説明

フェムト基地局、省電力調整ノード、無線通信システム及びコンピュータプログラム

無線通信ネットワークに接続し、第1のセルのカバーエリアに存在する少なくとも1つのユーザ機器に無線通信サービスを提供する第1のセルを生成するように構成されるフェムト基地局は、ユーザ機器と無線通信する送信器及び受信器を備える送受信器と、フェムト基地局が省電力モードになったか否かを判定し、基地局が省電力モードになったことが判定される場合に送信器の動作を停止にし、送信器の動作を停止にした後に受信器がユーザ機器からマクロ基地局へのデータ送信を検出する場合に送信器を再設定するコントローラとを備える。マクロ基地局は、第1のセルより広範なカバーエリアを有し且つ第1のセルを含む第2のセルを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェムト基地局、フェムト基地局の動作モードが省電力モードと通常モードとの間で効率的に切り替わるようにする無線通信ネットワークにおける省電力調整ノードに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、「フェムト基地局(フェムト−BS)」と呼ばれる家庭/宅内基地局は、特に遠隔地及び住宅における移動電話等のユーザ機器(UE)の限られた受電レベルに関する問題に対する解決策として提案される。フェムト−BSは、マクロ基地局(マクロ−BS)により提供されたマクロセルをロードせずに最速のユーザデータ転送速度で家庭内移動性を提供するフェムトセルと呼ばれるサービスエリアを生成する。
【0003】
フェムトセルの半径は約10mであり、フェムト−BSは、住宅内でマクロ−BSの屋内カバーエリアを提供する。住宅全体がマクロ−BSのカバーエリアにある場合、フェムト−BSは、ユーザ機器に対するデータ送信を更に大容量化する。
【0004】
家に配置されたフェムト−BSは、通常、例えばフェムト−BSのユーザが寝ている夜に休止期間を有する。フェムト−BSは、通常動作モードから省電力モード(ESモード)になり、長い期間フェムト−BSからフェムトセルに接続するUEへのダウンリンク(DL)送信をOFFにする場合、家の電気を節約できる。フェムト−BSがESモードになりDL送信をOFFにした後、UEが基地局を介して通話又はデータ送信を開始する前に一般にその基地局からのDL共通チャネル(DLCCH)を必要とするため、エンドユーザは、フェムト−BSの機械スイッチ又は近距離通信(NFC)を使用してDL送信を手動でONしなければならない。更にUEは、ユーザにより終夜使用されないが、ソフトウェア及びその設定を更新すること又はバックグラウンド動作としてコンテンツをダウンロードすることを要求する。
【発明の概要】
【0005】
従って、ユーザ動作なしでESモードから通常モードへの切り替えを可能にすることが望ましい。
【0006】
本発明の第1の態様によれば、無線通信ネットワークに接続し、第1のセルを構築し、該第1のセルのカバーエリアに存在する少なくとも1つのユーザ機器に無線通信サービスを提供するように構成されるフェムト基地局が提供される。フェムト基地局は、ユーザ機器と無線通信する送信器及び受信器を備える送受信器と、コントローラとを備える。コントローラは、フェムト基地局を省電力モードに移行するか否かを判定する。コントローラは、フェムト基地局を省電力モードに移行すると判定する場合、送信器の動作を停止する。送信器の動作を停止した後に受信器がユーザ機器からマクロ基地局へのデータ送信を検出する場合、コントローラは送信器を再設定する。マクロ基地局は、無線通信サービスをユーザ機器に提供するために第1のセルよりもカバーエリアが広く且つ第1のセルを含む第2のセルを構築するように構成される。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、省電力調整ノードが第1のセルのカバーエリアに存在する少なくとも1つのユーザ機器に無線通信サービスを提供する第1のセルを構築するフェムト基地局の動作をサポートするように構成される、無線通信ネットワークにおける省電力調整ノードが提供される。省電力調整ノードは、無線通信サービスをユーザ機器に提供するために第1のセルよりもカバーエリアが広く且つ第1のセルを含む第2のセルを構築するマクロ基地局の物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)の設定情報を受信する受信器と、設定情報をフェムト基地局に送信する送信器とを備える。
【0008】
本発明の第3の態様によれば、省電力調整ノードが第1のセルのカバーエリアに存在する少なくとも1つのユーザ機器に無線通信サービスを提供する第1のセルを生成するフェムト基地局の動作をサポートするように構成される、無線通信ネットワークにおける省電力調整ノードが提供される。省電力調整ノードは、フェムト基地局がフェムト基地局の無線送信機能が停止になる省電力モードに移行する旨の通知をフェムト基地局から受信する第1の受信器と、無線通信サービスをユーザ機器に提供するために第1のセルよりもカバーエリアが広く且つ第1のセルを含む第2のセルを構築するマクロ基地局から、マクロ基地局によってサービスされているユーザ機器の位置情報を受信する第2の受信器と、受信した位置情報に基づいてユーザ機器が第1のセルからのサービス提供を受けることが可能か否かを判定するコントローラと、ユーザ機器が第1のセルからサービス提供を受けることが可能であるとコントローラが判定した場合に、起動命令をフェムト基地局に送信する送信器と備える。
【0009】
本発明の第4の態様によれば、フェムト基地局、マクロ基地局及び省電力調整ノードを含む無線通信システムが提供される。システムにおいて、フェムト基地局は、第1のセルのカバーエリアに存在する少なくとも1つのユーザ機器に無線通信サービスを提供する第1のセルを構築するように構成される。フェムト基地局は、ユーザ機器と無線通信する送信器及び受信器を備える送受信器と、省電力調整ノードと通信するネットワークインタフェースと、コントローラとを備える。コントローラは、フェムト基地局を省電力モードに移行するか否かを判定する。コントローラは、フェムト基地局を省電力モードに移行すると判定する場合、送受信器の送信器の動作を停止にする。ネットワークインタフェースは、マクロ基地局の物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)の設定情報を受信する。送信器の動作を停止にした後に設定情報を使用して再設定される受信器がユーザ機器からマクロ基地局へのデータ送信を検出した場合、コントローラは送信器を再設定する。システムにおいて、マクロ基地局は、無線通信サービスをユーザ機器に提供するために第1のセルよりもカバーエリアが広く且つ第1のセルを含む第2のセルを構築し、設定情報を省電力調整ノードに送信するように構成される。システムにおいて、省電力調整ノードは、マクロ基地局から設定情報を受信する受信器と、設定情報をフェムト基地局に送信する送信器とを備える。
【0010】
