説明

フィッシャー・トロプシュ触媒

フィッシャー・トロプシュ合成反応で使用するアルミナ担持触媒を製造する方法であって、初期γ−アルミナ担体材料を少なくとも550℃の温度でか焼して改質アルミナ担体材料を生成することと、前記改質アルミナ担体材料にコバルトのソースを含浸させることと、含浸した前記担体材料を700℃乃至1200℃の温度でか焼することと、前記触媒を活性化することとを含んだ方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、担持触媒及びフィッシャー・トロプシュ合成反応におけるその使用に係り、より詳細には、触媒及び担体の製造方法並びに触媒及び担体自体に関する。
【背景技術】
【0002】
天然ガスの液化炭化水素への転化(「ガス液状化」又は「GTL」プロセス)は、1)合成ガスの製造、2)合成ガスのFT合成による転化、及び3)FT生成物(ワックス及びナフサ/留出物)の最終生成物への品質向上からなる3段階の工程に基づいている。
【0003】
合成ガス,COと水素との混合物であって、ことによると、CO2、窒素及びメタンなどの本質的に不活性な成分をさらに含有している混合物,を転化するためのフィッシャー・トロプシュ反応は、商業的には、活性金属であるFe又はCoを含有した触媒を使用して行われている。鉄触媒は、例えば、石炭又は他の重質炭化水素原料からの低H2/CO比(<1.2)の合成ガスに最も適しており、この比は、FT反応の消費比(2.0−2.1)よりも相当に低い。本発明は、Co系触媒,特にはCo系担持触媒,と関係している。様々な生成物がFT反応によってつくられ得るが、担持コバルトからは、一次生成物は長鎖炭化水素であって、これは、ディーゼル燃料及び石油化学ナフサなどの製品へとさらに品質が高められ得る。副生成物は、オレフィン類及びオキシジェネート類を含み得る。
【0004】
十分な触媒活性を達成するために、Coをしばしば担体材料と呼ばれる触媒キャリア上に分散させることは通例である。このようにして、Coのより多くの部分が、反応が起こり得る表面原子として露出する。本発明は、担体材料としてのアルミナと関係している。
【0005】
担持コバルト触媒は、好適なFT合成用触媒である。コバルトFT触媒の最も重要な特性は、活性、通常はC5+及び重質生成物に対する選択性、及び失活に対する耐性である。公知の触媒は、典型的には、チタニア、シリカ又はアルミナ担体を使用しており、様々な金属及び金属酸化物が助触媒として有用であることが示されている。
【0006】
Iglesiaらによる文献("Selectivity Control and Catalyst Design in the Fischer-Tropsh Synthesis: Sites, Pellets and Reactors" Advances in Catalysis, Vol.3, 1993)では、シールス係数(Thieles modulus)が2つの成分,Ψn及びχ,の積として規定されており、ここで、Ψnは個々の分子の拡散係数及び反応性のみに依存し、χは触媒の物理的特性及びサイト密度のみに依存している。彼らは、C5+生成物への選択性がχによるボルケーノプロットとして記述され得るモデルを記載している。構造パラメータは、χ=Ro2Φθm/rpとして与えられ、ここで、θmはサイト密度,例えば、触媒粒子中の細孔領域の1cm2当りにおけるCo金属原子の表面原子数,であり、Roは拡散距離,すなわち、本質的には球形の触媒粒子の半径,であり、Φは粒子の多孔度(cm3で表した細孔容積/cm3で表した粒子体積)であり、rpは平均細孔半径である。
【0007】
この数式は、χは、基礎定数,触媒中のコバルトに固有のデータ並びに触媒粒子の寸法及び密度,のみに依存することを示唆している。χが細孔半径rpに依存しないことは、特に注目に値する。しかしながら、フィッシャー・トロプシュ反応のC5+生成物への選択性は、実際には、細孔の寸法に依存しているようである。
【0008】
Saibらによる文献("silica supported cobalt Fischer-Tropsch catalysts: effect of pore diameter of support" Catalysis Today 71 (2002) 395-402)では、シリカ担体の平均細孔直径の効果がコバルト触媒の特性及びそれらのF−T合成における性能に及ぼす影響が議論されている。この文献は、担体の細孔直径はコバルトクリスタリットの寸法に大きな効果を持ち、より大きなクリスタリットはより大きな細孔径において生じると結論付けている。また、活性は金属分散の関数であり、最大C5+選択性は転化率の関数であることが見出されている。
【0009】
