説明

ピロロトリアジンキナーゼ阻害剤

本発明は、式(I)の化合物およびその医薬的に許容される塩を提供する。式(I)化合物は、Jak2およびCK2などのチロシンキナーゼ活性を阻害し、これにより癌およびその他の疾患の治療のための抗増殖剤として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、その開示全体が参照により本明細書に援用される2008年10月8日出願の米国特許仮出願第60/103,620号明細書による優先権の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、抗癌剤/抗増殖剤として有用である新規な化合物に関する。本発明はまた、癌などの増殖性疾患を治療する際のその化合物の使用方法に、およびその化合物を含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
プロテインキナーゼは、細胞増殖、発癌、アポトーシスおよび細胞分化を包含するいくつかの細胞機能のシグナル伝達において必要不可欠な役割を果たしている。これらの酵素の阻害剤は、これらの酵素に依存する増殖性疾患を治療および予防するために有用である。構成性分裂促進シグナル伝達をもたらす受容体型プロテインチロシンキナーゼの過剰発現または活性化がヒト悪性疾患数の増殖時に重要な因子であることは、疫学的証拠により確かに示唆されている。これらのプロセスに関与しているプロテインキナーゼには、Abl、CDK、EGF、EMT、FGF、FAK、Flk−1/KDR、Flt−3、GSK−3、GSKベータ−3、HER−2、IGF−1R、IR、Jak2、LCK、MET、PDGF、Src、Tie−2、TrkA、TrkB、SRC、CK2およびVEGFが包含される。したがって、チロシンキナーゼ酵素を調節または阻害するために使用することができる新規な化合物を研究することが引き続き必要とされている。プロテインキナーゼ酵素の阻害剤は、癌、糖尿病、再狭窄、動脈硬化症、乾癬、脈管形成疾患および免疫障害などの、チロシンキナーゼ活性の過剰発現またはアップレギュレーションにより特徴付けられる疾患を治療するために使用することができる(Powis, G.; Workman P. Signaling Targets For The Development of Cancer Drugs. Anti-Cancer Drug Design (1994年)、9: 263〜277; Merenmies, J.; Parada, L. F.; Henkemeyer, M. Receptor Tyrosine Kinase Signaling in Vascular Development. Cell Growth Differ (1997年) 8: 3〜10; Shawver, L. K.; Lipsosn, K. E.; Fong, T. A. T.; McMahon, G.; Plowman, G. D.; Strawn, L. M. Receptor Tyrosine Kinases As Targets For Inhibition of Angiogenesis. Drug Discovery Today (1997年) 2: 50〜63;これらは全て、参照により本明細書に援用される)。
【0004】
受容体型チロシンキナーゼ(RTK)は、細胞の細胞膜を貫通して生化学的シグナルを伝達する際に重要である。これらの膜貫通型分子は、特徴として、細胞膜中のセグメントを介して細胞内チロシンキナーゼドメインに結合する細胞外リガンド結合ドメインを含む。一般に、RTKは、PLCγ、PI3キナーゼ、rasおよびraf/MEK/Erk1などの特定の細胞内基質のリガンド−誘導オリゴマー化およびチロシン自己リン酸化により活性化する。チロシンキナーゼ活性は、この受容体クラスを介するシグナル伝達に必ず必要である。
【0005】
ヤヌスキナーゼ(Jak)は、サイトカイン受容体により介在されるシグナル伝達の統合により様々な細胞種の増殖、生存および分化を調節している。チロシンキナーゼのJakファミリーは、Tyk2、Jak1、Jak2およびJak3の4種のファミリーメンバーからなる。このキナーゼファミリーは、複数のJak(JH)相同性ドメインを包含する複数の構造的特徴を共有している。カルボキシ末端JH1ドメインは、偽キナーゼJH2ドメインに隣接する活性キナーゼドメインを含有する。これらのドメインに対するアミノ末端は、JH3〜4およびJH5〜7であり、これらはSH2およびFERMドメインにそれぞれ類似するドメインをコードしている。SH2様ドメインは、Jakファミリーメンバーの間で機能的に十分に特徴付けられていない一方で、JH5〜7からなるFERMドメインは、サイトカイン受容体への結合を介在することが判明している。サイトカイン受容体は、内在性キナーゼ活性を欠如し、リガンドが結合すると、Jakファミリーメンバーがこれらの受容体に補充され、活性化されて、受容体複合体上のチロシン残基および下流のシグナル伝達分子をリン酸化する。サイトカイン受容体シグナル伝達の鍵となる下流伝達物質は、シグナル伝達性転写活性化因子(STAT)タンパク質である。7種の哺乳動物STATタンパク質(STAT1、2、3、4、5a、5b、6および7)が存在し、これらは、サイトカイン受容体活性化の下流でシグナル伝達を統合する。サイトカイン受容体−Jak複合体に集積されると、STATはJakキナーゼにより、カルボキシル末端でチロシンリン酸化される。このリン酸化は、リン酸化チロシンおよびSH2ドメインの相互作用を介して、STATホモダイマーまたはヘテロダイマーの形成を生じる。二量体化を介する活性化の後に、STATタンパク質は核へと移行して、そこで、促進因子中の応答エレメントと結合して増殖および分化に関連するその他の重要な遺伝子の転写を活性化させる。STAT調節に加えて、Jak活性化はまた、IRS−1、Ras−MAPK、PI3KおよびSrcキナーゼにより介在される経路を包含する他の重要な増殖/生存経路を調節することも報告されている。
【0006】
Jakシグナル伝達の変化は様々な疾患で報告されている。白血病では、構成的に活性なJakキナーゼを生じる染色体の再構成(Tel−Jak2)が非定型慢性骨髄性白血病で観察されている。点変異の活性化が、急性巨核芽球性白血病ではJak3において、ならびに急性骨髄性白血病および真性赤血球増加症、本態性血小板増加症および骨髄様異形成などの骨髄増殖性障害ではJak2において観察されている。最近、JAK2突然変異(JAK2 V617F)は、真性赤血球増加症、本態性血小板減少症および骨髄線維症などの多様な骨髄増殖性疾患の原因であることが判明した。また、固形腫瘍におけるJakキナーゼの役割は、幅広い様々な癌において構成性Stat3活性化が多数報告されていることによっても支持される。観察されたSTAT3活性化へのJak活性の関与が薬理学的または遺伝的に証明されている乳房、前立腺、頭頚部および黒色腫の腫瘍種ならびに細胞系では、高いか、または構成的なSTAT3活性が観察されている。加えて、Jakシグナル伝達は、PI3K、Src、Bcl2およびRas−MAPKなどの他の重要なシグナル伝達経路の活性化を介して悪性形質転換に関与している。Jakシグナル伝達のこれらの重要な経路への関わりは、このキナーゼファミリーが広範囲の悪性疾患に関与する可能性を高めるものである。
【0007】
トロポミソシン(tropomysosin)関連キナーゼ(Trk)は、TrkA、TrkBおよびTrkCの3種のファミリーメンバーからなる受容体型チロシンキナーゼのファミリーである。Trkは、リガンドのニューロトロフィンファミリー(そのプロトタイプメンバーは、神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)ならびにニューロトロフィン−3、−4および−5(NT−3、NT−4およびNT−5)である)に高い親和性で結合して、それにより誘発されるシグナル伝達を介在する。加えて、全てのニューロトロフィン(NT)に低い親和性で結合し、ニューロトロフィンシグナル伝達を調節する酵素活性を欠いた補助受容体、p75が同定されている。中枢神経系および末梢神経系が発生する間のTrkおよびそのリガンドの重大な役割は、マウスにおける遺伝子破壊研究を通して確立されている。詳細には、TrkA−NGF相互作用は、介在する疼痛シグナル伝達に関与するある種の末梢神経集団の生存に必要であることが判明した。Trkシグナル伝達のこれらの発生の結果に加えて、ある種の悪性疾患におけるこの受容体およびそのシグナル伝達経路の破壊もまた、発表されている。特筆すべきは、ヒト前立腺癌および膵管腺癌の発生および進行ならびに急性骨髄性白血病(AML)、甲状腺癌および乳癌におけるTrkの活性化染色体配列換えならびに結腸腫瘍において構成的活性化していると予測される受容体点突然変異にNGFおよびTrkA受容体型キナーゼの異常な発現が関与しているという報告である。これらの活性化機構に加えて、Trk受容体およびリガンドの増加は、多発性骨髄腫、黒色腫、神経芽細胞種、卵巣および膵臓癌腫を包含する様々な腫瘍種においても報告されている。ニューロトロフィンおよびその対応するTrk受容体サブタイプは、腫瘍侵襲性および走化性の増大、アポトーシスの活性化、クローン増殖の刺激および細胞形態の変化を包含する様々な多面応答を悪性細胞で発揮することが判明している。これらの作用は、前立腺、乳房、甲状腺、結腸の腫瘍、悪性黒色腫、肺癌、神経膠芽細胞種、膵臓癌ならびにウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫および髄芽細胞腫を包含する幅広い様々な小児および神経外胚葉由来腫瘍において観察されている。ニューロトロフィンおよびその受容体サブタイプは、癌腫細胞ならびに周囲実質組織および間質組織が関わる自己分泌またはパラ分泌機構を介してこれらの癌に関与している。さらに、最近では、抗NGF抗体を利用することにより、前立腺癌転移が原因の骨痛が著しく、または相当程度に軽減された。全般に、多数の腫瘍種におけるTrkシグナル伝達の発癌特性により、そのTrk受容体シグナル伝達の調節は、様々な悪性疾患において可能性のある魅力的な治療介入ポイントになっている。
【0008】
RTKのTrkファミリーは、肺、乳房、膵臓および前立腺の癌で、さらにはある種の急性骨髄性白血病および先天性線維肉腫において多く発現される。Trkのチロシンキナーゼ活性は、細胞増殖機構の未制御な活性化を促進すると考えられる。TrkA、TrkBまたはTrkCキナーゼの阻害剤は、別々に、または組合せで、脳、黒色腫、多発性骨髄腫、扁平上皮細胞、膀胱、胃、膵臓、乳房、頭部、頚部、食道、前立腺、結腸直腸、肺、腎臓、卵巣、女性生殖器、甲状腺の癌およびある種の血液悪性疾患などのいずれかの最も一般的な癌に対して有用性を示すと考えられる。
【0009】
カゼインキナーゼ2(CK2)は、いくつかの発癌または腫瘍抑制タンパク質の安定性の調節に関与しているセリン/スレオニンキナーゼである。癌細胞におけるシグナル伝達経路の重要な成分として確立されているβカテニンおよびc−Mycなどのタンパク質は、CK2によりリン酸化されることが判明しており、これらのリン酸化事象は、これらのタンパク質を安定化するために必要であることが推定されている。PMLおよびPTENなどの腫瘍抑制タンパク質もまた、CK2によりリン酸化されることが示されており、これらの修飾により、これらのタンパク質の分解を促進することが示唆される。低分子などによるCK2酵素活性の阻害は、発癌遺伝子産物の脱安定化、さらに、腫瘍抑制タンパク質の安定化を生じ、結果として腫瘍細胞において抗増殖効果を生じ得る。
【0010】
その他の重要なキナーゼファミリーは、キナーゼのSrcファミリーである。これらのキナーゼは、癌、免疫系機能不全および骨再形成疾患に関与している。一般的な総説については、ThomasおよびBrugge、Annu. Rev. Cell Dev. Biol. (1997年) 13、513; LawrenceおよびNiu、 Pharmacol. Ther. (1998年) 77、 81; TatosyanおよびMizenina、 Biochemistry (Moscow) (2000年) 65、49; Boschelli et al.、Drugs of the Future 2000、 25(7)、 717、(2000年)を参照のこと。Srcファミリーのメンバーには、哺乳動物において下記の8種のキナーゼ:Src、Fyn、Yes、Fgr、Lyn、Hck、LckおよびBlkが含まれる。
【0011】
米国特許出願公開第20080045496号明細書は、Trk受容体キナーゼを開示している。この公開公報中の実施例74を下記に示す。かかる化合物は、JAK2に対しては0.031μMのIC50およびJAK3に対しては0.46μMのIC50を有する。
【化1】

【発明の概要】
【0012】
発明の詳細な説明
本発明は、式Iの化合物、かかる化合物を使用する医薬組成物、およびかかる化合物を使用する方法を提供する。
【0013】
本発明では、式I
【化2】

(I)
[式中、
1は、水素、0〜3個のRaで置換されているC1〜6アルキル、0〜3個のRaで置換されているC3〜6シクロアルキル、0〜3個のRaで置換されているC6〜10アリールまたは−CONR1213であり;
2およびR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピペラジニルまたはジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル環を形成しており;ここで、前記環は、−COR14、−C(O)−C(O)−R14、−SO214の少なくとも1個で置換されており、前記環はまた、0〜3個のRaで置換されており;
7およびR8は独立して、水素、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキルまたは(CH2r−フェニルであり;あるいは、R7およびR8は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5員〜10員のヘテロ環を形成しており;
12およびR13は独立して、水素、Raで適宜置換されているC1〜6アルキル、Raで適宜置換されているC3〜6シクロアルキル、0〜3個のRaで置換されているC6〜10アリールまたはN、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有し、0〜3個のRaで置換されている5員〜10員のヘテロ環基であるか;
あるいは、R12およびR13は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4員〜8員の環を形成しており、ここで、前記環は、−N−、−S−および−O−から選択される1個または複数のさらなるヘテロ原子を所望により含有し;前記環は、0〜1個の水素、−OHまたは0〜5個のRaで適宜置換されているC1〜6アルキルで置換されており;
14は、水素、0〜3個のR14aで置換されているC1〜6アルキル、0〜3個のR14aで置換されているC1〜6アルケニル、0〜3個のR14aで置換されているC1〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキル、0〜3個のR14aで置換されている(CHR)r−C3〜6シクロアルキル;0〜3個のR14aで置換されているビシクロ[4.2.0]オクタトリエニル、0〜3個のR14aで置換されているインデニル、0〜3個のR14aで置換されているインダノニル;0〜5個のR14aで置換されている−(CH2r−C6〜10アリールまたはN、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有し、0〜3個のR14aで置換されている−(CH2r−5員〜10員のヘテロ環基であり、
14aは、F、Cl、Br、OCF3、CF3、CHF2、CN、NO2、−(CH2rORb、−(CH2rSRb、−(CH2rC(O)Rb、−(CH2rC(O)ORb、−(CH2rOC(O)Rb、−(CH2rNR78、−(CH2rC(O)NR78、−(CH2rNRbC(O)Rb、−(CH2rNRbC(O)ORc、−NRbC(O)NR78、−S(O)pNR78、−NRbS(O)pc、−S(O)Rc、−S(O)2c、0〜1個のRaで置換されているC1〜6アルキル、0〜1個のRaで置換されているC1〜6アルケニル、0〜1個のRaで置換されているC1〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキル、0〜2個のRaで適宜置換されている−(CH2r−3員〜14員の炭素環または炭素原子ならびにN、OおよびS(O)pから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む−(CH2r−5員〜7員のヘテロサイクルであり、ここで、前記ヘテロサイクルは、0〜2個のRaで置換されており;
aは、水素、F、Cl、Br、OCF3、CF3、CHF2、CN、NO2、−(CH2rORb、−(CH2rSRb、−(CH2rC(O)Rb、−(CH2rC(O)ORb、−(CH2rOC(O)Rb、−(CH2rNR78、−(CH2rC(O)NR78、−(CH2rNRbC(O)Rc、−(CH2rNRbC(O)ORc、−NRbC(O)NR78、−S(O)pNR78、−NRbS(O)pc、−S(O)Rc、−S(O)2c、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、−(CH2r−3員〜14員の炭素環または炭素原子ならびにN、OおよびS(O)pから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む−(CH2r−5員〜7員のヘテロサイクルであり;
bは、水素、0〜2個のRdで置換されているC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、0〜2個のRdで置換されているC3〜6シクロアルキルまたは0〜2個のRdで置換されている(CH2r−フェニルであり;
cは、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキルまたは(CH2r−フェニルであり;
dは、水素、F、Cl、Br、OCF3、CF3、CN、NO2、−ORe、−(CH2)rC(O)Rb、−NRee、−NReC(O)ORc、C1〜6アルキルまたは(CH2r−フェニルであり;
eは、水素、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキルまたは(CH2r−フェニルであり;
Rはそれぞれ独立して、H、C1〜6アルキル、(CH2r3〜6シクロアルキルまたは(CH2rフェニルからであり;
pは、0、1または2であり;
rは、0、1、2、3または4である]
の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、あるいは薬学的に許容されるその塩または立体異性体を開示する。
【0014】
本発明の他の実施形態では、式I
【化3】

