説明

ピリドキサール−5’−ホスフェートの新規配合物及び調製方法

米国薬局方の溶解試験に従って、37℃における75回/分で回転するpH=6.8の0.05Mリン酸緩衝液中において標準溶解装置で測定された場合に、(a)15分において約30%より大きい、(b)30分において約85%より大きい、(c)45分において約90%より大きい、又は(d)60分において約95%より大きい、溶解プロフィールを含む経口投与に適するピリドキサール-5'-ホスフェート製薬配合物が提供される。更に、15乃至60mg/kgのピリドキサール-5'-ホスフェート製薬配合物の生体内経口摂取が、約1乃至8mg/Lの最大血漿中濃度(Cmax)を生じさせうる。提供された製薬配合物は、(a)ピリドキサール-5'-ホスフェート又は薬学的に許容しうるその塩を含むコア、(b)前記コアを取り囲む下層、及び(c)前記下層を取り囲む腸溶性層を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピリドキサール-5'-ホスフェートの製剤配合物及びその調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ピリドキサール-5'-ホスフェートは、高血圧症、脳血管障害、心臓血管疾患及び糖尿病のような種々の病気の治療及び予防に有用である。例えば、米国特許第6,051,587号、同第6,417,204号、同第6,548,519号、同第6,586,414号、同第6,605,612号、同第6,667,315号、同第6,780,997号、同第6,677,356号、同第6,489,348号、及び同第6,043,259号を参照されたい。ピリドキサール-5'-ホスフェートは、種々の用量で市販されている。しかしながら、現在入手しうる補給剤は、一般的には、高血圧症、脳血管障害、心臓血管疾患及び糖尿病の治療には低すぎる低容量のピリドキサール-5'-ホスフェートを送達する。そのようなものとして、適する治療レベルを達成するために、補給剤が一日に数回投与されることがしばしば必要である。
本発明は、先行技術の配合物と比較して多量のピリドキサール-5'-ホスフェートを送達しうる新規経口製薬組成物を提供する。本発明はまた、高用量のピリドキサール-5'-ホスフェートの摂取に伴う胃腸の副作用を克服する新規製薬組成物を提供する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施態様においては、経口投与に適するピリドキサール-5'-ホスフェート製薬配合物は、米国薬局方の溶解試験に従って、37℃における75回/分で回転するpH=6.8の0.05Mリン酸緩衝液中において標準溶解装置で測定された場合に、(a)15分において約30%より大きい、(b)30分において約85%より大きい、(c)45分において約90%より大きい、又は(d)60分において約95%より大きい溶解プロフィールを含む。更に、ピリドキサール-5'-ホスフェート製薬配合物の実施態様の15乃至60mg/kgの生体内経口摂取が、約1乃至8mg/Lの最大血漿中濃度(Cmax)を生じさせうる。
一実施態様においては、製薬配合物は、(a)ピリドキサール-5'-ホスフェート又は薬学的に許容しうるその塩を含むコア、(b)コアを取り囲む下層、及び(c)下層を取り囲む腸溶性層を含む。実施態様は、錠剤又はカプセルのようないずれかの適する経口調剤の形に具体化されうる。
一実施態様においては、配合物は少なくとも50質量/質量%のピリドキサール-5'-ホスフェート又は薬学的に許容しうるその塩を含む。
一実施態様には、少なくとも50質量/質量%のピリドキサール-5'-ホスフェートのプレブレンドを含むピリドキサール-5'-ホスフェート製薬配合物の実施態様を製造する方法が含まれる。
一実施態様には、患者の薬剤服用順守を促進しうるピリドキサール-5'-ホスフェート製薬配合物の実施態様の投与方法が含まれる。
【0004】
定義
“質量/質量%(%w/w)”という用語は、化合物又は賦形剤が一成分である組成物の総質量に対する特定の化合物又は賦形剤の質量%を言及する。
“質量/体積%(%w/v)”という用語は、化合物又は賦形剤が一成分である溶液の総体積に対する特定の化合物又は賦形剤の質量%を言及する。
“粒子状”という用語は、それらの寸法、形状、又はモルホロジーに関係なく分離した粒子、ペレット、ビーズ、又は顆粒の存在を特徴とする物質の状態を言及する。
本明細書において使用されている“多粒子状”という用語は、それらの寸法、形状、又はモルホロジーに関係なく、複数の分離した、又は凝集した、粒子、ペレット、ビーズ、顆粒、又はそれらの混合物を意味する。
本明細書において使用されている“錠剤分解物質”という用語は、固体塊の、より容易に分散又は溶解されるより小さな粒子への崩壊を促進する、固体錠剤において使用されるいずれかの物質を意味する。
本明細書において使用されている“結合剤”又は“バインダー”という用語は、錠剤をつなぎ合わせるのを助けるいずれかの物質を意味する。“結合剤”又は“バインダー”には、錠剤の造粒において粉末粒子の付着を引き起こすのに使用されるいずれかの物質が含まれる。
本明細書において使用されている“潤滑剤”という用語は、錠剤の圧縮中の摩擦を低下させるために錠剤配合物において使用されるいずれかの物質を意味する。“潤滑剤”にはまた、圧縮された錠剤が錠剤成形機から適切に排出されるのを許容するいずれかの物質が含まれる。
【0005】
本明細書において使用されている“流動促進剤”という用語は、錠剤圧縮中の摩擦を低下させるために錠剤配合物において使用されるいずれかの物質、又は錠剤成形工程において粉末の流動を容易にするために使用されるいずれかの物質を意味する。
本明細書において使用されている“抗付着剤”という用語は、製造中に錠剤成形機のパンチ及びダイに錠剤配合物成分が付着するのを防ぐいずれかの物質を意味する。
本明細書において使用されている“賦形剤”という用語は、薬剤の形に製造するために活性な薬物と結合されるいずれかの不活性物質を意味する。
本明細書において使用されている“着色剤”という用語は、医薬品(例えば、錠剤)に色を付与するのに使用されるいずれかの物質を意味する。
本明細書において使用されている“下層”、“シール層”又は“シーリング層”という用語は、いずれかの保護膜を言及し、耐湿性又は耐溶剤性である膜が含まれる。
本明細書において使用されている“腸溶性層”又は“腸溶性膜”という用語は、崩壊して薬物又は活性成分を胃よりむしろ腸に放出する錠剤の上に位置するいずれかの膜又はシェルを意味する。
本発明による製薬組成物の使用は患者の薬物服用遵守を容易にする。患者の薬物服用順守及び薬剤の摂取頻度間には逆相関があることはよく知られている。処方された薬剤の摂取頻度が高いほど薬物服用遵守の程度は低くなる。患者の薬物服用順守は、処方された薬剤が投与するのに困難で薬剤の消費が身体的な不快感を伴う場合には低下する。本発明による製薬組成物は、組成物が飲み込むのが容易な寸法の、1日に1回又は2回投与の高用量のピリドキサール-5'-ホスフェートの経口調剤を提供するので患者の薬物服用順守を促進する。
【0006】
高用量のピリドキサール-5'-ホスフェート許容性における限定因子は、主として吐気嘔吐を特徴とする胃腸の不快感である。本発明は、胃腸の副作用が少ない、高用量のピリドキサール-5'-ホスフェートの経口投与に適する新規製薬組成物を提供する。更に、制御放出が、その送達速度を制御することにより長時間にわたって体内の薬物治療濃度を保持するのに役立つ。
本発明は、高用量のピリドキサール-5'-ホスフェートを送達しうる製薬組成物を提供する。現在入手しうる先行技術の配合物は、一般的には、調剤あたり50mg未満のピリドキサール-5'-ホスフェートを送達する。従って、先行技術の配合物は、所望の治療濃度のピリドキサール-5'-ホスフェートを達成するためには、一日に2回、3回又はそれ以上投与されなければならない。これに対し、本発明の製薬組成物は高い割合のピリドキサール-5'-ホスフェート又は薬学的に許容しうるその塩を含む。
製薬組成物の個々の調剤は、250乃至1000mgのピリドキサール-5'-ホスフェートを含みうる。本発明による製薬組成物は1日に1回又は2回の投与に適する。
高い割合のピリドキサール-5'-ホスフェート又はその塩は、先行技術の配合物の調剤より小さな寸法の調剤で製薬組成物が提供されうる。従って、本発明による製薬組成物は投与が容易で、特に大きな錠剤又はカプセルを飲み込むのが困難な患者に特に有用である。
【0007】
配合物
本発明には、米国薬局方の溶解試験に従って、37℃における75回/分で回転するpH=6.8の0.05Mリン酸緩衝液中において標準溶解装置で測定された場合に、(a)15分において約30%より大きい、(b)30分において約85%より大きい、(c)45分において約90%より大きい、又は(d)60分において約95%より大きい溶解プロフィールを含む、経口投与に適するピリドキサール-5'-ホスフェート製薬配合物が含まれる。更に、ピリドキサール-5'-ホスフェート製薬配合物の実施態様の15乃至60mg/kgの生体内経口摂取が、約1乃至8mg/Lの最大血漿中濃度(Cmax)を生じさせうる。本発明の製薬組成物の塗膜付き実施態様の構造上の完全性は、胃の酸性条件によりわずかに影響を受ける。従って、製薬組成物の実施態様は、0.1N HCl中、37℃、75回/分回転における米国薬局方の溶解試験によれば、120分において10%以下の溶解プロフィールを有しうる。
本発明による製薬組成物は、改良されたピリドキサール-5'-ホスフェートの生体利用効率を提供する。15乃至60mg/kgの組成物の生体内経口摂取が、約1乃至8mg/Lの最大血漿中濃度(Cmax)を生じさせうる。好ましくは、15乃至60mg/kgの組成物の生体内経口摂取が、摂取後2乃至24時間の間に約0.1乃至約2mg/Lのピリドキサール-5'-ホスフェートの平均血漿中濃度を提供する。
