説明

フィッシュフードの製法、およびこの方法を用いて得られるフィッシュフード

【課題】安価で魚の飼育効率を改善するフィッシュフードの提供に対する要求がある。
【解決手段】以下の工程:(a)植物材料および/または動物材料を含む、解放的な構造の多孔性乾燥グレインを準備する工程;(b)細かく粉砕した新鮮なまたは生のフィッシュフードの一の集団からなる混合物を準備する工程;(c)工程(a)のグレインに工程(b)のフィッシュフードを含浸させる工程;(d)こうして得られた含浸グレインを保存する工程を含む、製法により、魚の飼育効率の改善されたフィッシュフードが得られる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(技術分野および従来技術)
本発明はフィッシュフードの製法に関する。乾燥フードの押出成形のグレインを製造することが知られている。粉砕された新鮮なまたは生のフィッシュフードも知られており、後者は、とりわけ、冷凍庫にて貯蔵することができる、区分されたパッケージにて商業上利用可能である。
【0002】
(発明の開示)
魚の飼育効率を改善することのできる、2つの上記した型のフィッシュフードの利点を組み合わせることが本発明の目的である。特に、新鮮なまたは生のフィッシュフードと乾燥グレインとの組み合わせは、その新鮮なまたは生のフィッシュフードにより魚を速やかにおびき出し、距離があっても魚が感知しうるという利点を有し、飼育の間、その乾燥グレインの安価な材料も、効率的に取られることとなる。
【0003】
本発明は、適当な順序で行われる、以下の:
(a)植物材料および/または動物材料を含む、解放的な構造の多孔性乾燥グレインを準備し;
(b)細かく粉砕した新鮮なまたは生のフィッシュフードの一の集団からなる混合物を準備し;
(c)工程(a)のグレインに工程(b)のフィッシュフードを含浸させ;
(d)こうして得られた含浸グレインを保存する
工程を含む、フィッシュフードの製法を提供する。
【0004】
保存は異なる方法にて行うことができる。該方法は、例えば、グレインを凍結させ、その凍結したグレインを、例えば、最高−15℃未満の温度に保持することによって工程(d)を行う工程(e)を含みうる。
該グレインを凍結乾燥させることによって工程(d)を行う工程(f)を含むことも可能である。さらに、該グレインを風乾させることにより工程(d)を行う工程(g)を含むことも可能である。
【0005】
該方法は、工程(a)の植物グレイン用の材料が、野菜、穀物、小麦、種子、草、ハーブ、食用油に属する群より選択され、および/または動物グレイン用の材料が、魚粉および魚油に属する群より選択されるように具現化されることが好ましい。
【0006】
もう一つ別の態様によれば、本発明は、新鮮なまたは生のフィッシュフードが、レッドモスキートラーバ、ホワイトモスキートラーバ、ブラックモスキートラーバ、シクロプス、ダフニア、ボスミデス、レッドプランクトン、ミクロプランクトン、アルテミア、マイシス、クリルパシフィカ、クリルスーパーバ、グリーンフォッダー、マッセルミート、魚卵、コックルミート、牛の心臓、脾臓、シュリンプミート、シュリンプペースト、ガンマラス、イトミミズ、カニの卵およびイカに属する群より選択される、特定の特徴を有する。
【0007】
新鮮なまたは生のフィッシュフードと、乾燥グレインとの親密な混合が生じるように、含浸処理を効果的に生じさせることが大変重要である。この目的のために、該方法は、
(h.1)工程(b)の集団を工程(a)の乾燥グレインと混合し、この集団の少なくとも一部が接着を介してグレインの表面に付着するようになり、そこで毛管作用を介して表面的に浸透させ;
(h.2)(h.1)にて得られた混合物を気密性の密閉チャンバーに入れ;
(h.3)そのチャンバー中の気圧を実質的に、例えば0.3バールに減少させ;
(h.4)該チャンバー中の気圧を大気圧に戻し、それによりグレインに接着した集団をグレインの孔に深くまで浸透させ、こうしてそこでグレインに含浸させ;および
(h.5)この含浸グレインをチャンバーから取り出すことにより、工程(c)を行う工程(h)を含むことが好ましい。
【0008】
(i.1)選択された材料のみからなるペースト状の基材の集団を、空気を供給しながら、押出し;
(i.2)その押出し物でグレインを形成させ;および
(i.3)工程(i.2)のグレインを乾燥させるか、または工程(i.2)を行う前に該押出し物を乾燥させることにより、工程(a)の乾燥グレインを製造する工程(i)を含む方法もさらに重要でありえる。
【0009】
押出し操作をできるだけ効率的に行い、小さな、非常に小さな魚に本発明のフィッシュフードを与える選択肢も提供するように、該方法は、工程(b)を行う場合に、フィッシュフードを、前もって最大30μmの、好ましくは最大10μmの粒度に細かく粉砕する工程(j)を含みうる。
本発明での好ましい混合割合は、一般に、乾燥グレインの集団と、新鮮なまたは生のフィッシュフードとで、実質的に、(60±15)%:(40±15)%の範囲にあることがわかる。
【0010】
上記したいずれかの方法で得られたフィッシュフードの販売を行うために、製造したフィッシュフードを適当な方法にて分割し、包装する場合の工程(k)を用いることが好ましい。
