説明

ファクシミリ制御プログラム、情報処理装置、及び、ファクシミリシステム

【課題】情報処理装置とFAX装置とが接続されたシステムにおいて、FAX装置が外部のFAX装置にFAXデータを送信し始める時を早めること。
【解決手段】情報処理装置に、送信対象の画像に基づいてファクシミリデータを生成し、生成したファクシミリデータをファクシミリ装置に送信する生成送信処理(生成送信プロセス51)と、ファクシミリデータの送信設定をユーザから受け付ける設定受付処理(設定受付プロセス52)と、設定受付処理によって受け付けられた送信設定に基づく送信設定データをファクシミリ装置に送信する送信設定データ送信処理(送信設定データ送信プロセス53)と、を実行させ、生成送信処理(生成送信プロセス51)及び設定受付処理(設定受付プロセス52)は、同時に処理を開始するか、又は、一方の処理の実行中に他方の処理を開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置からファクシミリ装置にファクシミリデータを送信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置(PC)とファクシミリ(FAX)装置とが接続されたPC−FAXシステムにおいて、情報処理装置によって表示される画面でユーザが送信先の電話番号やカバーページに記載すべきメモの内容などを入力し、その入力が完了すると情報処理装置がFAXデータを生成してFAX装置に送信するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3342386号明細書(段落0159−0160)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術によると、送信先の電話番号やメモの内容などはFAXの本文に対応するFAXデータを生成するのに直接関係のない入力事項であるにもかかわらず、それらの入力が全て終わってからFAXデータの生成を開始していた。その結果、情報処理装置からFAXデータを受信したFAX装置がそのFAXデータを外部のFAX装置に送信し始める時が遅くなるという問題があった。
本明細書では、情報処理装置とFAX装置とが接続されたシステムにおいて、FAX装置が外部のFAX装置にFAXデータを送信し始める時を早める技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示されるファクシミリ制御プログラムは、ファクシミリ装置と通信可能に接続されている情報処理装置に、送信対象の画像に基づいてファクシミリデータを生成し、生成した前記ファクシミリデータを前記ファクシミリ装置に送信する生成送信処理と、前記ファクシミリデータの送信設定をユーザから受け付ける設定受付処理と、前記設定受付処理によって受け付けられた前記送信設定に基づく送信設定データを前記ファクシミリ装置に送信する送信設定データ送信処理と、を実行させ、前記生成送信処理及び前記設定受付処理は、同時に処理を開始するか、又は、一方の処理の実行中に他方の処理を開始する。
【0006】
また、前記設定受付処理は、前記生成送信処理による前記ファクシミリデータの送信が完了する前に前記生成送信処理から起動されることによって処理を開始してもよい。
【0007】
また、前記生成送信処理は、前記ファクシミリデータの生成を開始する前に前記設定受付処理を開始させてもよい。
また、当該ファクシミリ制御プログラムは、前記生成送信処理を実行する生成送信プログラムと、前記設定受付処理を実行する設定受付プログラムとを含む複数のプログラムで構成されるものであり、前記生成送信プログラムは、前記設定受付プログラムを起動することにより、前記設定受付処理を開始させてもよい。
【0008】
また、前記送信設定は前記ファクシミリデータの宛先であり、前記送信設定データは前記宛先を示す宛先データであってもよい。
【0009】
また、上記ファクシミリ制御プログラムは、前記設定受付処理において、前記ファクシミリデータに対して複数の宛先の設定を受け付けてもよい。
また、前記送信設定はファクシミリデータに添付する送付書の生成に用いられる情報であり、前記送信設定データは、送付書の生成に用いられる前記情報、又は、前記情報に基づいて生成された送付書データであってもよい。
【0010】
また、前記送付書には、前記ファクシミリデータの全ページ数が表記されてもよい。
【0011】
また、上記ファクシミリ制御プログラムは、前記生成送信処理において、前記ファクシミリデータと当該ファクシミリデータを一意に識別する識別情報とを前記ファクシミリ装置に送信し、前記送信設定データ送信処理において、前記送信設定データと前記識別情報とを前記ファクシミリ装置に送信してもよい。
【0012】
また、上記ファクシミリ制御プログラムは、前記生成送信処理による前記ファクシミリデータの生成が開始された後に、ファクシミリ送信の中止指示を受け付ける中止受付処理と、前記中止受付処理によって前記中止指示が受け付けられると、前記ファクシミリ装置にファクシミリ送信の中止命令を送信する中止処理と、を前記情報処理装置に実行させてもよい。
【0013】
本明細書によって開示される情報処理装置は、ファクシミリ装置と通信可能に接続されている情報処理装置であって、ファクシミリデータの送信設定をユーザから受け付ける設定受付部と、送信対象の画像に基づいてファクシミリデータを生成し、生成した前記ファクシミリデータを前記ファクシミリ装置に送信する生成送信部と、前記設定受付部によって受け付けられた前記送信設定に基づく送信設定データを前記ファクシミリ装置に送信する送信設定データ送信部と、を備え、前記生成送信部及び前記設定受付部は、同時に動作を開始するか、又は、一方の動作中に他方の動作を開始する。
【0014】
本明細書によって開示されるファクシミリシステムは、ファクシミリ装置と情報処理装置とからなるファクシミリシステムであって、前記情報処理装置は、送信対象の画像に基づいてファクシミリデータを生成し、生成した前記ファクシミリデータを前記ファクシミリ装置に送信する生成送信部と、前記ファクシミリデータの送信設定をユーザから受け付ける設定受付部と、前記設定受付部によって受け付けられた前記送信設定に基づく送信設定データを前記ファクシミリ装置に送信する送信設定データ送信部と、を備え、前記生成送信部及び前記設定受付部は、同時に動作を開始するか、又は、一方の動作中に他方の動作を開始するものであり、前記ファクシミリ装置は、前記情報処理装置から前記ファクシミリデータ、及び、前記送信設定データを受信する受信部と、前記受信部により受信した前記ファクシミリデータを、前記受信部により受信した前記送信設定データを用いてファクシミリ送信する送信部と、を備える。