EP1129776A1では、触媒粒子における内部拡散現象は触媒の化学的及び形態学的構造(細孔寸法、表面積、活性サイトの密度)と当該種の分子次元とに依存することが議論されている。これは、例えばシールス係数の点で記述された関連の教科書において見出される一般的な教示であり、細孔の寸法,すなわち、細孔半径又は直径,が臨界的パラメータの1つであることは注目に値する。さらに、フィッシャー・トロプシュ合成については、粒子間拡散は、粒子の中心に向けて低いCO濃度を生じさせ、その結果、触媒の内側でH2/CO比を累進的に上昇させること、及び、この条件は軽質炭化水素の形成に適している(a値及びC5+分率を低下させる)ことが教示されている。他方、スラリータイプの多相反応器は、一般に、内部拡散の問題を生じない小さな触媒粒子(20−150mm)を使用すること、より詳細には、フィッシャー・トロプシュ合成で使用する様々な担持コバルト系触媒にとって、200mm未満の直径を有する粒子を用いた操業によって内部拡散の制限を無視できることが示されている。
【0010】
EP0736326には、C5+選択性は、アルミナ担持コバルト型FT触媒にとって増加しつつある細孔径の或る範囲に亘って増大し得ることが示されている。
【0011】
しかしながら、細孔径を測定する方法の文献又は詳記はなく、報告値が方法,例えば、異なるプローブガス或いは吸着又は脱着等温線のどちらを用いるか,で著しくばらつくことはよく知られている。
【0012】
一般に、アルミナキャリアにコバルト触媒材料溶液を含浸させた後で、そのキャリアは200乃至450℃の比較的低い温度,例えば300℃,で2乃至16時間乾燥及びか焼する。しかしながら、より高い温度,例えば500℃を超える温度,でのより長時間のか焼は触媒活性を低減し得ることが知られている。
【0013】
これは、Coクリスタリットの凝集のせいでFT反応のためのCo表面積が低減する最初の事例であるが、より高い温度では、Coはアルミナ自体と反応して不活性スピネル相,コバルトアルミネートCoAl24,を形成する。コバルトアルミネートへの転化は、Davis及び共同研究者(Applied Catalysis, Volume 247, Pages 335-343, 2003)によって、650℃で生じること及び850℃で完全に転化することが示されている。本発明は、含浸触媒キャリアの高温処理がその粉化レベルに及ぼす驚くべき有利な効果と関連している。
【発明の開示】
【0014】
本発明の一側面によると、アルミナ担持触媒を製造する方法であって、初期アルミナ担体材料にアルミナとスピネル化合物を形成可能な2価金属のソースを含浸させる第1含浸工程と、含浸した前記アルミナ担体材料を少なくとも550℃の温度でか焼して改質アルミナ担体材料を生成する第1か焼工程と、前記改質アルミナ担体材料に触媒作用的に活性な金属のソースを含浸させる第2含浸工程と、含浸した前記改質担体材料を少なくとも150℃の温度でか焼する第2か焼工程とを含んだ方法が提供される。
【0015】
本発明の他の側面によると、触媒のためのアルミナ担体を製造する方法であって、初期アルミナ担体材料にアルミナとスピネル化合物を形成可能な2価金属のソースを含浸させることと、含浸した前記アルミナを少なくとも550℃の温度でか焼することとを含んだ方法が提供される。
【0016】
本発明は、第1側面に従ってつくられた触媒材料及び第2側面に従ってつくられた担体材料にも適用される。
【0017】
また、本発明は、担体材料の使用及びF−T合成における触媒の使用にも適用される。
【0018】
F−T合成は、懸濁気泡塔などの固定床反応器又は非固定床反応器において実行されてもよい。
【0019】
本発明は、炭化水素の製造方法であって、反応器中、本発明の触媒の存在下でH2及びCOガスをフィッシャー・トロプシュ合成反応に供することを含んだ方法にも適用される。
【0020】
この方法は、典型的なF−T操業条件のもとで実行され得る。生成物は、脱蝋、水素異性化、及び/又は水素添加分解などの様々な後処理に供され得る。
【0021】
非晶質触媒担体材料は、典型的には50乃至500m2/gの、より典型的には100乃至300m2/gの比表面積を有している。本発明で使用する出発アルミナ材料は、全て少なくとも支配的にγ−アルミナ型であり、好ましくは150乃至200m2/の比表面積を有している。これら担体は、例えば80%が30−120μmの範囲内にある適切なサイズの本質的に球形の粒子を得るのに適切な溶液のスプレイドライ技術によって調製され得る。スプレイドライの後、その材料は高温でか焼され、適切な結晶サイズ及び細孔構造を与える。
【0022】
総細孔容積が十分に大きい、0.2cm3/gより大きい、0.4cm3/gより大きい、又は0.6cm3/gより大きいことも重要である。細孔容積は、しばしば、吸着ガスとして窒素を利用したBET法によって測定される。この方法は、水銀多孔度測定器がより妥当な大きな細孔を考慮していない。正確性がより低いがより実際的なパラメータは、実測水分吸収率であり、それは、インシピエント・ウェットネス処理によって触媒に含浸させ得るコバルトの量と直接的に相関し得る。大きな細孔容積は、スラリー環境中での操業に適した軽質材料を与え、必要な含浸工程の数を最小化することにより含浸を容易にするであろう。同時に、担体及び最終生成物としての触媒は、材料の最小限の粉化で、数ヶ月及び数年の長期の操業に十分な強度を有しているべきである。これは、スラリー環境中で又はFCC(流動接触分解)触媒の試験に適用可能なASTM法によって試験され得る。