一実施態様においては、製薬組成物は、約66.3質量/質量%のピリドキサール-5'-ホスフェート又は薬学的に許容しうるその塩、約21.6質量/質量%の微結晶セルロース、約4.0%のクロスカルメロース(croscarmellose)ナトリウム、約4.7質量/質量%のポビドン、約2.0%のタルク、約0.5質量/質量%のコロイド二酸化珪素、及び約1.0質量/質量%のステアリン酸マグネシウムを含む。
【0008】
本発明による製薬組成物は、ピリドキサール-5'-ホスフェート又は薬学的に許容しうるその塩を用いて調製しうる。本発明の製薬組成物の調製には、ピリドキサール-5'-ホスフェートの一水和物及び無水物の両方が適する。ピリドキサール-5'-ホスフェートは、限定するわけではないが、クエン酸塩、酒石酸塩、硫酸水素塩のような薬学的に適合しうる対イオンを用いて塩の形で提供されうる。薬学的に適合しうる塩は、限定するわけではないが、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、スクシン酸等を含む多くの酸を用いて形成されうる。塩の形は、対応する遊離塩基の形より水性又はその他のプロトン溶剤中で一層溶解性である傾向がある。
好ましくは、製薬組成物は、限定するわけではないが、Avicel PH 102のような粒度が約0.100mmの微結晶セルロースを含む。ポビドンは、好ましくは27乃至33のK値を有する。好ましい実施態様においては、ポビドンはPVP K30である。
【0009】
本発明による製薬組成物は、追加の薬学的に許容しうるキャリヤー、分散剤及び賦形剤を更に含む。適する賦形剤には、乳糖、スクロース、マンニトール、又はソルビトールを含む糖のような充填剤、又はトウモロコシでんぷん、小麦でんぷん、米でんぷん、ジャガイモでんぷん、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び/又はポリビニルピロリドンのようなセルロース調合物が含まれる。崩壊剤には、架橋されたポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸又はアルギン酸ナトリウムのようなその塩が含まれうる。製薬組成物はまた、適する固体又はゲル相のキャリヤー又は賦形剤を含みうる。そのようなキャリヤー又は賦形剤には、限定するわけではないが、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖、でんぷん、セルロース誘導体、ゼラチン、及びポリエチレングリコールのようなポリマーが含まれる。更に賦形剤は、タルク、コロイド二酸化珪素、二酸化チタン、方解石、微結晶セルロース、ステアリン酸の金属塩、及び硫酸バリウムのような抗付着剤を含みうる。組成物はまた、限定するわけではないがアルギン酸のような造粒バインダーを含みうる。
【0010】
本発明の一実施態様においては、製薬組成物は、(a)ピリドキサール-5'-ホスフェート又は薬学的に許容しうるその塩を含むコア、(b)コアを取り囲む下層、及び(c)下層を取り囲む腸溶性層を含む。任意に、製薬組成物は更に、腸溶性層を取り囲む表面の着色層を含む。
本発明の更なる実施態様においては、コアは、ピリドキサール-5'-ホスフェート又は薬学的に許容しうるその塩、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ポビドン、タルク、コロイド二酸化珪素、及びステアリン酸マグネシウムを含む。
下層、(又はシーリング層)及び腸溶性層は、ピリドキサール-5'-ホスフェートを含むコアがそのまま胃を通過して選択的に腸に吸収されることを確実にする。腸溶性層はpH依存性であり、胃の酸性条件とは反対の腸の比較的アルカリ性の条件で選択的に不安定である。下層又はシーリング層は、胃の中におけるコアの崩壊を最小にするようにコアに追加の保護を提供する。シーリング及び腸溶性層は、当業者には公知である。ピリドキサール-5'-ホスフェートコアの溶解ができれば腸に限定されれば、本発明による製薬組成物の調製には、いずれかの適する組み合わせのシーリング及び腸溶性層を使用しうる。
【0011】
下層又はシーリング層は、調剤の安定性を確保するために水性の腸溶性塗料分散液中で錠剤成分を水から保護する。下層は、セラック、ゼイン等のような樹脂を含み、公知の方法により調剤に適用される。糖の塗布過程に使用される下層は、通常、セラック、ゼイン、セルロースアセテートフタレート、又はポリビニルアセテートフタレートのような樹脂のアルコール溶液(約10乃至30%の固体)からなる。セラックは、好ましくはポリビニルピロリドンを含むセラックを基剤とする配合物の形で使用される。オパドリー(Opadry)(登録商標) IR-7000 White又はジメチルアミノエチルメタクリレート及びメタクリル酸エステルのコポリマー(Eudragit(登録商標))のようなその他の適する高分子溶液が下層として使用されうる。
【0012】
調合薬の腸溶性層の調製に有用な物質は公知である。これらは、最も一般的には、胃のpHにおいては比較的不溶性で不浸透性であるが、小腸及び結腸のpHにおいてはより溶解性で浸透性であるpH選択性物質である。活性成分の放出を所望のように調節するいずれかの塗膜物質が使用されうる。特に、本発明の実施において使用するのに適する塗膜物質には、限定するわけではないが、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートtrimaletate、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、Eudragit(登録商標) RS及びRLのようなアンモニオメタクリレートコポリマー、Eudragit(登録商標) S及びLのようなポリアクリル酸及びポリアクリレート及びメタクリレートコポリマー、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、セラックのようなポリマー塗膜物質、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、でんぷんグリコール酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ゼラチン、でんぷん、及び架橋度が低いので水の吸着及びポリマーマトリクスの膨張を容易にするセルロースを基剤とする架橋ポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、架橋でんぷん、微結晶セルロース、キチン、アルニノアクリル(arninoacryl)-メタクリレートコポリマー(Eudragit(登録商標) RS-PM)、プルラン、コラーゲン、カゼイン、寒天、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、アニオン及びカチオンヒドロゲル、アセテート残基の少ないポリビニルアルコール、寒天及びカルボキシメチルセルロースの膨潤性混合物、無水マレイン酸とスチレン、エチレン、プロピレン又はイソブチレンとのコポリマー、ペクチン、寒天、アカシア、カラヤ、トラガカント、アルギン及びグアーのような多糖類、
【0013】
ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリグルカンのジエステル、架橋ポリビニルアルコール及びポリN-ビニル-2-ピロリドン、sodium starch glucolateのようなヒドロゲル及びゲル形成物質、多糖類、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム又はカルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースエーテル、ポリエチレンオキシド、メチルエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースブチレート、セルロースプロピオネート、ゼラチン、コラーゲン、でんぷん、マルトデキスチン(maltodextin)、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、グリセロール脂肪酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、メタクリル酸又はメタクリル酸のコポリマー(例えば、Eudragit(登録商標))、その他のアクリル酸誘導体、ソルビタンエステル、天然ゴム、レシチン、ペクチン、アルギン酸塩、アンモニアアルギン酸塩、アルギン酸ナトリウム、カルシウム、カリウム、ポリエチレングリコールアルギネート、寒天、及びアラビア、カラヤ、ローカストビーン、トラガカント、カラギーン、グアー、キサンタン、硬グルカン、及びそれらの混合物及びブレンドのようなゴム、のような親水性ポリマーが含まれる。所望の遅延特性を提供するように、塗膜の厚さは調整される。一般的には、塗膜が厚いほど浸食耐性が大きく、従って遅延が長くなる。
【0014】
本発明の一実施態様においては、下層はOpadry(登録商標) IR-7000 White(Colorcon, West Point, PA)であり、組成物の総質量の約2.0乃至約5.0質量%を構成する。腸溶性層は、好ましくはAcryl-EZE White(Colorcon)であり、組成物の総質量の約10乃至14質量%、更に好ましくは約10質量%を構成する。着色層は、好ましくはOpadry(登録商標) Fx Blue(Colorcon)であり、組成物の総質量の約1.0乃至約3.0質量%、更に好ましくは約1.5質量%を構成する。
本発明の好ましい実施態様においては、下層又はシーリング層はOpadryl IR-7000 Whiteであり、組成物の総質量の約3.0質量%を構成し、腸溶性層は、好ましくはAcryl-EZE Whiteであり、組成物の総質量の約10.0質量%を構成する。
【0015】
