説明

フィールド通信システム

【課題】マスタ−スレーブ通信の信頼性を向上させることができるフィールド通信システムを提供する。
【解決手段】前記フィールド機器1に設けられた第1のスレーブ機器側通信ポート11および第2のスレーブ機器側通信ポート12と、前記通信モジュール2A、2Bに設けられた第1のマスタ機器側通信ポート21および第2のマスタ機器側通信ポート22と、を備える。前記第1のスレーブ機器側通信ポート21と前記第1のマスタ機器側通信ポート22との間を第1の通信線51で接続し、前記第2のスレーブ機器側通信ポート22と前記第2のマスタ機器側通信ポート21との間を第2の通信線52で接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スレーブ機器としてのフィールド機器と、マスタ機器としての通信モジュールとの間で通信を実行するフィールド通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
PROFIBUS通信モジュールは、コントローラに対して2台1組みで実装され、二重化構成をとる。一方、PROFIBUS規格であるスレーブ冗長化仕様に対応したスレーブ機器は2つのポートを有し、二重化構成の各々の通信モジュールと各ポートとを接続することで、PROFIBUSスレーブ冗長化構成が構築される。
【0003】
図6は、PROFIBUSスレーブ冗長化構成をとるフィールド制御システムの構成例を示すブロック図である。
【0004】
図6に示すように、フィールド制御システムは、フィールド機器1,1,・・・と、プラントに分散配置されるコントローラ20,20,・・・と、各コントローラ20に対応して実装された通信モジュール102,102と、コントローラ20,20,・・・を介してフィールド機器1,1,・・・に対する操作、監視を行うための操作監視装置3と、フィールド機器1,1,・・・に対するエンジニアリング作業を行うためのエンジニアリング端末装置4と、を備える。
【0005】
フィールド機器1,1,・・・は、それぞれPROFIBUS規格であるスレーブ冗長化仕様に対応したスレーブ機器であり、第1のポート11および第2のポート12を具備する。
【0006】
通信モジュール102,102は、1つのコントローラ20に対して1組みのモジュールとして実装されることで、二重化構成をとり、一方が制御側モジュールとして、他方が待機側モジュールとして機能する。制御側モジュールに異常が発生した場合には、待機側と制御側とを切り替えることで、通信処理を継続することができる。
【0007】
通信モジュール102,102は、それぞれマスタ機器として動作する。冗長化機能を持つスレーブ機器としてのフィールド機器1の第1のポート11および第2のポート12のうちの一方が制御側、他方が待機側となり、それぞれのセグメント151,152で通信モジュール102,102との間でマスタ−スレーブ通信を行う。
【0008】
コントローラ20は、2つの通信モジュール102,102を介して、スレーブ機器であるフィールド機器1の2つのポートである第1のポート11および第2のポート12に同じデータを出力するが、実際に用いられるデータはフィールド機器1の制御側ポートへ出力されたデータ(出力データ)である。また、コントローラ20は、フィールド機器1の制御側ポートから出力されたデータ(入力データ)を、2つの通信モジュール102,102のうちの制御側モジュールを介して取得する。
【0009】
スレーブ機器であるフィールド機器1のポートの制御権の切り替え(制御側/待機側の切り替え)には、次の2つのパターンが存在する。
(1)コントローラ20からフィールド機器1のコントロールレジスタにコマンドを書き込むことによる切り替え。
(2)フィールド機器1自身による自己診断異常を検出することによる切り替え。
スレーブ機器であるフィールド機器1の制御側ポートと接続されている通信モジュールが故障した場合には、その通信線(セグメント)上でのマスタ−スレーブ通信が不通となるため、通信モジュールの制御権が切り替わるとともに、スレーブ機器であるフィールド機器1は通信モジュールとの間の通信異常を検出して、もう一方のポートを制御側に切り替えて通信を継続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−32087号公報(図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
図6に示すフィールド制御システムにおいて、単一故障、すなわち通信モジュールの故障、もしくはスレーブ機器の片側ポート故障のいずれかのみが発生する場合は、通信モジュールの制御権が切り替わるか、あるいはスレーブ機器のポートの制御権が切り替わることで通信が不通になることはない。しかし、二重故障が発生すると通信が不通となるケースが存在する。例えば、スレーブ機器の一方のポートが制御側で、他方のポートが故障している場合に、スレーブ機器の制御側ポートと接続されている通信モジュールが故障すると、そのスレーブ機器に対する通信ができなくなる。