最後に、本発明は、上記した型の方法を適用することで得られるフィッシュフードに関する。このフィッシュフードは、新鮮なまたは生のフィッシュフードに含浸させ、保存される、開放的な構造の多孔性グレインを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
適当な順序で行われる、以下の:
(a)植物材料および/または動物材料を含む、解放的な構造の多孔性乾燥グレインを準備し;
(b)細かく粉砕した新鮮なまたは生のフィッシュフードの一の集団からなる混合物を準備し;
(c)工程(a)のグレインに工程(b)のフィッシュフードを含浸させ;
(d)こうして得られた含浸グレインを保存する
工程を含む、フィッシュフードの製法。
【請求項2】
工程(d)を行う場合に、含浸グレインを凍結させ、その凍結したグレインを、例えば、最高−15℃未満の温度に保持する工程(e)を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
工程(d)を行う場合に、含浸グレインを凍結乾燥させる工程(f)を含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
工程(d)を行う場合に、含浸グレインを風乾させる工程(g)を含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
工程(a)の植物グレイン用の材料が、野菜、穀物、小麦、種子、草、ハーブ、食用油に属する群より選択され、および/または動物グレイン用の材料が、魚粉および魚油に属する群より選択されるところの、上記した請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
新鮮なまたは生のフィッシュフードが、レッドモスキートラーバ、ホワイトモスキートラーバ、ブラックモスキートラーバ、シクロプス、ダフニア、ボスミデス、レッドプランクトン、ミクロプランクトン、アルテミア、マイシス、クリルパシフィカ、クリルスーパーバ、グリーンフォッダー、マッセルミート、魚卵、コックルミート、牛の心臓、脾臓、シュリンプミート、シュリンプペースト、ガンマラス、イトミミズ、カニの卵およびイカに属する群より選択されるところの、上記した請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
工程(c)を行う場合に、
以下の:
(h.1)工程(b)の集団を工程(a)の乾燥グレインと混合し、この集団の少なくとも一部が接着を介してグレインの表面に付着するようになり、そこで毛管作用を介して表面的に浸透させ;
(h.2)(h.1)にて得られた混合物を気密性の密閉チャンバーに入れ;
(h.3)そのチャンバー中の気圧を実質的に、例えば0.3バールに減少させ;
(h.4)該チャンバー中の気圧を大気圧に戻し、それによりグレインに接着した集団をグレインの孔に深くまで浸透させ、こうして該集団をグレインに含浸させ;および
(h.5)この含浸グレインをチャンバーから取り出す、
工程(h)を含む、上記した請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
工程(a)の乾燥グレインを製造する場合に、
以下の:
(i.1)選択された材料のみからなるペースト状の基材の集団を、空気を供給しながら、押出し;
(i.2)その押出し物でグレインを形成させ;および
(i.3)工程(i.2)のグレインを乾燥させるか、または工程(i.2)を行う前に該押出し物を乾燥させる、
工程(i)を含む、上記した請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
工程(b)を行う場合に、フィッシュフードが、前もって最大30μmの、好ましくは最大10μmの粒度に細かく粉砕される、工程(j)を含む、上記した請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
乾燥グレインの集団と、新鮮なまたは生のフィッシュフードとの割合が、実質的に、(60±15)%:(40±15)%の範囲にあるところの、上記した請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
製造したフィッシュフードを適当な方法にて分割し、包装する工程(k)を含む、上記した請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
上記した請求項のいずれかに記載の方法を用いて得られるフィッシュフードであって、開放的な構造の多孔性グレインを新鮮なまたは生のフィッシュフードに含浸させ、保存することで得られるフィッシュフード。

【公開番号】特開2007−105039(P2007−105039A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−276575(P2006−276575)
【出願日】平成18年10月10日(2006.10.10)
【出願人】(506340563)ファン・ヘルフェン・ベスローテン・フェンノートシャップ (1)
【氏名又は名称原語表記】Van Gerven B.V.
【Fターム(参考)】