製薬組成物の塗膜付き実施態様の吸収は、選択的に腸に限定される。製薬組成物は、選択的及び効果的に腸の比較的アルカリ性の環境中で溶解する。本発明者は、2種の異なる錠剤分解物質、微結晶セルロース及びクロスカルメロースを使用すると腸内において経口調剤の分解後の顆粒の迅速な分解を促進すると判断した。約11.9質量/質量%の微結晶セルロース、好ましくはAvicel PH 102、及び約2.0質量/質量%のクロスカルメロースを使用すると、組成物のより迅速な溶解及びより均一な溶解速度が得られる。
更なる実施態様においては、本発明は、ピリドキサール-5'-ホスフェート経口調剤の製造に有用なプレブレンドを提供する。ピリドキサール-5'-ホスフェートの粉末調剤は流動性が不十分である。その結果、ピリドキサール-5'-ホスフェートの錠剤を一貫して調製することは困難である。粉末のピリドキサール-5'-ホスフェートは均等に分散する傾向がないので、錠剤を成形する前にピリドキサール-5'-ホスフェートとその他の成分(すなわち、賦形剤)を均一にブレンドして粒状にすることは困難である。
【0016】
高濃度のピリドキサール-5'-ホスフェートを有する錠剤を製造することが望ましい場合には、その物性を流動しうる物質に変えるために、ピリドキサール-5'-ホスフェートを粒状にする必要がある。錠剤がパンチで形成されるダイのキャビティに粉末が流れ込まなければならないので、錠剤の成形には良好な流動性が必要不可欠である。粉末が一様かつ迅速に流動しない場合には、錠剤の質量を制御することは困難である。流動性が不十分な場合にはまた、商業的には非現実的な非常に遅い圧縮速度の使用を余儀なくさせられる。
本発明の実施態様は、少なくとも50質量/質量%のピリドキサール-5'-ホスフェート又は薬学的に許容しうるその塩を含むピリドキサール-5'-ホスフェート経口調剤の製造のためのプレブレンドを提供する。
本発明の特定の実施態様は、約82.7質量/質量%のピリドキサール-5'-ホスフェート、約14.8質量/質量%の微結晶セルロース、及び約2.5質量/質量%のクロスカルメロースナトリウムを含む、ピリドキサール-5'-ホスフェート経口調剤の製造のためのプレブレンドを提供する。本発明者は、プレブレンドの流動特性が、粉末状のピリドキサール-5'-ホスフェート単独の場合と比較して、取り扱い及び活性成分と、限定するわけではないが、錠剤分解物質、結合剤、潤滑剤のようなその他の成分とのブレンドにおいてより容易になりうると判断した。
プレブレンドは、ピリドキサール-5'-ホスフェート、微結晶セルロース、及びクロスカルメロースナトリウムを高剪断ミキサー中でブレンドすることにより調製しうる。
更なる実施態様においては、本発明は、ピリドキサール-5'-ホスフェートの腸溶性塗膜付き経口調剤を調製する方法を提供する。方法は、造粒溶液を提供するために、精製水中にポビドンのような造粒バインダーを溶解させる第一工程を含む。特定の実施態様においては、方法は、造粒溶液を提供するために、精製水中に約4.7質量/質量%のポビドンを溶解させる第一工程を含む。ポビドンは、好ましくは27乃至30のK値を有するポビドンであり、更に好ましくは、PVP K30である。
【0017】
ピリドキサール-5'-ホスフェートを含むプレブレンドは、約50質量/質量%のピリドキサール-5'-ホスフェート粉末又は薬学的に許容しうるその塩を、例えば、クロスカルメロースナトリウムのような錠剤分解物質又は錠剤混合物の混合物と混合することにより調製される。特定の実施態様においては、ピリドキサール-5'-ホスフェートを含むプレブレンドは、約66.3質量/質量%のピリドキサール-5'-ホスフェート(又は薬学的に許容しうるその塩)の粉末を、約11.9質量/質量%の微結晶セルロース及び約2.0質量/質量%のクロスカルメロースナトリウムと混合することにより調製される。微結晶セルロースは、好ましくは、粒度が約0.100mmの微結晶セルロースであり、更に好ましくは、微結晶セルロースはAvicel PH 102である。プレブレンドは、好ましくは高剪断ミキサーを用いて調製される。高剪断ミキサーを用いると、初期のブレンド及び造粒が改良される。高剪断ミキサーを用いると、リボンブレンダーのようなその他の種類のミキサーの使用に伴う問題を有意に低下させる。特に、高剪断ミキサーは、リボンブレンダーと比較して、“デッド・スポット”がなく、より均一なブレンドを提供する。高剪断ミキサーを使用すると、造粒中により良好な制御及び一貫性を提供する。その上、高剪断ミキサーは、リボンミキサーと比較してバッチ間の清掃が容易である。従って、高剪断ミキサーの使用により、バッチ間の汚染及び変化の発生率が有意に低下する。
【0018】
プレブレンドは、造粒溶液と混合されて造粒調合物を提供しうる。好ましくは、造粒溶液及びプレブレンドは、プレブレンドが混合されるときに造粒溶液を高剪断ミキサーに噴射することにより混合される。更に好ましい実施態様においては、1.27cm(0.5インチ)のスクリーンを具備するコニカルミルを用いて湿った造粒調合物の寸法を規制する。次いで得られた造粒調合物を、60℃に設定された流動層乾燥機を用いて乾燥させ、乾燥減量(LOD)試験により測定された含水率を1.5%とした。強制空気オーブンのようなその他の乾燥系より流動層乾燥機を使用するほうが有利である。流動層乾燥機の使用は造粒調合物を迅速かつ均一に乾燥させうる。造粒調合物が乾燥したら、20メッシュのスクリーンが取り付けられた振動造粒機で調合物の寸法を規制する。初期の造粒工程中に微細なスクリーンを使用すると、生体内における顆粒の分解を容易にするより小さな顆粒が製造される。更に、選別は、一貫した寸法の粒子を有する一層均一なブレンドをもたらす。次いで、寸法を規制した造粒調合物を拡散ブレンダーでブレンドした後、更なる錠剤分解物質、結合剤、潤滑剤、流動促進剤、及び抗付着剤を添加する。乾燥され、寸法が規制された顆粒の予備的なブレンドは、LOD試験又はカール・フィッシャー(KF)試験による含水率の測定に都合のよい均一な試料を提供する。
【0019】
賦形剤調合物は、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、タルク、及びコロイド二酸化珪素のような更なる賦形剤を拡散ブレンダーで混合することにより調製される。特定の実施例においては、賦形剤調合物は、約9.7質量/質量%の微結晶セルロース、約2.0質量/質量%のクロスカルメロースナトリウム、約2.0質量/質量%のタルク、及び約0.5質量/質量%のコロイド二酸化珪素を拡散ブレンダー中で混合することにより提供される。コロイド二酸化珪素は、非常に微細で容易に凝集体を形成する。コロイド二酸化珪素を微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、及びタルクと混合することにより、コロイド二酸化珪素は高密度化され、それにより選別が容易になり、再凝集を防ぐ。微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、タルク、及びコロイド二酸化珪素の混合物は、まず20メッシュのスクリーンを通過させ、次いで拡散ブレンダーを用いて十分に混合される。次いで得られた賦形剤調合物は、凝集体を崩壊させるために20メッシュのスクリーンを取り付けた振動造粒機で再び寸法が規制されうる。
次いで、乾燥され、寸法が規制されて、ブレンドされた造粒調合物及び寸法が規制された賦形剤調合物は、最終前のブレンド調合物を提供するために拡散ブレンダーを用いて混合されうる。特定の実施態様においては、次いで、乾燥され、寸法が規制されて、ブレンドされた造粒調合物及び寸法が規制された賦形剤調合物は、最終前のブレンド調合物を提供するために拡散ブレンダーを用いて混合される。
【0020】
ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤は、30メッシュのスクリーンを通過させることにより寸法を規制しうる。次いで、寸法が規制された潤滑剤は、最終ブレンドを提供するために拡散ブレンダーを用いて最終前のブレンド調合物とブレンドされうる。潤滑剤を組成物のその他の成分と過剰に混合することは回避すべきである。潤滑剤及び最終前のブレンド調合物は、一般的には、調合物を提供するのに約3乃至5分間混合されると、過剰混合を回避する。潤滑剤を過剰に混合すると、溶解の遅延を含む多くの問題を有する経口調剤を製造する。ブレンドの終了時にステアリン酸マグネシウム添加すると、好ましい溶解プロフィールを有する経口調剤をもたらす。好ましくは、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤は、過剰な混合を回避するために医薬品に添加される最終成分である。
特定の実施態様においては、約1.0質量/質量%のステアリン酸マグネシウムを、30メッシュのスクリーンを通過させることにより寸法を規制する。次いで、寸法が規制されたステアリン酸マグネシウムを、拡散ブレンダーを用いて最終前のブレンド調合物とブレンドする。ステアリン酸マグネシウム及び最終前のブレンド調合物は、一般的には、最終錠剤成形用調合物を提供するために約3乃至5分間混合される。
次いで、錠剤成形用調合物は、当業者に公知の従来の方法及び装置を用い、コアに圧縮されうる。
下層(又はシーリング層)は、下層付きコア(シール付きコア)を製造するためにコアに塗布されうる。次いで、下層付きコア(シール付きコア)は腸溶性塗料を塗布されうる。
【0021】
好ましい実施態様においては、下層又はシーリング層は、Opadry-IR-7000 Whiteの5質量/質量%分散液として塗布される。次いで、腸溶性層がシール付きコアに塗布される。好ましくは、腸溶性層は、Acryl EZE Whiteの15質量/質量%分散液として塗布される。Acryl EZE Whiteは、Sureteric YAE-6-18107 Whiteのような他の腸溶性塗料系と比較して優れた腸溶性塗料の性質を提供する。Acryl EZE Whiteの使用はまた、他の腸溶性塗料系と比較して使用及び取扱が容易であるため有利である。従来の方法による塗料の塗布には、サイドベント式穴あきコーティングパン又はその他の適する装置が使用されうる。
