説明

フェノール樹脂引抜成形のためのサイジング調合物及びその形成方法

フェノール樹脂引抜成形に用いられる繊維ガラス強化ロービングのための、サイジング調合物及びサイジング調合物の製造方法を提供する。サイジング調合物は、1%〜7%のフィルム形成ポリマー、0.3%〜3.5%のシランカップリング剤、0.5%〜3.0%の非イオン潤滑剤、及び0.2%〜3.5%のカチオン潤滑剤を含む。任意に、サイジング組成物は、3%までの水性ウレタン溶液を含む。サイジング組成物は、引抜成形方法に用いられるフェノール樹脂と高い適合性があり、且つ相互作用の改良、及び個々の繊維とマトリックス樹脂との間の適合性の増加を促進する。この相互作用の増加が機械的特性を高めるため、より優れた性能特性を有する繊維強化フェノール樹脂合成部を形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、サイジング調合物に関し、さらに詳細には、フェノール樹脂引抜成形に用いられ得る繊維ガラス強化ロービングのためのサイジング調合物に関する。また、フェノール樹脂引抜成形と適合性のあるサイジング調合物の製造方法も提供する。
【背景技術】
【0002】
強化複合体は、自動車部品、ボートの船体及び釣り竿などの用途として普及しているため、急速に成長している。強化ポリマー複合体は、ポリマーマトリックス物質、強化物質又は他の所望の成分から、種々の方法で形成することができる。そのような複合体は、ガラス繊維強化材を用いて形成され、この強化材は、寸法安定性と優れた機械的特性とを、得られた複合体に与える。例えば、ガラス繊維は、大気条件の変化に応じて伸縮しない寸法安定性を提供する。さらに、ガラス繊維は、高抗張力、耐熱性、耐湿性及び高熱伝導性を有する。
ガラス繊維は一般に、溶融形態のガラスをブッシングに供給し、そのブッシングから繊維を引き抜き、次に繊維をトウやストランドに集めることによって製造する。サイジング組成物、又は化学的処置は典型的に、それらをブッシングから引き抜いた後、繊維に適用する。サイジング組成物は、その後の工程中、繊維を破損から保護し得る。典型的なサイジング組成物は、水に溶解又は分散される(乳濁又は分散形態)カップリング剤、フィルム形成剤、潤滑剤、乳化剤又は静電気防止剤を含み得る。しかし、慣用的に用いられるいくつかの有機溶媒、例えばスチレン及びキシレンは、可燃性であり、火及び健康被害の両方をもたらす。リチウムクロライドは一般に、静電気防止剤としてもサイジング組成物に用いられるが、収量に悪影響を与える傾向のために、使用には望ましくない。
【0003】
サイジング組成物は、ガラスをポリマー材料のための強化材として用いる場合に望ましい。サイジングされたストランドを典型的に、コレットに巻き、包装し、乾燥し、及び連続的なロービングに合わせて巻く。いくつかの困難が、連続的な繊維及びこれらの繊維から製造されるロービングの使用に伴う。巻かれたロービングの使用に伴う一つの問題は、ストランドの巻き取り、巻き戻し、又は操作中における、個々の繊維の破損である。繊維のフィラメント間の摩耗は、それらの破損する原因となり、その結果、ほぐれた端は、繊維ストランドから分離する。これらのほぐれて破損した端は、繊維の表面上に粗い層や綿毛を形成する。綿毛は、製織工程中に繊維が破損するときにも発生し得る。この綿毛は、織物製品の外観に影響を与えるため、望ましくない。繊維の破損はまた、加工機械接触部及び他の表面上に、綿毛を形成することにもなる。この綿毛形成が今度は、静電気によって悪化する。さらに、この綿毛は、しばしば空中浮遊物となり、それによって繊維ストランドを扱う労働者にとって皮膚及び呼吸器刺激の原因となる。さらに、綿毛は、集まって破損繊維のふさやたまを形成し得、これらは加工装置に詰まるか、又は繊維ストランドを浸すのに用いられる樹脂浴に入る。
【0004】