(I)
[式中、
1は、水素、0〜3個のRaで置換されているC1〜6アルキル、0〜3個のRaで置換されているC3〜6シクロアルキル、0〜3個のRaで置換されているC6〜10アリールまたは−CONR1213であり;
2およびR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピペラジニルまたはジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル環を形成しており;ここで、前記環は、−COR14、−C(O)−C(O)−R14、−SO214の少なくとも1個で置換されており、前記環はまた、0〜3個のRaで置換されており;
7およびR8は独立して、水素、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキルまたは(CH2r−フェニルであり;あるいは、R7およびR8は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5員〜10員のヘテロ環を形成しており;
12およびR13は独立して、水素、Raで適宜置換されているC1〜6アルキル、Raで適宜置換されているC3〜6シクロアルキル、0〜3個のRaで置換されているC6〜10アリールまたはN、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有し、0〜3個のRaで置換されている5員〜10員のヘテロ環基であるか;
あるいは、R12およびR13は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4員〜8員の環を形成しており、ここで、前記環は、−N−、−S−および−O−から選択される1個または複数のさらなるヘテロ原子を所望により含有し;前記環は、0〜1個の水素、−OHまたは0〜5個のRaで適宜置換されているC1〜6アルキルで置換されており;
14は、水素、0〜3個のR14aで置換されているC1〜6アルキル、0〜3個のR14aで置換されているC1〜6アルケニル、0〜3個のR14aで置換されているC1〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキル、0〜3個のR14aで置換されている(CHR)r−C3〜6シクロアルキル、0〜5個のR14aで置換されている−(CH2r−C6〜10アリールまたはN、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有し、0〜3個のR14aで置換されている−(CH2r−5員〜10員のヘテロ環基であり、
14aは、F、Cl、Br、OCF3、CF3、CHF2、CN、NO2、−(CH2rORb、−(CH2rSRb、−(CH2rC(O)Rb、−(CH2rC(O)ORb、−(CH2rOC(O)Rb、−(CH2rNR78、−(CH2rC(O)NR78、−(CH2rNRbC(O)Rb、−(CH2rNRbC(O)ORc、−NRbC(O)NR78、−S(O)pNR78、−NRbS(O)pc、−S(O)Rc、−S(O)2c、0〜1個のRaで置換されているC1〜6アルキル、0〜1個のRaで置換されているC1〜6アルケニル、0〜1個のRaで置換されているC1〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキル、0〜2個のRaで適宜置換されている−(CH2r−3員〜14員の炭素環または炭素原子ならびにN、OおよびS(O)pから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む−(CH2r−5員〜7員のヘテロサイクルであり、ここで、前記ヘテロサイクルは、0〜2個のRaで置換されており;
aは、水素、F、Cl、Br、OCF3、CF3、CHF2、CN、NO2、−(CH2rORb、−(CH2rSRb、−(CH2rC(O)Rb、−(CH2rC(O)ORb、−(CH2rOC(O)Rb、−(CH2rNR78、−(CH2rC(O)NR78、−(CH2rNRbC(O)Rc、−(CH2rNRbC(O)ORc、−NRbC(O)NR78、−S(O)pNR78、−NRbS(O)pc、−S(O)Rc、−S(O)2c、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、−(CH2r−3員〜14員の炭素環または炭素原子ならびにN、OおよびS(O)pから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む−(CH2r−5員〜7員のヘテロサイクルであり;
bは、水素、0〜2個のRdで置換されているC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、0〜2個のRdで置換されているC3〜6シクロアルキルまたは0〜2個のRdで置換されている(CH2r−フェニルであり;
cは、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキルまたは(CH2r−フェニルであり;
dは、水素、F、Cl、Br、OCF3、CF3、CN、NO2、−ORe、−(CH2)rC(O)Rb、−NRee、−NReC(O)ORc、C1〜6アルキルまたは(CH2r−フェニルであり;
eは、水素、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキルまたは(CH2r−フェニルであり;
Rはそれぞれ独立して、H、C1〜6アルキル、(CH2r3〜6シクロアルキルまたは(CH2rフェニルからであり;
pは、0、1または2であり;
rは、0、1、2、3または4である]
の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、あるいは薬学的に許容されるその塩もしくは立体異性体を開示する。
【0015】
他の実施形態には、式(I)
[式中、
2およびR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、環を形成しており、前記環が:
【化4】


【化5】


【化6】

、または
【化7】

であり、前記環がまた、0〜2個のRaで置換されている]
の化合物が存在する。
【0016】
他の実施形態には、式(I)
[式中、
1は、水素、C1〜4アルキル、0〜1個のRaで置換されているC3〜6シクロアルキルまたは−CONR1213であり;
12およびR13は、水素、C1〜6アルキルまたはC3〜6シクロアルキルである]
の化合物が存在する。
【0017】
他の実施形態には、式(I)
[式中、
7およびR8は独立して、水素、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキルまたは(CH2r−フェニルである]
の化合物が存在する。
【0018】
他の実施形態には、式(I)
[式中、
14は、水素、0〜3個のR14aで置換されているC1〜6アルキル;0〜3個のR14aで置換されているC1〜6アルケニル;0〜3個のR14aで置換されている(CHR)r−C3〜6シクロアルキル(ここで、前記シクロアルキルは、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである);0〜5個のR14aで置換されている−(CH2r−C6〜10アリール(ここで、前記アリールは、フェニル、ビシクロ[4.2.0]オクタトリエニル、インデニル、インダノニルである);またはN、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有し、0〜3個のR14aで置換されている−(CH2r−5員〜10員のヘテロ環基であり、
14aは、F、Cl、Br、OCF3、CF3、CHF2、CN、NO2、−(CH2rORb、−(CH2rSRb、−(CH2rC(O)Rb、−(CH2rC(O)ORb、−(CH2rOC(O)Rb、−(CH2rNR78、−(CH2rC(O)NR78、−(CH2rNRbC(O)Rb、−(CH2rNRbC(O)ORc、−NRbC(O)NR78、−S(O)pNR78、−NRbS(O)pc、−S(O)Rc、−S(O)2c、0〜1個のRaで置換されているC1〜6アルキル、0〜1個のRaで置換されているC1〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキル、0〜2個のRaで適宜置換されている−(CH2r−3員〜14員の炭素環(ここで、前記炭素環式残基は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フルオレニルまたはフェニルである)または炭素原子ならびにN、OおよびS(O)pから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む−(CH2r−5員〜7員のヘテロサイクル(ここで、前記ヘテロサイクルは、0〜2個のRaで置換されており、前記ヘテロサイクルは、ピリジル、ピリジニル、イソオキサジル、チエニル、ピラゾリル、フラニル、ピロリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、チアジアゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、インダノニル、ピペラジニル、ピラニルまたはピロリルである)である]
の化合物が存在する。
【0019】
他の実施形態には、式(I)
[式中、
14は、水素、0〜3個のR14aで置換されているC1〜6アルキル;0〜3個のR14aで置換されているC1〜6アルケニル;0〜3個のR14aで置換されている(CHR)r−C3〜6シクロアルキル(ここで、前記シクロアルキルは、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである);0〜5個のR14aで置換されている−(CH2r−C6〜10アリール(ここで、前記アリールは、フェニルである);ビシクロ[4.2.0]オクタトリエニル、インデニル、インダノニル;またはN、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有し、0〜3個のR14aで置換されている−(CH2r−5員〜10員のヘテロ環基であり、
14aは、F、Cl、Br、OCF3、CF3、CHF2、CN、NO2、−(CH2rORb、−(CH2rSRb、−(CH2rC(O)Rb、−(CH2rC(O)ORb、−(CH2rOC(O)Rb、−(CH2rNR78、−(CH2rC(O)NR78、−(CH2rNRbC(O)Rb、−(CH2rNRbC(O)ORc、−NRbC(O)NR78、−S(O)pNR78、−NRbS(O)pc、−S(O)Rc、−S(O)2c、0〜1個のRaで置換されているC1〜6アルキル、0〜1個のRaで置換されているC1〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキル、0〜2個のRaで適宜置換されている−(CH2r−3員〜14員の炭素環(ここで、前記炭素環式残基は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フルオレニルまたはフェニルである)または炭素原子ならびにN、OおよびS(O)pから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む−(CH2r−5員〜7員のヘテロサイクル(ここで、前記ヘテロサイクルは、0〜2個のRaで置換されており、前記ヘテロサイクルは、ピリジル、ピリジニル、イソオキサジル、チエニル、ピラゾリル、フラニル、ピロリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、チアジアゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、インダノニル、ピペラジニル、ピラニルまたはピロリルである)である]
の化合物が存在する。
【0020】
他の実施形態には、式(I)
[式中、rは0、1または2である]
の化合物が存在する。
【0021】
他の実施形態には、式(I)
[式中、
14は、水素、0〜3個のR14aで置換されているC1〜6アルキル;C1〜6アルケニル;0〜3個のR14aで置換されている(CHR)r−C3〜6シクロアルキル(ここで、前記シクロアルキルは、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである);0〜5個のR14aで置換されている−(CH2r−C6〜10アリール(ここで、前記アリールは、フェニル、ビシクロ[4.2.0]オクタトリエニル、インデニル、インダノニルである);またはN、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有し、0〜3個のR14aで置換されている−(CH2r−ヘテロ環基(ここで、前記ヘテロ環基は、ピリジル、ピリジニル、イソオキサジル、チエニル、ピラゾリル、フラニル、ピロリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、チアジアゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、インダノニル、ピペラジニル、ピラニルまたはピロリルである)であり、
14aは、F、Cl、Br、OCF3、CF3、CHF2、CN、NO2、−ORb、−C(O)Rb、−C(O)ORb、−OC(O)Rb、−(CH2rNR78、−C(O)NR78、−NRbC(O)Rb、−NRbC(O)ORc、−C(O)NR78、−S(O)pNR78、−NRbS(O)pc、−S(O)Rc、−S(O)2c、0〜1個のRaで置換されているC1〜6アルキル、−C≡CH、C1〜2ハロアルキル、0〜2個のRaで適宜置換されている−(CH2r−3員〜7員の炭素環(ここで、前記炭素環式残基は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フルオレニルまたはフェニルである)または炭素原子ならびにN、OおよびS(O)pから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む−(CH2r−5員〜7員のヘテロサイクル(ここで、前記ヘテロサイクルは、0〜2個のRaで置換されており、前記ヘテロサイクルは、ピリジル、ピリジニル、イソオキサジル、チエニル、ピラゾリル、フラニル、ピロリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、チアジアゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、インダノニル、ピペラジニル、ピラニルまたはピロリルである)である]
の化合物が存在する。
【0022】
他の実施形態には、式(I)
[式中、
14は、水素、0〜3個のR14aで置換されているC1〜6アルキル;C1〜6アルケニル;0〜3個のR14aで置換されている(CHR)r−C3〜6シクロアルキル(ここで、前記シクロアルキルは、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである);0〜5個のR14aで置換されている−(CH2r−C6〜10アリール(ここで、前記アリールは、フェニル、ビシクロ[4.2.0]オクタトリエニル、インデニル、インダノニルである);またはN、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有し、0〜3個のR14aで置換されている−(CH2r−ヘテロ環基(ここで、前記ヘテロ環基は、ピリジル、ピリジニル、ピペリジニル、イソオキサジル、チエニル、ピラゾリル、フラニル、ピロリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、チアジアゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、インダノニル、ピペラジニル、ピラニルまたはピロリルである)であり、
14aは、F、Cl、Br、OCF3、CF3、CHF2、CN、NO2、−(CH2rORb、−C(O)Rb、−C(O)ORb、−OC(O)Rb、−(CH2rNR78、−C(O)NR78、−NRbC(O)Rb、−NRbC(O)ORc、−C(O)NR78、−S(O)pNR78、−NRbS(O)pc、−S(O)Rc、−S(O)2c、0〜1個のRaで置換されているC1〜6アルキル、−C≡CH、C1〜2ハロアルキル、0〜2個のRaで適宜置換されている−(CH2r−3員〜7員の炭素環(ここで、前記炭素環式残基は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フルオレニルまたはフェニルである)または炭素原子ならびにN、OおよびS(O)pから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む−(CH2r−5員〜7員のヘテロサイクル(ここで、前記ヘテロサイクルは、0〜2個のRaで置換されており、前記ヘテロサイクルは、ピリジル、ピリジニル、イソオキサジル、チエニル、ピラゾリル、フラニル、ピロリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、チアジアゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、インダノニル、ピペラジニル、ピラニルまたはピロリルである]の化合物が存在する。
【0023】
他の実施形態には、1種類または複数の式(I)の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物が存在する。
【0024】
他の実施形態には、白血病、骨髄増殖性障害および/または血液障害を治療する方法が存在し、この方法は、それを必要とする哺乳動物種に、治療有効量の1種類または複数の式(I)の化合物を投与することを含む。
【0025】
他の実施形態には、式(I)
[式中、
2およびR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、環を形成しており、前記環が、
【化8】