【0015】
また、前記情報処理装置は、前記生成送信部による前記ファクシミリデータの生成が開始された後に、ファクシミリ送信の中止指示を受け付ける中止受付部と、前記中止受付部によって前記中止指示が受け付けられると、前記ファクシミリ装置にファクシミリ送信の中止命令を送信する中止部とを備え、前記ファクシミリ装置は、前記中止命令を受信すると、前記受信部によって受信済みの前記ファクシミリデータをメモリから削除する削除部を備えてもよい。
【0016】
また、前記受信部は、前記情報処理装置から前記ファクシミリデータを一意に識別する識別情報及び前記ファクシミリデータ、ならびに、前記識別情報及び前記送信設定データを受信し、前記送信部は、前記識別情報に基づいて対応する前記ファクシミリデータと前記送信設定データとを特定し、前記ファクシミリデータを、前記送信設定データを用いてファクシミリ送信してもよい。
【0017】
なお、この発明は、ファクシミリ制御方法、ファクシミリ制御プログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現することができる。
また、本発明に備わる各部の機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら各部の機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
【発明の効果】
【0018】
上記のファクシミリ制御プログラム、情報処理装置、及び、ファクシミリシステムによると、ファクシミリ装置が外部のファクシミリ装置にファクシミリデータを送信し始める時を早めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態1に係るPC−FAXシステムの構成を示す模式図。
【図2】PCの電気的構成を簡略化して示すブロック図。
【図3】FAX装置の電気的構成を簡略化して示すブロック図。
【図4】PC−FAXシステムのデータフローダイアグラム。
【図5】送信設定画面の一例を示す模式図。
【図6】アドレス帳画面の一例を示す模式図。
【図7】送付書設定画面の一例を示す模式図。
【図8】送付書プレビュー画面の一例を示す模式図。
【図9】マージプロセスによるマージを概念的に説明するための模式図。
【図10】FAXドライバプログラムによる処理を示すフローチャート。
【図11】送信設定プログラムによる処理を示すフローチャート。
【図12】FAX装置側制御プログラムによる処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図12によって説明する。
(1)PC−FAXシステムの構成
図1は、実施形態1に係るファクシミリ(FAX)システムとしてのPC−FAXシステム1の構成を示す模式図である。PC−FAXシステム1は、情報処理装置としてのパーソナルコンピュータ(PC)2とファクシミリ(FAX)装置3とを備えており、これらはLAN(Local Aria Network)やインターネットなどの有線又は無線通信ネットワーク4を介して通信可能に接続されている。また、FAX装置3は公衆回線6を介して外部のFAX装置7と通信可能に接続されている。
【0021】
PC−FAXシステム1は、PC2においてユーザからFAX送信のための送信設定を受け付け、受け付けた送信設定に基づく送信設定データと後述する本文データとをFAX装置3に送信し、FAX装置3が送信設定データを用いて本文データを外部のFAX装置7にFAX送信するシステムである。
【0022】
(1−1)PCの構成
図2は、PC2の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。PC2は、CPU21、ROM22、RAM23、表示部24、操作部25、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)26、及び、記憶部27を備えて構成されている。
【0023】
CPU21は、ROM22や記憶部27に記憶されている各種のプログラムを実行することによってPC2の各部を制御する。ROM22にはCPU21によって実行される各種のプログラムやデータなどが記憶されている。RAM23はCPU21が各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる。
【0024】
表示部24は、液晶ディスプレイなどの表示装置、表示装置を駆動する駆動回路などを備えて構成されている。
操作部25は、マウスやキーボードなどの入力装置、これらの入力装置が接続される接続インタフェースなどを備えて構成されている。
ネットワークインタフェース26は、通信ネットワーク4を介してFAX装置3などの外部の装置と通信可能に接続されている。
【0025】
記憶部27は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性のメモリを用いて各種のプログラムやデータを記憶する装置である。記憶部27には、オペレーティングシステム(OS)28、FAXアプリケーションプログラム(FAXアプリケーション)29、PC側制御プログラム30、各種のデータなどが記憶される。OS28は複数のプログラムを並行して実行可能なマルチタスクOSである。
【0026】
PC側制御プログラム30はファクシミリ制御プログラムの一例である。CPU21と操作部25とは設定受付部の一例である。また、CPU21とネットワークインタフェース26とは生成送信部、及び、送信設定データ送信部の一例である。
【0027】
(1−2)FAX装置の電気的構成
図3は、FAX装置3の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。FAX装置3は、制御部31、スキャナ部32、印刷部33、操作部34、FAX部35、通信インタフェース(通信I/F)部36、及び、記憶部37を備えている。