以下は本発明の特定の実施態様である。
本発明の一実施態様においては、組成物は、pH=6.8の0.05Mリン酸緩衝液中における米国薬局方の溶解試験によれば、15分において約30%より大きい溶解プロフィールを有する。
本発明の一実施態様においては、組成物は、pH=6.8の0.05Mリン酸緩衝液中における米国薬局方の溶解試験によれば、30分において約85%より大きい溶解プロフィールを有する。
本発明の一実施態様においては、組成物は、pH=6.8の0.05Mリン酸緩衝液中における米国薬局方の溶解試験によれば、45分において約90%より大きい溶解プロフィールを有する。
本発明の一実施態様においては、組成物は、pH=6.8の0.05Mリン酸緩衝液中における米国薬局方の溶解試験によれば、60分において約95%より大きい溶解プロフィールを有する。
【0022】
本発明の一実施態様においては、組成物は、米国薬局方の溶解試験によれば、37℃における75回/分で回転する0.1N HCl中において120分で10%までの溶解プロフィールを有する。
本発明の一実施態様においては、15乃至60mg/kgの組成物の生体内経口摂取が、摂取後2乃至24時間に約1乃至約8mg/Lのピリドキサール-5'-ホスフェートの最大血漿中濃度(Cmax)を生じさせる。
本発明の一実施態様においては、15乃至60mg/kgの組成物の生体内経口摂取が、摂取後2乃至24時間に約0.1乃至約2mg/Lのピリドキサール-5'-ホスフェートの平均血漿中濃度(Cmax)を生じさせる。
本発明の一実施態様においては、製薬組成物は、(a)ピリドキサール-5'-ホスフェート又は薬学的に許容しうるその塩を含むコア、(b)コアを取り囲む下層、及び(c)下層を取り囲む腸溶性層を含む。
本発明の一実施態様においては、コアは更に、錠剤分解物質又は錠剤分解物質の混合物を含む。錠剤分解物質は、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、又はそれらの混合物でもよい。
本発明の一実施態様においては、コアは、更に造粒バインダーを含む。本発明の更なる実施態様においては、造粒バインダーは、K値が27乃至33のポビドンである。本発明の一実施態様においては、ポビドンはPVP K-30である。
【0023】
本発明の一実施態様においては、微結晶セルロースは約0.100mmの粒度を有する。
本発明の一実施態様においては、微結晶セルロースはアビセル(Avicel)(登録商標) PH 102である。
本発明の一実施態様においては、下層又はシーリング層はOpadry(登録商標)-IR-7000 Whiteである。
本発明の一実施態様においては、Opadry(登録商標)-IR-7000 Whiteの量は約3質量/質量%である。
本発明の一実施態様においては、腸溶性層はAcryl-EZE Whiteである。
本発明の一実施態様においては、Acryl-EZE Whiteの量は約10質量/質量%である。
一実施態様においては、経口投与のための製薬組成物は、約65乃至75質量/質量%のピリドキサール-5'-ホスフェート又は薬学的に許容しうるその塩、約20乃至約30質量/質量%の微結晶セルロース、約2.0乃至約4.0%のクロスカルメロースナトリウム、約3.0乃至約6.0質量/質量%のポビドン、約1.0乃至約4.0%のタルク、約0.1乃至約1.0質量/質量%のコロイド二酸化珪素、及び約0.5乃至約1.5質量/質量%のステアリン酸マグネシウムを含む。
一実施態様においては、本発明は、約66.3質量/質量%のピリドキサール-5'-ホスフェートを含むピリドキサール-5'-ホスフェート経口調剤の製造のためのプレブレンドを提供する。
【0024】
一実施態様は、ピリドキサール-5'-ホスフェートの経口調剤を調製する方法であって、
(a)造粒バインダーを精製水に溶解させて造粒溶液を提供する工程、
(b)少なくとも50質量/質量%のピリドキサール-5'-ホスフェート又は薬学的に許容しうるその塩を錠剤分解物質又は錠剤分解物質の混合物と混合してプレブレンドを提供する工程、
(c)前記プレブレンドを前記造粒溶液と混合して造粒調合物を提供する工程、
(d)前記造粒調合物を実質的に乾燥させる工程、
(e)賦形剤を前記造粒調合物と混合して最終前のブレンド調合物を提供する工程、
(f)前記最終前のブレンド調合物を潤滑剤と混合して最終ブレンド調合物を提供する工程、
(g)前記最終ブレンド調合物をコアに圧縮する工程、
(h)前記コアに下層を塗布して下層付きコアを提供する工程、及び
(i)前記下層付きコアに腸溶性層を塗布する工程、
を含む方法を提供する。
【0025】
一実施態様においては、本発明は、ピリドキサール-5'-ホスフェートの経口調剤を調製する方法であって、(a)約3.0乃至約6.0質量/質量%のポビドンを精製水に溶解させて造粒溶液を提供する工程、(b)約65乃至約75質量/質量%のピリドキサール-5'-ホスフェート又は薬学的に許容しうるその塩を約8.0乃至約16.0質量/質量%の微結晶セルロース及び約1.0乃至約3.0%のクロスカルメロースナトリウムと混合してプレブレンドを提供する工程、(c)前記プレブレンドを前記造粒溶液と混合して造粒調合物を提供する工程、(d)前記造粒調合物を実質的に乾燥させる工程、(e)約7.0乃至約14.0質量/質量%の微結晶セルロース、約1.0乃至約3.0質量/質量%のクロスカルメロースナトリウム、約1.0乃至約4.0質量/質量%のタルク、及び約0.1乃至約1.0質量/質量%のコロイド二酸化珪素、を混合して賦形剤調合物を提供する工程、(f)前記造粒調合物を前記賦形剤調合物と混合して最終前のブレンド調合物を提供する工程、(g)前記最終前のブレンド調合物を約0.5乃至約1.5質量/質量%のステアリン酸マグネシウムと混合して最終錠剤成形用調合物を提供する工程、(h)前記最終錠剤成形用調合物をコアに圧縮する工程、(i)前記コアに下層を塗布して下層付きコアを提供する工程、及び(j)前記下層付きコアに腸溶性層を塗布する工程、及び任意に、(k)前記腸溶性層付き錠剤に着色層を塗布する工程、を含む方法を提供する。
【0026】
本発明の一実施態様においては、下層は、錠剤コアに約2.0乃至約5.0%の質量を増加させるように塗布されるOpadry(登録商標)l-IR-7000 Whiteの約15質量/体積%分散液である。
本発明の一実施態様においては、腸溶性層は、下層付き錠剤コアに約8.0乃至約14.0%の質量を増加させるように塗布されるAcryl-EZE Whiteの約20質量/体積%分散液である。
本発明の一実施態様においては、着色層は、腸溶性層付き錠剤コアに約1.0乃至約3.0%の質量を増加させるように塗布されるOpadry(登録商標) Blue Fxの7.5質量/体積%分散液である。
本発明の一実施態様においては、ピリドキサール-5'-ホスフェート、微結晶セルロース、及びクロスカルメロースは高剪断ミキサーを用いて混合されプレブレンドを提供する。
本発明の一実施態様においては、プレブレンド及び造粒溶液は、プレブレンドを高剪断ミキサー中で混合しつつ、造粒溶液をプレブレンドに噴射することにより混合される。
本発明の一実施態様においては、方法が、工程(c)の後及び工程(d)の前に、1.27cm(0.5インチ)のスクリーンを具備するコニカルミルに造粒調合物を通過させる更なる工程も含む。
本発明の一実施態様においては、造粒調合物は、60℃の入口温度に設定された流動層乾燥機を用いて乾燥される。
【0027】
本発明の一実施態様においては、方法が、工程(d)の後及び工程(e)の前に、20メッシュのスクリーンに造粒調合物を通過させ、次いで造粒調合物を拡散ブレンダー中で混合する更なる工程も含む。
本発明の一実施態様においては、方法が、小さな拡散ブレンダーを用いてプレブレンド調合物を混合し、20メッシュのスクリーンに混合されたプレブレンド調合物を通過させる更なる工程も含む。
本発明の一実施態様においては、造粒調合物及びプレブレンド調合物が拡散ブレンダーを用いて混合される。
本発明の一実施態様においては、方法が、ステアリン酸マグネシウムを最終前のブレンド調合物と混合する前に、30メッシュのスクリーンにステアリン酸マグネシウムを通過させる更なる工程も含む。
本発明の一実施態様においては、最終前のブレンド調合物及びステアリン酸マグネシウムが拡散ブレンダーを用いて混合される。
ピリドキサール-5'-ホスフェート配合物の実施態様による組成物は、その放出を容易にするいずれかの適する調剤の形に混入されうる。本明細書に記載されているような単位コアは、一つの粒子状物質として配合されうる。多粒子状組成物は、硬質又は軟質ゼラチンカプセルのような適するカプセルに充填されうる。あるいは、多粒子状組成物は(任意に追加の賦形剤とともに)実質的にカプセルに充填されうる小さな錠剤に圧縮されうる。別の適する調剤の形は錠剤であり、粒子状物質は錠剤の形に圧縮される。組成物を構成するピリドキサール-5'-ホスフェートを含む粒子は、発泡性の調剤の形又は融解の早い調剤の形のような迅速に溶解する調剤にも含まれうる。
治療の方法
【0028】
更なる実施態様においては、本発明は更に、ピリドキサール-5'-ホスフェート又は薬学的に許容されうるその塩の経口投与に伴う嘔気嘔吐の発生を低下させる方法であって、有効量のピリドキサール-5'-ホスフェートを制御放出、遅延放出、又は制御放出及び遅延放出の組み合わせの経口調剤組成物で投与する工程を含む方法を提供する。
制御放出とは、調剤の形からの活性物質の放出が、従来の嚥下錠剤又はカプセルのような即効型薬剤からのそれよりゆっくり生じるように調節されているいずれかの配合技術を意味する。
遅延放出とは、調剤の形からの活性物質の放出が、従来の即効型薬剤からのそれより遅い時間に生じるように調節されているいずれかの配合技術を意味する。その結果生じる遅延放出配合物からの活性物質の放出は、前述の定義のように制御されうる。
