説明

ピラーガーニッシュの取付構造

【課題】見栄えのよいピラーガーニッシュの取付構造を提供する。
【解決手段】ピラーパネル20の車室内側を覆うピラーガーニッシュ30の取付構造であって、ピラーパネル20には、ドア開口13に向けて張り出し形成されたフランジ部20bが設けられ、ピラーガーニッシュ30には、フランジ部20bに対向する側端部30aにおいて、フランジ部20bに当接可能な当接部37,38が設けられ、当接部37,38は、フランジ部20bの先端縁20b1に当接可能な第1当接部37と、フランジ部20bの車室内側面20b2に当接可能な第2当接部38とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピラーガーニッシュの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば自動車等の車両におけるピラーガーニッシュの取付構造として特許文献1に記載のものが知られている。このものは、フロントピラーを構成するピラーパネルと当該ピラーパネルの車室内側を被覆するピラーガーニッシュとの間にエアバッグが収容された構成を有する。ピラーガーニッシュは、ピラーパネルとの合わせ部分のうち、車両ドア側とは反対側の端縁においてピラーパネルに対して回動可能に支持されている。一方、車両ドア側の端縁においては、ピラーパネル側から突設されたトリムホルダーの先端縁に鈎爪状の係止片が設けられ、この係止片にピラーガーニッシュの裏面に立てられたリブを切り欠いて形成した被係止部を係止させることで取り付けられている。エアバッグの展開時には、当該エアバッグの膨張圧によってピラーガーニッシュの被係止部が係止片から外れ、車両ドアとは反対側の端縁を軸中心としてピラーガーニッシュが車室内側に回動することにより、エアバッグが車室内へと展開される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−131262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような構成によると、ピラーガーニッシュは係止片と被係止部とによる係止構造によりピラーパネルに対して比較的強固に固定されているため、エアバッグの展開時に当該エアバッグの膨張圧による高い押圧力が必要とされ、確実にエアバッグを所定の状態に展開させるためには安全上好ましくない。だからといって、上記係止構造をなくしてしまうと、特に、ピラーガーニッシュの車両ドア側の端縁が位置ずれしてピラーパネルとピラーガーニッシュとの合わせ部において隙が生じ、見栄えが悪くなる虞がある。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、見栄えのよいピラーガーニッシュの取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ピラーパネルの車室内側を覆うピラーガーニッシュの取付構造であって、前記ピラーパネルには、ドア開口に向けて張り出し形成されたフランジ部が設けられ、前記ピラーガーニッシュには、前記フランジ部に対向する側端部において、前記フランジ部に当接可能な当接部が設けられ、前記当接部は、前記フランジ部の先端縁に当接可能な第1当接部と、前記フランジ部の車室内側面に当接可能な第2当接部とを備えることに特徴を有する。
【0007】
このような構成によれば、ピラーガーニッシュのピラーパネルに対する相対位置を保持することができる。即ち、フランジ部の先端縁に対して第1当接部が当接可能とされているから、この第1当接部が当接されれば、それ以上のフランジ部の先端縁に近づく方向へのピラーガーニッシュの相対移動を規制することができる。そして、フランジ部の車室内側の側面に第2当接部が当接可能とされているから、当該第2当接部が当接されれば、それ以上のフランジ部の車室内側面に近づく方向へのピラーガーニッシュの相対移動を規制することができる。このように当接部によってピラーガーニッシュの少なくとも2方向の相対移動を規制し、その位置を保持することで、両部材間に隙が生じるのを防止できるから、見栄えのよいピラーガーニッシュの取付構造を提供することが可能となる。
【0008】
前記ピラーパネルと前記ピラーガーニッシュとの間にはエアバッグが配設されていてもよい。
【0009】