【0023】
アルミナ供給業者(Sasol GmbH of Hamburg, Germany)から入手したγ−アルミナ触媒担体材料及び以下の熱処理を施したγ−アルミナ触媒担体材料の双方の特性を調査した。これら特性を、表1に記載する。
【表1】

【0024】
アルミナ供給業者から搬入を受けたままのγ−アルミナは、2つの方法,すなわち、500−1200℃の範囲内の温度での熱処理/か焼、並びに、1つの又は混合物としての物質による含浸及びそれに続く700−1300℃の温度範囲での熱処理,の1つ又は双方で処理した。結果として得られた材料の特性を調査した。
【0025】
高温処理の際に、γ−アルミナ又は他のアルミナ水和物は、δ、θ、η、χ又はκ−アルミナと表される遷移相アルミナへと転化され、それらの全ては、最終的には、比表面積の緩やかな減少と共にα−アルミナへと転化されるであろう。また、これらアルミナは、これが10−50m2/gの範囲内の比表面積を有している場合であっても、フィッシャー・トロプシュ合成のためのコバルト用担体材料として適しているかも知れない。比表面積及び細孔容積は、十分に高いコバルト金属使用量及び分散への必要条件に向けてバランスされなければならない。しかしながら、アルミナの高温表面安定性をランタン(酸化ランタン)などの或る安定化剤を添加することにより高めることも可能である。このように、γ−相は1000℃を超える温度でも保たれ得る。マグネシア及びセリアなどの他の安定化剤が使用されている。
【0026】
3つの他の特性は、担体及び最終生成物としての触媒にとって、特に懸濁気泡塔などのスラリー反応器環境で使用される場合に重要である。これらは、粒子密度、粒子サイズ、及び磨耗又は粉化耐性である。密度は、反応器中における触媒粒子の適当な分布(分散)を達成するために重要である。軽質材料は、触媒の沈降又は反応器の下部における過剰な粒子濃度を避けるうえで特に有利である。粒子サイズも沈降及び触媒濃度プロファイルに影響を及ぼすが、過剰に小さくするべきではない。というのは、これは、液体生成物の反応器スラリーからの分離をより困難とし、反応器の頂部でガス相と共に運ばれる粒子の発生頻度を増加させるからである。粉化は、触媒の寿命を長くするために及び液体炭化水素生成物の汚染を避けるために最小限に抑えるべきである。
【0027】
選択したγ−アルミナ担体及びそれらの熱処理類似物に関するこれらパラメータの例を表1に示す。これから分かるように、か焼温度が1100℃を超えると、粉化耐性が顕著に減少し、これと同時にα−アルミナ含量が増加する明確な傾向がある。WO02/47816では、低表面積の及び/又は高α−アルミナ含量の触媒はFT−合成において所望のC5+生成物に対する選択性を顕著に増加させることが示されている。しかしながら、明らかなように、細孔容積は減少し、粉化は許容できないレベルに到達し得る。
【0028】
上述の通り、本触媒及び担体材料を特徴付ける重要な方法は、細孔の特徴,細孔容積、細孔径分布、表面積及び平均細孔径,の決定と関連している。様々な技術を適用してもよいが、殆どは細孔の表面に吸着される気体,これは典型的には窒素であるが特殊な目的では或る希ガス又は水銀が使用される,の吸着又は脱着等温線を用いた所謂BET法の変形である。本発明では、Micromeretics社のASAP2000装置での標準的な手順及び細孔の特徴を計算するための標準的な同梱ソフトウェアによって測定される窒素吸着等温線を使用する。
【0029】
この明細書の表中で報告している値は、BET表面積、17乃至3000Aの直径範囲におけるBJH脱着累積細孔容積、及びBJH脱着平均細孔直径(4V/A)である。特定の値は方法に依存するが、総体的な結果は用いる方法とは無関係に有効であることが期待され、それゆえ、比較される特性データは所定の方法に揃えるべきである。
【0030】
粉化試験用の改良ASTM型機器は2つの主要部からなり、1つは空気供給系であり、他の1つは粉化が起こる反応器である。圧縮空気は、圧力調整器(5バール)を通って加湿器内に入り、そこで、空気は約30%の相対湿度にまで加湿される。
【0031】
これは、系の静電気を避けるために為される。次いで、空気の量がマスフローコントローラで調節される。その後、加湿空気は、孔が0.4mmの直径を有している網目プレートを通って反応器に入る。これら孔のため、ガスは音速に達し、それは、反応器中の粒子に「摩損」を生じさせる。反応器は35.6mm(1.4インチ)の内径及び711mm(28インチ)の長さを有しており、圧力は約1.8バールである。反応器を通過後、112mm(4.4インチ)の内径及び305mm(12インチ)の長さを有している分離室中で速度が低下させられる。反応器と分離室との間には、長さが203mm(8インチ)の円錐形接続部がある。
【0032】
40μmより大きい粒子は反応器中へと再び落下し、40μm未満のより小さな粒子(微粉)は、長さが106mm(4インチ)の円錐形接続部を介して分離室に接続されたU字管を通ってソクスレーフィルタへと入るであろう。振動機が分離室に取り付けられ、内壁上の粒子をばらばらにする。
【0033】