そのような制御放出配合物は、好ましくは、ピリドキサール-5'-ホスフェートの放出が主に胃及び小腸の通過中にもたらされるように配合され、遅延放出配合物は、好ましくは、活性物質の放出が胃中では回避され、主に小腸の通過中にもたらされるよう配合される。小腸は、十二指腸、回腸又は空腸に適合する。
【0029】
好ましい実施態様においては、制御放出又は遅延放出製薬組成物は、約66.3質量/質量%のピリドキサール-5'-ホスフェート又は薬学的に許容しうるその塩、約21.6質量/質量%の微結晶セルロース、約4.0質量/質量%のクロスカルメロースナトリウム、約4.7質量/質量%のポビドン、約2.0質量/質量%のタルク、約0.5質量/質量%のコロイド二酸化珪素、及び約1.0質量/質量%のステアリン酸マグネシウムを含む製薬組成物であって、前記組成物が、(a)ピリドキサール-5'-ホスフェート、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ポビドン、タルク、コロイド二酸化珪素、及びステアリン酸マグネシウムを含むコア、(b)コアを取り囲む下層、及び(c)シーリング層を取り囲む腸溶性の層を含む錠剤の形である本発明による製薬組成物である。本発明の塗膜付き製薬組成物はいずれも、ピリドキサール-5'-ホスフェート又は薬学的に許容されうるその塩の経口投与に伴う嘔気嘔吐の発生を低下させるのに使用されうる。
【0030】
製薬組成物は、一般的には、特定の一以上の適応症の治療又は予防に有効な量が投与される。最適投与量は、適応症、その重篤性、投与経路、複雑な条件等を考慮して各治療法の標準的な方法及び徴候により決定されることが認められる。治療上有効な投与量はまた、そのような疾患に伴う症状が改善されるのに十分な化合物の量を言及する。本出願の化合物の配合技術及び投与は、"Remington's Pharmaceutical Sciences," Mack Publishing Co., Easton, Pa., latest editionに見出されうる。哺乳動物、特にヒトへの投与の場合、活性剤の毎日の投与量は、100乃至1000mg、典型的には約500mgであることが望まれる。いずれにしても医師は、個々の人に最も適する、特定の個人の年齢、体重及び応答にともなって変化する実際の投与量を決定しうる。前記の投与量は平均的な場合の典型例である。もちろん、それより高い又は低い投与量範囲に値する場合もありうるが、それらは本発明の範囲内である。
本発明を説明に役立つ実施態様に関して記載したが、本発明はこれらの実施態様そのものに限定されず、当業者により種々の変化及び変更がなされうることは理解されるべきである。そのような変化及び変更はすべて特許請求に範囲に含まれることを意図する。
【実施例1】
【0031】
ピリドキサール-5'-ホスフェート腸溶性塗膜付き錠剤配合物及びその調製方法
表1は、ピリドキサール-5'-ホスフェート(錠剤あたり265mg)の腸溶性塗膜付き錠剤の調製の成分及び相対量を示す。表1に示されるように、1バッチで20,000個の錠剤が生産される。1バッチの大きさは、相対量を比例的に増減することにより拡大又は縮小しうる。
【0032】
【表1】

【0033】
ピリドキサール-5'-ホスフェート腸溶性塗膜付き錠剤は、(1)造粒相、(2)錠剤成形相、及び(3)塗膜相、の3工程で調製される。図1乃至3は、錠剤の調製に含まれる工程を明らかにする。
造粒及びブレンド相
ポビドン K30を適量の精製水に溶解させることにより造粒溶液を調製する。ピリドキサール-5'-ホスフェート粉末を第一の量の微結晶セルロース(Avicel PH 102)、及び第一の量のクロスカルメロースナトリウムと約2分間高剪断ミキサー中で混合することによりピリドキサール-5'-ホスフェートプレブレンドを調製する。プレブレンドの混合を継続しながら、造粒溶液をミキサーに噴射する。造粒過程に必要な追加の水を添加する。プレブレンド及び造粒溶液を約5分間混合すると造粒調合物が得られる。得られる顆粒は、1.27cm(0.5インチ)のスクリーンを具備するコニカルミル(Comil)に顆粒を通過させることにより寸法を規制する。次いで、寸法が規制された顆粒を、約1.5%のLODを有するまで60℃の流動層乾燥機中で乾燥する。乾燥した顆粒は、20メッシュのスクリーンを具備するFrewitt振動造粒機で寸法規制する。次いで、寸法が規制された顆粒を、拡散ブレンダーを用いて約5分間ブレンドする。第二の量の微結晶セルロース(Avicel PH 102)、第二の量のクロスカルメロースナトリウム、タルク、及びコロイド二酸化珪素を拡散ブレンダーで約2分間混合すると賦形剤調合物が得られる。賦形剤調合物を、乾燥、寸法規制してブレンドした造粒調合物と一緒にして、拡散ブレンダー中で約10分間混合すると最終前のブレンド調合物が得られる。ステアリン酸マグネシウムは30メッシュのスクリーンを用いて寸法を規制し、拡散ブレンダーを用いて約5分間最終前のブレンド調合物とブレンドすると、最終錠剤成形用調合物が得られる。
【0034】
錠剤成形相
錠剤成形用調合物は、回転式タブレット成形機及び平らな11mmの丸い標準的な円錐錠剤成形型を用いてコアに圧縮する。
塗膜相
シーリング層は、Opadry Y-IR-7000を適量の精製水に分散させて5質量/体積%分散液を提供することにより調製する。塗布されたOpadry Y-IR-7000の量が完成した錠剤の総質量に対して約3.1質量/質量%であるような、十分な量のOpadry Y-IR-7000分散液を塗布する。腸溶性塗料は、Acryl-EZE Whiteを適量の精製水に分散させて15質量/体積%分散液を提供することにより調製する。Acryl-EZE Whiteの量が完成した錠剤の総質量に対して約10.2質量/質量%であるような、十分な量のAcryl-EZE Whiteを塗布する。サイドベント式穴あきコーティングパンを用い、まず錠剤コアにシーリング層分散液を塗布する。次いで、錠剤に腸溶性層分散液を塗布する。
【実施例2】
【0035】
ピリドキサール-5'-ホスフェート腸溶性塗膜付き錠剤及び塗膜なしの錠剤コアに関する溶解研究
ピリドキサール-5'-ホスフェート腸溶性塗膜付き錠剤及び塗膜なしの錠剤コアの溶解性は、従来の試験方法を用いて測定した。溶解試験は、自動試料採取器、デジタル温度計及びタイマーを具備するVanKel Model Vanderkamp 600(6軸)溶解装置中で実施した。パドル速度は75回/分に設定した。採取体積は10mlであった。腸溶性塗膜付き錠剤に関しては、USP<724>方法Bに基づいて2工程溶解法を実施した。酸工程を37℃において120分間0.1N HClを用いて実施した後、37℃においてpH=6.8の緩衝液工程を実施した。
腸溶性塗膜付き錠剤の溶解データは以下の規格限界以内であることが観察された。
・pH=6.8の0.05Mリン酸緩衝液中の溶解が30分で60%より大きい、
・pH=6.8の0.05Mリン酸緩衝液中の溶解が60分で80%より大きい、かつ
・0.1N HCl中の溶解が120分で10%以下である。
図4乃至7は、腸溶性塗膜付き錠剤の溶解プロフィール対錠剤のコアの溶解を明らかにする折れ線グラフであり、本発明の方法により塗布された場合には錠剤の遅延溶解を示す。
図4は、低率の造粒溶液適用で調製した腸溶性塗膜付きコア及び錠剤(“造粒1”)の溶解プロフィールを明らかにする。造粒調合物は、錠剤成形前に約1.5%の含水率に乾燥させた。
図5は、高率の造粒溶液適用で調製した腸溶性塗膜付きコア及び錠剤(“造粒2”)の溶解プロフィールを明らかにする。造粒調合物は、錠剤成形前に約1.5%の含水率に乾燥させた。
図6は、中間の比率の造粒溶液適用で調製した腸溶性塗膜付きコア及び錠剤(“造粒3”)の溶解プロフィールを明らかにする。造粒調合物は、錠剤成形前に約1.0%の含水率に乾燥させた。
造粒1、2、及び3の個々の溶解プロフィールは図7において比較される。
図8は、造粒1、2、及び3に関する低、高及び平均の%放出値を明らかにする。
【実施例3】
【0036】
ピリドキサール-5'-ホスフェート腸溶性塗膜付き錠剤に関する溶解研究
250mgのピリドキサール-5'-ホスフェート腸溶性塗膜付き錠剤の溶解性は、従来の試験方法を用いて測定した。
錠剤分解時間は、USP<701>方法を用い、擬似胃液(ペプシンなし)及び擬似腸液(パンクレアチンなし)中で測定した。
錠剤は、擬似胃液中で1時間後に元のままであった。擬似腸液中の錠剤の完全な分解は5:46乃至14:52分に観察された。
溶解時間は、USP<711>及びUSP<724>方法Bを用い、腸溶性塗膜付き錠剤に関して測定した。溶解装置のパドル速度は100回/分に設定し、採取点は30及び45分であった。溶解緩衝液中のピリドキサール-5'-ホスフェートの濃度はLCMSにより測定した。
腸溶性塗膜付き錠剤の溶解データは以下の規格限界以内であることが観察された。
・pH=6.8の0.05Mリン酸緩衝液中の溶解が45分で80%より大きい、かつ
・0.1N HCl中の溶解が120分で10%以下である。
錠剤は、0.1N HCl中で120分後も元のままであった。pH=6.8の緩衝液中30分後には、観察された溶解は91.5乃至93.3%であった。pH=6.8の緩衝液中45分後には、観察された溶解は92.5乃至100%であった。
【実施例4】
【0037】
ピリドキサール-5'-ホスフェート腸溶性塗膜付き錠剤の安全性、許容性及び薬物動態学研究
ピリドキサール-5'-ホスフェート(p5p)腸溶性塗膜付き錠剤の安全性、許容性及び薬物動態を評価するのに、単一施設、第1相、非盲検研究を実施した。
被検者−各研究コホートは6人の被検者(3人の男性、3人の女性)からなり、以下の被検者が含まれた。
・男性又は女性、喫煙者又は非喫煙者、≧18及び≦55の年齢。
・承諾可能
・BMI≧19.0及び<30.0kg/m2
以下のいずれかが適合する被検者は研究から除外された。
・研究薬物の投与前4週間以内の臨床的に有意な病気。
・研究薬物の投与前4週間以内の臨床的に有意な手術。
