抽出された任意区間(a,c)において、点bと点cの中間点dとし、f(d)の計算を行い、f(b)<f(d)であり、三分点a,b,dはa<b<dでかつ、f(b)<f(a)かつf(b)<f(d)である場合、関数f(Φ)の最小値の存在する区間を(a,d)とし、
f(d)<f(b)であり、三分点b,d,cはb<d<cでかつ、f(d)<f(b)かつf(d)<f(c)である場合、関数f(Φ)の最小値の存在する区間を(b,c)とする最小値区間を抽出する処理と、
第三ステップにおいて、第二ステップで抽出された新たな最小値のある区間を区間(a,c)として置き直す処理と、
前記第二ステップ及び第三ステップを繰り返し、最終的に区間(a,c)における関数f(Φ)の値の最小値を求めるという三分点法という計算処理により、
y=y*における該関数f(Φ)の最小値を求め、該最小値をピニオン(1)に噛み合う歯車(2)の歯面又は歯底のy=y*におけるz座標の基準として算出することを特徴とするピニオンに噛み合う歯車の設計プログラム。
【請求項2】
歯面座標及び歯底座標の双方をy=y*におけるz座標の基準として算出することを特徴とする請求項1に記載のピニオンに噛み合う歯車の設計プログラム。
【請求項3】
歯面座標は歯面の法線ベクトルとピニオン(1)に噛み合う歯車(2)とピニオン(1)の相対速度ベクトルが直交するという機構学的必須条件によって求めることを特徴とする請求項1に記載のピニオンに噛み合う歯車の設計プログラム。
【請求項4】
前記ピニオン(1)に噛み合う歯車(2)はフェースギヤであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のピニオンに噛み合う歯車の設計プログラム。
【請求項5】
ピニオン(1)に噛み合う歯車(2)の金型の製造方法において、
ピニオン(1)の歯幅方向のパラメータをu、ピニオン(1)の圧力角のパラメータをθ、ピニオン(1)の回転運動のパラメータをΦとし、ピニオン(1)の軌跡は関数f(u,θ,Φ)により決定され、任意の断面について考えることによって歯幅方向のパラメータuが任意になり、関数f(θ,Φ)により決定される任意の断面でのピニオン(1)の軌跡とy=y*により得られる複数の交点のz座標を表す関数f(Φ)に関し、
第一ステップにおいて、任意区間(a,c)において三分点a,b,cがa<b<cであり、f(b)<f(a)かつf(b)<f(c)である範囲を抽出する処理と、
第二ステップにおいて、抽出された任意区間(a,c)において、点bと点cの中間点dとし、f(d)の計算を行い、f(b)<f(d)であり、三分点a,b,dはa<b<dでかつ、f(b)<f(a)かつf(b)<f(d)である場合、関数f(Φ)の最小値の存在する区間を(a,d)とし、
f(d)<f(b)であり、三分点b,d,cはb<d<cでかつ、f(d)<f(b)かつf(d)<f(c)である場合、関数f(Φ)の最小値の存在する区間を(b,c)とする最小値区間を抽出する処理と、
第三ステップにおいて、第二ステップで抽出された新たな最小値のある区間を区間(a,c)として置き直す処理と、
前記第二ステップ及び第三ステップを繰り返し、最終的に区間(a,c)における関数f(Φ)の値の最小値を求めるという三分点法という計算処理により、
y=y*における該関数f(Φ)の最小値を求め、該最小値をピニオン(1)に噛み合う歯車(2)の歯面又は歯底のy=y*におけるz座標の基準として算出し、
算出された座標からピニオン(1)に噛み合う歯車(2)の歯面形状又は歯底形状を算出して、該ピニオン(1)に噛み合う歯車(2)の歯面形状又は歯底形状から金型を製造することを特徴とするピニオンに噛み合う歯車の金型の製造方法。
【請求項6】
歯面座標及び歯底座標の双方をy=y*におけるz座標の基準として算出することを特徴とする請求項5に記載のピニオンに噛み合う歯車の金型の製造方法。
【請求項7】
