フィルタ、撮像レンズ、撮像装置および携帯端末機器
【課題】フィルタの光の透過率変化特性を正確に制御して、アポダイゼーション効果や周辺光量補正効果を効果的に発現させられるようにする。
【解決手段】結像レンズの光軸と同軸に配されることによりアポダイゼーション効果もしくは周辺光量補正効果を奏するフィルタにおいて、遮光性を有するドットをハニカム配置に従って中心から周辺に向けて少なくとも一部がガウス分布状のドット密度となるように配し、かつドットの大きさをdとしたとき、下記条件式(1)を満足するように構成する。
0.003mm≦d≦0.010mm (1)
【解決手段】結像レンズの光軸と同軸に配されることによりアポダイゼーション効果もしくは周辺光量補正効果を奏するフィルタにおいて、遮光性を有するドットをハニカム配置に従って中心から周辺に向けて少なくとも一部がガウス分布状のドット密度となるように配し、かつドットの大きさをdとしたとき、下記条件式(1)を満足するように構成する。
0.003mm≦d≦0.010mm (1)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末機器等の撮像装置に用いられる撮像レンズに関し、尚詳しくは、結像レンズの光軸と同軸に配されることによりアポダイゼーション効果もしくは周辺光量補正効果を奏するフィルタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、撮像レンズの性能は、焦点面での結像性能により評価される。このため、結像性能の向上を目的とした収差補正に関する提案が、従来より数多く行われている。しかしながら、カメラに使用される撮像レンズでは、結像性能だけでなく、焦点外れ像(前ボケ・後ボケ)の見え方も非常に重要である。例えば画像の中心に人物を配したポートレート写真や近接撮影された花の写真等においては、主要な被写体以外の部分(例えば背景となる部分)の焦点外れ像の見え方が、写真画像の印象を大きく左右することになる。なかでも撮影倍率が1/4〜1/2程度のマクロレンズを用いた近接被写体の撮影においては、主要な被写体以外の背景がほとんどの場合焦点外れ像となってしまうので、焦点外れ像の見え方は特に重要になる。
【0003】
この焦点外れ像の見え方には様々なものが知られているが、一般的には、焦点外れ像においても元の物体の形状が理解し易く、また色の濁りが少なく、全体的にふわりとボケた柔らかい雰囲気のものが良好とされている。
【0004】
焦点外れ像の見え方の状態を改良することを目的としたレンズ系としては、特許文献1、2に記載されているように、アポダイゼーション効果を奏するアポダイズフィルタを備えた撮像レンズが知られている。アポダイゼーション(apodization)効果とは、光軸中心から光軸垂直方向に離れるに従って次第に透過率を減少させて、焦点外れ像の強度分布を改変することにより、焦点外れ像の見え方を上記のような良好な見え方に改良するものである。
【0005】
また、アポダイズフィルタとは逆に、光軸中心から光軸垂直方向に離れるに従って次第に透過率を増加させて、結像面における中心部分と周辺部分の光量を均一化させる周辺光量補正フィルタも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−145831号公報
【特許文献2】特開11−231209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
アポダイズフィルタや周辺光量補正フィルタでは、光軸中心から光軸垂直方向に離れるに従って光の透過率を減少もしくは増加させる際に、所定の規則に従って正確に透過率を変化させないと、アポダイゼーション効果や周辺光量補正効果を効果的に発現させることができない。
【0008】
アポダイズフィルタや周辺光量補正フィルタを実現する場合は、遮光性のドットや同心円を透光性基板上に印刷もしくはコーティングすることにより実現されている。このようなフィルタでは、ドットや同心円の配置密度を部分的に変化させることにより光の透過率を変化させているが、従来のフィルタではドットや同心円の配置パターンの問題や、印刷もしくはコーティングの精度の問題等により、透過率を正確に変化させることが困難であった。このような問題は、特に携帯端末機器等の小型の撮像装置に用いられるフィルタの場合には顕著になる。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、フィルタの光の透過率変化特性を正確に制御して、アポダイゼーション効果や周辺光量補正効果を効果的に発現させることが可能なフィルタ、撮像レンズ、撮像装置および携帯端末機器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のフィルタは、結像レンズの光軸と同軸に配されることによりアポダイゼーション効果もしくは周辺光量補正効果を奏するフィルタであって、遮光性を有するドットがハニカム配置に従って中心から周辺に向けて少なくとも一部がガウス分布状のドット密度となるように配されたものであり、かつドットの大きさをdとしたとき、下記条件式(1)を満足するように構成されたものであることを特徴とするものである。
【0011】
0.003mm≦d≦0.010mm (1)
ここで、ハニカム配置の定義について説明する。図12はハニカム配置の説明図である。
【0012】
本発明において「ハニカム配置」とは、あるドット配置位置(ドットの中心位置)を基準とした場合に、その基準位置から等間隔かつ60°毎に隣接するドット配置位置が設けられる態様を意味し、図12に示すように、正六角形を隙間無くハニカム状に配したと仮定すると各正六角形の中心cがドット配置位置となる。そして各ドット配置位置毎にドットの有無が決定される。
【0013】
また、光軸中心から光軸垂直方向に離れるに従って所定の規則に従って透過率を正確に変化させる上では、ドットは正六角形とすることが最も好ましいが、特に印刷の場合には条件式(1)を満足するような微小な大きさの正六角形を印刷することは難しい。そのため、実現が容易な形状として円形とすることが好ましい。勿論、ドットの形状としては、正六角形や円形に限定されるものではなく、他の形状としてもよい。
【0014】
また、「ドットの大きさd」とは、ドットの形状が円形である場合にはその直径を意味し、ドットの形状が円形以外である場合にはその形状を平行に挟んだ際に最も広い部位の幅を意味する。
【0015】
本発明のフィルタにおいては、ハニカム配置における隣接間隔をDとしたとき、下記条件式(2)を満足することが好ましい。
【0016】
0.9d<D<1.1d (2)
また、周辺の方がドット密度が高いものとしてもよく、その場合には、中心から所定半径r1内はドットを配置していないものであり、フィルタの有効半径をraとしたとき、下記条件式(3)を満足することが好ましい。
【0017】
0.10ra<r1<0.15ra (3)
また、周辺の方がドット密度が低いものとしてもよく、その場合には、フィルタの有効半径位置から所定半径r2内はドットを配置していないものであり、フィルタの有効半径をraとしたとき、下記条件式(4)を満足することが好ましい。
【0018】
0.10ra<r2<0.15ra (4)
また、フィルタは、透光性を有する基板上にドットが印刷されたものとしてもよいし、ドットの領域のみ遮光性を奏することが可能な透過型液晶パネルにより構成されたものとしてもよい。
【0019】
本発明の第1の撮像レンズは、上記フィルタ、および結像レンズを備えたことを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明の第2の撮像レンズは、透光性を有する基板上にドットが印刷されてなるフィルタ、結像レンズ、および結像レンズの光軸と同軸の位置と結像レンズを通る光束から外れた位置との間でフィルタを移動させる移動手段を備えたことを特徴とするものである。