であり、前記環がまた、0〜2個のRaで置換されている]
の化合物が存在する。
【0026】
他の実施形態には、式(I)
[式中、
1は、水素、C1〜4アルキル、0〜1個のRaで置換されているC3〜6シクロアルキルであり;
12およびR13は、水素、C1〜6アルキルまたはC3〜6シクロアルキルである]
の化合物が存在する。
【0027】
他の実施形態では、R1は、C1〜4アルキル、0〜1個のRaで置換されているC3〜6シクロアルキルまたは−CONR1213である。
【0028】
他の実施形態では、R1は、メチル、0〜1個のメチルもしくはトリフルオロメチルで置換されているシクロプロピルまたは−CONR1213である。
【0029】
他の実施形態では、R12およびR13は、水素、メチル、エチルまたはシクロプロピルである。
【0030】
他の実施形態では、R14は、0〜3個のR14aで置換されているC1〜6アルキル;C1〜6アルケニル;0〜3個のR14aで置換されている(CHR)r−C3〜6シクロアルキル(ここで、前記シクロアルキルは、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである);0〜5個のR14aで置換されている−(CH2r−C6〜10アリール(ここで、前記アリールは、フェニル、ビシクロ[4.2.0]オクタトリエニル、インデニル、インダノニルである);またはN、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有し、0〜3個のR14aで置換されている−(CH2r−ヘテロ環基(ここで、前記ヘテロ環基は、ピリジル、ピリジニル、イソオキサジル、チエニル、ピラゾリル、フラニル、ピロリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、チアジアゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、インダノニル、ピペラジニル、ピラニルまたはピロリルである)である。
【0031】
他の実施形態では、R14aは、F、Cl、Br、OCF3、CF3、CHF2、CN、NO2、−ORb、−C(O)Rb、−C(O)ORb、−OC(O)Rb、−(CH2rNR78、−C(O)NR78、−NRbC(O)Rb、−NRbC(O)ORc、−C(O)NR78、−S(O)pNR78、−NRbS(O)pc、−S(O)Rc、−S(O)2c、0〜1個のRaで置換されているC1〜6アルキル、−C≡CH、C1〜2ハロアルキル、0〜2個のRaで適宜置換されている−(CH2r−3員〜4員の炭素環(ここで、前記炭素環式残基は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フルオレニルまたはフェニルである);または0〜2個のRaで置換されているピラゾリルである。
【0032】
他の実施形態では、R14aは、F、Cl、Br、OCF3、CF3、CHF2、CN、NO2、−ORb、−NRbC(O)Rb、−NRbC(O)ORc、−S(O)Rc、−S(O)2c、0〜1個のRaで置換されているC1〜6アルキル、−C≡CH、C1〜2ハロアルキル、0〜2個のRaで適宜置換されている−(CH2r−3員〜7員の炭素環(ここで、前記炭素環式残基は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フルオレニルまたはフェニルである);または0〜2個のRaで置換されているピラゾリルである。
【0033】
他の実施形態では、本発明は、薬学的に許容される担体と、少なくとも1種類の本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグとを含む医薬組成物を提供する。
【0034】
他の実施形態では、本発明は、薬学的に許容される担体と、治療有効量の少なくとも1種類の本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグとを含む医薬組成物を提供する。
【0035】
他の実施形態では、本発明は、増殖性障害および/または癌を治療する方法を提供し、この方法は、そのような治療を必要とする患者に、治療有効量の少なくとも1種類の本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを、少なくとも1種類の他の抗癌剤またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグと組み合わせて投与することを含む。
【0036】
他の実施形態では、本発明は、増殖性障害および/または癌を治療する方法を提供し、この方法は、そのような治療を必要とする患者に、治療有効量の少なくとも1種類の本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与することを含む。
【0037】
他の実施形態では、本発明は、増殖性障害および/または癌の治療を必要とする患者を治療する方法を提供し、この方法は、本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ形態を増殖性障害および/または癌を治療するのに有効量で投与することを含む。
【0038】
他の実施形態では、本発明は、骨髄増殖性疾患(真性赤血球増加症、本態性血小板減少症、骨髄線維症)、膵臓、前立腺、肺、頭頚部、乳房、結腸、卵巣、胃の癌の固形腫瘍、さらに、多発性骨髄腫、黒色腫、神経芽細胞腫、神経膠芽細胞腫を包含する他の腫瘍種および急性骨髄性白血病などの血液悪性疾患を治療する方法を提供する。
【0039】
他の実施形態では、本発明は、本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ形態を増殖性障害および/または癌を治療するのに有効量で投与することを含む新規な方法を提供する。
【0040】
他の実施形態では、本発明は、療法において使用するための本発明の化合物を提供する。
【0041】
他の実施形態では、本発明は、増殖性障害および/または癌を治療するための療法において使用するための本発明の化合物を提供する。
【0042】
他の実施形態では、本発明はまた、増殖性障害および/または癌を治療するための医薬品を製造するための本発明の式Iの化合物の使用も提供する。
【0043】
本発明を、本発明の精神または本質的属性から逸脱することなく、他の具体的な形態で実施することができる。本発明は、本明細書に記載されている本発明の好ましい態様の全ての組合せを包含する。本発明のいずれの全ての実施形態は、いずれかその他の実施形態(複数可)と組み合わせてさらにより好ましい実施形態を記載され得ることが理解される。また、好ましい実施形態のそれぞれ個々の要素が、それ自体独立した好ましい実施形態であることも理解されるべきである。さらに、実施形態のいずれの要素は、いずれかの実施形態からのいずれか全ての他の要素と組み合わされてさらなる実施形態を記載するものとされる。
【発明を実施するための形態】
【0044】
定義
下記は、本明細書で使用することのある用語の定義である。本明細書中の基または用語に関して示される当初の定義は、別段に示されていない限り、個々に、または他の基の一部として、本明細書を通してその基または用語に適用される。
【0045】
本発明の化合物は、1つまたは複数の不斉中心を有することがある。別段に示されていない限り、本発明の化合物の全てのキラル(鏡像異性およびジアステレオ異性)およびラセミ型が、本発明に包含される。オレフィン、C=N二重結合などの多くの幾何異性体もまた、化合物には存在し得、このような安定な異性体全てが、本発明では企図されている。本発明の化合物のシスおよびトランス幾何異性体が記載されており、異性体の混合物として、または別々の異性体型として単離することができる。本化合物は、光学的に活性か、またはラセミ型で単離することができる。ラセミ型を分割するか、または光学的に活性な出発物質から合成することなどによる、光学的に活性な型を調製する方法が当技術分野ではよく知られている。特定の立体化学または異性体型が特に示されていない限り、構造の全てのキラル(鏡像異性およびジアステレオ異性)およびラセミ型および全ての幾何異性体型が意図されている。
【0046】
本明細書で使用される場合、「置換」という用語は、示されている原子の規定の原子価は超えずに、その置換が安定な化合物をもたらすことを条件として、所定の原子上の任意の1個または複数の水素が、示される基から選択されたもので置き換えられていることを意味する。置換基がケト(即ち、=O)である場合、原子上の2つの水素が置き換えられている。ケト置換基は、芳香族部分には存在しない。環二重結合は、本明細書で使用される場合、2個の隣接する環原子の間で形成される二重結合である(例えば、C=C、C=NまたはN=N)。
【0047】
いずれかの変数記号(例えば、R3)が、化合物の任意の成分または式において1回より多く現れている場合、その定義はそれぞれ、他に示されるいずれの定義からも独立している。したがって、例えば、基が、0〜2個のR3で置換されていると示される場合、前記基は、2個までのR3基で適宜置換されていてよく、R3はそれぞれ独立して、R3の定義から選択される。また、そのような組合せが安定な化合物をもたらす場合にのみ、置換基および/または変数記号の組合せも認められ得る。
【0048】
置換基への結合が環中の2個の原子を繋ぐ結合を交差するように示されている場合、かかる置換基は、環上の原子のいずれにも結合されてもよい。そのような置換基が、示されている式の化合物の基にどの原子を介して結合しているかが示されずに、置換基が挙げられている場合、そのような置換基は、そのような置換基中の任意の原子を介して結合し得る。そのような組合せが安定な化合物をもたらす場合にのみ、置換基および/または変数記号の組合せが認められ得る。
【0049】
本発明の化合物上に窒素原子(例えば、アミン)が存在する場合、これらを、酸化剤(例えば、MCPBAおよび/または過酸化水素)で処理することによりN−オキシドに変換して、本発明の他の化合物を得ることができる。したがって、示されていて、請求されている窒素原子は全て、示されている窒素とそのN−オキシド(N→O)誘導体の両方を包含すると考えられる。
【0050】
本明細書で使用される場合、「アルキル」または「アルキレン」という用語は、特定の数の炭素原子を有する分枝鎖および直鎖両方の飽和脂肪族炭化水素基を包含することが意図されている。例えば、「C1〜10アルキル」(またはアルキレン)は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9およびC10アルキル基を包含することが意図されている。加えて、例えば、「C1〜C6アルキル」は、1から6個の炭素原子を有するアルキルを示す。アルキル基は、非置換であってよいか、またはその水素の1個または複数が他の化学基により置き換えられているように置換されていてよい。アルキル基の例には、これらに限られないが、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例えば、n−プロピルおよびイソプロピル)、ブチル(例えば、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル)、ペンチル(例えば、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル)などが包含される。
【0051】
「アルケニル」または「アルケニレン」は、直鎖または分枝鎖配置で、鎖に沿って任意の安定なポイントで生じ得る1つまたは複数の二重炭素−炭素結合を有する炭化水素鎖を包含することが意図されている。例えば、「C2〜6アルケニル」(またはアルケニレン)は、C2、C3、C4、C5およびC6アルケニル基を包含することが意図されている。アルケニルの例には、これらに限られないが、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニル、3、ペンテニル、4−ペンテニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、2−メチル−2−プロペニル、4−メチル−3−ペンテニルなどが包含される。
【0052】
「アルキニル」または「アルキニレン」は、直鎖または分枝鎖配置で、鎖に沿って任意の安定なポイントで生じ得る1つまたは複数の三重炭素−炭素結合を有する炭化水素鎖を包含することが意図されている。例えば、「C2〜6アルキニル」(またはアルキニレン)は、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどのC2、C3、C4、C5およびC6アルキニル基を包含することが意図されている。
【0053】
「置換アルキル」という用語は、例えば、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、オキソ、アルカノイル、アリールオキシ、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、二置換アミン(ここで、2個のアミノ置換基はアルキル、アリールまたはアリールアルキルから選択される);アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、置換アルカノイルアミノ、置換アリールアミノ、置換アラルカノイルアミノ、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アルキルチオノ、アリールチオノ、アリールアルキルチオノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリールアルキルスルホニル、スルホンアミド、例えばSO2NH2、置換スルホンアミド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバミル、例えばCONH2、置換カルバミル、例えばCONHアルキル、CONHアリール、CONHアリールアルキルまたは窒素上にアルキル、アリールまたはアリールアルキルから選択される2個の置換基が存在する場合;アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、グアニジノ、ヘテロシクリル、例えば、インドリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジル、ピリジル、ピリミジル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ホモピペラジニルなどおよび置換ヘテロシクリルなどの1から4個の置換基により置換されているアルキル基を意味する。上記のとおり、置換基がさらに置換されている場合、それは、アルキル、アルコキシ、アリールまたはアリールアルキルで置換されている。
【0054】
「ハロ」または「ハロゲン」には、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードが包含される。「ハロアルキル」は、規定の数の炭素原子を有し、1個以上のハロゲンで置換されている分枝鎖および直鎖両方の飽和脂肪族炭化水素基を包含することが意図されている。ハロアルキルの例には、これらに限られないが、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピルおよびヘプタクロロプロピルが包含される。ハロアルキルの例にはまた、特定の数の炭素原子を有し、1個以上のフッ素原子で置換されている分枝鎖および直鎖両方の飽和脂肪族炭化水素基を包含することが意図されている「フルオロアルキル」が包含される。
【0055】
「シクロアルキル」という用語は、単環式、二環式または多環式環基を包含する環化アルキル基を意味する。C3〜7シクロアルキルは、C3、C4、C5、C6およびC7シクロアルキル基を包含することが意図されている。シクロアルキル基の例には、これらに限られないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニルなどが包含される。本明細書で使用される場合、「炭素環」または「炭素環式基」は、いずれも飽和、部分不飽和、不飽和または芳香族であってよい任意の安定な3員、4員、5員、6員もしくは7員の単環式もしくは二環式または7員、8員、9員、10員、11員、12員もしくは13員の二環式もしくは三環式環を意味することが意図されている。このような炭素環の例には、これらに限られないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘプテニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、アダマンチル、シクロオクチル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、[3.3.0]ビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、[4.4.0]ビシクロデカン、[2.2.2]ビシクロオクタン、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチル、アントラセニルおよびテトラヒドロナフチル(テトラリン)が包含される。上記で示されている通り、架橋環もまた、炭素環の定義に包含される(例えば、[2.2.2]ビシクロオクタン)。好ましい炭素環は、別段に規定されていない限り、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニルおよびインダニルである。「炭素環」という用語が使用される場合、これは、「アリール」を包含することが意図されている。1個または複数の炭素原子が2個の非隣接炭素原子と結合すると、架橋環が生じる。好ましい橋は、1個または2個の炭素原子である。橋は、常に、単環式環を三環式環に変換することを示す。環が架橋される場合、前記環について記載される置換基もまた前記橋中に存在してもよい。
【0056】
「アリール」という用語は、それぞれ置換されていてよいフェニル、ナフチル、ビフェニルおよびジフェニル基などの、環部分に6から12個の炭素原子を有する単環式または二環式芳香族炭化水素基を意味する。
【0057】
「置換アリール」という用語は、例えば、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、ハロ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、チオール、アルキルチオ、ウレイド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルバミル、アルコキシカルボニル、アルキルチオノ、アリールチオノ、アリールスルホニルアミン、スルホン酸、アルキルスルホニル、スルホンアミド、アリールオキシなどの1から4個の置換基により置換されているアリール基を意味する。置換基は、ヒドロキシ、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリールまたはアリールアルキルによりさらに置換されていてよい。
「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1個のヘテロ原子および少なくとも1個の炭素原子含有環を有する例えば4員から7員の単環式、7員から11員の二環式または10員から15員の三環式環基、例えば、ピリジン、テトラゾール、インダゾールである適宜置換されている芳香族基を意味する。
【0058】
本明細書で使用される場合、「ヘテロサイクル」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロ環基」または「ヘテロ環式基」という用語は、飽和、部分不飽和または完全不飽和であり、炭素原子ならびにN、OおよびSから独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子からなる安定な5員、6員もしくは7員の単環式もしくは二環式または7員、8員、9員、10員、11員、12員、13員もしくは14員の二環式ヘテロ環を意味することが意図されており;上記で定義された任意のヘテロ環がベンゼン環に縮合している任意の二環式基を包含する。窒素および硫黄ヘテロ原子は、所望により酸化されていてよい(即ち、N→OおよびS(O)p)。窒素原子は、置換または非置換であってよい(即ち、NまたはNR(ここで、Rは、定義される場合、Hまたは他の置換基である))。ヘテロ環は、安定な構造をもたらす任意のヘテロ原子または炭素原子でそのペンダント基に結合していてよい。本明細書で記載されるヘテロ環は、生じる化合物が安定である場合、炭素原子上で、または窒素原子上で置換されていてよい。ヘテロサイクル中の窒素は、所望により四級化されていてよい。ヘテロサイクル中のSおよびO原子の総数が1個を超える場合、これらのヘテロ原子は、相互に隣接していないことが好ましい。ヘテロサイクル中のSおよびO原子の総数が1個以下であることが好ましい。「ヘテロサイクル」という用語が使用される場合、ヘテロアリールを包含することが意図されている。
【0059】
ヘテロサイクルの例には、これらに限られないが、アクリジニル、アゾシニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾリニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イサチノイル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソチアゾロピリジニル、イソオキサゾリル、イソオキサゾロピリジニル、メチレンジオキシフェニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキシンドリル、ピリミジニル、フェナンスリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2−ピロリドニル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、およびキサンテニルが包含される。また、例えば、上記ヘテロサイクルを含有する縮合環およびスピロ化合物が包含される。
【0060】
好ましい5員から10員のヘテロサイクルには、これらに限られないが、ピリジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、イミダゾリル、イミダゾリジニル、インドリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、テトラヒドロフラニル、チアジアジニル、チアジアゾリル、チアゾリル、トリアジニル、トリアゾリル、ベンゾイミダゾリル、1H−インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンズテトラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、オキシンドリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンズチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、イサチノイル、イソキノリニル、オクタヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソオキサゾロピリジニル、キナゾリニル、キノリニル、イソチアゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、オキサゾロピリジニル、イミダゾロピリジニル、およびピラゾロピリジニルが包含される。
【0061】
好ましい5から6員のヘテロサイクルには、これらに限られないが、ピリジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、イミダゾリル、イミダゾリジニル、インドリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、テトラヒドロフラニル、チアジアジニル、チアジアゾリル、チアゾリル、トリアジニルおよびトリアゾリルが包含される。また、例えば、上記ヘテロサイクルを含有する縮合環およびスピロ化合物が包含される。
【0062】
他の実施形態では、ヘテロサイクルには、これらに限られないが、ピリジル、ピリジニル、イソオキサジル、イソキノリニル、チエニル、ピラゾリル、フラニル、ピロリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、チアジアゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、インダノニル、ピペラジニル、ピラニルまたはピロリルが包含される。
【0063】
また、エポキシドおよびアジリジンなどのより小さなヘテロシクリルも包含される。
【0064】
本明細書で使用される場合、「芳香族ヘテロ環式基」または「ヘテロアリール」という用語は、硫黄、酸素または窒素などの少なくとも1個のヘテロ原子環員を包含する安定な単環式および多環式芳香族炭化水素を意味することが意図されている。ヘテロアリール基には、限定ではないが、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、フリル、キノリル、イソキノリル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリル、インドリル、ピロイル、オキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インダゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、イソチアゾリル、プリニル、カルバゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリニル、ベンゾジオキソラニル、ベンゾジオキサンなどが包含される。ヘテロアリール基は、置換または非置換であってよい。窒素原子は、置換または非置換であってよい(即ち、NまたはNR(ここで、定義される場合、RはHまたは他の置換基である)。窒素および硫黄ヘテロ原子は、所望により酸化されていてよい(即ち、N→OおよびS(O)p)。芳香族ヘテロサイクル中のSおよびO原子の総数が1個以下であることに留意すべきである。架橋環もまた、ヘテロサイクルの定義に包含される。1個または複数の原子(即ち、C、O、NまたはS)が2個の非隣接炭素または窒素原子に結合している場合、架橋環が生じる。好ましい橋は、これらに限られないが、1個の炭素原子、2個の炭素原子、1個の窒素原子、2個の窒素原子および炭素−窒素基を包含する。橋は、常に、単環式環を三環式環に変換することを示す。環が架橋されている場合、環中に記載された置換基もまた、前記橋に存在してもよい。
【0065】
「置換アルケニル」という用語は、例えば、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、チオール、アルキルチオ、アルキルチオノ、アルキルスルホニル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバミル、置換カルバミル、グアニジノ、インドリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジル、ピリジル、ピリミジルなどの1個から2個の置換基により置換されているアルケニル基を意味する。
【0066】
「置換アルキニル」という用語は、例えば、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、チオール、アルキルチオ、アルキルチオノ、アルキルスルホニル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバミル、置換カルバミル、グアニジノおよびヘテロシクリル、例えば、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジル、ピリジル、ピリミジルなどの置換基により置換されているアルキニル基を意味する。
【0067】
「炭素環」または「カルボシクリル」という用語は、3〜12個の原子を含有する安定な飽和、部分飽和または不飽和の単環式または二環式炭化水素環を意味する。詳細には、これには、5もしくは6個の原子を含有する単環式環または9もしくは10個の原子を含有する二環式環が包含される。適切な値には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ジヒドロインデニルおよびテトラヒドロナフチルが包含される。「炭素環」または「カルボシクリル」について記載される場合の「適宜置換され」という用語は、本明細書では、その炭素環が1つまたは複数の置換可能な環位置で、アルキル(好ましくは、低級アルキル)、アルコキシ(好ましくは、低級アルコキシ)、ニトロ、モノアルキルアミノ(好ましくは、低級アルキルアミノ)、ジアルキルアミノ(好ましくは、ジ[低級]アルキルアミノ)、シアノ、ハロ、ハロアルキル(好ましくは、トリフルオロメチル)、アルカノイル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミド(好ましくは、低級アルキルアミド)、アルコキシアルキル(好ましくは、低級アルコキシ[低級]アルキル)、アルコキシカルボニル(好ましくは、低級アルコキシカルボニル)、アルキルカルボニルオキシ(好ましくは、低級アルキルカルボニルオキシ)およびアリール(好ましくは、フェニル)から独立して選択される1個または複数の基により置換されていてもよいことを示しており、ここで、前記アリールは、ハロ、低級アルキルおよび低級アルコキシ基により適宜置換されている。
【0068】
「ヘテロ原子」という用語は、酸素、硫黄および窒素を包含するであろう。
【0069】
式Iの化合物は、遊離の形態として存在し得るか、または塩を形成することができ、これらはまた、本発明の範囲内である。薬学的に許容される(即ち、非毒性で生理学的に許容される)塩が好ましいが、他の塩もまた、例えば、本発明の化合物を単離または精製する際に有用である。
【0070】
式Iの化合物は、ナトリウム、カリウムおよびリチウムなどのアルカリ金属と、カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属と、ジシクロヘキシルアミン、トリブチルアミン、ピリジンなどの有機塩基と、ならびにアルギニン、リシンなどのアミノ酸と塩を形成し得る。このような塩は、当業者に知られている通りに形成することができる。
【0071】
式Iの化合物は、様々な有機酸および無機酸と共に塩を形成し得る。このような塩には、塩化水素、臭化水素、メタンスルホン酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、マレイン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸と共に形成されるものおよび様々な他のもの(例えば、硝酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、サリチル酸塩など)が包含される。このような塩は、当業者に知られている通りに形成することができる。
【0072】
加えて、双性イオン(「分子内塩」)を形成することができる。
【0073】
本発明の化合物の全ての立体異性体は、混合物で、または純粋か、もしくは実質的に純粋な形態で企図されている。本発明による化合物の定義には、全ての可能な立体異性体およびその混合物が包含される。これには特に、規定の活性を有するラセミ型および単離された光学異性体が包含される。例えば、分別結晶化、ジアステレオ異性誘導体の分離もしくは結晶化またはキラルカラムクロマトグラフィーによる分離などの物理的方法により、ラセミ型を分割することができる。個々の光学異性体は、ラセミ化合物から、例えば、光学活性な酸での塩形成、それに続く結晶化などの従来の方法により得ることができる。
【0074】
