説明

フィードユニット

本発明は、燃料を燃料容器から自動車の内燃機関に圧送するためのフィードユニットであって、バッフルポット(5)内に配置されている燃料ポンプ(6)と、該燃料ポンプの下流に配置されている燃料フィルタ(8)と、前記バッフルポット内に配置されている弁(15)とを有する形式のものに関する。前記弁が、前記燃料フィルタの下流で、前記バッフルポットの常時燃料で満たされた領域内に配置されているようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料を燃料容器から自動車の内燃機関に圧送するためのフィードユニットであって、バッフルポット内に配置されている燃料ポンプと、該燃料ポンプの下流に配置されている燃料フィルタと、前記バッフルポット内に配置されている弁、特に圧力調整弁とを有する形式のものに関する。
【0002】
この種のフィードユニットは、従来から公知であって、背景技術である。加えて、圧力調整弁をバッフルポット内に燃料フィルタの下流に配置することも公知である。この種の弁は、燃料ポンプをオフにしたときに、引き続いてのスタート時にできるだけ短時間で燃料を定格圧力で送り管路を介して自動車の内燃機関に圧送するために、送り管路内の圧力を維持するという課題を有する。このとき、高温の燃料が自動車の停止時に冷却され、その結果、燃料の体積が減少するという問題が生じる。このことは、燃料を案内する管路及びユニット内の負圧につながる。この負圧により弁が開いて、空気が燃料を案内する領域に侵入する場合がある。これにより、内燃機関のリスタート時、燃料が定格圧力で圧送されるまでの時間は延長されてしまう。
【0003】
それゆえ本発明の課題は、わずかな手間及びコストで製造されるフィードユニットを提供することである。
【0004】
本発明により上記課題は、前記弁が、前記燃料フィルタの下流で、前記バッフルポットの常時燃料で満たされた領域内に配置されていることにより解決される。好ましくは、前記弁が前記バッフルポットの底領域に配置されている。好ましくは、前記燃料フィルタが出口管体を有しており、該出口管体が、送り管路から分岐した接続管路を有しており、かつ該接続管路が前記弁に接続されている。好ましくは、前記接続管路が、フィルタハウジングに配置されている保持装置により支承されている。好ましくは、接続管路が剛性管路である。好ましくは、前記接続管路が弁ハウジングと一体的に、有利には射出成形により形成されている。好ましくは、前記弁が圧力調整弁である。
【0005】
燃料内に弁を常時浸漬しておくことで、負圧の結果として弁が開いたときに、燃料を案内する管路内に燃料が吸い込まれる。これにより、燃料を案内する管路内への空気の侵入は減少する。それゆえ内燃機関のリスタート時、不都合に働くエアクッションが充填されずに済む。これにより、フィードユニットは短時間で燃料を定格圧力で内燃機関に圧送する。
【0006】
バッフルポットの常時燃料で満たされた領域内での弁の配置は、弁がバッフルポットの底領域に配置されていることにより、特に高信頼性に保証されている。
【0007】
燃料フィルタの配置に基づいて、燃料フィルタから分岐した送り管路がしばしばバッフルポットの上側の領域に端を発しているにもかかわらず、弁がバッフルポットの底領域に配置されていなければならないので、別の形態では、送り管路が弁の領域でバッフルポットの底領域を延びている。送り管路のこの種の敷設は、別の形態では、送り管路又は燃料フィルタの出口管体に、送り管路から分岐した接続管路が配置されており、かつこの接続管路が弁に接続されていることにより回避される。
【0008】
バッフルポット内での接続管路の確実な敷設は、有利な形態では、接続管路が、フィルタハウジングに配置される保持装置内で支承されていることにより達成される。保持装置は、フィルタハウジングに一体的に射出成形されていることにより特に簡単に製造される。
【0009】
接続管路の安定性は、有利には、接続管路が堅固な管路であることにより向上する。
【0010】
フィードユニットの組み立ては、接続管路が弁ハウジングと一体的に形成されていると単純化される。この場合、特に射出成形が、大きな構成自由度での特に安価な方法であることが判っている。弁は圧力調整弁であってよい。
【0011】
一実施の形態を参照しながら本発明について詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】燃料容器内のフィードユニットの概略図である。
【図2】弁を備えるフィルタハウジングの斜視図である。
【0013】