【0021】
また、本発明の第3の撮像レンズは、ドットの領域のみ遮光性を奏することが可能な透過型液晶パネルにより構成されてなるフィルタ、結像レンズ、および透過型液晶パネルのドットの領域について遮光性を奏する状態と遮光性を奏しない状態とに切り替える制御手段を備えたことを特徴とするものである。
【0022】
本発明の撮像装置は、上記撮像レンズを備えたことを特徴とするものである。
【0023】
本発明の携帯端末機器は、上記撮像レンズを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明のフィルタは、結像レンズの光軸と同軸に配されることによりアポダイゼーション効果もしくは周辺光量補正効果を奏するフィルタにおいて、遮光性を有するドットをハニカム配置に従って中心から周辺に向けて少なくとも一部がガウス分布状のドット密度となるように配し、かつドットの大きさをdとしたとき、下記条件式(1)を満足するように構成している。
【0025】
これにより、遮光性のドットの配置密度を部分的に変化させることにより部分的な透過率を変化させる場合に、所望の特性に透過率を正確に変化させることができるようになるため、上記のフィルタにおいて、アポダイゼーション効果や周辺光量補正効果を効果的に発現させることが可能となる。
【0026】
0.003mm≦d≦0.010mm (1)
ここで、条件式(1)の上限をこえると、光量変化に斑が生じやすくなり、透過率を正確に変化させることができなくなる。また、条件式(1)の下限をこえると、光の波長に対してドットが小さくなりすぎて光を遮蔽することができなくなるため、アポダイズフィルタや周辺光量補正フィルタを実現することができなくなる。
【0027】
また、ハニカム配置における隣接間隔をDとしたとき、下記条件式(2)を満足するように構成することにより、良好な特性のフィルタを実現することが可能となる。
【0028】
0.9d<D<1.1d (2)
ここで、条件式(2)の上限をこえると、ドット間の間隔が開きすぎて光を遮蔽することができなくなるため、アポダイズフィルタや周辺光量補正フィルタを実現することができなくなる。また、条件式(2)の下限をこえると、光量変化に斑が生じやすくなり、透過率を正確に変化させることができなくなる。
【0029】
また、ドットを、円形とすることにより、容易にフィルタを実現することが可能となる。
【0030】
また、周辺の方がドット密度が高いものとすればアポダイズフィルタを実現することができる。その場合、ドットの密度が低くなってドットが点在するようになると、フィルタ効果により点在するドットがゴミ状に見える弊害が発生するため、中心から所定半径r1内はドットを配置していないものであり、フィルタの有効半径をraとしたとき、下記条件式(3)を満足するように構成することにより、上記弊害の少ないフィルタを実現することが可能となる。
【0031】
0.10ra<r1<0.15ra (3)
ここで、条件式(3)の上限をこえると、光量変化領域が狭くなるため、フィルタとして有効な効果を得られにくくなる。また、条件式(3)の下限をこえると、ドットの点在の発生頻度が高まるため、上記弊害が生じやすくなる。
【0032】
また、周辺の方がドット密度が低いものとすれば周辺光量補正フィルタを実現することができる。その場合、ドットの密度が低くなってドットが点在するようになると、フィルタ効果により点在するドットがゴミ状に見える弊害が発生するため、フィルタの有効半径位置から所定半径r2内はドットを配置していないものであり、フィルタの有効半径をraとしたとき、下記条件式(4)を満足するように構成することにより、上記弊害の少ないフィルタを実現することが可能となる。
【0033】
0.10ra<r2<0.15ra (4)
ここで、条件式(4)の上限をこえると、光量変化領域が狭くなるため、フィルタとして有効な効果を得られにくくなる。また、条件式(4)の下限をこえると、ドットの点在の発生頻度が高まるため、上記弊害が生じやすくなる。
【0034】
また、フィルタを、透光性を有する基板上にドットが印刷されたものとするか、ドットの領域のみ遮光性を奏することが可能な透過型液晶パネルにより構成されたものとすることにより、容易にフィルタを実現することが可能となる。
【0035】
本発明の第1の撮像レンズは、上記フィルタ、および結像レンズを備えているので、上記のようにアポダイゼーション効果や周辺光量補正効果を効果的に発現させることが可能となる。
【0036】
また、本発明の第2の撮像レンズは、透光性を有する基板上にドットが印刷されてなるフィルタ、結像レンズ、および結像レンズの光軸と同軸の位置と結像レンズを通る光束から外れた位置との間でフィルタを移動させる移動手段を備えており、本発明の第3の撮像レンズは、ドットの領域のみ遮光性を奏することが可能な透過型液晶パネルにより構成されてなるフィルタ、結像レンズ、および透過型液晶パネルのドットの領域について遮光性を奏する状態と遮光性を奏しない状態とに切り替える制御手段を備えている。
【0037】
撮影環境が暗い場合にアポダイズフィルタや周辺光量補正フィルタ等のフィルタを使用すると撮影に十分な光量を得るのが困難になるが、このような態様とすることにより撮影環境に応じてフィルタの使用/未使用を切り替えることができるため、撮影環境に応じた最適な撮影を行なうことが可能となる。
【0038】
本発明の撮像装置および携帯端末機器は、上記撮像レンズを備えているので、上記のようにアポダイゼーション効果や周辺光量補正効果を効果的に発現させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる撮像レンズの構成図
【図2】上記撮像レンズのアポダイズフィルタの一例を示す図
【図3】上記撮像レンズのアポダイズフィルタの他の例を示す図
【図4】上記撮像レンズのアポダイズフィルタの構成を示す図
【図5】本発明の実施例1にかかる撮像レンズの球面収差図
【図6】本発明の実施例1にかかる撮像レンズの像面湾曲図および歪曲収差図
【図7】本発明の実施例1にかかる撮像レンズのOTF特性図(アポダイズフィルタ無し)
【図8】本発明の実施例1にかかる撮像レンズのOTF特性図(アポダイズフィルタ有り)
【図9】上記撮像レンズの周辺光量補正フィルタの構成を示す図
【図10】本発明の第3の実施の形態にかかる撮像レンズの構成図
【図11】上記撮像レンズを備えた携帯端末機器である携帯電話機を示す図
【図12】ハニカム配置の説明図
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態にかかる撮像レンズの構成図、図2は上記撮像レンズのアポダイズフィルタの一例を示す図、図3は上記撮像レンズのアポダイズフィルタの他の例を示す図、図4は上記撮像レンズのアポダイズフィルタの構成を示す図である。
【0041】
撮像レンズ1は、光軸Zに沿って物体側から順に、正のパワーを持つ第1レンズL1と、
負のパワーを持つ第2レンズL2と、正のパワーを持つ第3レンズL3と、正のパワーを持つ第4レンズL4とが配列され、絞り位置にはアポダイズフィルタ10が配されてなる。
【0042】
なお、図1では、撮像レンズ1が撮像装置に適用される場合を考慮して、撮像レンズ1の結像位置を含む像面に配置された撮像素子5(Sim)も図示している。撮像素子5は、撮像レンズ1により形成される光学像を電気信号に変換するものであり、例えばCCDイメージセンサ等からなる。
【0043】