本発明は、本化合物中に存在する原子の同位体の全てを包含することが意図されている。同位体には、同じ原子番号を有するが、質量数は異なる原子が包含される。一般的な例であって、制限ではないが、水素の同位体には、ジュウテリウムおよびトリチウムが包含される。炭素の同位体には、13Cおよび14Cが包含される。同位体標識された本発明の化合物は一般に、当業者に知られている慣用の技術により、または本明細書に記載されている方法と同様の方法により、他の場合には使用される非標識試薬の代わりに、適切な同位体標識された試薬を使用して、調製することができる。
【0075】
式Iの化合物はまた、プロドラッグ形態を有することができる。プロドラッグは、数多くの望ましい医薬品品質(例えば、溶解性、生物学的利用能、製造など)を増強することが知られているので、本発明の化合物を、プロドラッグ形態でデリバリーすることができる。したがって、本発明は、本明細書で請求されている化合物のプロドラッグ、それをデリバリーする方法およびそれを含有する組成物に及ぶことが意図されている。「プロドラッグ」は、このようなプロドラッグが哺乳動物対象に投与されると、本発明の活性な親薬物をインビボで放出する任意の共有結合担体を包含することが意図されている。その変更が日常的な操作またはインビボで分離されて親化合物になるように、化合物に存在する官能基を変更することにより、本発明のプロドラッグを調製する。プロドラッグには、ヒドロキシ、アミノまたはスルフヒドリル基が任意の基に結合していて、本発明のプロドラッグが哺乳動物対象に投与されると、それが分離して、それぞれ遊離ヒドロキシル、遊離アミノまたは遊離スルフヒドリル基を形成する本発明の化合物が包含される。プロドラッグの例には、これらに限られないが、本発明の化合物中のアルコールおよびアミン官能基のアセテート、ホルメートおよびベンゾエート誘導体が包含される。
【0076】
プロドラッグの様々な形態が、当技術分野ではよく知られている。このようなプロドラッグ誘導体の例に関しては:
a)Design of Prodrugs、H. Bundgaard編、(Elsevier、1985年)およびMethods in Enzymology、Vol. 112、pp. 309〜396、K. Widder, et al.編 (Academic Press、1985年);
b)A Textbook of Drug Design and Development、Krosgaard-LarsenおよびH. Bundgaard編、Chapter 5、「Design and Application of Prodrugs」、H. Bundgaard、pp. 113〜191 (1991年);および
c)H. Bundgaard、Advanced Drug Delivery Reviews、8、1〜38 (1992年)
を参照されたい。
【0077】
さらに、式Iの化合物の溶媒和物(例えば、水和物)もまた、本発明の範囲内であることを理解すべきである。溶媒和の方法は通常、当技術分野で公知である。
【0078】
「安定な化合物」および「安定な構造」は、反応混合物から有用な純度での単離および有効な治療薬への製剤化に耐えるほど十分に強固である化合物を示すことが意図されている。ここで挙げられている化合物は、N−ハロ、S(O)2HまたはS(O)H基を含有しないことが好ましい。
【0079】
本明細書で使用される場合、「治療すること」または「治療」は、哺乳動物、具体的に、ヒトにおける疾患状態の治療を包含し、(a)疾患状態を哺乳動物で生じることから予防すること、具体的には、かかる哺乳動物がまだ罹患しているとは診断されていない場合に疾患状態が生じることを予防すること;(b)疾患状態を阻害すること、即ち、その進行を停止させること;および/または(c)疾患状態を軽減すること、即ち、疾患状態の減退をもたらすことを包含する。
【0080】
「治療有効量」は、単独で、または組み合わせて投与された場合に、有効である本発明の化合物の量を包含することが意図されている。「治療有効量」はまた、化合物の組合せ量を包含することが意図されている。
【0081】
本発明はさらに、1種類または複数の本発明の化合物および薬学的に許容される担体を含む組成物を包含する。
【0082】
「薬学的に許容される担体」は、動物、特に、哺乳動物に、生物学的に活性な薬剤を送達するために当該技術分野で一般に許容される媒体を意味する。薬学的に許容される担体は、通常の当業者の十分に範囲内であるいくつかの因子により製剤化される。これらには、限定ではないが:製剤化される活性な薬剤の種類および性質;薬剤含有組成物を投与すべき対象;組成物の所定の投与経路;および標的とされる治療適応症が包含される。薬学的に許容される担体には、水性および非水性の両方の液体媒体、さらに様々な固体および半固体剤形が包含される。このような担体は、活性な薬剤に加えて、いくつかの異なる成分および添加物を包含することができ、この際、このようなさらなる成分は、様々な理由で、例えば、活性な薬剤、結合剤の安定化などのために製剤に包含され、通常の当業者にはよく知られている。適当な薬学的に許容される担体およびそれらの選択に関する因子の記載は、その全体が参照により本明細書に援用される、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences、17版、Mack Publishing Company、Easton、PA、1985年などの様々な容易に利用可能な供給源にて見出される。
【0083】
有用性
本発明は、ある種のピロロトリアジンがプロテインキナーゼの阻害剤であるという知見に基づく。より具体的には、本発明に記載されているものなどのピロロトリアジンは、受容体のJakファミリーのメンバー、TRKおよびさらにSrcのプロテインチロシンキナーゼ活性を阻害する。本発明に記載されているものなどのピロロトリアジンはまた、受容体のCK2ファミリーのメンバーのプロテインセリン/スレオニンキナーゼ活性も阻害する。これらの阻害剤は、1種類または複数のこれらの受容体によるシグナル伝達に依存する増殖性疾患の治療に有用である。このような疾患には、骨髄増殖性疾患、膵臓、前立腺、肺、頭頚部、乳房、結腸、卵巣の固形腫瘍、さらに、多発性骨髄腫、黒色腫、神経芽細胞腫、神経膠芽細胞腫を包含する他の腫瘍種および急性骨髄性白血病などの血液悪性疾患が包含される。
【0084】
本発明はまた、哺乳動物における高度増殖性障害の治療における、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物に関する。詳細には、前記医薬組成物は、TrkA、TrkB、TrkC、Flt−3(Fms様キナーゼ−3)、Jak2、Jak3、SrcおよびCK2に関連している原発性および再発性固形腫瘍、特に、その増殖および拡散に関してJAK2、TrkA、TrkB、TrkC、CK2に著しく依存している、例えば、血液、甲状腺、乳房、結腸、膵臓の癌または多発性骨髄腫、黒色腫、神経芽細胞腫および神経膠芽細胞腫を包含する様々な腫瘍種を包含する腫瘍の増殖および/または転移を阻害すると予測される。
【0085】
したがって、本発明のさらなる態様では、ヒトなどの温血動物において抗増殖性作用を生じさせる際に使用するための医薬品の製造における、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0086】
本発明のさらなる形態では、そのような治療を必要とするヒトなどの温血動物において抗増殖性作用を生じさせる方法を提供し、この方法は、本明細書で上述したように、前記動物に、有効量の式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を投与することを含む。
【0087】
TrkA、TrkB、TrkC、Flt−3、Jak2、Jak3、Src、CK2およびTie−2キナーゼを阻害するその能力により、本発明の化合物は、癌を包含する増殖性疾患を治療するために使用することができる。TrkA、TkBおよびTrkC受容体キナーゼは、甲状腺、乳房、結腸、急性骨髄性白血病を包含する腫瘍において発現および活性化されることが判明しており、Trk受容体および対応するリガンドの増加もまた、多発性骨髄腫、黒色腫、膵臓癌、神経芽細胞腫および神経膠芽細胞腫を包含する様々な腫瘍種で報告されている。したがって、TrkA、TrkBおよびTrkCキナーゼの阻害剤は、これら2種類の受容体のいずれかまたは両方からのシグナル伝達に依存する腫瘍の治療において効力を有することが期待される。これらの化合物は、単剤として、またはタキソール(登録商標)、アドリアマイシンおよびシスプラチンなどの他の化学治療薬と組み合わせて(同時にまたは連続的に)、効力を有することが期待される。
【0088】
したがって、本発明は、これらに限られないが、下記を包含する様々な癌を治療する方法を提供する:
膀胱(急速および転移膀胱癌を包含)、乳房、結腸(結腸直腸癌を包含)、腎臓、肝臓、肺(小細胞および非小細胞肺癌ならびに肺腺癌を包含)、卵巣、前立腺、睾丸、尿生殖器路、リンパ系、直腸、喉頭、膵臓(膵臓外分泌腺癌を包含)、食道、胃、胆嚢、子宮頸、甲状腺および皮膚(扁平上皮癌を包含)の癌を包含する癌;
白血病、急性リンパ球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ヘアリーセルリンパ腫、組織球性リンパ腫およびBurkettリンパ腫を包含するリンパ系の造血腫瘍;
急性および慢性骨髄性白血病、脊髄異形性症候群、骨髄性白血病および前骨髄球性白血病を包含する骨髄系の造血腫瘍;
星状膠細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫および神経鞘腫を包含する中枢および末梢神経系の腫瘍;
線維肉腫、横紋筋肉腫および骨肉腫を包含する間葉由来の腫瘍;ならびに
黒色腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、精上皮腫、甲状腺濾胞状癌および奇形癌を包含する他の腫瘍。
【0089】
本発明は、白血病、骨髄増殖性疾患(真性赤血球増加症、本態性血小板減少症、骨髄線維症)、多発性骨髄腫、結腸癌、乳癌および胃癌を治療する方法を提供する。
【0090】
本明細書で前記にて定義された抗増殖性治療は、単独療法として適用され得るか、または本発明の化合物に加えて、1種類または複数の他の物質および/または治療を伴い得る。そのような治療は、治療の個々の成分を同時に、連続的に、または別々に投与することにより達成し得る。本発明の化合物はまた、公知の抗癌剤および細胞毒性剤ならびに放射線を包含する治療と組み合わせても有用であり得る。固定用量として製剤化する場合には、そのような併用製品は、下記の用量範囲内の本発明の化合物および承認されている用量範囲内の他の医薬的に活性な薬剤を用いる。併用製剤が不適切な場合には、式Iの化合物を公知の抗癌剤または細胞毒性剤および放射線を包含する治療と連続して使用してもよい。
【0091】
「抗癌」剤という用語には、癌を治療するために有用である任意の公知の薬剤が包含され、これには下記が包含される:17α−エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、酢酸メゲストロール、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、酢酸メドロキシプロゲステロン、ロイプロリド、フルタミド、トレミフェン、Zoladex;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤;抗VEGF抗体(Avastin(登録商標))などのVEGF阻害剤ならびにZD6474およびSU6668などの小分子;バタラニブ、BAY−43−9006、SU11248、CP−547632およびCEP−7055;抗HER2抗体(Herceptin)を包含するHER1およびHER2阻害剤;ゲフィチニブ、エルロチニブ、ABX−EGF、EMD72000、11F8およびセツキシマブを包含するEGFR阻害剤;SB−715992、SB−743921およびMKI−833などのEg5阻害剤;カネルチニブ、EKB−569、CI−1033、AEE−788、XL−647、mAb2C4およびGW−572016などのpanHer阻害剤;キナーゼ阻害剤、例えば、Gleevec(登録商標)およびダサチニブ(Sprycel(登録商標));Casodex(登録商標)(ビカルタミド、Astra Zeneca)、タモキシフェン;MEK−1キナーゼ阻害剤、MAPKキナーゼ阻害剤、PI3キナーゼ阻害剤;イマチニブなどのPDGF阻害剤;固形腫瘍への血流を遮断することによって、癌細胞から栄養を剥奪して癌細胞を休止状態にする抗血管新生剤および抗血管剤;アンドロゲン依存性の癌を非増殖性にする去勢(castration);非受容体型および受容体型チロシンキナーゼの阻害剤;インテグリンシグナル伝達阻害剤;ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ビンフルニン、パクリタキセル、ドセタキセル、7−O−メチルチオメチルパクリタキセル、4−デスアセチル−4−メチルカルボネートパクリタキセル、3’−tert−ブチル−3’−N−tert−ブチルオキシカルボニル−4−デアセチル−3’−デフェニル−3’−N−デベンゾイル−4−O−メトキシカルボニル−パクリタキセル、C−4メチルカルボネートパクリタキセル、エポチロンA、エポチロンB、エポチロンC、エポチロンD、デスオキシエポチロンA、デスオキシエポチロンB、[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7−11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン(イクサベピロン)、[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−3−[2−[2−(アミノメチル)−4−チアゾリル]−1−メチルエテニル]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−4−17−ジオキサビシクロ[14.1.0]−ヘプタデカン−5,9−ジオンおよびこれらの誘導体などの微小管活性化剤;CDK阻害剤、抗増殖性の細胞周期阻害剤、エピドフィロトキシン(epidophyllotoxin)、エトポシド、VM−26;抗悪性腫瘍薬酵素、例えば、トポイソメラーゼI阻害剤、カンプトテシン、トポテカン、SN−38;プロカルバジン;ミトキサントロン;シスプラチン、カルボプラチンおよびオキサリプラチンなどの白金配位複合体;生物学応答調節剤;成長阻害剤;抗ホルモン治療薬;ロイコボリン;テガフール;プリンアンタゴニスト(例えば、6−チオグアニンおよび6−メルカプトプリンなどの代謝拮抗剤;グルタミンアンタゴニスト、例えば、DON(AT−125;d−オキソ−ノルロイシン);リボヌクレオチド還元酵素阻害剤;mTOR阻害剤;ならびに造血性成長因子。
【0092】
さらなる細胞毒性剤には、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ミトキサントロン、メルファラン、ヘキサメチルメラミン、チオテパ、シタラビン、イダトレキセート(idatrexate)、トリメトレキサート(trimetrexate)、ダカルバジン、L−アスパラギナーゼ、ビカルタミド、ロイプロリド、ピリドベンゾインドール誘導体、インターフェロンおよびインターロイキンが包含される。
【0093】
腫瘍内科学の分野において、各癌患者を治療するために、様々な治療形態を組み合わせて使用することが通常の実施である。腫瘍内科学において、既に本明細書で定義された抗増殖性治療に加えて、そのような治療のその他の構成要素(複数可)は、外科手術、放射線療法または化学療法であり得る。そのような化学療法は、下記の治療薬の3つの主要なカテゴリーを網羅し得る:
(i)既に本明細書で定義されたものとは異なる機構により作用する血管新生阻害剤(例えば、リノミド、インテグリαvβ3機能阻害剤、アンジオスタチン、ラゾキサン);
(ii)抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、ヨードキシフェン(iodoxifene))、プロゲストーゲン(例えば、酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、ボラゾール、エキセメスタン)、抗ホルモン剤、抗プロゲストーゲン剤、抗アンドロゲン物質(例えば、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、酢酸シプロテロン)、LHRHアゴニストおよびアンタゴニスト(例えば、酢酸ゴセレリン、ロイプロリド)、テストステロン5α−ジヒドロレダクターゼの阻害剤(例えば、フィナステリド)、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、抗浸潤剤(例えば、マリマスタットおよびウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子受容体機能の阻害剤などのメタロプロテアーゼ阻害剤)および成長因子機能の阻害剤、(そのような成長因子には、例えばEGF、FGF、血小板由来成長因子および肝細胞増殖因子が包含され、そのような阻害剤には、成長因子抗体、Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)およびErbitux(登録商標)(セツキシマブ)などの成長因子受容体抗体;チロシンキナーゼ阻害剤およびセリン/スレオニンキナーゼ阻害剤が包含される)などの細胞分裂阻害剤;ならびに
(iii)代謝拮抗剤(例えば、メトトレキサートなどの抗葉酸剤、5−フルオロウラシルなどのフルオロピリミジン、プリンおよびアデノシン類似体、シトシンアラビノシド);挿入抗腫瘍抗生物質(例えば、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシンおよびイダルビシンなどのアントラサイクリン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシン、ミトラマイシン);白金誘導体(例えば、シスプラチン、カルボプラチン);アルキル化剤(例えば、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、シクロホスファミド、イホスファミド、ニトロソ尿素、チオテパ;抗有糸分裂剤(例えば、ビンクリスチン、ビノレルビン、ビンブラスチンおよびビンフルニンなどのビンカアルカロイド)およびTaxol(登録商標)(パクリタキセル)、Taxotere(登録商標)(ドセタキセル)などのタキソイドならびにエポチロン類似体(イクサベピロン)、ディスコデルモリド類似体およびエリュテロビン類似体などの最新の微小管剤;トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシドおよびテニポシドなどのエピポドフィロトキシン、アムサクリン、トポテカン、イリノテカン);細胞周期阻害剤(例えば、フラボピリドル(flavopyridols));生物学的応答調節剤およびVelcade(登録商標)(ボルテゾミブ)などのプロテアソーム阻害剤などの腫瘍内科学で使用される抗増殖剤/抗悪性腫瘍剤およびこれらの組合せ。
【0094】
上述の通り、本発明の式I化合物は、それらの抗増殖性効果のために重要である。このような本発明の化合物は、癌、乾癬および関節リウマチを包含する広範囲の疾患症状において有用であることが期待される。
【0095】
より特には、式Iの化合物は、次のものを包含する(これらに限られない)様々な癌を治療する際に有用である:
前立腺、膵管腺癌、乳房、結腸、肺、卵巣、膵臓および甲状腺の癌腫を包含する癌腫;
神経芽細胞腫、神経膠芽細胞腫および髄芽細胞腫を包含する中枢および末梢神経系の腫瘍;
急性骨髄性白血病(AML)などの血液学的悪性疾患および
黒色腫および多発性骨髄腫を包含する他の腫瘍。
【0096】
細胞増殖の調節におけるキナーゼの重要な役割により、一般に、阻害剤は、異常な細胞増殖を特徴とする任意の疾患プロセス、例えば、良性前立腺肥大症、家族性腺腫ポリープ症、神経線維腫症、肺線維症、関節炎、乾癬、糸球体腎炎、血管形成または血管手術後の再狭窄、肥厚性瘢痕形成および炎症性腸疾患を治療する際に有用であり得る可逆性の細胞増殖剤として作用し得る。
【0097】
式Iの化合物は、前立腺、結腸、脳、甲状腺および膵臓腫瘍などのチロシンキナーゼ活性の高い発生率を示す腫瘍の治療に特に有用である。本発明の化合物の組成物(または組合せ)を投与することにより、哺乳動物宿主における腫瘍の進行が軽減される。
【0098】
式Iの化合物はまた、Flt−3(Fme様キナーゼ−3)、Tie−2、CDK2、VEGFR、FGFRおよびIGFRキナーゼなどのキナーゼを介して作動するシグナル伝達経路に関連し得る他の癌の疾患(急性骨髄性白血病など)の治療にも有用であり得る。
【0099】
活性成分を含有する本発明の医薬組成物は、経口使用に適した形態、例えば、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性もしくは油性懸濁剤、分散性の散剤もしくは顆粒剤、乳濁剤、硬もしくは軟カプセル剤またはシロップ剤もしくはエリキシル剤としてであってよい。
【0100】
本発明による化合物をヒト対象に投与する場合、1日の用量は、通常、処方する医師が、個々の患者の年齢、体重、性別および応答、さらに患者の状態の重症度に応じて一般に変動する用量を決定する。
【0101】
固定用量として製剤化する場合、そのような併用製品は、上記の用量範囲内の本発明の化合物およびその許容用量範囲内の他の医薬的に活性な薬剤または治療を利用する。併用製剤が不適切な場合、式Iの化合物はまた、公知の抗癌剤または細胞毒性剤と順次投与することもできる。本発明は、投与順序において限定されず、式Iの化合物を、公知の抗癌剤または細胞毒性剤(複数可)の投与前、またはその後に投与することができる。
【0102】
化合物を、約0.05から200mg/kg/日の用量範囲で、好ましくは100mg/kg/日未満で、単回用量で、2から4回に分けた用量で投与することができる。
【0103】
用量および製剤
本発明の化合物は、錠剤、カプセル剤(それぞれ徐放または持効性製剤を包含する)、丸剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、懸濁剤、シロップ剤および乳濁剤などの経口剤形で投与することができる。これらはまた、静脈内(ボーラスまたは点滴)、腹腔内、皮下または筋肉内形態で投与することもでき、全て、医薬分野の通常の当業者によく知られている剤形を使用する。これらは、単独で投与することができるが、一般には、選択された投与経路および標準的な医療行為に基づき選択される医薬担体と共に投与される。
【0104】
本発明の化合物のための投与計画は、勿論、特定の薬剤の薬力学的特性ならびにその投与方法および経路;受容者の種、年齢、性別、健康状態、医学的状態および体重;症状の性質および程度;併用療法の種類;治療頻度;投与経路、患者の腎機能および肝機能ならびに所望される効果などの公知の因子に応じて変動するであろう。医師または獣医師であれば、癌を治療するために必要な薬物の有効量を決定および処方することができる。
【0105】
一般的な指針では、各活性成分の1日の経口用量は、示される作用のために用いられる場合、1日当たり約0.001から1000mg/体重kg、好ましくは約0.001から100mg/体重kg、最も好ましくは約0.001から20mg/kg/日の範囲である。静脈内では、最も好ましい用量は、約0.1から約10mg/kgの範囲である。本発明の化合物は、単一の1日用量で投与することができるか、または合計の1日の用量を、1日2回、3回または4回に分けた用量で投与することができる。
【0106】
本発明の化合物は、適当な鼻腔内ビヒクルを局所使用することをより、または経皮皮膚パッチを使用する経皮経路をより鼻腔内形態で投与することができる。経皮デリバリー系の形態で投与する場合には当然、用量の投与は、投薬計画を通して一時的であるよりも連続的である。
【0107】
化合物は、典型的には、所定の投与形態、即ち、経口用錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、シロップ剤などに関して適切に選択され、慣用的な医療行為と一致する適切な医薬賦形剤、添加剤または担体(本発明では総じて医薬担体と称される)と混合して投与される。
【0108】
例えば、錠剤またはカプセル剤の形態での経口投与において、活性薬物の成分は、ラクトース、デンプン、ショ糖、グルコース、メチルセルロース(methyl callulose)、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、ソルビトールなどの経口用の非毒性で薬学的に許容される不活性担体と組み合わせることができ;液体形態での経口投与において、経口薬物の成分は、エタノール、グリセロール、水などの任意の経口用の非毒性で薬学的に許容される不活性担体と組み合わせることができる。さらに、所望されるか、または必要である場合、適当な結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色剤を混合物に組み込むこともできる。適当な結合剤には、デンプン、ゼラチン、グルコースまたはベータ−ラクトースなどの天然糖、トウモロコシ甘味剤、アラビアゴム、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウムなどの天然および合成ゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが包含される。これらの剤形で使用される滑沢剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが包含される。崩壊剤には、限定されるものではないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴムなどが包含される。
【0109】
本発明の化合物はまた、小さな単層小胞、大きな単層小胞および多重層小胞などのリポソーム送達系の形態で投与することもできる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンなどの様々なリン脂質から形成され得る。
【0110】
本発明の化合物はまた、標的を定めることができる薬物担体としての可溶性ポリマーと結合させることもできる。このようなポリマーには、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルタミドフェノールまたはパルミトイル残基で置換されているポリエチレンオキシド−ポリリシンが包含され得る。さらに、本発明の化合物を、薬物の放出制御を達成するのに有用な一群の生分解性ポリマー、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸およびポリグリコール酸のコポリマー、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレートならびにヒドロゲルの架橋または両親媒性ブロックコポリマーと結合させることができる。
【0111】
投与に適した剤形(医薬組成物)は、1用量単位当たり活性成分約1ミリグラムから約1000ミリグラムを含有し得る。これらの医薬組成物では、活性成分は通常、組成物の全重量に対して約0.1〜95重量%の量で存在する。
【0112】
ゼラチンカプセル剤は、活性成分と、ラクトース、デンプン、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸などの粉末化担体とを含有し得る。同様の賦形剤を使用して、圧縮錠剤を製造することができる。錠剤およびカプセルは両方とも、一定期間にわたり薬物を連続的に放出するための徐放製品として製造することができる。圧縮錠剤は、何らかの不快な味をマスキングし、雰囲気から錠剤を保護するために糖衣もしくはフィルムコーティングされていてよいか、または胃腸管での選択的な崩壊のために腸溶コーティングされていてよい。
【0113】
経口投与のための液体剤形は、患者の認容性を高めるために着色剤および香味剤を含有することができる。
【0114】
一般に、水、適当なオイル、食塩水、水性デキストロース(グルコース)および関連する糖溶液およびプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなどのグリコールは、非経口液剤のための適切な担体である。非経口投与のための液剤は好ましくは、活性成分の水溶性の塩、適切な安定化剤および、必要な場合には緩衝物質を含有する。単独か、または組み合わせた亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸などの抗酸化剤は、適切な安定化剤である。また、クエン酸およびその塩ならびにナトリウムEDTAも使用される。加えて、非経口溶液は、塩化ベンザルコニウム、メチル−またはプロピル−パラベンおよびクロロブタノールなどの防腐剤を含有することができる。
【0115】
適切な医薬担体は、この分野の標準的な参照文献であるRemington's Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Companyに記載されている。
【0116】
生物学的アッセイ
JAK2チロシンキナーゼアッセイ
アッセイをV底384ウェルプレート中で行った。最終アッセイ容量は、アッセイバッファー(100mMのHEPES pH7.4、10mMのMgCl2、25mMのベータ−グリセロールホスフェート、0.015%Brij35および4mMのDTT)中の酵素および基質(フルオレセイン化ペプチドおよびATP)ならびに試験化合物の15μlの添加により調製された30μlであった。JAK2を基質および試験化合物と組み合わせることにより、反応を開始した。反応物を、室温で60分間インキュベーションし、35mMのEDTAの45μlを各試料に加えることにより停止させた。反応混合物をCaliper LabChip3000で、蛍光基質およびリン酸化生成物を電気泳動分離することにより分析した。100%阻害のための酵素不含対照反応と、0%阻害のためのビヒクルのみの反応とを比較することにより、阻害データを算出した。アッセイでの試薬の最終濃度は、ATPが30μM;JAK2蛍光ペプチドが1.5μM;JAK2が1nM;およびDMSOが1.6%である。用量応答曲線を生じさせて、キナーゼ活性を50%阻害するのに必要な濃度(IC50)を決定した。化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)中に10mMで溶かし、11種類の濃度でそれぞれ2回評価した。IC50値を非線形回帰分析により導き出した。
【0117】
JAK3チロシンキナーゼアッセイ
アッセイをV底384ウェルプレート中で行った。最終アッセイ容量は、アッセイバッファー(100mMのHEPES pH7.4、10mMのMgCl2、25mMのベータ−グリセロールホスフェート、0.015%Brij35および4mMのDTT)中の酵素および基質(フルオレセイン化ペプチドおよびATP)ならびに試験化合物の15μlの添加により調製した30μlであった。JAK3を基質および試験化合物と組み合わせることにより、反応を開始した。反応物を、室温で60分間インキュベーションし、35mMのEDTA45μlを各試料に加えることにより停止させた。反応混合物をCaliper LabChip3000で、蛍光基質およびリン酸化生成物を電気泳動分離することにより分析した。100%阻害のための酵素不含対照反応と、0%阻害のためのビヒクルのみの反応とを比較することにより、阻害データを算出した。アッセイでの試薬の最終濃度は、ATPが8μM;JAK3蛍光ペプチドが1.5μM;JAK3が2.5nM;およびDMSOが1.6%である。用量応答曲線を生じさせて、キナーゼ活性を50%阻害するのに必要な濃度(IC50)を決定した。化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)中に10mMで溶かし、11種類の濃度でそれぞれ2回評価した。IC50値を非線形回帰分析により導き出した。
【0118】
本明細書に記載の化合物を上記のJAK2アッセイで試験した。下記の結果を得た。
【表1】