・医学的な審査中に見出されたいずれかの臨床的に有意な異常。
・治験責任医師の意見で、被検者が研究に参加するのを妨げるいずれかの理由。
・臨床的に有意であると判断された異常な臨床検査。
・審査時のB型肝炎、C型肝炎、又はHIVの陽性検査。
・審査時の心電図異常(臨床的に有意な)又は生命徴候の異常(100mmHg未満又は140mmHgより高い最高血圧、60mmHg未満又は90mmHgより高い最低血圧、又は60bpm未満又は100bpmより高い心拍数)。
・審査訪問前1年以内の有意なアルコール依存症又は薬物乱用の履歴。
・審査訪問前6ヶ月以内のアルコールの常用(1週間当たり14単位以上のアルコール[1単位=150mLのワイン、360mLのビール、又は45mLの40%アルコール])。
【0038】
・審査訪問前3ヶ月以内の習慣性のない麻薬(例えば、マリファナ)の使用又は審査訪問前1年以内の中毒性の強い麻薬(例えば、コカイン、フェンシクリジン[PCP]及びクラック)の使用又は審査時の尿中薬物検査陽性。
・ヘパリン、ピリドキサール-5'-ホスフェート、ビタミンB6、その他のピリドキシン、又はその他の関連薬物に対するアレルギー反応の履歴。
・研究薬物の投与前30日以内の肝臓薬物代謝を誘導又は阻害することが知られているいずれかの薬物の使用(インデューサの例:バルビツル酸塩、カルバマゼピン、フェニトイン、グルココルチコイド、オメプラゾール;阻害剤の例:抗うつ剤(SSRI)、シメチジン、ジルチアゼム、マクロライド、イミダゾール、神経安定薬、ベラパミル、フルオロキノロン、抗ヒスタミン剤)。
・研究薬物の投与前30日以内の治験中の薬物の使用又は治験への参加。
・いずれかの臨床的に有意な胃腸の病状(例えば、慢性下痢、炎症性腸疾患)、未解決の胃腸症状(例えば、下痢、嘔吐)、肝臓又は腎臓疾患、又は、薬物の吸収、分配、代謝、又は排泄を妨げることが知られているその他の健康状態の臨床的に有意な履歴又は存在。
・臨床的に有意な神経系、内分泌、心臓血管、呼吸器系、血管系、免疫、精神、又は代謝疾患のいずれかの臨床的に有意な履歴又は存在。
【0039】
・体内吸収なしの外用剤又はホルモン避妊薬を除く、研究薬物の投与前14日以内の処方薬の使用又は研究薬物の投与前7日以内の市販の製品(自然食品の栄養補助食品、ビタミン、栄養補助食品としてのニンニクを含む)の使用。
・1日あたり25本より多いタバコの喫煙。
・治験責任医師の意見で、被検者のこの研究への参加を禁忌とするいずれかの食物アレルギー、過敏症、制限又は特別食。
・研究薬物の投与前3ヶ月以内のいずれかの薬物(ホルモン避妊薬以外)の蓄積注射又は埋め込み。
・薬物投与前7日以内の血漿(500mL)の提供。以下のような研究薬物の投与前の全血の提供又は損失(この研究の審査手順中に採血される血液の量を除く)。
○薬物投与前30日以内の50乃至300mLの全血、
○薬物投与前45日以内の301乃至500mLの全血、又は
○薬物投与前56日以内の500mLより多い全血。
・授乳期の被検者。
・審査時の尿中妊娠テスト陽性。
・研究薬物投与前14日以内のいずれかの非無精子症の男性パートナー(すなわち、少なくとも6ヶ月間精管切除により断種されていない男性)と避妊手段をとっていない性交を有する出産可能な女性の被検者。許容しうる避妊の方法。
○子宮内避妊具(研究薬物投与の少なくとも4週間前にセットする)、
○コンドーム又はペッサリー+殺精子剤
○ホルモン避妊薬(研究薬物投与の少なくとも4週間前に開始する)。
【0040】
制限−被検者は、投与前少なくとも2時間から投与後6時間までの喫煙、
・投与前24時間から最後の試料採取後までのアルコールを基剤とする製品の摂取、
・投与前48時間から最後の試料採取後までのキサンチン誘導体又はキサンチン関連化合物を含む食品又は飲料又は栄養飲料、
・投与前7日間から最後の試料採取後までのビタミン及び自然食品の栄養補助食品、
・投与前7日間から最後の試料採取後までのグレープフルーツ製品、
を控えるように指示された。
被検者は、投与前48時間から研究の最後の試料採取後までの間の高濃度のビタミンB6を含む食品又は飲料の摂取を回避するように求められた。回避された食品及び飲料は、大豆を基剤とする製品、全粒小麦及びふすま製品、バナナ、ナッツ、ジャガイモ、ニンジンジュース、プルーン果汁、麦芽乳、魚、及び鶏のレバーであった。
出産可能なパートナーを有する外科的に無精子ではない男性は、研究中及び最後の研究薬物投与後14日間、殺精子剤とともにコンドームを使用することを覚悟する、及び/又は同一期間彼らのパートナーが有効な避妊法を用いることを保証しなければならない。
喫煙したタバコの本数は、被検者が研究組織内では一日当たり25本より多いタバコは喫煙しないことを約束する監禁期間中、記録された。
出産可能な、無精子ではない男性パートナーと性交する女性被検者は、研究薬物投与前から最後の研究薬物投与後14日まで許容しうる避妊法を使用することが求められた。許容しうる避妊法は前述のとおりである。
【0041】
被検者の審査方法−被検者は、人口統計データ、病歴及び薬歴、健康診断、身体測定(例えば、身長、体重及び体格)、心電図、生命徴候、血液学、生化学、HIV、B型及びC型肝炎、尿検査、尿中薬物検査、及び尿中妊娠テストに関して研究薬物の投与前28日以内に審査された。
研究薬物−ピリドキサール-5'-ホスフェート一水和物腸溶性錠剤、総用量250mg(CanAm Bioresearch Inc., Cnada)。
監禁、訪問及び投薬−被検者は、投与前少なくとも12時間から投与後24.0時間の採血まで監禁された。被検者はその後の採血に戻るであろう。研究薬物は各被検者に300mLの水とともに投与され、薬物の摂取を確実にするために口の点検を実施した。
併用薬−有害事象のために使用したもの以外は、研究中併用薬治療は許可されなかった。ホルモン避妊薬の使用及びアセトアミノフェンの時折の使用以外のいずれかの併用薬の使用は、有資格の治験責任医師又は医師により個別的に評価された。
【0042】
血液試料の回収及び処理−P5P、PAL(ピリドキサール)及びPA(4-ピリドキシン酸)の計量のために各被検者から全部で19の血液試料を採血した。血液試料を、薬物投与前10、1及び0.25時間及び投与後1.00、2.00、3.00、3.50、4.00、4.50、5.00、5.50、6.00、7.00、8.00、10.0、12.0、14.0、24.0、及び36.0時間にEDTA血液管に回収した(各採血時に10mL)。特に指定がない限り又は被検者の安全のために、採血又はその他の手順が同時である場合には、採血が先行する。可能な場合には、血液試料は投与前から投与後14時間(又はそれ以後)までdead-volume静脈内カテーテルにより回収され、カテーテルにより回収されない場合には、血液試料は直接静脈穿刺により回収された。
【0043】
適格及び安全のために回収される血液を含む血液の総量は、各コホートの被検者あたり237mLを超えなかった。すべての研究の総量が超える場合のみ血液量の逸脱が報告された。
【0044】
尿試料の回収及び処理−P5P、PAL及びPAの計量のために尿試料を、投与前及び投与後0.00-4.00、4.00-8.00、8.00-12.0、12.0-24.0、及び24.0-36.0時間に6回又は時間間隔で回収した。投与前の試料は、投与前2時間以内に得た。被検者は、その後の間隔が空の膀胱から始まるように、投与前15分以内に、及び12.0-24.0-時間間隔の終了から15分以内に放尿するように求められた。投与後24.0-36.0時間の時間間隔では、被検者は尿容器を提供され、在宅時のすべての尿を回収して尿の回収時を記録するように求められた。被検者は、尿試料の適切な回収及び貯蔵について教育を受けた。彼らは、指定の返却訪問時にすべての尿試料を診療所に戻すように求められた。尿はまた返却訪問中(間隔の終了から15分以内)にも回収された。2つの間隔の交点(10分以内)に被検者により放尿された尿は早いほうの試料に含まれた。回収されない被検者により放尿された尿も記録された。
【0045】
食品及び流体の摂取−食品は、投与前少なくとも10時間から投与後少なくとも4時間まで許可されなかった。その後適する時間に制御された食事が出された。監禁中、すべての食事はビタミンB6含量を制御した。高濃度のビタミンB6(上記参照)を含む食品及び飲料は回避された。研究薬物とともに与えられる水を除いて、飲料は、投与前2時間から投与後2時間まで許可されなかった。水は自由にいつでも提供された。
【0046】
被検者の安全性−被検者は、研究薬物及び/又は手順への有害事象に関して研究の間中追跡された。血圧、心拍数、呼吸数及び口腔体温は、投与前及び投与後約1、2、4、6、及び12時間に座位で(安全性の理由を除けば)測定された(生命徴候測定が採血と一致する場合には、好ましくは、それらは可能であればいつでも採血の前に実施された)。仰臥位心電図は、投与前及び投与後約1、2、4、6、及び12時間に測定された(心電図測定が採血と一致する場合には、好ましくは、それらは可能であればいつでも採血後できるだけすぐに実施された)。生命徴候測定は、以下の条件下では1回以上繰り返した。
1)90mmHg未満又は140mmHgより高い指定の最高血圧測定、
2)50mmHg未満又は90mmHgより高い指定の最低血圧測定、
3)50bpm未満又は100bpmより高い指定の心拍数、又は
4)医師の要請時。医師は、結果の有意性を評価し、必要に応じて更なる行為を決定するために、前述の通常の範囲の値の外側にあるすべての繰り返された生命徴候測定を通知されなければならない。
血液学、生化学、尿検査、尿中薬物検査、及び血清妊娠検査は、薬物投与前に実施された。
【0047】
研究後の手順−血液学、生化学、尿検査、健康診断、生命徴候、心電図、尿中妊娠検査、及び有害事象の追跡は研究の最終日又は研究における被検者の最終参加後14日までに実施された。
安全性及び許容性パラメータ−安全性及び許容性は、有害事象、生命徴候、12誘導心電図、臨床検査パラメータ及び健康診断の分析により評価された。有害事象は表にされた。