本発明の第5の態様によれば、フェムト基地局、マクロ基地局及び省電力調整ノードを含む無線通信システムが提供される。システムにおいて、フェムト基地局は、第1のセルのカバーエリアに存在する少なくとも1つのユーザ機器に無線通信サービスを提供する第1のセルを生成するように構成される。フェムト基地局は、ユーザ機器と無線通信する送信器及び受信器を備える送受信器と、省電力調整ノードと通信するネットワークインタフェースと、コントローラとを備える。コントローラは、フェムト基地局を省電力モードに移行するか否かを判定する。コントローラは、フェムト基地局を省電力モードに移行すると判定した場合、送受信器の送信器の動作を停止にする。ネットワークインタフェースは、省電力モードに移行する旨の通知を省電力調整ノードに送信する。受信器が省電力調整ノードから起動命令を受信した場合、コントローラは送信器を再設定する。システムにおいて、マクロ基地局は、無線通信サービスをユーザ機器に提供するために第1のセルよりもカバーエリアが広く且つ第1のセルを含む第2のセルを構築し、第2のセルにおけるユーザ機器の位置情報を省電力調整ノードに送信するように構成される。システムにおいて、省電力調整ノードは、フェムト基地局から通知を受信する第1の受信器と、位置情報を受信する第2の受信器と、受信した位置情報に基づいて第2のセル内のユーザ機器が第1のセルからのサービス提供を受けることが可能か否かを判定するコントローラと、ユーザ機器が第1のセルからのサービス提供を受けることが可能であるとコントローラが判定した場合に起動命令をフェムト基地局に送信する送信器と備える。
【0011】
本発明の第6の態様によれば、第1のセルのカバーエリアに存在する少なくとも1つのユーザ機器に無線通信サービスを提供する第1のセルを生成するフェムト基地局としてコンピュータを機能させるコンピュータプログラムが提供される。フェムト基地局は、ユーザ機器と無線通信する送信器及び受信器を備える送受信器と、コントローラとを備える。コントローラは、フェムト基地局を省電力モードに移行するか否かを判定する。コントローラは、フェムト基地局を省電力モードに移行すると判定した場合、送信器の動作を停止する。送信器の動作を停止した後に受信器がユーザ機器からマクロ基地局へのデータ送信を検出する場合、コントローラは送信器を再設定する。マクロ基地局は、無線通信サービスをユーザ機器に提供するために第1のセルよりもカバーエリアが広く且つ第1のセルを含む第2のセルを構築するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の例示的な一実施形態に係る無線通信ネットワークを示す図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態に係るフェムト−BS101を示す例示的な機能ブロック図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態に係るMME131を示す例示的な機能ブロック図である。
【図4】図4は、本発明の例示的な実施形態を実現するための機能構成要素を示す図である。
【図5】図5は、フェムト−BS101がESモードに移行する場合の本発明の例示的な実施形態に係る手順を説明するシーケンス図の一例を示す図である。
【図6】図6は、本発明の例示的な実施形態に係る手順を説明するシーケンス図の一例を示す図である。
【図7】図7は、「3GPP TS 36.211 V.9.0.0」に従うPRACHプリアンブルの例示的な構造を示す図である。
【図8】図8は、フェムト−BS101がESモードから復帰する場合の本発明の例示的な実施形態に係る手順を説明するシーケンス図の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下において説明する各実施形態は、一般的な概念からより具体的な概念までの種々の概念を理解するのに役立つ。
【0014】
尚、本発明の技術的な範囲は、特許請求の範囲により規定され、以下において説明する各実施形態により制限されない。また、実施形態において説明される特徴の全ての組合せが常に本発明に不可欠であるとは限らない。
【0015】
図1は、本発明の例示的な一実施形態に係る無線通信ネットワークを示す。無線通信ネットワークは、一般に第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)のLTE(Long Term Evolution)の提案に従うネットワークである。更なる実現例の詳細に対して、http://www.3gpp.org/から入手可能な3GPP技術仕様書(TS)23.401の内容が参考として本明細書に明確に取り入れられる。
【0016】
図1は、UE102Bを備える複数のユーザ機器に無線通信サービスを提供するマクロセル103を生成するマクロ−BS100を示す。UE102Bは、マクロセル103のカバーエリア内に配置される。フェムト−BS101は、住宅105に配置され、住宅内のUE102Aに無線通信サービス及びマクロ−BS100を提供する。フェムト−BS101により生成されたフェムトセル104は、マクロセル103のカバーエリアにある。
【0017】
UE102は、ANSI−136、GSM(登録商標)(汎ヨーロッパデジタル移動通信システム)通信、GPRS(汎用パケット無線サービス)、EDGE(GSM拡張向け高速データレート)、符号分割多元接続(CDMA)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、CDMA2000、LTE(Long Term Evolution)及びUMTS(ユニバーサル移動通信システム)等の無線通信プロトコルに従って無線通信リンクを介して他のUEと通信するユーザ機器である。UE102は、移動通信ネットワークを介して通信する移動電話又は他のポータブル通信デバイスであってもよい。
【0018】
マクロ−BS100は、システムアーキテクチャエボリューションゲートウェイ(SAE GW)120及びモビリティ管理エンティティ(MME)131に接続する。フェムト−BS101は、ブロードバンドアクセスネットワーク140又は専用回線を介してSAE GW120及びMME131に接続する。SAE GW120は、サービングゲートウェイ(サービングGW)121及びパケットデータネットワークゲートウェイ(PDN GW)122を含む。MMEは、本発明に係る省電力調整ノードとして機能する。MMEはHSS132に接続する。HSSは、UE102の加入者情報及びフェムト−BS101に関する情報を管理するデータベースである。コアネットワークの詳細な構造は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)のLTE(Long Term Evolution)及びシステムアーキテクチャエボリューション(SAE)の提案に対応する。実際には、更なる実現例の詳細に対して、3GPP技術仕様書(TS)23.401の内容が使用可能である。
【0019】
図2は、本発明の実施形態に係るフェムト−BS101を示す例示的な機能ブロック図である。フェムト−BS101は、コアネットワークインタフェース(I/F)201、ベースバンド(BB)送受信器202、無線周波数(RF)送受信器203、コントローラ204及同期ユニット205を備える。コアネットワークインタフェース201は、SAE GW120及びMME131を含む無線通信システムのコアネットワークと通信するインタフェースである。BB送受信器は、ベースバンド送信器202A及びベースバンド受信器202Bを含む。ベースバンド送信器202Aは、RFフレームにおいて送信されるダウンリンクデータ及びタイミング情報を符号化することを含む処理を実行し、処理結果をRF送信器203Aに提供する。ベースバンド受信器202Bは、RF受信器203Bからアップリンクデータを受信し、それらを復号化してコアネットワークインタフェース201に提供する。ベースバンド受信器202Bは、復号化アップリンクデータがUE102Aから送信された物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)プリアンブルであるか否かをチェックする。復号化アップリンクデータがUE102Aから送信された物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)プリアンブルである場合、ベースバンド受信器は、PRACHプリアンブルが検出されることをコントローラ204に通知する。
【0020】