【0012】
本発明の目的は、マスタ−スレーブ通信の信頼性を向上させることができるフィールド通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のフィールド通信システムは、スレーブ機器としてのフィールド機器と、マスタ機器としての通信モジュールとの間で通信を実行するフィールド通信システムにおいて、前記フィールド機器に設けられた第1のスレーブ機器側通信ポートおよび第2のスレーブ機器側通信ポートと、前記通信モジュールに設けられた第1のマスタ機器側通信ポートおよび第2のマスタ機器側通信ポートと、前記第1のスレーブ機器側通信ポートと前記第1のマスタ機器側通信ポートとの間を接続する第1の通信線と、前記第2のスレーブ機器側通信ポートと前記第2のマスタ機器側通信ポートとの間を接続する第2の通信線と、を備えることを特徴とする。
このフィールド通信システムによれば、第1のスレーブ機器側通信ポートと第1のマスタ機器側通信ポートとの間を第1の通信線で接続し、第2のスレーブ機器側通信ポートと第2のマスタ機器側通信ポートとの間を第2の通信線で接続するので、通信モジュールに設けた第1のマスタ機器側通信ポートおよび第2のマスタ機器側通信ポートを利用することで、通信の信頼性を向上させることができる。
【0014】
前記通信モジュールとしての第1の通信モジュールおよび第2の通信モジュールを備え、前記第1の通信モジュールおよび前記第2の通信モジュールにより二重化構成がとられ、前記第1の通信モジュールの前記第1のマスタ機器側通信ポートおよび前記第2の通信モジュールの前記第1のマスタ機器側通信ポートはいずれも前記第1の通信線に接続され、前記第1の通信モジュールの前記第2のマスタ機器側通信ポートおよび前記第2の通信モジュールの前記第2のマスタ機器側通信ポートはいずれも前記第2の通信線に接続されてもよい。
【0015】
前記第1の通信モジュールの前記第1のマスタ機器側通信ポート、前記第2のマスタ機器側通信ポート、前記第2の通信モジュールの前記第1のマスタ機器側通信ポートおよび前記第2のマスタ機器側通信ポートは、それぞれ、制御側/待機側のいずれかを選択可能とされていてもよい。
前記フィールド機器と前記通信モジュールとの間でPROFIBUS通信を行ってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明のフィールド通信システムによれば、第1のスレーブ機器側通信ポートと第1のマスタ機器側通信ポートとの間を第1の通信線で接続し、第2のスレーブ機器側通信ポートと第2のマスタ機器側通信ポートとの間を第2の通信線で接続するので、通信モジュールに設けた第1のマスタ機器側通信ポートおよび第2のマスタ機器側通信ポートを利用することで、通信の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施例1のフィールド通信システムとしてのフィールド制御システムの構成を示すブロック図。
【図2】システムの接続状態を示す図であり、(a)は、フィールド機器の各ポートの制御側/待機側の割り当てが混在した状態を示す図、(b)は、通信モジュール2Aが故障した後の状態を示す図。
【図3】実施例2のフィールド通信システムとしてのフィールド制御システムの構成を示すブロック図。
【図4】実施例3のフィールド通信システムとしてのフィールド制御システムの構成を示すブロック図。
【図5】1ポートのフィールド機器に対応する構成例を示す図。
【図6】従来のフィールド制御システムの構成例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明によるフィールド通信システムの実施形態について説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は、実施例1のフィールド通信システムとしてのフィールド制御システムの構成を示すブロック図である。
【0020】
図1に示すように、フィールド制御システムは、フィールド機器1,1,・・・と、プラントに分散配置されるコントローラ20,20,・・・と、各コントローラ20に対応して実装された通信モジュール2Aおよび通信モジュール2Bと、コントローラ20,20,・・・を介してフィールド機器1,1,・・・に対する操作、監視を行うための操作監視装置3と、フィールド機器1,1,・・・に対するエンジニアリング作業を行うためのエンジニアリング端末装置4と、を備える。なお、図1に示すフィールド機器1,1,・・・は、センサ、バルブ等の種々の機能を有するフィールド機器群を示しており、同一機種の機器群を表現するものではない。
【0021】
