説明

フィラメントランプ

【課題】 各々のフィラメントには独立に給電可能に内部リードを取りまわしつつも、隣り合うフィラメント間の非発光領域を小さく抑えることができるフィラメントランプを提供すること。
【解決手段】 隣り合うフィラメント12a、12bとの間に配置される内部リード13dは、先端15aに、前記発光管2の軸方向にのびる位置出し部17aと、当該位置出し部17aに続いて形成された前記発光管2の径方向に曲げられた渡し部16aとを有し、
前記位置出し部17aにタングステンよりなるサブコイル18aが巻きつけられ、
前記サブコイル18aが巻かれた位置出し部17aにフィラメント12aが連結されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェハの加熱・太陽電池加熱又は液晶の加熱処理に用いられるフィラメントランプに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程における光照射式加熱装置は、成膜、拡散、アニール等、広範囲に渡って利用されており、いずれの処理も板状の被処理物等の半導体ウェハを急速に加熱することができ、1000℃以上にまで数秒間〜数十秒間で昇温させるものである。近年は更に高速で昇温させることが要求されてきており、ランプに投入される電力が大電力化してきている。これはスパイクアニールと呼ばれており、200℃/秒を超える高速で昇温させ、目的温度に達したら直ちに冷却することが行われる。このスパイクアニールにより非常に薄い拡散層(シャロージャンクション)を形成させることができ、半導体素子の性能を向上させることができる。
【0003】
また、加熱時、半導体ウェハの温度分布が不均一になると、半導体ウェハにスリップと呼ばれる現象、即ち、結晶転移の欠陥が発生し、不良品となるおそれがある。そこで光照射式加熱装置を用いて半導体ウェハを加熱処理する場合には、半導体ウェハの温度分布が均一になるように、加熱・高温保持・冷却する必要がある。温度分布を均一にする提案として、特開2006−279008には1本の発光管に独立に給電可能な複数のフィラメントを具備したフィラメントランプが提案されており、これにより部分的にフィラメントに入力する電力を変えることができ、高均一な温度分布になるよう調整することができる。
【0004】
図5は、従来のフィラメントランプ1を示す斜視図である。
両端が端部封止部3a、3bで気密に封止された直管状の発光管2内には、コイル状のフィラメント12a、12bが発光管2の管軸方向に伸びるよう順次に並んで配置され、各フィラメント12a、12bの両端には、それぞれ給電用の内部リード13a、13b、13c、13dが連結されている。
【0005】
上記の各フィラメントの内部リードは、それぞれ両端封止部に延びて、個別に金属箔を介して外部リードに電気的に接続されている。
即ち、各フィラメント12a、12bの一端側の内部リード13a、13bはそれぞれ一端側封止部3aの金属箔11a、11bを介して、一端側の外部リード14a、14bに電気的に接続されている。
同様に、他端側の内部リード13c、13dはそれぞれ他端側封止部3bの金属箔11c、11dを介して、端側の外部リード14c、14dに電気的に接続されている。
【特許文献1】特開2006−279008公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、フィラメントランプの1本の発光管の中に配置された複数のフィラメントには、独立に給電するために各々のフィラメントに個々に内部リードが配線されるため、隣り合うフィラメントを密接して配置することができない。隣り合うフィラメントの間には発光する部材がないため、非発光部となってしまう。独立に給電可能なフィラメントを具備することによって均一な温度分布となるように加熱しても、隣り合うフィラメントの間が非発光部となって、局所的に温度が低下しかねない。そこで、各々のフィラメントには独立に給電可能に内部リードを取りまわしつつも、隣り合うフィラメント間の非発光部の領域を小さく抑える必要がある。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑み、各々のフィラメントには独立に給電可能に内部リードを取りまわしつつも、隣り合うフィラメント間の非発光領域を小さく抑えることができるフィラメントランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願第1の発明は、両端に封止部が形成された発光管の内部に、複数のフィラメントがそれぞれ発光管の管軸方向に順次並んで配設され、各フィラメントの両端にタングステンよりなる内部リードが連結されたフィラメントランプにおいて、
隣り合うフィラメントとの間に配置される内部リードは、先端に、前記発光管の軸方向にのびる位置出し部と、当該位置出し部に続いて形成された前記発光管の径方向に曲げられた渡し部とを有し、
前記位置出し部にタングステンよりなるサブコイルが巻きつけられ、
