ピペット先端部内の流体を確認する方法および装置
本発明は、光源をキャリアの方向に向けるステップ;キャリアによって屈折された光の画像をカメラに記録させるステップ;およびキャリア内の液体の存在および/または容積に関する情報をキャリアによって屈折された光の記録された画像から導き出すステップを含む、透明キャリア内の液体の存在および/または容積および/またはアイデンティティーを検出する方法に関する。本発明はさらに、キャリアの方向に向けられたカメラ;キャリアの方向に向けられた光源;およびキャリアによって屈折されカメラによってキャプチャーされた光源からの光の画像を記録する手段を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法を実行するためのデバイスに関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピペット先端部内の流体を確認する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最新の自動化された分注器または液体取り扱い器具には、取り扱われる液体を精密にしかも正確に吸引して分配するために、対処されるべきいくつかの問題がある。精密な作動装置および適切に設計された先端部の使用のような基礎的な分注要件とは別に、分注の成功をモニターするためのインプロセスコントロールの使用についての要件もある。例えば、この器具は、吸引される液体の表面を感知すること、先端部が流体中にあまりに深く挿入されて無視できない容積を先端部の外部表面に付着させ分配させることを防ぐことができなければならない。
【0003】
1980年代以来、これは導電性のピペット先端部または針を必要とし、通常最小限度量の使用できる液体しか必要としない電気容量法を使用して行われている。
【0004】
液体表面検出の比較的新しい方法は、先端部末端と液体表面の間の距離が十分に小さくなると、抵抗、したがって圧力が増大する少量の空気流が中に誘起される、圧力に基づくシステムを使用することである。
【0005】
さらに、多くの用途は、液体が実際に適切に吸引され分配されたという証拠を必要とする。これは、とりわけ吸引のときの圧力プロファイルの記録に導き、この記録によってプランジャーが移動したときに液体が実際に小さい先端オリフィスを通過したことが実証され得る。この技法は、空気泡の吸引または血塊のような閉塞性物体の存在の認識も可能にする。
【0006】
先端部に流入している流体を検出する可能性は、吸引された容積の正しさの証拠を提供するために使用され、これは、患者の材料の不正確な容積が重大な健康問題および法的責任を伴う試験結果の誤った臨床解釈を導く恐れがあるインビトロ診断のような、容積が決定的に重要な用途において重要な必須要件である。
【0007】
すべての述べられた技法の欠点は、これらすべてが通常10−20μl程度の最小限度の液体容積を、表面の検出のためおよび圧力の検出のための双方に必要とすることである。より少ない容量のサンプルおよび化学試薬を使用するという動向が進みつつあるので、上記の技法はそれらの適用可能性の限界に達してしまった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、キャリア、特にピペット先端部内の存在および/または容積を検出するための新規な技法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これは、本発明によって、
a)光源をキャリアの方向へ向けるステップと;
b)キャリアによって屈折された光の画像をカメラに記録させるステップと;
c)キャリアによって屈折された光の記録された画像からキャリア内の液体の存在および/または容積に関する情報を導き出すステップと
を含む、透明なキャリア内の液体の存在および/または容積および/またはアイデンティティーを検出する方法によって達成される。
【0010】
キャリアの照明に基づく他の検出装置は、例えばUS−A−5463228、US−B−7160510およびUS−B−6579497に記載されている。
【0011】
US−A−5463228は、測定用毛細管中の少量の液体の正確な自動投与のための装置を記載している。この装置は測定管の照明および前記測定管を通過する光の受光によって作動する流体相境界の検出手段を含む。受光された光の強度の差に基づいて流体相境界の位置が検出され得る。
【0012】
US−B−7160510は、センサー軸を通過する液体表面の検出およびその検出によって起こされる光の強度の変化に基づく分配装置動作検証装置に関する。
【0013】
US−B−6579497では空気と流体の界面だけが画像化デバイスによって観察される。光はカメラによって検出されるが、この光はキャリアによっては屈折されず、プリズムによって屈折された後にカメラに到達する。
【0014】
これらの方法はどれも、本発明におけるようなキャリアの屈折パターンの画像を記録することには基づいていない。すべての検出方法が、キャリアを通過して真っすぐに入射する光およびこの光の強度の変化を検出することに基づいている。
【0015】
本発明の方法は、円筒対称のキャリア、特にピペット先端部について特に有用である。
【0016】
キャリアに光源からの光を屈折させるために、キャリアは好ましくは光源の光軸がカメラの光軸とある角度をなして配置される。
【0017】
本発明によって、暗視野型の照明を使用すると、満たされた先端部と空の先端部の屈折パターンは、ただ先端部内の液体の存在を確認するだけでなく、流体区画の形状に基づいて容積を推定することも可能にするほど、異なることが見出された。本発明の方法は、液体が先端部に吸引されたこと、どれほどの量が吸引されたか(吸引後のキャリアを分配前に画像化することによって)および正しい量が完全に分配されたか(分配後のキャリアを画像化することによって)を確認するために使用され得る。
【0018】