このようにピラーパネルとピラーガーニッシュとの間にエアバッグを配設したものに本発明を適用すれば、特に有用である。即ち、エアバッグが配設されないピラーにおいては、ピラーパネルに対してピラーガーニッシュを強固に固定すれば、ピラーガーニッシュがピラーパネルに対して相対移動することや、それに伴い両部材間に隙が生じて見栄えが悪くなることも生じ得ない。これに対して、ピラーパネルとピラーガーニッシュとの間にエアバッグが配設されている場合には、エアバッグを車室内へと展開するために、ピラーパネルに対してピラーガーニッシュがエアバッグの膨張圧によって容易に外れるような取付構造とする必要がある。本発明は、このような取付構造において、ピラーガーニッシュの側端部に当接部を設けることで、当該側端部においてピラーパネルに対して固定する固定手段を設けずとも、ピラーガーニッシュがピラーパネルに対して相対移動するのを規制し、ピラーガーニッシュとピラーパネルとの間に隙が生じるのを防止するのに有効である。
【0010】
前記当接部は、前記側端部の車室外側面に立設されたリブに設けられており、前記リブのうち、前記第2当接部から前記ドア開口とは反対側に延設される延設部は、前記エアバッグに対して平面を呈していてもよい。
【0011】
このような構成によれば、エアバッグは膨張して車室内へと展開する際に平面を呈する延設部に当接することとなる。よって、フランジ部の車室内側面に当接可能な第2当接部をリブにより形成しても、エアバックが膨張する際に、リブの鋭利な形状が直接突き当たることを回避し、膨張したエアバッグが作動途中で損傷するといった不具合を防止することができる。
【0012】
前記第2当接部は表皮材で被覆されていてもよい。
【0013】
第2当接部は、フランジ部の車室内側面に当接可能な構成であるから、必然的に当該車室内側面に沿う当接面を有することとなるが、この当接面は収容されたエアバッグと交差する位置関係にある。このため、エアバッグの車室内側への展開時に当該エアバッグが第2当接部に当たってエアバッグが傷つく虞がある。よって、第2当接部を表皮材で被覆することにより、エアバッグが第2当接部に当接することによる損傷を緩和することができる。また、第2当接部を被覆する表皮材をピラーガーニッシュの車室内側に面する意匠面を被覆する表皮材と一体とすれば、表皮材の端末処理も兼ねて第2当接部を被覆することができるから、容易に実現可能である。
【0014】
前記フランジ部の前記先端縁及び前記車室内側面は、ウェザーストリップによって被覆されており、前記第1当接部及び前記第2当接部は、前記ウェザーストリップを介して、前記フランジ部に当接可能とされていてもよい。
【0015】
このようにウェザーストリップを介してフランジ部にピラーガーニッシュを当接可能な状態で取り付ける構成とすれば、僅かな成形誤差や組付誤差といったものをこのウェザーストリップにより吸収することができ、より見栄えよくピラーガーニッシュを取り付けることができる。また、ウェザーストリップのような弾性部材を介して当接部がフランジ部に対して当接可能な構成とすれば、その弾性力を利用して、当接部をフランジ部に良好に当接させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、見栄えのよいピラーガーニッシュの取付構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両のフロントピラー周辺を示した斜視図
【図2】図1のA−A断面図
【図3】図1のB−B断面図
【図4】フロントピラーガーニッシュを意匠面側から視た斜視図
【図5】同ピラートリム側から視た斜視図
【図6】同斜視図
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態>
本発明の一実施形態を図1ないし図6によって説明する。本実施形態のピラーガーニッシュは自動車等の車両においてフロントピラー20の車室内側を被覆するフロントピラーガーニッシュ30に適用した場合を例示している。以下、フロントピラーガーニッシュを単にピラーガーニッシュと称し、図1の紙面手前側を車室内側、紙面奥側を車室外側として説明する。
【0019】
図1は車両の車室内を運転席側から右斜め前方に向かって視た斜視図であって、天井には天井内装材10(ルーフライニング)が取り付けられており、更にサンバイザー11やアシストグリップ12等が備えられている。また、図示しない運転席側のドアが開閉されるドア開口13の周縁部にはウェザーストリップ14が取り付けられている。運転席前方にはフロントウィンドウ15が配設され、このフロントウィンドウ15とドア開口13とはフロントピラー20(Aピラー)により区画されている。また、フロントピラー20の車室内側にはピラーガーニッシュ30が取り付けられており、当該フロントピラー20とピラーガーニッシュ30との間には展開前のカーテンシールドエアバッグ40(エアバッグに相当する)が収容されている。
【0020】