【0028】
制御部31は、CPU31a、ROM31b、RAM31cを有する。CPU31aはROM31bや記憶部37に記憶されているプログラムを実行することによってFAX装置3の各部を制御する。ROM31bにはFAX装置3の動作を制御するためのFAX装置側制御プログラム40や各種のデータが記録されている。RAM31cはCPU31aが各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる。
【0029】
スキャナ部32は、原稿を照射する光源やリニアイメージセンサなどを有し、原稿を光学的に読み取って画像を生成する。スキャナ部32によって生成された画像はFAX部35によって外部のFAX装置7にFAX送信される。
印刷部33は、FAX部35によって外部のFAX装置7から受信されたFAXデータが表す画像を電子写真方式やインクジェット方式などで印刷用紙に印刷する。
【0030】
操作部34は、液晶ディスプレイなどの表示装置や各種のボタンなどを備えて構成されている。
FAX部35は、NCU(Network Control Unit)、モデム、これらを制御するASICなどを備えて構成されており、公衆回線6を介して外部のFAX装置7との間で所定のFAX通信プロトコルに従ってFAXデータを送受信する。
【0031】
通信インタフェース部36は、通信ネットワーク4を介してPC2などの外部の装置と通信可能に接続されている。
記憶部37には、例えばNVRAMやフラッシュROMが含まれる。記憶部37には、ユーザにより登録された電話番号、PC2から受信した本文データや送信設定データなどが記憶される。
【0032】
制御部31と通信インタフェース部36とは受信部の一例である。制御部31とFAX部35とは送信部の一例である。記憶部37はメモリの一例である。また、制御部31は削除部の一例である。
【0033】
(2)PC−FAXシステムのデータフロー
図4は、PC−FAXシステム1のデータフローダイアグラムである。図4に示すプロセスのうち生成送信プロセス51、設定受付プロセス52、及び、送信設定データ送信プロセス53はPC2で実行されるプロセスである。マージプロセス54、FAX送信プロセス55、及び、中止プロセス56はFAX装置3で実行されるプロセスである。
【0034】
(2−1)生成送信プロセス
生成送信プロセス51は、FAXアプリケーション29から出力された送信対象の画像に基づいて1以上のページデータからなる本文データを生成し、生成した本文データをマージプロセス54に出力する処理などを実行するプロセスである。
生成送信プロセス51は生成送信処理の一例である。また、本文データはファクシミリデータの一例である。
【0035】
実施形態1では生成送信プロセス51の実行を開始する前に、予めFAXアプリケーション29やFAXドライバプログラム30aに対してユーザからFAXの本文データの生成に必要な生成条件の設定が入力される。生成条件としては、例えば、カラー/モノクロ、用紙サイズ、及び、解像度などが考えられる。
生成条件の入力の後にFAXアプリケーション29に対してユーザから送信指示が入力されると、FAXアプリケーション29から送信対象の画像が出力される。
FAXアプリケーション29から送信対象の画像が出力されると、始めに生成送信プロセス51の実行が開始される。生成送信プロセス51は、実行を開始すると、先ず設定受付プロセス52に実行を指示する。以後、生成送信プロセス51による本文データの生成及び送信と、設定受付プロセス52による送信設定の受け付けとが並行して実行される。
以下、生成送信プロセス51によって実行される処理について説明する。
【0036】
(2−1−1)識別IDを生成する処理
生成送信プロセス51は、送信対象の画像を受け付けると、本文データの生成を開始する前に、FAX装置3において本文データを一意に識別するための識別IDを生成する。識別IDは、複数のPC2からFAX装置3に同時期に本文データが送信された場合に、FAX装置3において各本文データと後述する送信設定データとを対応付けるためのものである。
【0037】
識別IDの生成は、他のPC2で実行される生成送信プロセス51によって生成される識別IDと重複しないよう、ハッシュ関数を用いて行うとよい。なお、生成送信プロセス51が識別IDを生成するのではなく、FAX装置3側で他のPC2と重複しない識別IDを一元的に生成しておき、その識別IDをFAX装置3から取得する構成であってもよい。
【0038】
(2−1−2)識別IDを設定受付プロセス52に出力する処理
生成送信プロセス51は、識別IDを生成すると、本文データの生成を開始する前に、設定受付プロセス52にその識別IDを出力する。
【0039】
(2−1−3)本文データを生成する処理
前述したように、生成送信プロセス51はFAXアプリケーション29から出力された送信対象の画像に基づいて本文データを生成する。
本文データのデータ形式としては、例えばFAXデータの送信で一般に用いられるMH圧縮形式、MR圧縮形式、MMR圧縮形式を用いることができる。これらのデータ形式はいずれも本文データの先頭にFAX送付書データを連結することや、本文データを構成する各ページデータにヘッダーデータやフッターデータを結合することが可能である。
【0040】
(2−1−4)本文データと識別IDとをマージプロセス54に出力する処理
実施形態1に係る生成送信プロセス51は、本文データを構成する全てのページデータの生成が完了してからマージプロセス54に本文データを送信するのではなく、1ページ分のページデータを生成する毎に、生成したページデータに識別IDを付加してマージプロセス54に出力する。1ページ分のページデータを生成する毎に送信するのは、ページデータの生成と送信とを並行して実行することにより、FAX送信を効率よく行うためである。
【0041】
(2−1−5)全ページ数を送信設定データ送信プロセス53に出力する処理
生成送信プロセス51は、本文データの生成が終了した後、本文データを構成するページデータの全ページ数を、設定受付プロセス52を介して送信設定データ送信プロセス53に出力する。送信設定データ送信プロセス53に出力した全ページ数はFAX送付書データおよびヘッダーデータの生成に用いられる。
【0042】