屈折が本画像化技法の原点であるので、照明が起こる角度が重要である。本発明によれば、水性溶液については光源の光軸とカメラの軸の間の角度は0−90度の間にあることが好ましい。かかる水性溶液については10−25度の間の角度が特に良好な性能を示す。他のより大きい屈折率係数の溶液については、別の角度が最適であることが分かる。特定の液体についての可能な最良の角度を明確にするためには、先端部を画像化している間に光線の角度が0−90度の間のすべての角度にわたって走査される。
【0019】
最良の画像化結果を得るためには、キャリアがカメラの光軸上またはその近くにあり、さらに光源の光軸上またはその近くにあるように、キャリアが置かれる。
【0020】
先端部内の液体の存在または容積に関する情報は、キャリアの画像を参照画像と光の屈折の相違について比較することによって、または記録された画像内の複数の区域を光の屈折の相違について比較することによって、導き出され得る。この比較のためには画像解析技法が使用され得る。キャリアの内容物についての情報を導き出すために、キャリアを通過して直接入射する光ではなく、屈折画像を使用することは新規である。
【0021】
液体の容積に関する情報は、例えば空のキャリアの画像からキャリアの画像を差し引くことによって導き出され得る。
【0022】
画像解析手段が適用される場合は、流体中の空気泡(液体区画についての容積測定誤差を示している)および先端部の空の区域中の流体の飛散物(分配時の流体の損失の可能性を誘発する)のような物体を識別することが可能でさえある。
【0023】
キャリア内の液体が正しいアイデンティティーを有しているかどうかを確かめるために、記録された画像を、同じ液体で満たされたまたは参照液体で満たされたキャリアの屈折画像と比較することができる。キャリア内に誤った液体がある場合は、これは異なった屈折パターンを、より正確には屈折パターン中の暗い区域および明るい区域の寸法の変化をもたらす。
【0024】
手動の分注においては、訓練を受けたオペレーターは液体が正しく輸送されたことを確認するために目視のフィードバックを使用する。自動化された分注器具においては、かかるフィードバック手段はこれまで間接的であった。圧力損失が検出される場合は、吸引または分配の間に液体の流れがあるものとみなされる。容量変化の場合は、予想される位置における質量の存在に基づいて、やはり液体が存在するものとみなされる。しかし、本発明は正しい分注に関する真の証拠、すなわち流体は物体を有さずに正しい容積で取り上げられ、均一に分配されたという視覚的証拠だけを模倣する。
【0025】
圧力に基づく技法と類似の他の光学技術が先行技術に記載されているが、これらは前方のメニスカスおよびこの変形形態の通過を検出することを可能にする先端部の周囲のセンサーを使用する流体の吸引を主に考えているので、やはり間接的である。
【0026】
本発明は、先行技術の方法の不都合を、先端部内部の液体の存在の、先端部内部の正しい容積の、物体(小滴、空気泡)の不在のおよび分配された液体の視覚的証拠を提供する技法によって解消する。本発明は適当には、液体と空気の間の界面だけではなく、ピペット先端部などのキャリア全体の画像に基づく。
【0027】
屈折パターンは、主に分注される流体の屈折率に依存し、正しい流体が吸引され/分配されたかどうかを、例えば画像を正しい流体の画像と比較することによって、「見分ける」ことさえも可能である。この実施形態は、異なる流体が異なる屈折率を有する場合に機能する。さらに、既知の流体の画像との比較が、どの流体が存在するかを判定するために使用され得る。
【0028】
記録された画像は、最小限度の画像解析技法を用いて、液体の存在および/または容積に関する数値的に解析可能な結果に処理され得る。
【0029】
液体の容積に関する情報を得るためには、例えば空のキャリアの画像からキャリアの画像を差し引けばよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明は、以下の図面を参照することによってさらに例示される。
【図1】本発明によるピペット先端部の画像化のためのデバイスの概略図である。
【図2】ビームストップおよび集束された光源のための発散レンズを有する図1のデバイスのさらなる実施形態の概略図である。
【図3】図2のデバイスの代替実施形態の概略図である。
【図4】空のおよび満たされたピペット先端部内の光の屈折の概略図である。
【図5】部分的に水で満たされたピペット先端部のコントラストが強められた画像であり、屈折が原因で光が先端部を通過してカメラのセンサーに到達する様々な区域を明示している。
【図6】光軸間の角度のコントラストに対する効果を示す画像である。上段はEppendorf(登録商標)10μlの先端部、下段はHamilton(登録商標)300μlの先端部を示している。
【図7】満たされた先端部および空の先端部の画像の引き算の原理を示す図である。
【図8】本発明の画像から導き出された流体の高さまたは容積と画素数の間の関係を表すグラフである。
【図9】単一センサー(42)を使用する画像化法の簡略化されたバージョンの使用の概略図であり、この照明および対応する出力シグナル(44)は先端部の画像化された部分の充満度に依存する(空パターン:41、満パターン:42)。
【図10】空のままであると予想される区域(61)および満たされていると予想される区域(51、52、53、54および62)のどちらでも画像化するために使用される単一センサーの使用の概略図である。出力電流対時間の推移は明るい区域および暗い区域を反映し、これに対して適切な解析ソフトウェアがパターン認識および先端部の充満度の分類のために適用され得る。
【図11】ウェブカムおよびLED照明を使用するミニチュア化選択肢の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