フロントピラー20(ピラーパネルに相当する)は、図2に示すようにインナパネル21及びアウタパネル22の側端部同士が重ね合わされ、その両側端部間においてインナパネル21が車室内側に、アウタパネル22が車室外側に、それぞれ膨出した筒状をなしており、このインナパネル21とアウタパネル22との間にはリインフォースメントパネル23が配設されている。フロントピラー20のフロントウィンドウ15側の側端部20aは、フロントウィンドウ15との間にシール部材16が配された状態で取り付けられており、このシール部材16によりフロントピラー20とフロントウィンドウ15との間の隙間が塞がれている。シール部材16は、ゴム等の弾性材料からなり、側端部20aに接着固定されている。
【0021】
一方、フロントピラー20のドア開口13側の側端部に相当するフランジ部20bには、ウェザーストリップ14が取り付けられている。ウェザーストリップ14はゴム等の弾性材料からなり、フランジ部20bを挟むようにして保持する本体部14aと、フランジ部20bに対向し、ピラーガーニッシュ30のドア開口23側の側端部30aを車室内側から覆うリップ部14bとから構成されている。本体部14aはドア開口13と図示しないドアとの間に圧縮状態で挟持されることで、フロントピラー20とドアとの隙間から車室内へと水が浸入するのを防ぐ機能を有する。
【0022】
続いて、ピラーガーニッシュ30について説明する。
ピラーガーニッシュ30は、基材31と基材31の車室内側に貼着された表皮材32とを備えている。基材31は、ポリプロピレン等の合成樹脂材料や、ケナフ等の木質系材料を合成樹脂材料に混合した材料等により成形されている。表皮材32の材質は、(合成)樹脂、(合成)皮革、繊維等から適宜選択可能とされている。
【0023】
基材31は、車室内側に膨出するように湾曲した断面を有し、フロントピラー20の延出方向に沿った長尺状に形成されている。このうち、車室外側に配される車室外側面33には図3から図6に示すように、クリップ座34が立設されている。クリップ座34はその頂部に座面34aを有し、座面34aには保持孔34bが形成されている。そして、保持孔34bには合成樹脂材料からなるクリップ35が保持されている。このクリップ35は、フロントピラー20を構成するインナパネル21に形成されたクリップ孔21aに弾性変形して差し込まれたのち、弾性復帰することで、係合されている。このようなクリップ35による取付構造はフロントピラー20の長手方向に沿って複数設けられており、これにより、ピラーガーニッシュ30はフロントピラー20の車室内側に取り付けられている。
【0024】
さて、ドア開口13側の側端部30aにおいて、車室外側面33には、リブ36が突設されている。具体的には、車室外側面33上のドア開口13側の端縁からフロントウィンドウ15側の端縁に向かって延びる2本のリブ36が基材31の長手方向に並列して配されている。2本のリブ36は同一形状をなしており、図2に示すように、ドア開口13側の端縁から車室内側に向かって車室外側面33に沿って延びる部分が第1当接部37とされ、その縁部37aがフランジ部20bの先端縁20b1にウェザーストリップ14の本体部14aを介して当接可能とされている。
【0025】
第1当接部37からフロントウィンドウ15に向かって立ち上がる部分は、第2当接部38とされ、そのうちフランジ部20bの車室内側面20b2に対向する縁部38aは、ウェザーストリップ14の本体部14aを介して当接可能とされている。なお、この第2当接部38の立ち上がり方向は、フランジ部20bの延出方向と略一致している。
【0026】
リブ36は、第2当接部38のフロントウィンドウ15側の突出端38bから更に車室外側面33上の中程に向かって延びる部分は延設部39とされている。延設部39は、第2当接部38の突出端38bから車室外側面33に向かって傾斜状をなしており、延設部39にあたる2本のリブ36間は、平板状の平面部39aによって繋がれている。この平面部39aはフロントピラー20とピラーガーニッシュ30との間に収容されている展開前のカーテンシールドエアバッグ40に対して、平面を呈する。
【0027】
このような基材31の車室内側には、図2及び図3に示すように、表皮材32が貼着されており、その端末はリブ36を覆って、車室外側面33にまで貼着されている。
【0028】
本実施形態は以上のような構成であって、続いて作用及び効果について説明する。
まず、ピラーガーニッシュ30をフロントピラー20に取り付けるには、クリップ座34に保持されたクリップ35をインナパネル21のクリップ孔21aに差し込んで係合させる。ピラーガーニッシュ30は、カーテンシールドエアバッグ40を車室内へと展開させるために、その膨張圧によってこれらクリップ35等による係合が容易に解除され、側端部30a側からその内部が開放されるように取り付けられている。このため、フロントピラー20に対して、図2の矢印の方向にピラーガーニッシュ30が相対移動する虞があった。
【0029】