サイジング組成物の使用に関する別の問題は、サイジング組成物と、複合体を形成するのに用いられるポリマーマトリックスとの間の不適合性である。繊維と、それらが組み込まれるポリマー複合材料との間の不適合性の問題を解決するいくつかの方法が試されており、これらの方法は、硬化剤やカップリング剤を含む組成物の開発を含む。しかし、ガラス繊維とポリマーマトリックスとの間の限定的結合を容易にする薬剤の認知された必要性が依然として残っている。
従って、当技術分野では、製造及び繊維への適用が容易であり、ガラス繊維を摩耗から保護し、樹脂及びガラス間の化学的界面を改良し、且つ環境的に望ましくない成分を含んで使用されない、改良サイジング組成物が必要である。
【発明の開示】
【0005】
本発明の少なくとも一つの実施態様は、1%〜7%のフィルム形成ポリマー、0.3%〜3.5%のシランカップリング剤、0.5%〜3.0%の非イオン潤滑剤、及び0.2%〜3.5%のカチオン潤滑剤を含むサイジング調合物を提供する。任意に、サイジング調合物は、0%〜3%の水分散性脂肪族ポリエーテル系ポリウレタン溶液を含んでもよい。サイジング組成物のフィルム形成ポリマー成分は、ガラス繊維上に薄いフィルムを形成すると当業者が認めるいずれのポリマーを含んでもよい。しかし、サイジング調合物に使用するためのフィルム形成ポリマーの好適な例は、アクリル、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアセタート、ポリウレタン及びフェノールなどの樹脂を含む。サイジング組成物に用いることのできるカチオン潤滑剤は、部分的にアミド化された長鎖ポリアルキレンイミンを含む。好ましくは、部分的にアミド化されたポリアルキレンイミン付加物は、ポリエチレンイミンと、ペラルゴン酸及びカプリル酸などの脂肪酸との縮合反応生成物である。非イオン潤滑剤は、ポリオキシアルキル化ポリアルキレングリコールエステル、例えば脂肪酸モノエステルでもよい。好ましくは、非イオン潤滑剤は、ポリエチレングリコールモノ-オレアートである。サイジング調合物に典型的に用いられるカップリング剤は、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ-グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、アミノ官能性シランエステル、及びフェニルアミノプロピルトリメトキシシランなどの有機シランを含む。
【0006】
本発明の別の実施態様では、1%〜7%のフィルム形成ポリマー、0.3%〜3.5%のシランカップリング剤、0.5%〜3.0%の非イオン潤滑剤、及び0.2%〜3.5%のカチオン潤滑剤を含むサイジング調合物の形成方法を提供する。特に、サイジング調合物のそれぞれの成分を、およそ21.12℃〜26.67℃(70°F〜80°F)の温度に保持した水中で、別々に前混合する。好ましくは、水は脱塩水である。前混合物を攪拌して均一な混合物を提供し、次に主要な混合槽に加える。次に、生成する組成物を、主要混合槽で、通常5〜10分の間攪拌する。熱(例えば、110°F(43.33℃)で60分)を用いて水及び全ての揮発性物質を除去し、混合物に存在する固形物(例えば有機固形物)のみを得ることによって、組成物の固形物含量を試験してもよい。次に、脱塩水を加えて、所望の固形分比率(例えば3%〜6%の固形物)を達成してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
強化要素として用いられるガラス繊維は通常、サイズ被覆剤によって被覆されており、この被覆剤は、加工、操作及び/又は使用中の摩耗による損傷から繊維を保護し、多少きつめに統合されている多くの繊維の束又はストランドに個々の繊維を結合し、及び/又は繊維と、強化要素としてそれらが埋め込まれている樹脂マトリックスとの間の強化相互作用を高めるのに役立つ。ガラス繊維は典型的に、溶融ガラスを複数の好適なオリフィス(例えばブッシング)を通じて流し、これらの流れを細くして、ガラスが冷却及び凝固する際に所望の繊維径とすることによって形成される。
【0008】
