説明

ピラジン誘導体および腎臓の監視におけるその使用

本発明は、下記式IおよびIIで表されるものなどのピラジン誘導体に関する。式IおよびIIの化合物のXないしXは、電子求引性の基であることを特徴とし得る。対照的に、式IおよびIIの化合物のYないしYは、電子供与性の基であることを特徴とし得る。本発明のピラジン誘導体は、腎機能の評価において利用し得る。特に、有効量の本発明のピラジン誘導体を患者の身体に投与し得る。体内にあるピラジン誘導体を可視および/または近赤外光に曝露し、ピラジン誘導体からスペクトルエネルギーを放出させ得る。この放出スペクトルエネルギーを検出し、患者の腎機能の測定に利用し得る。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、可視および/または近赤外スペクトルでスペクトルエネルギーを吸収および放出できるピラジン誘導体に関する。加えて、本発明は、医療処置(例えば、腎機能の監視)において上述のピラジン誘導体などの非放射性の外来物質を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
事前の注意事項として、括弧中のアラビア数字により様々な刊行物を本開示中で参照する。各引用番号に対応する引用文献は、発明の詳細な説明の後に列挙する。
【0003】
急性腎不全(ARF)は、総合医療−外科病院の入院患者に共通の病気である。ARFを発症する患者の約半数が死亡し、生存者は病状の顕著な増悪および入院の延長に直面する[1]。腎不全はしばしば無症候性であり、典型的には血液中の腎機能マーカーの注意深い追跡を必要とするので、早期診断が重要であると一般的に考えられている。患者の腎機能の動態監視は、様々な臨床的、生理的および病理的状態によりもたらされる急性腎不全のリスクを最小限にするために望ましい[2−6]。このような動態監視は、危機的な病気または怪我の患者の場合に特に重要な傾向がある。なぜなら、これらの患者の大部分が、死亡に至る可能性のある多臓器不全(MOF)のリスクに直面する傾向があるからである[7、8]。MOFは、肺、肝臓および腎臓の連続的不全であり、急性肺障害(ALI)、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、異化亢進、血圧低下、持続性炎症性症状(persistent inflammatory focus)および敗血症症候群の1つまたはそれ以上により誘発される。MOFに繋がる血圧低下およびショックの一般的な組織学的特徴には、一般的に、組織の壊死、血管の鬱血、間質性および細胞性浮腫、出血および微小血栓が含まれる。これらの変化は、一般的に、肺、肝臓、腎臓、腸、副腎、脳および膵臓に、降順の頻度で影響を与える[9]。外傷の初期段階から臨床的MOFへの移行は、一般的に、特定の肝臓および腎臓の不全の程度並びに約30%から約50%までへの死亡リスクの変化に対応する[10]。
【0004】
伝統的に、患者の腎機能は、患者の尿排出量および血漿クレアチニンレベルの粗い測定値を使用して決定されてきた[11−13]。これらの値は、年齢、水分補給状況、腎灌流、筋肉量、食事の摂取および多くの他の臨床的および人体計測的変数により影響を受けるので、頻繁に誤りを導くものである。加えて、サンプル採取から数時間後に得られる単一の値は、血圧、心拍出量、水分補給状態および他の特殊な臨床的事象(例えば、出血、菌血、人工呼吸器の設置など)などの他の重要な生理的事象に相関させるのが難しいことがある。
【0005】
従来の腎臓監視方法に関して、患者の糸球体濾過率(GFR)の概算は、24時間の尿収集手順により成すことができるが、それは(名前が示唆する通り)、典型的には、尿収集に約24時間、分析にさらに数時間、そして細心の注意を払うベッドサイドでの収集技法を要する。不幸なことに、この従来法の望まざる遅いタイミングとかなりの期間は、効果的に患者を処置し、かつ/または、腎臓を救う見込みを低下させ得る。このタイプの方法のさらなる欠点として、反復的データは、最初に得られたデータと同程度に、入手するのが厄介な傾向がある。
【0006】
時には、患者の血清クレアチニンの変化を、患者の尿中の電解質およびオスモル濃度などの測定値、並びに「腎不全指数」および/または「ナトリウム分画排泄率」などの導かれる計算結果に基づいて補正しなければならない。このような血清クレアチニンの補正は、不都合なことに、血清および尿の追加的サンプルの同時収集、および、いくらかの遅延の後、さらなる計算を必要とする傾向がある。頻繁に、投薬は、腎機能に合わせて調整され、従って、投薬が基礎とした測定値および計算結果と同程度に不正確であり、同程度に遅れ、同じくらい再評価が難しくあり得る。最後に、致命的な病気の集団における臨床的決断は、しばしば、その的確さと同程度に、その時機が重要である。
【0007】
親水性、陰イオン性の物質は、一般的に、腎臓により排出され得ると知られている[14]。腎クリアランスは、典型的には、2つの経路;糸球体濾過および尿細管分泌を介して起こる。尿細管分泌は、能動輸送過程を特徴とし、故に、この経路を介して排泄される物質は、典型的には、大きさ、電荷および親油性に関して特異的な特性を示す。
【0008】
腎臓を通過する物質の殆どは、糸球体(腎臓のマルピーギ小体中の、小さいからみ合った毛細血管の群)を通して濾過される。糸球体濾過により腎臓から排出され得る外来性物質(以後、「GFR物質」と呼ぶ)の例を、図1に示す。これには、クレアチニン(1)o−ヨードヒプラン(iodohippuran)(2)および99mTc−DTPA(3)が含まれる[15−17]。尿細管分泌による腎クリアランスを受け得る外来性物質の例には、99mTc−MAG3(4)および当分野で知られている他の物質が含まれる[15、18、19]。99mTc−MAG3(4)はまた、ガンマシンチグラフィーを介する、そして腎血流測定を介する腎機能の評価にも広く使用されている。図1に図解する物質の1つの欠点として、o−ヨードヒプラン(2)、99mTc−DTPA(3)および99mTc−MAG3(4)は、これらの検出を可能にするために放射性同位元素を含む。非放射性類似体(例えば、o−ヨードヒプラン(2)の類似体)または他の非放射性物質を腎機能の監視に使用しても、そのような監視は、典型的には、これらの物質の励起のために、望まざる紫外線照射の使用を要するであろう。
【発明の開示】
【0009】
要約
ある観点では、本発明は、親油性蛍光染料を親水性分子に変形することに関する。本発明の一概念は、そのクリアランス特性が好ましくはクレアチニンまたはo−ヨードヒプラン(iodohippuran)のものと類似する分子に、そして、ヒドロキシル、カルボキシル、スルホネート、ホスホネートなどの適当な極性官能基をそれらの骨格に導入することにより、そのような分子を親水性にすることに関する。本発明のピラジン染料は、腎臓を介して身体から排出される傾向があり、可視領域で蛍光の吸収および放出を示し、有意なストークスシフトを示す蛍光があるので、腎臓適用に望ましいことも特徴とし得る。これらの特性は、分子を所望の波長に調整することおよび様々な置換基を導入してクリアランス特性を改善することの両方において柔軟性をもたらす。
【0010】
【化1】

第1の態様では、本発明は、式Iのピラジン誘導体を対象とする。式Iに関し、XおよびXは、電子求引性置換基であることを特徴とし得、−CN、−CO、−CONR、−COR、−NO、−SOR、−SO、−SOOR、−PO、−CONH(AA)および−CONH(PS)からなる群から独立して選択され得る。いくつかの実施態様では、XおよびXの少なくとも一方は、−CONH(AA)または−CONH(PS)である。(AA)は、ペプチド結合により連結された1個またはそれ以上の天然または非天然α−アミノ酸を含むポリペプチド鎖である。(PS)は、グリコシド結合により連結された1個またはそれ以上の単糖単位を含む硫酸化または非硫酸化ポリサッカライド鎖である。YおよびYは、少なくともいくつかの実施態様では、電子供与性置換基であることを特徴とし得、−OR10、−SR11、−NR1213、−N(R14)COR15、−P(R16、−P(OR17および上記の式Aに相当する置換基からなる群から独立して選択され得る。いくつかの実施態様では、YおよびYの少なくとも一方は、−P(R16または−P(OR17である。Zは、単結合、−CR1819、−O、−NR20、−NCOR21、−S、−SOおよび−SOであり得る。RないしR21は、式Iのピラジン誘導体に所望の生物学的および/または物理化学的特性を提供および/または増強できる任意の適する置換基であり得る。例えば、腎機能評価のために、RないしR21の各R基は、独立して、水素原子、陰イオン性官能基(例えば、カルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスホネートおよびホスフェート)または親水性官能基(例えば、ヒドロキシル、カルボキシル、スルホニル、スルホナトおよびホスホナト)のいずれかであり得る。例として、いくつかの実施態様では、RないしR21は、−H、−(CHOR43、−CH(CHOH)44、−CH(CHOH)COH、−(CHCOH)COH、−(CHNR4546、−CH[(CHNHCOH、−CH[(CHNHCHOH、−CH(CHNHCHNR4748、−(CHCHO)49、−(CHCO(CHCHO)50、−(CHSOH、−(CHSO、−(CHOSOH、−(CHOSO、−(CHNHSOH、−(CHNHSO、(CHPO、−(CHPO、−(CHPO、−(CHOPO、−(CHOPOおよび−(CHOPOからなる群から独立して選択され得る。そのような実施態様では、R43ないしR50の各々は、独立して、−Hまたは−CHであり得る。「a」、「b」、「c」、「d」、「m」および「n」は、任意の適当な整数であり得る。例えば、いくつかの実施態様では、「a」「b」および「d」は、独立して1ないし10の範囲にあり得、「c」は1ないし100の範囲にあり得、「m」および「n」は、独立して1ないし3の範囲にあり得る。
【0011】
【化2】

