ファイル処理装置、画像表示装置、ファイル処理方法及びファイル処理プログラム
【課題】 第一種ファイルに第二種ファイルの識別子を格納することによって第一種ファイルに第二種ファイルを関連付ける場合において、第一種ファイルが複数あっても各第一種ファイルに第二種ファイルが関連付けられているか否かを短時間で確認可能にするファイル処理装置、ファイル処理方法及びファイル処理プログラムを提供する。
【解決手段】 本発明のファイル処理装置は、記憶媒体から第一種ファイルを検索する第一の検索手段と、前記第一の検索手段で検索された前記第一種ファイルに第二種ファイルの識別子が格納されているか否かを判別し、判別結果に基づいて前記第一種ファイルと前記第二種ファイルとの対応付けに関する情報を作成する対応情報作成手段と、を備える。
【解決手段】 本発明のファイル処理装置は、記憶媒体から第一種ファイルを検索する第一の検索手段と、前記第一の検索手段で検索された前記第一種ファイルに第二種ファイルの識別子が格納されているか否かを判別し、判別結果に基づいて前記第一種ファイルと前記第二種ファイルとの対応付けに関する情報を作成する対応情報作成手段と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はファイル処理装置、画像表示装置、ファイル処理方法及びファイル処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
任意の画像と合成するための部品画像や任意の画像を印刷する際のレイアウトを指定するテンプレートファイルが知られている。テンプレートファイルには例えば任意の画像が割り付けられる領域を定義する情報、任意の文字列が割り付けられる領域を定義する情報、背景あるいは前景として合成される部品画像を指定する情報、部品画像が割り付けられる領域を定義する情報などが格納されている。テンプレートファイルは年賀状、誕生日、クリスマス、旅行などといったテーマに応じて予め用意され、ユーザはテンプレートファイルを選択することによって画像を目的に応じた部品画像と合成したり、目的に応じたレイアウトで印刷できる。
【0003】
テンプレートファイルが複数存在する場合、画像ファイルとテンプレートファイルとを関連付けておくと、印刷する度に関連付けを行う必要がないため便利である。例えば関連付けるテンプレートファイルの識別子を画像ファイルに格納しておくようにすると、画像ファイルが選択されたとき、選択された画像ファイルから識別子を取得することで、関連付けられているテンプレートファイルを一意に特定できるようになる。
【0004】
【特許文献1】国際公開第03/085510号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、テンプレートファイルの識別子を画像ファイルに格納しておくと、例えばテンプレートファイルが関連付けられている画像ファイルのファイル名を一覧表示しようとする場合、全ての画像ファイルをオープンして識別子が含まれているか否かを判別しなければならない。一般にファイルをオープンする処理は時間のかかる処理であるため、画像ファイルの数が多いと一覧が表示されるまでにユーザは長時間待たされることになる。
【0006】
本発明は、かかる問題に鑑みて創作されたものであって、第一種ファイルに第二種ファイルの識別子を格納することによって第一種ファイルに第二種ファイルを関連付ける場合において、第一種ファイルが複数あっても各第一種ファイルに第二種ファイルが関連付けられているか否かを短時間で確認可能にするファイル処理装置、ファイル処理方法及びファイル処理プログラムを提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明の別の目的は、第一種ファイルに第二種ファイルの識別子を格納することによって第一種ファイルに第二種ファイルを関連付ける場合において、第一種ファイルが複数あっても各第一種ファイルに第二種ファイルが関連付けられているか否かを短時間で確認可能な画像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係るファイル処理装置は、記憶媒体から第一種ファイルを検索する第一の検索手段と、前記第一の検索手段で検索された前記第一種ファイルに第二種ファイルの識別子が格納されているか否かを判別し、判別結果に基づいて前記第一種ファイルと前記第二種ファイルとの対応付けに関する情報を作成する対応情報作成手段と、を備える。このファイル処理装置によって第一種ファイルと第二種ファイルとの対応付けに関する情報を作成しておけば、各第一種ファイルに第二種ファイルが関連付けられているか否かを確認する必要が生じたとき、作成されている情報を参照することで短時間に確認できる。よってこのファイル処理装置によると、第一種ファイルが複数あっても各第一種ファイルに第二種ファイルが関連付けられているか否かを短時間で確認可能になる。
【0009】
さらに本発明に係るファイル処理装置では、前記第一種ファイルは画像ファイルであり、前記第二種ファイルは任意の画像と合成する部品画像を指定するテンプレートファイルである。
さらに本発明に係るファイル処理装置では、前記識別子は所定のユニークコードである。所定のユニークコードを識別子として用いると第二種ファイルを一意に特定することが可能になる。
【0010】
さらに本発明に係るファイル処理装置では、前記所定のユニークコードはUUIDである。UUID(Universally Unique Identifier)とは、日時、ネットワークインタフェースカードのMACアドレス、乱数などを組み合わせて生成される所定ビット長の数値であり、重複しないことが保証されている数値である。UUIDを所定のユニークコードとして用いると第二種ファイルを一意に特定することが可能になる。
【0011】
さらに本発明に係るファイル処理装置では、前記情報は前記第一種ファイルと前記識別子の有無とを対応付ける情報である。第一種ファイルに第二種ファイルが関連付けられているか否かを識別子の有無によって判別できるため、情報を参照することで、第一種ファイルが複数あっても各第一種ファイルに第二種ファイルが関連付けられているか否かを短時間で確認可能になる。
【0012】
さらに本発明に係るファイル処理装置では、前記情報は前記第一種ファイルと前記第二種ファイルとを対応付ける情報である。このファイル処理装置によると、第一種ファイルに第二種ファイルが関連付けられているか否かのみでなく、関連付けられている場合はどの第二種ファイルが関連付けられているかまで確認できる。
【0013】
さらに本発明に係るファイル処理装置では、前記記憶媒体から前記第二種ファイルを検索する第二の検索手段を更に備え、前記対応情報作成手段は、前記第二の検索手段で検索された前記第二種ファイルから前記識別子を取得し、取得した前記識別子と同じ前記識別子が格納されている前記第一種ファイルに当該検索された第二種ファイルを対応付ける。
【0014】
さらに本発明に係るファイル処理装置では、前記記憶媒体はリムーバブルメモリであり、前記対応情報作成手段は、リムーバブルメモリが接続されると前記情報を作成する。リムーバブルメモリが装着されたときに情報を作成しておけば、第二種ファイルが関連付けられているか否かを確認する際にユーザが待たされる可能性を最小にすることができる。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像表示装置は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のファイル処理装置と、前記情報を参照し、前記第二種ファイルが関連付けられている前記第一種ファイルに対応するオブジェクトと前記第二種ファイルが関連付けられていない前記第一種ファイルに対応するオブジェクトとを識別可能に画面に表示するオブジェクト表示手段と、前記オブジェクトの選択を受け付けることにより前記第一種ファイルの選択を受け付ける選択受付手段と、前記選択受付手段で選択された前記第一種ファイルであって前記第二種ファイルが関連付けられている前記第一種ファイルと当該第一種ファイルに関連付けられている前記第二種ファイルとに基づいて画像を表示する画像表示手段と、を備える。この画像表示装置によると、第一種ファイルが複数あっても各第一種ファイルに第二種ファイルが関連付けられているか否かを短時間で確認できる。
【0016】
さらに本発明に係る画像表示装置では、前記画像表示手段は印刷媒体に画像を印刷することにより表示する。
尚、本発明に備わる複数の手段の各機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら複数の手段の各機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明する。
(第一実施例)
図2(A)は、本発明の第一実施例に係る画像表示装置としてのプリンタ1の外観を示す斜視図である。プリンタ1はパーソナルコンピュータ等による制御を必要とせず、画像ファイルに格納されている画像データが表す画像を単独で印刷可能な所謂スタンドアロン型プリンタである。図示するようにプリンタ1のハウジング10には操作部11、LCD12a、カードスロット19aなどが設けられている。操作部11には上ボタン、下ボタン、決定ボタン、戻るボタン、印刷ボタン、中止ボタンなどの各種の操作ボタンが設けられている。LCD12aの画面には種々の設定を行うためのメニューが表示され、表示されたメニューは上述した各種の操作ボタンによって操作される。カードスロット19aはハウジング10の内部に設けられたメモリ読み書き部19にリムーバブルメモリ20を接続するための開口である。
【0018】
図2(B)は、プリンタ1のハードウェア構成を示すブロック図である。