ガラス繊維が形成したら、サイジング組成物を適用する。液体サイジング組成物を、噴霧、液体サイジング組成物で湿った好適なロール、ベルト、エプロン、パッド等を介しての繊維の引き抜き、又は当業者にとって既知である他の慣習的液体被覆方法によって適用することができる。サイジング組成物を、ガラス繊維の形成中、繊維が形成された直後、インラインでガラス繊維へ適用してもよい。インラインでのサイジング組成物の適用は、ガラス繊維の形成工程の残り及びそれに続く操作の間、損傷から繊維を保護するのを助ける。それとは別に、あらかじめ形成及び/又は包装されたガラス繊維を、オフラインでサイジング調合物で被覆してもよい。ガラス繊維へのサイジング剤の被覆は、破損フィラメント(綿毛)の発生を減少させ、且つ繊維の加工特性、例えば繊維束粘着、繊維の滑らかさ及び柔軟性、摩耗抵抗性、及び繊維束の巻き戻しの容易さを改良する。次に、ガラス繊維を乾燥し(例えばオーブンで)、さらなる加工、保管及び/又は出荷のために好適な包装、例えば連続的なロービングに巻き取ることによって集めてもよい。次に、そのロービングを、その後の工程、例えば引抜成形工程などに用いて、強化合成部材を形成してもよい。
フェノール樹脂引抜成形工程において、強化複合体が形成されるのは、熱硬化性ポリマーが、樹脂浴被覆装置、プロファイリング、及び配列金型を通じて引っ張られて、ガラスロービングの繊維間で強制的に塗布されるときである。例えば、ガラスロービングを、フェノール樹脂浴に送り、樹脂をガラス繊維に含浸するのを促進するスプレッダーバー(spreader bars)上で移動させる。これらのロービングが十分に樹脂で含浸されたら、それらを樹脂浴から出す。これらの含浸ロービングを、成形用金型に入れる前に、ある形状又は概観(例えばロッド)に前形成する。次に、前形成形状を有するロービングを、その部分が加熱金型を通るようにして、連続的に加熱することによって複合体の形状に硬化させる。次に、加熱金型から出た合成部を、所望の長さに切る。このようにして、連続的なロービングが、ポリマー樹脂で含浸され、その樹脂及び繊維が、複合体の形状に形づくられる。
【0009】
本発明の態様の、そのようなフェノール樹脂引抜成形方法で用いられる繊維を被覆するためのサイジング組成物は、1%〜7%のフィルム形成ポリマー、0.3%〜3.5%のシランカップリング剤、0.5%〜3.0%の非イオン潤滑剤、及び0.2%〜3.5%のカチオン潤滑剤を含む。任意に、サイジング調合物は、0%〜3%の水分散性脂肪族ポリエーテル系ポリウレタン溶液を含む。
サイジング組成物のフィルム形成ポリマー成分は、ガラス繊維上に薄いフィルムを形成すると当業者が認めるいずれのポリマーを含んでもよい。サイジング調合物に使用するためのフィルム形成ポリマーの好適な例は、アクリル、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアセタート、ポリウレタン及びフェノール樹脂などの樹脂を含む。好ましい態様では、フィルム形成ポリマーは、ポリアミド、例えばGeorgia Pacific Resinsから市販されているGP 2925(ガラス及び鉱物性繊維サイジング剤)などである。
【0010】
サイジング調合物に用いることのできるカチオン潤滑剤は、部分的にアミド化された長鎖ポリアルキレンイミンを含む。部分的にアミド化されたポリアルキレンイミンは、典型的に約200〜約800の残留アミン値を有し、且つ約C2〜約C18の脂肪酸と、約800〜約50,000の分子量を有するポリエチレンイミンとの混合物の反応生成物である。この反応生成物の脂肪酸塩を形成するのに好適なアミンは、低分子量を有する第三級アミン、例えば窒素原子に結合しているアルキル基(アミン)が約1〜6個の炭素を有するものを含む。好ましくは、塩の脂肪酸部が、約8〜22個の炭素原子を含む。最も好ましくは、部分的にアミド化されたポリアルキレンイミン付加物は、ポリエチレンイミンと、ペラルゴン酸及びカプリル酸などの脂肪酸との縮合反応生成物である。そのような縮合反応生成物の一つの例は、Cognis社から市販されているEmery 6760Lである。それとは別に、部分的にアミド化されたポリアルキレンイミン付加物は、テトラエチレンペンタミンとペラルゴン酸、テトラエチレンペンタミン(pnetamine)とステアリン酸、又はテトラエチレンペンタミンとカプリル酸の反応生成物である。