フィールド機器1,1,・・・は、それぞれPROFIBUS規格であるスレーブ冗長化仕様に対応したスレーブ機器であり、第1のポート11および第2のポート12を具備する。
【0022】
通信モジュール2Aおよび通信モジュール2Bは、1つのコントローラ20に対して1組みのモジュールとして実装されることで、二重化構成をとり、一方が制御側モジュールとして、他方が待機側モジュールとして機能する。制御側モジュールに異常が発生した場合には、待機側と制御側とを切り替えることで、通信処理を継続することができる。
【0023】
通信モジュール2Aおよび通信モジュール2Bは、マスタ機器として動作する。冗長化機能を持つスレーブ機器としてのフィールド機器1の第1のポート11および第2のポート12のうちの一方が制御側、他方が待機側となり、それぞれのセグメント(後述する通信線51,52)で通信モジュール2A,2Bとの間でマスタ−スレーブ通信を行う。
【0024】
コントローラ20は、通信モジュール2A,2Bを介して、スレーブ機器であるフィールド機器1の2つのポートである第1のポート11および第2のポート12に同じデータを出力するが、実際に用いられるデータはフィールド機器1の制御側ポートへ出力されたデータ(出力データ)である。また、コントローラ20は、フィールド機器1の制御側ポートから出力されたデータ(入力データ)を、2つの通信モジュール2A,2Bのうちの制御側モジュールを介して取得する。
【0025】
スレーブ機器であるフィールド機器1のポートの制御権の切り替え(制御側/待機側の切り替え)には、次の2つのパターンが存在する。
(1)コントローラ20からフィールド機器1のコントロールレジスタにコマンドを書き込むことによる切り替え。
(2)フィールド機器1自身による自己診断異常を検出することによる切り替え。
スレーブ機器であるフィールド機器1の制御側ポートと接続されている通信モジュールが故障した場合には、そのセグメント上でのマスタ−スレーブ通信が不通となるため、通信モジュールの制御権が切り替わるとともに、スレーブ機器であるフィールド機器1は通信モジュールとの間の通信異常を検出して、もう一方のポートを制御側に切り替えて通信を継続する。
【0026】
次に、本実施例における特徴的構成について説明する。
【0027】
図1に示すように、本実施例のフィールド通信システムでは、通信モジュール2Aおよび通信モジュール2Bのそれぞれに、第1のポート21および第2のポート22が設けられている。
【0028】
また、通信モジュール2Aの第1のポート21、通信モジュール2Bの第1のポート21およびフィールド機器1,1,・・・の第1のポート11,11,・・・に、第1の通信線51が、通信モジュール2Aの第2のポート22、通信モジュール2Bの第2のポート22およびフィールド機器1,1,・・・の第2のポート12,12,・・・に、第2の通信線52が、それぞれ接続されている。
【0029】
本実施例では、制御側の通信モジュールがフィールド機器1,1,・・・との間でデータ交換を行い、待機側の通信モジュールが制御側の通信モジュールの動作/停止を観察する。制御側の通信モジュールはフィールド機器1,1,・・・との通信状態を、待機側の通信モジュールは制御側の通信モジュールの状態を、それぞれコントローラ20に通知しており、コントローラ20はこれらの通知に基づいて総合的に判断し、通信モジュール2A、2Bの制御権をどちらに与えるかの判定を行う。
【0030】
制御権が与えられた通信モジュールはスレーブ機器であるフィールド機器、1,・・・との間でデータ交換を実施する。このとき、第1のポート21および第2のポート22はどちらもマスタとして同様の通信を行う。例えば、図1では、通信モジュール2Aに制御権が与えられた状態を示しているが、通信モジュール2Aの第1のポート21および第2のポート22は同様の通信を行う。
【0031】
コントローラ20は制御側の通信モジュールの第1のポート21および第2のポート22に同じデータを出力するが、有効になるのはフィールド機器1,1,・・・の制御側のポートへの出力データである。すなわち、図1に示す状態においては、コントローラ20は通信モジュール2Aを介して第1の通信線51および第2の通信線52に同一のデータを出力する。しかし、フィールド機器1,1,・・・の第1のポート11への出力データのみが使用される。また、コントローラ20は、フィールド機器1,1,・・・の第1のポート11から通信モジュール2Aを介して入力データを取得する。
【0032】
待機側の通信モジュール、すなわち図1の状態において、通信モジュール2Bは第1のポート21および第2のポート22に接続された第1の通信線51および第2の通信線52から、制御側である通信モジュール2Aのポート毎(第1のポート21および第2のポート毎)の状態を観察する。制御側である通信モジュール2Aは、スレーブ機器であるフィールド機器1,1,・・・との通信状態を、待機側である通信モジュール2Bは、制御側である通信モジュール2Aの状態をそれぞれコントローラ20に通知し、コントローラ20はこれらの通知に基づいて総合的に判断し、制御権を与えるべき通信モジュールを決める。