図1は、フィードユニット2を備える、図示しない自動車の燃料容器1を示す。フィードユニット2は、開口3を通して燃料容器1内に装入される。組み付けの実施後、開口3はフランジ4により閉鎖される。フィードユニット2は、燃料容器1の底に対して予圧されるバッフルポット5からなる。バッフルポット5内には、燃料ポンプ6が配置されており、燃料をバッフルポット5から吸い込み、出口管体7を介して圧送する。さらにバッフルポット5内には、燃料フィルタ8が配置されており、流動方向で見て燃料ポンプ6の下流に配置されている。その結果、燃料ポンプ6により圧送される燃料は、入口管体9を介して燃料フィルタ8に到達する。ろ過された燃料は、続いて、フランジ4を貫通する送り管路10を介して、自動車の図示しない内燃機関に到達する。燃料フィルタ8のハウジング11は、ポンプホルダ13へと移行する、一体的に射出成形されたウェブ12を有する。ポンプホルダ13内には燃料ポンプ6が支承されている。フィルタハウジング11はポリオキシメチレンからなる。送り管路10から接続管路14が分岐して、バッフルポット5の底領域に設けられる弁15に通じる。
【0014】
図2は、出口管体16及び入口管体9を備えるフィルタハウジング11を示す。燃料フィルタは本図には示されていない。フィルタハウジング11にはポンプホルダ13が一体的に射出成形されているので、両部材は1つのユニットを形成する。出口管体16は、T字形部材として形成されており、図示しない送り管路10及び接続管路14が接続されている。接続管路14は、剛性管路(starre Leitung)として形成されており、付加的に、安定性を向上するためにかつ不都合な運動を防止するために保持装置17内に支承されている。保持装置17はフィルタハウジング11の射出成形時に一体成形されている。接続管路14の下端には弁15が接続されている。弁のハウジング18は接続管路14と一体的に形成されている。L字形の接続管路14は付加的に、屈曲した領域において、射出成形により一体成形されたウェブ19により補強されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を燃料容器から自動車の内燃機関に圧送するためのフィードユニットであって、バッフルポット内に配置されている燃料ポンプと、該燃料ポンプの下流に配置されている燃料フィルタと、前記バッフルポット内に配置されている弁とを有する形式のものにおいて、前記弁が、前記燃料フィルタの下流で、前記バッフルポットの常時燃料で満たされた領域内に配置されていることを特徴とする、フィードユニット。
【請求項2】
前記弁が前記バッフルポットの底領域に配置されている、請求項1記載のフィードユニット。
【請求項3】
前記燃料フィルタが出口管体を有しており、該出口管体が、送り管路から分岐した接続管路を有しており、かつ該接続管路が前記弁に接続されている、請求項1又は2記載のフィードユニット。
【請求項4】
前記接続管路が、フィルタハウジングに配置されている保持装置により支承されている、請求項3記載のフィードユニット。
【請求項5】
接続管路が剛性管路である、請求項1から4までのいずれか1項記載のフィードユニット。
【請求項6】
前記接続管路が弁ハウジングと一体的に、有利には射出成形により形成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のフィードユニット。
【請求項7】
前記弁が圧力調整弁である、請求項1から6までのいずれか1項記載のフィードユニット。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−516950(P2010−516950A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547701(P2009−547701)
【出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【国際出願番号】PCT/EP2008/051251
【国際公開番号】WO2008/098848
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(508097870)コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (205)
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
【住所又は居所原語表記】Vahrenwalder Strasse 9, D−30165 Hannover, Germany
【Fターム(参考)】