【0011】
非イオン潤滑剤は、ポリオキシアルキル化ポリアルキレングリコールエステル、例えば脂肪酸モノエステルでもよい。好ましくは、非イオン潤滑剤は、アルコキシル化されたポリエチレングリコール脂肪酸エステル、例えばポリエチレングリコールモノ-オレアートである。好ましい態様では、非イオン潤滑剤は、約400の平均分子量を有するポリエチレングリコール基を含むモノ-オレアートエステルである。用いることのできる一つのそのような特別なモノ-オレアートは、Ethox社から市販されているPEG 400 MOである。
サイジング調合物に典型的に用いられるカップリング剤は、ガラス表面と反応して不必要なヒドロキシル基を除去することのできる加水分解可能基を有する。例えば、カップリング剤は、ガラス繊維の表面と相互作用できる1-3の加水分解可能官能基、及びポリマーマトリックスと適合性のある1種以上の有機基を有することができる。好ましいカップリング剤は、有機シラン、例えばγ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ-グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、アミノ官能性シランエステル及びフェニルアミノプロピルトリメトキシシランを含む。本発明に特に好適なシランは、CK Witco Corporationから市販されているγ-アミノプロピルトリエトキシシラン、A-1100である。
任意に、サイジング調合物は、溶媒がいらず、無害で、且つ汚染の無い水分散性脂肪族ポリエーテル系ポリウレタン溶液を含んでもよい。好適な水分散性ポリエーテル系ポリウレタン溶液の一つの例は、ノースカロライナ州ローリーのHydrosizeTM Technorogies社から市販されているHydrosizeTM U6-X03である。
【0012】
そのようなサイジング組成物を調合するために、それぞれの成分を、およそ21.12℃〜26.67℃(70°F〜80°F)の温度で保持された水中で別々に前混合してもよい。好ましくは、水は脱塩水である。各々それぞれの前混合に用いられる水の量は、その特定の成分の分散及び溶解の容易さに依存して変化する。次に、前混合物を攪拌して、主要な混合槽に加えることができる。次に、得られた組成物を、均一な溶液を提供するのに好適な時間、通常5〜10分、主要混合槽で攪拌する。任意に、熱(例えば、110°F(43.33℃)で60分)を用いて水及び全ての揮発性物質を除去し、混合物に存在する固形物(例えば有機固形物)のみを得ることによって、組成物の固形物含量を試験してもよい。任意に、脱塩水を加えて、所望の固形分比率、例えば3%〜6%の固形物を達成してもよい。目的の混合固形物は、正確な最終ストランド固形物を提供する。
本発明のサイジング調合物の代表的な例を、以下の表1〜5に示す。
【0013】
表1

(a)は、予測サイズ混合固形物を計算するのに用いられる固形物の質量パーセントである。
【0014】
表2



【0015】
表3

1HydrosizeTM U6-X03は、水分散性脂肪族ポリエーテル系ポリウレタン溶液である。
【0016】
表4

1A-1126は、アミノ官能性シランエステルである。
2EE732は、修飾エポキシフィルム形成剤である。
【0017】
表5

1HydrosizeTM U6-X03は、水分散性脂肪族ポリエーテル系ポリウレタン溶液である。
2PD-166は、エポキシ修飾ポリビニルアセタートコポリマーである。
【0018】