制御部15は、CPU16、フラッシュメモリ18、及びワークメモリ17を備える。CPU16はフラッシュメモリ18に記憶されているプログラムを実行してプリンタ1の全体を制御する。また、CPU16はフラッシュメモリ18に記憶されているファイル処理プログラムを実行することで第一の検索手段、対応情報作成手段、及び第二の検索手段としても機能する。また、CPU16はフラッシュメモリ18に記憶されている画像表示プログラムを実行することでオブジェクト表示手段、選択受付手段、及び画像表示手段としても機能する。フラッシュメモリ18は各種のプログラムやデータを記憶しているメモリであり、ワークメモリ17は各種のプログラムやデータを一時的に記憶するメモリである。これら各種のプログラムやデータは所定のサーバからネットワークを介してダウンロードして入力してもよいし、リムーバブルメモリ20等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から読み出して入力してもよい。
【0019】
メモリ読み書き部19は、記憶媒体としてのリムーバブルメモリ20が脱着自在に接続される接続端子、メモリコントローラなどを備える。メモリ読み書き部19は制御部15によって制御され、第一の検索手段及び第二の検索手段として機能する。制御部15とメモリ読み書き部19とはファイル処理装置を構成する。リムーバブルメモリ20は電源が切れても記憶内容が失われないフラッシュメモリなどのような不揮発性メモリである。なお、リムーバブルメモリはフレキシブルディスク、CD−ROMなどであってもよい。また、第一実施例のプリンタ1はメモリ読み書き部19に接続されたリムーバブルメモリ20を読み書きするが、ネットワークに接続されている外部記憶装置が備えるハードディスクなどの記憶媒体をネットワーク経由で読み書きするようにしてもよい。
【0020】
画像表示手段としての画像処理部13は、ワークメモリ17に記憶された画像データに基づいて印刷データを作成するASICである。画像処理部13は、具体的には例えばJPEG規格で圧縮されている画像データの伸張、伸張された画像データの色空間の変換、ガンマ補正、カラーバランス調整、シャープネス調整、コントラスト調整、画像データの解像度を印刷解像度に変換する解像度変換、画像データを2値化する2値化処理、2値化された画像データをプリンタエンジン14に転送すべき順序に並べ替えて印刷データを生成するインターレース処理などを制御部15と協働して実行する。尚、これらの処理を制御部15と画像処理部13とのいずれで行うかは適宜選択し得る設計事項である。
【0021】
画像表示手段としてのプリンタエンジン14は、画像処理部13で生成された印刷データに基づいて紙等の印刷媒体に画像を印刷する。プリンタエンジン14は印字ヘッドを搭載するキャリッジ、キャリッジを往復移動させる駆動機構、印刷媒体を搬送する搬送機構などで構成され、それらは制御部15によって制御される。キャリッジには印字ヘッドの他に印字ヘッドが吐出するインクを蓄える複数のインクタンクが色毎に搭載されている。尚、プリンタエンジン14は例えばレーザ方式やドットインパクト方式で画像を印刷するものであってもよい。
【0022】
表示部12は、ディスプレイコントローラ、LCD12aなどを備える。ディスプレイコントローラは制御部15によって制御され、LCD12aにメニューやその他各種の情報を表示する。
【0023】
次に、第一種ファイルについて説明する。第一実施例では第一種ファイルとして画像ファイルを例に説明する。
図3は、第一種ファイルとしての画像ファイルのファイル構造を示す模式図である。画像ファイルはヘッダ領域21及び画像データ領域22を含んでいる。ヘッダ領域21は画像データ領域22の先頭アドレスを示すポインタ、識別子としてのUUID、その他、作成日付、画像サイズなどのヘッダ情報が記録される領域である。UUIDは当該画像ファイルにテンプレートファイルを関連付けるためのものである。例えばディジタルカメラで撮影を行ったときにその撮影の際に指定されていたテンプレートファイルのUUIDが画像データ領域22に格納され、それにより画像ファイルにテンプレートファイルが関連付けられる。UUIDが格納されていない場合はその画像ファイルにはテンプレートファイルが関連付けられていないことを意味している。UUIDは重複しないことが保証されている値であるため、UUIDを識別子として用いるとテンプレートファイルを一意に特定することが可能になる。なお、テンプレートファイルのファイル名やパス名でテンプレートファイルを一意に特定できる場合はファイル名やパス名を識別子として用いてもよい。画像データ領域22は画像データが記録される領域である。表示の際にはヘッダ領域21からポインタを読み込むことで画像データ領域22の先頭アドレスを特定でき、それにより画像データを読み込むことができる。画像ファイルのファイル形式はUUIDを格納可能な形式であればよく、例えばTIFF形式やExif形式を画像ファイルのファイル形式として用いることができる。第一実施例ではExif形式の画像ファイル(以下「Exifファイル」という)を例に説明する。なお、どの種類の画像ファイルを第一種ファイルとするかは適宜選択可能であり、例えばExifファイルに加えてTIFF形式の画像ファイルを第一種ファイルとしてもよい。
【0024】
次に、第二種ファイルについて説明する。第一実施例では第二種ファイルとしてテンプレートファイルを例に説明する。
図4は、テンプレートファイルのファイル構造を示す模式図である。テンプレートファイルは、ヘッダ領域25及びスクリプト領域26を含んでいる。ヘッダ領域25はスクリプト領域26の先頭アドレスを示すポインタ、当該テンプレートファイルに付与されたUUID、その他、作成日付などのヘッダ情報が記録される領域である。スクリプト領域26は、任意の画像データが表す画像と合成する部品画像を指定するデータや、画像データの表示レイアウトを規定するデータが記録される領域である。部品画像を指定するデータとは、具体的には部品画像を表す部品画像データを格納した部品画像ファイルのファイル名あるいはパス名などのことをいう。表示レイアウトを規定するデータとは、具体的には印刷用紙のサイズ(例えば「はがき」)、印刷用紙の向きを規定する情報(例えば「縦長」)、Exifファイルに格納されている画像データが表す画像を配置する枠(画像枠)を規定する情報(例えば枠の右上座標「(x1,y1)」と枠の左下座標「(x2,y2)」)、部品画像ファイルに格納されている部品画像データが表す部品画像を配置する枠(部品画像枠)を規定する情報(例えば枠の右上座標「(x3,y3)」と枠の左下座標「(x4,y4)」)などのことをいう。なお、第一実施例では第二種ファイルに部品画像を指定するデータと表示レイアウトを規定するデータとをともに格納しているが、第二種ファイルはこれらのいずれか一方のみを格納するものであってもよい。また、第一実施例では第二種ファイルに部品画像ファイルのファイル名あるいはパス名などを格納しているが、第二種ファイル自体に部品画像データを格納してもよい。
【0025】
図5(A)はテンプレートファイルを用いた印刷を説明するための模式図であり、図5(B)はその印刷結果を示す模式図である。Exifファイルに格納されている画像データが表す画像と、部品画像ファイルに格納されている部品画像データが表す部品画像とは、テンプレートファイルで規定される表示レイアウトに従って図示するように合成されて印刷される。
【0026】
次に、ファイル処理プログラムについて説明する。
図6は、ファイル処理プログラムの論理的な構造を示すブロック図である。ファイル処理プログラムは、第一の検索部31、第二の検索部32、及び対応情報作成部33を備える。
第一の検索部31は、リムーバブルメモリ20からExifファイルを検索する。具体的には、第一の検索部31はリムーバブルメモリ20の所定のディレクトリを起点に下位ディレクトリを順に辿って拡張子が「.exif」の画像ファイルを探し出す。拡張子が「.exif」の画像ファイルを見つけると第一の検索部31はそのExifファイルのパスを対応情報作成部33に出力する。これを全ての下位ディレクトリについて繰り返すことにより起点となるディレクトリ下に記憶されている全てのExifファイルを検索する。
【0027】
第二の検索部32も同様に、リムーバブルメモリ20からテンプレートファイルを検索する。具体的には、第二の検索部32はリムーバブルメモリ20の所定のディレクトリを起点に下位ディレクトリを順に辿って、テンプレートファイルに割り当てられている拡張子「.usd」を有するファイルを探し出す。拡張子が「.usd」のファイルを見つけると第二の検索部32はそのファイルのパスを対応情報作成部33に出力する。これを全ての下位ディレクトリについて繰り返すことにより起点となるディレクトリ下に記憶されている全てのテンプレートファイルを検索する。
【0028】
対応情報作成部33は、第一の検索部31で検索されたExifファイルにUUIDが含まれているか否かを判別し、判別結果に基づいてExifファイルとテンプレートファイルとの対応付けに関する情報、具体的にはExifファイルとテンプレートファイルとを対応付けるテーブルを作成する。特許請求の範囲に記載の「対応付けに関する情報」は、対応情報作成部33によって作成されるテーブルに相当する。
【0029】
次に、ファイル処理プログラムの処理の流れについて説明する。第一実施例ではリムーバブルメモリ20が接続されたときにテーブルを作成する。画像ファイルにテンプレートファイルが関連付けられているか否かを確認しようとしたときにテーブルが作成されていないと、ユーザはテーブルが作成されるまで待たされることになる。従って、ユーザが待たされる可能性が最小になるよう可能な限り早いとき、すなわちリムーバブルメモリ20が接続されたときにテーブルを作成することが望ましい。