【0119】
A.CK2キナーゼアッセイ
CK2酵素アッセイを384ウェルプレート中で行い、反応混合物は10μMのペプチド基質(RRRADDSDDDDD−NH2)、25μM(CK2A1)または5μM(CK2A2)の[γ−33P]ATP(10μCi)、20mMのHepes(pH7.4)、100mMのNaCl、10mMのMgCl2、0.25mMのジチオトレイトール、0.015%のBrij−35および組換えCK2A1(10nM、Invitrogen)またはCK2A2(5nM、Upstate Biotechnology)を含有した。反応混合物を30℃で1時間インキュベーションし、反応生成物をホスホセルロース(P81)フィルタープレートへの結合により捕捉した。放射性リン酸化物のペプチド基質への取り込みを液体シンチレーションカウントにより調べた。CK2を阻害する際の化合物の効力を、酵素活性を50%阻害するのに必要な化合物濃度と定義されるIC50として表す。本明細書に記載の他の化合物およびIの式(式aI(a)を包含)に該当する化合物は、驚くべきことに、そのCK2酵素阻害活性および/または他の薬物可能性特性に関して有効であり、例えば、医薬品としてのその使用に重要である望ましい安定性、生物学的利用能、治療指数および/または毒性値を有する。
【0120】
B.細胞増殖阻害アッセイ
細胞数と直接相関するミトコンドリア代謝活性を測定するアッセイを使用して、化合物を、細胞増殖を阻害するその能力に関して評価した。細胞を96ウェルプレートに2000細胞/ウェルで播種し、2%ウシ胎児血清を補足されたRPMI−1640中で24時間培養し、その後、試験化合物を加えた。ジメチルスルホキシドの最終濃度が1%を超えないように、化合物を培地中で希釈した。化合物を加えた後に、細胞をさらに72時間培養し、その後、CellTiter96キット(Promega)を使用して3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)染料の変換を測定することにより、細胞生存率を決定した。
【0121】
本明細書に記載の化合物を、1つまたは複数の上記で同定されたアッセイで試験すると、活性であることが見出された。
【0122】
本発明の別の具体例は、5nMまたはそれ以下のJAK2アッセイにおけるIC50を有する化合物であって、下記:
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(フェニルアセチル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(2−フルオロベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−ペンタノイル−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((2−(トリフルオロメチル)フェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((1−フェニルシクロプロピル)カルボニル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(シクロヘキシルアセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((1−メチルシクロプロピル)カルボニル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((6−メチル−3−ピリジニル)カルボニル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(3−フロイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((1−メチル−1H−ピロール−2−イル)カルボニル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(4−メトキシベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(4−フルオロベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(1H−ピラゾール−3−イルカルボニル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((4−メチル−2−チエニル)カルボニル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(2,5−ジメチル−3−フロイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−((4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)カルボニル)ベンゾニトリル;
2−(4−((2,6−ジクロロフェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−イルカルボニル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((4−メトキシフェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((3−メチルフェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((3−クロロフェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((3−フルオロフェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((2−クロロフェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(4−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(3−メチルベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(3−クロロベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(3−メトキシベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
3−((4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)カルボニル)ベンゾニトリル;
2−(4−(3−フルオロベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(3−((4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)カルボニル)フェニル)アセトアミド;
N−(4−((4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)カルボニル)フェニル)アセトアミド;
2−(4−(2−クロロ−6−フルオロベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(1,2,3−チアジアゾール−4−イルカルボニル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((2−メチル−3−ピリジニル)カルボニル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((1−フェニルシクロペンチル)カルボニル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(1,3−オキサゾール−2−イルカルボニル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((1−フェニルシクロブチル)カルボニル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
3−(2−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−2−オキソエチル)ベンゾニトリル;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(2−フルオロ−6−メトキシベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((2−ブロモフェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((2,6−ジフルオロフェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(2−クロロ−6−メチルベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(2−(トリフルオロメトキシ)ベンゾイル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンゾイル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((4−クロロ−2−フルオロフェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((2R)−2−メトキシ−2−フェニルアセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(1,3−オキサゾール−5−イルカルボニル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((ベンジルオキシ)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−メトキシ−2−フェニルプロパノイル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(2−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−2−オキソエチル)ベンゾニトリル;
N−(2−((4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)カルボニル)フェニル)アセトアミド;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(1,2,5−オキサジアゾール−3−イルカルボニル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
1−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−2−オキソエタノール;
1−(4−フルオロフェニル)−2−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−2−オキソエタノール;
1−(4−クロロフェニル)−2−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−2−オキソエタノール;
tert−ブチル ((1S)−1−(4−フルオロフェニル)−2−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−2−オキソエチル)カルバメート;
2−(4−(2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブタノイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((4−エトキシ−2,6−ジフルオロフェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(2,2−ジメチルブタノイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((1−(トリフルオロメチル)シクロブチル)カルボニル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
1−((4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)カルボニル)シクロプロパンカルボニトリル;
2−(4−(2−(4−クロロフェニル)プロパノイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(2−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパノイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(2−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−フェニルエチル)アセトアミド;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((2S)−2−フェニルブタノイル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((1−(4−メチルフェニル)シクロヘキシル)カルボニル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
tert−ブチル (1−(4−クロロフェニル)−2−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−2−オキソエチル)カルバメート;
2−(4−(2−クロロ−4,5−ジフルオロベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
tert−ブチル (2−((4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)カルボニル)フェニル)カルバメート;
2−(4−(2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)ベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(2−ブロモベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(2,5−ジクロロベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(2−フェノキシベンゾイル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((2−クロロ−3−ピリジニル)カルボニル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(2−ニトロベンゾイル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((3−クロロ−1−ベンゾチオフェン−2−イル)カルボニル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(2−(フェノキシメチル)ベンゾイル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((1−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)シクロヘキシル)カルボニル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
(2R)−1−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−1−オキソ−4−フェニル−2−ブタノール;
(2R)−2−(4−フルオロフェニル)−1−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−1−オキソ−2−プロパノール;
(2S)−1−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−1−オキソ−3−フェニル−2−プロパノール;
(1S)−2−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−フェニルエタノール;
(1R)−2−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−フェニルエタノール;
3−((4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)カルボニル)−1−インダノン;
1−(2−フルオロフェニル)−2−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−2−オキソエタノール;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(2−フェニルブタノイル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
tert−ブチル (1−((4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)カルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)カルバメート;
またはこれらの塩
から選択されるものである。
【0123】
JAK2に対する活性に加えて、JAK3よりJAK2に対する選択性は、顕著な免疫抑制に対するリスクを軽減するのに利益的であろう。
【0124】
本発明の別の具体例は、JAK2活性がJAK3活性に関して15またはそれ以上の選択性を有する化合物であって、
2−(4−(2−クロロベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(フェニルアセチル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(2−フルオロベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−ペンタノイル−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((2−(トリフルオロメチル)フェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((1−フェニルシクロプロピル)カルボニル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(シクロヘキシルアセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((1−メチルシクロプロピル)カルボニル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((1−メチル−1H−ピロール−2−イル)カルボニル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((4−メチル−2−チエニル)カルボニル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((5−メチル−2−ピラジニル)カルボニル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(4−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((2,4−ジフルオロフェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((2,6−ジクロロフェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−イソブチリル−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((4−(トリフルオロメチル)フェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−イルカルボニル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((4−メトキシフェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((3−メチルフェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((3−メトキシフェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((3−クロロフェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((3−フルオロフェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((2−クロロフェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(3−フェニルプロパノイル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(4−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(3−クロロベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(3−メトキシベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(3−フルオロベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(3−((4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)カルボニル)フェニル)アセトアミド;
N−(4−((4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)カルボニル)フェニル)アセトアミド;
2−(4−(2−クロロ−6−フルオロベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((2−メチル−3−ピリジニル)カルボニル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(3−ピリジニルカルボニル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((1−フェニルシクロペンチル)カルボニル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(1,3−オキサゾール−2−イルカルボニル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((1−フェニルシクロブチル)カルボニル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
3−(2−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−2−オキソエチル)ベンゾニトリル;
2−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−フェニルエタノン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(2−フルオロ−6−メトキシベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((2−ブロモフェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((2,6−ジフルオロフェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(2−クロロ−6−メチルベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(2−(トリフルオロメトキシ)ベンゾイル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンゾイル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(1H−ピラゾール−4−イルカルボニル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((2R)−2−メトキシ−2−フェニルアセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(1,3−オキサゾール−5−イルカルボニル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((2S)−2−フェニルプロパノイル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(2−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−2−オキソエチル)ベンゾニトリル;
N−(2−((4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)カルボニル)フェニル)アセトアミド;
2−(4−(5−イソオキサゾリルカルボニル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
tert−ブチル 4−(4−クロロフェニル)−4−((4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)カルボニル)−1−ピペリジンカルボキシレート;
1−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−2−オキソエタノール;
1−(4−フルオロフェニル)−2−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−2−オキソエタノール;
2−(4−((4−(4−フルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)カルボニル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
1−(4−クロロフェニル)−2−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−2−オキソエタノール;
2−(4−(2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブタノイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((4−フルオロフェニル)(1−ピペリジニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((1−(4−フルオロフェニル)−2,2−ジメチルシクロプロピル)カルボニル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((4−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((4−エトキシ−2,6−ジフルオロフェニル)アセチル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(2,2−ジメチルブタノイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((1−メチルシクロヘキシル)カルボニル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−メチル−1−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−1−オキソ−2−ブタノール;
tert−ブチル (1,2−ジメチル−1−((4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)カルボニル)プロピル)カルバメート;
tert−ブチル (4−((1,1−ジメチル−2−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−2−オキソエチル)カルバモイル)シクロヘキシル)カルバメート;
tert−ブチル (1,1−ジメチル−2−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−2−オキソエチル)カルバメート;
tert−ブチル (3−((4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)カルボニル)テトラヒドロ−3−フラニル)カルバメート;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((1−(トリフルオロメチル)シクロプロピル)カルボニル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−メチル−1−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−1−オキソ−2−プロパノール;
tert−ブチル 4−メチル−4−((4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)カルボニル)−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル (1−((4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)カルボニル)シクロヘキシル)カルバメート;
tert−ブチル (1−((4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)カルボニル)シクロブチル)カルバメート;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((1−(トリフルオロメチル)シクロブチル)カルボニル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
(2R)−1,1,1−トリフルオロ−2−メチル−3−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−3−オキソ−2−プロパノール;
2−(4−(2,2−ジメチルプロパノイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
1−((4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)カルボニル)シクロプロパンカルボニトリル;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(トリフルオロアセチル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((1−(4−クロロフェニル)シクロヘキシル)カルボニル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(3−メチル−2−フェニルブタノイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(2−(4−クロロフェニル)プロパノイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((1−(4−メチルフェニル)シクロペンチル)カルボニル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(2−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパノイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(2−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−フェニルエチル)アセトアミド;
tert−ブチル ((1R)−2−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−フェニルエチル)カルバメート;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((2S)−2−フェニルブタノイル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−((2R)−2−フェニルブタノイル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
(1S)−2−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−フェニルエチルアセテート;
2−(4−((1−(4−メチルフェニル)シクロヘキシル)カルボニル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((1−(4−メチルフェニル)シクロプロピル)カルボニル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((1−(2−フルオロフェニル)シクロペンチル)カルボニル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((1−(4−フルオロフェニル)シクロペンチル)カルボニル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
tert−ブチル (1−(4−クロロフェニル)−2−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−2−オキソエチル)カルバメート;
2−(4−(2−クロロ−4,5−ジフルオロベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
tert−ブチル (2−((4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)カルボニル)フェニル)カルバメート;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(2−(メチルスルホニル)ベンゾイル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)ベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(2−ブロモベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(2−フェノキシベンゾイル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−(2−ビフェニリルカルボニル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((2−クロロ−3−ピリジニル)カルボニル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(2−(フェノキシメチル)ベンゾイル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
2−(4−((1−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)シクロヘキシル)カルボニル)−1−ピペラジニル)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
(2R)−1−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−1−オキソ−2−フェニル−2−プロパノール;
(2S)−1−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−1−オキソ−2−フェニル−2−プロパノール;
(2R)−1−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−1−オキソ−4−フェニル−2−ブタノール;
(2S)−1−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−1−オキソ−3−フェニル−2−プロパノール;
(1S)−2−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−フェニルエタノール;
(1R)−2−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−2−オキソ−1−フェニルエタノール;
1−(2−フルオロフェニル)−2−(4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)−2−オキソエタノール;
N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(4−(2−フェニルブタノイル)−1−ピペラジニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン;
tert−ブチル (1−((4−(4−((5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−1−ピペラジニル)カルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)カルバメート;
またはこれらの塩
から選択されるものである。
【0125】
略語
下記の略語は、製造方法および実施例において用いられ得る。
h=時間
DCM=ジクロロメタン
THF=テトラヒドロフラン
HPLC=高速液体クロマトグラフィー
DIEA=ジイソプロピルエチルアミン
i−PrOH=イソプロピルアルコール
TFA=トリフルオロ酢酸
min=分
DMF=ジメチルホルムアミド
EDC=N−(3−ジメチルアミノプロピル)N’−エチルカルボジイミド
HOBt=ヒドロキシベンゾトリアゾール
NMP=N−メチルピロリジノン
EtOAc=酢酸エチル
AcOH=酢酸
BOP試薬=ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−tris−(ジメチルアミノ)−ホスホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
ブライン=飽和塩化ナトリウム水溶液
Et3N=トリエチルアミン
R=保持時間
【0126】
製造方法
式Iの化合物は、一般に、下記のスキームおよび当該技術分野の知識に従って製造され得る。
【化9】