(2−1−6)本文データの生成及び送信を中止する処理
生成送信プロセス51は、設定受付プロセス52から中止命令が出力されると、本文データの生成及び送信を中止する。
(2−2)設定受付プロセス
設定受付プロセス52は、FAXデータの送信設定をユーザ10から受け付け、受け付けた送信設定を送信設定データ送信プロセス53に出力する処理などを実行するプロセスである。設定受付プロセス52は設定受付処理の一例である。
ここで送信設定とは、具体的には例えばFAXデータの送信先の電話番号、FAXデータに添付するFAX送付書を生成するための送付書情報など、本文データの生成に必要な生成条件とは異なるが、FAXデータの送信に必要なデータである。FAXデータの送信先の電話番号は宛先の一例であり、送付書情報は送付書の生成に用いられる情報の一例である。
以下、設定受付プロセス52によって実行される処理について説明する。
【0043】
(2−2−1)送信先の電話番号の設定を受け付ける処理
図5は、設定受付プロセス52によって表示される送信設定画面61を示す模式図である。送信設定画面61において、ユーザ10は以下の(a)〜(c)の方法で電話番号を設定することができる。
【0044】
(a)番号ボタン61aをクリックすることによって送信先のFAX装置7の電話番号を直接入力する。ユーザ10は1以上の電話番号を入力することができ、入力した電話番号は送信先欄61dに表示される。
【0045】
(b)ワンタッチダイヤルとして表示される短縮番号61bをクリックすることにより、各短縮番号61bに対応付けられている電話番号を指定する。ユーザ10は1以上の短縮番号61bをクリックすることができ、クリックした短縮番号61bに対応付けられている名称あるいは電話番号そのものが送信先欄61dに表示される。
【0046】
(c)アドレス帳ボタン61cをクリックすることによって表示されるアドレス帳画面62(図6参照)で送信先を選択する。
図6は、上述したアドレス帳画面62の一例を示す模式図である。図中に示す「メンバー」はFAX送信の送信先を示すものであり、各メンバーにはそのメンバー宛てにFAX送信する場合の電話番号が関連付けられている。
【0047】
アドレス帳画面62において選択可能メンバー欄62aは予め登録されているメンバーが一覧表示される欄であり、選択済みメンバー欄62bは送信先として選択されたメンバーが一覧表示される欄である。ユーザ10は選択可能メンバー欄62aに表示されているメンバーをマウスで選択して[追加]ボタン62cをクリックすることにより、選択したメンバーを選択済みメンバー欄62bに移動させることができる。
ユーザ10はアドレス帳画面62において1以上のメンバーを選択することができ、選択したメンバーあるいは電話番号そのものが送信先欄61dに表示される。
【0048】
(2−2−2)送付書情報の設定を受け付ける処理
図5に戻り、ユーザ10は送信設定画面61の送信先欄61dに表示されている送信先をマウスで選択し、送信先を選択した状態で[送付書使用]ボタン61eをクリックすることにより、選択した送信先にFAX送信するFAXデータに添付するFAX送付書の生成に用いられる送付書情報を設定するための送付書設定画面63(図7参照)を表示させることができる。
【0049】
図7は、送付書設定画面63の一例を示す模式図である。送付書設定画面63において送信先に関する各項目、及び、送信元に関する各項目の左にあるチェックボックス63aをオンにするとその項目に表記する内容を入力するための入力欄が入力可能になり、ユーザ10は入力可能になった入力欄にその項目に表記したい内容を入力できる。
また、送付書設定画面63において、ユーザ10はチェックボックス63bをチェックすることにより、FAX送付書に全ページ数を表記するよう設定することもできる。
【0050】
また、ユーザ10は送付書設定画面63において[プレビュー]ボタン63cをクリックすることにより、送付書プレビュー画面64を表示させることができる。
図8は、図7に示す送付書設定画面63の例のように送付書情報が設定されている状態で[プレビュー]ボタン63cがクリックされた場合に表示される送付書プレビュー画面64の一例を示す模式図である。図示するように送付書プレビュー画面64には実際に送信されるFAX送付書がプレビュー表示され、ユーザ10はFAX送信前にFAX送付書の内容を確認できる。なお、送付書プレビュー画面64の送付枚数の表示欄には、生成送信プロセス51から受信した全ページ数が表示される。また、全ページ数を生成送信プロセス51から出力される前に[プレビュー]ボタン63cがクリックされた場合、「送信時はページ数が入ります。」等のバルーンヘルプなどを表示するように構成してもよい。
【0051】
(2−2−3)送信設定及び識別IDを出力する処理
図5に戻り、送信設定画面61でユーザ10が送信ボタン61fをクリックすると、設定受付プロセス52は設定された電話番号、各電話番号に対応する送付書情報、及び、送信設定画面61や送付書設定画面63で設定されたその他各種の設定情報を送信設定として送信設定データ送信プロセス53に出力する。
このとき、設定受付プロセス52は、図4に示すように、生成送信プロセス51から出力された識別IDと全ページ数とを送信設定とともに送信設定データ送信プロセス53に出力する。
【0052】
(2−2−4)FAX送信の中止を受け付ける処理
ユーザ10は送信設定画面61で中止ボタン61gをクリックすることにより、FAX送信を中止することができる。
前述したように設定受付プロセス52は生成送信プロセス51と並行して実行可能である。このため、設定受付プロセス52は、中止ボタン61gがクリックされると、生成送信プロセス51での本文データの生成及び送信が実行されている場合は、それらを中止させるために、図4に示すように、生成送信プロセス51に中止命令を出力する。
【0053】
また、中止ボタン61gがクリックされた時点で既に一部または全てのページデータが生成送信プロセス51からFAX装置3に送信されてしまっている場合もあり得る。このため、設定受付プロセス52は、中止ボタン61gがクリックされると、FAX装置3側において受信済みのページデータを削除するために、図4に示すように、中止プロセス56に中止命令と識別IDとを出力する。
【0054】