サイジング組成物をガラス繊維に適用すると、引抜成形方法に用いられるフェノール樹脂浴と適合性のあるロービングが形成される。サイジング組成物は、フェノール樹脂樹脂との高い適合性を有し、個々のガラス繊維をマトリックス樹脂によって十分に分散又は湿らせる。これは、繊維ストランドの非フィラメント化、又はストランドの解体をさらに促進することで、繊維突起を減少させ、得られる複合体の表面の均一又は滑らかな外観を改良し、且つ個々の繊維とマトリックス樹脂との間における界面の増加を促進する。この増加した界面は、構造用途に必要な良好な機械的特性を生じる。結果として、より優れた作動特性を有する繊維強化フェノール樹脂合成部を形成することができる。
さらに、サイジング組成物は、ロービングを完成複合部材へ加工する際の綿毛又は破損フィラメントを最小限にし、さらに樹脂湿式工程中にそれらを解体して優れた樹脂含浸を与える。さらに、改良された適合性は、ライン速度の増加をもたらし、生産力を改良することもできる。改良された適合性は、より速い硬化速度を可能にし、製造業者に対して同様の装置でより多くの物質を製造する機会を与え得る。
本出願の発明を、上記の一般的及び特定の態様両方に関して記載した。本発明は、好ましい態様とされるものとして詳述したが、当業者にとって既知の広範囲な選択を、一般的な開示の範囲内で選択することができる。本発明は、請求項の記載以外には制限されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む、フェノール樹脂引抜成形方法と適合性のある、サイジング組成物。
・1%〜7%のフィルム形成ポリマー、
・0.5%〜3.0%のシランカップリング剤、
・0.5%〜3.0%の非イオン潤滑剤、
・0.2%〜3.5%のカチオン潤滑剤、及び
・0%〜3%の水分散性ポリエーテル系ポリウレタン溶液。
【請求項2】
前記フィルム形成ポリマーが、アクリル、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアセタート、ポリウレタン及びフェノール樹脂からなる群から選択される、請求項1記載のサイジング組成物。
【請求項3】
前記非イオン潤滑剤が、ポリオキシアルキル化ポリアルキレングリコールエステルである、請求項1記載のサイジング組成物。
【請求項4】
前記非イオン潤滑剤が、ポリエチレングリコールモノ-オレアートである、請求項3記載のサイジング組成物。
【請求項5】
前記シランカップリング剤が、有機シランである、請求項1記載のサイジング組成物。
【請求項6】
前記シランカップリング剤が、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ-グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン及びフェニルアミノプロピルトリメトキシシランからなる群から選択される、請求項5記載のサイジング組成物。
【請求項7】
前記カチオン潤滑剤が、部分的にアミド化されたポリアルキレンイミンである、請求項1記載のサイジング組成物。
【請求項8】
前記部分的にアミド化されたポリアルキレンイミンが、ポリエチレンイミンと、ペラルゴン酸及びカプリル酸からなる群から選択される脂肪酸との、縮合反応生成物である、請求項7記載のサイジング組成物。
【請求項9】
前記サイジング組成物が、フェノール樹脂引抜成形方法において、個々のガラス繊維とマトリックス樹脂との間の適合性の増加を提供する、請求項1記載のサイジング組成物。
【請求項10】
前記フィルム形成ポリマーがポリアミドであり、前記シランカップリング剤が有機シランであり、前記非イオン潤滑剤がポリオキシアルキル化ポリアルキレングリコールエステルであり、且つ前記カチオン潤滑剤が部分的にアミド化されたポリアルキレンイミンである、請求項1記載のサイジング組成物。
【請求項11】
以下を含む、フェノール樹脂引抜成形方法と適合性のある、サイジング組成物の製造方法。
・1%〜7%のフィルム形成ポリマー、0.5%〜3.0%のシランカップリング剤、0.5%〜3.0%の非イオン潤滑剤、0.2%〜3.5%のカチオン潤滑剤、及び0%〜3%の水分散性ポリエーテル系ポリウレタン溶液を混合し、混合物を形成すること、及び