RF送信器203Aは、ベースバンド送信器202Aからデータを受信し、D/A変換、周波数変換及び増幅を含む処理を実行する。RF送信器203Aは、処理結果をUE102に無線送信する。RF受信器203Bは、UE102からアップリンクデータを受信し、A/D変換、周波数変換及び増幅を含む処理を実行する。RF受信器203Bは、処理結果をベースバンド受信器202Bに送信する。
【0021】
コアネットワークI/F201は、SAE GW120又はMME131からダウンリンクデータを受信し、ダウンリンクデータへのプロトコル変換を実行し、変換結果をベースバンド送信器202Aに提供する。コアネットワークI/F201は、ベースバンド受信器202Bからアップリンクデータを更に受信し、プロトコル変換後にアップリンクデータをSAE GW120又はMME131に送信する。コアネットワークI/F201は、基地局に対する制御信号を受信する場合、プロトコル変換後に制御信号をコントローラ204に提供する。コアネットワークI/F201は、制御信号に対する応答をコントローラ204からコアネットワークに転送する。
【0022】
コントローラ204は、コアネットワークから受信した制御信号に従って、コアネットワークI/F201、BB送受信器202、RF送受信器203及び同期ユニット205の動作を制御する。本発明の例示的な実施形態によれば、コントローラ204は、省電力モード(ESモード)及び通常モードを含むフェムト−BS101の動作モードを制御する。通常モードからESモードにシフトするために、コントローラ204は、動作を停止するようにベースバンド送信器202A及びRF送信器203Aに命令する。ESモード中、ベースバンド受信器202BがUE102AからPRACHプリアンブルを検出し、その検出をコントローラ204に通知する場合、コントローラ204は、ESモードから通常モードにシフトする動作を再起動するようにベースバンド送信器202A及びRF送信器203Aを再設定する。
【0023】
同期ユニット205は、コアネットワークI/F201、BB送受信器202、RF送受信器203及びコントローラ204におけるそれぞれの動作に対する基準信号としてクロック信号を作成する。同期ユニットは、フェムト−BS101の内部クロックを外部クロック、例えばコアネットワーク又はGPSのクロックに同期する。同期ユニット205は、システムフレーム番号(SFN)生成器206を備える。SFN生成器206は、UE102と通信するために使用されるフレームを生成するタイミングを管理する。フレームにはそれぞれシステムフレーム番号が割り当てられる。
【0024】
図3は、本発明の実施形態に係るMME131を示す例示的な機能ブロック図である。MME131は、S1−MMEインタフェース301、コントローラ302及びデータベース303を含む。S1−MMEインタフェース301は、ブロードバンドアクセスネットワーク140を介してフェムト−BS101と通信し且つマクロ−BS100と通信するインタフェースである。S1−MMEは、専用回線を介してフェムト−BS101とインタフェースする(301)。コントローラ302は、MME131の動作を制御し、本発明の実施形態に係る処理を実行する。更に詳細には、インタフェースの構造は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)のLTE/SAEの提案に対応する。実際には、更なる実現例の詳細に対して、3GPP技術仕様書(TS)23.401の内容が使用可能である。データベース303は、本発明の実施形態のためにHSS132に格納された情報のうちの一部又は全てを格納してもよい。
【0025】
図4は、本発明の例示的な実施形態を実現するための機能構成要素を示す。省電力(ES)コーディネータ401は、省電力(ES)エージェント402〜404と通信する。ESコーディネータ401は、マクロ−BS100のうちのいずれか1つのセル範囲にあり、且つそれぞれのフェムト−BS101のステータスがESモードであるフェムト−BS101に関する情報を管理するためにデータベース405を使用する。フェムト−BS101を範囲に含むマクロ−BS100を識別するために使用された情報は、伝播遅延(PD)を測定し且つ/あるいは算出することでオペレータ又はエンドユーザによりESコーディネータ401に提供されてもよい。本発明の一実施形態によれば、ESコーディネータ401は、マクロ−BS100とフェムト−BS101との間で共有される必要があるPRACH設定に関連する情報を更に管理する。ESエージェント402は、ハードウェアをESモードにし、ハードウェアを自律的に又はESコーディネータ401からの命令で起動する。本発明の例示的な実施形態において、図4に示されたシステムは、図1に示されたLTE(Long Term Evolution)に適用されてよい。それに応じて、ESコーディネータ401は省電力調整ノードとしてMME131に配置され、データベース405はHSS132に配置される。MME131は、S1−MMEインタフェース301を介してフェムト−BS101においてESエージェントと対話する。ESコーディネータ401は、マクロ−BS100に更に配置されてもよく、X2インタフェースを介してESエージェントと通話してもよい。
【0026】
図5は、フェムト−BS101がESモードに移行する場合の本発明の例示的な実施形態に係る手順を説明するシーケンス図の一例を示す。
【0027】
S501において、マクロ−BS100は、マクロ−BS100のPRACH設定情報を含む設定情報及びフェムト−BS101がPRACH受信器ウィンドウタイミングを算出するために必要なSFNタイミング情報をESコーディネータ401であるMME131に送信する。
【0028】
S502において、フェムト−BS101は、MME131から設定情報を受信する。受信した設定情報は以下の要素を含む。
【0029】
・マクロ−BS100におけるPRACHの設定。マクロ−BS100は、再起動の度にPRACH設定を生成し、MME131に通知する。ESコーディネータ401であるMME131は、通知された最新の値でHSS132を更新する。PRACH設定情報は、テーブル5.7.1−1に従うPRACHのプリアンブルフォーマットのインデックス情報及びテーブル5.7.1−2に従うPRACH設定インデックスを含む。テーブルは、「3GPP TS 36.211 V.9.0.0、5.7物理ランダムアクセスチャネル、5.7.1時間及び周波数構造」において規定される。PRACH設定情報は、可能なシーケンスの集合を識別するための情報を更に含む。そのシーケンスから、UE102Aは、ルートZadoff−Chu(ZC)シーケンスを生成するために使用される論理インデックスであるRACH_ROOT_SEQUENCE、ZCシーケンスにおいてシフト量NCSを判定するために使用されたインデックスであるNCS設定、限られたグループ内でPRACHプリアンブルを選択するか否かを規定する高速フラグを含むPRACHプリアンブルのコンテンツを選択する。マクロ−BS100において使用された周波数情報は、設定情報に更に含まれてもよい。
【0030】
・マクロ−BS100において使用されたフレームのシステムフレーム番号(SFN)がゼロになる場合のSFNタイミング情報(T0)。SFNタイミング情報は、フェムト−BS101においてESモード中に、コントローラ204によりPRACH受信ウィンドウを設定するためにインデックス情報と共に使用され、UE102Aからマクロ−BS100に送信されたPRACHプリアンブルを受信するためにSFN生成器206と共に使用される。
【0031】