【0033】
図2(a)は、フィールド機器1,1,・・・の各ポートの制御側/待機側の割り当てが混在した状態を示している。図1の例では、フィールド機器1,1,・・・のすべての第1のポート11が制御側に設定されている状態を示しているが、図2(a)に示すように、制御側のポートとして第1のポート11および第2のポート12が混在した状態も許容されるため、各フィールド機器1において制御権を与えるポートは任意に選択できる。図2(a)に示す状態においては、第2のポート12が制御側に設定されたフィールド機器1については、第2の通信線52を介して通信モジュール2Aの第2のポート22との間でデータのやりとりが行われる。
【0034】
図2(b)は、図2(a)の状態から通信モジュール2Aが故障した後の状態を示している。この場合には、制御権が通信モジュール2Bに移行する。そして、第1のポート11に制御権のあるフィールド機器1については、通信線51を介して通信モジュール2Aの第1のポート21との間で通信が行われ、第2のポート12に制御権のあるフィールド機器1については、通信線52を介して通信モジュール2Aの第2のポート22との間で通信が行われる。
【0035】
このように、本実施例では、通信モジュールを2ポート化して通信機能の二重化機能と組み合わせたPROFIBUS冗長化システムを構成しているので、スレーブ機器の片側のポートから見たときに通信モジュールが冗長化構成をとることになる。したがって、片側の通信モジュールが異常となった場合でも、もう一方の通信モジュールによって、冗長化スレーブ機器の両側のポートとの間の通信を継続することができる。
【実施例2】
【0036】
図3は、実施例2のフィールド通信システムとしてのフィールド制御システムの構成を示すブロック図である。図3において、図1と同一要素には同一符号を付している。
【0037】
本実施例のフィールド通信システムでは、通信モジュールの個々のポートについて制御側/待機側の選択を可能としている。すなわち、図3において通信モジュール2Aの第1のポート21および第2のポート22のそれぞれについて、制御側/待機側を独立して設定することができる。これにより、正常なポートを適宜、組み合わせることで、制御側、待機側の両ポートを獲得することが可能となる。
【0038】
図3に示す状態では、通信モジュール2Aの第1のポート21および通信モジュール2Bの第2のポート22に制御権が与えられ、通信モジュール2Aの第2のポート22は待機側に設定されている。この場合には、フィールド機器1,1,・・・の制御側のすべてのポートが、第1の通信線51および第2の通信線を介して、通信モジュール2Aの第1のポート21および通信モジュール2Bの第2のポート22のいずれかに接続される。このため、すべてのフィールド機器1,1,・・・について通信モジュールを介するコントローラ20との間の通信が可能となる。
【0039】
また、図3に示すように、例えば、通信モジュール2Bの第1のポート21に故障が発生したような場合にも、対応することが可能となる。
【0040】
このように、本実施例によれば、通信モジュール単位ではなく、ポート単位での制御側/待機側の設定を許容することにより、ポート単位での制御権の切り替えが可能となる。したがってさらなる冗長化構成の強化を図ることができる。
【実施例3】
【0041】
図4は、実施例3のフィールド通信システムとしてのフィールド制御システムの構成を示すブロック図である。図4において、図1と同一要素には同一符号を付している。
【0042】
図4に示すように、本実施例のフィールド通信システムでは、通信モジュールの二重化は行われておらず、通信モジュール2Aの一方のポートを制御側のポートとして、他方のポートを待機側ポートとして、それぞれ使用している。図4では、通信モジュール2Aの第1のポート21を制御側として、通信モジュール2Aの第2のポートを待機側のポートとして、それぞれ使用する状態を示しており、通信モジュール2Aの第1のポート21およびフィールド機器1,1,・・・の第1のポート11,11,・・・が通信線51により、通信モジュール2Aの第2のポート22およびフィールド機器1,1,・・・の第2のポート12,12,・・・が通信線52により、それぞれ接続されている。
【0043】
本実施例では、通信モジュールについての冗長化は行われていないが、スレーブ機器であるフィールド機器1,1,・・・についての冗長化構成を低コストで構築することができる。
【0044】
図5は、本実施例のフィールド通信システムを利用して、1ポートのフィールド機器に対応する構成例を示している。
【0045】