【0030】
図7は、ファイル処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
S105では、最初のExifファイルを検索する。具体的には、ユーザがメモリ読み書き部19にリムーバブルメモリ20を接続するとOSに所定の割込が発生し、当該割込が発生するとOSは対応情報作成部33を呼び出す。対応情報作成部33は呼び出されると第一の検索部31に実行を指示する。第一の検索部31は実行が指示されると所定のディレクトリを起点に下位ディレクトリを順に辿って最初のExifファイルが見つかるかまたは最後のディレクトリに到達するまで検索を繰り返す。
【0031】
S110では、第一の検索部31はExifファイルが見つかった場合はS115に進み、見つからなかった場合はS205に進む。
S115では、対応情報作成部33は見つかったExifファイルにUUIDが含まれているか否かを判定する。具体的には、第一の検索部31は見つかったExifファイルのパスを対応情報作成部33に出力する。対応情報作成部33は第一の検索部31から出力されたパスで特定されるExifファイルを読み込み、UUIDが記録されているか否かを判定する。記録されている場合はS120に進み、記録されていない場合はS125に進む。
【0032】
S120では、対応情報作成部33はExifファイルのファイル情報、及びUUIDを次に説明する画像テーブルに格納する。
図8(A)は、画像テーブルの一例を示す模式図である。画像テーブルGは、Exifファイルを一意に特定可能な情報を格納するファイル情報列61a、Exifファイルに含まれているUUIDを格納するUUID列61b、及びテンプレートIDを格納するテンプレートID列61cで構成される。Exifファイルを一意に特定可能な情報とは具体的には例えばExifファイルのファイル名あるいはパス名である。テンプレートIDとは画像テーブルGのレコードと後述するテンプレートテーブルのレコードとを対応付けるためのコードであり、この時点ではまだテンプレートIDは割り当てられない。
【0033】
S125では、対応情報作成部33は第一の検索部31に次のExifファイルの検索を指示する。
以上の処理を繰り返すことにより下位ディレクトリに記憶されている全てのExifファイルが検索される。全てのExifファイルが検索されると次のS125における検索ではExifファイルが見つかることなく最後のディレクトリに到達し、S110においてExifファイルが見つからなかったと判定されS205に進む。
【0034】
S205では、最初のテンプレートファイルを検索する。具体的には、対応情報作成部33は第二の検索部32に実行を指示する。第二の検索部32は実行が指示されると所定のディレクトリを起点に下位ディレクトリを順に辿って最初のテンプレートファイルが見つかるかまたは最後のディレクトリに到達するまで検索を繰り返す。
【0035】
S210では、第二の検索部32はテンプレートファイルが見つかった場合はS215に進み、見つからなかった場合は処理を終了する。
S215では、対応情報作成部33はテンプレートID、テンプレートファイルのファイル情報、UUID、表示レイアウトに関する情報を、次に説明するテンプレートテーブルに格納する。
【0036】
図8(B)は、テンプレートテーブルの一例を示す模式図である。テンプレートテーブルTは、テンプレートIDを格納するテンプレートID列71a、テンプレートファイルに含まれているUUIDを格納するUUID列71b、テンプレートファイルを一意に特定可能な情報を格納するファイル情報列71c、及びテンプレートファイルに含まれている表示レイアウトに関する情報を格納する表示レイアウト列71dで構成される。テンプレートファイルを一意に特定可能な情報とは、具体的には例えばテンプレートファイルのファイル名あるいはパス名である。表示レイアウトに関する情報とは、具体的には用紙サイズ、用紙の向きなどである。表示レイアウト列71dに格納する情報は適宜選択可能である。表示レイアウトに関する情報を格納すると、例えばA4サイズの印刷用紙に印刷するためのテンプレートファイルを知りたいとき、テンプレートテーブルTを参照することで短時間に知ることができる。テンプレートテーブルTにレコードが追加されると当該レコードを一意に識別するためのテンプレートIDが生成されてテンプレートID列71aに格納される。テンプレートテーブルTを作成すると、Exifファイルにテンプレートファイルが関連付けられている場合はどのテンプレートファイルが関連付けられているかまで確認できる。このため、テンプレートファイルが関連付けられているExifファイルが選択されたとき、テンプレートテーブルTを参照することで当該Exifファイルに関連付けられているテンプレートファイルを短時間に特定でき、Exifファイルが選択されてから印刷が開始されるまでの時間を短縮できる。
【0037】
S220では、対応情報作成部33は画像テーブルGのテンプレートID列61cを更新する。S220の処理の詳細については後述する。
S225では、対応情報作成部33は第二の検索部32に次のテンプレートファイルの検索を指示する。
以上の処理を繰り返すことにより下位ディレクトリに記憶されている全てのテンプレートファイルが検索される。全てのテンプレートファイルが検索されると次のS225における検索ではテンプレートファイルが見つかることなく最後のディレクトリに到達し、S210においてテンプレートファイルが見つからなかったと判定され処理を終了する。
【0038】
次に、S220における処理の詳細について説明する。
図9は、S220における処理の流れを示すフローチャートである。
S305では、画像テーブルGから先頭レコードを取得する。
S310では、取得したレコードに格納されているUUIDとS205又はS225で見つけたテンプレートファイルのUUIDとが一致するか否かを判定する。一致する場合はS315に進み、一致しない場合はS320に進む。
【0039】
S315では、取得したレコードのテンプレートID列61cに対象テンプレートIDを格納する。ここで対象テンプレートIDとは、S205又はS225で見つけたテンプレートファイルに対応するレコードに付与されたテンプレートIDのことをいう。
S320では、画像テーブルGに格納されている全てのレコードの選択が終了したか否かを判定する。選択が終了していなければS325に進み、全てのレコードの選択が終了するまで処理を繰り返す。選択が終了していれば処理を終了する。
【0040】
以上により、画像テーブルGにおいてS205又はS225で見つけたテンプレートファイルと同じUUIDを持つレコードに当該テンプレートファイルと同じテンプレートIDが格納される。
図1は、最終的に作成されたテーブルを示す模式図である。図示するように画像テーブルGのレコードとテンプレートテーブルTのレコードとはテンプレートIDで対応付けられる。画像ファイルは関連付けられているテンプレートファイルに対応付けられるため、画像テーブルG及びテンプレートテーブルTを参照することで画像ファイルがどのテンプレートファイルに関連付けられているかを確認できる。なお、図1から明らかなようにUUIDをキーにレコードを対応付けることも可能である。
【0041】
次に、画像表示プログラムについて説明する。
図10は、画像表示プログラムの論理的な構造を示すブロック図である。画像表示プログラムは、オブジェクト表示部41、選択受付部42、及び画像表示部43を備える。
オブジェクト表示部41は、画像テーブルGを参照して図11に示す画像選択メニュー50をLCD12aに表示する。画像選択メニュー50にはリムーバブルメモリ20に記録されているExifファイルに格納されている画像データが表す画像の縮小画像51が一覧表示される。ここで縮小画像51は特許請求の範囲に記載のオブジェクトに相当する。なお、例えばExifファイルのファイル名をオブジェクトとして表示してもよい。マーク52が表示されている縮小画像51はその縮小画像51に対応するExifファイルにテンプレートファイルが関連付けられていることを示している。逆にマーク52が表示されていない縮小画像51は対応するExifファイルにテンプレートファイルが関連付けられていないことを示している。オブジェクト表示部41は画像選択メニュー50を表示する際に画像テーブルGを参照してどの縮小画像51にマーク52を表示すればよいかを決定する。マーク52を表示するとユーザは各Exifファイルにテンプレートファイルが関連付けられているか否かを画面上で識別できる。このため、ユーザの意図に反して合成画像が印刷されたり、逆に合成されていない画像が印刷されたりすることによるユーザの混乱を低減できる。また、テンプレートファイルが関連付けられていることをマーク52で示すと処理を簡素にできる。例えば、テンプレートファイルが関連付けられているExifファイルについては実際にテンプレートファイルに基づいて合成画像を生成し、その合成画像の縮小画像を表示することでテンプレートファイルが関連付けられているExifファイルであるか否かを識別可能に表示することも可能である。しかしながらその場合は合成画像を生成しなければならないため処理量が増大する。従って、マーク52によって識別するようにすると処理を簡素にできる。このため、CPUの処理能力が低くても画像選択メニュー50を短時間に表示できる。
【0042】
選択受付部42は、画像選択メニュー50に表示されている縮小画像51の選択を受ける。具体的には例えばユーザは操作部11のボタンを操作して目的の縮小画像51にカーソル53を移動し、決定ボタンを押下して縮小画像51を選択する。選択受付部42は決定ボタンが押下されるとそのときカーソル53がある縮小画像51を選択された縮小画像51として受け付け、当該縮小画像51に対応するExifファイルを選択されたExifファイルとして受け付ける。