歯面座標は歯面の法線ベクトルとピニオン(1)に噛み合う歯車(2)とピニオン(1)の相対速度ベクトルが直交するという機構学的必須条件によって求めることを特徴とする請求項5に記載のピニオンに噛み合う歯車の金型の製造方法。
【請求項8】
前記ピニオン(1)に噛み合う歯車(2)はフェースギヤであることを特徴とする請求項6乃至7の何れかに記載のピニオンに噛み合う歯車の金型の製造方法。
【請求項9】
前記金型の製造方法により製造されたことを特徴とする請求項5乃至8の何れかに記載のピニオンに噛み合う歯車の金型。
【請求項10】
ピニオン(1)に噛み合う歯車(2)の製造方法において、
ピニオン(1)の歯幅方向のパラメータをu、ピニオン(1)の圧力角のパラメータをθ、ピニオン(1)の回転運動のパラメータをΦとし、ピニオン(1)の軌跡は関数f(u,θ,Φ)により決定され、任意の断面について考えることによって歯幅方向のパラメータuが任意になり、関数f(θ,Φ)により決定される任意の断面でのピニオン(1)の軌跡とy=y*により得られる複数の交点のz座標を表す関数f(Φ)に関し、
第一ステップにおいて、任意区間(a,c)において三分点a,b,cがa<b<cであり、f(b)<f(a)かつf(b)<f(c)である範囲を抽出する処理と、
第二ステップにおいて、抽出された任意区間(a,c)において、点bと点cの中間点dとし、f(d)の計算を行い、f(b)<f(d)であり、三分点a,b,dはa<b<dでかつ、f(b)<f(a)かつf(b)<f(d)である場合、関数f(Φ)の最小値の存在する区間を(a,d)とし、
f(d)<f(b)であり、三分点b,d,cはb<d<cでかつ、f(d)<f(b)かつf(d)<f(c)である場合、関数f(Φ)の最小値の存在する区間を(b,c)とする最小値区間を抽出する処理と、
第三ステップにおいて、第二ステップで抽出された新たな最小値のある区間を区間(a,c)として置き直す処理と、
前記第二ステップ及び第三ステップを繰り返し、最終的に区間(a,c)における関数f(Φ)の値の最小値を求めるという三分点法という計算処理により、
y=y*における該関数f(Φ)の最小値を求め、該最小値をピニオン(1)に噛み合う歯車(2)の歯面又は歯底のy=y*におけるz座標の基準として算出し、
算出された座標からピニオン(1)に噛み合う歯車(2)の歯面形状又は歯底形状を設計するピニオン(1)に噛み合う歯車(2)の設計工程と、該ピニオン(1)に噛み合う歯車(2)の歯面形状又は歯底形状から金型を製造する金型の製造工程と、該金型によりピニオン(1)に噛み合う歯車(2)を製造することを特徴とするピニオンに噛み合う歯車の製造方法。
【請求項11】
歯面座標及び歯底座標の双方をy=y*におけるz座標の基準として算出することを特徴とする請求項10に記載のピニオンに噛み合う歯車の製造方法。
【請求項12】
歯面座標は歯面の法線ベクトルとピニオン(1)に噛み合う歯車(2)とピニオン(1)の相対速度ベクトルが直交するという機構学的必須条件によって求めることを特徴とする請求項10に記載のピニオンに噛み合う歯車の製造方法。
【請求項13】
前記ピニオン(1)に噛み合う歯車(2)はフェースギヤであることを特徴とする請求項10乃至12に何れかに記載の歯車の製造方法。
【請求項14】
前記ピニオン(1)に噛み合う歯車(2)の製造方法により製造されたことを特徴とする請求項10乃至13の何れかに記載のピニオンに噛み合う歯車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−21538(P2012−21538A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157533(P2010−157533)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(000238360)武蔵精密工業株式会社 (82)
【Fターム(参考)】