【0048】
薬物動態パラメータ−P5P、PAL及びPAに関して標準非コンパートメント法により以下の薬物動態パラメータを算出した。
・以下のパラメータの算出には血漿試料を使用した。
1)Cmax:最高測定濃度
2)Tmax:Cmaxの測定された時間
3)Kel:消失速度定数
4)T1/2 el:消失半減期
5)AUC0-t:時間0乃至最終非ゼロ濃度の濃度−時間曲線下の面積
6)AUC0-inf:時間0乃至無限(外挿)の濃度−時間曲線下の面積
7)AUCt/inf:AUC0-tのAUC0-infに対する比
8)Cl/F:投与量/AUC0-infとして計算された全身クリアランス
9)Vd/F:投与量/(Kel×AUC0-inf)として計算された見掛けの分配量
10)MRT:平均滞留時間
・以下のパラメータの算出には尿試料が使用されるであろう。
1)累積尿中排出量(Ae0-t)。
統計分析−記述統計分析を実施した。
【0049】
基準線補正:P5PはビタミンB6の摂取からの内因性濃度を有するので、基準線補正有無の両方で分析した。各被検者は、同一被検者の投与前(薬物投与前−10、−1及び−0.25時間)に採取された血漿試料の平均の結果に関して補正された。補正後に負の濃度が得られた場合には、0に等しいとした。
結果−腸溶性塗膜付きP5Pの単回250mg投与後の血漿及び尿中のP5P、PAL及びPAの平均濃度を表2に示す。
【0050】
【表2】

【0051】
研究中に報告された有害事象は、朝8時55分における軽い眠気の報告と昼12時における尾骨領域の軽い痛みの報告のみであった。報告された有害事象がまれであり軽度であることは、P5Pが250mgの投与量においては安全で許容しうることを示唆する。
6人の患者のうち2人が投与の日に有害事象を報告した(午前7時に250mgを経口投与)。1人の被検者が午前8時55分に軽い眠気を報告し、1人の被検者が正午の12時に尾骨領域の軽い痛みを報告した。眠気は、治験責任医師により薬物治療と関連する可能性があると考えられたが、尾骨領域の痛みは薬物との関連はないと考えられた。報告された有害事象がまれであり軽度であることは、P5Pが250mgの経口投与においては安全で許容しうることを示唆する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】腸溶性塗膜付き錠剤の製造に使用するための造粒調合物の調製における工程を明らかにするフローチャートである。
【図2】腸溶性塗膜付き錠剤の製造に使用するための最終前のブレンド調合物及び最終錠剤成形用調合物及び錠剤コアの調製における工程を明らかにするフローチャートである。
【図3】腸溶性塗膜付き錠剤を提供するための錠剤コアのコーティングにおける工程を明らかにするフローチャートである。
【図4】腸溶性塗膜付き錠剤の溶解プロフィール対錠剤のコアの溶解を明らかにする折れ線グラフである。
【図5】腸溶性塗膜付き錠剤の溶解プロフィール対錠剤のコアの溶解を明らかにする折れ線グラフである。
【図6】腸溶性塗膜付き錠剤の溶解プロフィール対錠剤のコアの溶解を明らかにする折れ線グラフである。
【図7】腸溶性塗膜付き錠剤の溶解プロフィール対錠剤のコアの溶解を明らかにする折れ線グラフである。
【図8】腸溶性塗膜付き錠剤に関する低、高、及び平均の%放出値を明らかにするグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
米国薬局方の溶解試験に従って、37℃における75回/分で回転するpH=6.8の0.05Mリン酸緩衝液中において標準溶解装置で測定された場合に、
a)15分において約30%より大きい、
b)30分において約85%より大きい、
c)45分において約90%より大きい、又は
d)60分において約95%より大きい、
溶解プロフィールを含む経口投与に適するピリドキサール-5'-ホスフェート製薬配合物。
【請求項2】
米国薬局方の溶解試験に従って、37℃における75回/分で回転する0.1N HCl中において標準溶解装置で測定された場合に、120分で10%までの溶解プロフィールを含むピリドキサール-5'-ホスフェート製薬配合物。
【請求項3】
15乃至60mg/kgの生体内経口摂取が、約1乃至8mg/Lのピリドキサール-5'-ホスフェートの最大血漿中濃度(Cmax)を生じさせるピリドキサール-5'-ホスフェート製薬配合物。
【請求項4】
錠剤が、(a)ピリドキサール-5'-ホスフェート又は薬学的に許容しうるその塩を含むコア、(b)前記コアを取り囲む下層、及び(c)前記下層を取り囲む腸溶性層、及び任意に、(d)前記腸溶性層を取り囲む着色層を含む請求項1乃至3のいずれかに記載の製薬配合物。
【請求項5】
前記コアが、更に錠剤分解物質又は錠剤分解物質の混合物を含む請求項4記載の製薬配合物。
【請求項6】
前記錠剤分解物質又は錠剤分解物質の混合物が、微結晶セルロースを含む請求項5記載の製薬配合物。
【請求項7】
前記微結晶セルロースが、約0.100mmの粒度を有する請求項6記載の製薬配合物。
【請求項8】
前記微結晶セルロースが、Avicel PH 102である請求項6又は7記載の製薬配合物。
【請求項9】
前記コアが、更にポビドンを含む請求項4乃至7のいずれかに記載の製薬配合物。
【請求項10】
前記ポビドンが、27乃至33のK値を有する請求項9記載の製薬配合物。
【請求項11】
前記ポビドンが、PVP K30である請求項10記載の製薬配合物。
【請求項12】
前記下層が、Opadry(登録商標)-IR-7000 Whiteである請求項4乃至11のいずれかに記載の製薬配合物。
【請求項13】
前記Opadry(登録商標)-IR-7000 Whiteの量が、約3質量/質量%である請求項12記載の製薬配合物。
【請求項14】
前記腸溶性層が、Acryl-EZE Whiteである請求項4乃至13のいずれかに記載の製薬配合物。
【請求項15】
前記Acryl-EZE Whiteの量が、約10乃至12質量/質量%である請求項14記載の製薬配合物。
【請求項16】
前記Acryl-EZE Whiteの量が、約10質量/質量%である請求項15記載の製薬配合物。
【請求項17】
前記コアが、更に潤滑剤を含む請求項4乃至16のいずれかに記載の製薬配合物。
【請求項18】
前記潤滑剤が、ステアリン酸マグネシウムである請求項17記載の製薬配合物。
【請求項19】
前記錠剤分解物質又は錠剤分解物質の混合物が、クロスカルメロースナトリウムを含む請求項4乃至18のいずれかに記載の製薬配合物。
【請求項20】
前記錠剤分解物質又は錠剤分解物質の混合物が、微結晶セルロース及びクロスカルメロースナトリウムを含む請求項4乃至19のいずれかに記載の製薬配合物。
【請求項21】
前記コアが、更にタルクを含む請求項4乃至20のいずれかに記載の製薬配合物。
【請求項22】
前記コアが、更にコロイド二酸化珪素を含む請求項4乃至21のいずれかに記載の製薬配合物。
【請求項23】
前記配合物が、少なくとも50質量/質量%のピリドキサール-5'-ホスフェートを含む請求項1乃至22のいずれかに記載の製薬配合物。
【請求項24】
前記配合物が、約60乃至約70質量/質量%のピリドキサール-5'-ホスフェートを含む請求項23記載の製薬配合物。
【請求項25】
前記配合物が、約66.3質量/質量%のピリドキサール-5'-ホスフェートを含む請求項24記載の製薬配合物。
【請求項26】
約65乃至約75質量/質量%のピリドキサール-5'-ホスフェート又は薬学的に許容しうるその塩、約20乃至30質量/質量%の微結晶セルロース、約2.0乃至約4.0質量/質量%のクロスカルメロースナトリウム、約3.0乃至約6.0質量/質量%のポビドン、約1.0乃至約4.0質量/質量%のタルク、約0.1乃至約1.0質量/質量%のコロイド二酸化珪素、及び約0.5乃至約1.5質量/質量%のステアリン酸マグネシウムを含む請求項4記載の製薬配合物。
【請求項27】
約66.3質量/質量%のピリドキサール-5'-ホスフェート又は薬学的に許容しうるその塩、約21.6質量/質量%の微結晶セルロース、約4.0質量/質量%のクロスカルメロースナトリウム、約4.7質量/質量%のポビドン、約2.0質量/質量%のタルク、約0.5質量/質量%のコロイド二酸化珪素、及び約1.0質量/質量%のステアリン酸マグネシウムを含む請求項4記載の製薬配合物。
【請求項28】
前記着色層が、Opadry(登録商標) Blue Fxである請求項4乃至27のいずれかに記載の製薬配合物。
【請求項29】
前記Opadry(登録商標) Blue Fxが、Opadry(登録商標) Blue Fxの約7.5質量/体積%分散液である請求項28記載の製薬組成物。
【請求項30】
前記製薬組成物が、約1.0乃至約3.0質量/質量%のOpadry(登録商標) Blue Fxを含む請求項28記載の製薬組成物。
【請求項31】
ピリドキサール-5'-ホスフェートのCmaxが、約0.1乃至約2mg/Lである請求項3記載の製薬組成物。
【請求項32】
少なくとも約50質量/質量%のピリドキサール-5'-ホスフェートを含むピリドキサール-5'-ホスフェート経口調剤を製造するためのプレブレンド。
【請求項33】
前記プレブレンドが、更に微結晶セルロースを含む請求項32記載のプレブレンド。
【請求項34】
前記プレブレンドが、更にクロスカルメロースナトリウムを含む請求項32又は33記載のプレブレンド。
【請求項35】
約82.7質量/質量%のピリドキサール-5'-ホスフェート、約14.8質量/質量%の微結晶セルロース、及び約2.5質量/質量%のクロスカルメロースナトリウムを含む請求項34記載のプレブレンド。
【請求項36】
前記微結晶セルロースが、約0.100mmの粒度を有する請求項33乃至35のいずれかに記載のプレブレンド。
【請求項37】
前記微結晶セルロースが、Avicel PH 102である請求項33乃至36のいずれかに記載のプレブレンド。
【請求項38】