【0043】
画像表示部43は、選択受付部42でExifファイルが選択されると、選択されたExifファイルにテンプレートファイルが関連付けられている場合は当該Exifファイルとそれに関連付けられているテンプレートファイルとに基づいて合成画像を生成し、生成した合成画像に画像処理部13と協同して各種の処理を施し、プリンタエンジン14を制御して印刷媒体に合成画像を印刷する。テンプレートファイルが関連付けられていない場合は当該Exifファイルに格納されている画像データが表す画像のみを印刷する。なお、画像表示部43は選択受付部42でExifファイルが選択されたとき常に画像を印刷してもよいし、選択受付部42でExifファイルが選択された後、所定の操作によって印刷が指示された場合のみ印刷するようにしてもよい。
【0044】
次に、プリンタ1の処理の流れについて説明する。
図12は、プリンタ1の処理の流れを示す模式図である。
S405では、縮小画像51の選択を受け付ける。具体的には、ユーザが所定の操作を行うとプリンタ1はLCD12aに画像選択メニュー50を表示する。ユーザは操作部11を操作して目的の縮小画像51を選択する。
【0045】
S410では、選択された縮小画像51に対応するExifファイルにテンプレートファイルが関連付けられているか否かを画像テーブルGを参照して判定する。テンプレートファイルが関連付けられていればS415に進み、関連付けられていなければS420に進む。
S415では、関連付けられているテンプレートファイルのファイル名あるいはパス名をテンプレートテーブルTから取得する。次に、選択されたExifファイルと当該テンプレートファイルとに基づいて合成画像を印刷する。
【0046】
S420では、選択されたExifファイルに格納されている画像データが表す画像のみを印刷する。
以上説明した本発明の第一実施例に係るプリンタ1によると、リムーバブルメモリ20に記憶されているExifファイルと当該Exifファイルに関連付けられているテンプレートファイルとを対応付けるテーブルを作成する。このため、画像選択メニュー50が呼び出されたとき、作成されているテーブルを参照することで各Exifファイルにテンプレートファイルが関連付けられているか否かを短時間で判定でき、画像選択メニュー50を短時間に表示することができる。従ってユーザは画像ファイルが複数あっても各画像ファイルにテンプレートファイルが関連付けられているか否かを短時間で確認できる。
【0047】
なお、第一実施例では情報を画像テーブルGとテンプレートテーブルTとに分割しているが、図13に示すように一つのテーブルとして作成してもよい。この場合はテンプレートID列は不要である。
また、第一実施例ではファイル処理装置を備える画像表示装置としてプリンタ1を例に説明したが、パーソナルコンピュータ、ディジタルカメラ、携帯電話、PDAなどにファイル処理装置を備えてもよい。
【0048】
また、本実施例では合成画像を印刷する場合を例に説明したが合成画像をLCD12aに表示するようにしてもよい。
(第二実施例)
図14は、第二実施例に係る「対応付けに関する情報」を示す模式図である。第二実施例の「対応付けに関する情報」は図示するように画像ファイルと識別子の有無とを対応付けるテーブルである。識別子の有無が対応付けられていれば画像ファイルにテンプレートファイルが関連付けられているか否かを判別できる。画像ファイルにテンプレートファイルが関連付けられているか否かを短時間に確認できさえすればよく、どのテンプレートファイルが関連付けられているかまでは確認できなくてもよい場合、図14に示すテーブルを作成すれば十分である。図14に示すテーブルは画像ファイルのみを検索すれば作成でき、テンプレートファイルを検索する必要がないため短時間に作成できる。
【0049】
(第三実施例)
図15は、第三実施例に係る「対応付けに関する情報」を示す模式図である。第三実施例の「対応付けに関する情報」は図示するように画像ファイルと識別子とを対応付けるテーブルである。第三実施例のテーブルもテンプレートファイルを検索することなく作成できるため短時間に作成できる。第三実施例ではテンプレートファイルの識別子を対応付けているため、画像ファイルをテンプレートファイルに基づいて印刷するとき、当該画像ファイルに対応付けられているテンプレートファイルを第二実施例に比べて短時間に特定できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第一実施例に係る情報の模式図。
【図2】(A)は本発明の第一実施例に係る画像表示装置の斜視図、(B)はそのブロック図。
【図3】本発明の第一実施例に係る第一種ファイルのファイル構造を示す模式図。
【図4】本発明の第一実施例に係る第二種ファイルのファイル構造を示す模式図。
【図5】(A)は本発明の第一実施例に係る印刷を説明するための模式図、(B)は印刷結果を示す模式図。
【図6】本発明の第一実施例に係るファイル処理プログラムのブロック図。
【図7】本発明の第一実施例に係るフローチャート。
【図8】(A)及び(B)は本発明の第一実施例に係る情報の模式図。
【図9】本発明の第一実施例に係るフローチャート。
【図10】本発明の第一実施例に係る画像表示プログラムのブロック図。
【図11】本発明の第一実施例に係る画像選択メニューの模式図。
【図12】本発明の第一実施例に係るフローチャート。
【図13】本発明の第一実施例に係る情報の模式図。
【図14】本発明の第二実施例に係る情報の模式図。
【図15】本発明の第三実施例に係る情報の模式図。
【符号の説明】
【0051】
1 プリンタ(ファイル処理装置、画像表示装置)、11 操作部(選択受付手段)、12 表示部(オブジェクト表示手段、選択受付手段)、13 画像処理部(画像表示手段)、14 プリンタエンジン(画像表示手段)、15 制御部(第一の検索手段、対応情報作成手段、第二の検索手段、オブジェクト表示手段、選択受付手段、画像表示手段)、19 メモリ読み書き部(第一の検索手段、第二の検索手段)、20 リムーバブルメモリ
【技術分野】
【0001】
本発明はファイル処理装置、画像表示装置、ファイル処理方法及びファイル処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
任意の画像と合成するための部品画像や任意の画像を印刷する際のレイアウトを指定するテンプレートファイルが知られている。テンプレートファイルには例えば任意の画像が割り付けられる領域を定義する情報、任意の文字列が割り付けられる領域を定義する情報、背景あるいは前景として合成される部品画像を指定する情報、部品画像が割り付けられる領域を定義する情報などが格納されている。テンプレートファイルは年賀状、誕生日、クリスマス、旅行などといったテーマに応じて予め用意され、ユーザはテンプレートファイルを選択することによって画像を目的に応じた部品画像と合成したり、目的に応じたレイアウトで印刷できる。
【0003】
テンプレートファイルが複数存在する場合、画像ファイルとテンプレートファイルとを関連付けておくと、印刷する度に関連付けを行う必要がないため便利である。例えば関連付けるテンプレートファイルの識別子を画像ファイルに格納しておくようにすると、画像ファイルが選択されたとき、選択された画像ファイルから識別子を取得することで、関連付けられているテンプレートファイルを一意に特定できるようになる。
【0004】
【特許文献1】国際公開第03/085510号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、テンプレートファイルの識別子を画像ファイルに格納しておくと、例えばテンプレートファイルが関連付けられている画像ファイルのファイル名を一覧表示しようとする場合、全ての画像ファイルをオープンして識別子が含まれているか否かを判別しなければならない。一般にファイルをオープンする処理は時間のかかる処理であるため、画像ファイルの数が多いと一覧が表示されるまでにユーザは長時間待たされることになる。
【0006】
本発明は、かかる問題に鑑みて創作されたものであって、第一種ファイルに第二種ファイルの識別子を格納することによって第一種ファイルに第二種ファイルを関連付ける場合において、第一種ファイルが複数あっても各第一種ファイルに第二種ファイルが関連付けられているか否かを短時間で確認可能にするファイル処理装置、ファイル処理方法及びファイル処理プログラムを提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明の別の目的は、第一種ファイルに第二種ファイルの識別子を格納することによって第一種ファイルに第二種ファイルを関連付ける場合において、第一種ファイルが複数あっても各第一種ファイルに第二種ファイルが関連付けられているか否かを短時間で確認可能な画像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係るファイル処理装置は、記憶媒体から第一種ファイルを検索する第一の検索手段と、前記第一の検索手段で検索された前記第一種ファイルに第二種ファイルの識別子が格納されているか否かを判別し、判別結果に基づいて前記第一種ファイルと前記第二種ファイルとの対応付けに関する情報を作成する対応情報作成手段と、を備える。このファイル処理装置によって第一種ファイルと第二種ファイルとの対応付けに関する情報を作成しておけば、各第一種ファイルに第二種ファイルが関連付けられているか否かを確認する必要が生じたとき、作成されている情報を参照することで短時間に確認できる。よってこのファイル処理装置によると、第一種ファイルが複数あっても各第一種ファイルに第二種ファイルが関連付けられているか否かを短時間で確認可能になる。