・マクロ−BS100とフェムト−BS101との間の伝播遅延(PD)。PD情報をMME131に提供する1つの方法として、ネットワークオペレータは、フェムト−BS101の所有者の住所情報に従って地図上のマクロ−BS100とフェムト−BS101との間の距離に基づいて伝播遅延を算出する。別の方法は、フェムト−BS101がUE102Aに対応する場合に予めUE102Aとマクロ−BS100との間の伝播遅延を測定し、フェムト−BS101とUE102Aとの間の距離がUE102Aとマクロ−BS100との間の距離に対して無視されてよいため、測定した伝播遅延をPD情報として使用する方法である。S503において、フェムト−BS101のコントローラ204は、監視された自身の使用に基づいて又はコアネットワークからの命令により、ESモードに移行するかを自律的に判定する。例えば、ある特定の期間フェムト−BS101を使用するユーザがいない場合、フェムト−BS101のコントローラ204はESモードに移行する。期間は、その日の時間、フェムト−BS101が習得した使用統計又はネットワーク側から提供された使用統計、IMSプレゼンスのようなユーザ関連情報及びフェムト−BS101の近傍のセンサデータよって変動する。期間はゼロであってもよく、これは、最後のUE102Aが無線ベアラをフェムト−BS101に対してリリースした直後にフェムト−BS101がESモードに移行することを意味する。ESコーディネータ401は、フェムト−BS101が考慮するUEのアクティブセル及び場所等の情報を提供する。挙動は、設定ファイルにおけるユーザの好みを考慮する。
【0032】
S504において、コントローラ204は、ESモードに移行することを決定する場合、UE102Aへのダウンリンク送信をOFFにするために動作を停止するようにベースバンド送信器202A及びRF送信器203Aに命令する。
【0033】
S505において、コントローラ204は、ベースバンド受信器202Bを含むPRACH受信ユニット、並びにS502でMME131からダウンロードした設定情報を使用するRF受信器203B及びSFN生成器206を再設定する。
【0034】
再設定中、コントローラ204は、時間情報(T0)を使用してマクロ−BS100とフェムト−BS101との間の伝播遅延(PD)を再起動するようにSFN生成器206を再設定する。例えば、SFNサイクルが4096個のフレームを含み、単一のフレームの大きさが10msであり、T0が12:34:00:000.567であり、PDが0.01msであり、現在時刻が12:44:00:000.890である場合、SFN生成器206の再起動時間(RT)は以下のように算出される。
【0035】
RT=12:34:00:000.567+409610msN−0.01ms
本明細書において、Nは、RTを12:44:00:000.890より大きくする最小の整数である。
【0036】
次に、コントローラは、MME131から受信したPRACH設定インデックス及びプリアンブルフォーマットのインデックスに基づいてシステムフレーム番号及びサブフレーム番号を設計することでPRACH受信ウィンドウを設定する。例えば、「3GPP TS 36.211 V.9.0.0」において規定されたテーブル5.7.1−2に従ってPRACH設定インデックスが「15」であり、プリアンブルフォーマットのインデックスが「0」である場合、システムフレーム番号は「偶数」に設定され、サブフレーム番号は「9」に設定される。サブフレーム番号は、PRACHプリアンブルの先頭フレームの番号として設定され、PRACH受信ウィンドウの長さは、設計されたプリアンブルフォーマットに依存して0.8ms又は1.6msとして設定される。LTEシステムにおいて、単一のシステムフレームは、各々が1msのフレーム長を有する10個のサブフレームを含む。コントローラ204は、PRACH受信ウィンドウをベースバンド受信器202Bに設定し、マクロ−BS100において使用された受信周波数をRF受信器203Bに設定する。
【0037】
ここで、UE102Aとフェムト−BS101との間の距離が非常に短いため、UE102Aからフェムト−BS101への伝播遅延(PD)はゼロであると考えられる。光速がc=310^8m/sであり、フェムトセル104のセル半径が12mであり、UE102Aが境界にある(すなわち、距離(b)=12m)と仮定すると、伝播遅延は、PD=12/(310^8)=410^(−8)=0.04usである。一方、LTEにおけるULサンプリングレートはfs=30.72MHzであり、OFDMサブキャリア間隔はFFTサイズ2048で15kHzである。1つのサンプルの持続期間Ts=1/fs=〜0.03us。従って、フェムト−BS101が時間領域においてマクロ−BS100の受信ウィンドウより早くマクロ−BSとフェムト−BSとの間の伝播遅延(PD)により受信ウィンドウを置く場合、フェムト−BS101は、UE102Aからマクロ−BS100に送出されたPRACHプリアンブルを受信する。ここで、受信ウィンドウの開始からのプリアンブルの遅延を時間差と呼び、時間差は、マクロ−BSとフェムト−BSとの間と同一となる。
【0038】
S505において、フェムト−BS101がESモードから復帰する場合、コントローラは、SFN生成器206に対する元のSFNタイミング情報を含むPRACH受信ユニットの元の設定を格納する。
【0039】
S506において、フェムトセル104に接続するUE102Aは、フェムト−BS101へのダウンリンク同期を損失する。S507において、ダウンリンク送信がS504で休止されているため、UE102Aは、セル探索を実行し、マクロ−BS100のマクロセル103に接続する。
【0040】
図6は、フェムト−BS101がESモードから復帰する場合の本発明の例示的な実施形態に係る手順を説明するシーケンス図の別の一例を示す。フェムトセル104のカバーエリア内のUE102Aは、発呼するかあるいはデータ接続を確立しようとする場合、マクロ−BS100を用いてランダムアクセス手順を実行する。UE102Aは、PRACHプリアンブルと呼ばれる短い信号を送信し、手順を開始する。フェムト−BS101の再設定されたPRACH受信ユニットは、PRACHプリアンブルを検出しようとする。
【0041】
S601において、マクロ−BS100は、例えばPBCH及び/又はPDSCHの物理チャネルを含むダウンリンク共通信号をUE102Aに送信する。UE102Aは、発呼する等のマクロ−BS100にアクセスする必要がある場合、ダウンリンク共通チャネルを復号化し、PRACHに対して必要なパラメータを取得し、S602でPRACHプリアンブルをマクロ−BS100に送信する。これらのステップは、それぞれの3GPP規格において規定された手順に対応する。
【0042】
S602において、PRACHプリアンブルがマクロ−BS100のPRACH設定に従って設計されたシステムフレーム及びサブフレームを介して送信されるため、フェムト−BS101は、PRACH受信ウィンドウを使用してPRACHプリアンブルを検出する。ベースバンド受信器202Bは、アップリンクデータを復号化し、復号化アップリンクデータがUE102AからのPRACHプリアンブルであるか否かをチェックする。ベースバンド受信器202Bは、FFTを使用してPRACH受信ウィンドウにおいて時間領域表現として解釈された復号化アップリンクデータを周波数領域表現に変換する。周波数領域において受信した信号を表すFFTの出力は、ルートZCシーケンスの複素共役周波数領域表現と乗算され、その結果はIFFTを介して供給される。IFFT出力を観察することにより、適用されている64個のZCルートシーケンスのシフト及びその遅延を検出することが可能である。基本的に、間隔NにおけるIFFT出力のピークは、9番目の循環シフトされたシーケンスに対応し、遅延は、間隔内のピークの位置により与えられる。復号化アップリンクデータを64個のZCシーケンスのうちのいずれか1つとして識別する場合、ベースバンド受信器202Bは、PRACHプリアンブルが検出されることをコントローラ204に通知する。