試験前に篩別した40μmよりも大きな50gの粉末又は触媒を反応器中に装入し、反応器を分離室に接続する。空気を流し、そして、反応器中で生成し且つソクスレーフィルタに集められた微粉を、最初の2時間は15分毎に計量し、次の3時間は30分毎に計量する。規定の運転を5時間続け、生成した微粉の量は時間に対するグラフで表され得る。
【0034】
担体の変形及び触媒の調製
【表2】

【表3】

【0035】
表2から、か焼した形態の標準的な触媒(20Co/300℃のサンプル)は担体材料と比較して粉化レベルがより高い、すなわち、4.8gに対して6.8gである。換言すると、強度の顕著な減少が、硝酸コバルトの含浸及び標準的なか焼によって観測されている。驚くべきことに、強度は1140℃までさらにか焼することにより顕著に増大し、粉化レベルは出発アルミナ材料のそれと比較して実際により低いことが見出されている。同一温度(1140℃)でか焼したアルミナ担体との比較は、殆どの強度はその後に失われる(26.3g)ので、より関心をひく。触媒強度への正の効果は、か焼温度及びCo使用量と共に増大する。
【0036】
比較のため、硝酸アルミニウムの含浸を試みたが、粉化への効果は殆ど得られず、実際、何れも1140℃でか焼した含浸サンプルについての28.0gの粉化レベルは支持体について得られた26.3gの僅かに上であることが分かる。他方、Znは、粉化に正の効果を有し、Coと非常に合致している。それゆえ、金属塩を用いた含浸と高温でのか焼とは、添加した金属がアルミニウムを有する特定の結晶質混合酸化物,この場合はMeAl24の組成を有するスピネルであって、Meは2価金属である,を形成し得る場合にアルミナの強度を高めるように思える。さらにより大きな効果がMg塩を用いた場合に見出され、極めて高強度の材料が形成されている。ジェットカップ中での5時間後の0.5%の粉化レベルは、触媒又は触媒担体について知られている何れよりも低い。この効果の原因は単なる推論に過ぎないが、マグネシウムイオンはCo2+又はZn2+と比較してより小さく、それゆえ、所定の温度でより速い固相拡散速度を示すと思われる。これは、リチウムのような小さな金属イオンを含んだ他の金属塩/酸化物を用いてアルミナを改質する正の効果を示している。それにも拘らず、驚くべきことに、ニッケルは、マグネシウムの値に近い優れた粉化耐性を有する改質アルミナ担体を与えることが見出された(図1)。
【0037】
他で規定しない限り、使用した全ての触媒は、コバルトを完全に還元した還元触媒を想定して計算した名目量で20重量%のコバルトと0.5重量%のReとを含有している。XRF又はICPによって決定した実測金属使用量は、±10%の範囲内,すなわち、コバルトについては還元触媒の全重量の18乃至22重量%の範囲内,で異なっている。レニウム以外の他の助触媒,特には、白金、イリジウム又はレニウム,が用いられ得る。また、酸化ランタン又はランタニド酸化物の混合物又は還元し難い他の化合物などの第2助触媒を添加することができる。
【0038】
含浸の前に、触媒担体を約500℃で予備か焼してもよい。含浸は、通常は、適切な金属塩の、一般には硝酸コバルトと過レニウム酸又は過レニウム酸アンモニウムとの混合水溶液を用いた1工程であるが、複数工程を用いてもよい。一般に使用されている含浸技術は、細孔充填又は「インシピエント・ウェットネス」法であり、その方法では、溶液を乾燥させた担体と細孔が充填されるまで混合する。この方法の終点の定義は研究所毎に幾分異なり、含浸した触媒は完全に乾燥した外観又は粘着性雪状の外観を有し得る。しかしながら、さらりとした液体が存在している例はない。
【0039】
代わりの溶剤及び化学物質を使用する多数の代替含浸法が当技術分野では知られているが、本発明では、好適な方法は、硝酸コバルト(Co(NO32・6H2O)と過レニウム酸(HReO4)との溶液を用いた水性インシピエント・ウェットネスを伴う。可能な代替法は、酢酸コバルト、ハロゲン化コバルト、コバルトカルボニル、シュウ酸コバルト、燐酸コバルト、有機コバルト化合物、過レニウム酸アンモニウム、ハロゲン化レニウム、レニウムカルボニル、工業用金属塩溶液、有機溶剤などの使用を含む。さらに、含浸技術は、沈殿、過剰な液体を有するスラリーからの含浸、化学気相堆積などのインシピエント・ウェットネス以外の全ての利用可能な方法を包含していてもよい。含浸法が活性金属(コバルト)の分散に及びそれゆえに触媒活性に影響を及ぼすことはよく知られているが、フィッシャー・トロプシュ反応は非構造敏感であると考えられているので、分散は選択性に影響を及ぼさないであろう。
【0040】
含浸した触媒は典型的には80−120℃で乾燥させて触媒細孔から水を除去し、その後、典型的には200−450℃で、例えば300℃で2−16時間か焼する。
【0041】
触媒試験