【0009】
さらに本発明に係るファイル処理装置では、前記第一種ファイルは画像ファイルであり、前記第二種ファイルは任意の画像と合成する部品画像を指定するテンプレートファイルである。
さらに本発明に係るファイル処理装置では、前記識別子は所定のユニークコードである。所定のユニークコードを識別子として用いると第二種ファイルを一意に特定することが可能になる。
【0010】
さらに本発明に係るファイル処理装置では、前記所定のユニークコードはUUIDである。UUID(Universally Unique Identifier)とは、日時、ネットワークインタフェースカードのMACアドレス、乱数などを組み合わせて生成される所定ビット長の数値であり、重複しないことが保証されている数値である。UUIDを所定のユニークコードとして用いると第二種ファイルを一意に特定することが可能になる。
【0011】
さらに本発明に係るファイル処理装置では、前記情報は前記第一種ファイルと前記識別子の有無とを対応付ける情報である。第一種ファイルに第二種ファイルが関連付けられているか否かを識別子の有無によって判別できるため、情報を参照することで、第一種ファイルが複数あっても各第一種ファイルに第二種ファイルが関連付けられているか否かを短時間で確認可能になる。
【0012】
さらに本発明に係るファイル処理装置では、前記情報は前記第一種ファイルと前記第二種ファイルとを対応付ける情報である。このファイル処理装置によると、第一種ファイルに第二種ファイルが関連付けられているか否かのみでなく、関連付けられている場合はどの第二種ファイルが関連付けられているかまで確認できる。
【0013】
さらに本発明に係るファイル処理装置では、前記記憶媒体から前記第二種ファイルを検索する第二の検索手段を更に備え、前記対応情報作成手段は、前記第二の検索手段で検索された前記第二種ファイルから前記識別子を取得し、取得した前記識別子と同じ前記識別子が格納されている前記第一種ファイルに当該検索された第二種ファイルを対応付ける。
【0014】
さらに本発明に係るファイル処理装置では、前記記憶媒体はリムーバブルメモリであり、前記対応情報作成手段は、リムーバブルメモリが接続されると前記情報を作成する。リムーバブルメモリが装着されたときに情報を作成しておけば、第二種ファイルが関連付けられているか否かを確認する際にユーザが待たされる可能性を最小にすることができる。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像表示装置は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のファイル処理装置と、前記情報を参照し、前記第二種ファイルが関連付けられている前記第一種ファイルに対応するオブジェクトと前記第二種ファイルが関連付けられていない前記第一種ファイルに対応するオブジェクトとを識別可能に画面に表示するオブジェクト表示手段と、前記オブジェクトの選択を受け付けることにより前記第一種ファイルの選択を受け付ける選択受付手段と、前記選択受付手段で選択された前記第一種ファイルであって前記第二種ファイルが関連付けられている前記第一種ファイルと当該第一種ファイルに関連付けられている前記第二種ファイルとに基づいて画像を表示する画像表示手段と、を備える。この画像表示装置によると、第一種ファイルが複数あっても各第一種ファイルに第二種ファイルが関連付けられているか否かを短時間で確認できる。
【0016】
さらに本発明に係る画像表示装置では、前記画像表示手段は印刷媒体に画像を印刷することにより表示する。
尚、本発明に備わる複数の手段の各機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら複数の手段の各機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明する。
(第一実施例)
図2(A)は、本発明の第一実施例に係る画像表示装置としてのプリンタ1の外観を示す斜視図である。プリンタ1はパーソナルコンピュータ等による制御を必要とせず、画像ファイルに格納されている画像データが表す画像を単独で印刷可能な所謂スタンドアロン型プリンタである。図示するようにプリンタ1のハウジング10には操作部11、LCD12a、カードスロット19aなどが設けられている。操作部11には上ボタン、下ボタン、決定ボタン、戻るボタン、印刷ボタン、中止ボタンなどの各種の操作ボタンが設けられている。LCD12aの画面には種々の設定を行うためのメニューが表示され、表示されたメニューは上述した各種の操作ボタンによって操作される。カードスロット19aはハウジング10の内部に設けられたメモリ読み書き部19にリムーバブルメモリ20を接続するための開口である。
【0018】
図2(B)は、プリンタ1のハードウェア構成を示すブロック図である。
制御部15は、CPU16、フラッシュメモリ18、及びワークメモリ17を備える。CPU16はフラッシュメモリ18に記憶されているプログラムを実行してプリンタ1の全体を制御する。また、CPU16はフラッシュメモリ18に記憶されているファイル処理プログラムを実行することで第一の検索手段、対応情報作成手段、及び第二の検索手段としても機能する。また、CPU16はフラッシュメモリ18に記憶されている画像表示プログラムを実行することでオブジェクト表示手段、選択受付手段、及び画像表示手段としても機能する。フラッシュメモリ18は各種のプログラムやデータを記憶しているメモリであり、ワークメモリ17は各種のプログラムやデータを一時的に記憶するメモリである。これら各種のプログラムやデータは所定のサーバからネットワークを介してダウンロードして入力してもよいし、リムーバブルメモリ20等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から読み出して入力してもよい。
【0019】
メモリ読み書き部19は、記憶媒体としてのリムーバブルメモリ20が脱着自在に接続される接続端子、メモリコントローラなどを備える。メモリ読み書き部19は制御部15によって制御され、第一の検索手段及び第二の検索手段として機能する。制御部15とメモリ読み書き部19とはファイル処理装置を構成する。リムーバブルメモリ20は電源が切れても記憶内容が失われないフラッシュメモリなどのような不揮発性メモリである。なお、リムーバブルメモリはフレキシブルディスク、CD−ROMなどであってもよい。また、第一実施例のプリンタ1はメモリ読み書き部19に接続されたリムーバブルメモリ20を読み書きするが、ネットワークに接続されている外部記憶装置が備えるハードディスクなどの記憶媒体をネットワーク経由で読み書きするようにしてもよい。
【0020】
画像表示手段としての画像処理部13は、ワークメモリ17に記憶された画像データに基づいて印刷データを作成するASICである。画像処理部13は、具体的には例えばJPEG規格で圧縮されている画像データの伸張、伸張された画像データの色空間の変換、ガンマ補正、カラーバランス調整、シャープネス調整、コントラスト調整、画像データの解像度を印刷解像度に変換する解像度変換、画像データを2値化する2値化処理、2値化された画像データをプリンタエンジン14に転送すべき順序に並べ替えて印刷データを生成するインターレース処理などを制御部15と協働して実行する。尚、これらの処理を制御部15と画像処理部13とのいずれで行うかは適宜選択し得る設計事項である。
【0021】
画像表示手段としてのプリンタエンジン14は、画像処理部13で生成された印刷データに基づいて紙等の印刷媒体に画像を印刷する。プリンタエンジン14は印字ヘッドを搭載するキャリッジ、キャリッジを往復移動させる駆動機構、印刷媒体を搬送する搬送機構などで構成され、それらは制御部15によって制御される。キャリッジには印字ヘッドの他に印字ヘッドが吐出するインクを蓄える複数のインクタンクが色毎に搭載されている。尚、プリンタエンジン14は例えばレーザ方式やドットインパクト方式で画像を印刷するものであってもよい。
【0022】
表示部12は、ディスプレイコントローラ、LCD12aなどを備える。ディスプレイコントローラは制御部15によって制御され、LCD12aにメニューやその他各種の情報を表示する。
【0023】
次に、第一種ファイルについて説明する。第一実施例では第一種ファイルとして画像ファイルを例に説明する。
図3は、第一種ファイルとしての画像ファイルのファイル構造を示す模式図である。画像ファイルはヘッダ領域21及び画像データ領域22を含んでいる。ヘッダ領域21は画像データ領域22の先頭アドレスを示すポインタ、識別子としてのUUID、その他、作成日付、画像サイズなどのヘッダ情報が記録される領域である。UUIDは当該画像ファイルにテンプレートファイルを関連付けるためのものである。例えばディジタルカメラで撮影を行ったときにその撮影の際に指定されていたテンプレートファイルのUUIDが画像データ領域22に格納され、それにより画像ファイルにテンプレートファイルが関連付けられる。UUIDが格納されていない場合はその画像ファイルにはテンプレートファイルが関連付けられていないことを意味している。UUIDは重複しないことが保証されている値であるため、UUIDを識別子として用いるとテンプレートファイルを一意に特定することが可能になる。なお、テンプレートファイルのファイル名やパス名でテンプレートファイルを一意に特定できる場合はファイル名やパス名を識別子として用いてもよい。画像データ領域22は画像データが記録される領域である。表示の際にはヘッダ領域21からポインタを読み込むことで画像データ領域22の先頭アドレスを特定でき、それにより画像データを読み込むことができる。画像ファイルのファイル形式はUUIDを格納可能な形式であればよく、例えばTIFF形式やExif形式を画像ファイルのファイル形式として用いることができる。第一実施例ではExif形式の画像ファイル(以下「Exifファイル」という)を例に説明する。なお、どの種類の画像ファイルを第一種ファイルとするかは適宜選択可能であり、例えばExifファイルに加えてTIFF形式の画像ファイルを第一種ファイルとしてもよい。