ピペット先端部画像化の光学的レイアウトは図1に示されている。カメラ1は先端部6に焦点が合わせられており、先端部はカメラの光軸2上またはその近くにある。コリメートされた光源3、例えばファイバーで試験台に向けて導光されたタングステンランプからの光は、この光軸4がカメラの軸2と角度5をなして、同じ先端部に向けられている。
【0032】
光の強度分布が均一化を必要とする場合は、先端部6と光源3の間にディフューザー7(図示せず)が設置されていてもよい。
【0033】
図2には、光源3の出光角度が小さすぎる場合、または光源の出光点が先端部6に近すぎる場合は、さらなる発散レンズ8をディフューザー7の前または後ろに取り付けてもよいことが示されている。画像の背景照明を低減し、それによって画像の質を改善するための重要な特徴は、光源3からの光がカメラのレンズ1に直接到達することを防ぐビームストップ9の使用である。さらなる改善が図3に示されており、ここではビームストップが箱型で黒色の囲いの中に入れられており、画像センサーに当る周囲光の影響をさらに低減する。これは光学ベンチを既存の液体取扱所のような暗室化されていない環境で操作することも可能にする。
【0034】
図4は、本発明の物理的機能を表す概略図である。光源13からの光はポリマー壁11および内部に空気12または液体12aを有する先端部を照らす。空気、ポリマーおよび流体の屈折率の差の故に、加えてピペット先端部の形状の故に、光線は屈折されて入射光線と同じ方向に(14、14a)または異なる方向に先端部を離れる。先端部が定位置にない場合は、ビームストップが如何なる光も検出器に到達することを防ぐ。しかし、先端部が定位置にある場合は、一部の光線(15、15a)はカメラの光軸と平行するまたはカメラの光軸の方向に先端部を離れる。これらの光線は、カメラがカメラのセンサー上に「明るいゾーン」を感知する原因となる。
【0035】
これらの光路は、空の先端部と液体で満たされた先端部について異なるので、これらの先端部から撮られた画像において先端部の異なる部分が明るくまたは暗く見える。この相違の例は図5に示されている。
【0036】
上記の実施形態は、透明なピペット先端部の内部における液体の存在および液体の容積を検出するために使用され得る。代替の実施形態においては、容積の情報は重要でなく、液体の存在の情報で足りることがある。かかる実施形態においては、画像化デバイスは先端部の区域の明から暗への変化または逆の変化を検出するための安価な点光源検出器で置き換えられ得る。この原理は図9に示されている。したがって、全画像を作成するのではなく、むしろ先端部の部分画像を、照明された場合は高電流出力を与え画像が暗い場合は低電流を与える単一画素検出器に作成することも可能である。
【0037】
もう1つの選択肢は、一組の検出器を使用して1つの先端部を(または一連の先端部を)センサーに沿って移動させながら画像化することである(図10)。これらのセンサーが、液体が存在すると予想されるまたは存在しないと予想される位置に設置されている場合は、シグナルは時間とともに変化する(図10のグラフ)またはこれらのシグナル変化の間の比が必要とされる情報を提供することもある。
【0038】
好ましい実施形態において、サンプリングデバイスの形状は図11に示されている通りである。しばしば複数の先端部を有する自動化されたプラットホームにおける使用のためには、光学デバイスのピペット先端部に接してまたはその近くへの位置決めを可能にするためにデバイスは小さい。図1−3に描かれているようなセットアップの基本的な部分、すなわち好ましくは拡散光源、画像検出器、これら2つの光軸の間の角度、および場合によって背景光低減手段(9、9a、9b)は、依然として有効である。サイズの低減は、検出のためのウェブカム21および照明のための広角LED22およびより小さいサイズのレンズ23、ディフューザー24およびビームストップ25、26のような直ぐに入手可能で低価格の部品を使用して達成され得る。LEDの開口角度が十分に広い場合は、液体を収容している区域全体が検出可能なレベルで照明されている限り光線の質はそれほど重要ではないので、レンズおよびディフューザーを除外することさえ考え得る可能性がある。本発明によれば、画像化の空間照明の光強度分布は、すべての照明レベルにおいておよび検出器が識別し得るすべての位置において暗い区域と明るい区域の間に差がある限り、それほど重要ではないことが見出された。強度分布が十分に均一であれば、こうしてキャプチャーされた画像は比較的簡単な画像解析操作を用いて処理され得る。
【0039】
キャリアの吸収は決定的ではないことがさらに見出された。これは高度に吸収性の流体が含まれている場合は画像先端部の明るいゾーンおよび暗いゾーンの異なるパターンに変化し得るが、液体の存在および液体の形状を識別する能力は維持されている。
【0040】
本発明の概念は屈折に、したがって流体の屈折率に、基づいているので、これらのパターンの厳密な分布は流体の屈折率の変化(例えば水から油へまたは試薬1から試薬2へ)とともに変化する。しかし、画像化は1つのピペット先端部内部の相対的屈折に基づいているので、これらの差は、流体の存在および/または容積を解析するために使用される場合は、本方法には影響を及ぼさない。しかし、屈折率によるパターンの変化は流体の「指紋を取ること」を可能にし、異なる流体が異なる屈折率および/または吸収係数を有する場合は、誤った流体の認識を可能にする。
【0041】
本発明の屈折に基づくシステムのもう1つの特徴は、ピペット先端部が満たされた場合だけではなく、これが均一に達成された場合にも検出する能力である。液体区画中の空気泡でも分配後に後に留まっている流体の残留小滴でも画像から認識され得る。
【0042】
これらは、この比較的簡単な光学的検出の、液体の分注のための完全なインプロセスコントロール試験への適用可能性をさらに高め得る好ましい特徴である。
【0043】
(実施例)
【実施例1】
【0044】
光線軸とカメラ軸の間の最適角度の決定