図5に示すように、スレーブ機器の冗長化に関係しない範囲においては、スレーブ冗長化に対応していない1ポートのフィールド機器10,10,・・・を、通信モジュール2Aの第1のポート21および第2のポート22に振り分けることができる。この場合には、通信モジュール2Aのポート毎に独立したPROFIBUS通信環境を構築できる。これにより、1つの通信モジュールで従来の2倍の数のフィールド機器を取り扱うことが可能となる。
【0046】
また、図1に示す実施例1のフィールド通信システムにおける第1の通信線51および第2の通信線52に、フィールド機器10,10,・・・を振り分けるように接続することにより、通信モジュールの冗長化を図ることができる。
【0047】
なお、通信モジュール内のリソースは、基本的にはポート毎にエンジニアリング可能な機器台数が決まっている。しかしユーザ要求によって2つのポート間でエンジニアリング可能な上限数に相違がある設定とすることにより、通信モジュールのリソースをポート毎にフレキシブルに割り当てることもできる。
【0048】
以上説明したように、本発明のフィールド通信システムによれば、第1のスレーブ機器側通信ポートと第1のマスタ機器側通信ポートとの間を第1の通信線で接続し、第2のスレーブ機器側通信ポートと第2のマスタ機器側通信ポートとの間を第2の通信線で接続するので、通信モジュールに設けられた第1のマスタ機器側通信ポートおよび第2のマスタ機器側通信ポートを利用することで、通信の信頼性を向上させることができる。
【0049】
また、通信モジュールを二重化することにより、スレーブ機器であるフィールド機器の片側のポートから見たときに通信モジュールが冗長化構成をとることになる。したがって、片側の通信モジュールが異常となった場合でも、もう一方の通信モジュールによって、冗長化スレーブ機器の両側のポートとの間の通信を継続することができる。
【0050】
本発明の適用範囲は上記実施形態に限定されることはない。本発明は、スレーブ機器としてのフィールド機器と、マスタ機器としての通信モジュールとの間で通信を実行するフィールド通信システムに対し、広く適用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 フィールド機器(スレーブ機器)
2A 通信モジュール(マスタ機器、第1の通信モジュール)
2B 通信モジュール(マスタ機器、第2の通信モジュール)
11 第1のポート(第1のスレーブ機器側通信ポート)
12 第2のポート(第2のスレーブ機器側通信ポート)
21 第1のポート(第1のマスタ機器側通信ポート)
22 第2のポート(第2のマスタ機器側通信ポート)
51 第1の通信線
52 第2の通信線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スレーブ機器としてのフィールド機器と、マスタ機器としての通信モジュールとの間で通信を実行するフィールド通信システムにおいて、
前記フィールド機器に設けられた第1のスレーブ機器側通信ポートおよび第2のスレーブ機器側通信ポートと、
前記通信モジュールに設けられた第1のマスタ機器側通信ポートおよび第2のマスタ機器側通信ポートと、
前記第1のスレーブ機器側通信ポートと前記第1のマスタ機器側通信ポートとの間を接続する第1の通信線と、
前記第2のスレーブ機器側通信ポートと前記第2のマスタ機器側通信ポートとの間を接続する第2の通信線と、
を備えることを特徴とするフィールド通信システム。
【請求項2】
前記通信モジュールとしての第1の通信モジュールおよび第2の通信モジュールを備え、
前記第1の通信モジュールおよび前記第2の通信モジュールにより二重化構成がとられ、
前記第1の通信モジュールの前記第1のマスタ機器側通信ポートおよび前記第2の通信モジュールの前記第1のマスタ機器側通信ポートはいずれも前記第1の通信線に接続され、
前記第1の通信モジュールの前記第2のマスタ機器側通信ポートおよび前記第2の通信モジュールの前記第2のマスタ機器側通信ポートはいずれも前記第2の通信線に接続されることを特徴とする請求項1に記載のフィールド通信システム。
【請求項3】
前記第1の通信モジュールの前記第1のマスタ機器側通信ポート、前記第2のマスタ機器側通信ポート、前記第2の通信モジュールの前記第1のマスタ機器側通信ポートおよび前記第2のマスタ機器側通信ポートは、それぞれ、制御側/待機側のいずれかを選択可能とされていることを特徴とする請求項2に記載のフィールド通信システム。
【請求項4】
前記フィールド機器と前記通信モジュールとの間でPROFIBUS通信を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィールド通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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