本発明の第2の態様は、式IIのピラジン誘導体を対象とする。式IIに関し、XおよびXは、電子求引性置換基であることを特徴とし得、−CN、−CO22、−CONR2324、−COR25、−NO、−SOR26、−SO27、−SOOR28、−PO2930、−CONH(AA)および−CONH(PS)からなる群から独立して選択され得る。いくつかの実施態様では、XおよびXの少なくとも一方は、−CONH(AA)または−CONH(PS)である。(AA)は、ペプチド結合により連結された1個またはそれ以上の天然または非天然α−アミノ酸を含むポリペプチド鎖である。(PS)は、グリコシド結合により連結された1個またはそれ以上の単糖単位を含む硫酸化または非硫酸化ポリサッカライド鎖である。YおよびYは、少なくともいくつかの実施態様では、電子供与性置換基であることを特徴とし得、−OR31、−SR32、−NR3334、−N(R35)COR36、−P(R37、−P(OR38および上記式Bに相当する置換基からなる群から独立して選択され得る。いくつかの実施態様では、YおよびYの少なくとも1個は、−P(R37または−P(OR38である。Zは、単結合、−CR3940、−O、−NR41、−NCOR42、−S、−SOまたは−SOであり得る。R22ないしR42は、式IIのピラジン誘導体に所望の生物学的および/または物理化学的特性を提供および/または増強できる任意の適する置換基であり得る。例えば、腎機能評価のために、R22ないしR42の各R基は、独立して、水素原子、陰イオン性官能基(例えば、カルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスホネートおよびホスフェート)または親水性官能基(例えば、ヒドロキシル、カルボキシル、スルホニル、スルホナトおよびホスホナト)のいずれかであり得る。例として、いくつかの実施態様では、R22ないしR42は、−H、−(CHOR51、−CH(CHOH)52、−CH(CHOH)COH、−(CHCOH)COH、−(CHNR5354、−CH[(CHNHCOH、−CH[(CHNHCHOH、−CH(CHNHCHNR5556、−(CHCHO)57、−(CHCO(CHCHO)58、−(CHSOH、−(CHSO、−(CHOSOH、−(CHOSO、−(CHNHSOH、−(CHNHSO、−(CHPO、−(CHPO、−(CHPO、−(CHOPO、−(CHOPOおよび(CHOPOからなる群から独立して選択され得る。そのような実施態様では、R51ないしR58の各々は、独立して−Hまたは−CHであり得る。「e」、「f」、「g」、「h」、「p」および「q」は、任意の適当な整数であり得る。例えば、いくつかの実施態様では、「e」、「f」および「h」は、独立して1ないし10の範囲にあり得、「g」は1ないし100の範囲にあり得、「p」および「q」は、独立して1ないし3の範囲にあり得る。
【0012】
本発明のまた第3の態様は、医薬的に許容し得る組成物を対象とし、その各々は、1種またはそれ以上の本明細書で開示するピラジン誘導体を含む。因みに、「医薬的に許容し得る」の句は、本明細書では、適切な医学的判断を許容し、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わずに、ヒトおよび動物の適切な組織と接触させて使用するのに適し、かつ、合理的な利益/リスク比に見合うことを意味する。この第3の態様の組成物は、適する希釈剤、防腐剤、可溶化剤、乳化剤、アジュバントおよび/または担体などであるがこれらに限定されない、1種またはそれ以上の適切な補助剤を含み得る。この第3の態様の組成物の一例は、少なくとも1種の式Iのピラジン誘導体および少なくとも1種の式IIのピラジン誘導体を含み得る。この第3の態様の組成物の他の例は、1種またはそれ以上の式Iのピラジン誘導体または1種またはそれ以上の式IIのピラジン誘導体を含み得る。
【0013】
また、本発明の第4の態様は、式IおよびIIに関して上記したものなどのピラジン誘導体を使用する腎機能の測定方法を対象とする。これらの方法では、有効量のピラジン誘導体を、患者(例えば、ヒトまたは動物対象などの哺乳動物)の体内に投与する。ちなみに、本明細書では、「有効量」は、一般的に、腎クリアランスの分析を可能にするのに十分なピラジン誘導体の量を表す。患者の体内にあるピラジン誘導体を、可視および近赤外光の少なくとも1つに曝露する。このピラジン誘導体の可視および/または赤外光への曝露に起因して、ピラジン誘導体は、適切な検出装置により検出され得るスペクトルエネルギーを放出する。このピラジン誘導体から放出されるスペクトルエネルギーは、侵襲的または非侵襲的光学プローブなどの適切な検出メカニズムを使用して検出し得る。本明細書では、「放出」または類似表現は、ピラジン誘導体から放出および/または蛍光放出されるスペクトルエネルギーを表す。腎機能は、検出されるスペクトルエネルギーに基づいて測定できる。例えば、患者の体内に存在するピラジン誘導体の量の当初量を、(例えば血流中で)検出されるピラジン誘導体から放出される光の規模/強度により検出し得る。ピラジン誘導体が身体から排出されるにつれ、検出される光の規模/強度は一般的に縮小する。従って、この検出光の規模が縮小する速度は、患者の腎クリアランス速度に相関し得る。この検出は、周期的または実質的にリアルタイムで行い得る(実質的に連続的な腎機能の監視を提供する)。実際に、本発明の方法は、体内に残っている部分のピラジン誘導体に由来する検出されるスペクトルエネルギーの規模(まだ排出されていないピラジン誘導体の量を示す)の変化および変化速度の一方または両方の検出を介して、腎機能/クリアランスの決定を可能にする。この第4の態様は、本発明の単一のピラジン誘導体の使用に関して説明するが、この第4の態様のいくつかの実施態様には、1種またはそれ以上の本明細書に開示のピラジン誘導体を含み得る本発明の組成物の使用が含まれ得ることに留意すべきである。
【0014】
図面の簡単な説明
図1は、いくつかの従来の腎臓物質の構造を図解する。
図2は、腎機能を評価するためのアセンブリーのブロック図を図解する。
【0015】
特定の実施態様の詳細な説明
【化3】

上記の通り、本発明は、式Iのピラジン誘導体を含む。第1の実施態様のファミリーでは、XおよびXは、−CN、−CO、−CONR、−COR、−NO、−SOR、−SO、−SOOR、−PO、−CONH(AA)および−CONH(PS)からなる群から独立して選択され、XおよびXの少なくとも一方(例えば、一方または両方)は、独立して、−CONH(AA)または−CONH(PS)である。例えば、ある実施態様の群では、XおよびXの少なくとも一方は−CONH(AA)である。他の実施態様の群では、XおよびXの少なくとも一方は−CONH(PS)である。さらにこの第1の実施態様のファミリーに関して、YおよびYは、−OR10、−SR11、−NR1213、−N(R14)COR15、−P(R16、−P(OR17および上記式Aに相当する置換基からなる群から独立して選択される。
【0016】
この第1のファミリーのいくつかの実施態様では、XおよびXは、−CN、−CO、−CONR、−CONH(AA)および−CONH(PS)からなる群から独立して選択され、XおよびXの少なくとも1個は、独立して、−CONH(AA)または−CONH(PS)である。第1のファミリーのいくつかの実施態様では、YおよびYは、−NR1213および上記式Aに相当する置換基からなる群から独立して選択される。
【0017】
第2の実施態様のファミリーでは、XおよびXは、−CN、−CO、−CONR、−COR、−NO、−SOR、−SO、−SOOR、−PO、−CONH(AA)および−CONH(PS)からなる群から独立して選択される。さらに、YおよびYは、−OR10、−SR11、−NR1213、−N(R14)COR15、−P(R16、−P(OR17および上記式Aに相当する置換基からなる群から独立して選択され、YおよびYの少なくとも一方(例えば、一方または両方)は、独立して、−P(R16または−P(OR17である。例えば、ある実施態様の群では、YおよびYの少なくとも一方は−P(R16である。他の実施態様の群では、YおよびYの少なくとも一方は−P(OR17である。
【0018】
この第2のファミリーのいくつかの実施態様では、XおよびXは、−CN、−CO、−CONR;−CONH(AA)および−CONH(PS)からなる群から独立して選択される。第2のファミリーのいくつかの実施態様では、YおよびYの一方は−P(R16または−P(OR17であり、YおよびYの他方は、−NR1213または上記式Aに相当する置換基である。
【0019】
上記の第1および第2のファミリーに関して、Zは、単結合、−CR1819、−O、−NR20、−NCOR21、−S、−SOおよび−SOからなる群から選択される。いくつかの実施態様では、Zは、−O、−NR20、−S、−SOおよび−SOからなる群から選択される。他の実施態様では、Zは、−Oおよび−NR20からなる群から選択される。
【0020】
第1および第2のファミリーのRないしR21は、−H、−(CHOR43、−CH(CHOH)44、−CH(CHOH)COH、−(CHCOH)COH、−(CHNR4546、−CH[(CHNHCOH、−CH[(CHNHCHOH、−CH(CHNHCHNR4748、−(CHCHO)49、−(CHCO(CHCHO)50、−(CHSOH、−(CHSO、−(CHOSOH、−(CHOSO、−(CHNHSOH、−(CHNHSO、−(CHPO、−(CHPO、−(CHPO、−(CHOPO、−(CHOPOおよび−(CHOPOからなる群から独立して選択される。そのような実施態様では、R43ないしR50は、独立して−Hまたは−CHである。ある実施態様の群では、第1および第2のファミリーのRないしR21は、−H、−(CHOR43、−CH(CHOH)44、−CH(CHOH)COH、−(CHCOH)COH、−(CHNR4546、−CH[(CHNHCOH、−CH[(CHNHCHOH、−CH(CHNHCHNR4748、−(CHCHO)49、−(CHCO(CHCHO)50からなる群から独立して選択される。他の実施態様の群では、RないしR21は、−H、−(CHOR43、−CH(CHOH)44、−(CHNR4546、−(CHCHO)49および−(CHCO(CHCHO)50からなる群から独立して選択される。また他の実施態様の群では、RないしR21は、−H、−(CHOR43、−CH(CHOH)44、−(CHNR4546および−(CHCO(CHCHO)50からなる群から独立して選択される。
【0021】
また、これらの第1および第2のファミリーに関して、「a」「b」および「d」は、独立して1ないし10の範囲にあり、「c」は1ないし100の範囲にあり、「m」および「n」は、独立して1ないし3の範囲にある。いくつかの実施態様では、「a」、「b」および「d」の各々は、独立して1ないし6の範囲にある。いくつかの実施態様では、「c」は、1ないし20の範囲にある。いくつかの実施態様では、「m」および「n」は、独立して0または1である。
【0022】
(AA)は、ペプチド結合により連結された1個またはそれ以上の天然または非天然α−アミノ酸を含むポリペプチド鎖である。ポリペプチド鎖(AA)は、ホモポリペプチド鎖であってもヘテロポリペプチド鎖であってもよく、任意の適当な長さであり得る。例えば、いくつかの実施態様では、ポリペプチド鎖は、1個ないし100個のα−アミノ酸、1個ないし90個のα−アミノ酸、1個ないし80個のα−アミノ酸、1個ないし70個のα−アミノ酸、1個ないし60個のα−アミノ酸、1個ないし50個のα−アミノ酸、1個ないし40個のα−アミノ酸、1個ないし30個のα−アミノ酸、1個ないし20個のα−アミノ酸、または、1個ないし10個のα−アミノ酸を含み得る。いくつかの実施態様では、ポリペプチド鎖(AA)のα−アミノ酸は、アスパラギン酸、アスパラギン、アルギニン、ヒスチジン、リジン、グルタミン酸、グルタミン、セリンおよびホモセリンからなる群から選択される。いくつかの実施態様では、ポリペプチド鎖(AA)のα−アミノ酸は、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリンおよびホモセリンからなる群から選択される。いくつかの実施態様では、ポリペプチド鎖(AA)は、単一のアミノ酸(例えば、アスパラギン酸またはセリン)を表す。
【0023】
(PS)は、グリコシド結合により連結された1個またはそれ以上の単糖単位を含む硫酸化または非硫酸化ポリサッカライド鎖である。ポリサッカライド鎖(PS)は、任意の適当な長さであり得る。例えば、いくつかの実施態様では、ポリサッカライド鎖は、1個ないし100個の単糖単位、1個ないし90個の単糖単位、1個ないし80個の単糖単位、1個ないし70個の単糖単位、1個ないし60個の単糖単位、1個ないし50個の単糖単位、1個ないし40個の単糖単位、1個ないし30個の単糖単位、1個ないし20個の単糖単位、または、1個ないし10個の単糖単位を含み得る。いくつかの実施態様では、ポリサッカライド鎖(PS)は、五炭糖または六炭糖の単糖単位のいずれかからなるホモポリサッカライド鎖である。他の実施態様では、ポリサッカライド鎖(PS)は、五炭糖および六炭糖の単糖単位の一方または両方からなるヘテロポリサッカライド鎖である。いくつかの実施態様では、ポリサッカライド鎖(PS)の単糖単位は、グルコース、フルクトース、マンノース、キシロースおよびリボースからなる群から選択される。いくつかの実施態様では、ポリサッカライド鎖(PS)は、単一の単糖単位(例えば、グルコースまたはフルクトース)を表す。
【0024】
【化4】