試験前の1つの重要な工程は、酸化コバルトの金属コバルトへの還元を伴う触媒の活性化である。この還元は、適当な還元性ガスを触媒粒子のまわりに流すことにより行うことができる。水素又は一酸化炭素又はそれらの混合物が特に好適である。還元性ガスは、窒素、希ガス又は水蒸気などの不活性物質と混合することができ、適当な温度及び圧力を適用すべきである。活性化に流動床反応器を使用する場合、適当なガス流を達成するために、還元性ガス(の一部)の再循環と僅かに大気圧を超過した総圧とを使用することが都合がよいかも知れない。また、高い総圧,例えば、8バールまで又はそれよりも高い或いはフィッシャー・トロプシュ反応器の圧力,を使用することができる。還元温度の選択は、実際の触媒調合物、特には助触媒の存在及び性質に強く依存する。Reが都合よく低められた温度で高い還元性を達成することにおいて非常に有効な助触媒であることはよく知られている。
【0042】
活性化した触媒の幾つかの固定床試験は、4つの並列固定床反応器を有する実験ユニットで行った。粒径制御した画分のうち約1gの触媒粒子を、5倍の体積を有する不活性SiCと混合した。還元は、水素を用いて現場で行い、その後、水素とCOとを約2:1の比で含有した混合物を注意深く添加した。210℃及び20バールの総圧で水蒸気に20時間晒した後、90時間後におけるCOの概算転化レベルが45乃至50%となるように空間速度を調節した。反応で発生する水蒸気のレベルは触媒の性能に甚大な影響を及ぼすので、同じ転化レベルで選択性の比較及び活性の比較を行うことは極めて重要である。
【表4】

【表5】

【0043】
表3において、第1列は、第1含浸及びか焼に関し、含浸させた金属(「−−−」は含浸を行わなかったことを表している)及びか焼温度を示している。第2列は、第2含浸(コバルトを用いた)及びか焼に関し、コバルト及びレニウム含量を示している。か焼は、約300℃で行った。
【0044】
表3から明らかなように、Al−2担体の900℃以上,特には1100℃より高温,での熱処理は、本出願人のWO02/47816でも記載しているように、触媒の選択性を高める。同様の効果が、金属溶液を含浸させ、その後、標準的な含浸及びか焼に先立って高温処理した全ての改質アルミナについて見られるように思えるであろう。また、レニウムの添加は、先の報告に従う全ての触媒について改善された活性及び選択性を与えることに留意すべきである。それゆえ、本発明によると、触媒の高い選択性を高い強度と組み合わせることが可能となる。
【0045】
しかしながら、適用した2価の改質剤間には或る相違がある。できるだけ少量の改質剤を使用することが望ましいので、例えば、1140℃でのか焼の前に同一重量%で添加した2価の改質剤について値を比較することができる。まず、10重量%のレベルでは、マグネシウム及びニッケルのみが「良好」又はより良好として分類される粉化を与え得ること、及び、この分類は5重量%の使用量についても維持されることを言及することができる。しかしながら、マグネシウムは低い触媒性能を与え、5重量%のニッケルは優れた活性及び選択性を示している。窒素を用いたBET測定から得られた細孔直径の関数としての特異な細孔容積として描いた触媒の細孔径分布ダイアグラム(図2)又は改質担体の細孔径分布ダイアグラムにおいて、独特の特徴を見ることができる。Al−2の細孔径分布は二頂であるが、その二頂性は改質担体のか焼温度と共に低下し、それと同時に、強度及びC5+選択性が高まっている。
【0046】
図1は、Ni使用量及びか焼温度が改質Al−2担体の強度に与える効果を示している。
【0047】
図2は、γ−アルミナに5重量%のNiを硝酸ニッケルとして含浸させ、これを高温でか焼することにより調製した改質触媒担体を用いた触媒の細孔径分布への温度効果を示している。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】Ni使用量及びか焼温度が改質Al−2担体の強度に与える効果を示す図。
【図2】γ−アルミナに5重量%のNiを硝酸ニッケルとして含浸させ、これを高温でか焼することにより調製した改質触媒担体を用いた触媒の細孔径分布への温度効果を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミナ担持触媒を製造する方法であって、
初期アルミナ担体材料にアルミナとスピネル化合物を形成可能な2価金属のソースを含浸させる第1含浸工程と、
含浸した前記アルミナ担体材料を少なくとも550℃の温度でか焼して改質アルミナ担体材料を生成する第1か焼工程と、
前記改質アルミナ担体材料に触媒作用的に活性な金属のソースを含浸させる第2含浸工程と、
含浸した前記改質担体材料を少なくとも150℃の温度でか焼する第2か焼工程とを含んだ方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記初期アルミナ担体材料はガンマ−アルミナを少なくとも支配的に具備している方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法であって、含浸した前記改質担体材料を600℃までの温度でか焼する方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の方法であって、含浸及びか焼した前記改質担体は窒素を用いたBETにより測定した細孔容積を有しており、その細孔容積の少なくとも半分は30nmより大きい直径を有する細孔によって構成されている方法。