前記プレブレンドが、更に、27乃至33のK値を有するポビドンを含む請求項32乃至37のいずれかに記載のプレブレンド。
【請求項39】
前記ポビドンが、PVP K30である請求項38記載のプレブレンド。
【請求項40】
ピリドキサール-5'-ホスフェートの経口調剤を調製する方法であって、
a)造粒バインダーを精製水に溶解させて造粒溶液を提供する工程、
b)少なくとも50質量/質量%のピリドキサール-5'-ホスフェート又は薬学的に許容しうるその塩を錠剤分解物質又は錠剤分解物質の混合物と混合してプレブレンドを提供する工程、
c)前記プレブレンドを前記造粒溶液と混合して造粒調合物を提供する工程、
d)前記造粒調合物を実質的に乾燥させる工程、
e)賦形剤を前記造粒調合物と混合して最終前のブレンド調合物を提供する工程、
f)前記最終前のブレンド調合物を潤滑剤と混合して最終ブレンド調合物を提供する工程、
g)前記最終ブレンド調合物をコアに圧縮する工程、
h)前記コアに下層を塗布して下層付きコアを提供する工程、及び
i)前記下層付きコアに腸溶性層を塗布する工程、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項41】
前記錠剤分解物質又は錠剤分解物質の混合物が、微結晶セルロースを含む請求項40記載の方法。
【請求項42】
前記微結晶セルロースが、約0.100mmの粒度を有する請求項41記載の方法。
【請求項43】
前記微結晶セルロースが、Avicel PH 102である請求項41又は42記載の方法。
【請求項44】
前記錠剤分解物質又は錠剤分解物質の混合物が、クロスカルメロースナトリウムを含む請求項40乃至43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
前記錠剤分解物質又は錠剤分解物質の混合物が、微結晶セルロース及びクロスカルメロースナトリウムを含む請求項44記載の方法。
【請求項46】
前記プレブレンドが、約8.0乃至20質量/質量%の微結晶セルロース及び約1.0乃至約4.0質量/質量%のクロスカルメロースナトリウムを含む請求項45記載の方法。
【請求項47】
前記造粒バインダーが、27乃至33のK値を有するポビドンを含む請求項40乃至46のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
前記造粒バインダーが、約4.7質量/質量%のポビドンを含む請求項40乃至47のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
前記ポビドンが、PVP K30である請求項47又は48記載の方法。
【請求項50】
前記シーリング層が、Opadry(登録商標)l-IR-7000 Whiteの約15質量/体積%分散液である請求項40乃至49のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
前記腸溶性層が、Acryl-EZE Whiteの約20質量/体積%分散液である請求項40乃至50のいずれかに記載の方法。
【請求項52】
前記ピリドキサール-5'-ホスフェート、微結晶セルロース、及びクロスカルメロースを高剪断ミキサーで混合してプレブレンドを提供する請求項45乃至51のいずれかに記載の方法。
【請求項53】
前記プレブレンドを高剪断ミキサー中で混合しつつ、前記造粒溶液を前記プレブレンドに噴射することにより前記プレブレンド及び前記造粒溶液を混合する請求項52記載の方法。
【請求項54】
工程(c)の後及び工程(d)の前に、1.27cm(0.5インチ)のスクリーンを具備するコニカルミルに前記造粒調合物を通過させる工程を更に含む請求項40乃至53のいずれかに記載の方法。
【請求項55】
前記造粒調合物は、60℃の流動層乾燥機を用いて乾燥させる請求項40乃至54のいずれかに記載の方法。
【請求項56】
工程(d)の後及び工程(e)の前に、20メッシュのスクリーンに前記造粒調合物を通過させ、次いで前記造粒調合物を拡散ブレンダー中で混合する工程を更に含む請求項40乃至55のいずれかに記載の方法。
【請求項57】
小さな拡散ブレンダーを用いて前記プレブレンド調合物を混合し、20メッシュのスクリーンに混合されたプレブレンド調合物を通過させる工程を更に含む請求項40乃至56のいずれかに記載の方法。
【請求項58】
拡散ブレンダーを用いて前記造粒調合物及びプレブレンド調合物を混合して最終前のブレンド調合物を製造する請求項40乃至57のいずれかに記載の方法。
【請求項59】
前記潤滑剤を前記最終前のブレンド調合物と混合する前に、30メッシュのスクリーンに潤滑剤を通過させる工程を更に含む請求項40乃至58のいずれかに記載の方法。
【請求項60】
拡散ブレンダーを用いて前記最終前のブレンド調合物及び前記潤滑剤を混合する請求項40乃至59のいずれかに記載の方法。
【請求項61】
前記潤滑剤が、ステアリン酸マグネシウムである請求項40乃至60のいずれかに記載の方法。
【請求項62】
前記工程(e)の賦形剤が、コロイド二酸化珪素を含む請求項40乃至61のいずれかに記載の方法。
【請求項63】
前記工程(e)の賦形剤が、約0.5質量/質量%のコロイド二酸化珪素を含む請求項40乃至62のいずれかに記載の方法。
【請求項64】
前記工程(e)の賦形剤が、タルクを含む請求項40乃至63のいずれかに記載の方法。
【請求項65】
前記工程(e)の賦形剤が、約2質量/質量%のタルクを含む請求項40乃至64のいずれかに記載の方法。
【請求項66】
前記工程(e)の賦形剤が、錠剤分解物質又は錠剤分解物質の混合物を含む請求項40乃至65のいずれかに記載の方法。
【請求項67】
前記錠剤分解物質又は錠剤分解物質の混合物が、微結晶セルロースを含む請求項66記載の方法。
【請求項68】
前記錠剤分解物質又は錠剤分解物質の混合物が、クロスカルメロースナトリウムを含む請求項66記載の方法。
【請求項69】
前記錠剤分解物質又は錠剤分解物質の混合物が、微結晶セルロース及びクロスカルメロースナトリウムを含む請求項66記載の方法。
【請求項70】
前記工程(e)の賦形剤が、約8.0乃至約20質量/質量%の微結晶セルロース及び約1.0乃至約4.0質量/質量のクロスカルメロースナトリウムを含む請求項40乃至69のいずれかに記載の方法。
【請求項71】
前記工程(e)の賦形剤が、約8.0乃至約12.0質量/質量%の微結晶セルロース、約1.0乃至約4.0質量/質量のクロスカルメロースナトリウム、約1.0乃至約4.0質量/質量のタルク、及び約0.1乃至約1.0質量/質量のコロイド二酸化珪素を含む請求項40乃至70のいずれかに記載の方法。
【請求項72】
前記ピリドキサール-5'-ホスフェート又は薬学的に許容しうるその塩が、約60乃至約70質量/質量%である請求項40乃至71のいずれかに記載の方法。
【請求項73】
前記ピリドキサール-5'-ホスフェート又は薬学的に許容しうるその塩が、約66.3質量/質量%である請求項40乃至72のいずれかに記載の方法。
【請求項74】
a)約4.7質量/質量%のポビドンを精製水に溶解させて造粒溶液を提供する工程、
b)約66.3質量/質量%のピリドキサール-5'-ホスフェート又は薬学的に許容しうるその塩を約11.9質量/質量%の微結晶セルロース及び約2.0質量/質量%のクロスカルメロースナトリウムと混合してプレブレンドを提供する工程、
c)前記プレブレンドを前記造粒溶液と混合して造粒調合物を提供する工程、
d)前記造粒調合物を実質的に乾燥させる工程、
e) 約9.7質量/質量%の微結晶セルロース、約2.0質量/質量のクロスカルメロースナトリウム、約2.0質量/質量のタルク、及び約0.5質量/質量のコロイド二酸化珪素を混合してプレブレンド調合物を提供する工程、
f)前記造粒調合物及び前記プレブレンド調合物を混合して最終前のブレンド調合物を提供する工程、
g)前記最終前のブレンド調合物を約1.0質量/質量%のステアリン酸マグネシウムと混合して錠剤成形用調合物を提供する工程、
h)前記錠剤成形用調合物をコアに圧縮する工程、
i)前記コアに下層を塗布して下層付きコアを提供する工程、及び
j)前記下層付きコアに腸溶性層を塗布する工程、
を含む請求項40乃至73のいずれかに記載の方法。
【請求項75】
有効量の請求項1乃至31のいずれかに記載の製薬組成物を投与する工程を含む、ピリドキサール-5'-ホスフェート又は薬学的に許容しうるその塩の経口投与に伴う嘔気嘔吐の発生を低下させる方法。
【請求項76】
ピリドキサール-5'-ホスフェート又は薬学的に許容しうるその塩の経口投与に伴う嘔気嘔吐の発生を低下させるための請求項1乃至31のいずれかに記載の製薬組成物の使用。
【請求項77】
有効量の請求項1乃至34のいずれかに記載の製薬組成物を投与することを含む、ピリドキサール-5'-ホスフェートを用いた治療の必要な患者における患者の薬剤服用順守を増大させる方法。
【請求項78】
ピリドキサール-5'-ホスフェートを用いた治療の必要な患者における患者の薬剤服用順守を増大させるための請求項1乃至31のいずれかに記載の製薬組成物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−521756(P2008−521756A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541619(P2007−541619)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【国際出願番号】PCT/CA2005/001809
【国際公開番号】WO2006/056078
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(502066591)メディキュア インターナショナル インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】MEDICURE INTERNATIONAL INC.
【Fターム(参考)】