カメラの光軸と光線の光軸の間の角度の画像内のコントラストに対する影響を、角度を0から90°まで変化させて決定した。図6はこの結果を示している。上段はEppendorf(登録商標)10μlの先端部を示している。下段はHamilton(登録商標)300μlの先端部を示している。明暗のパターンは、照明の光軸とカメラの光軸の間の角度とともに変化する。使用したセットアップでは、10−25度の間の角度において、解釈することが最も容易な画像が得られた。類似の実験を実施して、他のセットアップにおける最適の角度を決定することができる。
【実施例2】
【0045】
画像から容積に関連する情報を導き出すこと
キャリアの画像が真に容積に関することを証明するために、満たされた先端部の画像を空の先端部および部分的に満たされた先端部から差し引くために画像解析技法を適用した。図7に概略的に示す通り、かかる引き算は満たされた区域の認知を高め、次いで、吸引された容積に比例すると示されることができた、満たされた部分の高さを推定することを可能にする(先端部の2つの銘柄、すなわち20μlのEppendorf(登録商標)先端部および300μlのHamilton(登録商標)Starlet先端部、に関するデータが図8に示されている)。双方の試験された状況について、グラフの液体で満たされた区域における垂直の画素数は増加する液体容積とともに増加する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピペット先端部内の流体を確認する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最新の自動化された分注器または液体取り扱い器具には、取り扱われる液体を精密にしかも正確に吸引して分配するために、対処されるべきいくつかの問題がある。精密な作動装置および適切に設計された先端部の使用のような基礎的な分注要件とは別に、分注の成功をモニターするためのインプロセスコントロールの使用についての要件もある。例えば、この器具は、吸引される液体の表面を感知すること、先端部が流体中にあまりに深く挿入されて無視できない容積を先端部の外部表面に付着させ分配させることを防ぐことができなければならない。
【0003】
1980年代以来、これは導電性のピペット先端部または針を必要とし、通常最小限度量の使用できる液体しか必要としない電気容量法を使用して行われている。
【0004】
液体表面検出の比較的新しい方法は、先端部末端と液体表面の間の距離が十分に小さくなると、抵抗、したがって圧力が増大する少量の空気流が中に誘起される、圧力に基づくシステムを使用することである。
【0005】
さらに、多くの用途は、液体が実際に適切に吸引され分配されたという証拠を必要とする。これは、とりわけ吸引のときの圧力プロファイルの記録に導き、この記録によってプランジャーが移動したときに液体が実際に小さい先端オリフィスを通過したことが実証され得る。この技法は、空気泡の吸引または血塊のような閉塞性物体の存在の認識も可能にする。
【0006】
先端部に流入している流体を検出する可能性は、吸引された容積の正しさの証拠を提供するために使用され、これは、患者の材料の不正確な容積が重大な健康問題および法的責任を伴う試験結果の誤った臨床解釈を導く恐れがあるインビトロ診断のような、容積が決定的に重要な用途において重要な必須要件である。
【0007】
すべての述べられた技法の欠点は、これらすべてが通常10−20μl程度の最小限度の液体容積を、表面の検出のためおよび圧力の検出のための双方に必要とすることである。より少ない容量のサンプルおよび化学試薬を使用するという動向が進みつつあるので、上記の技法はそれらの適用可能性の限界に達してしまった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、キャリア、特にピペット先端部内の存在および/または容積を検出するための新規な技法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これは、本発明によって、
a)光源をキャリアの方向へ向けるステップと;
b)キャリアによって屈折された光の画像をカメラに記録させるステップと;
c)キャリアによって屈折された光の記録された画像からキャリア内の液体の存在および/または容積に関する情報を導き出すステップと
を含む、透明なキャリア内の液体の存在および/または容積および/またはアイデンティティーを検出する方法によって達成される。
【0010】
キャリアの照明に基づく他の検出装置は、例えばUS−A−5463228、US−B−7160510およびUS−B−6579497に記載されている。
【0011】
US−A−5463228は、測定用毛細管中の少量の液体の正確な自動投与のための装置を記載している。この装置は測定管の照明および前記測定管を通過する光の受光によって作動する流体相境界の検出手段を含む。受光された光の強度の差に基づいて流体相境界の位置が検出され得る。
【0012】
US−B−7160510は、センサー軸を通過する液体表面の検出およびその検出によって起こされる光の強度の変化に基づく分配装置動作検証装置に関する。
【0013】
US−B−6579497では空気と流体の界面だけが画像化デバイスによって観察される。光はカメラによって検出されるが、この光はキャリアによっては屈折されず、プリズムによって屈折された後にカメラに到達する。
【0014】
これらの方法はどれも、本発明におけるようなキャリアの屈折パターンの画像を記録することには基づいていない。すべての検出方法が、キャリアを通過して真っすぐに入射する光およびこの光の強度の変化を検出することに基づいている。
【0015】
本発明の方法は、円筒対称のキャリア、特にピペット先端部について特に有用である。
【0016】
キャリアに光源からの光を屈折させるために、キャリアは好ましくは光源の光軸がカメラの光軸とある角度をなして配置される。
【0017】