また、撮像装置に適用する際には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、第4レンズL4と像面との間に、カバーガラスや、ローパスフィルタまたは赤外線カットフィルタ等を配置することが好ましく、図1ではこれらを想定した平行平板状の光学部材PPを配置した例を示している。例えば、撮像レンズ1が、車載カメラに使用され、夜間の視覚補助用の暗視カメラとして使用される場合には、第4レンズL4と像面との間に紫外光から青色光をカットするようなフィルタを挿入してもよい。
【0044】
なお、第4レンズL4と像面との間にローパスフィルタや特定の波長域をカットするような各種フィルタ等を配置する代わりに、各レンズの間にこれらの各種フィルタを配置してもよい。あるいは、撮像レンズ1が有するいずれかのレンズのレンズ面に、各種フィルタと同様の作用を有するコートを施してもよい。
【0045】
アポダイズフィルタ10は、光軸中心から光軸垂直方向に離れるに従って次第に透過率を減少させて、焦点外れ像の強度分布を改変することにより、焦点外れ像の見え方を良好な見え方に改良するものであり、図2に示すように、遮光性を有するドットをハニカム配置に従って中心から周辺に向けて少なくとも一部がガウス分布状のドット密度となるように配し、かつドットの大きさをdとしたとき、下記条件式(1)を満足するものである。このアポダイズフィルタ10は、遮光性のドットを透光性基板上に印刷することにより実現されている。
【0046】
0.003mm≦d≦0.010mm (1)
ここで、条件式(1)の上限をこえると、光量変化に斑が生じやすくなり、透過率を正確に変化させることができなくなる。また、条件式(1)の下限をこえると、光の波長に対してドットが小さくなりすぎて光を遮蔽することができなくなるため、アポダイズフィルタや周辺光量補正フィルタを実現することができなくなる。
【0047】
なお、ドットの配置パターンは図2に示すものの他にも、透過率の変化が所望の特性となっていればどのようなパターンでもよく、例えば図3に示すパターンとすることもできる。
【0048】
また、光軸中心から光軸垂直方向に離れるに従って所定の規則に従って透過率を正確に変化させる上では、ドットは正六角形とすることが最も好ましいが、特に印刷等の場合には条件式(1)を満足するような微小な大きさの正六角形を印刷することは難しい。そのため、実現が容易な形状として円形とすることが好ましい。勿論、ドットの形状としては、正六角形や円形に限定されるものではなく、他の形状としてもよい。
【0049】
上記のような態様とすることにより、遮光性のドットの配置密度を部分的に変化させることにより部分的な透過率を変化させる場合に、所望の特性に透過率を正確に変化させることができるようになるため、上記のフィルタにおいて、アポダイゼーション効果を効果的に発現させることが可能となる。
【0050】
上記撮像レンズ1は、ハニカム配置における隣接間隔をDとしたとき、下記条件式(2)を満足するように構成することが好ましい。これにより、良好な特性のフィルタを実現することが可能となる。
【0051】
0.9d<D<1.1d (2)
ここで、条件式(2)の上限をこえると、ドット間の間隔が開きすぎて光を遮蔽することができなくなるため、アポダイズフィルタや周辺光量補正フィルタを実現することができなくなる。また、条件式(2)の下限をこえると、光量変化に斑が生じやすくなり、透過率を正確に変化させることができなくなる。
【0052】
また、ドットの密度が低くなってドットが点在するようになると、フィルタ効果により点在するドットがゴミ状に見える弊害が発生するため、図4に示すように、中心から所定半径r1内はドットを配置していないものであり、フィルタの有効半径をraとしたとき、下記条件式(3)を満足するように構成することが好ましい。これにより上記弊害の少ないフィルタを実現することが可能となる。
【0053】
0.10ra<r1<0.15ra (3)
ここで、条件式(3)の上限をこえると、光量変化領域が狭くなるため、フィルタとして有効な効果を得られにくくなる。また、条件式(3)の下限をこえると、ドットの点在の発生頻度が高まるため、上記弊害が生じやすくなる。
【0054】
また、撮影環境が暗い場合にアポダイズフィルタを使用すると撮影に十分な光量を得るのが困難になるので、撮像レンズ1の光軸Zと同軸の位置と撮像レンズ1を通る光束から外れた位置との間でアポダイズフィルタ10を移動させる移動手段11を設けることにより、撮影環境に応じてフィルタの使用/未使用を切り替えることができるため、撮影環境に応じた最適な撮影を行なうことが可能となる。なお、アポダイズフィルタ10の移動については手動/電動の何れでもよく、その機構は従来周知の機構を採用することができる。
【0055】
なお、第1レンズL1は、最も物体側のレンズであるため、例えば車載用カメラ等の厳しい環境において使用される場合には、風雨による表面劣化、直射日光による温度変化に強く、さらには油脂・洗剤等の化学薬品に強い材質、すなわち耐水性、耐候性、耐酸性、耐薬品性等が高い材質を用いることが好ましい。また、第1レンズL1の材質としては堅く、割れにくい材質を用いることが好ましく、具体的にはガラスもしくは透明なセラミックスを用いることが好ましい。セラミックスは通常のガラスに比べ強度が高く、耐熱性が高いという性質を有する。
【0056】
撮像レンズ1が、例えば車載用カメラに適用される場合には、寒冷地の外気から熱帯地方の夏の車内まで広い温度範囲で使用可能なことが要求される。そのため全てのレンズの材質がガラスであることが好ましい。具体的には−40℃〜125℃の広い温度範囲で使用可能なことが好ましい。また、安価にレンズを製作するためには、全てのレンズが球面レンズであることが好ましいが、コストよりも光学性能を優先する場合には非球面レンズを用いてもよい。
【実施例】
【0057】
次に、本発明にかかる撮像レンズ1の具体的な数値実施例について説明する。
【0058】
<実施例1>
実施例1にかかる撮像レンズ1のレンズデータおよび各種データを表1に示す。なおレンズ構成図は上記図1と同様である。表1のレンズデータにおいて、面番号は最も物体側の構成要素の面を1番目として像側に向かうに従い順次増加するi番目(i=1、2、3、…)の面番号を示す。なお、表1のレンズデータには開口絞り位置および光学部材PPも含めて付している。
【0059】
表1の曲率半径iはi番目(i=1、2、3、…)の面の曲率半径を示し、面間隔iはi(i=1、2、3、…)番目の面とi+1番目の面との光軸Z上の面間隔を示す。また、Ndjは最も物体側の光学要素を1番目として像側に向かうに従い順次増加するj番目(j=1、2、3、…)の光学要素のd線に対する屈折率を示し、νdjはj番目の光学要素のd線に対するアッベ数を示す。表1において、曲率半径および面間隔の単位はmmであり、曲率半径は物体側に凸の場合を正、像側に凸の場合を負としている。
【0060】
表1のレンズデータにおいて、面番号2〜9は非球面であり、非球面の曲率半径として近軸の曲率半径の数値を示している。表2の非球面データには、非球面の面番号と、これら非球面に関する非球面係数を示す。非球面係数は、以下の数1で表される非球面式における各係数κ、n(n=3以上の整数)の値である。
【数1】
ただし、
Z:非球面の深さ(mm)
h:光軸からレンズ面までの距離(高さ)(mm)
κ:離心率
C:近軸曲率=1/R
Bn:第n次の非球面係数
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
上記実施例1にかかる撮像レンズの球面収差図を図5に、非点収差およびディストーション(歪曲収差)を図6に示す。また、実施例1にかかる撮像レンズ1において、アポダイズフィルタ10を撮像レンズ1を通る光束から外れた位置に配置した場合のOTF特性図を図7に、アポダイズフィルタ10を絞り位置(撮像レンズ1の光軸Zと同軸の位置)に配置した場合のOTF特性図を図8に示す。