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法であって、前記初期アルミナ担体材料は100乃至300m2/gの範囲内にある比表面積を有している方法。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の方法であって、前記初期アルミナ担体材料は粒径範囲を有している本質的に球形の粒子を具備し、その少なくとも80体積%が25乃至150μmの範囲内にある方法。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の方法であって、前記初期アルミナ担体材料は0.2cm3/gよりも大きな、好ましくは0.4cm3/gよりも大きな細孔容積を有している方法。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の方法であって、前記第1か焼工程を800乃至1200℃の範囲内の温度で行う方法。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の方法であって、前記第1か焼工程を900乃至1200℃の範囲内の温度で行う方法。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1項に記載の方法であって、前記改質アルミナ担体は40m2/g未満の表面積を有している方法。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか1項に記載の方法であって、前記改質アルミナ担体は5時間の試験によって生じる微粉が20重量%未満のASTM粉化値を有している方法。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか1項に記載の方法であって、前記改質アルミナ担体は5時間の試験によって生じる微粉が8重量%未満のASTM粉化値を有している方法。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか1項に記載の方法であって、前記改質アルミナ担体は少なくとも10重量%のアルファ−アルミナを具備している方法。
【請求項14】
請求項1乃至13の何れか1項に記載の方法であって、前記2価金属のソースはコバルト、亜鉛、マグネシウム、マンガン、ニッケル又は鉄のソースを具備した方法。
【請求項15】
請求項1乃至14の何れか1項に記載の方法であって、前記2価金属のソースはコバルトのソースを具備していない方法。
【請求項16】
請求項1乃至15の何れか1項に記載の方法であって、前記2価金属のソースはニッケルを具備した方法。
【請求項17】
請求項1乃至16の何れか1項に記載の方法であって、前記2価金属のソースはニッケルを最終生成物としての還元された触媒の20重量%未満の量で具備した方法。
【請求項18】
請求項1乃至17の何れか1項に記載の方法であって、前記2価金属のソースはニッケルを最終生成物としての還元された触媒の8重量%未満の量で具備した方法。
【請求項19】
請求項1乃至18の何れか1項に記載の方法であって、前記アルミナ担体材料に助触媒を含浸させるか又は共含浸させることをさらに含んだ方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、前記助触媒は白金又はレニウムを具備した方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、前記助触媒はレニウムであり、前記レニウムのソースは過レニウム酸(HReO4)、過レニウム酸アンモニウム、ハロゲン化レニウム及びレニウムカルボニルから選択される方法。
【請求項22】
請求項1乃至21の何れか1項に記載の方法であって、安定化剤を前記アルミナ担体材料中に混和させる方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、前記安定化剤はランタンを具備した方法。
【請求項24】
請求項1乃至23の何れか1項に記載の方法であって、前記第1含浸工程は、前記2価金属の化合物の水溶液を乾燥させた前記担体材料とその細孔が充填されるまで混合し、次いで、前記第1か焼工程に先立って、含浸した前記担体を乾燥させるインシピエント・ウェットネス処理を含んだ方法。
【請求項25】
請求項1乃至24の何れか1項に記載の方法であって、前記触媒作用的に活性な金属のソースはコバルトのソースを具備した方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法であって、前記コバルトのソースは硝酸コバルト(Co(NO32)、酢酸コバルト、ハロゲン化コバルト、コバルトカルボニル、シュウ酸コバルト、燐酸コバルト、炭酸コバルト、ヘキサアンミンコバルト塩及び有機コバルト化合物から選択される方法。
【請求項27】
請求項25又は27に記載の方法であって、前記第2含浸工程は、コバルト化合物と任意のレニウム化合物との水溶液を前記改質担体材料とその細孔が充填されるまで混合し、次に、前記第2か焼工程に先立って、含浸した前記改質担体材料を乾燥させるインシピエント・ウェットネス処理を含んだ方法。