更にフェムト−BS101は、PRACH受信ウィンドウにおいて検出されたピークの位置を見ることにより、PRACHプリアンブルがフェムトセル104内のUE102Aから送出されるかをチェックする。PRACHプリアンブルがフェムトセル104のカバーエリア外からのものであると判定される場合、フェムト−BS101は、受信したPRACHプリアンブルを無視し、ESモードのままである。UE102がフェムトセル104のカバーエリア外であるかを判定するため、ベースバンド受信器は、PRACHプリアンブルの受信タイミングとPRACH受信ウィンドウの開始点との時間差をチェックする。時間差が所定の閾値を上回る場合、UE102がフェムトセル104の外側に位置すると判定される。3GPP技術仕様書(TS)36.214において規定された測定値、すなわち「5.2.4タイミングアドバンス」及び「5.2.5 eNB Rx−Tx時間差」は、時間差を測定するために利用される。フェムト−BS101がPRACHプリアンブルを検出する場合、検出されたピークの電力情報は、判定精度を高めるためにPRACH受信ウィンドウの開始に対して測定されたPRACHプリアンブルの時間差と共に利用される。3GPP TS 36.213、6.1節に従って、マクロ−BSが目標電力だけプリアンブルを受信する(PREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWER)ように、UEは、ダウンリンク経路損失推定値を目標電力に加算することでPRACHプリアンブルの初期電力を算出する。マクロ−BS100とフェムト−BS101との間の距離が予めESコーディネータ401によりフェムト−BS101に提供されるため、フェムト−BS101の近傍のUE102Aからマクロ−BS100への経路損失は、フェムト−BS101により推定される。マクロ−BS100におけるPREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWERをフェムト−BS101に通知することにより、フェムト−BS101は、UE102AにおいてPRACHプリアンブルの初期送信電力を推定する。推定されたUEの初期送信電力からフェムト−BS101により受信されたPRACHプリアンブル電力の差が事前定義された閾値を上回る場合、フェムト−BSは、UE102Aがそのセルの範囲外にあるとみなす。
【0043】
ESモードを効率的にするため、フェムト−BS101は、ESモードになった後で所定の期間(例えば、5分)内にPRACHプリアンブルを検出する場合、その検出を無視し、送信器202A及び203Aを再設定しない。
【0044】
S603において、マクロ−BS100は、PRACHプリアンブルに応答してL1 ACKをUE102Aに送信する。S604において、フェムト−BS101はESモードから復帰する。コントローラ204は、PRACH受信ユニットにおいて元の設定を復元し、DL送信を再開するようにベースバンド送信器202A及びRF送信器203Aの再設定を含む。
【0045】
S605において、ベアラは、マクロ−BS100とUE102Aとの間で設定される。S606において、フェムト−BS101はダウンリンク送信を再起動する。DL送信の再起動に応答して、UE102Aは、DL信号を検出する場合、S607でDL信号の強度及び品質を測定し、マクロ−BS100からフェムト−BS101へのハンドオーバを実行するかを判定する。UE102Aは、フェムト−BS101からのDL信号がマクロ−BS100からのDL信号より適切であると判定する場合、S608でハンドオーバを実行する。
【0046】
尚、PRACHプリアンブルを使用するランダムアクセス手順は、ユーザが発呼する場合だけでなく、UE102Aがネットワークによりページングされる場合にも実行される。従って、ESモードのフェムト−BS101は、着呼試行時に起動するようにページングチャネルを監視する必要はない。
【0047】
図7は、「3GPP TS 36.211 V.9.0.0」に従うPRACHプリアンブルの例示的な構造を示す。PRACHプリアンブル700は、選択されたプリアンブルフォーマットに従って1ms、2ms又は3msの長さを有し、サイクリックプレフィックス(CP)部分701及びシーケンス部分702を含む2つの部分から構成される。シーケンス部分702は、「3GPP TS 36.211 V.9.0.0、5.7物理ランダムアクセスチャネル、5.7.2プリアンブルシーケンス生成」において規定されたテーブル5.7.2−2に従ってNCSを使用してシフトされるルートZCシーケンスを含む。PRACHプリアンブルの生成方法の更なる詳細が「3GPP TS 36.211 V.9.0.0、5.7物理ランダムアクセスチャネル、5.7.2プリアンブルシーケンス生成」において更に説明されるため、それらの説明は本実施形態において省略される。
【0048】
上記において、本発明がLTEシステムに適用される場合に本発明の実施形態を説明する。この種の適応例において、PRACHプリアンブルに関する時間及び周波数の情報は、UE102に同報通信される。ランダムアクセスを実行したいUE102は、特定の時間−周波数リソース内でプリアンブルシーケンスを送出する。プリアンブルシーケンスは、更に同報通信される64個のシーケンスの集合から無作為に選択される。
【0049】
本発明はW−CDMAシステムに適用される。3GPP TS 25.213 4.33節によれば、W−CDMAにおけるPRACHプリアンブルは、4096のチップ長になる署名の16個の記号の256回の繰返しにより作成される。UEは16個の署名から選択できる。プリアンブルはスクランブリングコードによりスクランブルされる。16個のコードの512個のグループにグループ化される8192個のプリアンブルスクランブリングコードがある。1つのグループは、セルに割り当てられ、セルにおいてUE102に同報通信される。UE102は、PRACH手順を開始する場合、グループにおいて16個のコードのうちの1つを選択する。従って、UE102が選択するために16個の署名及び16個のスクランブリングコードから256個の組合せがある。UE102は、12個のPRACHサブチャネルのうちの1つを選択し、選択したサブチャネル上にPRACHプリアンブルを送出する。3GPP TS25.211 7節によれば、RACHサブチャネルのタイミングは、ダウンリンクにおいてAICHアクセススロットからの一定のオフセットにより規定される。AICHアクセススロットは、SFNタイミングに割り当てられるPCCPCHタイミングに割り当てられる。従って、フェムト−BS101は、マクロセル103とフェムトセル104との間の伝播遅延を利用してSFNタイミングをマクロセルにおけるタイミングのうちの1つに割り当てる必要がある。従って、ESコーディネータ401は、マクロ−BS100のPRACH設定として少なくとも以下のパラメータをフェムト−BS101に提供しなければならない。
・マクロセルの周波数情報及びSFNタイミング情報
・フェムトセル104からマクロセル103への伝播遅延(PD)
・マクロセルにおけるPRACHプリアンブルに対するスクランブリングコードグループ
【0050】
本発明の実施形態において、ESモードからフェムト−BS101をリリースするトリガは、受信したPRACHプリアンブルに制限されない。本発明の別の実施形態において、フェムト−BS101は、ネットワークからの起動命令に応答してESモードから復帰する。本実施形態において、UE102Aがフェムトセル104のカバーエリア内にあると思われる場合、ESコーディネータ401であるMME131は、マクロ−BS100を介してマクロ−BS100にアクセスしようとするUE102Aの場所を検出し、フェムト−BS101を起動する。位置情報に加え、UE102Aの識別番号は、UE102Aが起動したいフェムト−BSを判定するために利用される。