これに対して、本実施形態では、ピラーガーニッシュ30が当該矢印の方向に移動しようとすると、第2当接部38の縁部38aがドアオープニングトリム14の本体部14aを介してフランジ部20bの先端縁20b1へと当接し、第1当接部37の縁部37aが同じく本体部14aを介してフランジ部20bの車室内側面20b2へと当接する。よって、ピラーガーニッシュ30の第1当接部37又は第2当接部38が、フロントピラー20のフランジ部20bに当接したそれ以上の図2の矢印方向への相対移動が規制される。ここで、フランジ部20bはウェザーストリップ14の本体部14aによって挟持されているから、その弾性力によりフランジ部20bに対するピラーガーニッシュ30の第1当接部37又は第2当接部38の位置関係について、成形誤差や組付誤差を吸収することができる。また、ウェザーストリップ14のリップ部14bにより、ピラーガーニッシュ30のドア開口23側の側端部30aは車室内側から覆われた態様をなすから、たとえフロントピラー20とピラーガーニッシュ30の側端部30aとの間に僅かな隙間が生じたとしても、見栄えが悪くなることもない。
【0030】
続いて、カーテンシールドエアバッグ40が作動すると、図示しないインフレータからカーテンシールドエアバッグ40にガスが供給されて、カーテンシールドエアバッグ40が膨張する。すると、その膨張圧によってピラーガーニッシュ30がインナパネル21から引き離され、カーテンシールドエアバッグ40が車室内側へと展開される。この際、膨張途中のカーテンシールドエアバック40は対向する延設部39の主に平面部39aに押し当てられるから、例えばリブ36を鋭利な形状とした場合に想定されるカーテンシールドエアバッグ40の作動途中での損傷を未然に防止することができる。
【0031】
また、リブ36は表皮材32により覆われているから、カーテンシールドエアバッグ40が膨張途中にリブ36に当接した場合に与えられる衝撃を緩和することができる。具体的には、リブ36の鋭利な部分、例えば第2当接部38の突出端38bに突き当たったカーテンシールドエアバッグ40が損傷する可能性を低減することができる。
【0032】
以上説明したように、本実施形態によれば、ピラーガーニッシュ30のフロントピラー20に対する相対位置を保持することができる。即ち、フランジ部20bの先端縁20b1に対して第1当接部37が当接可能とされているから、この第1当接部37が当接されれば、それ以上のフランジ部20bの先端縁20b1に近づく方向へのピラーガーニッシュ30の相対移動を規制することができる。そして、フランジ部20bの車室内側面20b2に第2当接部38が当接可能とされているから、当該第2当接部38が当接されれば、それ以上のフランジ部20bの車室内側面20b2に近づく方向(車室外側に向かう方向)へのピラーガーニッシュ30の相対移動を規制することができる。このように各当接部37,38によってピラーガーニッシュ30が図2の矢印の方向へと移動するのを規制し、その位置を保持することで、両部材20,30間に隙が生じるのを防止できるから、見栄えのよいピラーガーニッシュ30の取付構造を提供することが可能となる。
【0033】
また、本実施形態のように、フロントピラー20とピラーガーニッシュ30との間にカーテンシールドエアバッグ40を配設したものとすれば、特に有用である。即ち、エアバッグが配設されないフロントピラーにおいては、フロントピラーに対してピラーガーニッシュを強固に固定すれば、ピラーガーニッシュがピラーパネルに対して相対移動することや、それに伴い両部材間に隙が生じて見栄えが悪くなることも生じ得ない。これに対して、フロントピラーとピラーガーニッシュとの間にエアバッグが配設されている場合には、エアバッグを車室内へと展開するために、ピラーパネルに対してピラーガーニッシュがエアバッグの膨張圧によって容易に外れるような取付構造とする必要がある。本実施形態では、このような取付構造において、ピラーガーニッシュ30の側端部30aに当接部37,38を設けることで、当該側端部30aにおいてフロントピラー20に対して固定する固定手段を設けずとも、ピラーガーニッシュ30がフロントピラー20に対して相対移動するのを規制し、ピラーガーニッシュ30とフロントピラー20との間に隙が生じるのを防止するのに有効である。
【0034】
また、カーテンシールドエアバッグ40が作動して、膨張した結果、車室内へと展開する際には、収容されたカーテンシールドエアバック40に対して平面を呈する平面部39aが当該カーテンシールドエアバック40に対して当接することとなる。よって、フランジ部20bの車室内側面20b2に当接可能な第2当接部38をリブ36により形成しても、当該リブ36の鋭利な形状がカーテンシールドエアバック40に突き当たることを回避し、膨張したカーテンシールドエアバッグ40が作動途中で損傷するといった不具合を防止することができる。
【0035】