本発明はまた、上記式IIに相当するピラジン誘導体を含む。本発明の第3の実施態様のファミリーでは、XおよびXは、−CN、−CO22、−CONR2324、−COR25、−NO、−SOR26、−SO27、−SOOR28、−PO2930、−CONH(AA)および−CONH(PS)からなる群から独立して選択され、XおよびXの少なくとも一方(例えば、一方または両方)は、独立して、−CONH(AA)または−CONH(PS)である。例えば、ある実施態様の群では、XおよびXの少なくとも一方は−CONH(AA)である。他の実施態様の群では、XおよびXの少なくとも一方は−CONH(PS)である。さらにこの第3の実施態様のファミリーに関して、YおよびYは、−OR31、−SR32、−NR3334、−N(R35)COR36、−P(R37、−P(OR38および上記式Bに相当する置換基からなる群から独立して選択される。
【0025】
この第3のファミリーのいくつかの実施態様では、XおよびXは、−CN、−CO22、−CONR2324、−CONH(AA)および−CONH(PS)からなる群から独立して選択され、XおよびXの少なくとも1個は、独立して、−CONH(AA)または−CONH(PS)である。第3のファミリーのいくつかの実施態様のYおよびYは、−NR3132および上記式Bに相当する置換基からなる群から独立して選択される。
【0026】
さらに、第4の実施態様のファミリーでは、XおよびXは、−CN、−CO22、−CONR2324、−COR25、−NO、−SOR26、−SO27、−SOOR28、−PO2930、−CONH(AA)および−CONH(PS)からなる群から独立して選択される。さらに、YおよびYは、−OR31、−SR32、−NR3334、−N(R35)COR36、−P(R37、−P(OR38および上記Bに相当する置換基からなる群から独立して選択され、YおよびYの少なくとも一方は、独立して、−P(R37または−P(OR38である。例えば、ある実施態様の群では、YおよびYの少なくとも一方は−P(R37である。他の実施態様の群では、YおよびYの少なくとも一方は−P(OR38である。
【0027】
この第4のファミリーのいくつかの実施態様では、XおよびXは、−CN、−CO22、−CONR2324、−CONH(AA)および−CONH(PS)からなる群から独立して選択される。第4のファミリーのいくつかの実施態様では、YおよびYの一方は−P(R37または−P(OR38であり、YおよびYの他方は、−NR3132または上記式Bに相当する置換基である。
【0028】
上記の第3および第4のファミリーに関して、Zは、単結合、−CR3940、−O、−NR41、−NCOR42、−S、−SOおよび−SOからなる群から選択される。いくつかの実施態様では、Zは、−O、−NR41、−S、−SOおよび−SOからなる群から選択される。いくつかの実施態様では、Zは、−Oおよび−NR41からなる群から選択される。
【0029】
22ないしR42は、−H、−(CHOR51、−CH(CHOH)52、−CH(CHOH)COH、−(CHCOH)COH、−(CHNR5354、−CH[(CHNHCOH、−CH[(CHNHCHOH、−CH(CHNHCHNR5556、−(CHCHO)57、−(CHCO(CHCHO)58、−(CHSOH、−(CHSO、−(CHOSOH、−(CHOSO、−(CHNHSOH、−(CHNHSO、−(CHPO、−(CHPO、−(CHPO、−(CHOPO、−(CHOPOおよび−(CHOPOからなる群から独立して選択される。そのような実施態様では、R51ないしR58は、独立して−Hまたは−CHである。ある実施態様の群では、R22ないしR42は、−H、−(CHOR51、−CH(CHOH)52、−CH(CHOH)COH、−(CHCOH)COH、−(CHNR5354、−CH[(CHNHCOH、−CH[(CHNHCHOH、−CH(CHNHCHNR5556、−(CHCHO)57および−(CHCO(CHCHO)58からなる群から独立して選択される。他の実施態様の群では、R22ないしR42は、−H、−(CHOR51、−CH(CHOH)52、−(CHNR5354、−(CHCHO)57および−(CHCO(CHCHO)58からなる群から独立して選択される。また他の実施態様の群では、R22ないしR42は、−H、−(CHOR51、−CH(CHOH)52、−(CHNR5354および−(CHCO(CHCHO)58からなる群から独立して選択される。
【0030】
また、これらの第3および第4のファミリーに関して、「e」「f」および「h」は、独立して1ないし10の範囲にあり、「g」は1ないし100の範囲にあり、「p」および「q」は、独立して1ないし3の範囲にある。いくつかの実施態様では、「e」、「f」および「h」は、独立して1ないし6の範囲にある。いくつかの実施態様では、「g」は、1ないし20の範囲にある。いくつかの実施態様では、「m」および「n」は、独立して0または1である。
【0031】
上記の第1および第2の実施態様のファミリーと同様に、第3および第4のファミリーの(AA)は、ペプチド結合により連結された1個またはそれ以上の天然または非天然α−アミノ酸を含むポリペプチド鎖である。従って、上記の第1および第2の実施態様のファミリーに関する(AA)の説明は、第3および第4の実施態様のファミリーの(AA)に同様に適用される。同様に、第3および第4のファミリーの(PS)は、グリコシド結合により連結された1個またはそれ以上の単糖単位を含む硫酸化または非硫酸化ポリサッカライド鎖である。かくして、上記の第1および第2の実施態様のファミリーに関する(PS)の説明は、第3および第4の実施態様のファミリーの(PS)に同様に適用される。
【0032】
ピラジン誘導体の合成は、一般に、過去に研究され[27]、記載された[25、26、28、29]。上記の引用文献と同様の方法を使用する、本発明のいくつかのピラジン誘導体の製造方法を、実施例1−11にて後述する。シアノ−またはカルボキシピラジン中の電子供与性アミノ基のアルキル化は、2,5−ジアミノ−3,5−ジシアノピラジン中のアミノ基のジアルキル化が約40−60nmの大きい深色性シフトをもたらす点で、ピラジン発色団の電子遷移に絶大な効果を有することに注目すべきである。ピロリジノおよびピペリジノ誘導体は、前者が約34nmの深色性シフトを示す点で、それらのUVスペクトルにおいて実質的な差異を示すことにも注目すべきである。これらの結果は、アルキル化アミノピラジンの最高被占分子軌道(HOMO)は、親のアミノ化合物と比較して不安定であることに基づいて説明できる。従って、上記の前提に基づき、過去に開示されなかった、高度にストレインがかかったアザシクロアルキル置換基を含有するピラジン誘導体は、ストレインのない環状類似体と比較して、より大きい深色性シフトを示すことが期待される。
【0033】
本発明によると、身体の細胞の生理機能を評価するためのあるプロトコールには、式IまたはIIで表されるピラジン誘導体の有効量を患者の体内に投与することが含まれる。患者に投与されるピラジン誘導体の適切な投与量は当業者により容易に決定でき、意図する臨床操作などによって変動し得るが、一般的には、約1ナノモル濃度ないし約100マイクロモル濃度の範囲にある。ピラジン誘導体の患者への投与は、(1)静脈内、腹腔内または皮下の注射または点滴;(2)経口投与;(3)皮膚を介する経皮吸収;および(4)吸入を含むがこれらに限定されない、数々の適切な様式のいずれで行ってもよい。
【0034】
本発明のピラジン誘導体は、当分野で知られている殆どの医薬的に許容し得る静脈内媒体中で、液剤として投与できる。当業者に周知の医薬的に許容し得る媒体には、0.01−0.1Mリン酸緩衝液または0.8%塩水が含まれるが、これらに限定されない。加えて、医薬的に許容し得る担体は、水性または非水性の溶液、懸濁液、乳液またはこれらの適当な組合せであり得る。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルである。水性担体の例は、水、アルコール性/水性溶液、乳液または懸濁液であり、塩水および緩衝化媒体が含まれる。例示的な非経腸媒体には、塩化ナトリウム溶液、リンガーのデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸化リンガー液または固定油が含まれる。例示的な静脈内媒体には、流体および栄養補充物、リンガーのデキストロースに基づくものなどの電解質補充物などが含まれる。防腐剤および他の添加物、例えば、抗菌剤、抗酸化剤、照合物質(collating agent)、不活性ガスなども存在し得る。
【0035】
適する希釈剤、防腐剤、可溶化剤、乳化剤、アジュバントおよび/または担体は、適する補助剤でもある。そのような組成物は、液体、または凍結乾燥もしくはその他の方法で乾燥させた製剤であり、様々なバッファー内容(例えば、Tris−HCl、酢酸塩、リン酸塩)、pHおよびイオン強度、表面への吸着を防止するための添加物、例えばアルブミンまたはゼラチン、界面活性剤(例えば、Tween 20、Tween 80、Pluronic F68、胆汁酸塩)、可溶化剤(例えば、グリセロール、ポリエチレングリセロール)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム)、防腐剤(例えば、チメロサール、ベンジルアルコール、パラベン類)、嵩高化物質または張性調節剤(例えば、ラクトース、マンニトール)、金属イオンとの錯体化、または、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ヒドロゲルなどのポリマー化合物の粒子性調製物の中または上への、または、リポソーム、マイクロエマルジョン、ミセル、単層性もしくは多層性ベシクル、赤血球ゴーストまたはスフェロプラストの上への当該物質の組込みを含む。そのような組成物は、物理的状態、溶解性、安定性、インビボの放出速度、および/または、インビボのクリアランス速度に影響を与える見込みがあり得る。
【0036】
依然として上述のプロトコールに言及して、ピラジン誘導体を可視および/または近赤外光に曝露する。このピラジン誘導体の光への曝露は、任意の適当な時間に行い得るが、好ましくは、ピラジン誘導体が体内にある間に行う。このピラジン誘導体の可視および/または近赤外光への曝露に起因して、ピラジン誘導体は、適切な検出設備により検出され得るスペクトルエネルギー(例えば、可視および/または近赤外光)を放出する。ピラジン誘導体から放出されたスペクトルエネルギーは、ピラジン誘導体により吸収される波長範囲より大きい波長範囲を示す傾向がある。例えば、ピラジン誘導体の実施態様が約700nmの光を吸収するならば、そのピラジン誘導体は約745nmの光を放出し得る。
【0037】
ピラジン誘導体(または、より具体的には、そこから放出される光)の検出は、当分野で知られている光学的な蛍光、吸光または光散乱の手法により達成され得る。ある実施態様では、この放出されたスペクトルエネルギーの検出は、放出されたスペクトルエネルギーの収集および収集されたスペクトルエネルギーを示すものである電気的シグナルの生成を特徴とし得る。体内に存在するピラジン誘導体からのスペクトルエネルギーの検出に利用されるメカニズムは、選択された波長(または波長の範囲)のみが検出されるように設計し得、かつ/または、1つまたはそれ以上のスペクトルのフィルターを含み得る。様々なカテーテル、内視鏡、耳のクリップ、手のバンド、頭部のバンド、表面コイル、指のプローブなどを、ピラジン誘導体を光に曝露し、かつ/または、そこから放出される光を検出するのに利用し得る[30]。このスペクトルエネルギーの検出は、1回またはそれ以上の回数で断続的に、または、実質的に連続的に達成し得る。
【0038】
患者の腎機能は、検出されるスペクトルエネルギーに基づいて決定できる。これは、検出されるスペクトルエネルギーを示すデータを使用し、身体からのピラジン誘導体のクリアランスを示す強度/時間プロフィールを生成させることにより、達成できる。このプロフィールを、生理的または病理的状態に相関させ得る。例えば、患者のクリアランスプロフィールおよび/またはクリアランス速度を、既知のクリアランスプロフィールおよび/または速度と比較して、患者の腎機能を評価し、患者の生理的状態を診断し得る。体液中のピラジン誘導体の存在を分析する場合、腎機能を診断する適切なマイクロプロセッサーを使用して、濃度/時間曲線を生成させ、分析し得る(好ましくはリアルタイムで)。
【0039】
生理的機能は、(1)正常な細胞および損なわれた細胞が本発明のピラジン誘導体を血流から除去する挙動の差異を比較すること;(2)器官または組織における本発明のピラジン誘導体の割合または蓄積を測定すること;および/または(3)本発明のピラジン誘導体をそこに付随して有する器官または組織の断層撮影像を得ることにより評価できる。例えば、血液プールのクリアランスは、耳たぶまたは指に見出されるもののなどの好都合な表面毛細血管から非侵襲的に測定し得るか、または、血管内カテーテルなどの適切な器具を使用して侵襲的に測定できる。関心のある細胞内での本発明のピラジン誘導体の蓄積は、同様のやり方で評価できる。
【0040】
改変された肺動脈カテーテルも、とりわけ、本発明のピラジン誘導体から放出されるスペクトルエネルギーの望ましい測定[32]を行うために利用し得る。肺カテーテルが本発明のピラジン誘導体から放出されるスペクトルエネルギーを検出する能力は、血管内圧、心拍出量および他の派生する血流の測定値のみを測定する現行の肺動脈カテーテルに対する顕著な改善である。伝統的に、危機的な病気の患者は、上記で列挙したパラメーターのみを使用して管理されてきたが、彼らの処置は、腎機能の評価のために断続的な血液サンプル採取および試験に依存する傾向があった。これらの伝統的なパラメーターは、非連続的なデータを提供し、多くの患者集団で頻繁に誤りを導くものである。
【0041】
標準的な肺動脈カテーテルを改変するには、光ファイバーセンサーを波長特異的にするだけでよい。混合静脈血酸素飽和度の測定のために光ファイバー技術を組み込んでいるカテーテルは現存する。ある特徴描写では、改変された肺動脈カテーテルは、波長特異的な光学センサーを、標準的な肺動脈カテーテルの先端に組み込んでいると言える。この波長特異的光学センサーは、本発明のピラジン誘導体などの設計された光学的に検出し得る化学物質の腎機能特異的排出を監視するのに利用できる。従って、染料希釈曲線と類似の方法で、光学的に検出される化合物の消失/クリアランスによりリアルタイムの腎機能を監視できる。
【0042】
以下の実施例は、本発明の特定の実施態様を例示説明する。当業者に明らかな通り、様々な変更および改変が可能であり、記載する本発明の範囲内にあると意図されている。
【実施例】
【0043】
実施例1
3,6−ジアミノ−N,N,N,N−テトラキス(2−メトキシエチル)ピラジン−2,5−ジカルボキサミドの製造
【化5】