【0127】
アミノピラゾール化合物は、スキーム1に従って製造され得る。適宜置換されたカルボン酸化合物は、酸触媒を用い加熱して、あるいはTMSCH22などのエステル化試薬の使用により、エステル化され得る。塩基性条件下におけるアセトニトリルとの縮合によりβ−シアノケトン化合物を生成し、ヒドラジンを用いてピラゾール体に環化されてもよい。
【化10】

【0128】
好適なジハロ−ピロロトリアジン化合物IIIは、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下においてイソプロパノールなどの好適な溶媒中で適宜置換されたアミノピラゾール化合物で処理されて、一般式IVの化合物を生成し得る。2つ目のハロゲンは、Pdおよびリン基質のリガンドのような遷移金属触媒の存在下もしくは非存在下において、熱的にまたはマイクロ波条件下のいずれかで、以下のアミン化合物を溶媒として、またはジメチルホルムアミドもしくはジメチルアセトアミドを溶媒として用いて、ピペラジンまたは置換ピペラジンなどのジアミン化合物で置換することにより、式Vの化合物が得られ得る。化合物Vは、さらに、標準的なカップリング条件(EDCI)を用いて、または酸塩化物、無水物のカップリング、その他の経路により、アミド誘導体VIに変換され得る。同様に、化合物Vは、クロロギ酸、イソシアネートおよび塩化スルホニルと反応して、各々、カルバミン、尿素およびスルホンアミド誘導体を形成し得る。
【0129】
式XIII(RXは、アリールもしくはヘテロアリールまたはアルキルである)の化合物は、スキーム4に示されるような一般的な方法を用いて合成され得る。中間体VIIの臭素化は、2種類の位置異性体(region-isomeric)ブロミド(VIIIおよびIX)を生成するであろう。位置異性体IXは、適当に置換されたピラゾール化合物で処理されて、化合物Xを生成し得る。遷移金属により促進された臭化物と、適切に活性化されたRx化合物とのカップリングにより化合物XIを得てもよい。2つ目のハロゲンは、Pdおよびリン基質のリガンドの存在または非存在下において、アミン化合物を溶媒として、またはジメチルホルムアミドもしくはジメチルアセトアミドを溶媒として用いて、熱的にまたはマイクロ波条件下のいずれかでアミン化合物により置換されて、式XIIの化合物を生成し得、これがアミドXIIIに変換され得る。
【0130】
スキーム3
【化11】