・前記混合物を、均一な組成物を提供するのに十分な時間攪拌すること。
【請求項12】
前記フィルム形成ポリマーがポリアミドであり、前記シランカップリング剤が有機シランであり、前記非イオン潤滑剤がポリオキシアルキル化ポリアルキレングリコールエステルであり、且つ前記カチオン潤滑剤が部分的にアミド化されたポリアルキレンイミンである、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記混合物を形成するのに十分な時間が、5〜10分である、請求項11記載の方法。
【請求項14】
前記フィルム形成ポリマー、前記シランカップリング剤、前記非イオン潤滑剤、及び前記カチオン潤滑剤を水中で個別に前混合し、前記フィルム形成ポリマー、前記シランカップリング剤、前記非イオン潤滑剤、及び前記カチオン潤滑剤のそれぞれの前混合物を形成することをさらに含む、請求項11記載の方法。
【請求項15】
前記前混合が、およそ21.12℃〜26.67℃(70°F〜80°F)の温度で保持される、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記水が、脱塩水である、請求項14記載の方法。
【請求項17】
請求項1記載のサイジング組成物で被覆されている、少なくとも1種のガラス繊維を含む、繊維製品。
【請求項18】
以下を含む、サイジングされたガラス繊維の形成方法。
・フェノール樹脂引抜成形方法と適合性のあるサイジング組成物を、少なくとも1種のガラス繊維に適用すること。ここで前記サイジング組成物は、1%〜7%のフィルム形成ポリマー、0.5%〜3.0%のシランカップリング剤、0.5%〜3.0%の非イオン潤滑剤、0.2%〜3.5%のカチオン潤滑剤、及び0%〜3%の水分散性ポリエーテル系ポリウレタン溶液を含む、及び
・前記サイジング組成物を前記少なくとも1種の繊維上で乾燥し、サイジングされたガラス繊維を形成すること。ここで前記サイジング組成物は、フェノール樹脂引抜成形方法において、個々のガラス繊維とマトリックス樹脂との間の適合性の増加を提供する。
【請求項19】
前記フィルム形成ポリマーがポリアミドであり、前記シランカップリング剤が有機シランであり、前記非イオン潤滑剤がポリオキシアルキル化ポリアルキレングリコールエステルであり、且つ前記カチオン潤滑剤が部分的にアミド化されたポリアルキレンイミンである、請求項18記載の方法。
【請求項20】
以下を含む、フェノール樹脂引抜成形方法と適合性のある、乾燥サイジング組成物。
・5%〜30%固形物含有率のフィルム形成ポリマー、
・5%〜50%固形物含有率のシランカップリング剤、
・20%〜70%固形物含有率の非イオン潤滑剤、
・1%〜10%固形物含有率のカチオン潤滑剤、及び
・0%〜30%固形物含有率の水分散性ポリエーテル系ポリウレタン溶液。
【請求項21】
前記フィルム形成ポリマーがポリアミドであり、前記シランカップリング剤が有機シランであり、前記非イオン潤滑剤がポリオキシアルキル化ポリアルキレングリコールエステルであり、且つ前記カチオン潤滑剤が部分的にアミド化されたポリアルキレンイミンである、請求項20記載の乾燥サイジング組成物。

【公表番号】特表2006−523269(P2006−523269A)
【公表日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509267(P2006−509267)
【出願日】平成16年3月25日(2004.3.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/009090
【国際公開番号】WO2004/087599
【国際公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(595080337)オウェンス コーニング (19)
【Fターム(参考)】