本発明によって、暗視野型の照明を使用すると、満たされた先端部と空の先端部の屈折パターンは、ただ先端部内の液体の存在を確認するだけでなく、流体区画の形状に基づいて容積を推定することも可能にするほど、異なることが見出された。本発明の方法は、液体が先端部に吸引されたこと、どれほどの量が吸引されたか(吸引後のキャリアを分配前に画像化することによって)および正しい量が完全に分配されたか(分配後のキャリアを画像化することによって)を確認するために使用され得る。
【0018】
屈折が本画像化技法の原点であるので、照明が起こる角度が重要である。本発明によれば、水性溶液については光源の光軸とカメラの軸の間の角度は0−90度の間にあることが好ましい。かかる水性溶液については10−25度の間の角度が特に良好な性能を示す。他のより大きい屈折率係数の溶液については、別の角度が最適であることが分かる。特定の液体についての可能な最良の角度を明確にするためには、先端部を画像化している間に光線の角度が0−90度の間のすべての角度にわたって走査される。
【0019】
最良の画像化結果を得るためには、キャリアがカメラの光軸上またはその近くにあり、さらに光源の光軸上またはその近くにあるように、キャリアが置かれる。
【0020】
先端部内の液体の存在または容積に関する情報は、キャリアの画像を参照画像と光の屈折の相違について比較することによって、または記録された画像内の複数の区域を光の屈折の相違について比較することによって、導き出され得る。この比較のためには画像解析技法が使用され得る。キャリアの内容物についての情報を導き出すために、キャリアを通過して直接入射する光ではなく、屈折画像を使用することは新規である。
【0021】
液体の容積に関する情報は、例えば空のキャリアの画像からキャリアの画像を差し引くことによって導き出され得る。
【0022】
画像解析手段が適用される場合は、流体中の空気泡(液体区画についての容積測定誤差を示している)および先端部の空の区域中の流体の飛散物(分配時の流体の損失の可能性を誘発する)のような物体を識別することが可能でさえある。
【0023】
キャリア内の液体が正しいアイデンティティーを有しているかどうかを確かめるために、記録された画像を、同じ液体で満たされたまたは参照液体で満たされたキャリアの屈折画像と比較することができる。キャリア内に誤った液体がある場合は、これは異なった屈折パターンを、より正確には屈折パターン中の暗い区域および明るい区域の寸法の変化をもたらす。
【0024】
手動の分注においては、訓練を受けたオペレーターは液体が正しく輸送されたことを確認するために目視のフィードバックを使用する。自動化された分注器具においては、かかるフィードバック手段はこれまで間接的であった。圧力損失が検出される場合は、吸引または分配の間に液体の流れがあるものとみなされる。容量変化の場合は、予想される位置における質量の存在に基づいて、やはり液体が存在するものとみなされる。しかし、本発明は正しい分注に関する真の証拠、すなわち流体は物体を有さずに正しい容積で取り上げられ、均一に分配されたという視覚的証拠だけを模倣する。
【0025】
圧力に基づく技法と類似の他の光学技術が先行技術に記載されているが、これらは前方のメニスカスおよびこの変形形態の通過を検出することを可能にする先端部の周囲のセンサーを使用する流体の吸引を主に考えているので、やはり間接的である。
【0026】
本発明は、先行技術の方法の不都合を、先端部内部の液体の存在の、先端部内部の正しい容積の、物体(小滴、空気泡)の不在のおよび分配された液体の視覚的証拠を提供する技法によって解消する。本発明は適当には、液体と空気の間の界面だけではなく、ピペット先端部などのキャリア全体の画像に基づく。
【0027】
屈折パターンは、主に分注される流体の屈折率に依存し、正しい流体が吸引され/分配されたかどうかを、例えば画像を正しい流体の画像と比較することによって、「見分ける」ことさえも可能である。この実施形態は、異なる流体が異なる屈折率を有する場合に機能する。さらに、既知の流体の画像との比較が、どの流体が存在するかを判定するために使用され得る。
【0028】
記録された画像は、最小限度の画像解析技法を用いて、液体の存在および/または容積に関する数値的に解析可能な結果に処理され得る。
【0029】
液体の容積に関する情報を得るためには、例えば空のキャリアの画像からキャリアの画像を差し引けばよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明は、以下の図面を参照することによってさらに例示される。
【図1】本発明によるピペット先端部の画像化のためのデバイスの概略図である。
【図2】ビームストップおよび集束された光源のための発散レンズを有する図1のデバイスのさらなる実施形態の概略図である。
【図3】図2のデバイスの代替実施形態の概略図である。
【図4】空のおよび満たされたピペット先端部内の光の屈折の概略図である。
【図5】部分的に水で満たされたピペット先端部のコントラストが強められた画像であり、屈折が原因で光が先端部を通過してカメラのセンサーに到達する様々な区域を明示している。
【図6】光軸間の角度のコントラストに対する効果を示す画像である。上段はEppendorf(登録商標)10μlの先端部、下段はHamilton(登録商標)300μlの先端部を示している。
【図7】満たされた先端部および空の先端部の画像の引き算の原理を示す図である。
【図8】本発明の画像から導き出された流体の高さまたは容積と画素数の間の関係を表すグラフである。
【図9】単一センサー(42)を使用する画像化法の簡略化されたバージョンの使用の概略図であり、この照明および対応する出力シグナル(44)は先端部の画像化された部分の充満度に依存する(空パターン:41、満パターン:42)。
【図10】空のままであると予想される区域(61)および満たされていると予想される区域(51、52、53、54および62)のどちらでも画像化するために使用される単一センサーの使用の概略図である。出力電流対時間の推移は明るい区域および暗い区域を反映し、これに対して適切な解析ソフトウェアがパターン認識および先端部の充満度の分類のために適用され得る。