なお、設定受付プロセス52は、中止プロセス56にのみ中止命令を出力し、生成送信プロセス51には中止命令を出力しないようにしてもよい。その場合は中止ボタン61gがクリックされても生成送信プロセス51からFAX装置3に継続してページデータが出力され、FAX装置3において中止プロセス56によって削除されることになる。
【0055】
設定受付プロセス52がユーザ10から中止ボタン61gのクリックを受け付ける処理は中止指示を受け付ける中止受付処理の一例である。また、設定受付プロセス52が中止プロセス56に中止命令を出力する処理は中止処理の一例である。
【0056】
(2−3)送信設定データ送信プロセス
図4に戻り、送信設定データ送信プロセス53は、設定受付プロセス52から出力された送信設定に含まれている1以上の電話番号に基づいて電話番号リストを生成する。更に、送信設定データ送信プロセス53は、送信設定に含まれている送付書情報と設定受付プロセス52から出力された全ページ数とに基づいて電話番号毎にFAX送付書データを生成する。更に、送信設定データ送信プロセス53は、全ページ数を用いてページデータ毎にそのページデータに付加するヘッダーデータを生成する。
そして、送信設定データ送信プロセス53は、電話番号リストと、電話番号毎のFAX送付書データと、ページデータ毎のヘッダーデータとを含む送信設定データに設定受付プロセス52から出力された識別IDを付加してマージプロセス54に出力する。送信設定データ送信プロセス53は送信設定データ送信処理の一例である。
【0057】
実施形態1に係る送信設定データ送信プロセス53は、少なくとも生成送信プロセス51において全てのページデータの生成が終了した後に実行が開始される。その理由は、FAX送付書やヘッダーに表記する全ページ数は全てのページデータの生成が終了するまで判らないからである。なお、FAX送付書やヘッダーに全ページ数を表記しない設定がされている場合は全てのページデータの生成が終了する前に送信設定データ送信プロセス53を開始してもよい。
【0058】
(2−4)マージプロセス
マージプロセス54は、生成送信プロセス51から出力された本文データと、送信設定データ送信プロセス53から出力された送信設定データとをそれぞれに付加された識別IDによって識別する。そして、マージプロセス54は、対応する本文データと送信設定データとをマージすることによって電話番号毎のFAXデータを生成し、電話番号毎に電話番号とその電話番号用のFAXデータとをFAX送信プロセス55に出力する。
【0059】
図9は、マージプロセス54によるマージを概念的に説明するための模式図である。マージプロセス54は、先ず、送信設定データに含まれている各ヘッダーデータをそれぞれ対応するページデータに結合する。図9に示すようにヘッダーデータが表すヘッダー71にはそのヘッダー71に対応するページデータのページ番号と全ページ数とが表記される。図示する例では全ページ数として「5」が表記されている。
【0060】
次に、マージプロセス54は、送信設定データに含まれる電話番号リストから電話番号を一つ選択し、その電話番号に対応するFAX送付書データを本文データの先頭に連結する。これにより、選択した電話番号用のFAXデータが生成される。
次に、マージプロセス54は、FAX送信プロセス55がFAXデータを送信中であればその送信が終了するまで待機し、FAX送信プロセス55がFAXデータを送信中でなければ選択した電話番号とその電話番号用のFAXデータとをFAX送信プロセス55に出力する。
マージプロセス54は上述した処理を電話番号リストにある全ての電話番号の選択が終了するまで繰り返す。
【0061】
(2−5)FAX送信プロセス
図4に戻り、FAX送信プロセス55は、マージプロセス54から電話番号とその電話番号用のFAXデータとが出力される毎に、FAX部35を制御してそのFAXデータをその電話番号にFAX送信するプロセスである。
【0062】
(2−6)中止プロセス
中止プロセス56は、設定受付プロセス52から中止命令が出力された場合に、その中止命令とともに出力された識別IDと同じ識別IDが付加されているページデータを記憶部37から削除するプロセスである。
【0063】
(3)PC−FAXシステムの処理
PC−FAXシステム1において実行されるプログラムには、PC2において実行されるPC側制御プログラム30と、FAX装置3において実行されるFAX装置側制御プログラム40とがある。
【0064】
図2に示すように、PC側制御プログラム30は、生成送信プログラムとしてのFAXドライバプログラム30aと、設定受付プログラムとしての送信設定プログラム30bとで構成されている。FAXドライバプログラム30aはPC2において生成条件を設定したり、生成送信プロセス51を実行するためのプログラムである。送信設定プログラム30bはPC2において設定受付プロセス52、及び、送信設定データ送信プロセス53を実行するためのプログラムである。
【0065】
FAX装置側制御プログラム40は、FAX装置3においてマージプロセス54、FAX送信プロセス55、及び、中止プロセス56を実行するためのプログラムである。
以下、各プログラムによる処理について説明する。
【0066】
(3−1)FAXドライバプログラム
図10は、FAXドライバプログラム30aを実行するCPU21(以下、単に「FAXドライバ30a」という)によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。本処理は、FAXアプリケーション29からFAXドライバ30aに送信対象の画像が出力されると開始される。
【0067】
S101では、FAXドライバ30aは送信設定プログラム30bを起動する。
S102では、FAXドライバ30aは本文データを識別するための識別IDを生成し、生成した識別IDを送信設定プログラム30bに送信する。
S103では、FAXドライバ30aはFAXアプリケーション29から出力された送信対象の画像から1ページ分の画像を取得し、取得した画像を表す1ページ分のページデータを生成する。
【0068】
S104では、FAXドライバ30aは生成した1ページ分のページデータにS102で生成した識別IDを付加してFAX装置3に送信する。