また、第2当接部38は、フランジ部20bの車室内側面20b2に当接可能な構成であるから、必然的に当該車室内側面20b2に沿う縁部38aを有することとなるが、この縁部38aは収容されたカーテンシールドエアバッグ40と交差する位置関係にある。このため、カーテンシールドエアバッグ40の車室内側への展開時にカーテンシールドエアバッグ40が第2当接部38に当たってカーテンシールドエアバッグ40が傷つく虞がある。よって、第2当接部38を表皮材32で被覆することにより、カーテンシールドエアバッグ40が第2当接部38に当接することによる損傷を緩和することができる。また、ピラーガーニッシュ30の車室内側に面する意匠面を被覆する表皮材32の端末部により第2当接部38を被覆すれば、表皮材32の端末処理も兼ねて第2当接部38を被覆することができるから、容易に実現可能である。
【0036】
また、ウェザーストリップ14を介してフランジ部20bにピラーガーニッシュ30を当接可能な状態で取り付ける構成とすれば、僅かな成形誤差や組付誤差といったものをこのウェザーストリップ14により吸収することができ、より見栄えよくピラーガーニッシュ30を取り付けることができる。また、ウェザーストリップ14のような弾性部材を介して当接部37,38がフランジ部20bに対して当接可能な構成とすれば、その弾性力を利用して、当接部37,38をフランジ部20bに良好に当接させることができる。
【0037】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0038】
(1)上記した実施形態では、ピラーガーニッシュ30の取付構造としてフロントピラーガーニッシュを例示したが、これに限られず、Bピラー(センターピラー)、Cピラー(リアピラー)、Dピラーを構成するピラーガーニッシュの取付構造であってもよい。
【0039】
(2)上記した実施形態では、フランジ部20bを挟むようにして保持する本体部14aを介して、第1当接部37及び第2当接部38が当接可能な構成としたが、これに限られず、例えば第1当接部37及び第2当接部38が直接フランジ部20bに当接可能な構成とされていてもよい。
【0040】
(3)上記した実施形態では、リブ36は表皮材32により被覆されていたが、これに限られず、リブ36は表皮材32により被覆されていなくてもよく、また、車室内側に面する意匠面を被覆する表皮材とは別体の表皮材で被覆されていてもよい。
【符号の説明】
【0041】
10…天井内装材、13…ドア開口、14…ウェザーストリップ、14a…本体部、14b…リップ部、15…フロントウィンドウ、20…フロントピラー、20b…フランジ部、20b1…先端縁、20b2…車室内側面、21…インナパネル、30…ピラーガーニッシュ、30a…側端部、31…基材、32…表皮材、33…車室外側面、36…リブ、37…第1当接部、37a…縁部、38…第2当接部、38a…縁部、39…延設部、39a…平面部、40…カーテンシールドエアバッグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピラーパネルの車室内側を覆うピラーガーニッシュの取付構造であって、
前記ピラーパネルには、ドア開口に向けて張り出し形成されたフランジ部が設けられ、
前記ピラーガーニッシュには、前記フランジ部に対向する側端部において、前記フランジ部に当接可能な当接部が設けられ、
前記当接部は、前記フランジ部の先端縁に当接可能な第1当接部と、前記フランジ部の車室内側面に当接可能な第2当接部とを備えることを特徴とするピラーガーニッシュの取付構造。
【請求項2】
前記ピラーパネルと前記ピラーガーニッシュとの間にはエアバッグが配設されていることを特徴とする請求項1に記載のピラーガーニッシュの取付構造。
【請求項3】
前記当接部は、前記側端部の車室外側面に立設されたリブに設けられており、
前記リブのうち、前記第2当接部から前記ドア開口とは反対側に延設される延設部は、前記エアバッグに対して平面を呈することを特徴とする請求項2に記載のピラーガーニッシュの取付構造。
【請求項4】
前記第2当接部は表皮材で被覆されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のピラーガーニッシュの取付構造。
【請求項5】
前記フランジ部の前記先端縁及び前記車室内側面は、ウェザーストリップによって被覆されており、
前記第1当接部及び前記第2当接部は、前記ウェザーストリップを介して、前記フランジ部に当接可能とされていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のピラーガーニッシュの取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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