【0064】
図7、8からわかるように、アポダイズフィルタ10を使用した場合には、全体的にOTF特性が大きく向上することが分かる。
【0065】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図9は本発明の第2の実施の形態の撮像レンズの周辺光量補正フィルタの構成を示す図である。
【0066】
本実施の形態は上記第1の実施の形態と比較して、フィルタをアポダイズフィルタから周辺光量補正フィルタに変更した点が異なる。
【0067】
この周辺光量補正フィルタ10´は、上記アポダイズフィルタ10とは逆に、光軸中心から光軸垂直方向に離れるに従って次第に光の透過率を増加させて、結像面における中心部分と周辺部分の光量を均一化させるようにしたものである。
【0068】
ここで、ドットの密度が低くなってドットが点在するようになると、フィルタ効果により点在するドットがゴミ状に見える弊害が発生するため、図9に示すように、フィルタの有効半径位置から所定半径r2内はドットを配置していないものであり、フィルタの有効半径をraとしたとき、下記条件式(4)を満足するように構成することが好ましい。これにより上記弊害の少ないフィルタを実現することが可能となる。
【0069】
0.10ra<r2<0.15ra (4)
ここで、条件式(4)の上限をこえると、光量変化領域が狭くなるため、フィルタとして有効な効果を得られにくくなる。また、条件式(4)の下限をこえると、ドットの点在の発生頻度が高まるため、上記弊害が生じやすくなる。
【0070】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図10は本発明の第3の実施の形態にかかる撮像レンズの構成図である。
【0071】
本実施の形態は上記第1の実施の形態と比較して、アポダイズフィルタの構成を、透光性を有する基板上に遮光性のドットが印刷されてなるものから、ドットの領域のみ遮光性を奏することが可能な透過型液晶パネルにより構成されてなるものに変更した点が異なる。
【0072】
アポダイズフィルタ20は、ドットの領域のみ遮光性を奏する、もしくは透光性を奏するように切替えが可能な透過型液晶パネルにより構成されている。このアポダイズフィルタ20には、透過型液晶パネルのドット表示の制御を行なう制御手段21が接続されている。なお、ドットの配置パターンについては、上記第1の実施の形態と同様である。
【0073】
撮影環境が暗い場合にアポダイズフィルタや周辺光量補正フィルタ等のフィルタを使用すると撮影に十分な光量を得るのが困難になるが、このような態様とすることにより撮影環境に応じてフィルタの使用/未使用を切り替えることができるため、撮影環境に応じた最適な撮影を行なうことが可能となる。
【0074】
また、透過型液晶パネルを用いることにより、上記第1の実施の形態のようにアポダイズフィルタそのものを移動させる必要がなくなるため、構造を簡素化することが可能となる。
【0075】
なお、本実施の形態のフィルタは、ドットの配置パターンを変更して周辺光量補正フィルタとしてもよい。
【0076】
図11は、本発明の撮像レンズを備えた携帯端末機器である携帯電話機を示す図である。
【0077】
図示のように、この携帯電話機510は、携帯電話機の筐体511中に本発明の撮像レンズ512が配されたものである。
【0078】
本発明の撮像レンズは、従来の携帯端末機器が備えている撮像レンズとの置き換えが容易である。すなわち、従来より知られている携帯端末機器の装置サイズや形状等を変更することなく、これらの装置が備える従来の撮像レンズを本発明の撮像レンズに置き換えて、本願発明の携帯端末機器を構成することもできる。
【0079】
なお、本発明の撮像レンズを搭載可能な装置は、上記携帯端末機器に限るものではなく、撮像レンズを備えた装置であればどのようなものにも搭載可能である。
【0080】
以上、本発明の画像撮像装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行なってもよいのは勿論である。
【符号の説明】
【0081】
1、2 撮像レンズ
5 撮像素子
10、20 アポダイズフィルタ
11 移動手段
21 制御手段
510 携帯電話機
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末機器等の撮像装置に用いられる撮像レンズに関し、尚詳しくは、結像レンズの光軸と同軸に配されることによりアポダイゼーション効果もしくは周辺光量補正効果を奏するフィルタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、撮像レンズの性能は、焦点面での結像性能により評価される。このため、結像性能の向上を目的とした収差補正に関する提案が、従来より数多く行われている。しかしながら、カメラに使用される撮像レンズでは、結像性能だけでなく、焦点外れ像(前ボケ・後ボケ)の見え方も非常に重要である。例えば画像の中心に人物を配したポートレート写真や近接撮影された花の写真等においては、主要な被写体以外の部分(例えば背景となる部分)の焦点外れ像の見え方が、写真画像の印象を大きく左右することになる。なかでも撮影倍率が1/4〜1/2程度のマクロレンズを用いた近接被写体の撮影においては、主要な被写体以外の背景がほとんどの場合焦点外れ像となってしまうので、焦点外れ像の見え方は特に重要になる。
【0003】
この焦点外れ像の見え方には様々なものが知られているが、一般的には、焦点外れ像においても元の物体の形状が理解し易く、また色の濁りが少なく、全体的にふわりとボケた柔らかい雰囲気のものが良好とされている。
【0004】
焦点外れ像の見え方の状態を改良することを目的としたレンズ系としては、特許文献1、2に記載されているように、アポダイゼーション効果を奏するアポダイズフィルタを備えた撮像レンズが知られている。アポダイゼーション(apodization)効果とは、光軸中心から光軸垂直方向に離れるに従って次第に透過率を減少させて、焦点外れ像の強度分布を改変することにより、焦点外れ像の見え方を上記のような良好な見え方に改良するものである。
【0005】
また、アポダイズフィルタとは逆に、光軸中心から光軸垂直方向に離れるに従って次第に透過率を増加させて、結像面における中心部分と周辺部分の光量を均一化させる周辺光量補正フィルタも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−145831号公報
【特許文献2】特開11−231209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
アポダイズフィルタや周辺光量補正フィルタでは、光軸中心から光軸垂直方向に離れるに従って光の透過率を減少もしくは増加させる際に、所定の規則に従って正確に透過率を変化させないと、アポダイゼーション効果や周辺光量補正効果を効果的に発現させることができない。
【0008】