【0024】
次に、第二種ファイルについて説明する。第一実施例では第二種ファイルとしてテンプレートファイルを例に説明する。
図4は、テンプレートファイルのファイル構造を示す模式図である。テンプレートファイルは、ヘッダ領域25及びスクリプト領域26を含んでいる。ヘッダ領域25はスクリプト領域26の先頭アドレスを示すポインタ、当該テンプレートファイルに付与されたUUID、その他、作成日付などのヘッダ情報が記録される領域である。スクリプト領域26は、任意の画像データが表す画像と合成する部品画像を指定するデータや、画像データの表示レイアウトを規定するデータが記録される領域である。部品画像を指定するデータとは、具体的には部品画像を表す部品画像データを格納した部品画像ファイルのファイル名あるいはパス名などのことをいう。表示レイアウトを規定するデータとは、具体的には印刷用紙のサイズ(例えば「はがき」)、印刷用紙の向きを規定する情報(例えば「縦長」)、Exifファイルに格納されている画像データが表す画像を配置する枠(画像枠)を規定する情報(例えば枠の右上座標「(x1,y1)」と枠の左下座標「(x2,y2)」)、部品画像ファイルに格納されている部品画像データが表す部品画像を配置する枠(部品画像枠)を規定する情報(例えば枠の右上座標「(x3,y3)」と枠の左下座標「(x4,y4)」)などのことをいう。なお、第一実施例では第二種ファイルに部品画像を指定するデータと表示レイアウトを規定するデータとをともに格納しているが、第二種ファイルはこれらのいずれか一方のみを格納するものであってもよい。また、第一実施例では第二種ファイルに部品画像ファイルのファイル名あるいはパス名などを格納しているが、第二種ファイル自体に部品画像データを格納してもよい。
【0025】
図5(A)はテンプレートファイルを用いた印刷を説明するための模式図であり、図5(B)はその印刷結果を示す模式図である。Exifファイルに格納されている画像データが表す画像と、部品画像ファイルに格納されている部品画像データが表す部品画像とは、テンプレートファイルで規定される表示レイアウトに従って図示するように合成されて印刷される。
【0026】
次に、ファイル処理プログラムについて説明する。
図6は、ファイル処理プログラムの論理的な構造を示すブロック図である。ファイル処理プログラムは、第一の検索部31、第二の検索部32、及び対応情報作成部33を備える。
第一の検索部31は、リムーバブルメモリ20からExifファイルを検索する。具体的には、第一の検索部31はリムーバブルメモリ20の所定のディレクトリを起点に下位ディレクトリを順に辿って拡張子が「.exif」の画像ファイルを探し出す。拡張子が「.exif」の画像ファイルを見つけると第一の検索部31はそのExifファイルのパスを対応情報作成部33に出力する。これを全ての下位ディレクトリについて繰り返すことにより起点となるディレクトリ下に記憶されている全てのExifファイルを検索する。
【0027】
第二の検索部32も同様に、リムーバブルメモリ20からテンプレートファイルを検索する。具体的には、第二の検索部32はリムーバブルメモリ20の所定のディレクトリを起点に下位ディレクトリを順に辿って、テンプレートファイルに割り当てられている拡張子「.usd」を有するファイルを探し出す。拡張子が「.usd」のファイルを見つけると第二の検索部32はそのファイルのパスを対応情報作成部33に出力する。これを全ての下位ディレクトリについて繰り返すことにより起点となるディレクトリ下に記憶されている全てのテンプレートファイルを検索する。
【0028】
対応情報作成部33は、第一の検索部31で検索されたExifファイルにUUIDが含まれているか否かを判別し、判別結果に基づいてExifファイルとテンプレートファイルとの対応付けに関する情報、具体的にはExifファイルとテンプレートファイルとを対応付けるテーブルを作成する。特許請求の範囲に記載の「対応付けに関する情報」は、対応情報作成部33によって作成されるテーブルに相当する。
【0029】
次に、ファイル処理プログラムの処理の流れについて説明する。第一実施例ではリムーバブルメモリ20が接続されたときにテーブルを作成する。画像ファイルにテンプレートファイルが関連付けられているか否かを確認しようとしたときにテーブルが作成されていないと、ユーザはテーブルが作成されるまで待たされることになる。従って、ユーザが待たされる可能性が最小になるよう可能な限り早いとき、すなわちリムーバブルメモリ20が接続されたときにテーブルを作成することが望ましい。
【0030】
図7は、ファイル処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
S105では、最初のExifファイルを検索する。具体的には、ユーザがメモリ読み書き部19にリムーバブルメモリ20を接続するとOSに所定の割込が発生し、当該割込が発生するとOSは対応情報作成部33を呼び出す。対応情報作成部33は呼び出されると第一の検索部31に実行を指示する。第一の検索部31は実行が指示されると所定のディレクトリを起点に下位ディレクトリを順に辿って最初のExifファイルが見つかるかまたは最後のディレクトリに到達するまで検索を繰り返す。
【0031】
S110では、第一の検索部31はExifファイルが見つかった場合はS115に進み、見つからなかった場合はS205に進む。
S115では、対応情報作成部33は見つかったExifファイルにUUIDが含まれているか否かを判定する。具体的には、第一の検索部31は見つかったExifファイルのパスを対応情報作成部33に出力する。対応情報作成部33は第一の検索部31から出力されたパスで特定されるExifファイルを読み込み、UUIDが記録されているか否かを判定する。記録されている場合はS120に進み、記録されていない場合はS125に進む。
【0032】
S120では、対応情報作成部33はExifファイルのファイル情報、及びUUIDを次に説明する画像テーブルに格納する。
図8(A)は、画像テーブルの一例を示す模式図である。画像テーブルGは、Exifファイルを一意に特定可能な情報を格納するファイル情報列61a、Exifファイルに含まれているUUIDを格納するUUID列61b、及びテンプレートIDを格納するテンプレートID列61cで構成される。Exifファイルを一意に特定可能な情報とは具体的には例えばExifファイルのファイル名あるいはパス名である。テンプレートIDとは画像テーブルGのレコードと後述するテンプレートテーブルのレコードとを対応付けるためのコードであり、この時点ではまだテンプレートIDは割り当てられない。
【0033】
S125では、対応情報作成部33は第一の検索部31に次のExifファイルの検索を指示する。
以上の処理を繰り返すことにより下位ディレクトリに記憶されている全てのExifファイルが検索される。全てのExifファイルが検索されると次のS125における検索ではExifファイルが見つかることなく最後のディレクトリに到達し、S110においてExifファイルが見つからなかったと判定されS205に進む。
【0034】
S205では、最初のテンプレートファイルを検索する。具体的には、対応情報作成部33は第二の検索部32に実行を指示する。第二の検索部32は実行が指示されると所定のディレクトリを起点に下位ディレクトリを順に辿って最初のテンプレートファイルが見つかるかまたは最後のディレクトリに到達するまで検索を繰り返す。
【0035】
S210では、第二の検索部32はテンプレートファイルが見つかった場合はS215に進み、見つからなかった場合は処理を終了する。
S215では、対応情報作成部33はテンプレートID、テンプレートファイルのファイル情報、UUID、表示レイアウトに関する情報を、次に説明するテンプレートテーブルに格納する。
【0036】
図8(B)は、テンプレートテーブルの一例を示す模式図である。テンプレートテーブルTは、テンプレートIDを格納するテンプレートID列71a、テンプレートファイルに含まれているUUIDを格納するUUID列71b、テンプレートファイルを一意に特定可能な情報を格納するファイル情報列71c、及びテンプレートファイルに含まれている表示レイアウトに関する情報を格納する表示レイアウト列71dで構成される。テンプレートファイルを一意に特定可能な情報とは、具体的には例えばテンプレートファイルのファイル名あるいはパス名である。表示レイアウトに関する情報とは、具体的には用紙サイズ、用紙の向きなどである。表示レイアウト列71dに格納する情報は適宜選択可能である。表示レイアウトに関する情報を格納すると、例えばA4サイズの印刷用紙に印刷するためのテンプレートファイルを知りたいとき、テンプレートテーブルTを参照することで短時間に知ることができる。テンプレートテーブルTにレコードが追加されると当該レコードを一意に識別するためのテンプレートIDが生成されてテンプレートID列71aに格納される。テンプレートテーブルTを作成すると、Exifファイルにテンプレートファイルが関連付けられている場合はどのテンプレートファイルが関連付けられているかまで確認できる。このため、テンプレートファイルが関連付けられているExifファイルが選択されたとき、テンプレートテーブルTを参照することで当該Exifファイルに関連付けられているテンプレートファイルを短時間に特定でき、Exifファイルが選択されてから印刷が開始されるまでの時間を短縮できる。
