説明

フィルタ自動洗浄式粉塵吸引装置

【課題】粉塵吸引装置の2つのフィルタを交互に自動逆洗してフィルタを長持ちさせる。
【解決手段】空気を吸引するタービン2と、2つのフィルタ3、4と、吸気口から減圧チャンバ7を通りタービン吸気口まで連通し、前記吸気口を有し、かつ2つのフィルタを内包した吸気チャンバ5と、タービン排気口から前記吸気チャンバ及び外界とつながる排気口を連通し、前記排気口を有した排気チャンバ8とから粉塵吸引装置を構成し、吸気過程に吸気チャンバから流入した空気をフィルタの両方に通過させ、フィルタ洗浄過程に排気チャンバから流入した空気をフィルタの両方に通過させるため、吸気チャンバと減圧チャンバを遮断する第1バルブ11及び排気チャンバと吸気チャンバを遮断する第2バルブ12を設置し、それらをソレノイドコイル16,17で制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフィルタ自動洗浄式粉塵吸引装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フィルタシステムを備えた粉塵吸引装置と、フィルタの一時的な洗浄のために流れを逆流させる機構により、フィルタの目詰まりを原因とする過度の圧力損失を避けることは既に知られている。一方のフィルタの吸引を妨げることなく、他方のフィルタを洗浄することが可能とする機構を有する2つのフィルタを持つ粉塵吸引装置も既に知られている。
【0003】
しかしながら、連続運転中に2つのフィルタが交互に洗浄される粉塵吸引装置は、それぞれのフィルタごとにバルブを備えており、独立して操作可能とするために、粉塵吸引装置に逆流させる流れを調整するための制御機構を備えたものは知られていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本願発明はフィルタ内に逆洗を調整するための制御機構を含み、2つのフィルタを備えた粉塵吸引装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明の粉塵吸引装置は、望ましくは表面で使用される道具であって、タービンと、2つのフィルタと、吸気口から減圧チャンバを通りタービン吸気口まで連通し、前記吸気口を有し、かつ2つのフィルタを内包した吸気チャンバと、タービン排気口から前記吸気チャンバ及び外界とつながる排気口を連通し、前記排気口を有した排気チャンバと、吸気過程に吸気チャンバから流入した空気を前記フィルタの両方に通過させ、フィルタ洗浄過程に排気チャンバから流入した空気を前記フィルタの両方に通過させるため、吸気チャンバと減圧チャンバの間と、排気チャンバと吸気チャンバの間に設置したバルブ機構と、を具備した粉塵吸引装置であって、前記バルブ機構は、吸気チャンバと減圧チャンバを遮断する第1バルブと、排気チャンバと吸気チャンバを遮断する第2バルブとをフィルタにそれぞれに設置したことを特徴とする。
【0006】
そして本発明の粉塵吸引装置は、粉塵を吸引する装置、特に掃除機の吸引装置として使用される。
【発明の効果】
【0007】
上記のように構成された本発明の粉塵吸引装置は、2つのバルブ機構は同時に制御する、又は独立して個別に制御することが可能となる。
【0008】
さらに、吸引作用中にフィルタの逆洗を行うことが可能となるため、フィルタを長持ちさせることが可能となっている。加えて、吸引とフィルタの洗浄が同時に行えるため、長時間の連続運転であっても、吸引力が衰えることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
前述の、又はその他の本発明に係る特徴は、以下に添付された2つの実施例の図面に関する詳細な記述よりさらに明確になり、本発明はこの実施例に限定されない。
【0010】
図1は、吸気過程においてそれぞれ制御される2つのフィルタを示した図2のA−Aの断面図を示している。
【0011】
図2は、図1のB−B断面図を示している。
【0012】
図3は、図2のC−C断面図を示している。
【0013】
図4は、図2において一方のフィルタが吸気過程であり、他方が洗浄過程である状態を示している。
【0014】
図5は、図4におけるD−D断面図を示している。
【0015】
図6乃至図10は、図1乃至図5に類似しており、具体的には2つのバルブ機構を同時に制御した構成を示している。
【0016】
(実施例1)
図1及び図3に示した本発明に係る粉塵吸引装置1は、タービン2と、2つのフィルタ3、4と、外界からの吸気口6と共に2つのフィルタに共通である吸気チャンバ5と、2つのフィルタに共通でありタービン2に吸引された空気を運ぶ減圧チャンバ7と、2つのフィルタに共通でありタービン2から排気口9を経て外界に排気する空気を運ぶ排気チャンバ8とを具備している。