アポダイズフィルタや周辺光量補正フィルタを実現する場合は、遮光性のドットや同心円を透光性基板上に印刷もしくはコーティングすることにより実現されている。このようなフィルタでは、ドットや同心円の配置密度を部分的に変化させることにより光の透過率を変化させているが、従来のフィルタではドットや同心円の配置パターンの問題や、印刷もしくはコーティングの精度の問題等により、透過率を正確に変化させることが困難であった。このような問題は、特に携帯端末機器等の小型の撮像装置に用いられるフィルタの場合には顕著になる。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、フィルタの光の透過率変化特性を正確に制御して、アポダイゼーション効果や周辺光量補正効果を効果的に発現させることが可能なフィルタ、撮像レンズ、撮像装置および携帯端末機器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のフィルタは、結像レンズの光軸と同軸に配されることによりアポダイゼーション効果もしくは周辺光量補正効果を奏するフィルタであって、遮光性を有するドットがハニカム配置に従って中心から周辺に向けて少なくとも一部がガウス分布状のドット密度となるように配されたものであり、かつドットの大きさをdとしたとき、下記条件式(1)を満足するように構成されたものであることを特徴とするものである。
【0011】
0.003mm≦d≦0.010mm (1)
ここで、ハニカム配置の定義について説明する。図12はハニカム配置の説明図である。
【0012】
本発明において「ハニカム配置」とは、あるドット配置位置(ドットの中心位置)を基準とした場合に、その基準位置から等間隔かつ60°毎に隣接するドット配置位置が設けられる態様を意味し、図12に示すように、正六角形を隙間無くハニカム状に配したと仮定すると各正六角形の中心cがドット配置位置となる。そして各ドット配置位置毎にドットの有無が決定される。
【0013】
また、光軸中心から光軸垂直方向に離れるに従って所定の規則に従って透過率を正確に変化させる上では、ドットは正六角形とすることが最も好ましいが、特に印刷の場合には条件式(1)を満足するような微小な大きさの正六角形を印刷することは難しい。そのため、実現が容易な形状として円形とすることが好ましい。勿論、ドットの形状としては、正六角形や円形に限定されるものではなく、他の形状としてもよい。
【0014】
また、「ドットの大きさd」とは、ドットの形状が円形である場合にはその直径を意味し、ドットの形状が円形以外である場合にはその形状を平行に挟んだ際に最も広い部位の幅を意味する。
【0015】
本発明のフィルタにおいては、ハニカム配置における隣接間隔をDとしたとき、下記条件式(2)を満足することが好ましい。
【0016】
0.9d<D<1.1d (2)
また、周辺の方がドット密度が高いものとしてもよく、その場合には、中心から所定半径r1内はドットを配置していないものであり、フィルタの有効半径をraとしたとき、下記条件式(3)を満足することが好ましい。
【0017】
0.10ra<r1<0.15ra (3)
また、周辺の方がドット密度が低いものとしてもよく、その場合には、フィルタの有効半径位置から所定半径r2内はドットを配置していないものであり、フィルタの有効半径をraとしたとき、下記条件式(4)を満足することが好ましい。
【0018】
0.10ra<r2<0.15ra (4)
また、フィルタは、透光性を有する基板上にドットが印刷されたものとしてもよいし、ドットの領域のみ遮光性を奏することが可能な透過型液晶パネルにより構成されたものとしてもよい。
【0019】
本発明の第1の撮像レンズは、上記フィルタ、および結像レンズを備えたことを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明の第2の撮像レンズは、透光性を有する基板上にドットが印刷されてなるフィルタ、結像レンズ、および結像レンズの光軸と同軸の位置と結像レンズを通る光束から外れた位置との間でフィルタを移動させる移動手段を備えたことを特徴とするものである。
【0021】
また、本発明の第3の撮像レンズは、ドットの領域のみ遮光性を奏することが可能な透過型液晶パネルにより構成されてなるフィルタ、結像レンズ、および透過型液晶パネルのドットの領域について遮光性を奏する状態と遮光性を奏しない状態とに切り替える制御手段を備えたことを特徴とするものである。
【0022】
本発明の撮像装置は、上記撮像レンズを備えたことを特徴とするものである。
【0023】
本発明の携帯端末機器は、上記撮像レンズを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明のフィルタは、結像レンズの光軸と同軸に配されることによりアポダイゼーション効果もしくは周辺光量補正効果を奏するフィルタにおいて、遮光性を有するドットをハニカム配置に従って中心から周辺に向けて少なくとも一部がガウス分布状のドット密度となるように配し、かつドットの大きさをdとしたとき、下記条件式(1)を満足するように構成している。
【0025】
これにより、遮光性のドットの配置密度を部分的に変化させることにより部分的な透過率を変化させる場合に、所望の特性に透過率を正確に変化させることができるようになるため、上記のフィルタにおいて、アポダイゼーション効果や周辺光量補正効果を効果的に発現させることが可能となる。
【0026】
0.003mm≦d≦0.010mm (1)
ここで、条件式(1)の上限をこえると、光量変化に斑が生じやすくなり、透過率を正確に変化させることができなくなる。また、条件式(1)の下限をこえると、光の波長に対してドットが小さくなりすぎて光を遮蔽することができなくなるため、アポダイズフィルタや周辺光量補正フィルタを実現することができなくなる。
【0027】
また、ハニカム配置における隣接間隔をDとしたとき、下記条件式(2)を満足するように構成することにより、良好な特性のフィルタを実現することが可能となる。
【0028】
0.9d<D<1.1d (2)
ここで、条件式(2)の上限をこえると、ドット間の間隔が開きすぎて光を遮蔽することができなくなるため、アポダイズフィルタや周辺光量補正フィルタを実現することができなくなる。また、条件式(2)の下限をこえると、光量変化に斑が生じやすくなり、透過率を正確に変化させることができなくなる。
【0029】
また、ドットを、円形とすることにより、容易にフィルタを実現することが可能となる。
【0030】
また、周辺の方がドット密度が高いものとすればアポダイズフィルタを実現することができる。その場合、ドットの密度が低くなってドットが点在するようになると、フィルタ効果により点在するドットがゴミ状に見える弊害が発生するため、中心から所定半径r1内はドットを配置していないものであり、フィルタの有効半径をraとしたとき、下記条件式(3)を満足するように構成することにより、上記弊害の少ないフィルタを実現することが可能となる。
【0031】
0.10ra<r1<0.15ra (3)
ここで、条件式(3)の上限をこえると、光量変化領域が狭くなるため、フィルタとして有効な効果を得られにくくなる。また、条件式(3)の下限をこえると、ドットの点在の発生頻度が高まるため、上記弊害が生じやすくなる。
【0032】
また、周辺の方がドット密度が低いものとすれば周辺光量補正フィルタを実現することができる。その場合、ドットの密度が低くなってドットが点在するようになると、フィルタ効果により点在するドットがゴミ状に見える弊害が発生するため、フィルタの有効半径位置から所定半径r2内はドットを配置していないものであり、フィルタの有効半径をraとしたとき、下記条件式(4)を満足するように構成することにより、上記弊害の少ないフィルタを実現することが可能となる。
【0033】
0.10ra<r2<0.15ra (4)
ここで、条件式(4)の上限をこえると、光量変化領域が狭くなるため、フィルタとして有効な効果を得られにくくなる。また、条件式(4)の下限をこえると、ドットの点在の発生頻度が高まるため、上記弊害が生じやすくなる。
【0034】
また、フィルタを、透光性を有する基板上にドットが印刷されたものとするか、ドットの領域のみ遮光性を奏することが可能な透過型液晶パネルにより構成されたものとすることにより、容易にフィルタを実現することが可能となる。