【図11】ウェブカムおよびLED照明を使用するミニチュア化選択肢の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
ピペット先端部画像化の光学的レイアウトは図1に示されている。カメラ1は先端部6に焦点が合わせられており、先端部はカメラの光軸2上またはその近くにある。コリメートされた光源3、例えばファイバーで試験台に向けて導光されたタングステンランプからの光は、この光軸4がカメラの軸2と角度5をなして、同じ先端部に向けられている。
【0032】
光の強度分布が均一化を必要とする場合は、先端部6と光源3の間にディフューザー7(図示せず)が設置されていてもよい。
【0033】
図2には、光源3の出光角度が小さすぎる場合、または光源の出光点が先端部6に近すぎる場合は、さらなる発散レンズ8をディフューザー7の前または後ろに取り付けてもよいことが示されている。画像の背景照明を低減し、それによって画像の質を改善するための重要な特徴は、光源3からの光がカメラのレンズ1に直接到達することを防ぐビームストップ9の使用である。さらなる改善が図3に示されており、ここではビームストップが箱型で黒色の囲いの中に入れられており、画像センサーに当る周囲光の影響をさらに低減する。これは光学ベンチを既存の液体取扱所のような暗室化されていない環境で操作することも可能にする。
【0034】
図4は、本発明の物理的機能を表す概略図である。光源13からの光はポリマー壁11および内部に空気12または液体12aを有する先端部を照らす。空気、ポリマーおよび流体の屈折率の差の故に、加えてピペット先端部の形状の故に、光線は屈折されて入射光線と同じ方向に(14、14a)または異なる方向に先端部を離れる。先端部が定位置にない場合は、ビームストップが如何なる光も検出器に到達することを防ぐ。しかし、先端部が定位置にある場合は、一部の光線(15、15a)はカメラの光軸と平行するまたはカメラの光軸の方向に先端部を離れる。これらの光線は、カメラがカメラのセンサー上に「明るいゾーン」を感知する原因となる。
【0035】
これらの光路は、空の先端部と液体で満たされた先端部について異なるので、これらの先端部から撮られた画像において先端部の異なる部分が明るくまたは暗く見える。この相違の例は図5に示されている。
【0036】
上記の実施形態は、透明なピペット先端部の内部における液体の存在および液体の容積を検出するために使用され得る。代替の実施形態においては、容積の情報は重要でなく、液体の存在の情報で足りることがある。かかる実施形態においては、画像化デバイスは先端部の区域の明から暗への変化または逆の変化を検出するための安価な点光源検出器で置き換えられ得る。この原理は図9に示されている。したがって、全画像を作成するのではなく、むしろ先端部の部分画像を、照明された場合は高電流出力を与え画像が暗い場合は低電流を与える単一画素検出器に作成することも可能である。
【0037】
もう1つの選択肢は、一組の検出器を使用して1つの先端部を(または一連の先端部を)センサーに沿って移動させながら画像化することである(図10)。これらのセンサーが、液体が存在すると予想されるまたは存在しないと予想される位置に設置されている場合は、シグナルは時間とともに変化する(図10のグラフ)またはこれらのシグナル変化の間の比が必要とされる情報を提供することもある。
【0038】
好ましい実施形態において、サンプリングデバイスの形状は図11に示されている通りである。しばしば複数の先端部を有する自動化されたプラットホームにおける使用のためには、光学デバイスのピペット先端部に接してまたはその近くへの位置決めを可能にするためにデバイスは小さい。図1−3に描かれているようなセットアップの基本的な部分、すなわち好ましくは拡散光源、画像検出器、これら2つの光軸の間の角度、および場合によって背景光低減手段(9、9a、9b)は、依然として有効である。サイズの低減は、検出のためのウェブカム21および照明のための広角LED22およびより小さいサイズのレンズ23、ディフューザー24およびビームストップ25、26のような直ぐに入手可能で低価格の部品を使用して達成され得る。LEDの開口角度が十分に広い場合は、液体を収容している区域全体が検出可能なレベルで照明されている限り光線の質はそれほど重要ではないので、レンズおよびディフューザーを除外することさえ考え得る可能性がある。本発明によれば、画像化の空間照明の光強度分布は、すべての照明レベルにおいておよび検出器が識別し得るすべての位置において暗い区域と明るい区域の間に差がある限り、それほど重要ではないことが見出された。強度分布が十分に均一であれば、こうしてキャプチャーされた画像は比較的簡単な画像解析操作を用いて処理され得る。
【0039】
キャリアの吸収は決定的ではないことがさらに見出された。これは高度に吸収性の流体が含まれている場合は画像先端部の明るいゾーンおよび暗いゾーンの異なるパターンに変化し得るが、液体の存在および液体の形状を識別する能力は維持されている。
【0040】
本発明の概念は屈折に、したがって流体の屈折率に、基づいているので、これらのパターンの厳密な分布は流体の屈折率の変化(例えば水から油へまたは試薬1から試薬2へ)とともに変化する。しかし、画像化は1つのピペット先端部内部の相対的屈折に基づいているので、これらの差は、流体の存在および/または容積を解析するために使用される場合は、本方法には影響を及ぼさない。しかし、屈折率によるパターンの変化は流体の「指紋を取ること」を可能にし、異なる流体が異なる屈折率および/または吸収係数を有する場合は、誤った流体の認識を可能にする。
【0041】
本発明の屈折に基づくシステムのもう1つの特徴は、ピペット先端部が満たされた場合だけではなく、これが均一に達成された場合にも検出する能力である。液体区画中の空気泡でも分配後に後に留まっている流体の残留小滴でも画像から認識され得る。