【請求項28】
請求項24又は26又は27に記載の方法であって、前記含浸で使用する水溶液の量は、触媒担体の実測細孔容積よりも0.05−2倍大きい方法。
【請求項29】
請求項24又は26乃至28の何れか1項に記載の方法であって、乾燥を80乃至120℃で行う方法。
【請求項30】
請求項1乃至29の何れか1項に記載の方法であって、前記第2か焼工程の後に、アルミナ担持触媒材料を活性化する方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法であって、前記活性化工程は、存在している前記触媒作用的に活性な金属の化合物の実質的部分を前記金属へと還元することを含んだ方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法であって、前記還元は前記触媒材料を還元性ガスで処理することにより行う方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法であって、前記還元性ガスは任意に不活性ガスと混合される水素及び/又は一酸化炭素である方法。
【請求項34】
請求項31乃至33の何れか1項に記載の方法であって、前記還元は250乃至500℃の活性化温度で行う方法。
【請求項35】
請求項34に記載の方法であって、前記活性化温度は300乃至450℃の範囲内にある方法。
【請求項36】
請求項1乃至35の何れか1項に記載の方法であって、含浸の前において、前記アルミナ担体は5時間の試験によって生じる微粉が30重量%未満のASTM粉化値を有している方法。
【請求項37】
請求項36に記載の方法であって、前記ASTM値は20%未満である方法。
【請求項38】
請求項1乃至37の何れか1項に記載の方法によって製造された触媒材料。
【請求項39】
請求項38に記載の触媒であって、前記触媒作用的に活性な金属及び任意に前記2価金属はコバルトであり、前記触媒のコバルト含量は10乃至40重量%である触媒。
【請求項40】
請求項39に記載の触媒であって、前記コバルト含量は15乃至25重量%である触媒。
【請求項41】
請求項38乃至40の何れか1項に記載の触媒であって、3重量%未満の助触媒が混和している触媒。
【請求項42】
請求項41に記載の触媒であって、前記助触媒はレニウム又は白金である触媒。
【請求項43】
請求項38乃至42の何れか1項に記載の触媒であって、前記初期担体材料はγ−アルミナを支配的に具備した触媒。
【請求項44】
請求項43に記載の触媒であって、前記γ−アルミナは安定化剤で、任意にレニウムで安定化されている触媒。
【請求項45】
請求項38乃至44の何れか1項に記載の触媒であって、前記アルミナ担体材料はバインダを含んだ触媒。
【請求項46】
請求項45に記載の触媒であって、前記バインダは前記触媒の25重量%未満である触媒。
【請求項47】
請求項45又は46に記載の触媒であって、前記バインダはアルミナ含有バインダ材料である触媒。
【請求項48】
請求項38乃至47の何れか1項に記載の触媒であって、調製した触媒は前記改質担体上にコバルトを具備し、その比表面積は150m2/gまでである触媒。
【請求項49】
請求項37乃至48の何れか1項に記載の触媒であって、調製した前記触媒の細孔容積は0.05乃至0.7cm3/gである触媒。
【請求項50】
請求項37乃至49の何れか1項に記載の触媒であって、調製した前記触媒の細孔容積は少なくとも10nmであり、好ましくは少なくとも18nmである触媒。
【請求項51】
請求項48乃至50の何れか1項に記載の触媒のフィッシャー・トロプシュ合成反応における使用。
【請求項52】
請求項51に記載の使用であって、前記反応は懸濁気泡塔反応器中で行う使用。
【請求項53】
請求項52に記載の使用であって、H2及びCOを前記反応器中のスラリーに供給し、前記スラリーは前記H2及びCOの反応生成物を含んだ液体中で浮遊している前記触媒を具備し、前記触媒は前記スラリーに供給するガスの動きによって少なくとも部分的に前記スラリー中で浮遊したまま保たれる使用。
【請求項54】
炭化水素を製造する方法であって、H2及びCOガスを、反応器中、請求項28乃至40の何れか1項に記載の触媒の存在下でフィッシャー・トロプシュ合成反応に供することを含んだ方法。
【請求項55】
請求項54に記載の方法であって、前記反応は、反応物が気体であり、生成物が少なくとも部分的に液体であり、触媒が固体である3相反応である方法。
【請求項56】
請求項55に記載の方法であって、前記反応はスラリー気泡塔反応器中で行う方法。
【請求項57】
請求項56に記載の方法であって、H2及びCOを前記反応器中のスラリーに供給し、前記スラリーは前記H2及びCOの反応生成物を含んだ液体中で浮遊している前記触媒を具備し、前記触媒は前記スラリーに供給するガスの動きによって少なくとも部分的に前記スラリー中で浮遊したまま保たれる方法。
【請求項58】