3,6−ジアミノピラジン−2,5−ジカルボン酸(200mg、1.01mmol)、ビス−2−(メトキシエチル)アミン(372μL、335.5mg、2.52mmol)、HOBt−HO(459mg、3.00mmol)およびEDC−HCl(575mg、3.00mmol)の混合物を、一緒にDMF(20mL)中で、1時間室温で撹拌した。混合物を濃縮乾固し、残渣をEtOAcおよび水で分配した。層を分離し、EtOAc溶液を飽和NaHCOおよび塩水で洗浄した。溶液を無水NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。放射状のフラッシュクロマトグラフィー(SiO、10/1CHCl−MeOH)により精製し、228.7mg(53%収率)の実施例1を橙色泡状物として得た:1H NMR (300MHz, CDCl3), δ 4.92 (s, 4 H), 3.76 (見かけ上の t, J = 5.4 Hz, 4 H), 3.70 (見かけ上の t, J = 5.6 Hz, 4 H), 3.64 (見かけ上の t, J = 5.4 Hz, 4 H), 3.565 (見かけ上の t, J = 5.4 Hz), 3.67 (s, 6 H), 3.28 (s, 6 H)。13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 167.6 (s), 145.6 (s), 131.0 (s), 72.0 (t), 70.8 (t), 59.2 (q), 49.7 (t), 47.1 (t)。LCMS(0.1%TFA中、5−95%グラジエントのアセトニトリル、10分間)、単一ピークの保持時間=3.14分、30mmカラム、(M+H)=429。UV/vis(100μM、PBS中)λabs=394nm。蛍光(100nm)λex=394nmλem=550nm。
【0044】
実施例2
3,6−ジアミノ−N,N−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピラジン−2,5−ジカルボキサミド
【化6】

【0045】
段階1.3,6−ジアミノ−N,N−ビス((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)ピラジン−2,5−ジカルボキサミドの合成
【化7】

3,6−ジアミノピラジン−2,5−ジカルボン酸(350mg、1.77mmol)、ラセミの(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メタンアミン(933μL、944mg、7.20mmol)、HOBt−HO(812mg、5.3mmol)およびEDC−HCl(1.02g、5.32mmol)の混合物を、一緒にDMF(20mL)中、16時間室温で撹拌した。混合物を濃縮乾固し、残渣をEtOAcおよび水で分配した。層を分離し、EtOAc溶液を飽和NaHCOおよび塩水で洗浄した。溶液を無水NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、ビス−アミドジアステレオマー対665mg(88%収率)を黄色固体として得た:1NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.38 (t, J = 5.8 Hz, 2 H), 6.55 (s, 4 H), 4.21 (五重線, J = 5.8 Hz, 2 H), 3.98 (dd, J = 8.4 Hz, 6.3 Hz, 2 H), 3.65 (dd, J = 8.4 Hz, J = 5.8 Hz, 2 H), 3.39 (見かけ上の四重線-ジアステレオトピックな混合物, J = 5.9 Hz, 4 H), 1.35 (s, 6 H), 1.26 (s, 6 H)。13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 165.7 (s), 146.8 (s), 126.8 (s), 109.2 (s), 74.8 (d), 67.2 (t), 42.2, 41.1 (t - ジアステレオトピックな対), 27.6 (q), 26.1 (q)。
【0046】
段階2.段階1の生成物をTHF(100mL)に溶解し、1.0N HCl(2mL)で処理した。加水分解が完了した後、混合物をKCO(1g)で処理し、1時間撹拌し、メタノールを使用してC18のプラグを通し濾過した。濾液を濃縮乾固し、残渣をMeOH(50mL)でトリチュレートした。固体を濾過し、廃棄し、残渣をエーテル(50mL)で処理した。沈殿を濾過により回収し、高真空で乾燥した。この物質を放射状のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、221mg(36%収率)の実施例2を橙色固体として得た:1NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.00 (bm, 6 H), 5.39 (bs, 2 H), 4.88 (bs, 2 H), 3.63-3.71 (複合 m, 2 H), 3.40 (dd, J = 11.1, 5.10 Hz, 2 H), 3.28 (dd, J = 11.1, 6.60 Hz, 2 H), 2.92 (dd, J = 12.6, 3.3 Hz, 2 H), 2.65 (dd, J = 12.6, 8.4 Hz, 2 H)。LCMS(5−95%グラジエントアセトニトリル、0.1%TFA中、10分間)、単一ピークの保持時間=4.13分、30mmカラム、(M+H)=345。UV/vis(100μM、HO中)λabs=432nm。蛍光λex=432nm、λem=558nm。
【0047】
実施例3
3,6−ジアミノ−N,N−ビス(セリン)−ピラジン−2,5−ジカルボキサミド
【化8】

【0048】
段階1.3,6−ジアミノ−N,N−ビス(O−ベンジルセリンメチルエステル)−ピラジン−2,5−ジカルボキサミドの合成
【化9】

DMF(25mL)中のナトリウム3,6−ジアミノピラジン−2,5−ジカルボキシレート(300mg、1.24mmol)、Ser(OBn)−OMe−HCl塩(647mg、2.64mmol)、HOBt−HO(570mg、3.72mmol)およびEDC−HCl(690mg、3.60mmol)の混合物を、TEA(2mL)で処理した。得られた混合物を16時間撹拌し、濃縮した。実施例1と同様に後処理し、ビスアミド370mg(51%収率)を明黄色粉末として得た:1NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.47 (d, J = 8.74 Hz, 2 H), 7.25-7.37 (複合 m, 10 H), 5.98 (bs, 4 H), 4.85 (dt, J = 8.7, 3.3 Hz, 2 H), 4.56 (ABq, J = 12.6, Hz,Δν= 11.9 Hz, 4 H), 3.99 (dのABqの2分の1, J = 8.7, 3.3, Δν 不明瞭, 2 H), 3.76-3.80 (ABqの2分の1- 不明瞭, 2 H), 3.78 (s, 6 H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 170.5 (s), 165.1 (s), 146.8 (s), 138.7 (s) 128.6 (d), 128.1 (d), 127.8 (d), 126.9 (s), 73.5 (t), 69.8 (t), 53.0 (q), 52.9 (q)。LCMS(5−95%グラジエントアセトニトリル、0.1%TFA中、10分間)、単一ピークの保持時間=4.93分、30mmカラム、(M+H)=581。
【0049】
段階2.3,6−ジアミノ−N,N−ビス(O−ベンジルセリン)−ピラジン−2,5−ジカルボキサミドの合成
【化10】

THF(10mL)中の段階1由来の生成物(370mg、0.64mmol)を、1.0水酸化ナトリウム(2.5mL)で処理した。室温で30分間撹拌した後、反応をTLCにより完了と判断した。1.0N HClの添加によりpHを約2に調節し、得られた溶液をEtOAcで抽出した(3x)。層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、この二酸353mg(100%収率)を橙色泡状物として得た:LCMS(5−95%グラジエントアセトニトリル、0.1%TFA中、10分間)、保持時間=4.41分、30mmカラム、(M+H)=553。
【0050】
段階3.メタノール(20mL)中の段階2(353mg、0.64mmol)由来の生成物に、5%Pd/C(300mg)およびギ酸アンモニウム(600mg)を添加した。生じた反応を還流で2時間加熱した。反応を室温に冷却し、セライトのプラグを通して濾過し、濃縮した。残渣をメタノール−エーテルから再結晶し、191mg(80%収率)の実施例3を黄色泡状物として得た:1NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.48 (d, J = 6.9 Hz, 2 H), 6.72 (bs, 4 H), 3.95 (見かけ上の四重線, J = 5.1 Hz, 2 H), 3.60 (見かけ上の二重線のABq; 3.71 に中心がある低磁場のグループ, J = 9.9, 5.1 Hz, 2H; 3.48に中心がある高磁場のグループ, J = 9.9, 6.3 Hz, 2 H)。13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 172.9 (s), 164.9 (s), 147.0 (s), 127.0 (s), 62.9 (d), 55.7 (t)。LCMS(5−95%グラジエントアセトニトリル、0.1%TFA中、10分間)、単一ピークの保持時間=1.45分、30mmカラム、(M+H)=373。UV/vis(100μM、PBS中)λabs=434nm。蛍光λex=449nm、λem=559nm。
【0051】
実施例4
3,6−ビス(ビス(2−メトキシエチル)アミノ)−N,N,N,N−テトラキス(2−メトキシエチル)ピラジン−2,5−ジカルボキサミドビスTFA塩
【化11】

【0052】
段階1.3,6−ジブロモピラジン−2,5−ジカルボン酸の合成
【化12】

3,6−ジアミノピラジン−2,5−ジカルボン酸(499mg、2.52mmol)を48%臭化水素酸(10mL)に溶解し、氷−塩浴中で0℃に冷却した。この撹拌混合物に、水(10mL)中の亜硝酸ナトリウム(695mg、10.1mmol)の溶液を、温度が5℃より低いままであるように、滴下して添加した。得られた混合物を3時間5−15℃で撹拌し、その間に赤色混合物は黄色溶液になった。黄色溶液を、水(100mL)中の臭化第二銅(2.23g、10.1mmol)の溶液に注ぎ、得られた混合物を室温で撹拌した。さらに3時間後、水性混合物をEtOAc(3x)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮し、3,6−ジブロモピラジン−2,5−ジカルボン酸440mg(54%収率)を淡黄色固体として得た:13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 164.3 (s), 148.8 (s), 134.9 (s)。HPLC(5−95%グラジエントアセトニトリル、0.1%TFA中、10分間)、単一ピークの保持時間=2.95分、250mmカラム。
【0053】
段階2.3−(ビス(2−メトキシエチル)アミノ)−6−ブロモ−N,N,N,N−テトラキス(2−メトキシエチル)ピラジン−2,5−ジカルボキサミドの合成
【化13】