【0017】
さらに具体的には、それぞれがフィルタを持ち、吸引チャンバ5と減圧チャンバ7の境界部分で制御される遮断シート15を有した2つの第1バルブ11と、同様にそれぞれがフィルタを持ち、排気チャンバ8と吸気チャンバ5の境界部分で制御される遮断シート14を有した2つの第2バルブ12と、を具備したバルブ機構を備えた粉塵吸引装置である。
【0018】
第1バルブ11は具体的にはソレノイドから成る第1独立制御機構(ソレノイドコイル)17をそれぞれ具備している。第2バルブ12もまたソレノイドから成る第2独立制御機構(ソレノイドコイル)16をそれぞれ具備している。
【0019】
吸気過程における粉塵吸引装置の一般的な運転は、図2及び図3に示している。空気は吸気口6を通り吸気チャンバ5に流れ、フィルタ3の外側に粉塵を吸着させ、図示しないばねにより開口された第1バルブ11を通り減圧チャンバ7に運ばれ、タービン2に吸引される。タービン2の排気側において、空気は加圧された排気チャンバ8に運ばれ、排気口9から外界に排出される。
【0020】
また、第2バルブ12は重力により閉塞しており、排気チャンバ8から空気が吸気チャンバ5に通過することを阻止している。この過程において、フィルタ3の働きはフィルタ4と同様であり、バルブ及び制御の働きも同様である。
【0021】
ここで、洗浄過程における粉塵吸引装置の運転は、図4及び図5に示している。この洗浄過程においては、2つのうちの一方のフィルタは吸気過程と同様の働きをし、他方のフィルタは洗浄される。簡単のため、フィルタ3は洗浄、フィルタ4は通常の働きをしている場合を考える。もちろん、後述のフィルタ3に関する記述はフィルタ4にも同様に適応することができる。
【0022】
フィルタ3の洗浄過程を以下に示し、空気は破線で示すように吸気チャンバ5からフィルタ3を通り、2つのフィルタに共通の減圧チャンバ7に流れず、この洗浄過程ではフィルタ3に対応する第1バルブ11は、対応するソレノイドコイル(第1独立制御機構)17により閉塞される。しかしながら、通常の吸気過程及び洗浄過程と同様に、タービン2にはフィルタ4を通して空気が供給され、2つのフィルタに共通の排気チャンバ8は加圧状態に置かれる。
【0023】
第2バルブ12は、対応する独立したソレノイドコイル(第2独立制御機構)16により開放状態にされ、したがって、排気チャンバ8から洗浄されるフィルタ3を介して吸気チャンバ5に空気は流れる。したがって、空気の流れは排気チャンバ8から吸気チャンバ5に直接流れ、この空気は吸気チャンバ5の粉塵を含んだ空気に接触している側の表面の余分な塵を除き、フィルタ3を通過することで、フィルタ3を洗浄する。
【0024】
交互のフィルタ洗浄過程は手動で作動されるか、又はバルブ11、12の開閉制御を図示しない電気制御ユニットにより制御することができ、特にバルブ11、12及びそれぞれに対応するソレノイドコイル17、16が電気的な制御をされるバルブであるとき、時間を基準とする制御とすると優位性を発揮する。この場合、バルブ11、12の開閉を同調(一方が開口し、他方が閉塞する、又はその逆)させて制御するか、又は時間に応じて制御する。
【0025】
例えば圧力センサ等のセンサを設置し、フィルタを通過する際の圧力損失を検知し、洗浄の必要性を表示させることも可能である。また、フィルタ3及び4の効果的な洗浄を実現するバルブ11、12の開閉を行うために、最小又は最大圧力が閾値を越えたことを示すセンサは非常に有利に働く。
【0026】
例えばフィルタの圧力センサによる圧力損失の表示は、そのフィルタが洗浄されるべきであることを示す。
【0027】
さらに、フィルタの洗浄を制御する基準を、粉塵吸引装置の連続運転が可能な所定の閾値に設定することが可能である。
【0028】
(実施例2)
ここで、図6乃至図10に示す実施例は、フィルタ3の第1バルブ11と、同じフィルタの第2バルブ12が、第2バルブ12に直接接続されたソレノイド制御機構と、リンク機構13と、第1バルブから成る単一制御機構18で連結されている装置を示している。同様の機構は他のフィルタ、バルブ、制御機構にも適応する。
【0029】
この実施例は本発明の更なるコスト低減を実現することが可能となり、第1バルブの開閉により同一のフィルタの第2バルブ12の開閉を機械的に実現することが可能である。2つのフィルタに対応する単一制御機構18は、他方の単一制御機構と独立している。
【0030】
独立して制御される際の実施例と同様に、吸気過程及び洗浄過程を単一の制御で行う実施例は適応される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明における吸気過程のフィルタを示した図2のA−Aの断面図を示している。