【0051】
第1の実施形態と同様に、どのフェムト−BSがどのマクロ−BSのセル範囲にあるかに関する情報は、予めデータベースに提供される必要がある。また、どのUE102がどのフェムト−BSを使用する権利を有するかに関する情報は、データベースに提供される。
【0052】
本実施形態において、フェムト−BS101は、ESモードに移行する場合、ネットワークからPRACH設定情報を取得し、PRACH受信ユニットを再設定する必要はない。フェムト−BS101は、接続されたUE102Aに対するダウンリンク送信を単にOFFにする。フェムト−BS101は、ESモードに遷移することをESコーディネータ401に通知する。ESモードに移行する可能な条件は、図5のS503と関連付けて上述した条件と同一であってもよい。
【0053】
UE102Aが結合されたマクロ−BS100を介してランダムアクセス手順を実行する場合、ESコーディネータ401は、UE102Aの場所に基づいて及び必要に応じてUE102Aの識別番号を使用してフェムト−BS101をルックアップする。ルックアップされたフェムト−BS101がESモードである場合、ネットワークは、フェムト−BS101を起動するために信号を送出する。ESコーディネータ401は、フェムト−BS間のハンドオーバに対して準備されるフェムト−BS101の起動とほぼ同時に他のフェムト−BSを起動する。
【0054】
図8は、フェムト−BS101がESモードから復帰する場合の本発明の例示的な実施形態に係る手順を説明するシーケンス図の別の例を示す。
【0055】
S801において、フェムト−BS101は、フェムト−BS101のコントローラ204による判定結果に基づいてESモードに移行する。コントローラ204は、UE102Aに対するダウンリンク送信をOFFにするために動作を停止するようにRF送信器203A及び必要に応じてベースバンド送信器202Aに命令する。
【0056】
S802において、フェムト−BS101は、フェムト−BS101がESモードになったことをESコーディネータ401であるMME131に通知する。S803において、マクロ−BSにアクセスする必要があるUE102Aは、PRACHプリアンブルをマクロ−BS100に送信する。PRACHプリアンブル送信に応答して、マクロ−BS100はL1 ACKをUE102Aに送信し、ベアラは、マクロ−BS100とUE102Aとの間で設定される。
【0057】
S804において、マクロ−BS100はUE102Aの位置を測定する。測定は、UE102Aにおいて受信したGPS座標情報を使用して実行され、UE102Aからマクロ−BS100に転送される。マクロ−BSは、マクロ−BS100とUE102Aとの間のラウンドトリップ時間を使用する。
【0058】
S805において、マクロ−BS100は、UE102Aの位置情報及び識別番号をMME131に通知する。本実施形態において、UEの識別番号は、MS−ISDN(移動加入者統合サービスデジタル網番号)、IMEI(国際移動体装置識別番号)、IMSI(国際移動加入者識別番号)又はRNTI(無線ネットワーク一時識別子)であるが、それに限定されない。S806において、MME131は、UE102Aに対応できるフェムト−BS101に関する情報をHSS132から検索し、そのUE102Aの位置情報及び識別番号は、マクロ−BS100から通知されている。HSS132は、それぞれのフェムト−BSを管理するテーブルを格納する。テーブルは、それぞれのフェムト−BSを対応するフェムト−BSを使用できるUEの識別番号と関連付けることにより、UE102からのフェムト−BSへのアクセシビリティを管理する。例えば、図1のフェムト−BS101は、テーブルにおいてUE102Aと関連付けられる一方でUE102Bとは関連付けられない。テーブルは、それぞれのフェムト−BSの位置情報及びフェムトセルのセル半径を更に管理する。S806において、UEの識別番号がフェムト−BSの情報と関連付けられるため、MME131は、UEの識別番号を使用してマクロ−BSが通知したUE102に関連するフェムト−BSに関する情報をHSS132のテーブルから検索する。別の実施形態において、HSS132のテーブルは、MME131のデータベース303又は独立したデータベースに格納される。
【0059】
S807において、MME131は、フェムト−BS101がUE102Aの位置情報、HSS132から検索されたフェムト−BS101の位置情報及びフェムトセルのセル半径に基づいてマクロ−BS100から通知されたUE102Aに適するかを判定する。UE102がフェムト−BS101のカバーエリア内に配置される場合、MME131は、S808で起動命令をフェムト−BSに送出する。しかし、ESモードを効率的にするため、起動命令を送出する条件を満たす場合であっても、S802でフェムト−BS101から通知を受信してから所定の期間(例えば、5分)が経過していない場合、MME131は起動命令を送出しない。
【0060】
S809において、MME131からの起動命令に応答して、フェムト−BS101は、DL送信を再起動するようにRF送信器203Aを再設定するコントローラ204によりESモードから復帰する。
【0061】
上記において、GPS座標は、S804でマクロ−BS100にアクセスするUE102の位置情報として使用されるが、UE102が屋根の下に常駐する場合、GPS座標に基づく位置情報の精度は十分でない。一方、S806において、UE102の識別番号情報は、フェムト−BS101がESモードから起動すべきであるかを判定するための基準として使用される。
【0062】
従って、以下の更なる実施形態は、上述した2つの実施形態の組合せに基づいて使用可能である。更なる本実施形態において、フェムト−BS101は、図5のS501〜S507に従ってESモードになり、ESモードに移行することをESコーディネータであるMME131に通知する。UE102により送信されたPRACHプリアンブル(S602)は、図6と関連付けて上述したのと同一の方法でフェムト−BS101により検出される。しかし、フェムト−BS101は、S604を実行する前にタイマを開始する。S602において、PRACHプリアンブルは、図8のS803〜S807に後続して更にマクロ−BS100により検出される。MME131は、S807でPRACHプリアンブルを送出したUE102がフェムト−BS101にアクセスできると判定した後、S808で起動命令をフェムト−BSに送信する。
【0063】
その後、フェムト−BS101は、PRACHプリアンブルが更にフェムト−BS101において検出されたことを考慮することでESモードから復帰するかを最終的に判断する。フェムト−BS101のコントローラ204が起動すること決心する場合、ステップS604以降のステップが継続する。コントローラ204起動しないことを決心するか、あるいは起動命令を受信する前にタイマの時間が経過した場合、フェムト−BS101はESモードのままである。
【0064】
上述の実施形態によれば、本発明は、DL送信をOFFにすることでフェムト−BSにおけるエネルギー消費量を減少する。これにより、フェムト−BSとそれに近傍する他のBS及び/又は他の機器との間の干渉を減少する。本発明は、フェムト−BSのエネルギー消費量を減少するためにエンドユーザによる余分な動作を一切必要とせず、各実施形態に係るESモードからの自律復帰機能のおかげでソフトウェア及び設定の更新、並びにUEへのコンテンツダウンロード等のバックグラウンド動作に影響を及ぼさない。
【0065】