前記サブコイルが巻かれた位置出し部にフィラメントが連結されていることを特徴とする。
【0009】
また、本願第2の発明は、第1の発明において、前記位置出し部の外周面に凹部が形成されていることを特徴とする。
【0010】
また、本願第3の発明は、第2の発明において、前記サブコイルの軸方向の長さは、前記凹部の軸方向の長さより大きいことを特徴とする。
【0011】
また、本願第4の発明は、第1の発明において、前記内部リードは、前記渡し部に続いてリング部が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本願第1の発明によれば、内部リードの先端に、発光管の軸方向にのびる位置出し部と、当該位置出し部に続いて形成された前記発光管の径方向に曲げられた渡し部とを有し、位置出し部にタングステンよりなるサブコイルが巻きつけられ、サブコイルが巻かれた位置出し部にタングステンよりなるフィラメントが連結されることによって、フィラメントの巻線径によらず内部リードの径を決めることができる。したがって、比較的細い径の内部リードを用いて、フィラメントの直近で径方向に曲げることができ、各々のフィラメントには独立に給電可能に内部リードを取りまわしつつも、給電のためにフィラメント間に配置された内部リードが必要とする軸方向の長さを短くすることができ、隣り合うフィラメント間の非発光領域を小さく抑えることができる。
【0013】
本願第2の発明によれば、凹部が形成された位置に配置されたサブコイルは沈むので、凹部が形成されていない位置出し部に配置されたサブコイルとの間に段差が生じる。サブコイルの段差が引っかかりとなるので、サブコイルが巻かれた位置出し部にフィラメントを挿通して固定することができる。
【0014】
本願第3の発明によれば、サブコイルの軸方向の長さを、前記凹部の軸方向の長さより長くすることによって、サブコイルは位置出し部に挿入された状態でプレスされるので、凹部に対応する位置に配置されたサブコイルは凹部に入り込んで潰れる。サブコイルは、フィラメントランプの点灯・消灯に伴い膨張収縮するが、凹部に沈んだサブコイルが凹部の側面に当たって軸方向の移動を抑止するので、凹部がサブコイルの位置ずれ防止の役割を有する。
【0015】
本願第4の発明によれば、渡し部に続いてリング部を設けることによって、リング部が発光管の内表面に当接することで、内部リードの発光管内部における位置が定まる。したがって、リング部に対する位置出し部を、発光管の軸中心に一致するように構成すれば、発光管の内部での位置決めができる。そして、フィラメントを発光管の軸中心に配置することができる。また、一端の封止部でのみ保持されるフィラメントは、点灯中に他端が垂れ下がるサグといわれる現象が生じやすいが、他端を保持する内部リードがリング部によって発光管内部における位置がずれないようになっているので、サグを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、第1の実施形態のフィラメントランプ1を示す斜視図である。
フィラメントランプ1は、例えば石英ガラス等の光透過性材料からなる発光管2を備える。発光管2の両端には金属箔11a、11b、11c、11dが埋設されたピンチシールにより封止部3a、3bが形成され、発光管内部が気密に封止されている。発光管2の内部には、例えばタングステンからなり、発光管2の軸方向において2つに分割されたフィラメント12a、12bが、同一軸上に発光管2の軸に沿って空間Lを隔てて配設されている。
【0017】
この空間Lは、フィラメント12a、12bが存在しない空間であって非発光領域であるため、空間Lの全長が大きすぎる場合、被処理物上での照射光の強度分布にバラツキが生じる。そのため空間Lの全長はできるだけ小さい方が望ましい。
【0018】
しかしながら、フィラメントランプ1は、2つに分割されたフィラメント12a、12bがそれぞれ独立に給電されることが特徴である。したがって、フィラメント12a、12bに個々に内部リード13a、13b、13c、13dが配線されるため、隣り合うフィラメント12a、12bを密接して配置することができない。
【0019】
フィラメント12aは、一端側に金属箔11aに接続された内部リード13aが電気的に接続され、他端側に金属箔11dに接続された内部リード13dが電気的に接続されている。
フィラメント12bは、フィラメント12aと同様にして、一端側に金属箔11cに接続された内部リード13cが電気的に接続され、他端側に金属箔11bに接続された内部リード13bが電気的に接続されている。内部リード13bは、フィラメント12bの他端側に接続されている。
【0020】
さらに、封止部3a側の金属箔11a、11bには、それぞれ封止部3aから外部に導出する外部リード14a、14bが電気的に接続され、封止部3b側の金属箔11c、11dにも同様にして、それぞれ外部リード14c、14dが電気的に接続されている。これにより、フィラメント12aは外部リード14a、14dに電気的に接続され、フィラメント12bは外部リード14b、14cに電気的に接続される。