【0042】
これらは、この比較的簡単な光学的検出の、液体の分注のための完全なインプロセスコントロール試験への適用可能性をさらに高め得る好ましい特徴である。
【0043】
(実施例)
【実施例1】
【0044】
光線軸とカメラ軸の間の最適角度の決定
カメラの光軸と光線の光軸の間の角度の画像内のコントラストに対する影響を、角度を0から90°まで変化させて決定した。図6はこの結果を示している。上段はEppendorf(登録商標)10μlの先端部を示している。下段はHamilton(登録商標)300μlの先端部を示している。明暗のパターンは、照明の光軸とカメラの光軸の間の角度とともに変化する。使用したセットアップでは、10−25度の間の角度において、解釈することが最も容易な画像が得られた。類似の実験を実施して、他のセットアップにおける最適の角度を決定することができる。
【実施例2】
【0045】
画像から容積に関連する情報を導き出すこと
キャリアの画像が真に容積に関することを証明するために、満たされた先端部の画像を空の先端部および部分的に満たされた先端部から差し引くために画像解析技法を適用した。図7に概略的に示す通り、かかる引き算は満たされた区域の認知を高め、次いで、吸引された容積に比例すると示されることができた、満たされた部分の高さを推定することを可能にする(先端部の2つの銘柄、すなわち20μlのEppendorf(登録商標)先端部および300μlのHamilton(登録商標)Starlet先端部、に関するデータが図8に示されている)。双方の試験された状況について、グラフの液体で満たされた区域における垂直の画素数は増加する液体容積とともに増加する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)光源をキャリアの方向へ向けるステップ;
b)キャリアによって屈折された光の画像をカメラに記録させるステップ;および
c)キャリアによって屈折された光の記録された画像からキャリア内の液体の存在および/または容積に関する情報を導き出すステップ
を含む、透明なキャリア内の液体の存在および/または容積および/またはアイデンティティーを検出する方法。
【請求項2】
キャリアが、円筒対称のキャリア、特にピペット先端部である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
光源が、光源の光軸がカメラの光軸とある角度をなしてキャリアの方向に向けられている、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
光源が、拡散光を提供する、請求項1、2または3に記載の方法。
【請求項5】
情報が、キャリアの画像を参照画像と光の屈折の相違について比較することによって導き出される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
情報が、記録された画像内の複数の区域を光の屈折の相違について比較することによって導き出される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
キャリアが、カメラの光軸の上またはその近くにあるように配置されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
光源の光軸とカメラの光軸の間の角度が、10−25度の間にある、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
液体の存在および/または容積に関する情報が、空のキャリアの画像からキャリアの画像を差し引くことによって導き出される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
液体のアイデンティティーに関する情報が、キャリアの画像を既知の流体を収容しているキャリアの画像と比較することによって導き出される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
a)光源をキャリアの方向へ向けるステップ;
c)キャリアによって屈折された光を光検出器に記録させるステップ;および
d)屈折された光の光強度の変化からキャリア内の液体の存在に関する情報を導き出すステップ
を含む、透明なキャリア内の液体の存在を検出する方法。
【請求項12】
キャリアが、円筒対称のキャリア、特にピペット先端部である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
a)キャリアの方向に向けられたカメラ;
b)キャリアの方向に向けられた光源;および
c)キャリアによって屈折されカメラによってキャプチャーされた光源からの光の画像を記録する手段
を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法を実行するためのデバイス。
【請求項14】
キャリアの画像を参照画像と光の屈折の相違について比較するための手段をさらに含む、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
記録された画像内の複数の区域を光の屈折または光の強度について比較するための手段をさらに含む、請求項13に記載のデバイス。
【請求項16】
光源が、光源の光軸はカメラの光軸とある角度をなすように設置されている、請求項13から15のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項17】
光源の光軸とカメラの光軸との間の角度が、0−90度の間、特に10−25度の間にある、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
光源の光強度分布を均一にするために光源の光線中に配置されているディフューザーをさらに含む、請求項13から17のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項19】