【0131】
同様に、位置異性体VIIIは、スキーム4に記載されるプロトコルを用いて一般式XIVの化合物に変換され得る。
【0132】
スキーム4
【化12】

【0133】
一般式XIX(式中、Rxは、Hまたはアリールもしくはヘテロアリールまたはアルキルである)の化合物は、スキーム5に示される一般的な方法を用いて合成され得る。中間体IVまたはXは、マイクロ波または熱条件を用いて、飽和アミノヘテロ環を含有する置換ヒドロキシ基とカップリングされ得る。得られた化合物XVIIIをミツノブ反応条件下でフェノールと結合させて化合物XIXを得ることができる。
スキーム5
【化13】

【0134】
製造例1
3−イソプロピル−1H−ピラゾール−5−アミン
【化14】

【0135】
方法1
【0136】
1A.4−メチル−3−オキソペンタンニトリルの製造
【化15】

【0137】
1,4−ジオキサン(20mL)中のNaH(鉱油中の60%の分散物,1.05g,0.026mol)の懸濁液をCH3CN(1.5mL,0.028mol)で処理した。反応混合液を周囲温度で20分間撹拌し、次いでイソ酪酸エチル(3mL,0.023mol)を加えた。反応混合液を55℃で4時間加熱し、続いて周囲温度に冷まし、終夜撹拌した。水(40mL)を0℃で加え、未反応の出発物質をDCM(50mL)で抽出した。水層を1NのHClでpH〜5に酸性化し、続いてDCM(2x50mL)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮して所望の生成物を得た(1.8g,67%)。1HNMR (400M Hz, CD3OD) δ 3.52 (s, 1H), 2.72-2.80 (m, 1H), 1.14 (d, J = 6.8 Hz).
【0138】
2B.3−イソプロピル−1H−ピラゾール−5−アミンの製造
【化16】

【0139】
エチルアルコール(5mL)中の4−メチル−3−オキソペンタンニトリル(0.9g,0.008mole)の混合液に、ヒドラジン(0.25mL,0.008mole)を加えた。反応混合液を1時間還流させ、続いて室温に冷ました。反応混合液を濃縮し、残渣をMeOH(2mL)中に溶解させた。粗生成物を硫酸結合樹脂(AG 50W−X2,水素型,100〜200メッシュ,BioRad)上に載せ、MeOH(50mL)で洗浄し、続いてメタノール(10mL)中の2NのNH3で洗浄した。アンモニア洗浄物を合わせ、濃縮して所望の生成物を得た(700mg,68%)。1HNMR (400MHz, MeOD) δ 5.44 (s, 1H), 2.84-2.90 (m, 1H), 1.24 (d, J = 6.4 Hz).
【0140】
製造例2
3−エチル−1H−ピラゾール−5−アミン
【化17】

【0141】
方法2
【0142】
2A.3−オキソペンタンニトリルの製造
【化18】

【0143】
THF(15mL)中のn−BuLi(ヘキサン中で1.6M,5mL,8mmol)の溶液を、−78℃にてCH3CN(0.4mL,8mmol)で処理した。反応混合液を−78℃で1時間撹拌し、続いてプロピオン酸エチル(0.45mL,4mmol)を加えた。反応混合液を−40℃で2時間撹拌し、続いて室温までゆっくり室温まで温めた。反応液を1NのHClでクエンチし、pH〜5にした。該溶液をジエチルエーテル(20mL)で抽出し、乾燥させ(Na2SO4)、続いて減圧下にて20℃より低い温度で慎重に濃縮した。粗生成物(0.4g)を精製することなく次の工程で使用した。
【0144】
2B.3−エチル−1H−ピラゾール−5−アミンの製造
【化19】

【0145】
エタノール(5mL)中の3−オキソペンタンニトリルの混合液に、ヒドラジン(0.2mL,6mmol)を加えた。混合液を1時間還流し、続いて減圧下で濃縮した。残渣をメタノール(1mL)で希釈し、分取逆相HPLC(YMC ODS−A 5μm 30x100mm,10〜90%の(0.1%のTFAを含有する)メタノール水溶液,15分勾配,220nmでモニターした)により精製して3−エチル−1H−ピラゾール−5−アミン(0.3g,68%)を得た。1HNMR (MeOD) δ 5.54 (s, 1H), 2.60 (q, 2H, J = 7.6 Hz), 1.25 (t, 3H, J = 7.6 Hz).
【0146】
表1に列挙した化合物を、示される製造例1または2について記載されるとおりに製造した。
【表2】

HPLC条件:
(a)YMC S5 Combiscreen ODS 4.6x50 mm,10〜90%の(0.2%のH3PO4を含有する)メタノール水溶液,4分勾配,220または254nmでモニターした)
(b)Chromolith SpeedROD 4.6x50mm,10〜90%の(0.1%のTFAを含有する)メタノール水溶液,4分勾配,220または254nmでモニターした)
【0147】
実施例1
(4−(4−(3−メチル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)(フェニル)メタノン
【化20】

【0148】
1A.2−クロロ−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−4−アミンの製造
【化21】

【0149】
3−メチル−1H−ピラゾール−5−アミン(387mg,3.99mmol)を、2−プロパノールおよびトリエチルアミン(4:0.2mL)の混合液中の2,4−ジクロロピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン(500mg,2.66mmol)の撹拌懸濁液に加えた。反応混合液を45℃で16時間撹拌した。反応混合液を室温に冷まし、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール(98:2から94:6)勾配)を用いて精製した。フラクションを収集し、分析し、合わせ、濃縮して350mgの2−クロロ−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−4−アミンを得た。
【0150】
MS (ESI) m/z 249.06 (M+H)
【0151】
1H NMR (CDCl3) δ ppm 8.75 (s, 1 H), 7.66 (s, 1 H), 6.71 (s, 1 H), 6.05 (br s, 1 H), 2.27 (s, 3H)
【0152】
1B.N−(3−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−(ピペラジン−1−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−4−アミンの製造
【化22】