【0037】
S220では、対応情報作成部33は画像テーブルGのテンプレートID列61cを更新する。S220の処理の詳細については後述する。
S225では、対応情報作成部33は第二の検索部32に次のテンプレートファイルの検索を指示する。
以上の処理を繰り返すことにより下位ディレクトリに記憶されている全てのテンプレートファイルが検索される。全てのテンプレートファイルが検索されると次のS225における検索ではテンプレートファイルが見つかることなく最後のディレクトリに到達し、S210においてテンプレートファイルが見つからなかったと判定され処理を終了する。
【0038】
次に、S220における処理の詳細について説明する。
図9は、S220における処理の流れを示すフローチャートである。
S305では、画像テーブルGから先頭レコードを取得する。
S310では、取得したレコードに格納されているUUIDとS205又はS225で見つけたテンプレートファイルのUUIDとが一致するか否かを判定する。一致する場合はS315に進み、一致しない場合はS320に進む。
【0039】
S315では、取得したレコードのテンプレートID列61cに対象テンプレートIDを格納する。ここで対象テンプレートIDとは、S205又はS225で見つけたテンプレートファイルに対応するレコードに付与されたテンプレートIDのことをいう。
S320では、画像テーブルGに格納されている全てのレコードの選択が終了したか否かを判定する。選択が終了していなければS325に進み、全てのレコードの選択が終了するまで処理を繰り返す。選択が終了していれば処理を終了する。
【0040】
以上により、画像テーブルGにおいてS205又はS225で見つけたテンプレートファイルと同じUUIDを持つレコードに当該テンプレートファイルと同じテンプレートIDが格納される。
図1は、最終的に作成されたテーブルを示す模式図である。図示するように画像テーブルGのレコードとテンプレートテーブルTのレコードとはテンプレートIDで対応付けられる。画像ファイルは関連付けられているテンプレートファイルに対応付けられるため、画像テーブルG及びテンプレートテーブルTを参照することで画像ファイルがどのテンプレートファイルに関連付けられているかを確認できる。なお、図1から明らかなようにUUIDをキーにレコードを対応付けることも可能である。
【0041】
次に、画像表示プログラムについて説明する。
図10は、画像表示プログラムの論理的な構造を示すブロック図である。画像表示プログラムは、オブジェクト表示部41、選択受付部42、及び画像表示部43を備える。
オブジェクト表示部41は、画像テーブルGを参照して図11に示す画像選択メニュー50をLCD12aに表示する。画像選択メニュー50にはリムーバブルメモリ20に記録されているExifファイルに格納されている画像データが表す画像の縮小画像51が一覧表示される。ここで縮小画像51は特許請求の範囲に記載のオブジェクトに相当する。なお、例えばExifファイルのファイル名をオブジェクトとして表示してもよい。マーク52が表示されている縮小画像51はその縮小画像51に対応するExifファイルにテンプレートファイルが関連付けられていることを示している。逆にマーク52が表示されていない縮小画像51は対応するExifファイルにテンプレートファイルが関連付けられていないことを示している。オブジェクト表示部41は画像選択メニュー50を表示する際に画像テーブルGを参照してどの縮小画像51にマーク52を表示すればよいかを決定する。マーク52を表示するとユーザは各Exifファイルにテンプレートファイルが関連付けられているか否かを画面上で識別できる。このため、ユーザの意図に反して合成画像が印刷されたり、逆に合成されていない画像が印刷されたりすることによるユーザの混乱を低減できる。また、テンプレートファイルが関連付けられていることをマーク52で示すと処理を簡素にできる。例えば、テンプレートファイルが関連付けられているExifファイルについては実際にテンプレートファイルに基づいて合成画像を生成し、その合成画像の縮小画像を表示することでテンプレートファイルが関連付けられているExifファイルであるか否かを識別可能に表示することも可能である。しかしながらその場合は合成画像を生成しなければならないため処理量が増大する。従って、マーク52によって識別するようにすると処理を簡素にできる。このため、CPUの処理能力が低くても画像選択メニュー50を短時間に表示できる。
【0042】
選択受付部42は、画像選択メニュー50に表示されている縮小画像51の選択を受ける。具体的には例えばユーザは操作部11のボタンを操作して目的の縮小画像51にカーソル53を移動し、決定ボタンを押下して縮小画像51を選択する。選択受付部42は決定ボタンが押下されるとそのときカーソル53がある縮小画像51を選択された縮小画像51として受け付け、当該縮小画像51に対応するExifファイルを選択されたExifファイルとして受け付ける。
【0043】
画像表示部43は、選択受付部42でExifファイルが選択されると、選択されたExifファイルにテンプレートファイルが関連付けられている場合は当該Exifファイルとそれに関連付けられているテンプレートファイルとに基づいて合成画像を生成し、生成した合成画像に画像処理部13と協同して各種の処理を施し、プリンタエンジン14を制御して印刷媒体に合成画像を印刷する。テンプレートファイルが関連付けられていない場合は当該Exifファイルに格納されている画像データが表す画像のみを印刷する。なお、画像表示部43は選択受付部42でExifファイルが選択されたとき常に画像を印刷してもよいし、選択受付部42でExifファイルが選択された後、所定の操作によって印刷が指示された場合のみ印刷するようにしてもよい。
【0044】
次に、プリンタ1の処理の流れについて説明する。
図12は、プリンタ1の処理の流れを示す模式図である。
S405では、縮小画像51の選択を受け付ける。具体的には、ユーザが所定の操作を行うとプリンタ1はLCD12aに画像選択メニュー50を表示する。ユーザは操作部11を操作して目的の縮小画像51を選択する。
【0045】
S410では、選択された縮小画像51に対応するExifファイルにテンプレートファイルが関連付けられているか否かを画像テーブルGを参照して判定する。テンプレートファイルが関連付けられていればS415に進み、関連付けられていなければS420に進む。
S415では、関連付けられているテンプレートファイルのファイル名あるいはパス名をテンプレートテーブルTから取得する。次に、選択されたExifファイルと当該テンプレートファイルとに基づいて合成画像を印刷する。
【0046】
S420では、選択されたExifファイルに格納されている画像データが表す画像のみを印刷する。
以上説明した本発明の第一実施例に係るプリンタ1によると、リムーバブルメモリ20に記憶されているExifファイルと当該Exifファイルに関連付けられているテンプレートファイルとを対応付けるテーブルを作成する。このため、画像選択メニュー50が呼び出されたとき、作成されているテーブルを参照することで各Exifファイルにテンプレートファイルが関連付けられているか否かを短時間で判定でき、画像選択メニュー50を短時間に表示することができる。従ってユーザは画像ファイルが複数あっても各画像ファイルにテンプレートファイルが関連付けられているか否かを短時間で確認できる。
【0047】
なお、第一実施例では情報を画像テーブルGとテンプレートテーブルTとに分割しているが、図13に示すように一つのテーブルとして作成してもよい。この場合はテンプレートID列は不要である。
また、第一実施例ではファイル処理装置を備える画像表示装置としてプリンタ1を例に説明したが、パーソナルコンピュータ、ディジタルカメラ、携帯電話、PDAなどにファイル処理装置を備えてもよい。
【0048】
また、本実施例では合成画像を印刷する場合を例に説明したが合成画像をLCD12aに表示するようにしてもよい。
(第二実施例)
図14は、第二実施例に係る「対応付けに関する情報」を示す模式図である。第二実施例の「対応付けに関する情報」は図示するように画像ファイルと識別子の有無とを対応付けるテーブルである。識別子の有無が対応付けられていれば画像ファイルにテンプレートファイルが関連付けられているか否かを判別できる。画像ファイルにテンプレートファイルが関連付けられているか否かを短時間に確認できさえすればよく、どのテンプレートファイルが関連付けられているかまでは確認できなくてもよい場合、図14に示すテーブルを作成すれば十分である。図14に示すテーブルは画像ファイルのみを検索すれば作成でき、テンプレートファイルを検索する必要がないため短時間に作成できる。
【0049】
(第三実施例)
図15は、第三実施例に係る「対応付けに関する情報」を示す模式図である。第三実施例の「対応付けに関する情報」は図示するように画像ファイルと識別子とを対応付けるテーブルである。第三実施例のテーブルもテンプレートファイルを検索することなく作成できるため短時間に作成できる。第三実施例ではテンプレートファイルの識別子を対応付けているため、画像ファイルをテンプレートファイルに基づいて印刷するとき、当該画像ファイルに対応付けられているテンプレートファイルを第二実施例に比べて短時間に特定できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第一実施例に係る情報の模式図。
【図2】(A)は本発明の第一実施例に係る画像表示装置の斜視図、(B)はそのブロック図。
【図3】本発明の第一実施例に係る第一種ファイルのファイル構造を示す模式図。