【0021】
図2は、第1の実施形態のフィラメントランプ1における隣り合うフィラメント12a、12bとの間に配置される内部リード13b、13dの形態を説明するための拡大断面図である。
内部リード13b、13dは、フィラメント材料と同じタングステンにより形成される。高エネルギーを必要とする加熱プロセスにおいて、内部リード13b、13dは非常に高温にさらされる。高温に加熱されたモリブデン材が発光管内部に存在すると、モリブデンがハロゲンガスと反応してしまい、発光管内部の表面に赤茶色の変色した物質が付着する。発光管2の内表面が変色すると、フィラメントランプ1から放射する光の照度不均一が発生する。このような理由のため、内部リード13b、13dの材質はフィラメント材料と同じタングステンを使う必要がある。
【0022】
しかし、タングステンは非常に加工性が悪いため、太いものでは曲げ加工などが困難になる。しかもマルチフィラメント・ヒータのような複数回路を有するランプにおいては、内部リード13b、13dの取り回しも複雑化するため、太い内部リードを発光管2の内部に配置することができない。
【0023】
そこで、径の小さい細い内部リード13b、13dを使用して、フィラメント12a、12bの直近で曲げ加工を実現し、非発光部Lを短くすることが求められる。タングステンにより形成された内部リード13b、13dでも、径を小さく細くすることによって、発光管近傍に軸方向に延びる内部リード13b、13dの先端15a、15bに発光管2の径方向に曲げて渡し部16a、16bを形成し、渡し部16a、16bの発光管2の軸中心に対応する位置で、再度軸方向に曲げて位置出し部17a、17bを形成する。このようにして、発光管近傍に軸方向に延びる内部リード13b、13dの先端15a、15bに発光管2の軸中心に一致するようにのびる位置出し部17a、17bを形成することで、給電のためにフィラメント12a、12b間に配置された内部リード13b、13dが必要とする軸方向の長さを短くすることができ、非発光領域を小さく抑えることができる。
【0024】
内部リード13b、13dの位置出し部17a、17bにはサブコイル18a、18bが巻きつけられ、サブコイル18a、18bが巻かれた位置出し部17a、17bにフィラメント12a、12bを挿通して固定することになる。フィラメント12a、12bの巻線径は、サブコイル18a、18bを含めた位置出し部17a、17bの径に合わせなければ固定することができないが、サブコイル18a、18bの線径等を適宜選択することにより、サブコイル18a、18bを含めた位置出し部17a、17bの径を調整することができる。位置出し部17a、17bにサブコイル18a、18bを巻きつけることにより、内部リード13b、13dの径によらずフィラメント12a、12bの巻線径を選択することができる。
【0025】
ただし、内部リード13b、13dをあまり細くしてしまうと、フィラメント12a、12bと同様に発光してしまい、好ましくない。特に、内部リード13b、13dはフィラメント12a、12bを避けて発光管近傍に配置されるため、発光管近傍で発光することで、発光管2への熱負荷も増えてしまい、これにより制御性が悪くなってしまう。したがって、内部リード13b、13dの径は、フィラメント素線径より太く、好ましくはフィラメント素線径の2倍以上となるように構成される。
【0026】
サブコイル18a、18bは、内部リード13b、13dの位置出し部17a、17bに挿入され、その上からプレスされて固定される。位置出し部17a、17bの外周面の中央に、表面が削り取られて僅かに陥没した凹部19a、19bが形成される。凹部19a、19bが形成された位置では、位置出し部17a、17bは断面略半円状になっている。一方、位置出し部17a、17bの先端および末端には凹部19a、19bが形成されず、断面円状になっている。なお、凹部19a、19bは位置出し部17a、17bの外周面に形成すればよく、凹部19a、19bの開口がどちらの方向に向くように形成されてもよい。
【0027】
サブコイル18a、18bの軸方向の長さは、位置出し部17a、17bに形成された凹部19a、19bの軸方向の長さより長くなるように組み合わされる。サブコイル18a、18bは位置出し部17a、17bに挿入された状態でプレスされるので、凹部19a、19bに対応する位置に配置されたサブコイル18a、18bは凹部19a、19bに入り込んで潰れる。サブコイル18a、18bは、フィラメントランプ1の点灯・消灯に伴い膨張収縮するが、凹部19a、19bに沈んだサブコイル18a、18bが凹部19a、19bの側面に当たって軸方向の移動を抑止するので、凹部19a、19bがサブコイル18a、18bの位置ずれ防止の役割を有する。
【0028】
位置出し部17a、17bに凹部19a、19bを設けることによって、加工性が悪く溶接ができないタングステン材によっても、内部リード13b、13dとサブコイル18a、18bとフィラメント12a、12bを別体にて組み立てることができる。内部リード13b、13dとサブコイル18a、18bとフィラメント12a、12bとを別体とすることで、それぞれの素線径や巻線径を他の部材の寸法等によらず設計することができる。