【0035】
本発明の第1の撮像レンズは、上記フィルタ、および結像レンズを備えているので、上記のようにアポダイゼーション効果や周辺光量補正効果を効果的に発現させることが可能となる。
【0036】
また、本発明の第2の撮像レンズは、透光性を有する基板上にドットが印刷されてなるフィルタ、結像レンズ、および結像レンズの光軸と同軸の位置と結像レンズを通る光束から外れた位置との間でフィルタを移動させる移動手段を備えており、本発明の第3の撮像レンズは、ドットの領域のみ遮光性を奏することが可能な透過型液晶パネルにより構成されてなるフィルタ、結像レンズ、および透過型液晶パネルのドットの領域について遮光性を奏する状態と遮光性を奏しない状態とに切り替える制御手段を備えている。
【0037】
撮影環境が暗い場合にアポダイズフィルタや周辺光量補正フィルタ等のフィルタを使用すると撮影に十分な光量を得るのが困難になるが、このような態様とすることにより撮影環境に応じてフィルタの使用/未使用を切り替えることができるため、撮影環境に応じた最適な撮影を行なうことが可能となる。
【0038】
本発明の撮像装置および携帯端末機器は、上記撮像レンズを備えているので、上記のようにアポダイゼーション効果や周辺光量補正効果を効果的に発現させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる撮像レンズの構成図
【図2】上記撮像レンズのアポダイズフィルタの一例を示す図
【図3】上記撮像レンズのアポダイズフィルタの他の例を示す図
【図4】上記撮像レンズのアポダイズフィルタの構成を示す図
【図5】本発明の実施例1にかかる撮像レンズの球面収差図
【図6】本発明の実施例1にかかる撮像レンズの像面湾曲図および歪曲収差図
【図7】本発明の実施例1にかかる撮像レンズのOTF特性図(アポダイズフィルタ無し)
【図8】本発明の実施例1にかかる撮像レンズのOTF特性図(アポダイズフィルタ有り)
【図9】上記撮像レンズの周辺光量補正フィルタの構成を示す図
【図10】本発明の第3の実施の形態にかかる撮像レンズの構成図
【図11】上記撮像レンズを備えた携帯端末機器である携帯電話機を示す図
【図12】ハニカム配置の説明図
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態にかかる撮像レンズの構成図、図2は上記撮像レンズのアポダイズフィルタの一例を示す図、図3は上記撮像レンズのアポダイズフィルタの他の例を示す図、図4は上記撮像レンズのアポダイズフィルタの構成を示す図である。
【0041】
撮像レンズ1は、光軸Zに沿って物体側から順に、正のパワーを持つ第1レンズL1と、
負のパワーを持つ第2レンズL2と、正のパワーを持つ第3レンズL3と、正のパワーを持つ第4レンズL4とが配列され、絞り位置にはアポダイズフィルタ10が配されてなる。
【0042】
なお、図1では、撮像レンズ1が撮像装置に適用される場合を考慮して、撮像レンズ1の結像位置を含む像面に配置された撮像素子5(Sim)も図示している。撮像素子5は、撮像レンズ1により形成される光学像を電気信号に変換するものであり、例えばCCDイメージセンサ等からなる。
【0043】
また、撮像装置に適用する際には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、第4レンズL4と像面との間に、カバーガラスや、ローパスフィルタまたは赤外線カットフィルタ等を配置することが好ましく、図1ではこれらを想定した平行平板状の光学部材PPを配置した例を示している。例えば、撮像レンズ1が、車載カメラに使用され、夜間の視覚補助用の暗視カメラとして使用される場合には、第4レンズL4と像面との間に紫外光から青色光をカットするようなフィルタを挿入してもよい。
【0044】
なお、第4レンズL4と像面との間にローパスフィルタや特定の波長域をカットするような各種フィルタ等を配置する代わりに、各レンズの間にこれらの各種フィルタを配置してもよい。あるいは、撮像レンズ1が有するいずれかのレンズのレンズ面に、各種フィルタと同様の作用を有するコートを施してもよい。
【0045】
アポダイズフィルタ10は、光軸中心から光軸垂直方向に離れるに従って次第に透過率を減少させて、焦点外れ像の強度分布を改変することにより、焦点外れ像の見え方を良好な見え方に改良するものであり、図2に示すように、遮光性を有するドットをハニカム配置に従って中心から周辺に向けて少なくとも一部がガウス分布状のドット密度となるように配し、かつドットの大きさをdとしたとき、下記条件式(1)を満足するものである。このアポダイズフィルタ10は、遮光性のドットを透光性基板上に印刷することにより実現されている。
【0046】
0.003mm≦d≦0.010mm (1)
ここで、条件式(1)の上限をこえると、光量変化に斑が生じやすくなり、透過率を正確に変化させることができなくなる。また、条件式(1)の下限をこえると、光の波長に対してドットが小さくなりすぎて光を遮蔽することができなくなるため、アポダイズフィルタや周辺光量補正フィルタを実現することができなくなる。
【0047】
なお、ドットの配置パターンは図2に示すものの他にも、透過率の変化が所望の特性となっていればどのようなパターンでもよく、例えば図3に示すパターンとすることもできる。
【0048】
また、光軸中心から光軸垂直方向に離れるに従って所定の規則に従って透過率を正確に変化させる上では、ドットは正六角形とすることが最も好ましいが、特に印刷等の場合には条件式(1)を満足するような微小な大きさの正六角形を印刷することは難しい。そのため、実現が容易な形状として円形とすることが好ましい。勿論、ドットの形状としては、正六角形や円形に限定されるものではなく、他の形状としてもよい。
【0049】
上記のような態様とすることにより、遮光性のドットの配置密度を部分的に変化させることにより部分的な透過率を変化させる場合に、所望の特性に透過率を正確に変化させることができるようになるため、上記のフィルタにおいて、アポダイゼーション効果を効果的に発現させることが可能となる。
【0050】
上記撮像レンズ1は、ハニカム配置における隣接間隔をDとしたとき、下記条件式(2)を満足するように構成することが好ましい。これにより、良好な特性のフィルタを実現することが可能となる。
【0051】
0.9d<D<1.1d (2)
ここで、条件式(2)の上限をこえると、ドット間の間隔が開きすぎて光を遮蔽することができなくなるため、アポダイズフィルタや周辺光量補正フィルタを実現することができなくなる。また、条件式(2)の下限をこえると、光量変化に斑が生じやすくなり、透過率を正確に変化させることができなくなる。
【0052】
また、ドットの密度が低くなってドットが点在するようになると、フィルタ効果により点在するドットがゴミ状に見える弊害が発生するため、図4に示すように、中心から所定半径r1内はドットを配置していないものであり、フィルタの有効半径をraとしたとき、下記条件式(3)を満足するように構成することが好ましい。これにより上記弊害の少ないフィルタを実現することが可能となる。
【0053】
0.10ra<r1<0.15ra (3)
ここで、条件式(3)の上限をこえると、光量変化領域が狭くなるため、フィルタとして有効な効果を得られにくくなる。また、条件式(3)の下限をこえると、ドットの点在の発生頻度が高まるため、上記弊害が生じやすくなる。
【0054】