フェムト−BSは、例えば近傍のUEの数及びフェムト−BSが配置される無線条件、並びに正規ユーザが既知である個人専用使用であるか又は未知のUEがアクセスする可能性のある公共使用であるか等の他の条件の環境に依存して、上述の実施形態のうちのいずれか1つを実現し、それらの間で切り替わる。尚、本発明は、家での使用に限定されず、公共空間に位置するフェムト−BSに適用されてもよい。
【0066】
例示的な実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は開示された例示的な実施形態に限定されないことが理解されるべきである。以下の特許請求の範囲の範囲は、そのような変更、並びに等価の構造及び機能の全てを含むように広範に解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ネットワークと接続し、第1のセル(104)を構築し、該第1のセルのカバーエリア内に存在する少なくとも1つのユーザ機器(102A)に無線通信サービスを提供するように構成されたフェムト基地局(101)であって、
前記ユーザ機器(102A)と無線通信を行うための送信器(202A,203A)及び受信器(202B、203B)を含む送受信器(202,203)と、
コントローラ(204)と、
を備え、
前記コントローラ(204)は、前記フェムト基地局(101)を省電力モードに移行するか否かを判定し、
前記コントローラ(204)は前記フェムト基地局(101)を省電力モードに移行すると判定した場合に、前記送信器(202A、203A)の動作を停止させ、
前記送信器の動作停止後、前記受信器(202B)が前記ユーザ機器(102A)から、マクロ基地局(100)へのデータ送信を検出した場合に、前記コントローラ(204)は前記送信器を再設定し、
前記マクロ基地局(100)は、前記第1のセル(104)を包含し、前記第1のセルよりもカバーエリアが広い第2のセル(103)を構築して前記ユーザ機器(102)に無線通信サービスを提供するように構成されていることを特徴とするフェムト基地局(101)。
【請求項2】
前記受信器(202B)は、前記データ送信として、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)プリアンブルの送信を検出することを特徴とする請求項1に記載のフェムト基地局(101)。
【請求項3】
前記無線通信ネットワーク内の省電力調整ノード(131)と通信するネットワークインタフェース(201)をさらに備え、
前記ネットワークインタフェース(201)は、前記ユーザ機器(102A)が前記マクロ基地局(100)へ送信する前記PRACHプリアンブルの設定情報を前記省電力調整ノードから予め受信し、
前記コントローラ(204)は、前記送信器(202A、203A)の動作を停止する場合、前記受信器(202B、203B)を前記設定情報に基づき再設定し、
再設定された前記受信器(202B、203B)が前記PRACHプリアンブルを検出する
ことを特徴とする請求項2に記載のフェムト基地局(101)。
【請求項4】
前記ネットワークインタフェース(201)は、省電力モードの間に前記省電力調整ノード(131)より起動指示を受信し、
前記コントローラ(204)は、前記起動指示の受信に応じて前記送信器(202A、203A)を再設定することを更に特徴とする請求項3に記載のフェムト基地局(101)。
【請求項5】
前記設定情報には、少なくとも、前記ユーザ機器から前記マクロ基地局へ前記PRACHプリアンブルを送信するタイミングを推定して前記PRACHプリアンブルを検出するための検出用情報と、前記ユーザ機器(102A)がPRACHプリアンブルのコンテンツを選択するための、可能性のあるシーケンスのセットを識別するための情報とが含まれることを特徴とする請求項3または4に記載のフェムト基地局(101)。
【請求項6】
前記検出用情報には、前記マクロ基地局が送信するフレームのシステムフレーム番号(SFN)が0となる時刻情報と、前記マクロ基地局と前記フェムト基地局との間の伝播遅延情報と、前記PRACHプリアンブルのフォーマットの第1のインデックス情報と、前記PRACHプリアンブルのコンフィグレーションの第2のインデックス情報とが含まれることを特徴とする請求項5に記載のフェムト基地局(101)。
【請求項7】
前記時刻情報及び前記伝播遅延情報に基づいて、前記マクロ基地局(100)におけるフレームの生成タイミングを推定する推定部(206)をさらに備え、
前記コントローラ(204)は、前記ユーザ機器が前記PRACHプリアンブルを送信するために使用するフレームのシステムフレーム番号と、該フレームに含まれる複数のサブフレームのうち、前記PRACHプリアンブルを送信するために使用する先頭フレームとしてのサブフレームのサブフレーム番号とを特定し、
前記受信器(202B、203B)は、推定された前記生成タイミングと、特定された前記システムフレーム番号及び前記サブフレーム番号と、前記可能性のあるシーケンスのセットとに基づいて、前記ユーザ機器と前記マクロ基地局との間の通信を監視し、前記PRACHプリアンブルを検出する
ことを特徴とする請求項6に記載のフェムト基地局(101)。
【請求項8】
前記受信器(202B、203B)が前記送信器の動作停止後、一定期間内に前記データ送信を検出した場合、前記コントローラ(204)は前記送信器(202A、203A)を再設定しないことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のマクロ基地局。
【請求項9】
第1のセル(104)を構築し、該第1のセルのカバーエリア内に存在する少なくとも1つのユーザ機器(102A)に無線通信サービスを提供するフェムト基地局(101)の動作をサポートするように構成された、無線通信ネットワークにおける省電力調整ノード(131)であって、
前記第1のセルを包含し、前記第1のセルよりもカバーエリアの広い第2のセル(103)を構築して前記ユーザ機器に無線通信サービスを提供するマクロ基地局(100)から、該マクロ基地局の物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)の設定情報を受信する受信器(303)と、
前記設定情報を、前記フェムト基地局に送信する送信器(301)と
を備えることを特徴とする省電力調整ノード(131)。
【請求項10】
前記設定情報には、少なくとも、前記ユーザ機器から前記マクロ基地局へPRACHプリアンブルを送信するタイミングを推定して該PRACHプリアンブルを検出するための検出用情報と、前記ユーザ機器(102A)がPRACHプリアンブルのコンテンツを選択するための、可能性のあるシーケンスのセットを識別するための情報とが含まれることを特徴とする請求項9に記載の省電力調整ノード(131)。
【請求項11】
前記検出用情報には、前記マクロ基地局が送信するフレームのシステムフレーム番号(SFN)が0となる時刻情報と、前記マクロ基地局と前記フェムト基地局との間の伝播遅延情報と、前記PRACHプリアンブルのフォーマットの第1のインデックス情報と、前記PRACHプリアンブルのコンフィグレーションの第2のインデックス情報とが含まれることを特徴とする請求項10に記載の省電力調整ノード(131)。
【請求項12】
第1のセル(104)を構築し、該第1のセルのサービスエリア内に存在する少なくとも1つのユーザ機器(102A)にサービスするフェムト基地局(101)の動作をサポートするように構成された、無線通信ネットワークにおける省電力調整ノード(131)であって、
前記フェムト基地局(101)が、無線送信機能を停止する省電力モードに移行した旨の通知を該フェムト基地局から受信する第1の受信器と、