【0153】
スターラーバーを備えた100mLの丸底フラスコ中に、2−クロロ−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン(5g,20.11mmol)、ピペラジン(8.66g,101mmol)およびN−メチルピロリジン(5mL)を入れた。反応混合液を125℃で2時間撹拌し、粗反応液のLCMSは、出発物質の消失を示した。粘性反応混合液を室温に冷却させ、MeOH−DCM混合液(20mL,1:1)を加えた。フラスコの上壁上で凝固した過剰のピペラジンを移し入れないように、液体を注意深く注ぎ入れた。該溶液を、300mLのジエチルエーテルに、激しく撹拌させながら30分かけてゆっくり加えた。白色の沈殿物を濾過し、エーテルで洗浄して5mgのN−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(ピペラジン−1−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−4−アミンを得た。
【0154】
MS (ESI) m/z 299.16 (M+H)
【0155】
1H NMR (CD3OD) δ ppm 7.375 (d, 1 H, J =1.83 Hz), 6.82 (d, 1 H, J = 3.97 Hz), 6-35-6.57 (m, 2 H), 3.60-3.71(m, 4 H), 2.88-3.00 (m, 4H), 2.32 (s, 3H)
【0156】
1C.(4−(4−(3−メチル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)(フェニル)メタノン TFA塩の製造
【0157】
DMF(1mL)中のN−(3−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−(ピペラジン−1−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン(20mg,0.06mmol)の混合液を、安息香酸(10mg,0.08mmol)、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムテトラフルオロボレート(20mg,0.06mmol)、およびDIEA(0.1mL,0.59mmol)で処理した。反応液を室温で終夜撹拌した。混合液をメタノールで希釈し、分取逆相HPLC(YMC ODS−A 20x100mm,10〜90%の(0.1%のTFAを含有する)メタノール水溶液,10分勾配,220nmでモニターした)により精製して(4−(4−(3−メチル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)(フェニル)メタノン TFA塩(11mg)を得た。
【0158】
m/z = 403.1 (M + H)
【0159】
1HNMR (CD3OD) δ 10.22 (s, 1H), 8.18 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 7.77 (d, 2H, J = 7.6 Hz), 7.43 (m, 5H), 7.00 (s, 1H), 6.36 (s, 1H), 6.28 (s, 1H), 4.33 (d, 2H, J = 13.2 Hz), 4.02 (s, 1H), 3.23 (t, 2H, J = 7.6 Hz), 1.84 (m, 3H), 1.54 (m, 2H), 0.88 (m, 2H), 0.63 (m, 2H).
【0160】
表1中の下記化合物を、実施例1に記載される方法を用いて合成した。
【0161】
【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【表16】

【表17】

【表18】

【表19】

【表20】

【表21】

【表22】

【表23】

【表24】

【表25】

【表26】

【表27】

【表28】

【表29】

【表30】

【表31】

【表32】

【表33】

【表34】

【表35】

【表36】

【表37】

【表38】

【表39】

【表40】

【表41】

【表42】

【表43】

【表44】

【表45】

【表46】

【表47】

【表48】

【表49】

【表50】

【表51】

【表52】

【表53】

【表54】

【表55】

【表56】

【表57】

【表58】

【表59】

【表60】

【表61】

【表62】

【表63】

【表64】

【表65】

HPLC条件:
(c)YMC S5 Combiscreen ODS 4.6x50mm,10〜90%の(0.2%のH3PO4を含有する)メタノール水溶液,4分勾配,220または254nmでモニターした)
(d)Chromolith SpeedROD 4.6x50mm,10〜90%の(0.1%のTFA)メタノール水溶液,4分勾配,220または254nmでモニターした)
【0162】
実施例252
(R)−1−(3−メチル−4−(4−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−2−フェニルエタノン
【化23】

【0163】
252A (R)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(2−メチルピペラジン−1−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−4−アミンの製造
【0164】
バイアル内のNMP(1mL)中の2−クロロ−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン(100mg,0.402mmol)および(R)−tert−ブチル 3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(965mg,4.82mmol)に、DIPEA(0.211mL,1.206mmol)を加えた。反応物を160℃で終夜加熱した。反応物を冷まし、MeOHで希釈し、分取HPLC(YMC ODS S5 30x100mm,0.1%のTFAを含有する10%のMeOHから90%のMeOH/H2O,15分,20ml/分の流速)により精製した。フラクションの濃縮後に得た残渣を、TFA/CH2Cl2(4ml)の1:1混合液で処理し、室温で30分間撹拌した。反応混合液を濃縮して47.3mgの(R)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(2−メチルピペラジン−1−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−4−アミンを得た。
【0165】
252B (R)−1−(3−メチル−4−(4−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−2−フェニルエタノンの製造
【0166】
(R)−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2−(2−メチルピペラジン−1−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−4−アミンをジクロロメタン(2mL)中に溶解させ、0℃に冷却した。2−フェニルアセチルクロリド(0.022mL,0.166mmol)およびDIPEA(0.087mL,0.497mmol)を加え、反応液を室温にし、終夜撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残存する油状物をMeOHで希釈した。4滴の1NのNaOH水溶液を添加し、反応液を45分間撹拌した。反応混合液を1NのHCl水溶液で酸性化し、分取HPLC(YMC ODS S5 30x100mm,0.1%のTFAを含有する10%のMeOHから90%のMeOH/H2O,15分,20ml/分の流速)により精製して20.7gの(R)−1−(3−メチル−4−(4−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−2−フェニルエタノン,TFAを得た。
【0167】
m/z = 431.2 (M+H)
【0168】
1H NMR (CD3OD) δ ppm 7.57 - 7.61 (m, 1 H), 7.15 - 7.22 (m, J=9.07, 9.07, 5.50 Hz, 2 H), 7.01 (ddd, J=11.41, 8.39, 2.75 Hz, 1 H), 6.88 - 6.94 (m, 1 H), 6.65 - 6.67 (m, 1 H), 6.21 (s, 1 H), 5.12 - 5.17 (m, J=1.65 Hz, 1 H), 3.75 - 3.88 (m, 4 H), 2.29 - 2.41 (m, 5 H)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

(I)
[式中、
は、水素、0〜3個のRで置換されているC1〜6アルキル、0〜3個のRで置換されているC3〜6シクロアルキル、0〜3個のRで置換されているC6〜10アリールまたは−CONR1213であり;
およびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、環を形成しており、前記環が:
【化2】


【化3】


【化4】

または
【化5】

であり、前記環がまた、0〜2個のRで置換されており;
およびRは独立して、水素、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキルまたは(CH2r−フェニルであり;あるいは、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5員〜10員のヘテロ環を形成しており;
12およびR13は独立して、水素、Rで適宜置換されていてもよいC1〜6アルキル、Rで適宜置換されていてもよいC3〜6シクロアルキル、0〜3個のRで置換されているC6〜10アリール、またはN、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有し、0〜3個のRで置換されている5員〜10員のヘテロ環基であるか;
あるいは、R12およびR13は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4員〜8員の環を形成しており、ここで、前記環は、−N−、−S−および−O−から選択される1個または複数のさらなるヘテロ原子を適宜含有していてもよく;前記環は、0〜1個の水素、−OH、または0〜5個のRで適宜置換されているC1〜6アルキルで置換されており;
14は、水素、0〜3個のR14aで置換されているC1〜6アルキル、0〜3個のR14aで置換されているC1〜6アルケニル、0〜3個のR14aで置換されているC1〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキル、0〜3個のR14aで置換されている(CHR)r−C3〜6シクロアルキル;0〜3個のR14aで置換されているビシクロ[4.2.0]オクタトリエニル、0〜3個のR14aで置換されているインデニル、0〜3個のR14aで置換されているインダノニル;0〜5個のR14aで置換されている−(CH2r−C6〜10アリールまたはN、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有し、0〜3個のR14aで置換されている−(CH2r−5員〜10員のヘテロ環基であり、
14aは、F、Cl、Br、OCF3、CF3、CHF2、CN、NO2、−(CH2rOR、−(CH2rSR、−(CH2rC(O)R、−(CH2rC(O)OR、−(CH2rOC(O)R、−(CH2rNR、−(CH2rC(O)NR、−(CH2rNRC(O)R、−(CH2rNRC(O)OR、−NRC(O)NR、−S(O)pNR、−NRS(O)p、−S(O)R、−S(O)2、0〜1個のRで置換されているC1〜6アルキル、0〜1個のRで置換されているC1〜6アルケニル、0〜1個のRで置換されているC1〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキル、0〜2個のRで適宜置換されていてもよい−(CH2r−3員〜14員の炭素環、あるいは炭素原子ならびにN、OおよびS(O)pから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む−(CH2r−5員〜7員のヘテロサイクルであり、ここで、前記ヘテロサイクルは、0〜2個のRで置換されており;
は、水素、F、Cl、Br、OCF3、CF3、CHF2、CN、NO2、−(CH2rOR、−(CH2rSR、−(CH2rC(O)R、−(CH2rC(O)OR、−(CH2rOC(O)R、−(CH2rNR、−(CH2rC(O)NR、−(CH2rNRC(O)R、−(CH2rNRC(O)OR、−NRC(O)NR、−S(O)pNR、−NRS(O)p、−S(O)R、−S(O)2、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、−(CH2r−3員〜14員の炭素環、あるいは炭素原子ならびにN、OおよびS(O)pから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む−(CH2r−5員〜7員のヘテロサイクルであり;
は、水素、0〜2個のRで置換されているC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、0〜2個のRで置換されているC3〜6シクロアルキルまたは0〜2個のRで置換されている(CH2r−フェニルであり;
は、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、または(CH2r−フェニルであり;
は、水素、F、Cl、Br、OCF3、CF3、CN、NO2、−OR、−(CH2)rC(O)Rb、−NR、−NRC(O)OR、C1〜6アルキルまたは(CH2r−フェニルであり;
は、水素、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキルまたは(CH2r−フェニルであり;
Rは、それぞれ独立して、H、C1〜6アルキル、(CH2r3〜6シクロアルキルまたは(CH2rフェニルからであり;
pは、0、1または2であり;
rは、0、1、2、3または4である]
の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、あるいは薬学的に許容されるその塩または立体異性体。
【請求項2】
が、水素、C1〜4アルキル、0〜1個のRで置換されているC3〜6シクロアルキルまたは−CONR1213であり;
12およびR13が、水素、C1〜6アルキルまたはC3〜6シクロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
およびRが独立して、水素、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキルまたは(CH2r−フェニルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
14が、水素、0〜3個のR14aで置換されているC1〜6アルキル;0〜3個のR14aで置換されているC1〜6アルケニル;0〜3個のR14aで置換されている(CHR)r−C3〜6シクロアルキル(ここで、前記シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである);0〜5個のR14aで置換されている−(CH2r−C6〜10アリール(ここで、前記アリールは、フェニルである);0〜3個のR14aで置換されているビシクロ[4.2.0]オクタトリエニル、0〜3個のR14aで置換されているインデニル、0〜3個のR14aで置換されているインダノニル;またはN、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有し、0〜3個のR14aで置換されている−(CH2r−5員〜10員のヘテロ環基であり、
14aが、F、Cl、Br、OCF3、CF3、CHF2、CN、NO2、−(CH2rOR、−(CH2rSR、−(CH2rC(O)R、−(CH2rC(O)OR、−(CH2rOC(O)R、−(CH2rNR、−(CH2rC(O)NR、−(CH2rNRC(O)R、−(CH2rNRC(O)OR、−NRC(O)NR、−S(O)pNR、−NRS(O)p、−S(O)R、−S(O)2、0〜1個のRで置換されているC1〜6アルキル、0〜1個のRで置換されているC1〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキル、0〜2個のRで適宜置換されていてもよい−(CH2r−3員〜14員の炭素環(ここで、前記炭素環式残基は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フルオレニルまたはフェニルである)または炭素原子ならびにN、OおよびS(O)pから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む−(CH2r−5員〜7員のヘテロサイクルであり、ここで、前記ヘテロサイクルは、0〜2個のRで置換されており、前記ヘテロサイクルは、ピリジル、ピリジニル、イソオキサジル、チエニル、ピラゾリル、フラニル、ピロリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、チアジアゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、インダノニル、ピペラジニル、ピラニルまたはピロリルである、請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
rが、0、1または2である、請求項1から4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
14が、水素、0〜3個のR14aで置換されているC1〜6アルキル;C1〜6アルケニル;0〜3個のR14aで置換されている(CHR)r−C3〜6シクロアルキル(ここで、前記シクロアルキルは、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである);0〜5個のR14aで置換されている−(CH2r−C6〜10アリール(ここで、前記アリールは、フェニル、ビシクロ[4.2.0]オクタトリエニル、インデニル、インダノニルである);またはN、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有し、0〜3個のR14aで置換されている−(CH2r−ヘテロ環基(ここで、前記ヘテロ環基は、ピリジル、ピリジニル、ピペリジニル、イソオキサジル、チエニル、ピラゾリル、フラニル、ピロリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、チアジアゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、インダノニル、ピペラジニル、ピラニルまたはピロリルである)であり、
14aが、F、Cl、Br、OCF3、CF3、CHF2、CN、NO2、−(CH2rOR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−(CH2rNR、−C(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−C(O)NR、−S(O)pNR、−NRS(O)p、−S(O)R、−S(O)2、0〜1個のRで置換されているC1〜6アルキル、−C≡CH、C1〜2ハロアルキル、0〜2個のRで適宜置換されていてもよい−(CH2r−3員〜7員の炭素環(ここで、前記炭素環式残基は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フルオレニルまたはフェニルである)、あるいは炭素原子ならびにN、OおよびS(O)pから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む−(CH2r−5員〜7員のヘテロサイクル(ここで、前記ヘテロサイクルは、0〜2個のRで置換されており、前記ヘテロサイクルは、ピリジル、ピリジニル、イソオキサジル、チエニル、ピラゾリル、フラニル、ピロリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、チアジアゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、インダノニル、ピペラジニル、ピラニルまたはピロリルである)である、請求項1から5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
およびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、環を形成しており、前記環が、
【化6】

であり、前記環がまた、0〜1個のRで置換されている、請求項1から6のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
が、メチル、または0〜1個のメチルもしくはトリフルオロメチルで置換されているシクロプロピルである、請求項1から7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
1種類または複数の請求項1から8のいずれかに記載の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項10】
骨髄増殖性疾患(真性赤血球増加症、本態性血小板減少症、骨髄線維症)、多発性骨髄腫を治療する方法であって、それを必要とする哺乳動物種に、治療有効量の1種類または複数の請求項1から8のいずれかに記載の化合物を投与することを含む方法。

【公表番号】特表2012−505234(P2012−505234A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531165(P2011−531165)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/059945
【国際公開番号】WO2010/042684
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】