【0029】
凹部19a、19bが形成された位置に配置されたサブコイル18a、18bは沈むので、凹部19a、19bが形成されていない位置出し部17a、17bに配置されたサブコイル18a、18bとの間に段差が生じる。サブコイル18a、18bの段差が引っかかりとなるので、サブコイル18a、18bが巻かれた位置出し部17a、17bにフィラメント12a、12bを挿通して固定することができる。
【0030】
サブコイル18a、18bに嵌め合わされたフィラメント12a、12bの端部は、内部リード13b、13dが熱の逃げ道となるために熱が奪われて温度が下がるため、非発光領域となる。しかしながら、比較的細い径の内部リード13b、13dを用いることによって、発光管近傍で軸方向にのびる内部リード13b、13dをフィラメント12a、12bの直近で径方向に曲げることができる。さらに、発光管2の中心軸で再度軸方向に曲げて軸方向の長さが短い位置出し部17a、17bを形成している。この部分にサブコイル18a、18bを用いてフィラメント12a、12bを接続することで、非発光領域を小さくすることができる。
【0031】
以下に具体的な数値を例示する。
リード線径 R :φ0.7mm〜1.0mm
位置出し部 長さ :3.0mm〜4.0mm
渡し部 長さ :3.0mm〜8.0mm
凹部(深さ) h :0.3mm
(長さ) j :2mm
サブコイル素線径 :φ0.15mm〜0.4mm
ねじ込み長さk :3〜5mm
フィラメント素線径 :φ0.3〜0.5mm
巻線径 m :φ2.1〜2.7mm
隣り合うリードは間隔Pが2mmとなるように配置され、位置出し部の軸方向の長さIが3mmとなるので、非発光領域の軸方向の長さLを10mmに抑えることができる。
【0032】
図3は、第2の実施形態のフィラメントランプ1を示す斜視図である。発光管2内には、3つのフィラメント24、25、26が管軸方向に並んで配置されている。各封止部3a、3bの直近に配置された2つのフィラメント24、26の両端にそれぞれ連結された内部リード24a、24b、26a、26bが、フィラメント24、26の直近の同一封止部方向に延在して、該封止部3a、3bで保持されるとともに、2つのフィラメント24、26の間に配置されたフィラメント25の両端に連結された内部リード25a、25bが、発光管2の軸方向において互いに異なる方向に延在して両端の各封止部3a、3bで保持されている。
【0033】
詳細には、一端部の封止部3aに直近するフィラメント24の内部リード24a、24bは、封止部3aから延在してそれぞれフィラメント24の端部に接続されている。これら内部リード24a、24bは共に、同一の封止部3aにおいて金属箔21a、21bと接続するように保持されている。
【0034】
一方、中央部に位置するフィラメント25の内部リード25a、25bはそれぞれ両端の封止部3a、3b方向に延在し、当該封止部3a、3bで金属箔22a、22bと接続するように保持されている。
他端側の封止部3bに直近するフィラメント26に関しても、上記フィラメント24と同様に、その内部リード26a、26bは他端部の封止部3b内で金属箔23a、23bと接続するように保持されている。
【0035】
金属箔21a、21b、22a、22b、23a、23bには、それぞれ外部リード27a、27b、28a、28b、29a、29bが接続されている。
【0036】
また、発光管2の内部の封止部3a、3b近傍には、ガラスブリッジ36が設けられている。該ガラスブリッジ36は、一対の円柱状ガラス部材からなり、その間にそれぞれ内部リード24a、24b、25a、内部リード25b、26a、26bが狭持される。
【0037】
上記のような構成とすることにより、中央部のフィラメント25の近傍には内部リードが延在することがなく、被処理体の直上に位置するフィラメント25からの照射光が内部リードによって遮られることがなく、均一照射が達成される。
【0038】
中央部に位置するフィラメント25にはサポータ37が複数取り付けられているので、フィラメント25自体が発光管2の軸中心に配置される機能を有する。したがって、フィラメント25の両端は、折り曲げられた内部リード25a、25bに接続されて保持されているだけであるが、フィラメント25の軸中心を発光管2の軸中心に合わせて配置することができる。
【0039】
一方、両端に配置されるフィラメント24、26は、フィラメント24、26に平行して内部リード24b、25a、25b、26bが配置されるため、フィラメント24、26にサポータを取り付けることができない。したがって、フィラメント24、26は、内部リード24a、24b、26a、26bの先端の位置によって発光管2の内部に配置される位置が決まる。
【0040】
