説明

フイン貫通型層状体熱交換器

【課題】、
熱交換器内の未交換熱量の効果的な回収と熱交換率の向上を提供することができる。
【解決手段】 本発明のフイン貫通型層状体熱交換器には、熱通過促進を目的として上下の伝熱仕切板で仕切られた低温流体層と高温流体層上下に空気流体の流れ方向に熱通過に適した物質による熱通過促進フインを貫通させて配置することで、未交換熱量を限りなく削減し交換熱量とすることで熱交換率の向上を図ることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、層状体熱交換器に熱通過に適した物質による熱通過促進フイン板を貫通配置させて空気流体中心部の未交換熱量の回収と熱通過の増大に伴う熱伝達促進を有すフイン貫通型層状体熱交換器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空調用などの、空気流体対空気流体の層状体型熱交換器は小容積伝熱素体で空気流体を少量ずつ熱交換することで、高い熱交換率を達成しまた、必要流量の確保は少量ずつ熱交換する小容積伝熱素体を層状体に構成し、空気流体の圧力損失を最小限に抑えることができ、構成素材は非金属の樹脂や紙などを用いることで、大量に必要とする伝熱材料とすることで実用上充分であった。
【0003】
しかし、熱交換率は70パーセント前後に止まっている。そのため、従来の基本的構成を換えずに、新たな技術の開発により熱交換率の改善が求められている。
【0004】
以下、図4、図5、図6、より従来の熱交換器について説明する。
図において、伝熱仕切板3で仕切られた低温流体層1と高温流体層4を各流体層の高さを2〜3ミリメートルに程度とすることで、伝熱仕切板3を通して熱交換率70パーセント程度が期待できる。
【特許文献1】特開2004−293862公開特許公報(A) (図1)
【非特許文献1】「換気・送風・環境機器綜合カタログ2007−2008.3 P333松下エコシステムズ株式会社」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、従来の層状体型熱交換器の構成を換えずに、熱交換率の改善を図るものであるが、伝熱仕切板3で仕切られた低温流体層1と高温流体層4を各流層の高さを2〜3ミリメートル程度に低くすることで空気流体が有する熱量を、伝熱仕切板3を通して熱交換率70パーセント程度の熱交換が期待できるが、残りの30パーセント程度の未交換熱量は空気流体の中心部(ア)に有り、温度境界層の影響を受け熱交換されずに排出される問題がある。
【0006】
本発明は、従来の熱交換器の基本的構成を換えずに問題を解決しようとするものであり、温度境界層の影響で空気流体の中心部に存在する未交換熱量は伝熱仕切板3を通すだけでは熱交換しきれないので、熱通過に適した物質による熱通過促進フインを設置することで空気流体の中心部に存在する未交換熱量を効率的に熱交換する熱交換器を実現することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の高効率熱交換器は、温度境界層の影響で空気流体の中心部に存在する未交換熱量を交換熱量にするため、層状に重ねた伝熱仕切板を上下に貫通させて空気流体の流れ方向に熱通過に適した物質による熱通過促進フインを配置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の高効率熱交換器は、温度境界層の影響で空気流体の中心部に存在する未交換熱量を、層状に重ねた伝熱仕切板を上下に熱通過に適した物質による熱通過促進フインを空気流体の流れ方向に貫通させてフインの熱通過作用で、未熱交換の熱量を限りなく削減し交換熱量とすることで熱交換率を改善する。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例1】
【0009】
熱通過率の改善法として、図1、図2、図3おいて、伝熱仕切板3で仕切られた低温流体層1と高温流体層4を上下に空気流体の流れ方向に熱通過に適した物質による熱通過促進フイン2を貫通させて配置することで、低温流体層1と高温流体層4の空気流体の中心部(ア)に在る低温と高温の未交換熱量を、熱通過促進フイン2の熱通過作用で未交換熱量を限りなく削減し交換熱量とすることで熱交換率を改善する。
【産業上の利用可能性】
【0010】
従来技術の熱交換器は空調用の熱交換器として広く普及しており、更なる熱交換率の向上が求められているので、本発明の技術の利用可能性は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の構成の一例を示す斜視図である。(実施例1)
【図2】請求項1の発明の内部構成(a図b図で1組)の一例を示す説明図である。(実施例1)
【図3】請求項1の発明の垂直断面(図1A−A)で未交換熱量の一例を示す説明図である。(実施例1)
【図4】従来の技術の構成の一例を示す斜視図である。
【図5】従来の技術の内部構成(c図d図で1組)の一例を示す説明図である。
【図6】従来の技術の垂直断面(図4B−B)で未交換熱量の一例を示す説明図である。

【符号の説明】
1 低温流体層
2 熱通過促進フイン
3 伝熱仕切板
4 高温流体層
5 伝熱仕切り保持足
6 側板
7 天板
8 底板
(ア) 未交換熱量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下の伝熱仕切板で仕切られた低温流体層と高温流体層の上下に空気流体の流れ方向に熱通過に適した物質による熱通過促進フインを貫通させて配置することで、未交換熱量を限りなく削減し交換熱量とすることで、熱交換率向上を図ることを特徴とするフイン貫通型層状熱交換器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−68822(P2009−68822A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−265934(P2007−265934)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【出願人】(504193837)国立大学法人室蘭工業大学 (70)
【出願人】(500079137)有限会社ダイワ冷設工業 (2)
【Fターム(参考)】