キャリアの周辺に設置されているビームストップをさらに含む、請求項13から18のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項1】
a)光源をキャリアの方向へ向けるステップ;
b)キャリアによって屈折された光の画像をカメラに記録させるステップ;および
c)キャリアによって屈折された光の記録された画像からキャリア内の液体の存在および/または容積に関する情報を導き出すステップ
を含む、透明なキャリア内の液体の存在および/または容積および/またはアイデンティティーを検出する方法。
【請求項2】
キャリアが、円筒対称のキャリア、特にピペット先端部である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
光源が、光源の光軸がカメラの光軸とある角度をなしてキャリアの方向に向けられている、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
光源が、拡散光を提供する、請求項1、2または3に記載の方法。
【請求項5】
情報が、キャリアの画像を参照画像と光の屈折の相違について比較することによって導き出される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
情報が、記録された画像内の複数の区域を光の屈折の相違について比較することによって導き出される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
キャリアが、カメラの光軸の上またはその近くにあるように配置されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
光源の光軸とカメラの光軸の間の角度が、10−25度の間にある、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
液体の存在および/または容積に関する情報が、空のキャリアの画像からキャリアの画像を差し引くことによって導き出される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
液体のアイデンティティーに関する情報が、キャリアの画像を既知の流体を収容しているキャリアの画像と比較することによって導き出される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
a)光源をキャリアの方向へ向けるステップ;
c)キャリアによって屈折された光を光検出器に記録させるステップ;および
d)屈折された光の光強度の変化からキャリア内の液体の存在に関する情報を導き出すステップ
を含む、透明なキャリア内の液体の存在を検出する方法。
【請求項12】
キャリアが、円筒対称のキャリア、特にピペット先端部である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
a)キャリアの方向に向けられたカメラ;
b)キャリアの方向に向けられた光源;および
c)キャリアによって屈折されカメラによってキャプチャーされた光源からの光の画像を記録する手段
を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法を実行するためのデバイス。
【請求項14】
キャリアの画像を参照画像と光の屈折の相違について比較するための手段をさらに含む、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
記録された画像内の複数の区域を光の屈折または光の強度について比較するための手段をさらに含む、請求項13に記載のデバイス。
【請求項16】
光源が、光源の光軸はカメラの光軸とある角度をなすように設置されている、請求項13から15のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項17】
光源の光軸とカメラの光軸との間の角度が、0−90度の間、特に10−25度の間にある、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
光源の光強度分布を均一にするために光源の光線中に配置されているディフューザーをさらに含む、請求項13から17のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項19】
キャリアの周辺に設置されているビームストップをさらに含む、請求項13から18のいずれか一項に記載のデバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2011−519028(P2011−519028A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−505521(P2011−505521)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【国際出願番号】PCT/EP2009/054970
【国際公開番号】WO2009/130309
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(503324221)バイオメリオ・ベー・ベー (5)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【国際出願番号】PCT/EP2009/054970
【国際公開番号】WO2009/130309
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(503324221)バイオメリオ・ベー・ベー (5)
【Fターム(参考)】
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