また、撮影環境が暗い場合にアポダイズフィルタを使用すると撮影に十分な光量を得るのが困難になるので、撮像レンズ1の光軸Zと同軸の位置と撮像レンズ1を通る光束から外れた位置との間でアポダイズフィルタ10を移動させる移動手段11を設けることにより、撮影環境に応じてフィルタの使用/未使用を切り替えることができるため、撮影環境に応じた最適な撮影を行なうことが可能となる。なお、アポダイズフィルタ10の移動については手動/電動の何れでもよく、その機構は従来周知の機構を採用することができる。
【0055】
なお、第1レンズL1は、最も物体側のレンズであるため、例えば車載用カメラ等の厳しい環境において使用される場合には、風雨による表面劣化、直射日光による温度変化に強く、さらには油脂・洗剤等の化学薬品に強い材質、すなわち耐水性、耐候性、耐酸性、耐薬品性等が高い材質を用いることが好ましい。また、第1レンズL1の材質としては堅く、割れにくい材質を用いることが好ましく、具体的にはガラスもしくは透明なセラミックスを用いることが好ましい。セラミックスは通常のガラスに比べ強度が高く、耐熱性が高いという性質を有する。
【0056】
撮像レンズ1が、例えば車載用カメラに適用される場合には、寒冷地の外気から熱帯地方の夏の車内まで広い温度範囲で使用可能なことが要求される。そのため全てのレンズの材質がガラスであることが好ましい。具体的には−40℃〜125℃の広い温度範囲で使用可能なことが好ましい。また、安価にレンズを製作するためには、全てのレンズが球面レンズであることが好ましいが、コストよりも光学性能を優先する場合には非球面レンズを用いてもよい。
【実施例】
【0057】
次に、本発明にかかる撮像レンズ1の具体的な数値実施例について説明する。
【0058】
<実施例1>
実施例1にかかる撮像レンズ1のレンズデータおよび各種データを表1に示す。なおレンズ構成図は上記図1と同様である。表1のレンズデータにおいて、面番号は最も物体側の構成要素の面を1番目として像側に向かうに従い順次増加するi番目(i=1、2、3、…)の面番号を示す。なお、表1のレンズデータには開口絞り位置および光学部材PPも含めて付している。
【0059】
表1の曲率半径iはi番目(i=1、2、3、…)の面の曲率半径を示し、面間隔iはi(i=1、2、3、…)番目の面とi+1番目の面との光軸Z上の面間隔を示す。また、Ndjは最も物体側の光学要素を1番目として像側に向かうに従い順次増加するj番目(j=1、2、3、…)の光学要素のd線に対する屈折率を示し、νdjはj番目の光学要素のd線に対するアッベ数を示す。表1において、曲率半径および面間隔の単位はmmであり、曲率半径は物体側に凸の場合を正、像側に凸の場合を負としている。
【0060】
表1のレンズデータにおいて、面番号2〜9は非球面であり、非球面の曲率半径として近軸の曲率半径の数値を示している。表2の非球面データには、非球面の面番号と、これら非球面に関する非球面係数を示す。非球面係数は、以下の数1で表される非球面式における各係数κ、n(n=3以上の整数)の値である。
【数1】
ただし、
Z:非球面の深さ(mm)
h:光軸からレンズ面までの距離(高さ)(mm)
κ:離心率
C:近軸曲率=1/R
Bn:第n次の非球面係数
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
上記実施例1にかかる撮像レンズの球面収差図を図5に、非点収差およびディストーション(歪曲収差)を図6に示す。また、実施例1にかかる撮像レンズ1において、アポダイズフィルタ10を撮像レンズ1を通る光束から外れた位置に配置した場合のOTF特性図を図7に、アポダイズフィルタ10を絞り位置(撮像レンズ1の光軸Zと同軸の位置)に配置した場合のOTF特性図を図8に示す。
【0064】
図7、8からわかるように、アポダイズフィルタ10を使用した場合には、全体的にOTF特性が大きく向上することが分かる。
【0065】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図9は本発明の第2の実施の形態の撮像レンズの周辺光量補正フィルタの構成を示す図である。
【0066】
本実施の形態は上記第1の実施の形態と比較して、フィルタをアポダイズフィルタから周辺光量補正フィルタに変更した点が異なる。
【0067】
この周辺光量補正フィルタ10´は、上記アポダイズフィルタ10とは逆に、光軸中心から光軸垂直方向に離れるに従って次第に光の透過率を増加させて、結像面における中心部分と周辺部分の光量を均一化させるようにしたものである。
【0068】
ここで、ドットの密度が低くなってドットが点在するようになると、フィルタ効果により点在するドットがゴミ状に見える弊害が発生するため、図9に示すように、フィルタの有効半径位置から所定半径r2内はドットを配置していないものであり、フィルタの有効半径をraとしたとき、下記条件式(4)を満足するように構成することが好ましい。これにより上記弊害の少ないフィルタを実現することが可能となる。
【0069】
0.10ra<r2<0.15ra (4)
ここで、条件式(4)の上限をこえると、光量変化領域が狭くなるため、フィルタとして有効な効果を得られにくくなる。また、条件式(4)の下限をこえると、ドットの点在の発生頻度が高まるため、上記弊害が生じやすくなる。
【0070】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図10は本発明の第3の実施の形態にかかる撮像レンズの構成図である。
【0071】
本実施の形態は上記第1の実施の形態と比較して、アポダイズフィルタの構成を、透光性を有する基板上に遮光性のドットが印刷されてなるものから、ドットの領域のみ遮光性を奏することが可能な透過型液晶パネルにより構成されてなるものに変更した点が異なる。
【0072】
アポダイズフィルタ20は、ドットの領域のみ遮光性を奏する、もしくは透光性を奏するように切替えが可能な透過型液晶パネルにより構成されている。このアポダイズフィルタ20には、透過型液晶パネルのドット表示の制御を行なう制御手段21が接続されている。なお、ドットの配置パターンについては、上記第1の実施の形態と同様である。
【0073】
撮影環境が暗い場合にアポダイズフィルタや周辺光量補正フィルタ等のフィルタを使用すると撮影に十分な光量を得るのが困難になるが、このような態様とすることにより撮影環境に応じてフィルタの使用/未使用を切り替えることができるため、撮影環境に応じた最適な撮影を行なうことが可能となる。
【0074】
また、透過型液晶パネルを用いることにより、上記第1の実施の形態のようにアポダイズフィルタそのものを移動させる必要がなくなるため、構造を簡素化することが可能となる。
【0075】
なお、本実施の形態のフィルタは、ドットの配置パターンを変更して周辺光量補正フィルタとしてもよい。
【0076】
図11は、本発明の撮像レンズを備えた携帯端末機器である携帯電話機を示す図である。
【0077】
図示のように、この携帯電話機510は、携帯電話機の筐体511中に本発明の撮像レンズ512が配されたものである。
【0078】
本発明の撮像レンズは、従来の携帯端末機器が備えている撮像レンズとの置き換えが容易である。すなわち、従来より知られている携帯端末機器の装置サイズや形状等を変更することなく、これらの装置が備える従来の撮像レンズを本発明の撮像レンズに置き換えて、本願発明の携帯端末機器を構成することもできる。
【0079】
なお、本発明の撮像レンズを搭載可能な装置は、上記携帯端末機器に限るものではなく、撮像レンズを備えた装置であればどのようなものにも搭載可能である。
【0080】
以上、本発明の画像撮像装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行なってもよいのは勿論である。
【符号の説明】
【0081】
1、2 撮像レンズ
5 撮像素子
10、20 アポダイズフィルタ