【図2】図1のB−B断面図を示している。
【図3】図2のC−C断面図を示している。
【図4】図2において一方のフィルタが吸気過程、他方が洗浄過程である状態を示している。
【図5】図4におけるD−D断面図を示している。
【図6】図1に本発明の第2の実施例を適応した概略図である。
【図7】図2に本発明の第2の実施例を適用した概略図である。
【図8】図3に本発明の第2の実施例を適用した概略図である。
【図9】図4に本発明の第2の実施例を適用した概略図である。
【図10】図9に本発明の第2の実施例を適用した概略図である。
【符号の説明】
【0032】
1 粉塵吸引装置
2 タービン
3 フィルタ
4 フィルタ
5 吸気チャンバ
6 吸気口
7 減圧チャンバ
8 排気チャンバ
9 排気口
11 第1バルブ
12 第2バルブ
13 リンク機構
14 遮断シート
15 遮断シート
16 第2独立制御機構(ソレノイドコイル)
17 第1独立制御機構(ソレノイドコイル)
18 単一制御機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
望ましくは表面で使用される道具であって、タービン(2)と、2つのフィルタ(3、4)と、
吸気口(6)から減圧チャンバ(7)を通りタービン(2)吸気口まで連通し、前記吸気口(6)を有し、かつ2つのフィルタ(3、4)を内包した吸気チャンバ(5)と、
タービン(2)排気口から前記吸気チャンバ(5)及び外界とつながる排気口(9)を連通し、前記排気口(9)を有した排気チャンバ(8)と、
吸気過程に吸気チャンバ(5)から流入した空気を前記フィルタ(3、4)の両方に通過させ、フィルタ洗浄過程に排気チャンバ(8)から流入した空気を前記フィルタ(3、4)の両方に通過させるため、吸気チャンバ(5)と減圧チャンバ(7)の間と、排気チャンバ(8)と吸気チャンバ(5)の間に設置したバルブ機構と、を具備した粉塵吸引装置(1)であって、
前記バルブ機構は、吸気チャンバ(5)と減圧チャンバ(7)を遮断する第1バルブ(11)と、排気チャンバ(8)と吸気チャンバ(5)を遮断する第2バルブ(12)とをフィルタ(3、4)にそれぞれに設置したことを特徴とする粉塵吸引装置(1)。
【請求項2】
前記第1バルブ(11)がそれぞれ第1独立制御機構(17)で制御され、前記第2バルブ(12)がそれぞれ第2独立制御機構(16)により制御されることを特徴とする請求項1に記載の粉塵吸引装置(1)。
【請求項3】
第1バルブ(11)及び第2バルブ(12)からなるそれぞれの組を、フィルタ(3,4)のそれぞれの第1バルブ(11)の開閉を同様のフィルタ(3,4)のそれぞれの第2バルブ(12)の開閉によって行う単一制御機構(18)により制御し、2組のバルブ(11、12)にそれぞれ設置した2つの単一制御機構(18)が、それぞれ独立していることを特徴とする請求項1に記載の粉塵吸引装置(1)。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の粉塵吸引装置であって、前記制御機構(17、16、18)がソレノイドにより構成されていることを特徴とする。
【請求項5】
前記制御機構(16、17、18)が電気制御ユニットで制御されることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の粉塵吸引装置(1)。
【請求項6】
フィルタ(3、4)における第1バルブ(11)及び第2バルブ(12)の開閉が、センサの信号により制御されることを特徴とする請求項5に記載の粉塵吸引装置(1)。
【請求項7】
フィルタ(3、4)における第1バルブ(11)及び第2バルブ(12)の開閉が、連続運転時間があらかじめ設定された時間を越えることにより制御されることを特徴とする請求項5に記載の粉塵吸引装置(1)。
【請求項8】
フィルタ(3、4)における第1バルブ(11)及び第2バルブ(12)の開閉が、手動操作により行われることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の粉塵吸引装置(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−296020(P2008−296020A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−141662(P2008−141662)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(508140925)
【氏名又は名称原語表記】Guido VALENTINI
【Fターム(参考)】