請求項54乃至57の何れか1項に記載の方法であって、前記反応の温度は190−250℃の範囲内にある方法。
【請求項59】
請求項58に記載の方法であって、前記反応の温度は200−230℃の範囲内にある方法。
【請求項60】
請求項54乃至59の何れか1項に記載の方法であって、前記反応の圧力は10−60バールの範囲内にある方法。
【請求項61】
請求項60に記載の方法であって、前記反応の圧力は15乃至30バールの範囲内にある方法。
【請求項62】
請求項54乃至61の何れか1項に記載の方法であって、前記フィッシャー・トロプシュ合成の反応器に供給する前記ガスのH2/CO比は1.1乃至2.2の範囲内にある方法。
【請求項63】
請求項62に記載の方法であって、前記H2/CO比は1.5乃至1.95の範囲内にある方法。
【請求項64】
請求項54乃至63の何れか1項に記載の方法であって、前記反応器におけるガス空塔速度が5乃至60cm/sの範囲内にある方法。
【請求項65】
請求項64に記載の方法であって、前記ガス空塔速度は20乃至40cm/sの範囲内にある方法。
【請求項66】
請求項54乃至65の何れか1項に記載の方法であって、前記フィッシャー・トロプシュ合成反応の生成物を後処理に供する方法。
【請求項67】
請求項66に記載の方法であって、前記後処理は脱蝋、水素異性化、水素添加分解及びこれらの組み合わせから選択される方法。
【請求項68】
触媒のためのアルミナ担体を製造する方法であって、初期アルミナ担体材料にアルミナとスピネル化合物を形成可能な2価金属のソースを含浸させることと、含浸した前記アルミナを少なくとも550℃の温度でか焼することとを含んだ方法。
【請求項69】
請求項68に記載の方法であって、前記初期アルミナ担体材料はγ−アルミナを少なくとも支配的に具備した方法。
【請求項70】
請求項68又は69に記載の方法であって、前記初期アルミナ担体は100乃至300m2/gの範囲内にある比表面積を有している方法。
【請求項71】
請求項68乃至70の何れか1項に記載の方法であって、前記初期アルミナ担体材料は粒径範囲を有している凝集した本質的に球形の粒子を具備し、その少なくとも80体積%が30乃至120μmの範囲内にある方法。
【請求項72】
請求項68乃至71の何れか1項に記載の方法であって、初期アルミナ担体材料は0.2cm3/gよりも大きな、好ましくは0.4cm3/gよりも大きな細孔容積を有している方法。
【請求項73】
請求項68乃至72の何れか1項に記載の方法であって、含浸した前記アルミナ担体材料を800乃至1200℃の範囲内の温度でか焼する方法。
【請求項74】
請求項68乃至73の何れか1項に記載の方法であって、前記2価金属のソースはコバルト、亜鉛又はマグネシウムのソースを具備した方法。
【請求項75】
請求項68乃至74の何れか1項に記載の方法であって、前記アルミナ担体材料に助触媒を含浸させることをさらに含んだ方法。
【請求項76】
請求項75に記載の方法であって、前記助触媒は白金又はレニウムを具備した方法。
【請求項77】
請求項76に記載の方法であって、前記助触媒はレニウムであり、このレニウムのソースは過レニウム酸(HReO4)、過レニウム酸アンモニウム、ハロゲン化レニウム及びレニウムカルボニルから選択される方法。
【請求項78】
請求項77に記載の方法であって、前記2価金属のソースは硝酸コバルトであり、レニウム化合物は過レニウム酸である方法。
【請求項79】
請求項68乃至78の何れか1項に記載の方法であって、前記アルミナ担体材料に安定化剤を含浸させることをさらに含んだ方法。
【請求項80】
請求項79に記載の方法であって、前記安定化剤はランタンを具備した方法。
【請求項81】
請求項68乃至80の何れか1項に記載の方法であって、前記第1含浸工程は、前記2価金属の化合物と任意のレニウム化合物との水溶液を乾燥させた前記担体材料とその細孔が充填されるまで混合し、次いで、前記第2か焼工程に先立って、含浸した前記担体を乾燥させるインシピエント・ウェットネス処理を含んだ方法。
【請求項82】
請求項68乃至81の何れか1項に記載の方法であって、前記含浸で使用する水溶液の量は、触媒担体の実測細孔容積よりも0.05−2倍大きい方法。
【請求項83】
請求項81又は82に記載の方法であって、前記乾燥を80乃至120℃で行う方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−520336(P2007−520336A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−550300(P2006−550300)
【出願日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【国際出願番号】PCT/GB2005/000287
【国際公開番号】WO2005/072866
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(506259449)スタトイル・エーエスエー (3)
【出願人】(506235362)ペトロエスエー (6)
【Fターム(参考)】