封止部3a、3bから導出される内部リード24a、26aは、発光管2の軸中心に引き出すことによって比較的容易に位置出しすることができるが、中央に位置するフィラメント25の直近に引き回される内部リード24b、26bは先端を曲げて形成されるだけなので、位置出しが難しい。
【0041】
図4は、第2の実施形態のフィラメントランプ1における非発光領域に配置される内部リード26bの形状を説明するための拡大斜視図である。
封止部3bの直近に配置されたフィラメント26に、隣り合うフィラメント25との間に配置されて連結する内部リード26bについて説明する。内部リード26bも、軸方向にのびる位置出し部33にサブコイル35を介してフィラメント26が保持される。位置出し部33に続いて発光管2の径方向に曲げられた渡し部32が形成され、内部リード26bを発光管近傍に導く。渡し部32に続いて、発光管2の内表面に接するように湾曲するリング部34が形成される。リング部34から軸方向にのびる線が金属箔23bに接続される。
【0042】
リング部34が発光管2の内表面に当接することで、内部リード26bの発光管内部における位置が定まる。したがって、リング部34に対する位置出し部33を、発光管2の軸中心に一致するように構成すれば、発光管2の内部での位置決めができる。そして、フィラメント26を発光管2の軸中心に配置することができる。
【0043】
また、フィラメント26は一端の封止部3bでのみ保持されるので、点灯中に他端が垂れ下がるサグといわれる現象が生じやすいが、他端を保持する内部リード26bがリング部34によって発光管内部における位置がずれないようになっているので、サグを防止することができる。
【0044】
なお、第1の実施形態に示すフィラメントランプも、第2の実施形態に示すフィラメントランプも、封止部3a、3bがピンチシールされたものであるが、ピンチシールに替えてシュリンクシールにしたフィラメントランプに対しても本発明の内部リードの構成を適用することができる。本発明の内部リードは発光管の内部に配置される構成であるので、封止部の構造によらず適用することができるためである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明のフィラメントランプを示す斜視図
【図2】本発明のフィラメントランプの隣り合うフィラメントとの間に配置される内部リードの形態を説明するための拡大断面図
【図3】本発明のフィラメントランプを示す斜視図
【図4】本発明のフィラメントランプの内部リードとフィラメントの接続を説明するための拡大断面図
【図5】従来のフィラメントランプを示す斜視図
【符号の説明】
【0046】
1 フィラメントランプ
2 発光管
3a、3b 封止部
11a、11b、11c、11d 金属箔
12a、12b フィラメント
13a、13b、13c、13d 内部リード
14a、14b、14c、14d 外部リード
15a、15b 先端
16a、16b 渡し部
17a、17b 位置出し部
18a、18b サブコイル
19a、19b 凹部
21a、21b、22a、22b、23a、23b 金属箔
24、25、26 フィラメント
24a、24b 内部リード
27a、27b、28a、28b、29a、29b 外部リード
31 先端
32 渡し部
33 位置出し部
34 リング部
35 サブコイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端に封止部が形成された発光管の内部に、複数のフィラメントがそれぞれ発光管の管軸方向に順次並んで配設され、各フィラメントの両端にタングステンよりなる内部リードが連結されたフィラメントランプにおいて、
隣り合うフィラメントとの間に配置される内部リードは、先端に、前記発光管の軸方向にのびる位置出し部と、当該位置出し部に続いて形成された前記発光管の径方向に曲げられた渡し部とを有し、
前記位置出し部にタングステンよりなるサブコイルが巻きつけられ、
前記サブコイルが巻かれた位置出し部にフィラメントが連結されていることを特徴とするフィラメントランプ。
【請求項2】
前記位置出し部の外周面に凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフィラメントランプ。
【請求項3】
前記サブコイルの軸方向の長さは、前記凹部の軸方向の長さより大きいことを特徴とする請求項2に記載のフィラメントランプ。
【請求項4】
前記内部リードは、前記渡し部に続いてリング部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフィラメントランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−33857(P2010−33857A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−194261(P2008−194261)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(000102212)ウシオ電機株式会社 (1,414)
【Fターム(参考)】