前記第1のセル(104)を包含し、前記第1のセルよりもカバーエリアの広い第2のセル(103)を構築して前記ユーザ機器(102)に無線通信サービスを提供するマクロ基地局(100)から、該マクロ基地局によってサービスされている前記ユーザ機器の位置情報を受信する第2の受信器(301)と、
前記ユーザ機器(102)が前記第1のセル(104)からのサービス提供を受けることが可能か否かを受信した前記位置情報に基づいて判定するコントローラ(302)と、
前記コントローラ(302)が、前記ユーザ機器(102A)が前記第1のセル(104)からのサービス提供を受けることが可能であると判定した場合に、前記フェムト基地局(101)に対して起動命令を送信する送信器(301)と
を備えることを特徴とする省電力調整ノード。
【請求項13】
前記コントローラ(302)は、前記ユーザ機器(102)が前記フェムト基地局(101)にアクセスすることが許可されるか否かに関する情報に更に基づいて、前記ユーザ機器(102)が前記第1のセル(104)からのサービス提供を受けることが可能か否かを判定することを特徴とする請求項12に記載の省電力調整ノード。
【請求項14】
前記コントローラ(302)が、前記ユーザ機器(102A)が前記第1のセル(104)からのサービス提供を受けることが可能であると判定した場合であっても、前記フェムト基地局からの前記通知の受信後、一定期間が経過するまでは、前記送信手段は前記起動命令を送信しないことを特徴とする請求項12又は13に記載の省電力調整ノード。
【請求項15】
フェムト基地局(101)と、マクロ基地局(100)と、省電力調整ノード(131)とを含む無線通信システムであって、
前記フェムト基地局(101)は、第1のセル(104)を構築し、該第1のセル(104)のサービスエリア内に存在する少なくとも1つのユーザ機器(102A)に無線通信サービスを提供するように構成され、
前記ユーザ機器(102)と無線通信を行うための送信器(202A,203A)及び受信器(202B、203B)を含む送受信器(202,203)と、
前記省電力調整ノード(131)と通信するネットワークインタフェース(201)と、
コントローラ(204)と、
を備え、
前記コントローラ(204)は、前記フェムト基地局(101)を省電力モードに移行するか否かを判定し、
前記コントローラ(204)は前記フェムト基地局(101)を省電力モードに移行すると判定した場合に、前記送受信器の前記送信器(202A、203A)の動作を停止させ、
前記ネットワークインタフェース(201)は、前記マクロ基地局(100)の物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)の設定情報を受信し、
前記送信器(202A、203A)の動作停止後、前記設定情報を利用して再設定された受信器(202B、203B)が前記ユーザ機器(102A)から、前記マクロ基地局(100)へのデータ送信を検出した場合に、前記コントローラ(204)は前記送信器を再設定し、
前記マクロ基地局(100)は、前記第1のセル(104)を包含し、前記第1のセルよりもカバーエリアの広い第2のセル(103)を構築して該ユーザ機器に無線通信サービスを提供し、前記設定情報を前記省電力調整ノード(131)に送信するように構成され、
前記省電力調整ノードは、
前記マクロ基地局(100)から、前記設定情報を受信する受信器(303)と、
前記設定情報を、前記フェムト基地局(101)に送信する送信器(301)と
を備える
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項16】
フェムト基地局(101)と、マクロ基地局(100)と、省電力調整ノード(131)とを含む無線通信システムであって、
前記フェムト基地局(101)は、第1のセル(104)を構築し、該第1のセルのカバーエリア内に存在するユーザ機器(102A)に無線通信サービスを提供するように構成され、
前記ユーザ機器(102A)と無線通信を行うための送信器(202A,203A)及び受信器(202B、203B)を含む送受信器(202,203)と、
前記省電力調整ノード(131)と通信するネットワークインタフェース(201)と、
コントローラ(204)と、
を備え、
前記コントローラ(204)は、前記フェムト基地局(101)を省電力モードに移行するか否かを判定し、
前記コントローラ(204)は前記フェムト基地局(101)を前記省電力モードに移行すると判定した場合に、前記送受信器の前記送信器(202A、203A)の動作を停止させ、
前記ネットワークインタフェース(204)が前記省電力調整ノード(131)に、前記省電力モードへ移行した旨の通知を送信し、
前記受信器(202B、203B)が起動命令を前記省電力調整ノード(131)から受信した場合に、前記コントローラ(204)は前記送信器を再設定し、
前記マクロ基地局(100)は、前記第1のセル(104)を包含し、前記第1のセルよりもカバーエリアの広い第2のセル(103)を構築してユーザ機器(102)に無線通信サービスを提供し、該第2のセル内のユーザ機器(102)の位置情報を前記省電力調整ノードに送信し、
前記省電力調整ノード(131)は、
前記フェムト基地局(101)が、前記通知を該フェムト基地局から受信する第1の受信器(301)と、
前記マクロ基地局(100)から、前記位置情報を受信する第2の受信器(301)と、
前記第2のセル(103)内のユーザ機器(102)が、前記第1のセルからのサービス提供を受けることが可能か否かを受信した前記位置情報に基づいて判定するコントローラ(302)と、
前記コントローラ(302)が、前記ユーザ機器(102A)が前記第1のセルからのサービス提供を受けることが可能であると判定した場合に、前記フェムト基地局(101)に対して起動命令を送信する送信手段(301)と
を備える
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項17】
コンピュータをフェムト基地局(101)として機能させるためのコンピュータプログラムであって、
前記フェムト基地局(101)は、第1のセル(104)を構築し、該第1のセルのカバーエリア内に存在する少なくとも1つのユーザ機器(UE102)に無線通信サービスを提供するように構成され、
前記ユーザ機器と無線通信を行うための送信器(202A,203A)及び受信器(202B、203B)を含む送受信器(202,203)と、
コントローラ(204)と、
を備え、
前記コントローラ(204)は、前記フェムト基地局(101)を省電力モードに移行するか否かを判定し、
前記コントローラ(204)は前記フェムト基地局(101)を省電力モードに移行すると判定した場合に、前記送信器(202A、203A)の動作を停止させ、
前記送信器の動作停止後、前記受信器(203B)が前記ユーザ機器から、マクロ基地局(100)へのデータ送信を検出した場合に、前記コントローラは前記送信器を再構成し、
前記マクロ基地局(100)は、前記第1のセル(104)を包含し、前記第1のセルよりもカバーエリアが広い第2のセル(103)を構築して前記ユーザ機器(102)に無線通信サービスを提供するように構成されていることを特徴とする
コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−520032(P2013−520032A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528175(P2012−528175)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【国際出願番号】PCT/JP2010/052806
【国際公開番号】WO2011/101998
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】