段階1(440mg、1.36mmol)由来の生成物を、DMF(25mL)に溶解し、HOBt−HO(624mg、4.08mmol)およびEDC−HCl(786mg、4.10mmol)で処理し、30分間室温で撹拌した。ビス(2−メトキシルエチル)アミン(620mL、559mg、4.20mmol)を添加し、得られた混合物を室温で16時間撹拌し、濃縮した。残渣を水およびEtOAcで分配した。EtOAc層を分離し、水層をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機層を0.5N HCL、飽和重炭酸ナトリウムおよび塩水で洗浄した。有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮し、3−(ビス(2−メトキシエチル)アミノ)−6−ブロモ−N,N,N,N−テトラキス(2−メトキシエチル)ピラジン−2,5−ジカルボキサミド214mg(26%収率)を茶色油状物として得た:LCMS(5−95%グラジエントアセトニトリル、0.1%TFA中、10分間)、単一ピークの保持時間=3.85分、30mmカラム、(M+H)=608。
【0054】
段階3.段階2由来の生成物(116mg、0.19mmol)に、ビス(2−メトキシルエチル)アミン(3.0mL、2.71g、20.3mmol)および「スパチュラ先端(spatula tip)」量のPd(PPhを添加した。得られた混合物を140℃に2時間加熱した。反応を冷却し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、10/1CHCl−MeOH)により精製した。得られた物質を逆相中圧クロマトグラフィー(C18、10−50%手動グラジエントのアセトニトリル、0.1%TFA中)により再度精製し、12mg(10%収率)の実施例4を橙茶色フィルム状物質として得た:LCMS(15−95%グラジエントアセトニトリル、0.1%TFA中、10分間)、単一ピークの保持時間=3.85分、250mmカラム、(M+H)=661。UV/vis(100μM、PBS中)λabs=434nm。蛍光λex=449nm、λem=559nm。
【0055】
実施例5
3,6−ジアミノ−N,N−ビス(2−アミノエチル)ピラジン−2,5−ジカルボキサミドビスTFA塩
【化14】

【0056】
段階1.,6−ジアミノ−N,N−ビス[2−(tert−ブトキシカルボニル)アミノエチル]ピラジン−2,5−ジカルボキサミドの合成
【化15】

DMF(25mL)中のナトリウム3,6−ジアミノピラジン−2,5−ジカルボキシレート(500mg、2.07mmol)、tert−ブチル2−アミノエチルカルバメート(673mg、4.20mmol)、HOBt−HO(836mg、5.46mmol)およびEDC−HCl(1.05g、5.48mmol)の混合物を、16時間撹拌し、濃縮した。実施例1と同様に後処理し、ビスアミド770mg(76%収率)を橙色泡状物として得た:1NMR (300 MHz, DMSO-d6) 主要な配座異性体、δ 8.44 (t, J = 5.7 Hz, 2 H), 6.90 (t, J = 5.7 Hz, 2 H), 6.48 (bs, 4 H), 2.93-3.16 (複合 m, 8 H), 1.37 (s, 9 H), 1.36 (s, 9 H). 13C NMR (75 MHz, DMSO-d6)、立体構造の異性体δ 165.1 (s), 155.5 (bs), 155.4 (bs), 146.0 (s), 126.2 (s), 77.7 (bs), 77.5 (bs), 45.2 (bt), 44.5 (bt), 28.2 (q)。
【0057】
段階2.塩化メチレン(100mL)中の段階1(770mg、1.60mmol)由来の生成物に、TFA(25mL)を添加し、反応を室温で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をメタノール(15mL)に取った。エーテル(200mL)を添加し、橙色固体の沈殿を濾過により単離し、高真空で乾燥し、627mg(77%収率)の実施例5を橙色粉末として得た:1NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.70 (t, J = 6 Hz, 2 H), 7.86 (bs, 6 H), 6.50 (bs, 4 H), 3.46-3.58 (m, 4 H), 3.26-3.40 (m, 4 H)。13C NMR (75 MHz, DMSO-d6) δ 166.4 (s), 146.8 (s), 127.0 (s), 39.4 (t), 37.4 (t)。LCMS(5−95%グラジエントアセトニトリル、0.1%TFA中、10分間)、単一ピークの保持時間=3.62分、30mmカラム、(M+H)=283。UV/vis(100μM、PBS中)λabs=435nm。蛍光(100nM)λex=449nm、λem=562nm。
【0058】
実施例6
3,6−ジアミノ−N,N−ビス(D−アスパルテート)−ピラジン−2,5−ジカルボキサミド
【化16】

【0059】
段階1.3,6−ジアミノ−N,N−ビス(ベンジルD−O−ベンジル−アスパルテート)−ピラジン−2,5−ジカルボキサミドの合成
【化17】

DMF(50mL)中のナトリウム3,6−ジアミノピラジン−2,5−ジカルボキシレート(600mg、2.48mmol)、Asp(OBn)−OMe−p−TosH塩(2.43g、5.00mmol)、HOBt−HO(919mg、6.00mmol)およびEDC−HCl(1.14g、5.95mmol)の混合物を、TEA(4mL)で処理した。得られた混合物を終夜室温で撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を水およびEtOAcで分配した。EtOAc層を分離し、飽和重炭酸ナトリウム、水および塩水で連続的に洗浄した。EtOAc溶液を乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、50/1CHCl−MeOHから10/1へ)により精製し、ビス−アミド1.15g(58%収率)を黄色泡状物として得た:1NMR (500 MHz, CDCl3) δ8.61 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 7.29-7.39 (m, 20 H), 5.85 (bs, 4 H), 5.22 (ABq, J = 10.0 Hz, Δν = 17.3 Hz, 4 H), 5.10 (ABq, J = 12.2 Hz, Δν = 34.3 Hz, 4 H), 5.06 - 5.09 (obs m, 2 H), 3.11 (ABq of d, J = 17.0, 5.14 Hz, Δν = 77.9 Hz, 4 H)。13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 170.7 (s), 170.7 (s), 165.4 (s), 147.0 (s), 135.7 (s), 135.6 (s), 129.0 (d), 128.9 (d), 128.8 (d), 128.75 (d), 128.7 (d), 126.9 (s), 68. 0 (t), 67.3 (t), 49.1 (d), 37.0 (t)。LCMS(50−95%グラジエントアセトニトリル、0.1%TFA中、10分間)、単一ピークの保持時間=5.97分、250mmカラム、(M+H)=789。
【0060】
段階2.段階1由来の生成物(510mg、0.65mmol)に、THF(20mL)および水(10mL)を添加した。この撹拌混合物に10%Pd(C)(500mg)およびギ酸アンモニウム(1g)を添加した。得られた混合物を60℃に2時間加熱し、室温に放冷した。セライトを通して混合物を濾過し、濃縮した。得られた物質を逆相中圧クロマトグラフィー(C18、10−70%手動グラジエントのアセトニトリル、0.1%TFA中)により再度精製し、137.8mg(54%収率)の実施例6を橙色固体として得た:1NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.62 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 6.67 (bs, 4 H), 4.725 (dt, J = 8.4, 5.4 Hz, 2 H), 2.74-2.88 (複合 m, 4 H)。13C NMR (75 MHz, DMSO-d6) δ 172.6 (s), 165.2 (s), 147.0 (s), 126.6 (s), 60.8 (t), 49.1 (d)。LCMS(5−95%グラジエントアセトニトリル、0.1%TFA中、10分間)、単一ピークの保持時間=4.01分、250mmカラム、(M+H)=429。UV/vis(100μM、PBS中)λabs=433nm。蛍光(100nM)λex=449nm、λem=558nm。
【0061】
実施例7
3,6−ジアミノ−N,N−ビス(14−オキソ−2,5,8,11−テトラオキサ−15−アザヘプタデカン−17−イル)ピラジン−2,5−ジカルボキサミド
【化18】

DMF(5mL)中の実施例5(77.4mg、0.15mmol)の溶液に、TEA(151mg、1.49mmol)および2,5−ジオキソピロリジン−1−イル2,5,8,11−テトラオキサテトラデカン−14−オエート(113mg、0.34mmol)を添加し、反応を16時間室温で撹拌した。反応を濃縮し、残渣を中圧逆相クロマトグラフィー(LiChroprep RP-18 Lobar (B) 25 x 310 mm - EMD chemicals 40-63 μm、〜70g、90/10から80/20へ、0.1%TFA−ACN)により精製し、37.4mg(35%収率)の実施例7を橙色フィルム状物質として得た:1NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.47 (t, J = 5.7 Hz, 2 H), 7.96 (t, J = 5.4 Hz, 2 H), 3.20-3.60 (complex m, 36 H), 3.47 (s, 3 H), 3.46 (s, 3 H), 2.30 (t, J = 6.3 Hz, 4 H)。13C NMR (75 MHz, DMSO-d6) δ 170.2 (s), 165.1 (s), 146.0 (s), 126.2 (s), 71.2 (t), 69.7 (t), 69.6 (t), 69.5 (t), 69.4 (t), 66.7 (t), 58.0 (q), 38.2 (t), 36.2 (t)。LCMS(5−95%グラジエントアセトニトリル、0.1%TFA中、10分間)、単一ピークの保持時間=4.01分、250mmカラム、(M+H)=719、(M+Na)=741。UV/vis(100μM、PBS中)λabs=437nm。蛍光(100nM)λex=437nm、λem=559nm。
【0062】
実施例8
3,6−ジアミノ−N,N−ビス(26−オキソ−2,5,8,11,14,17,20,23−オクタオキサ−27−アザノナコサン−29−イル)ピラジン−2,5−ジカルボキサミド
【化19】

DMF(5mL)中の実施例5(50.3mg、0.10mmol)の溶液に、TEA(109mg、1.08mmol)および2,5−ジオキソピロリジン−1−イル2,5,8,11,14,17,20,23−オクタオキサヘキサコサン−26−オエート(128mg、0.25mmol)を添加し、反応を16時間室温で撹拌した。反応を濃縮し、残渣を中圧逆相クロマトグラフィー(LiChroprep RP-18 Lobar (B) 25 x 310 mm - EMD chemicals 40−63μm、〜70g、90/10から80/20へ、0.1%TFA−ACN)により精製し、87.9mg(82%収率)の実施例8を橙色フィルム状物質として得た:1NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.46 (t, J = 5.7 Hz, 2 H), 7.96 (t, J = 5.4 Hz, 2 H), 3.16-3.73 (複合 m, 74 H), 2.28-2.32 (m, 2 H)。13C NMR (75 MHz, DMSO-d6) -複数の立体構造- δ 170.1 (s), 169.9 (s)169.8 (s), 165.1 (s), 146.0 (s), 126.2 (s). 71.2 (t), 69.7 (t), 69.6 (t), 69.5 (t), 66.7 (t), 58.0 (q), 38.2 (t), 36.2 (t)。LCMS(15−95%グラジエントアセトニトリル、0.1%TFA中、10分間)、単一ピークの保持時間=5.90分、250mmカラム、(M+H)=1071、(M+2H)2+=536。UV/vis(100μM、PBS中)λabs=438nm。蛍光(100nM)λex=438nm、λem=560nm。
【0063】
実施例9
3,6−ジアミノ−N,N−ビス(38−オキソ−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35−ドデカオキサ−39−アザヘンテトラコンタン−41−イル)ピラジン−2,5−ジカルボキサミド
【化20】