【図4】本発明の第一実施例に係る第二種ファイルのファイル構造を示す模式図。
【図5】(A)は本発明の第一実施例に係る印刷を説明するための模式図、(B)は印刷結果を示す模式図。
【図6】本発明の第一実施例に係るファイル処理プログラムのブロック図。
【図7】本発明の第一実施例に係るフローチャート。
【図8】(A)及び(B)は本発明の第一実施例に係る情報の模式図。
【図9】本発明の第一実施例に係るフローチャート。
【図10】本発明の第一実施例に係る画像表示プログラムのブロック図。
【図11】本発明の第一実施例に係る画像選択メニューの模式図。
【図12】本発明の第一実施例に係るフローチャート。
【図13】本発明の第一実施例に係る情報の模式図。
【図14】本発明の第二実施例に係る情報の模式図。
【図15】本発明の第三実施例に係る情報の模式図。
【符号の説明】
【0051】
1 プリンタ(ファイル処理装置、画像表示装置)、11 操作部(選択受付手段)、12 表示部(オブジェクト表示手段、選択受付手段)、13 画像処理部(画像表示手段)、14 プリンタエンジン(画像表示手段)、15 制御部(第一の検索手段、対応情報作成手段、第二の検索手段、オブジェクト表示手段、選択受付手段、画像表示手段)、19 メモリ読み書き部(第一の検索手段、第二の検索手段)、20 リムーバブルメモリ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体から第一種ファイルを検索する第一の検索手段と、
前記第一の検索手段で検索された前記第一種ファイルに第二種ファイルの識別子が格納されているか否かを判別し、判別結果に基づいて前記第一種ファイルと前記第二種ファイルとの対応付けに関する情報を作成する対応情報作成手段と、
を備えることを特徴とするファイル処理装置。
【請求項2】
前記第一種ファイルは画像ファイルであり、
前記第二種ファイルは任意の画像と合成する部品画像を指定するテンプレートファイルであることを特徴とする請求項1に記載のファイル処理装置。
【請求項3】
前記識別子は所定のユニークコードであることを特徴とする請求項1又は2に記載のファイル処理装置。
【請求項4】
前記所定のユニークコードはUUIDであることを特徴とする請求項3に記載のファイル処理装置。
【請求項5】
前記情報は前記第一種ファイルと前記識別子の有無とを対応付ける情報であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のファイル処理装置。
【請求項6】
前記情報は前記第一種ファイルと前記第二種ファイルとを対応付ける情報であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のファイル処理装置。
【請求項7】
前記記憶媒体から前記第二種ファイルを検索する第二の検索手段を更に備え、
前記対応情報作成手段は、前記第二の検索手段で検索された前記第二種ファイルから前記識別子を取得し、取得した前記識別子と同じ前記識別子が格納されている前記第一種ファイルに当該検索された第二種ファイルを対応付けることを特徴とする請求項6に記載のファイル処理装置。
【請求項8】
前記記憶媒体はリムーバブルメモリであり、
前記対応情報作成手段は、リムーバブルメモリが接続されると前記情報を作成することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のファイル処理装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のファイル処理装置と、
前記情報を参照し、前記第二種ファイルが関連付けられている前記第一種ファイルに対応するオブジェクトと前記第二種ファイルが関連付けられていない前記第一種ファイルに対応するオブジェクトとを識別可能に画面に表示するオブジェクト表示手段と、
前記オブジェクトの選択を受け付けることにより前記第一種ファイルの選択を受け付ける選択受付手段と、
前記選択受付手段で選択された前記第一種ファイルであって前記第二種ファイルが関連付けられている前記第一種ファイルと当該第一種ファイルに関連付けられている前記第二種ファイルとに基づいて画像を表示する画像表示手段と、
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項10】
前記画像表示手段は印刷媒体に画像を印刷することにより表示することを特徴とする請求項9に記載の画像表示装置。
【請求項11】
記憶媒体から第一種ファイルを検索する第一の検索段階と、
前記第一の検索段階で検索された前記第一種ファイルに第二種ファイルの識別子が格納されているか否かを判別し、判別結果に基づいて前記第一種ファイルと前記第二種ファイルとの対応付けに関する情報を作成する対応情報作成段階と、
を含むことを特徴とするファイル処理方法。
【請求項12】
記憶媒体から第一種ファイルを検索する第一の検索手段と、
前記第一の検索手段で検索された前記第一種ファイルに第二種ファイルの識別子が格納されているか否かを判別し、判別結果に基づいて前記第一種ファイルと前記第二種ファイルとの対応付けに関する情報を作成する対応情報作成手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするファイル処理プログラム。
【請求項1】
記憶媒体から第一種ファイルを検索する第一の検索手段と、
前記第一の検索手段で検索された前記第一種ファイルに第二種ファイルの識別子が格納されているか否かを判別し、判別結果に基づいて前記第一種ファイルと前記第二種ファイルとの対応付けに関する情報を作成する対応情報作成手段と、
を備えることを特徴とするファイル処理装置。
【請求項2】
前記第一種ファイルは画像ファイルであり、
前記第二種ファイルは任意の画像と合成する部品画像を指定するテンプレートファイルであることを特徴とする請求項1に記載のファイル処理装置。
【請求項3】
前記識別子は所定のユニークコードであることを特徴とする請求項1又は2に記載のファイル処理装置。
【請求項4】
前記所定のユニークコードはUUIDであることを特徴とする請求項3に記載のファイル処理装置。
【請求項5】
前記情報は前記第一種ファイルと前記識別子の有無とを対応付ける情報であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のファイル処理装置。
【請求項6】
前記情報は前記第一種ファイルと前記第二種ファイルとを対応付ける情報であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のファイル処理装置。
【請求項7】
前記記憶媒体から前記第二種ファイルを検索する第二の検索手段を更に備え、
前記対応情報作成手段は、前記第二の検索手段で検索された前記第二種ファイルから前記識別子を取得し、取得した前記識別子と同じ前記識別子が格納されている前記第一種ファイルに当該検索された第二種ファイルを対応付けることを特徴とする請求項6に記載のファイル処理装置。
【請求項8】
前記記憶媒体はリムーバブルメモリであり、
前記対応情報作成手段は、リムーバブルメモリが接続されると前記情報を作成することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のファイル処理装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のファイル処理装置と、
前記情報を参照し、前記第二種ファイルが関連付けられている前記第一種ファイルに対応するオブジェクトと前記第二種ファイルが関連付けられていない前記第一種ファイルに対応するオブジェクトとを識別可能に画面に表示するオブジェクト表示手段と、
前記オブジェクトの選択を受け付けることにより前記第一種ファイルの選択を受け付ける選択受付手段と、
前記選択受付手段で選択された前記第一種ファイルであって前記第二種ファイルが関連付けられている前記第一種ファイルと当該第一種ファイルに関連付けられている前記第二種ファイルとに基づいて画像を表示する画像表示手段と、
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項10】
前記画像表示手段は印刷媒体に画像を印刷することにより表示することを特徴とする請求項9に記載の画像表示装置。
【請求項11】
記憶媒体から第一種ファイルを検索する第一の検索段階と、
前記第一の検索段階で検索された前記第一種ファイルに第二種ファイルの識別子が格納されているか否かを判別し、判別結果に基づいて前記第一種ファイルと前記第二種ファイルとの対応付けに関する情報を作成する対応情報作成段階と、
を含むことを特徴とするファイル処理方法。
【請求項12】
記憶媒体から第一種ファイルを検索する第一の検索手段と、
前記第一の検索手段で検索された前記第一種ファイルに第二種ファイルの識別子が格納されているか否かを判別し、判別結果に基づいて前記第一種ファイルと前記第二種ファイルとの対応付けに関する情報を作成する対応情報作成手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするファイル処理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−40130(P2006−40130A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−221939(P2004−221939)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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