11 移動手段
21 制御手段
510 携帯電話機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結像レンズの光軸と同軸に配されることによりアポダイゼーション効果もしくは周辺光量補正効果を奏するフィルタであって、
遮光性を有するドットがハニカム配置に従って中心から周辺に向けて少なくとも一部がガウス分布状のドット密度となるように配されたものであり、かつ前記ドットの大きさをdとしたとき、下記条件式(1)を満足するように構成されたものであることを特徴とするフィルタ。
0.003mm≦d≦0.010mm (1)
【請求項2】
前記ハニカム配置における隣接間隔をDとしたとき、下記条件式(2)を満足することを特徴とする請求項1記載のフィルタ。
0.9d<D<1.1d (2)
【請求項3】
前記ドットが、円形であることを特徴とする請求項1または2記載のフィルタ。
【請求項4】
周辺の方がドット密度が高いものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載のフィルタ。
【請求項5】
中心から所定半径r1内はドットを配置していないものであり、
前記フィルタの有効半径をraとしたとき、下記条件式(3)を満足することを特徴とする請求項4記載のフィルタ。
0.10ra<r1<0.15ra (3)
【請求項6】
周辺の方がドット密度が低いものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載のフィルタ。
【請求項7】
前記フィルタの有効半径位置から所定半径r2内はドットを配置していないものであり、
前記フィルタの有効半径をraとしたとき、下記条件式(4)を満足することを特徴とする請求項6記載のフィルタ。
0.10ra<r2<0.15ra (4)
【請求項8】
透光性を有する基板上に前記ドットが印刷されたものであることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項記載のフィルタ。
【請求項9】
前記ドットの領域のみ遮光性を奏することが可能な透過型液晶パネルにより構成されたものであることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項記載のフィルタ。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項記載のフィルタ、および結像レンズを備えたことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項11】
請求項8記載のフィルタ、結像レンズ、および該結像レンズの光軸と同軸の位置と該結像レンズを通る光束から外れた位置との間で前記フィルタを移動させる移動手段を備えたことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項12】
請求項9記載のフィルタ、結像レンズ、および前記透過型液晶パネルの前記ドットの領域について遮光性を奏する状態と遮光性を奏しない状態とに切り替える制御手段を備えたことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項13】
請求項10から12のいずれか一項記載の撮像レンズを備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項14】
請求項10から12のいずれか一項記載の撮像レンズを備えたことを特徴とする携帯端末機器。
【請求項1】
結像レンズの光軸と同軸に配されることによりアポダイゼーション効果もしくは周辺光量補正効果を奏するフィルタであって、
遮光性を有するドットがハニカム配置に従って中心から周辺に向けて少なくとも一部がガウス分布状のドット密度となるように配されたものであり、かつ前記ドットの大きさをdとしたとき、下記条件式(1)を満足するように構成されたものであることを特徴とするフィルタ。
0.003mm≦d≦0.010mm (1)
【請求項2】
前記ハニカム配置における隣接間隔をDとしたとき、下記条件式(2)を満足することを特徴とする請求項1記載のフィルタ。
0.9d<D<1.1d (2)
【請求項3】
前記ドットが、円形であることを特徴とする請求項1または2記載のフィルタ。
【請求項4】
周辺の方がドット密度が高いものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載のフィルタ。
【請求項5】
中心から所定半径r1内はドットを配置していないものであり、
前記フィルタの有効半径をraとしたとき、下記条件式(3)を満足することを特徴とする請求項4記載のフィルタ。
0.10ra<r1<0.15ra (3)
【請求項6】
周辺の方がドット密度が低いものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載のフィルタ。
【請求項7】
前記フィルタの有効半径位置から所定半径r2内はドットを配置していないものであり、
前記フィルタの有効半径をraとしたとき、下記条件式(4)を満足することを特徴とする請求項6記載のフィルタ。
0.10ra<r2<0.15ra (4)
【請求項8】
透光性を有する基板上に前記ドットが印刷されたものであることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項記載のフィルタ。
【請求項9】
前記ドットの領域のみ遮光性を奏することが可能な透過型液晶パネルにより構成されたものであることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項記載のフィルタ。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項記載のフィルタ、および結像レンズを備えたことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項11】
請求項8記載のフィルタ、結像レンズ、および該結像レンズの光軸と同軸の位置と該結像レンズを通る光束から外れた位置との間で前記フィルタを移動させる移動手段を備えたことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項12】
請求項9記載のフィルタ、結像レンズ、および前記透過型液晶パネルの前記ドットの領域について遮光性を奏する状態と遮光性を奏しない状態とに切り替える制御手段を備えたことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項13】
請求項10から12のいずれか一項記載の撮像レンズを備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項14】
請求項10から12のいずれか一項記載の撮像レンズを備えたことを特徴とする携帯端末機器。
【図1】
【図4】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図12】
【図4】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図12】
【公開番号】特開2011−221120(P2011−221120A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−87617(P2010−87617)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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