DMF(5mL)中の実施例5(53.1mg、0.10mmol)の溶液に、DMF(2.0mL)中のTEA(114mg、1.13mmol)および2,5−ジオキソピロリジン−1−イル2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35−ドデカオキサオクタトリアコンタン−38−オエート(144mg、0.21mmol)を添加し、得られた混合物をその後16時間撹拌した。反応を濃縮し、残渣を中圧逆相クロマトグラフィー(LiChroprep RP-18 Lobar (B) 25 x 310 mm - EMD chemicals 40−63μm、〜70g、90/10から80/20へ、0.1%TFA−ACN)により精製し、87.5mg(61%収率)の実施例9を橙色フィルム状物質として得た:1NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.48 (t, J = 5.7 Hz, 2 H), 7.96 (t, J = 5.4 Hz, 2 H), 7.80-7.86 (m, 2 H), 5.94 (bm, 2 H), 3.30-3.60 (複合 m, 106 H), 2.26-2.33 (m, 4 H)。13C NMR (75 MHz, DMSO-d6) δ 170.2 (s), 165.1 (s), 146.0 (s), 126.2 (s), 71.2 (t), 69.7 (t), 69.6 (t), 69.5 (t), 66.7 (t), 58.0 (q), 38.2 (t), 36.2 (t)。LCMS(15−95%グラジエントアセトニトリル、0.1%TFA、10分間)、単一ピークの保持時間=5.90分、250mmカラム、(M+2H)2+=712。UV/vis(100μM、PBS中)λabs=449nm。蛍光(100nM)λex=449nm、λem=559nm。
【0064】
実施例10
ビス(2−(PEG−5000)エチル)6−(2−(3,6−ジアミノ−5−(2−アミノエチルカルバモイル)ピラジン−2−カルボキサミド)エチルアミノ)−6−オキソヘキサン−1,5−ジイルジカルバメート
【化21】

DMF(30mL)中の実施例5(25mg、0.049mmol)の溶液を、TEA(1mL)およびm−PEG2−NHS(1g、0.1mmol)で処理し、得られた混合物を48時間室温で撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をゲル濾過クロマトグラフィー(G−25樹脂、水)により部分的に精製した。生成物を濃縮し、逆相中圧クロマトグラフィー(C18、10−70%手動グラジエントのアセトニトリル、0.1%TFA中)によりさらに精製し、137.8mg(54%収率)の実施例10を黄褐色蝋様固体として得た:Maldi MS m/z=11393。
【0065】
実施例11
(R)−2−(6−(ビス(2−メトキシエチル)アミノ)−5−シアノ−3−モルホリノピラジン−2−カルボキサミド)コハク酸
【化22】

【0066】
段階1.2−アミノ−5−ブロモ−3,6−ジクロロピラジンの合成
【化23】

MeOH(500mL)中の2−アミノ−6−クロロピラジン(25g、193.1mmol)の溶液を、NBS(34.3g、193.1mmol)で少しずつ1時間かけて処理した。得られた混合物をその後16時間撹拌した。この時点でのTLC分析は、少量の出発物質が残っていることを示す。さらに1.4gのNBSを添加し、反応を50℃に2時間加熱した。混合物を38℃に冷却し、NCS(25.8g、193.1mmol)で処理した。反応混合物を、その後50℃に16時間加熱した。次いで、混合物を室温に冷却し、水(500mL)で処理した。沈殿を濾過により回収し、真空デシケーター中で乾燥し、2−アミノ−5−ブロモ−3,6−ジクロロピラジン45.4g(97%収率)を白色固体として得た:13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 149.9 (s), 145.6 (s), 129.6 (s), 121.5 (s)。LCMS(15−95%グラジエントアセトニトリル、0.1%TFA中、10分間)、単一ピークの保持時間=4.51分、30mmカラム、(M+H)=244、(M+H+ACN)=285。
【0067】
段階2.5−アミノ−3,6−ジクロロピラジン−2−カルボニトリルの合成
【化24】

CuCN(8.62g、96.3mmol)およびNaCN(4.72g、96.3mmol)の混合物を、高真空下で90℃に加熱した。得られた混合物を3回のアルゴン/真空サイクルに付し、アルゴンの最終陽圧下に置いた。混合物を室温に放冷し、DMF(150mL)を添加した。不均一な混合物を130℃に2.5時間加熱した。得られたナトリウムジシアノ銅塩の均一な混合物に、DMF(150mL)に溶解した段階1由来の生成物(15.6g、64.2mmol)の溶液を滴下して1時間かけて添加した。温度を徐々に150℃に上げ、その後、得られた混合物をこの温度で10時間撹拌した。次いで、反応を室温に放冷し、水(1L)に注いだ。得られた混合物をEtOAc(3x)で抽出し、合わせた抽出物を濾過して柔毛状の暗色固体を除去し、塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、再度濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、10/1ヘキサン−EtOAcから3/1へ)により精製し、ニトリル生成物6.70g(55%収率)を黄褐色固体として得た:13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 153.9 (s), 149.1 (s), 131.7 (s), 115.4 (s), 111.0 (s)。GCMS(注入温度=280℃、1.0mL/分ヘリウム流速、温度プログラム:100℃(2分間保持)、@10℃/分で300℃まで勾配(2分間保持)、主要なピークの保持時間=16.556分、m/z(EI)=188,190。
【0068】
段階3.5−アミノ−3−(ビス(2−メトキシエチル)アミノ)−6−クロロピラジン−2−カルボニトリルの合成
【化25】

ACN(20mL)中の段階2由来の生成物(1.00g、5.29mmol)に、ビス(2−メトキシエチル)アミン(3.0mL、2.71g、20.3mmol)を添加し、その後、反応混合物を70℃に16時間加熱した。反応を冷却し、濃縮した。残渣をEtOAcおよび水で分配した。有機層を分離し、水層を再度EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、10/1ヘキサン−EtOAcから1/1へ)により精製し、所望の付加物950mg(63%収率)を黄色固体として得た:1NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.47 (bs, 2 H), 3.77 (t, J = 5.7 Hz, 4 H), 3.52 (t, J = 5.4 Hz, 4 H), 3.25 (s, 6 H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 154.7 (s), 152.0 (s), 120.9 (s), 119.5 (s), 95.8 (s), 71.0 (t), 59.1 (q), 50.0 (t)。LCMS(50−95%グラジエントアセトニトリル、0.1%TFA中、10分間)、単一ピークの保持時間=4.91分、250mmカラム、(M+H)=286、(M+Na)=308、(M+Na+ACN)=349。
【0069】
段階4.3−(ビス(2−メトキシエチル)アミノ)−5−ブロモ−6−クロロピラジン−2−カルボニトリルの合成
【化26】

0℃(氷−塩浴)の48%臭化水素酸(20mL)中の段階3(1.39g、4.88mmol)由来の生成物に、水(10mL)中の亜硝酸ナトリウム(673mg、9.75mmol)の溶液を滴下して30分間かけて添加した。得られた混合物を0〜5℃で1時間撹拌し、水(100mL)中のCuBr(1.64g、7.34mmol)の撹拌溶液に注いだ。その後、得られた混合物を16時間室温で撹拌した。混合物をEtOAc(3x)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、50/1CHCl3−MeOH)により精製、臭化物1.00g(58%収率)を橙茶色固体として得た:1NMR (300 MHz, CDCl3) δ 3.99 (t, J = 5.4 Hz, 4 H), 3.64 (t, J = 5.4 Hz, 4 H), 3.35 (s, 6 H)。13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 152.8 (s), 140.8 (s), 133.4 (s), 117.2 (s), 108.3 (s), 70.4 (t), 59.1 (t), 50.5 (q)。LCMS(50−95%グラジエントアセトニトリル、0.1%TFA中、10分間)、単一ピークの保持時間=4.55分、250mmカラム、(M+H)=349,351。
【0070】
段階5.3−(ビス(2−メトキシエチル)アミノ)−6−クロロ−5−(フラン−2−イル)ピラジン−2−カルボニトリルの合成
【化27】

段階4由来の生成物(1.0g、2.87mmol)、2−フランボロン酸(643mg、5.75mmol)、CsCO(3.31g、10.2mmol)、TFP(35mol%、236mg、1.02mmol)およびPddba−CHCl(5mol%、10mol%Pd、150mg)の混合物を3回の真空/アルゴンサイクルに付し、アルゴンの陽圧下に置いた。無水ジオキサン(50mL)を添加し、その後反応混合物を75℃に16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(100mL)で希釈し、濾過用フリット(medium frit)を通して濾過した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、50/1CHCl−MeOH)により濃縮および精製し、フラン付加物757mg(78%収率)を淡黄色粉末として得た:LCMS(5−95%グラジエントアセトニトリル、0.1%TFA中、10分間)。単一ピークの保持時間=6.41分、250mmカラム、(M+H)=337。
【0071】
段階6.6−(ビス(2−メトキシエチル)アミノ)−3−クロロ−5−シアノピラジン−2−カルボン酸の合成
【化28】

十分に撹拌したACN(11mL)、CCl4(7mL)および水(11mL)の混合物に、過ヨウ素酸ナトリウム(1.07g、5.00mmol)およびRuO2・HO(13.3mg、0.10mmol)を連続的に添加した。得られた混合物を室温で30分間激しく撹拌し、重炭酸ナトリウム(2.10g、25.0mmol)で、続いて水(5mL)で処理した。さらに15分間激しく撹拌し、続いてACN(1mL)に溶解した段階5由来の生成物(276mg、0.82mmol)の溶液を添加した。緑色の混合物を室温で5.5時間撹拌した。混合物を分液漏斗に移し、EtOAcで抽出した。水層をpH〜3.5に調節し、EtOAc(2x)で再度抽出した。合わせた抽出物を20%重亜硫酸ナトリウムおよび塩水で洗浄し、乾燥した(NaSO)。濾過および濃縮によりカルボン酸140mg(54%収率)を淡黄色固体として得た:LCMS(5−95%グラジエントアセトニトリル、0.1%TFA中、10分間)、単一ピークの保持時間=5.05分、250mmカラム、(M+H)=315。
【0072】
段階7.(R)−ジベンジル2−(6−(ビス(2−メトキシエチル)アミノ)−3−クロロ−5−シアノピラジン−2−カルボキサミド)スクシネートの合成
【化29】

無水DMF(25mL)中の段階6由来の生成物(140mg、0.45mmol)、EDC・HCl(128mg、0.67mmol)およびHOBt・HO(102mg、0.67mmol)の混合物を一緒に室温で30分間撹拌した。この撹拌混合物に、(R)−ジベンジル2−アミノスクシネートp−TsOH塩(213mg、0.44mmol)を、続いてTEA(1mL)を添加した。その後、得られた混合物を16時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、EtOAcおよび飽和重炭酸ナトリウム溶液で分配した。EtOAc層を分離し、飽和重炭酸ナトリウムおよび塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮し、ピラジンアミド240mg(88%収率)を橙色泡状物として得た:LCMS(15−95%グラジエントアセトニトリル、0.1%TFA中、10分間)、単一ピークの保持時間=8.76分、250mmカラム、(M+H)=610、(M+Na)=632。
【0073】
段階8.(R)−ジベンジル2−(6−(ビス(2−メトキシエチル)アミノ)−5−シアノ−3−モルホリノピラジン−2−カルボキサミド)スクシネート
【化30】

段階7由来の生成物(240mg、0.39mmol)に、モルホリン(5mL)を添加した。反応混合物を70℃に2時間加熱した。混合物を冷却し、濃縮した。残渣をEtOAcおよび水で分配した。EtOAc層を分離し、飽和重炭酸ナトリウムおよび塩水で洗浄した。EtOAc層を乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、3:1から1:1へのヘキサン−EtOAc)により精製し、モルホリン付加物199mg(75%収率)を橙色泡状物として得た:LCMS(15−95%グラジエントアセトニトリル、0.1%TFA中、10分間)、単一ピークの保持時間=8.76分、250mmカラム、(M+H)=661、(M+Na)=683。
【0074】
段階9.実施例11の合成
【化31】