S105では、FAXドライバ30aはFAXアプリケーション29から出力された送信対象の画像に含まれる全ての画像についてページデータの送信が終了したか否かを判定し、終了した場合はS106に進み、終了していない場合はS103に戻って処理を繰り返す。
S106では、FAXドライバ30aは本文データを構成するページデータの全ページ数を送信設定プログラム30bに送信する。
【0069】
(3−2)送信設定プログラム
図11は、送信設定プログラム30bを実行するCPU21(以下、単に「送信設定プログラム30b」という)によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。本処理は、FAXドライバプログラム30aによって送信設定プログラム30bが起動されることによって開始される。
【0070】
S201では、送信設定プログラム30bはFAXドライバ30aから識別IDを受信する。
S202では、送信設定プログラム30bはユーザ10による送信設定を受け付ける。
S203では、送信設定プログラム30bはFAXドライバから全ページ数を受信したか否かを判定し、全ページ数を受信した場合はS204に進み、受信していない場合は受信するまで待機する。
【0071】
S204では、送信設定プログラム30bは送信設定と全ページ数とに基づいて送信設定データを生成する。
S205では、送信設定プログラム30bは送信ボタン61f又は中止ボタン61gがクリックされたか否かを判定し、送信ボタン61fがクリックされた場合はS206に進み、中止ボタン61gがクリックされた場合はS207に進む。
【0072】
S206では、送信設定プログラム30bは送信設定データにS201で受信した識別IDを付加してFAX装置3に送信する。
S207では、送信設定プログラム30bはFAX装置3に中止命令とS201で受信した識別IDとを送信する。
【0073】
(3−3)FAX装置側制御プログラム
図12は、FAX装置側制御プログラム40を実行するCPU31a(以下、単に「制御プログラム40」という)によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。本処理はFAX装置3に電源が投入されている間、常に実行される。
【0074】
S301では、制御プログラム40はPC2から本文データを受信したか否かを判定する。
具体的には、FAXドライバプログラム30aはFAX装置3に全てのページデータを送信すると本文データの送信が完了したことを示すデータをFAX装置3に送信する。FAX制御プログラム40は本文データの送信が完了したことを示すデータをPC2から受信したか否かを判定し、受信した場合はS302に進み、受信していない場合は受信するまで本ステップを繰り返す。
【0075】
S302では、制御プログラム40はPC2から中止命令を受信したか否かを判定し、受信していない場合はS303に進み、受信した場合はS311に進む。
S303では、制御プログラム40は本文データに付加されている識別IDと同じ識別IDが付加されている送信設定データを受信したか否かを判定し、受信した場合はS304に進み、受信していない場合はS302に戻って中止命令を受信するか又は同じ識別IDが付加されている送信設定データを受信するまで処理を繰り返す。
【0076】
S304では、制御プログラム40は受信した送信設定データに含まれている各ヘッダーデータを本文データの対応するページデータにマージすることにより、ヘッダーデータ付きのFAXデータを生成する。
S305では、制御プログラム40は受信した送信設定データに含まれている電話番号リストから電話番号を一つ選択する。
S306では、制御プログラム40はヘッダーデータ付きの本文データの先頭に、受信した送信設定データに含まれているFAX送付書データであってS305で選択した電話番号に対応するFAX送付書データをマージすることにより、S305で選択した電話番号用のFAXデータを生成する。
【0077】
S307では、制御プログラム40は、FAX部35を制御して、S306で生成したFAXデータを、S305で選択した電話番号のFAX装置7に宛ててFAX送信を開始する。ここでは、S305で選択した電話番号用のFAXデータの全ての送信が完了するまで送信を続ける。
S308では、制御プログラム40は、図9に示すように、S305で選択した電話番号のステータスを送信済みに変更する。
【0078】
S309では、制御プログラム40は電話番号リストにある電話番号を全て選択したか否かを判定し、全て選択した場合はS310に進み、未だ選択していない電話番号がある場合はS305に戻って処理を繰り返す。
S310では、制御プログラム40は本文データと送信設定データとを記憶部37から削除してS301に戻る。
【0079】
S311では、制御プログラム40は中止命令とともに受信した識別IDが付加されている全てのページデータを記憶部37から削除する。
【0080】
(4)実施形態の効果
以上説明した実施形態1に係るPC側制御プログラム30によると、生成送信プロセス51の実行中に設定受付プロセス52の処理を開始するので、生成送信プロセス51の処理の少なくとも一部と設定受付プロセス52の処理の少なくとも一部とを並行して実行できる。
より具体的には、設定受付プロセス52でユーザから電話番号や送付書を生成するための情報の設定を受け付けている間に、生成送信プロセス51でページデータを生成して送信を開始することができる。設定受付プロセス52で受け付けた送信設定から送信設定データを生成して送信するのは、複数のページデータを生成するよりは早く完了することができる。結果として、設定受付プロセス52が完了した後速やかに、送信設定データと本文データとがマージされ、FAXの送信を行うことができる。
以上のように、実施形態1に係るPC側制御プログラム30によると、設定受付プロセス52が終了してから生成送信プロセス51を開始する場合、あるいは生成送信プロセス51が終了してから設定受付プロセス52を開始する場合に比べ、FAX装置3が外部のFAX装置7にFAXデータを送信し始める時を早めることができる。
【0081】
更に、PC側制御プログラム30によると、送信設定はFAXデータの宛先であり、送信設定データは宛先を示す宛先データであるので、生成送信プロセス51の少なくとも一部を、FAXデータの宛先の設定を受け付ける処理と並行して実行できる。
【0082】