THF(10mL)中のジベンジルエステル(115mg、0.17mmol)に、1.0N水酸化ナトリウム(4mL)を添加した。混合物を1時間室温で撹拌した。1.0N HClでpHを〜2に調節し、溶液を濃縮した。残渣を中圧逆相クロマトグラフィー (LiChroprep RP-18 Lobar (B) 25 x 310 mm - EMD chemicals 40−63μm、〜70g、90/10から50/50へ、0.1%TFA−ACN)により精製し、32mg(27%収率)の実施例11を橙色固体として得た:LCMS(15−95%グラジエントアセトニトリル、0.1%TFA中、10分間)、単一ピークの保持時間=4.47分、250mmカラム、(M+H)=481。UV/vis(100μM、PBS中)λabs=438nm。蛍光(100nM)λex=449nm、λem=570nm。
【0075】
実施例12
腎機能評価のプロトコール
インビボの腎臓監視アセンブリー10の例を図2に示す。これは、光源12およびデータ処理システム14を含む。光源12は、一般的に、患者の身体の少なくとも一部をそこからの光に曝露する適切な装置を含むか、またはそれと連結されている。光源12に連結されているか、またはその一部である適切な装置の例には、カテーテル、内視鏡、光ファイバー、耳のクリップ、手のバンド、頭部のバンド、額のセンサー、表面コイルおよび指のプローブが含まれるが、これらに限定されない。実際に、光源の可視および/または近赤外光を放出できる数々の装置のいずれも、腎臓監視アセンブリー10で用い得る。
【0076】
依然として図2に言及して、腎臓監視アセンブリー10のデータ処理システム14は、スペクトルエネルギーを検出し、そのスペクトルエネルギーを示すデータを処理することができる任意の適切なシステムであり得る。例えば、データ処理システム14は、1個またはそれ以上のレンズ(例えば、スペクトルエネルギーを導き、かつ/または集中させる)、1個またはそれ以上のフィルター(例えば、望まざる波長のスペクトルエネルギーを除外する)、光ダイオード(例えば、スペクトルエネルギーを集め、検出されたスペクトルエネルギーを示す電気的シグナルにそれを変換する)、増幅器(例えば、光ダイオードからの電気的シグナルを増幅する)、および処理ユニット(例えば、光ダイオードからの電気的シグナルを処理する)を含み得る。このデータ処理システム14は、好ましくは、収集したスペクトルのデータを操作し、患者20からの本発明のピラジン誘導体の腎クリアランスを示す強度/時間プロフィールおよび/または濃度/時間曲線を生成させるように配置する。実際に、データ処理システム14は、正常な細胞と損なわれた細胞が血流からピラジン誘導体を除去する挙動の差異を比較することにより適切な腎機能データを生成させるように、患者20の器官または組織におけるピラジン誘導体の割合または蓄積を測定するように、および/または、ピラジン誘導体をそこに付随して有する器官または組織の断層撮影像を提供するように、配置し得る。
【0077】
腎機能を決定するためのあるプロトコールでは、本発明のピラジン誘導体の有効量を患者に投与する(例えば、医薬的に許容し得る組成物の形態で)。矢印16で示す通り、患者20の身体の少なくとも一部を、光源12からの可視および/または近赤外光に曝露する。例えば、光源12からの光を、患者20の耳に取り付けた光ファイバーを通して送達し得る。患者20にピラジン誘導体を投与する前または後に、患者を光源12からの光に曝露し得る。いくつかの場合では、患者20にピラジン誘導体を投与する前に、(光源12からの光への曝露に起因して)患者20の身体から放出される光のバックグラウンドまたはベースラインの読み取りを生成させるのが有利であり得る。患者20の体内にあるピラジン誘導体が光源12からの光に曝露されると、ピラジン誘導体は、光(矢印18で示す)を放出し、それは、データ処理システム14により検出/収集される。最初に、患者20へのピラジン誘導体の投与は、一般的に、患者20中のピラジン誘導体の当初量を示す当初スペクトルシグナルを可能にする。次いで、スペクトルシグナルは、ピラジン誘導体が患者20から排出されるにつれて、時間の関数として減衰する傾向にある。このスペクトルシグナルの時間の関数としての減衰は、患者の腎機能を示すものである。例えば、健康/正常な腎機能を示す第1の患者において、スペクトルシグナルは時間Tで減衰してベースラインに戻り得る。しかしながら、欠陥のある腎機能を示す第2の患者を示すスペクトルシグナルは、T+4時間で減衰してベースラインに戻り得る。このように、患者20を、所望の腎機能データを提供するのに適切な任意の時間にわたり、光源20からの光に曝露し得る。同様に、データ処理システム14に、所望の腎機能データを提供するのに適切な時間にわたりスペクトルエネルギーを収集/検出させ得る。
【0078】
引用文献
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【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】図1は、いくつかの従来の腎臓物質の構造を図解する。
【図2】図2は、腎機能を評価するためのアセンブリーのブロック図を図解する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
およびXは、独立して、−CN、−CO、−CONR、−COR、−NO、−SOR、−SO、−SOOR、−PO、−CONH(AA)または−CONH(PS)であり、ここで、XおよびXの少なくとも一方は、独立して−CONH(AA)または−CONH(PS)であり;
およびYは、独立して、−OR10、−SR11、−NR1213、−N(R14)COR15、−P(R16、−P(OR17または
【化2】

であり;
は、単結合、−CR1819、−O、−NR20、−NCOR21、−S、−SOまたは−SOであり;
ないしR21は、独立して、−H、−(CHOR43、−CH(CHOH)44、−CH(CHOH)COH、−(CHCOH)COH、−(CHNR4546、−CH[(CHNHCOH、−CH[(CHNHCHOH、−CH(CHNHCHNR4748、−(CHCHO)49、−(CHCO(CHCHO)50、−(CHSOH、−(CHSO、−(CHOSOH、−(CHOSO、−(CHNHSOH、−(CHNHSO、−(CHPO、−(CHPO、−(CHPO、−(CHOPO、−(CHOPOおよび−(CHOPOであり;
43ないしR50は、独立して−Hまたは−CHであり;
(AA)は、ペプチド結合により連結された1個またはそれ以上の天然または非天然α−アミノ酸を含むポリペプチド鎖であり;
(PS)は、グリコシド結合により連結された1個またはそれ以上の単糖単位を含む硫酸化または非硫酸化ポリサッカライド鎖であり;そして、
「a」、「b」および「d」は、独立して、1ないし10の範囲にあり、「c」は1ないし100の範囲にあり、「m」および「n」は、独立して、1ないし3の範囲にある]
の化合物。
【請求項2】
およびXが、独立して、−CN、−CO、−CONR、−CONH(AA)または−CONH(PS)であり、XおよびXの少なくとも一方が、独立して−CONH(AA)または−CONH(PS)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
およびYが、独立して−NR1213または
【化3】

である、請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
が、−O、−NR20、−S、−SOまたは−SOである、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
が−Oまたは−NR20である、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
ないしR21が、独立して、−H、−(CHOR43、−CH(CHOH)44、−(CHNR4546、−(CHCHO)49または−(CHCO(CHCHO)50である、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
ないしR21が、独立して、−H、−(CHOR43、−CH(CHOH)44、−(CHNR4546または−(CHCO(CHCHO)50である、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
「a」、「b」および「d」が、独立して1ないし6の範囲にある、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
「c」が1ないし20の範囲にある、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
「m」および「n」が独立して0または1である、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
ポリペプチド鎖(AA)の1個またはそれ以上のα−アミノ酸が、アスパラギン酸、アスパラギン、アルギニン、ヒスチジン、リジン、グルタミン酸、グルタミン、セリンおよびホモセリンから選択される、請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
ポリペプチド鎖(AA)の1個またはそれ以上のα−アミノ酸が、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリンおよびホモセリンから選択される、請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の化合物。
【請求項13】
ポリペプチド鎖(AA)がホモポリペプチド鎖である、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の化合物。
【請求項14】
ポリペプチド鎖(AA)がヘテロポリペプチド鎖である、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の化合物。
【請求項15】
ポリペプチド鎖(AA)がアスパラギン酸またはセリンである、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の化合物。
【請求項16】
ポリサッカライド鎖(PS)の1個またはそれ以上の単糖単位が、グルコース、フルクトース、マンノース、キシロースおよびリボースから選択される、請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の化合物。
【請求項17】
ポリサッカライド鎖(PS)がグルコースまたはフルクトースである、請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の化合物。
【請求項18】
ポリサッカライド鎖(PS)が、五炭糖または六炭糖の単糖単位からなるホモポリサッカライド鎖である、請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の化合物。
【請求項19】
ポリサッカライド鎖(PS)が、五炭糖および六炭糖の単糖単位の一方または両方からなるヘテロポリサッカライド鎖である、請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の化合物。
【請求項20】
式I:
【化4】

[式中、
およびXは、独立して、−CN、−CO、−CONR、−COR、−NO、−SOR、−SO、−SOOR、−PO、−CONH(AA)または−CONH(PS)であり;
およびYは、独立して、−OR10、−SR11、−NR1213、−N(R14)COR15、−P(R16、−P(OR17または
【化5】

であり、YおよびYの少なくとも一方は、独立して−P(R16または−P(OR17であり;
は、単結合、−CR1819、−O、−NR20、−NCOR21、−S、−SOまたは−SOであり;
ないしR21は、独立して、−H、−(CHOR43、−CH(CHOH)44、−CH(CHOH)COH、−(CHCOH)COH、−(CHNR4546、−CH[(CHNHCOH、−CH[(CHNHCHOH、−CH(CHNHCHNR4748、−(CHCHO)49、−(CHCO(CHCHO)50、−(CHSOH、−(CHSO、−(CHOSOH、−(CHOSO、−(CHNHSOH、(CHNHSO、−(CHPO、−(CHPO、−(CHPO、−(CHOPO、−(CHOPOおよび(CHOPOであり;
43ないしR50は、独立して−Hまたは−CHであり;
(AA)は、ペプチド結合により連結された1個またはそれ以上の天然または非天然α−アミノ酸を含むポリペプチド鎖であり;
(PS)は、グリコシド結合により連結された1個またはそれ以上の単糖単位を含む硫酸化または非硫酸化ポリサッカライド鎖であり;そして、
「a」、「b」および「d」は、独立して、1ないし10の範囲にあり、「c」は1ないし100の範囲にあり、「m」および「n」は、独立して、1ないし3の範囲にある]
の化合物。
【請求項21】
およびXが、独立して−CN、−CO、−CONR;−CONH(AA)または−CONH(PS)である、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
およびYの一方が−P(R16または−P(OR17であり、YおよびYの他方が−NR1213または
【化6】

である、請求項20または請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
が、−O、−NR20、−S、−SOまたは−SOである、請求項20ないし請求項22のいずれかに記載の化合物。
【請求項24】
が−Oまたは−NR20である、請求項20ないし請求項22のいずれかに記載の化合物。
【請求項25】
ないしR21が、独立して、−H、−(CHOR43、−CH(CHOH)44、−(CHNR4546、−(CHCHO)49または−(CHCO(CHCHO)50である、請求項20ないし請求項24のいずれかに記載の化合物。
【請求項26】
ないしR21が、独立して、−H、−(CHOR43、−CH(CHOH)44、−(CHNR4546または−(CHCO(CHCHO)50である、請求項20ないし請求項24のいずれかに記載の化合物。
【請求項27】
「a」、「b」および「d」が、独立して1ないし6の範囲にある、請求項20ないし請求項26のいずれかに記載の化合物。
【請求項28】
「c」が1ないし20の範囲にある、請求項20ないし請求項27のいずれかに記載の化合物。
【請求項29】
「m」および「n」が独立して0または1である、請求項20ないし請求項28のいずれかに記載の化合物。
【請求項30】
ポリペプチド鎖(AA)の1個またはそれ以上のα−アミノ酸が、アスパラギン酸、アスパラギン、アルギニン、ヒスチジン、リジン、グルタミン酸、グルタミン、セリンおよびホモセリンから選択される、請求項20ないし請求項29のいずれかに記載の化合物。
【請求項31】
ポリペプチド鎖(AA)の1個またはそれ以上のα−アミノ酸が、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリンおよびホモセリンから選択される、請求項20ないし請求項29のいずれかに記載の化合物。
【請求項32】
ポリペプチド鎖(AA)がホモポリペプチド鎖である、請求項20ないし請求項31のいずれかに記載の化合物。
【請求項33】
ポリペプチド鎖(AA)がヘテロポリペプチド鎖である、請求項20ないし請求項31のいずれかに記載の化合物。
【請求項34】
ポリペプチド鎖(AA)がアスパラギン酸またはセリンである、請求項20ないし請求項31のいずれかに記載の化合物。
【請求項35】
ポリサッカライド鎖(PS)の1個またはそれ以上の単糖単位が、グルコース、フルクトース、マンノース、キシロースおよびリボースから選択される、請求項20ないし請求項34のいずれかに記載の化合物。
【請求項36】
ポリサッカライド鎖(PS)がグルコースまたはフルクトースである、請求項20ないし請求項34のいずれかに記載の化合物。
【請求項37】
ポリサッカライド鎖(PS)が、五炭糖または六炭糖の単糖単位からなるホモポリサッカライド鎖である、請求項20ないし請求項35のいずれかに記載の化合物。
【請求項38】
ポリサッカライド鎖(PS)が、五炭糖および六炭糖の単糖単位の一方または両方からなるヘテロポリサッカライド鎖である、請求項20ないし請求項35のいずれかに記載の化合物。
【請求項39】
式II:
【化7】

[式中、
およびXは、独立して、−CN、−CO22、−CONR2324、−COR25、−NO、−SOR26、−SO27、−SOOR28、−PO2930、−CONH(AA)または−CONH(PS)であり、XおよびXの少なくとも一方は、独立して−CONH(AA)または−CONH(PS)であり、
およびYは、独立して、−OR31、−SR32、−NR3334、−N(R35)COR36、−P(R37、−P(OR38または
【化8】

であり;
は、単結合、−CR3940、−O、−NR41、−NCOR42、−S、−SOまたは−SOであり;
22ないしR42は、独立して、−H、−(CHOR51、−CH(CHOH)52、−CH(CHOH)COH、−(CHCOH)COH、−(CHNR5354、−CH[(CHNHCOH、−CH[(CHNHCHOH、−CH(CHNHCHNR5556、−(CHCHO)57、−(CHCO(CHCHO)58、−(CHSOH、−(CHSO、−(CHOSOH、−(CHOSO、−(CHNHSOH、(CHNHSO、(CHPO、−(CHPO、−(CHPO、−(CHOPO、−(CHOPOおよび(CHOPOであり;
51ないしR58は、独立して−Hまたは−CHであり;
(AA)は、ペプチド結合により連結された1個またはそれ以上の天然または非天然α−アミノ酸を含むポリペプチド鎖であり;
(PS)は、グリコシド結合により連結された1個またはそれ以上の単糖単位を含む硫酸化または非硫酸化ポリサッカライド鎖であり;そして、
「e」、「f」および「h」は、独立して、1ないし10の範囲にあり、「g」は1ないし100の範囲にあり、「p」および「q」は、独立して、1ないし3の範囲にある]
の化合物。
【請求項40】
およびXが、独立して、−CN、−CO22、−CONR2324、−CONH(AA)または−CONH(PS)であり、XおよびXの少なくとも一方が、独立して−CONH(AA)または−CONH(PS)である、請求項39に記載の化合物。
【請求項41】
およびYが、独立して−NR3132または
【化9】

である、請求項39または請求項40に記載の化合物。
【請求項42】
が、−O、−NR41、−S、−SOまたは−SOである、請求項39ないし請求項41のいずれかに記載の化合物。
【請求項43】
が−Oまたは−NR41である、請求項39ないし請求項41のいずれかに記載の化合物。
【請求項44】
22ないしR42が、独立して、−H、−(CHOR51、−CH(CHOH)52、−(CHNR5354、−(CHCHO)57または−(CHCO(CHCHO)58である、請求項39ないし請求項43のいずれかに記載の化合物。
【請求項45】
22ないしR42が、独立して、−H、−(CHOR51、−CH(CHOH)52、−(CHNR5354または−(CHCO(CHCHO)58である、請求項39ないし請求項43のいずれかに記載の化合物。
【請求項46】
「e」、「f」および「h」が、独立して1ないし6の範囲にある、請求項39ないし請求項45のいずれかに記載の化合物。
【請求項47】
「g」が1ないし20の範囲にある、請求項39ないし請求項46のいずれかに記載の化合物。
【請求項48】
「m」および「n」が独立して0または1である、請求項39ないし請求項47のいずれかに記載の化合物。
【請求項49】
ポリペプチド鎖(AA)の1個またはそれ以上のα−アミノ酸が、アスパラギン酸、アスパラギン、アルギニン、ヒスチジン、リジン、グルタミン酸、グルタミン、セリンおよびホモセリンからなる群から選択される、請求項39ないし請求項48のいずれかに記載の化合物。
【請求項50】
ポリペプチド鎖(AA)の1個またはそれ以上のα−アミノ酸が、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリンおよびホモセリンからなる群から選択される、請求項39ないし請求項48のいずれかに記載の化合物。
【請求項51】
ポリペプチド鎖(AA)がホモポリペプチド鎖である、請求項39ないし請求項50のいずれかに記載の化合物。
【請求項52】
ポリペプチド鎖(AA)がヘテロポリペプチド鎖である、請求項39ないし請求項50のいずれかに記載の化合物。
【請求項53】
ポリペプチド鎖(AA)がアスパラギン酸またはセリンである、請求項39ないし請求項50のいずれかに記載の化合物。
【請求項54】
ポリサッカライド鎖(PS)の1個またはそれ以上の単糖単位が、グルコース、フルクトース、マンノース、キシロースおよびリボースからなる群から選択される、請求項39ないし請求項53のいずれかに記載の化合物。
【請求項55】
ポリサッカライド鎖(PS)がグルコースまたはフルクトースである、請求項39ないし請求項53のいずれかに記載の化合物。
【請求項56】
ポリサッカライド鎖(PS)が、五炭糖または六炭糖の単糖単位からなるホモポリサッカライドである、請求項39ないし請求項53のいずれかに記載の化合物。
【請求項57】
ポリサッカライド鎖(PS)が、五炭糖および六炭糖の単糖単位の一方または両方からなるヘテロポリサッカライドである、請求項39ないし請求項53のいずれかに記載の化合物。
【請求項58】
式II:
【化10】

[式中、
およびXは、独立して、−CN、−CO22、−CONR2324、−COR25、−NO、−SOR26、−SO27、−SOOR28、−PO2930、−CONH(AA)または−CONH(PS)であり、
およびYは、独立して、−OR31、−SR32、−NR3334、−N(R35)COR36、−P(R37、−P(OR38および
【化11】

であり、YおよびYの少なくとも一方は、独立して−P(R37または−P(OR38であり;
は、単結合、−CR3940、−O、−NR41、−NCOR42、−S、−SOまたは−SOであり;
22ないしR42は、独立して−H、−(CHOR51、−CH(CHOH)52、−CH(CHOH)COH、−(CHCOH)COH、−(CHNR5354、−CH[(CHNHCOH、−CH[(CHNHCHOH、−CH(CHNHCHNR5556、−(CHCHO)57、−(CHCO(CHCHO)58、−(CHSOH、−(CHSO、−(CHOSOH、−(CHOSO、−(CHNHSOH、−(CHNHSO、−(CHPO、−(CHPO、−(CHPO、−(CHOPO、−(CHOPOまたは−(CHOPOであり;
51ないしR58は、独立して−Hまたは−CHであり;
(AA)は、ペプチド結合により連結された1個またはそれ以上の天然または非天然α−アミノ酸を含むポリペプチド鎖であり;
(PS)は、グリコシド結合により連結された1個またはそれ以上の単糖単位を含む硫酸化または非硫酸化ポリサッカライド鎖であり;そして、
「e」、「f」および「h」は、独立して、1ないし10の範囲にあり、「g」は1ないし100の範囲にあり、「p」および「q」は、独立して、1ないし3の範囲にある]
の化合物。
【請求項59】
およびXが、独立して、−CN、−CO22、−CONR2324、−CONH(AA)または−CONH(PS)であり、XおよびXの少なくとも一方が、独立して−CONH(AA)または−CONH(PS)である、請求項58に記載の化合物。
【請求項60】
およびYの一方が−P(R37または−P(OR38であり、YおよびYの他方が−NR3132または
【化12】

である、請求項58または請求項59に記載の化合物。
【請求項61】
が、−O、−NR41、−S、−SOまたは−SOである、請求項58ないし請求項60のいずれかに記載の化合物。
【請求項62】
が−Oまたは−NR41である、請求項58ないし請求項60のいずれかに記載の化合物。
【請求項63】
22ないしR42が、独立して、−H、−(CHOR51、−CH(CHOH)52、−(CHNR5354、−(CHCHO)57または−(CHCO(CHCHO)58である、請求項58ないし請求項62のいずれかに記載の化合物。
【請求項64】
22ないしR42が、独立して、−H、−(CHOR51、−CH(CHOH)52、−(CHNR5354または−(CHCO(CHCHO)58である、請求項58ないし請求項62のいずれかに記載の化合物。
【請求項65】
「e」、「f」および「h」が、独立して1ないし6の範囲にある、請求項58ないし請求項64のいずれかに記載の化合物。
【請求項66】
「g」が1ないし20の範囲にある、請求項58ないし請求項65のいずれかに記載の化合物。
【請求項67】
「m」および「n」が独立して0または1である、請求項58ないし請求項66のいずれかに記載の化合物。
【請求項68】
ポリペプチド鎖(AA)の1個またはそれ以上のα−アミノ酸が、アスパラギン酸、アスパラギン、アルギニン、ヒスチジン、リジン、グルタミン酸、グルタミン、セリンおよびホモセリンからなる群から選択される、請求項58ないし請求項67のいずれかに記載の化合物。
【請求項69】
ポリペプチド鎖(AA)の1個またはそれ以上のα−アミノ酸が、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリンおよびホモセリンからなる群から選択される、請求項58ないし請求項67のいずれかに記載の化合物。
【請求項70】
ポリペプチド鎖(AA)がホモポリペプチド鎖である、請求項58ないし請求項69のいずれかに記載の化合物。
【請求項71】
ポリペプチド鎖(AA)がヘテロポリペプチド鎖である、請求項58ないし請求項69のいずれかに記載の化合物。
【請求項72】
ポリペプチド鎖(AA)がアスパラギン酸またはセリンである、請求項58ないし請求項69のいずれかに記載の化合物。
【請求項73】
ポリサッカライド鎖(PS)の1個またはそれ以上の単糖単位が、グルコース、フルクトース、マンノース、キシロースおよびリボースから選択される、請求項58ないし請求項72のいずれかに記載の化合物。
【請求項74】
ポリサッカライド鎖(PS)がグルコースまたはフルクトースである、請求項58ないし請求項72のいずれかに記載の化合物。
【請求項75】
ポリサッカライド鎖(PS)が、五炭糖または六炭糖の単糖単位からなるホモポリサッカライド鎖である、請求項58ないし請求項73のいずれかに記載の化合物。
【請求項76】
ポリサッカライド鎖(PS)が、五炭糖および六炭糖の単糖単位の一方または両方からなるヘテロポリサッカライド鎖である、請求項58ないし請求項73のいずれかに記載の化合物。
【請求項77】
腎機能の評価において使用するための、請求項1ないし請求項76のいずれかに記載の化合物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−534396(P2009−534396A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506648(P2009−506648)
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/014370
【国際公開番号】WO2007/149479
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(595181003)マリンクロッド・インコーポレイテッド (203)
【氏名又は名称原語表記】Mallinckrodt INC.
【Fターム(参考)】