更に、PC側制御プログラム30によると、設定受付プロセス52において、FAXデータに対して複数の宛先の設定を受け付ける。複数の宛先を設定する場合は1つの宛先のみを設定する場合に比べて時間を要する。PC側制御プログラム30によると、生成送信プロセス51の少なくとも一部の処理を複数の宛先の設定を受け付ける処理と並行して実行するので、FAX装置3がFAXデータの送信を開始する時を早める効果がより大きくなる。
【0083】
更に、PC側制御プログラム30によると、送信設定はFAXデータに添付するFAX送付書の生成に用いられる情報であり、送信設定データは当該情報に基づいて生成されたFAX送付書データであるので、生成送信プロセス51の少なくとも一部の処理を、FAXデータに添付するFAX送付書の生成に用いられる情報の設定を受け付ける処理と並行して実行できる。
【0084】
更に、PC側制御プログラム30によるとFAXデータの全ページ数が記されているFAX送付書を表すFAX送付書データを生成できる。
【0085】
更に、PC側制御プログラム30によると、生成送信プロセス51において、FAXデータと当該FAXデータを一意に識別する識別IDとをFAX装置3に送信し、送信設定データ送信プロセス53において、送信設定データと識別IDとをFAX装置3に送信する。これにより、複数のPC2が同じFAX装置3にFAXデータと送信設定データとを送信しても、FAX装置3側で識別IDを参照してFAXデータと送信設定データとを対応付けることにより、あるPC2から送信されたFAXデータが別のPC2から送信された送信設定データを用いて送信されてしまわないようにすることができる。
【0086】
更に、PC側制御プログラム30によると、設定受付プロセス52によって中止指示が受け付けられると、FAX装置3にFAX送信の中止命令を送信するので、FAX装置3に不要なページデータが残ってしまわないようにすることができる。
【0087】
また、実施形態1に係るPC2によると、FAX装置3が外部のFAX装置7にFAXデータを送信し始める時を早めることができる。
【0088】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0089】
(1)上記実施形態では生成送信プロセス51を先に開始し、生成送信プロセス51が終了する前に設定受付プロセス52を開始する場合を例に説明したが、設定受付プロセス52と生成送信プロセス51とをほぼ同時に開始してもよいし、設定受付プロセス52を先に開始し、設定受付プロセス52が終了する前に生成送信プロセス51を開始してもよい。
【0090】
また、設定受付プロセス52において生成送信プロセス51と並行して実行される処理は、例えば「電話番号の設定を受け付ける処理」であってもよいし、「送付書情報の設定を受け付ける処理」であってもよい。
例えば、設定受付プロセス52において「電話番号の設定を受け付ける処理」が終了した後に生成送信プロセス51の実行を開始し、生成送信プロセス51と「送付書情報の設定を受け付ける処理」とを並行して実行してもよい。また、設定受付プロセス52において「送付書情報の設定を受け付ける処理」が終了した後に生成送信プロセス51の実行を開始し、生成送信プロセス51と「電話番号の設定を受け付ける処理」とを並行して実行してもよい。
【0091】
(2)上記実施形態では送信設定データ送信プロセス53からFAX装置3にFAX送付書データを送信しているが、FAX送付書データを送信するのではなく、FAX送付書を生成するための送付書情報を生成し、FAX装置3側で送付書情報に基づいてFAX送付書データを生成する構成であってもよい。
【0092】
(3)上記実施形態では情報処理装置としてパーソナルコンピュータを例に説明したが、情報処理装置は携帯電話であってもよいし、携帯情報端末であってもよい。
【0093】
(4)上記実施形態ではFAX装置としてFAX機能のみを備えるFAX装置3を例に説明したが、FAX装置はプリント機能、コピー機能、スキャナ機能等を備える複合機であってもよい。
【0094】
(5)上記実施形態ではPC2とFAX装置3とが通信ネットワーク4を介して接続されていたが、これに限られず、USB(Universal Serial Bus)接続やパラレル接続など、PC2とFAX装置3とが1対1で接続されるようなシステムにおいても適用可能である。この場合、必ずしも識別IDを送信しなくてもよい。
【0095】
(6)上記実施形態では、送付書プレビュー画面64で送付枚数を表示する構成であったため、全ページ数は生成送信プロセス51から設定受付プロセス52に受け渡されていたが、これに限られず、送付書プレビュー画面64で送付枚数を表示しなくてもよい。よって、全ページ数は生成送信プロセス51から送信設定データ送信プロセス53に出力されるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0096】
1・・・PC−FAXシステム、2・・・PC、3・・・FAX装置、10・・・ユーザ、30・・・PC側制御プログラム、30a・・・FAXドライバプログラム、30b・・・送信設定プログラム、40・・・FAX装置側制御プログラム、51・・・設定受付プロセス、52・・・生成送信プロセス、53・・・送信設定データ送信プロセス、54・・・マージプロセス、55・・・送信プロセス、56・・・中止プロセス


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファクシミリ装置と通信可能に接続されている情報処理装置に、
送信対象の画像に基づいてファクシミリデータを生成し、生成した前記ファクシミリデータを前記ファクシミリ装置に送信する生成送信処理と、
前記ファクシミリデータの送信設定をユーザから受け付ける設定受付処理と、
前記設定受付処理によって受け付けられた前記送信設定に基づく送信設定データを前記ファクシミリ装置に送信する送信設定データ送信処理と、
を実行させ、
前記生成送信処理及び前記設定受付処理は、同時に処理を開始するか、又は、一方の処理の実行中に他方の処理を開始するファクシミリ制御プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のファクシミリ制御プログラムであって、
前記設定受付処理は、前記生成送信処理による前記ファクシミリデータの送信が完了する前に前記生成送信処理から起動されることによって処理を開始するファクシミリ制御プログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のファクシミリ制御プログラムであって、
前記生成送信処理は、前記ファクシミリデータの生成を開始する前に前記設定受付処理を開始させる、ファクシミリ制御プログラム。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載のファクシミリ制御プログラムであって、
当該ファクシミリ制御プログラムは、前記生成送信処理を実行する生成送信プログラムと、前記設定受付処理を実行する設定受付プログラムとを含む複数のプログラムで構成されるものであり、
前記生成送信プログラムは、前記設定受付プログラムを起動することにより、前記設定受付処理を開始させる、ファクシミリ制御プログラム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のファクシミリ制御プログラムであって、
前記送信設定は前記ファクシミリデータの宛先であり、
前記送信設定データは前記宛先を示す宛先データである、ファクシミリ制御プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のファクシミリ制御プログラムであって、
前記設定受付処理において、前記ファクシミリデータに対して複数の宛先の設定を受け付ける、ファクシミリ制御プログラム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のファクシミリ制御プログラムであって、
前記送信設定はファクシミリデータに添付する送付書の生成に用いられる情報であり、
前記送信設定データは、送付書の生成に用いられる前記情報、又は、前記情報に基づいて生成された送付書データである、ファクシミリ制御プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のファクシミリ制御プログラムであって、
前記送付書には、前記ファクシミリデータの全ページ数が表記される、ファクシミリ制御プログラム。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のファクシミリ制御プログラムであって、
前記生成送信処理において、前記ファクシミリデータと当該ファクシミリデータを一意に識別する識別情報とを前記ファクシミリ装置に送信し、
前記送信設定データ送信処理において、前記送信設定データと前記識別情報とを前記ファクシミリ装置に送信する、ファクシミリ制御プログラム。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載のファクシミリ制御プログラムであって、
前記生成送信処理による前記ファクシミリデータの生成が開始された後に、ファクシミリ送信の中止指示を受け付ける中止受付処理と、
前記中止受付処理によって前記中止指示が受け付けられると、前記ファクシミリ装置にファクシミリ送信の中止命令を送信する中止処理と、
を前記情報処理装置に実行させるファクシミリ制御プログラム。
【請求項11】
ファクシミリ装置と通信可能に接続されている情報処理装置であって、
ファクシミリデータの送信設定をユーザから受け付ける設定受付部と、
送信対象の画像に基づいてファクシミリデータを生成し、生成した前記ファクシミリデータを前記ファクシミリ装置に送信する生成送信部と、
前記設定受付部によって受け付けられた前記送信設定に基づく送信設定データを前記ファクシミリ装置に送信する送信設定データ送信部と、
を備え、
前記生成送信部及び前記設定受付部は、同時に動作を開始するか、又は、一方の動作中に他方の動作を開始する情報処理装置。
【請求項12】
ファクシミリ装置と情報処理装置とからなるファクシミリシステムであって、
前記情報処理装置は、
送信対象の画像に基づいてファクシミリデータを生成し、生成した前記ファクシミリデータを前記ファクシミリ装置に送信する生成送信部と、
前記ファクシミリデータの送信設定をユーザから受け付ける設定受付部と、
前記設定受付部によって受け付けられた前記送信設定に基づく送信設定データを前記ファクシミリ装置に送信する送信設定データ送信部と、
を備え、
前記生成送信部及び前記設定受付部は、同時に動作を開始するか、又は、一方の動作中に他方の動作を開始するものであり、
前記ファクシミリ装置は、
前記情報処理装置から前記ファクシミリデータ、及び、前記送信設定データを受信する受信部と、
前記受信部により受信した前記ファクシミリデータを、前記受信部により受信した前記送信設定データを用いてファクシミリ送信する送信部と、
を備えるファクシミリシステム。
【請求項13】
請求項12に記載のファクシミリシステムであって、
前記情報処理装置は、
前記生成送信部による前記ファクシミリデータの生成が開始された後に、ファクシミリ送信の中止指示を受け付ける中止受付部と、
前記中止受付部によって前記中止指示が受け付けられると、前記ファクシミリ装置にファクシミリ送信の中止命令を送信する中止部とを備え、
前記ファクシミリ装置は、
前記中止命令を受信すると、前記受信部によって受信済みの前記ファクシミリデータをメモリから削除する削除部を備えるファクシミリシステム。
【請求項14】
請求項12又は請求項13に記載のファクシミリシステムであって、
前記受信部は、前記情報処理装置から前記ファクシミリデータを一意に識別する識別情報及び前記ファクシミリデータ、ならびに、前記識別情報及び前記送信設定データを受信し、
前記送信部は、前記識別情報に基づいて対応する前記ファクシミリデータと前記送信設定データとを特定し、前記ファクシミリデータを、前記送信設定データを用いてファクシミリ送信する、ファクシミリシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−12844(P2013−12844A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143224(P2011−143224)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】